ウィリアム・ライト (宣教師せんきょうし)

ウィリアム・B・ライト（William Ball Wright、 1843年ねん10月5日にち - 1912年ねん12月）は、英国えいこく聖せい公会こうかいの宣教師せんきょうしである。日本にっぽんに派遣はけんされて明治めいじ時代じだいに活躍かつやくした。

1843年ねんにアイルランドのキルケニー県けんに生うまれる。アイルランドのダブリンのトリニティ・カレッジを卒業そつぎょうして、1867年ねんに按手礼れいを受うけ、祭司さいしに任にん職しょくされる。

1873年ねん9月がつ25日にち（明治めいじ6年ねん）、アレクサンダー・クロフト・ショーと共ともに米国べいこくを経へて、英国えいこく聖せい公会こうかい福音ふくいん宣布せんぷ協会きょうかい（SPG）最初さいしょの日本にっぽん宣教師せんきょうしとして横浜よこはまに渡来とらい。東京とうきょう四谷よつやに家いえを借かりて、講義こうぎ所しょ(伝道でんどう所しょ)を開設かいせつする。ライトは日本語にほんごを学まなぶとともに、霊南れいなん坂ざかの陽ひ泉寺いずみでらで米べい英えい人じん会衆かいしゅうのために英語えいご礼拝れいはいを始はじめた。1874年ねん12月、日本語にほんご教師きょうし、島田しまだ弟おとうと丸まるに授洗する。

翌よく1875年ねん（明治めいじ8年ねん）6月がつ14日にち、後のちに麹町こうじまち区くとなる第だい三大区三小区中六番町40番地ばんちに講義こうぎ所しょ（伝道でんどう所しょ）を開設かいせつ。英語えいご学校がっこうの乙おつ亥い学がく社しゃ（乙おつ亥い学舎がくしゃ、乙おつ亥い学校がっこう）を併設へいせつし、初代しょだい校長こうちょうに島田しまだ弟おとうと丸まるを任命にんめいする。1877年ねん（明治めいじ10年ねん）9月がつには、四谷よつや箪笥たんす町まち22番地ばんち（現げん・新宿しんじゅく区く四谷よつや三栄さんえい町まち）の若山わかやま儀一ぎいちの持家もちいえを借かりて乙おつ亥い学がく社しゃの分校ぶんこうを開ひらけ学がくした。

1877年ねん（明治めいじ10年ねん）から1878年ねん（明治めいじ11年ねん）の「東京とうきょう府下ふか居住きょじゅう各国かっこく人じん明細めいさい表ひょう」によると、ライトは乙おつ亥い学がく社しゃでは英語えいご科かを担当たんとうし、妻つまのエマ（Emma）も同おなじ塾じゅくで教おしえていたことが分わかっている。

1878年ねん（明治めいじ11年ねん）には牛込うしごめ昇天しょうてん教会きょうかいを設立せつりつしたほか、赤坂あかさか、青山あおやま、小日向おびなたなどに講義こうぎ所しょを開設かいせつし、英語えいご学校がっこうを併設へいせつした。英語えいご学校がっこうでは聖書せいしょとキリスト教きりすときょう倫理りんりを教おしえた。さらに、農村のうそん地帯ちたいまで活動かつどう範囲はんいを広ひろげて宣教せんきょう地域ちいきを拡大かくだいしていった。

その後ご、ライトは麹こうじ町まちから築地つきじ居留きょりゅう地ち48番地ばんちに移うつり、ショーとともに聖書せいしょ翻訳ほんやくにおいて先駆せんく的てきな役割やくわりを果はたしたが、1879年ねん（明治めいじ12年ねん）1月がつに夫人ふじんのエマが病気びょうきのため、イギリスに帰国きこくする。

1882年ねん（明治めいじ15年ねん）2月がつには、ライトも日本にっぽんを離はなれてイギリスに帰国きこくした。1912年ねん12月に英国えいこくのヨーク近ちかくで溺死できしする。

参考さんこう文献ぶんけん

• 高橋たかはし昌郎まさお『明治めいじのキリスト教きりすときょう』吉川弘文館よしかわこうぶんかん、2003年ねん