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アンテオサウルス

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
アンテオサウルス
生息せいそく年代ねんだい: 古生代こせいだいペルム後期こうき, 252.5–249 Ma
復元ふくげん想像そうぞう
地質ちしつ時代じだい
古生代こせいだいペルム中期ちゅうきまつ
(やく2おく6,510まん - やく2おく5,910まんねんまえ)
分類ぶんるい
さかい : 動物界どうぶつかい Animalia
もん : 脊索せきさく動物どうぶつもん Chordata
もん : 脊椎動物せきついどうぶつもん Vertebrata
うえつな : 四肢しし動物どうぶつじょうつな Tetrapoda
つな : たんゆみつな Synapsida
: ししゆみ Therapsida
: ディノケファルス Dinocephalia
うえ : アンテオサウルスうえ Anteosauroidia
: アンテオサウルス Anteosauridae
ぞく : アンテオサウルスぞく Anteosaurus
学名がくめい
Anteosaurus
Reisz, 1972
たね
  • A. magnificus

アンテオサウルス (Anteosaurus) は古生代こせいだいペルム中期ちゅうきまつCapitanianやく2おく6,510まん - やく2おく5,910まんねんまえ)に生息せいそくしていたたんゆみるい絶滅ぜつめつしたぞくたんゆみつな - ししゆみ - ディノケファルスぞくする、大型おおがた捕食ほしょくしゃである。学名がくめいは「初期しょきトカゲ」の

特徴とくちょう

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体長たいちょうは4メートルをえると推定すいていされている大型おおがた肉食にくしょく動物どうぶつ[1]感覚かんかくとしてはホッキョクグマにちかいサイズ[2]。それまでにあらわれた肉食にくしょくせいたんゆみるいなかでは最大さいだいきゅうとなるたねひとつであった。

生物せいぶつがく

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頭部とうぶ

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最大さいだい頭蓋とうがいちょうやく80cm。その頭骨とうこつはなからまゆうえにかけて、ほね分厚ぶあつ隆起りゅうきしている。これは、ディノケファルスるい全般ぜんぱんられる傾向けいこうである。これはおもたねない闘争とうそうのため使つかわれたとされているが[2]、アンテオサウルスの場合ばあい獲物えものたいしてもおこなっていた可能かのうせいがある。[3]頭骨とうこつにはティラノサウルスとの共通きょうつうてんられ、荒々あらあらしいりをおこなっていたと推測すいそくされている[4]

ディノケファルスるいれいれず、ほんたねせつ犬歯けんし頑強がんきょうつくりになっている。 さらにアンテオサウルスうえ共有きょうゆう派生はせい形質けいしつとして、きり根本こんぽん内側うちがわに「きり距」(せっしきょ)とばれる段差だんさ発達はったつしていた。一方いっぽう犬歯けんし以降いこうかずおおきさともに減少げんしょう/縮小しゅくしょうしていた。

あご関節かんせつは、基盤きばんてきなディノケファルスるいくらべて後方こうほう移動いどうしている。

肉食にくしょく動物どうぶつとされているが、のゴルゴノプスるいテロケファルスるいくらべると、肉食にくしょくへの適応てきおう度合どあいはおとっていたらしい。[1]

胴体どうたい

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胴体どうたい化石かせきはあまり良好りょうこうなものはつかっていない。しかし断片だんぺんてき情報じょうほうから、ばんりゅうるいおもわせるながやしていたらしい[1]

四肢しし

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やや華奢きゃしゃ四肢ししっていたらしいとおもわれる[1]

生理学せいりがく

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より原始げんしてきなディノケファルスるいであるエステメノスクス化石かせきなんらかのせんらしきものの痕跡こんせき発見はっけんされたことから、アンテオサウルスでは体毛たいもう獲得かくとくしていたというせつもある。それにもとづき、たてがみをった姿すがた復元ふくげんされることもあるが疑問ぎもんのこ[1]


生態せいたいがく

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おも陸棲りくせい動物どうぶつ森林しんりん氾濫はんらんばらを棲家としていたとされているが[2]はん水棲すいせいであったとのせつもある[1]

しょくせい

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肉食にくしょく大型おおがたディノケファルスるい獲物えものにしていた[1]

たねない闘争とうそう

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筋肉質きんにくしつ身体しんたい分厚ぶあつ頭蓋とうがいもちいてあたまとっきをしていた可能かのうせいがある[1][2]

絶滅ぜつめつ

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ペルム前期ぜんきまつにそれまで繁栄はんえいしていた陸棲りくせい両生類りょうせいるいばんりゅうるいなんらかのだい規模きぼ環境かんきょう変化へんか衰退すいたい絶滅ぜつめつしていくと、それにじょうじてディノケファルスるい台頭たいとうした。なかでも肉食にくしょくせいのアンテオサウルスはペルム中期ちゅうき(カザンまたはガダルピアン)の頂点ちょうてん捕食ほしょくしゃとなった。だがやがてアンテオサウルスもカザンわりがちかづくにつれてこったなんらかの原因げんいんによる環境かんきょう急変きゅうへん気候きこう変動へんどうによる獲物えもの生息せいそく変化へんかとう)の影響えいきょうけ、衰退すいたい絶滅ぜつめつした[2]

また厳密げんみつ前後ぜんご関係かんけい不明ふめいながら、肉食にくしょくせいディノケファルスるい衰退すいたい絶滅ぜつめつ同時どうじにより小型こがた機動きどうりょくゴルゴノプスるいのようなししるい台頭たいとうしていく[5]。こうしたししるい勢力せいりょくばす一方いっぽう、ディノケファルスるいでは植物しょくぶつしょく(もしくはカバのような植物しょくぶつしょくせいつよ雑食ざっしょく)へとしょくせい変化へんかさせていたものが発展はってん繁栄はんえいしていた。モスコプスなどのタピノケファルスるいがこれにあたる。ペルム紀中きちゅうわる2おく6000まんねんごろにはP-T境界きょうかい絶滅ぜつめつ事変じへん前哨ぜんしょうともいうべき環境かんきょう激変げきへんによる中小ちゅうしょう規模きぼ大量たいりょう絶滅ぜつめつ事変じへん地球ちきゅう規模きぼきていたようであり、やがてしょくせいわずすべてのディノケファルスるい姿すがたしていくことになった。植物しょくぶつしょくせいのディノケファルスるい絶滅ぜつめつ、そのニッチはディキノドンるいパレイアサウルスるいなどにがれていった。

分布ぶんぷ

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わかいアンテオサウルスの個体こたい頭蓋骨ずがいこつは、多数たすうのディノケファルスるい化石かせき発見はっけんされたみなみアフリカ共和きょうわこくひがしケープしゅうより大量たいりょう出土しゅつどしている。 よんしゅのアンテオサウルスロシアイシューボ発見はっけんされた。アンテオサウルスはみなみアフリカにおける唯一ゆいいつアンテオサウルス捕食ほしょくしゃであった。

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ a b c d e f g h 金子かねこ隆一りゅういち(ちょ)哺乳類ほにゅうるいがた爬虫類はちゅうるい
  2. ^ a b c d e ロバートバッカー(ちょ)恐竜きょうりゅう異説いせつ だいろくしょう
  3. ^ https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4730894/#!po=91.8953
  4. ^ Systematics of the anteosauria (Therapsida: Dinocephalia)(Christian F Kammerer:2011)
  5. ^ https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0207367

参考さんこう文献ぶんけん

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  • 金子かねこ隆一りゅういち哺乳類ほにゅうるいがた爬虫類はちゅうるい : ヒトのられざる祖先そせん朝日新聞社あさひしんぶんしゃ朝日あさひ選書せんしょ〉、1998ねんISBN 4-02-259709-7
  • J・C・マクローリンさくかくえたりゅう : 哺乳類ほにゅうるい先祖せんぞについてのあたらしいかんがえ』 小畠おばた郁生いくお平野ひらの弘道ひろみちやく 岩波書店いわなみしょてん、1982ねん
  • (ちょ)ポール·ウィグナル『だい絶滅ぜつめつ時代じだいとパンゲアちょう大陸たいりくだいいち
  • ロバートバッカー(ちょ)『恐竜きょうりゅう異説いせつだいろくしょう

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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