列車れっしゃ防護ぼうご無線むせん装置そうち

列車れっしゃ防護ぼうご無線むせん装置そうち（JR）

列車れっしゃ防護ぼうご無線むせん装置そうち（れっしゃぼうごむせんそうち）英語えいごTrain protection radio equipmentとは、鉄道てつどう信号しんごうの発はつ報ほう信号しんごうで、鉄道てつどうにおいて緊急きんきゅう時じに列車れっしゃから無線むせん信号しんごうを発信はっしんし、付近ふきんを走行そうこうする列車れっしゃに停止ていし信号しんごうを現げん示しめして列車れっしゃを停止ていしさせ、二に次じ事故じこを防止ぼうしするための装置そうち。日本にっぽんで三河そうご島とう事故じこ（1962年ねん）をきっかけに開発かいはつされ採用さいようされている列車れっしゃ防護ぼうごシステムである。単たんに防護ぼうご無線むせん、防護ぼうご無線むせん装置そうちと呼よばれることもある。

概要がいよう

本来ほんらい、列車れっしゃの運転うんてん士しは、列車れっしゃの故障こしょうや脱線だっせん、線路せんろ上じょうでの支障ししょう、異い音おと感知かんち、列車れっしゃ分離ぶんり、人身じんしん事故じこなど緊急きんきゅうの異常いじょうなどで、列車れっしゃを急遽きゅうきょに停止ていしさせる必要ひつようがある場合ばあいには、後ごから進行しんこうしてくる列車れっしゃを停止ていしさせる列車れっしゃ防護ぼうごを行おこなうが、それを行おこなっている間あいだに列車れっしゃが接近せっきんして来きた場合ばあいでは、列車れっしゃ防護ぼうごの時機じきを失うしなう恐おそれがある。そこで、乗務じょうむ員いんが乗務じょうむ員いん室しつに設置せっちされている防護ぼうご無線むせん装置そうちのボタンを押おすことで、装置そうちから非常ひじょう信号しんごうを乗のせた電波でんぱを発射はっしゃし（発はつ報ほうという）、近隣きんりんでこの電波でんぱを受信じゅしんした他ほかの列車れっしゃの防護ぼうご無線むせん装置そうちが警報けいほう（“ピピピピ…”という警報けいほう音おん）を発はっする。走行そうこう中ちゅうの列車れっしゃがこの信号しんごうを受信じゅしんし、装置そうちが鳴動めいどうした場合ばあいには、運転うんてん士しは必かならず列車れっしゃを停止ていしさせる様ように運行うんこう規則きそく等とうで義務付ぎむづけられている。これにより、事故じこや支障ししょうの起おきている現場げんばに列車れっしゃが進入しんにゅうするのを防ふせぎ、二に次じ事故じこを未然みぜんに防ふせぐ。

信号しんごうを受信じゅしんして停止ていしした列車れっしゃにおいては、車掌しゃしょうが車内しゃない放送ほうそうで乗客じょうきゃくに「ただいま非常ひじょう停止ていし信号しんごうを受信じゅしんしました。原因げんいんを調しらべております」と案内あんないする場合ばあいが多おおい。「非常ひじょう停止ていし信号しんごう」については「危険きけんを知しらせる信号しんごう」や「列車れっしゃを緊急きんきゅうに停止ていしさせる信号しんごう」などとい換いかえられることもある。

なお、列車れっしゃ防護ぼうご無線むせん装置そうちはあくまでも緊急きんきゅうの列車れっしゃ防護ぼうごであり、列車れっしゃの故障こしょうや脱線だっせん、線路せんろ上じょうでの支障ししょうなどで列車れっしゃを急遽きゅうきょに停止ていしさせる必要ひつようがある場合ばあいには、それを行おこなった後のちに列車れっしゃ防護ぼうごを行おこなうのが望のぞましいとされている。発はつ報ほうした乗務じょうむ員いんは、運転うんてん指令しれい所しょ等ひとしと連絡れんらくをとり、指示しじを受うけた上うえで装置そうちを復位ふくいして発はつ報ほうを止とめる。一方いっぽう、信号しんごうを受信じゅしんして停止ていしした他ほかの列車れっしゃは、信号しんごうが無む現げん示しめせとなっても直ただちに運転うんてんを再開さいかいせず、以後いご指令しれい所しょの指示しじを仰あおいで運転うんてんを再開さいかいする。

防護ぼうご無線むせんは自動じどう列車れっしゃ停止ていし装置そうちや自動じどう列車れっしゃ制御せいぎょ装置そうちとは違ちがい、鳴動めいどうすることで乗務じょうむ員いんに対たいして列車れっしゃ停止ていしの指示しじを現げん示しめせする装置そうちである。具体ぐたい的てきに停止ていしさせるための制動せいどう操作そうさを行おこなうのは運転うんてん士しであり、信号しんごうを受信じゅしんすることで自動的じどうてきに列車れっしゃにブレーキがかかるものではない。また、JRで導入どうにゅうしている防護ぼうご無線むせんでは、防護ぼうご無線むせん装置そうち固有こゆうの識別しきべつ番号ばんごうから車両しゃりょうを特定とくていすることは可能かのうだが、運行うんこう中ちゅうのどの便びんがどこで発はつ報ほうしたのかは直ただちに分わからない上じょう、危険きけんの原因げんいんを特定とくていする情報じょうほうなども含ふくまれておらず、指令しれい所しょからの一斉いっせい同どう報ほうを待まつ必要ひつようがある。

防護ぼうご無線むせんの電波でんぱが届とどく範囲はんいは発はつ報ほう地点ちてんから半径はんけい約やく1 - 2 km圏内けんないとされ、この範囲はんいでは別べつの路線ろせんの車両しゃりょうも発はつ報ほうを受うけて緊急きんきゅう停止ていしする。これは路線ろせんが併走へいそうする箇所かしょ等とうで事故じこが発生はっせいした際さい、並なみ走はしする路線ろせんを走はしる他ほかの列車れっしゃが事故じこ現場げんばに冒おかせ進すすむするのを防ふせぐためである。一方いっぽうで、路線ろせんが過密かみつに入いり組くむ大都市だいとし圏けんなどでは、事故じこの発生はっせいしている路線ろせんとは全まったく関係かんけいのない別べつの路線ろせんの列車れっしゃにも電波でんぱが届とどいて運行うんこうに影響えいきょうを及およぼすことがあるし、高架こうかなど見通みとおしの良よい場所ばしょで発はつ報ほうした場合ばあいにはより遠とおくまで電波でんぱが届とどいて想定そうてい外がいの広範囲こうはんいに影響えいきょうを及およぼすことがある。

防護ぼうご無線むせん装置そうちの機種きしゅによっては、通常つうじょうは車両しゃりょうより給電きゅうでんを受うけて動作どうさし、停電ていでん時じには電源でんげんを切きりかえる操作そうさを必要ひつようとするものがある。JR福知山ふくちやま線せん脱線だっせん事故じこでは、この操作そうさを行おこなわずに発はつ報ほうができなかったことが明あきらかになり、以後いごは停電ていでん時じでも特別とくべつな操作そうさなしに発はつ報ほうができるように改修かいしゅうが進すすめられている。

2011年ねん3月がつ11日にちの東北とうほく地方ちほう太平洋たいへいよう沖おき地震じしん（東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさい）発生はっせい時じには、筑波つくば山さんと田無たなしにあるNTTの鉄塔てっとうから強力きょうりょくな防護ぼうご無線むせんが発はつ報ほうされたため、東北とうほくから関東かんとうにかけての非常ひじょうに広ひろい範囲はんいで防護ぼうご無線むせんが扱あつかわれた。

導入どうにゅうと整備せいび

導入どうにゅうの経緯けいい

防護ぼうご無線むせんは、1962年ねん5月3日にちに常磐線じょうばんせん三さん河島かわしま駅えきで発生はっせいした列車れっしゃ脱線だっせん多重たじゅう衝突しょうとつ事故じこ（三河そうご島とう事故じこ）を教訓きょうくんに整備せいびが進すすめられた。この事故じこでは、事故じこ現場げんばに他たの列車れっしゃが進入しんにゅうして二に次じ事故じこが発生はっせいしないように防ふせぐための列車れっしゃ防護ぼうごが適切てきせつに行おこなわれなかったことが被害ひがいをより甚大じんだいなものにしたと指摘してきされている。この事故じこを受うけて、当時とうじの国鉄こくてつは全国ぜんこくの路線ろせんで順次じゅんじ導入どうにゅう中ちゅうだった自動じどう列車れっしゃ停止ていし装置そうち (ATS) の設置せっち計画けいかくを前倒まえだおしする形かたちで国鉄こくてつ全線ぜんせんに設置せっちするとともに、無線むせんを利用りようして列車れっしゃ防護ぼうごを行おこなう本ほん装置そうちを開発かいはつ、常磐ときわ線せんに乗のり入いれる全ぜん列車れっしゃに初はじめて列車れっしゃ防護ぼうご無線むせん装置そうちが設置せっちされた。その後ご、国鉄こくてつ末期まっきの1986年ねんから全国ぜんこくの在来ざいらい線せん車両しゃりょうに現行げんこうの防護ぼうご無線むせん装置そうちの設置せっちが開始かいしされ、同年どうねん11月がつ改正かいせいから使用しようを開始かいしした。

整備せいび状じょう況きょう

JRにおいては、基本きほん的てきに車両しゃりょう保有ほゆう会社かいしゃがJRかそれ以外いがいにかかわらず、複線ふくせん以上いじょうの区間くかんで運転うんてんされる列車れっしゃに防護ぼうご無線むせん装置そうちの設置せっちが義務付ぎむづけられているが、車両しゃりょう入にゅう換かえ用ように特とく化かされた機関きかん車しゃ（入いれ換かわ動どう車しゃ）や、JR四国しこくの複線ふくせん区間くかんに乗のり入いれない気動車きどうしゃの中なかには、設置せっちされていない車両しゃりょうもある。

私鉄してつの場合ばあいも、二に次じ事故じこを防止ぼうしするためにJRと同様どうように防護ぼうご無線むせん装置そうちの整備せいびを行おこなっている鉄道てつどう事業じぎょう者しゃが多おおい。JRで採用さいようしているものと機能きのう的てきには同おなじであるが、事業じぎょう者しゃによっては発はつ報ほうした列車れっしゃが即時そくじに判別はんべつできる仕様しようになっている。一方いっぽうで、地方ちほう閑散かんさん地区ちくに路線ろせんを持もつ一部いちぶの鉄道てつどう事業じぎょう者しゃは、同どう装置そうちを導入どうにゅうしていないところもある。

非常ひじょう発はつ報ほう無線むせん

防護ぼうご無線むせんと類似るいじした無線むせんとして、一部いちぶの鉄道てつどう事業じぎょう者しゃでは非常ひじょう発はつ報ほう無線むせんを別べつに運用うんようしている。防護ぼうご無線むせんとの違ちがいは、防護ぼうご無線むせんは他たの列車れっしゃへ警報けいほうを発はっし停車ていしゃさせるのに対たいし、非常ひじょう発はつ報ほう無線むせんは運転うんてん指令しれい所しょに警報けいほうを発はっし、警報けいほうが生しょうじた区間くかんへの送電そうでんを止とめて停車ていしゃさせるか、信号しんごうを受信じゅしんした変電へんでん所しょが自動的じどうてきに停電ていでんさせる手法しゅほうをとっている。そのうち東京とうきょうメトロ銀座ぎんざ線せん・丸ノ内線まるのうちせんでは第だい三さん軌条きじょう集しゅう電でん方式ほうしきを採用さいようしており、旅客りょかくが線路せんろ内ないへ転落てんらくすると高圧こうあつ箇所かしょへ接触せっしょくする恐おそれがあることから、車両しゃりょう側がわだけでなく駅えきからも非常ひじょう発はつ報ほう無線むせんを発はつ報ほうできるようになっている。

防護ぼうご無線むせんの問題もんだい事案じあん

犯罪はんざい行為こういによるもの

1996年ねんには、JR東日本ひがしにっぽん管内かんないにおいて防護ぼうご無線むせん装置そうちが盗難とうなんに遭あい、沿線えんせんでこの装置そうちから発はつ報ほうされ列車れっしゃ運行うんこうが妨害ぼうがいされる事件じけんが多発たはつした。この機材きざいは携帯けいたい型がた無線むせん機きで、運転うんてん室しつのラックに取とり付つけられていたものである。これを受うけて本州ほんしゅうJR3社しゃは、それまでのアナログ式しきから妨害ぼうがいを受うけにくいデジタル式しきへの変更へんこうを進すすめたほか、無線むせん装置そうちを鍵かぎにより運転うんてん台だいに固定こていするなど機材きざい盗難とうなんへの対策たいさくを行おこなった。四国しこく・九州きゅうしゅうの各社かくしゃは、本州ほんしゅうに乗のり入いれる車両しゃりょう以外いがいはアナログ式しきのままである。

2010年ねん4月がつ以降いこう、JR西日本にしにほん管内かんないの森ノ宮もりのみや電車でんしゃ区くなどで、防護ぼうご無線むせんの予備よび電源でんげんのヒューズが、運転うんてん室しつ内ないに侵入しんにゅうした何者なにものかによって抜ぬき取とられる事件じけんが相次あいついで発生はっせいした。このヒューズは、後述こうじゅつの福知山線ふくちやません事故じこで防護ぼうご無線むせんの発はつ報ほうに失敗しっぱいしたことを受うけ、同社どうしゃが運転うんてん室しつに設置せっちした予備よび電源でんげんに、電力でんりょくを供給きょうきゅうするために配備はいびされたもので、固定こていされていて外部がいぶからの侵入しんにゅう者しゃが抜ぬき取とるのは困難こんなんである。その後ごの調査ちょうさで内部ないぶ犯行はんこうが発覚はっかくし、同年どうねん7月がつ20日はつか、大阪おおさか府警ふけいは予備よび電源でんげんのヒューズを抜ぬき取とったとして天王寺てんのうじ車掌しゃしょう区くに所属しょぞくする49歳さいの車掌しゃしょうを器物きぶつ損壊そんかいと偽計ぎけい業務ぎょうむ妨害ぼうがいの容疑ようぎで逮捕たいほした。「乗務じょうむ中ちゅうにヒューズを抜ぬいた」「会社かいしゃに不満ふまんがあった」と供述きょうじゅつしている。

機器ききの不具合ふぐあい、操作そうさミスによるもの

2005年ねん4月がつ25日にちにおきたJR福知山ふくちやま線せん脱線だっせん事故じこの際さいには、脱線だっせんした列車れっしゃの車掌しゃしょうが発はつ報ほうを試こころみたが、停電ていでんのため直ただちに発はつ報むくいできなかった。この機材きざいでは停電ていでん時じに発はつ報ほうするためには電源でんげんを切きり替かえる必要ひつようがあったものの、車掌しゃしょうはその操作そうさを教育きょういくされておらず、結局けっきょく発はつ報むくいできなかった。事故じこ直後ちょくごに下くだり線せんを走はしり現場げんばに接近せっきんしてきた特急とっきゅう電車でんしゃの運転うんてん士しは、脱線だっせんした車両しゃりょうが下くだり線せんの軌道きどうを短絡たんらくして閉塞へいそく信号しんごう機きが停止ていし現げん示しめせとなっているのを見みて緊急きんきゅう停止ていしするために減速げんそく、さらに近隣きんりん住民じゅうみんが踏切ふみきりの踏切ふみきり非常ひじょうボタンを押おしたことで現げん示しめされた特殊とくしゅ信号しんごう発光はっこう機きの停止ていし信号しんごうで異常いじょうを察知さっちし、事故じこ現場げんばのおよそ100 m手前てまえで停止ていしして改あらためて防護ぼうご無線むせんを発はつ報ほうした。このような事態じたいが生しょうじたことから、停電ていでん時じでも特別とくべつな操作そうさなしに本ほん装置そうちが動作どうさできるように改良かいりょうが進すすめられている。

2007年ねん12月には、JR北海道ほっかいどうにおいて防護ぼうご無線むせん装置そうちが誤作動ごさどうを起おこし、約やく5時じ間あいだ半はんにわたって札幌さっぽろ圏けんの全すべての列車れっしゃが運転うんてんを見合みあわせた。原因げんいんは装置そうち内ないの基板きばんが結露けつろとさびによってショートし誤作動ごさどうを起おこしたものと判明はんめいしたが、誤作動ごさどうを起おこした無線むせん機きの判別はんべつに時間じかんを要ようした。これを受うけ、発はつ報ほうした無線むせん機きの判別はんべつが容易よういにできるデジタル式しき防護ぼうご無線むせんの導入どうにゅうについて、2011年ねん（平成へいせい23年ねん）6月がつまでとしていた導入どうにゅう計画けいかくを大幅おおはばに前倒まえだおしし、2008年ねん6月がつまでに導入どうにゅうを完了かんりょうさせた。

JR貨物かもつ岡山おかやま機関きかん区く所属しょぞくの電気でんき機関きかん車しゃ1機きについて、2006年ねん5月から2012年ねん11月まで約やく6年ねん半はんに亘わたり、防護ぼうご無線むせんが繋つながらない状態じょうたいで運行うんこうに就ついていたことが明あきらかになった。防護ぼうご無線むせん機器ききの設置せっち工事こうじの際さいに、配線はいせんを誤あやまった可能かのう性せいが高たかいとされている。同社どうしゃは2012年ねん10月には問題もんだいが発見はっけんされていたにもかかわらず11月まで放置ほうちしていたことも判明はんめいしており、結果けっか的てきに、当該とうがい機きは山陽本線さんようほんせんや東海道本線とうかいどうほんせんなどで約やく150万まん kmにわたり走行そうこうしていた。

電波でんぱの飛とび過すぎ（オーバーリーチ）によるもの

1986年ねん11月26日にちに、綾瀬あやせ駅えきに停車ていしゃ中ちゅうの常磐線じょうばんせん各駅かくえき停車ていしゃの乗務じょうむ員いんが誤あやまって発はつ報ほうし、首都しゅと圏けんの10線区せんく23本ほんの列車れっしゃがこれを受信じゅしんして緊急きんきゅう停止ていしした事例じれいがある。これは綾瀬あやせ駅えきが高架こうかだったため、想定そうていした到達とうたつ範囲はんいをはるかに超こえる広範囲こうはんいにわたって電波でんぱが届とどいたことによる。

2010年ねん5月27日にち、午前ごぜん8時じ30分ふん頃ごろに、東海道本線とうかいどうほんせん（JR京都きょうと線せん）摂津せっつ富田とみた駅えき付近ふきんを走行そうこうしていた西明石にしあかし発はつ京都きょうと行くだりの普通ふつう電車でんしゃが、踏切ふみきり内ないに人ひとが立たち入いったのを発見はっけんし、防護ぼうご無線むせんを発はつ報ほうしたところ、約やく10 km南みなみを走はしる片町かたまち線せん（学研都市線がっけんとしせん）を走行そうこう中ちゅうの複数ふくすうの電車でんしゃも信号しんごうを受信じゅしんして非常ひじょう停止ていしした。この日ひは、たまたま生しょうじていたスポラディックE層そうが電波でんぱを反射はんしゃし、通常つうじょうより遠とおくまで電波でんぱが届とどいたと一部いちぶメディアが報ほうじたが、スポラディックE層そうは1000 km程度ていどの距離きょりの電波でんぱを反射はんしゃさせるものであり、なおかつ防護ぼうご無線むせんの電波でんぱはスポラディックE層そうで反射はんしゃしない周波数しゅうはすう帯たいを使用しようしている。

参考さんこう文献ぶんけん

• 久保田くぼた博ひろし『鉄道てつどう工学こうがくハンドブック』グランプリ出版しゅっぱん、1995年ねん。ISBN 4-87687-163-9。 

関連かんれん項目こうもく

• 自動じどう列車れっしゃ制御せいぎょ装置そうち (ATC)
• 緊急きんきゅう列車れっしゃ停止ていし装置そうち（EB装置そうち）
• 緊急きんきゅう列車れっしゃ防護ぼうご装置そうち（TE装置そうち）
• 保護ほご接地せっちスイッチ (EGS)
• 鉄道てつどう無線むせん
• 列車れっしゃ無線むせん
• 信号しんごう雷管らいかん
• 日本にっぽんの鉄道てつどう信号しんごう