(Translated by https://www.hiragana.jp/)
NT File System - Wikipedia

NT File System

マイクロソフトのWindows NT系列けいれつ使用しようされるファイルシステム
NTFSから転送てんそう

NT File System (NTFS) とは、Windows NTけい標準ひょうじゅんファイルシステムである。

NTFS
開発かいはつしゃ マイクロソフト
正式せいしきめい NT File System
導入どうにゅう 1993ねん7がつ (Microsoft Windows NT 3.1)
パーティション識別子しきべつし 0x07 (MBR)
EBD0A0A2-B9E5-4433-
87C0-68B6B72699C7
(GPT)
構造こうぞう
ディレクトリ B+
領域りょういき管理かんり ビットマップ/Extents
不良ふりょうブロック ビットマップ/Extents
限度げんど
最大さいだいファイル サイズ実装じっそうじょう
16 TiBWindows 7Windows Server 2008 R2まで)、
256 TiB - 64 KiB(Windows 8Windows Server 2012以降いこう[1]
8 PiB - 2 MiB (Windows 10 バージョン1709、Windows Server 2019以降いこう[2]
理論りろんじょう)16 EiB
最大さいだいファイルすう 232-1 (4,294,967,295)
最大さいだいファイルめいちょう 255文字もじUTF-16
最大さいだいボリューム サイズ実装じっそうじょう
256 TiB - 64 KiB(Windows 10 バージョン1703、Windows Server 2016まで)
8 PiB - 2 MiB(Windows 10 バージョン1709、Windows Server 2019以降いこう[2]
理論りろんじょう)264-1 クラスタ
ファイルめい文字もじ
  • Win32名前なまえ空間くうかん: /\:*"?<>|NUL以外いがい任意にんいのUTF-16でエンコードされたUnicode大文字おおもじ小文字こもじ区別くべつしない)
  • POSIX名前なまえ空間くうかん: /とNUL以外いがい任意にんいのUTF-16でエンコードされたUnicode(大文字おおもじ小文字こもじ区別くべつする)
特徴とくちょう
タイムスタンプ アクセス、
作成さくせい
修正しゅうせい
POSIX変更へんこう
日付ひづけ範囲はんい 1601ねん1がつ1にち - 60056ねん5月28にち
日付ひづけ分解能ぶんかいのう 100ナノびょう
フォーク 可能かのう
属性ぞくせい りのみ (R)、
かくし (H)、
システム (S)、
アーカイブ (A)、インデックスサービス対象たいしょう (I)、オフライン (O)、圧縮あっしゅく (C)、暗号あんごう (E)、テンポラリ (T)、スクラビング対象たいしょう (X)
パーミッション ACL
透過とうかてき圧縮あっしゅく ファイルごとLZ77。XPRESS(Windows 10のみ)[3]。LZX(Windows 10のみ)[3]
透過とうかてき暗号あんごう ファイルごと
DES-X: (Windows 2000)
トリプルDES: (Windows XP)
AES:(Windows XP SP1Windows Server 2003以降いこう
重複じゅうふく排除はいじょ

ファイル単位たんい(2000から2012 R2までのWindows Server)、

可変かへんサイズブロック単位たんい(2012以降いこうのWindows Server)
対応たいおうOS Windows NTけい
テンプレートを表示ひょうじ
  • NTFS 1.0 - Windows NT 3.1使用しようされたバージョン。
  • NTFS 1.1 - Windows NT 3.51使用しようされたバージョン。
  • NTFS 1.2 (4.0) - Windows NT 4.0使用しようされたバージョン。
  • NTFS 3.0 (5.0) - Windows 2000使用しようされたバージョン。
  • NTFS 3.1 (5.1) - Windows XP以降いこう使用しようされているバージョン。

括弧かっこないはそれぞれが実装じっそうされたWindows NTけいのバージョン。NTFSのバージョンとしてばれることがある。

互換ごかんせい

編集へんしゅう

NTFS 1.2とNTFS 3.xとのあいだには互換ごかんせいく、Windows NT 4.0じょうからNTFS 3.xにアクセスするには、Service Pack 4以上いじょう適用てきようする必要ひつようがある。また、Windows 2000以降いこうで、自身じしん使用しようしているバージョンよりもまえのバージョンのNTFSにアクセスすると、その時点じてん自身じしん使用しようしているバージョンに変換へんかんする。

PC/AT互換ごかんパーティションテーブルIDが、HPFSおなじであるため、登場とうじょう当初とうしょはディスク ユーティリティが誤動作ごどうさすることがあった。

後継こうけい

編集へんしゅう

サーバけにマイクロソフトはWindows Server 2012においてNTFSの欠点けってん解消かいしょうしたReFS導入どうにゅうしている(なお、ReFSこうには「NTFSの後継こうけいではない」と明記めいきされている)。HomeやProバージョンでは今後こんごもNTFSが使つかわれていく予定よていである。

特徴とくちょう

編集へんしゅう
だい容量ようりょう
1ボリュームたりの推奨すいしょう最大さいだいサイズは、2 TiBであるが、それ以上いじょうのファイルシステムも作成さくせい可能かのうである(理論りろんじょうは、264-1クラスタ[4]まで可能かのうだが、コンピュータの性能せいのうじょう制限せいげんしてある)。
検索けんさく高速こうそく
ファイルの管理かんりB+おこなわれ、大量たいりょうのファイルが存在そんざいしていても、検索けんさくやアクセス速度そくど低下ていかすくない。
ながいファイルめい
MS-DOSの「ファイルめい 8バイト + 拡張子かくちょうし 3バイト」(8.3形式けいしき)から、ファイルめい拡張子かくちょうしにとらわれず、Unicode最大さいだい255文字もじのファイルめいけることができるようになった(ドットもファイルめい一部いちぶとなった)。
POSIXサポート
アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく政府せいふのコンピュータ納入のうにゅう条件じょうけんとしてPOSIXサポートが必須ひっす条項じょうこうであったため、NTFSはPOSIX.1仕様しよう環境かんきょう提供ていきょうする。これには、ファイルめいやディレクトリめい大文字おおもじ小文字こもじ区別くべつやアクセスけんハードリンク互換ごかんせいタイムスタンプのサポートがふくまれる。
代替だいたいデータ ストリーム(マルチ データ ストリーム)
NTFSは、ひとつのディレクトリ エントリにたいして、複数ふくすうのデータ ストリームをつことができる。これはMacintosh使つかわれるHFS+におけるマルチ フォークに相当そうとうする機能きのうで、ファイルの概要がいよう情報じょうほうやアクセス制御せいぎょリストなどはこの機能きのう利用りようしてディレクトリ エントリにむすけられている。

頑健がんけんせいとセキュリティ

編集へんしゅう
堅牢けんろうせい向上こうじょう
突然とつぜん電力でんりょく供給きょうきゅう停止ていしなどの障害しょうがい発生はっせいした場合ばあいトランザクションログから、実行じっこうした処理しょりをロールバックし、ファイルシステムの整合せいごう発生はっせいさせないジャーナリングファイルシステムをサポートしている。
たい障害しょうがいせい
ハードディスクうち不良ふりょうセクタ動的どうてき認識にんしきする。以降いこうそのセクタふくむクラスタにたいするアクセスはべつのクラスタに代替だいたいされるようになる。冗長じょうちょうせいのあるダイナミック ボリュームまたは記憶きおくいきスペースを使用しようしていなかった場合ばあい不良ふりょうセクタにあったデータは回復かいふくされない。
セキュリティの向上こうじょう
ファイルやディレクトリごとにACLによるアクセスけん設定せってい可能かのうである。また、ファイルアクセスの監視かんしおこな設定せってい可能かのうである。
ディスククォータ
Windows 2000以降いこうのNTFSは、ユーザーごとのディスクの使用しようりょう上限じょうげん設定せっていできる。Windows Server 2003 R2からは、ディレクトリごとのディスクの使用しようりょう上限じょうげん設定せっていすることができるようになった。
暗号あんごう
Windows 2000以降いこうのNTFSは、Encrypting File Systemをサポートし、NTFSボリュームじょうのファイルとフォルダの透過とうかてき暗号あんごうをサポートしている。これは圧縮あっしゅく機能きのういち実装じっそうであり、暗号あんごうされたファイルやフォルダはつね圧縮あっしゅくされている。暗号あんごう利用りようした場合ばあい自分じぶん自身じしん証明しょうめいしょうしなうとシステム管理かんりしゃふくめてだれ永久えいきゅうにアクセスできなくなる。
スナップショット
Windows XPおよびWindows Server 2003以降いこうでは「ボリュームシャドウコピーサービス英語えいごばん」(VSS) としょうするスナップショット機能きのう導入どうにゅうされた[5]。Windows付属ふぞくのバックアップ ユーティリティ (NTBackup, Backup and Restore) はボリュームシャドウコピーサービスを利用りようしており、ある時点じてんのボリュームの状態じょうたい正確せいかくにバックアップできる。Windows Server 2003 Service Pack 1以降いこうのWindowsではChkdskにVSSを利用りよう正確せいかくなチェックがおこなえるようになり、本来ほんらいなら修復しゅうふく不要ふようなボリュームをオフラインにせずにむようになった[6]。また、Windows Server 2003Windows Vistaにおいては、ボリュームシャドウコピーサービスによってファイルの世代せだいべつ保存ほぞん実現じつげんする[7][8]
変更へんこうジャーナル
ファイルにたいする変更へんこう記録きろくする。

容量ようりょう効率こうりつ向上こうじょう

編集へんしゅう

Windows NT 3.51からサポートされたファイル圧縮あっしゅくをNTFSもサポートしている。LZNT1アルゴリズム(LZ77変種へんしゅ)を使用しようしたファイル単位たんいでの透過とうかてき圧縮あっしゅくをサポートし、ディスクの領域りょういき増加ぞうかさせることができる。ただし、4 KiBをえるアロケーション ユニット サイズでは圧縮あっしゅく機能きのう利用りようできない。

くわえて、スパースファイルもサポートする。ファイルの一部いちぶが0でめられている場合ばあい、クラスタ単位たんいで0でめられている領域りょういきをスキップし、ディスク容量ようりょう節約せつやくする。これはデータベースのハッシュテーブル ファイルや仮想かそうマシン仮想かそうハードディスク ファイルなどだい部分ぶぶんが0でめられているファイルで効率こうりつよくはたらく。

NTFSにはちいさなファイルをファイルのメタデータと一緒いっしょにMFTないおさめる機能きのうがある。これはアロケーション ユニットをてないことによる若干じゃっかん容量ようりょうめんのメリットとユーザーデータのりにメタデータとはべつのI/Oを必要ひつようとしない速度そくどめんのメリットがある。

ファイルすうすくないが巨大きょだいなファイルを格納かくのうしたいとおもうなら、最大さいだい2048 KiB のアロケーション ユニット サイズを選択せんたくできる。これにより、断片だんぺん問題もんだい管理かんり領域りょういきとデータ領域りょういき比率ひりつなど、ファイルシステム性能せいのう左右さゆうする問題もんだい解決かいけつする。

NTFS圧縮あっしゅくやスパースファイルの使用しよう極度きょくど断片だんぺんによるエクステント リストを使つかってしまう状況じょうきょう対応たいおうするためのオプションがり、これの使用しようによって規定きていでは1 KiBのファイルレコードを4 KiBまで増加ぞうかさせることができる[9]副次的ふくじてき効果こうかとしてMFTないおさめられるユーザーデータも増加ぞうかする。

なお、2010ねん時点じてんでのNTFSの実装じっそうでは、クラスタすうは232-1までとなっている。このため、16 TiBをえるボリュームは、4 KiBをえるアロケーション ユニット サイズを指定していしなければならない。サポートされているアロケーション ユニット サイズは2048 KiB (Windows 10 バージョン1703、Windows Server 2016までは最大さいだい64 KiB)までである。したがって、NTFSボリュームは8 PiBまでの制限せいげんがある。また、OSのバージョンと容量ようりょうによってはシャドウ コピー英語えいごばん機能きのう制限せいげんがある。

後方こうほう互換ごかんせい

編集へんしゅう

仮想かそうDOSマシンうえ動作どうさするソフトウェアにたいして、ファイル システムじょう一意いちいなパスめいであることを保証ほしょうした8.3形式けいしきファイルめい保存ほぞんすることができる。この機能きのう任意にんい有効ゆうこう無効むこう設定せっていすることができるので、NTFSのファイルシステム最適さいてき代表だいひょうてきなものとされるが、推奨すいしょうとされていた。Windows 7では有効ゆうこう無効むこうをボリューム単位たんい設定せっていできるようになりシステムボリュームでは有効ゆうこう、データボリュームでは無効むこうといった運用うんよう可能かのうとなった(フォーマット規定きてい有効ゆうこう)。Windows 8ではパフォーマンスじょう理由りゆうにより8.3形式けいしきのファイルめい推奨すいしょうとなり[10]フォーマット規定きていがシステムボリュームをのぞ無効むこうとなった。

原則げんそくとしてファイルめい大文字おおもじ小文字こもじ区別くべつされるが、サブシステムがこの機能きのう有効ゆうこう無効むこう選択せんたくしている。Win32サブシステムではファイルめい大文字おおもじ小文字こもじ区別くべつされず、ファイルめい大文字おおもじ小文字こもじことなるファイルを上書うわがきした場合ばあいは、最後さいご使つかわれたファイルめいのファイルが保存ほぞんされる。POSIX・Interixサブシステム・Windows Subsystem for Linuxではファイルめい大文字おおもじ小文字こもじ区別くべつされ、ファイルめい大文字おおもじ小文字こもじことなるファイルは上書うわがきされずべつのファイルとして保存ほぞんされる。

さらに高度こうど応用おうようとしてファイル システム フィルターそなえ、ファイルシステム機能きのうやファイルシステムじょう名前なまえ空間くうかん任意にんいのソフトウェアでオーバーライド(継承けいしょう)できる。この機能きのうをもとに圧縮あっしゅく機能きのう暗号あんごう機能きのう・ファイル変更へんこうジャーナル・スナップショット機能きのう・クォータ機能きのうをサブシステムをふくむユーザー プロセスからはなん変更へんこういアクセスで利用りようできる透過とうかてき実装じっそうおこなわれたほか、サードパーティによるファイル システムにたいするフォレンジック監査かんさ実装じっそうなどに活用かつようされている。

チェックと修復しゅうふく

編集へんしゅう

Windows NTけいには、ファイルシステムの論理ろんりエラーまたは物理ぶつりエラーの確認かくにんおよびファイルシステムの修復しゅうふくコマンドとして、「chkdsk」コマンドが用意よういされている[11]実際じっさいにファイルシステムの修復しゅうふくおこなうには、「chkdsk 〈対象たいしょうボリューム〉 /f」を、不良ふりょうクラスタ修復しゅうふくこころみるには、「chkdsk 〈対象たいしょうボリューム〉 /r」を実行じっこうする。

ファイルすう増加ぞうかともなう chkdsk の実行じっこう時間じかん増加ぞうかたいしWindows 8では従来じゅうらいのメタデータの走査そうさとエラーの修復しゅうふく両方りょうほうをボリュームをオフラインにしておこな方式ほうしきからメタデータの走査そうさとエラーの記録きろくをオンラインでおこないエラーの修復しゅうふくのみをオフラインでおこな方式ほうしきえたため、ボリュームのダウンタイムはデータりょうには依存いぞんしなくなった[12]

また、NTFSはMFTの「$BadClus」ファイルに不良ふりょうクラスタの情報じょうほう記録きろくしているため、不良ふりょうクラスタをふくむパーティションをパーティションコピーツールなどでまるごとのハードディスクにコピーすると、「$BadClus」ファイルもそのままコピーされてしまい、あたらしいハードディスクには不良ふりょうクラスタが存在そんざいしないにもかかわらず、chkdskでは不良ふりょうクラスタが存在そんざいしているようにえることがある。これを修復しゅうふくしてリセットするには、「chkdsk 〈対象たいしょうボリューム〉 /b」を実行じっこうする(ただし、Windows VistaまたはWindows Server 2008以降いこうのみ)。

ファイルシステムじょう不良ふりょうクラスタS.M.A.R.T.におけるバッドセクタ別物べつものである。

なお、chkdskによるNTFSの修復しゅうふくにより、ディスク エラーの状況じょうきょう悪化あっかする場合ばあいがあるため、修復しゅうふくまえ重要じゅうようなファイルはバックアップしておくことが推奨すいしょうされる。また、chkntfsコマンドを使用しようすることで、Windows起動きどう自動的じどうてきにchkdskを実行じっこうしたり、自動じどう実行じっこうをキャンセルしたりすることができる[13]

欠点けってん

編集へんしゅう

フラグメンテーション(断片だんぺん

編集へんしゅう

これはNTFSの欠点けってんではなく、ファイルシステムという仕組しくみの性質せいしつであるが、データの削除さくじょやデータサイズの増減ぞうげん許容きょようするファイルシステムでは、それら操作そうさ必要ひつようおうじてコンパクションをおこなわないかぎり、いずれかの段階だんかいフラグメンテーション発生はっせいする。NTFSはFAT32と比較ひかくしフラグメンテーションしにくい。その根拠こんきょとしてMFT機能きのうげられている[14]。フラグメンテーションのりょうはアロケーション ユニット サイズに反比例はんぴれいし、もっとちいさなアロケーション ユニット サイズの512バイトでもっと顕著けんちょになる[15]

FATよりは軽度けいどとされたそのフラグメンテーションの実体じったいは、Diskeeperのレポート機能きのうなどによって一般いっぱんられるようになった。Windows 2000からNTFS対応たいおうデフラグ ツールがWindowsに標準ひょうじゅん搭載とうさいされた。

機能きのう制限せいげん

編集へんしゅう
  • Windows XPおよびそれ以前いぜんのWindowsでは、NTFSボリュームをマウント状態じょうたいにしたままでメンテナンスすることができない。Windows Vista以降いこうではデフォルトでバックグラウンドメインテナンスがおこなわれている。
  • POSIX.1仕様しようではシンボリックリンク明記めいきされていないことから、当初とうしょはシンボリックリンクをサポートしていなかった。そのわり、「ジャンクション」という類似るいじ機能きのうがあるが、これはボリュームおよびフォルダにたいしてのみ提供ていきょうされる。Windows NTけいではハードリンクはサポートされており、Windows XPではコマンドラインから操作そうさできる。Windows Vistaからシンボリックリンクにも対応たいおうするようになった。ジャンクションやシンボリックリンクは、リパース ポイントばれる機能きのうによって実現じつげんされている。

コードページ

編集へんしゅう

基本きほんてきにはファイルめいはUCS-2で格納かくのうされる。ここでファイルめいUNICODE文字種もじしゅとUNICODEで参照さんしょうした場合ばあい名前なまえ不一致ふいっち発生はっせいする。名前なまえ不一致ふいっちはコードページに依存いぞんし、名前なまえ空間くうかん一貫いっかんせいそこなってしまう。原則げんそくとして厳密げんみつ名前なまえ空間くうかんあつかうのであれば、UNICODEでアクセスすべきで、ロケール依存いぞんコードページによってアクセスすべきではない。慣例かんれいてきにコードページ依存いぞん文字もじ使つかftpなどのプロトコルのあつかいは注意ちゅうい必要ひつようとする。

アクセスタイム

編集へんしゅう

NTFSは従来じゅうらいのMS-DOSファイルシステムにはない、ファイル最終さいしゅうアクセス時刻じこく記録きろくする。そのためファイルをみだしただけでもディスクへのみがしょうじる。このリード・モディファイ・ライトの特性とくせいわる方向ほうこうはたらくケースはいくつかある。ひとつはちいさなたくさんのファイルへのアクセスでファイルシステムの性能せいのうを、ひどいときには25%まで低下ていかさせてしまう[よう出典しゅってん]。もうひとつはフラッシュメモリ使つかったデバイスにアクセスしたとき頻繁ひんぱんにページのフラッシュを発生はっせいさせ、やはりファイルシステムの性能せいのう低下ていかさせてしまう。Vista以降いこう最終さいしゅうアクセス時刻じこく既定きてい更新こうしんされない。[16]

Windows NTけい以外いがいからのアクセス

編集へんしゅう

NTFSは元々もともと、Windows NTけいにおけるサーバ用途ようと目的もくてきとして開発かいはつされたファイルシステムであり、MS-DOSから使つかわれてきたFATと互換ごかんせいたない。そのため、クライアントけのOSであるWindows 9xけいからアクセスすることはできない。

Windowsでは標準ひょうじゅんとなったNTFSだが、マイクロソフトの戦略せんりゃくやセキュリティにより、その仕様しよう一般いっぱんには公開こうかいされていない。有志ゆうしによって不完全ふかんぜんながらもNTFSにアクセスするための手段しゅだん用意よういされているが、のOSからのきするにはリスクがしょうじる。マイクロソフトではファイルのわたしに使つかわれるフラッシュドライブけに最適さいてきされたexFAT仕様しよう公開こうかいしている。

mount
macOSLinuxカーネル 2.4以降いこうFreeBSDなどは、「mount -t ntfs」コマンドによってりのみサポートしている。
また、Linuxカーネル 5.15以降いこうでは「mount -t ntfs3」コマンドによってきをサポートしている。
NTFS-3G[17]
NTFS-3Gは、Tuxeraしゃ開発かいはつしているNTFSドライバであり、NTFSパーティションへのきに対応たいおうしている。マイクロソフトと知的ちてき所有しょゆうけん合意ごういのもとで開発かいはつされていることから、実装じっそう比較ひかくし、安定あんていしたきがおこなえるとされる。各種かくしゅLinux、FreeBSD、macOS、BeOS うえ動作どうさする。オープンソースかつフリーである。実際じっさいにはユーザー アクセス手段しゅだん実装じっそうであるFilesystem in Userspace (FUSE) もあわせてインストールする必要ひつようがある。
Captive NTFS[18]
Captive NTFSは、NTFSパーティションのきに対応たいおう使用しようするにはWindowsないのドライバが必須ひっす
NTFS for Windows98[19]
NTFS for Windows98は、Windows 98からNTFSにアクセスするソフトであったが、Windows 9xけいのサポート終了しゅうりょうともな提供ていきょうえた。
市販しはんのアクセス ドライバ
Microsoft NTFS for Mac by Paragon Software」(パラゴンソフトウェア) macOSに対応たいおうしている。

脚注きゃくちゅう

編集へんしゅう
  1. ^ [MS-FSA]: File System Algorithms 6 Appendix A: Product Behavior
  2. ^ a b [MS-FSA]: Appendix A: Product Behavior”. Microsoft (2018ねん9がつ12にち). 2018ねん10がつ1にち閲覧えつらん。 “NTFS uses a default cluster size of 4 KB, a maximum cluster size of 64 KB on Windows 10 v1703 operating system and Windows Server 2016 and prior, and 2 MB on Windows 10 v1709 operating system and Windows Server 2019 and later, and a minimum cluster size of 512 bytes.”
  3. ^ a b [1]
  4. ^ 512バイト/セクタかつ1セクタ/クラスタ、つまり512バイト/クラスタのとき、8 ZiB - 512 Bytes。
  5. ^ Volume Shadow Copy Service (Windows)” (英語えいご). MSDN Library. マイクロソフト (2011ねん3がつ10日とおか). 2011ねん5がつ7にち閲覧えつらん
  6. ^ 実行じっこうちゅうの Chkdsk を強制きょうせい終了しゅうりょうする場合ばあい、アプリケーションイベントログに VSS エラー 12294 が記録きろくされることがある”. マイクロソフト (2006ねん9がつ22にち). 2013ねん2がつ6にち閲覧えつらん
  7. ^ ストレージの管理かんりかんするしん機能きのう”. マイクロソフト (2002ねん9がつ3にち). 2011ねん5がつ7にち閲覧えつらん
  8. ^ Windows Vista とのデータ整合せいごうせい維持いじするための選択せんたくされたシナリオ”. Microsoft TechNet. マイクロソフト. 2011ねん5がつ7にち閲覧えつらん
  9. ^ A heavily fragmented file in an NTFS volume may not grow beyond a certain size
  10. ^ Windows Server 2012のサーバーマネージャーのあたらしいボリュームウィザードじょうに「推奨すいしょう」と表記ひょうきされている
  11. ^ Chkdsk” (英語えいご). Microsoft TechNet. マイクロソフト (2007ねん9がつ). 2011ねん5がつ7にち閲覧えつらん
  12. ^ chkdsk の刷新さっしんあたらしい NTFS 正常せいじょうせいモデルの追加ついか
  13. ^ [CHKNTFS.EXE] CHKNTFS.EXE の使用しよう方法ほうほう”. マイクロソフト サポート オンライン. マイクロソフト (2005ねん6がつ10日とおか). 2011ねん5がつ7にち閲覧えつらん
  14. ^ [2]
  15. ^ [3]
  16. ^ File System Functionality Comparison”. 2016ねん3がつ12にち閲覧えつらん
  17. ^ NTFS-3G at Tuxera” (英語えいご). Tuxera. 2011ねん5がつ7にち閲覧えつらん
  18. ^ Captive NTFS英語えいご
  19. ^ NTFS for Windows98[リンク]

関連かんれん項目こうもく

編集へんしゅう

外部がいぶリンク

編集へんしゅう
  • Windows Sysinternals英語えいご - NTカーネルおよびNTFSにかんするメンテナンス ツールを提供ていきょうしている。