こきりこ

室町むろまち時代ときよの歌合うたあわせ『七なな十じゅう一いち番ばん職人しょくにん歌合うたあわせ』より「放下ほうか」

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笹竹ささたけを背負せおい、「こきりこ」を手てにもつ烏帽子えぼし姿すがたの放下ほうか師し

こきりことは日本にっぽんの民謡みんよう「こきりこ節ぶし」（こきりこ踊おどり）などを歌うたって踊おどる際さいに用もちいる民俗みんぞく楽器がっきである。漢字かんじでは、「筑子」と表記ひょうきされる。中世ちゅうせいにあっては、大道芸だいどうげいの一種いっしゅで、主おもに曲芸きょくげいをおこなった放下ほうか（ほうか）が常時じょうじ携帯けいたいしていた楽器がっきであったことが知しられている。

概要がいよう

長ながさ7寸すん5分ぶん（約やく23センチメートル）に切きった竹たけを両手りょうてに一本いっぽんずつ指先ゆびさきでつまみ、回まわしながら打うち鳴ならして踊おどり歌うたう。太ふとさはおよそ1センチメートルである。日本にっぽんでは中世ちゅうせいの時代じだいから使用しようされ、なかでも室町むろまち時代ときよ中期ちゅうき以降いこうにあらわれた放下ほうか師しは常つねにこきりこを打うち鳴ならしていた。

この「こきりこ」を楽器がっきとしてフルに活用かつようした民謡みんようが「こきりこ節ぶし」である。こきりこ節ぶしは、富山とやま県けん五箇山ごかさん地方ちほうのものが有名ゆうめいだが、ほかにも新潟にいがた県けん柏崎かしわざき市し女谷おなだに（おなだに）の綾子あやこ舞まいの演目えんもくにも見みられる。

五箇山ごかさんの「こきりこ節ぶし」では「こきりこの竹たけは七なな寸すん五ご分ふんじゃ・・・」と、その長ながさが明確めいかくに歌うたわれているほか、「月見つきみて歌うたう放下ほうかのこきりこ・・・」と放下ほうかが歌うたわれている。「こきりこ節ぶし」の伴奏ばんそうに用もちいられる民俗みんぞく楽器がっきには他たに「ささら」がある。また、大道芸だいどうげいの一種いっしゅである放下ほうか（ほうか）の特技とくぎのひとつとしても知しられる。

放下ほうか師しは、こきりこを打うち合あわせて拍子ひょうしをとって物語ものがたり歌かをうたい歩あるき、あるいは辻つじに立たって歌うたい、特とくに子女しじょからの人気にんきを集あつめた。

参考さんこう文献ぶんけん

• 織田おだ鉱こう二に 著ちょ「曲芸きょくげい」、平凡社へいぼんしゃ 編へん『世界せかい大だい百科ひゃっか事典じてん7 キセ - キン』平凡社へいぼんしゃ、1988年ねん3月がつ。ISBN 4-582-02200-6。 
• 郡司ぐんじ正勝まさかつ 著ちょ「放下ほうか」、坪内つぼうち博士はかせ記念きねん演劇えんげき博物館はくぶつかん 編へん『藝げい芸げい辞典じてん』東京とうきょう堂どう出版しゅっぱん、1953年ねん3月がつ。ASIN B000JBAYH4。 
• 室木むろき弥太郎やたろう 著ちょ「解説かいせつ」、室木むろき弥太郎やたろう校こう注ちゅう 編へん『説経せっきょう集しゅう』新潮社しんちょうしゃ〈新潮しんちょう日本にっぽん古典こてん集成しゅうせい〉、1977年ねん1月がつ。ASIN B000J8URGU。 
• 山路やまじ興きょう造づくり 著ちょ「放下ほうか」、平凡社へいぼんしゃ 編へん『世界せかい大だい百科ひゃっか事典じてん26 ホ - マキ』平凡社へいぼんしゃ、1988年ねん3月がつ。ISBN 4-582-02200-6。 
• 『古代こだい民謡みんよう 筑子の起原きげん考こう』（高桑たかくわ敬たかし親おや 著ちょ）1970年ねん（昭和しょうわ45年ねん）8月がつ1日にち発行はっこう

関連かんれん項目こうもく

• こきりこ節ぶし
• 放下ほうか
• はぐれコキリコ
• 富山とやまGRNサンダーバーズ…雷鳥らいちょう応援おうえん団だんによる応援おうえん歌か（チャンステーマ）としてこきりこ節ぶしを使用しようしている。