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ウズラ

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
ウズラ
ウズラ
ウズラ Coturnix japonica
保全ほぜんじょうきょう評価ひょうか[1]
NEAR THREATENED
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類ぶんるい
ドメイン : かく生物せいぶつ Eukaryota
さかい : 動物界どうぶつかい Animalia
もん : 脊索せきさく動物どうぶつもん Chordata
もん : 脊椎動物せきついどうぶつもん Vertebrata
つな : とりつな Aves
: キジ Galliformes
: キジ Phasianidae
ぞく : ウズラぞく Coturnix
たね : ウズラ C. japonica
学名がくめい
Coturnix japonica
Temminck & Schlegel, 1849[1][2]
和名わみょう
ウズラ[2][3][4][5]
英名えいめい
Japanese quail[1][2][4][5]

ウズラうずら[6][ちゅう 1]Coturnix japonica)は、とりつなキジキジウズラぞく分類ぶんるいされる鳥類ちょうるい

ウズラの家禽かきん日本にっぽん発祥はっしょう[8]にくたまご食用しょくようにされる[9]フランス料理りょうりなどににく使つかわれるヨーロッパウズラ日本にっぽんでは「ウズラ」とばれることがある[10]

分布ぶんぷ

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インド北東ほくとうタイ王国おうこく朝鮮半島ちょうせんはんとう大韓民国だいかんみんこく朝鮮民主主義人民共和国ちょうせんみんしゅしゅぎじんみんきょうわこく)、中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこく日本にっぽんブータンベトナムミャンマーモンゴルこくラオスロシア東部とうぶ分布ぶんぷする[1]

ウズラるいはキジでは唯一ゆいいつしんわたおこな[8]ほんしゅ場合ばあい日本にっぽんおも本州ほんしゅう中部ちゅうぶ以北いほく)、モンゴル、朝鮮半島ちょうせんはんとうシベリア南部なんぶ中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこく北東ほくとうなどで繁殖はんしょくし、冬季とうきになると日本にっぽん本州ほんしゅう中部ちゅうぶ以南いなん)、中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこく南部なんぶ東南とうなんアジアなどへ南下なんかして越冬えっとうする[11]日本にっぽん国内こくない標識ひょうしき調査ちょうされいでは、北海道ほっかいどう青森あおもりけん繁殖はんしょくした個体こたいおも関東かんとう地方ちほう東海とうかい地方ちほう紀伊きい半島はんとう四国しこくなどの太平洋たいへいようきし越冬えっとうし、九州きゅうしゅう越冬えっとうする個体こたいおも朝鮮半島ちょうせんはんとう繁殖はんしょくした個体こたいとされる(朝鮮半島ちょうせんはんとう繁殖はんしょくして四国しこく山陽さんよう地方ちほう東海とうかい地方ちほう飛来ひらいする個体こたいもいる)[3]

形態けいたい

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家禽かきんとして最小さいしょうといわれている[8]。メスよりもオスのほうおも[8]全長ぜんちょう20センチメートル[2][4]つばさちょう9.1-10.4センチメートル[11]上面うわつら羽衣はごろもあわ褐色かっしょく[11]

めすゆう鑑別かんべつ孵化ふか直後ちょくご素人しろうとには困難こんなんであるが生後せいご30にちよわいになればはねそうちがいで判別はんべつ可能かのうとなる[8]。オス(ゆう)は咽頭いんとう頭部とうぶ胸部きょうぶ赤褐色せきかっしょく、メス(めす)はあわ赤褐色せきかっしょくくろ斑点はんてんがある[8]。また、メスにはくちからみみにかけてしろせんがありのどしろ[8]

繁殖はんしょくのオスはかおのど[2]体側たいそくめん羽衣はごろも赤褐色せきかっしょく[11]まれ全体ぜんたい白色はくしょく羽毛うもう散在さんざいてき野性やせいがた羽毛うもうをもつ個体こたいしょうじるが、せんせい劣性れっせいにより発現はつげんするとされている[12]

解剖かいぼうがくまとにはニワトリからだ構造こうぞうとおおまかにはわりない[8]

分類ぶんるい

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以前いぜんきゅうウズラCoturnix coturnixげんヨーロッパウズラ)の亜種あしゅとされていたが、独立どくりつしゅとして分割ぶんかつされた[3][11]

近親きんしん交配こうはいによる退行たいこう発現はつげんしやすく、3世代せだい系統けいとう維持いじ困難こんなんになり、5世代せだいるとつぎ世代せだい作出さくしゅつ困難こんなんになったとする研究けんきゅうがある[13]

なお、ニワトリとはきんえんしゅであり、オスのニワトリとメスのウズラの交雑こうざつたね作出さくしゅつかんするれいもある[8]

生態せいたい

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通常つうじょうのウズラのたまご白色はくしょくのウズラのたまご
孵化ふか直後ちょくごのウズラ
孵化ふか1しゅうのウズラ(ひだりている個体こたい)と孵化ふか3しゅうヒメウズラみぎ)の成長せいちょうちが
成鳥せいちょうのウズラ。手前てまえがオスでおくがメス

低地ていちにある草原そうげん農耕のうこうなどに生息せいそく[2]種子しゅし昆虫こんちゅうなどをべる[3]秋季しゅうきから冬季とうきにかけて5 - 50小規模しょうきぼから中規模ちゅうきぼれを形成けいせいすることもある[3]和名わみょうは「うずくまる(うずくまる)」「うまる(うずる)」のウズに接尾せつび「ら」をくわえたものとするせつがある[6]

繁殖はんしょく様式ようしき卵生らんせい配偶はいぐう様式ようしき一夫一妻いっぷいっさいだが[3]一夫多妻いっぷたさいれいもある[4]繁殖はんしょくは5 - 9月[2][3]植物しょくぶつ根元ねもと地面じめんくぼみにくさいたつく[3][4]。7 - 12たまごむが[2][4]、18たまごんだれいもある[3]だきたまご期間きかんは16 - 21にち[2]、メスのみがだきたまごする[3][4]ひな孵化ふかしてから20日はつか飛翔ひしょうできるようになり、1 - 2かげつ独立どくりつする[4]生後せいご1ねん以内いない成熟せいじゅくする[4]

孵化ふか6しゅうよわいれい産卵さんらん開始かいしする[14]産卵さんらん午後ごごとく午後ごご4から午後ごご6にかけての時間じかんたいおお[8]たまご重量じゅうりょうめす体重たいじゅうやく8%で10g前後ぜんこうである[8]たまごには通常つうじょう大小だいしょうくろ斑点はんてんがあり、全体ぜんたい茶色ちゃいろのものや卵殻らんかくやわらかいものは病気びょうき老齢ろうれい栄養えいよう不良ふりょうなどの原因げんいんによる[8]

ウズラの卵殼らんかく表面ひょうめんには褐色かっしょくのまだら模様もようがあるが、これはたまご外敵がいてきからまもるカモフラージュの効果こうかがある。模様もようたまごつく器官きかん由来ゆらいし、個体こたいがあるものの個体こたいごとにまった模様もようがつくことから、1のメスがたまごおなよう模様もようをしている[15][16][17]。この模様もようもととなる色素しきそ産卵さんらん開始かいし時刻じこくやく3あいだまえから分泌ぶんぴつはじまり、子宮しきゅうかべ伸縮しんしゅくたまご回転かいてんともな卵殼らんかく表面ひょうめんひろがり斑紋はんもん形成けいせいするとする研究けんきゅうがある[18]まれ模様もようのないしろたまごむこともある。

寿命じゅみょう野生やせいしゅで3~4ねん推定すいてい[8]上野動物園うえのどうぶつえんでは6ねん飼育しいくれいがある[8]産業さんぎょうよう実験じっけんようのウズラの寿命じゅみょうは1.2~1.5ねんである[8]

  • めす平均へいきん寿命じゅみょうは2ねんたない586にちから694にち最高さいこう寿命じゅみょう1690にち[19]
  • 産卵さんらんりつ 280にちよわいで80-90%
  • 生涯しょうがい産卵さんらんすう 342 - 384

適温てきおん範囲はんいは15~24あつさには比較的ひかくてきつよいものの、さむさへの抵抗ていこうりょくひく[8]さむさがつづくとかわはねするが健康けんこうじょう外観がいかんじょうよくないとされている[8]

人間にんげんとの関係かんけい

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ほんしゅCoturnix japonica)の家禽かきん日本にっぽん発祥はっしょうで、ウズラの飼養しようは600ねんまえにまでさかのぼ[8]日本語にほんごには「うずらころも」「うずらきょ」「うずらもく」「うずらりつ」といった、うずらかんする言葉ことばがある。

日本にっぽんにおける食用しょくよう

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ヨーロッパで食用しょくようにされているヨーロッパウズラとくらべるとほんしゅはややちいさく、ヨーロッパウズラのほうが大型おおがたである[8]

うずらといえば、いまはもっぱら焼鳥やきとりなどにしてべるものだ。またウズラのたまごべている。だがわたしたちのくちにはいるものは、おおかた養殖ようしょくのウズラである。自然しぜんにウズラの姿すがた、ウズラのこえをきくことは、非常ひじょうすくなくなった。

調理ちょうりほうとして水炊みずたとりにく団子だんごなどがあり、雑煮ぞうに出汁だしもちいられることもある[3]生後せいご60にちほどで成熟せいじゅくし、オスは精肉せいにくよう、メスは採卵さいらんようとなる。

食用しょくようとしての歴史れきしについて、日本にっぽんでは平安へいあん時代じだいほんしゅ調理ちょうりほうについてしるした書物しょもつがある[3]明治めいじ時代じだい中期ちゅうきから採卵さいらんよう飼養しよう本格ほんかくてきすすめられるようになり、1941ねんには飼養しようすうやく200まんたっした[3][5]当時とうじはウズラのたまご肺病はいびょう心臓しんぞうびょうくすりになるとしんじられ珍重ちんちょうされたが、販売はんばい経路けいろかぎられることや原価げんかたかいことから下火したびとなった[3]だい世界せかい大戦たいせんによりウズラの飼養しよう壊滅かいめつてき状況じょうきょうおちいったものの[3]、1965ねん飼養しようすうふたたやく200まんまで増加ぞうか[5]1970ねんだい以降いこうおも愛知あいちけん日本にっぽん飼養しようすうのうちやく65%をめる)、なかでも豊橋とよはし中心ちゅうしん養殖ようしょくおこなわれている[3][5]愛知あいちけんはウズラのやしなえうずらようじゅん農家のうかすう飼養しようすうともに日本にっぽん半分はんぶんめ、豊橋とよはしよううずら農業のうぎょう協同きょうどう組合くみあいはウズラのたまご専門せんもんとする国内こくない唯一ゆいいつ農協のうきょうである[20]

飼養しようすうは1984ねんやく850まん最盛さいせいむかえたが、2009ねん豊橋とよはしとりインフルエンザ確認かくにんされたことによりやく160まんころせ処分しょぶんされた[5]

日本にっぽんにおける狩猟しゅりょう

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かつては狩猟しゅりょう対象たいしょうとされることもあった[3]日本にっぽんでは1975ねんから鳥獣ちょうじゅう保護ほごほうにおける狩猟しゅりょう鳥獣ちょうじゅうだったが、1975ねんから2004ねん時点じてんまでは1にちあたり1にん5までの狩猟しゅりょう制限せいげんがあった[3]1989ねん石川いしかわけん岩手いわてけん、2002ねん京都きょうとほんたね狩猟しゅりょう禁止きんしされた[3]生息せいそくすう減少げんしょうしたため2007ねんから2012ねんまでは全国ぜんこく一時いちじてき捕獲ほかく禁止きんし措置そち実施じっしされ、のちにこの捕獲ほかく禁止きんし措置そちは2017ねんまで延長えんちょうされた[21]2013ねん狩猟しゅりょう鳥獣ちょうじゅう同時どうじ狩猟しゅりょう鳥獣ちょうじゅうとしての一時いちじてき捕獲ほかく禁止きんし措置そち解除かいじょ)から除外じょがいされたことにより、日本にっぽんほんしゅ狩猟しゅりょうすることは違法いほうとなった[21]

日本にっぽんでは、草地くさち開発かいはつ河川敷かせんしき樹林じゅりん・レクリーエション利用りようなどにより生息せいそくすう減少げんしょうしている[2]

絶滅ぜつめつ危惧きぐIIるい (VU)環境省かんきょうしょうレッドリスト[2]

日本にっぽんにおける観賞かんしょうよう

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日本にっぽんでは室町むろまち時代ときよにはかごもちいてほんたね飼育しいくされていたとされ[5]、『げんつぎきょう』に記述きじゅつがある[3]ごえ日本語にほんごえた表現ひょうげんきなし)として「吉兆きっちょう」などがあり、珍重ちんちょうされたとされる[3]。その吉兆きっちょうこえ士気しきたかめるため、かごれた飼育しいく状態じょうたいのまま、戦場せんじょうまれたこともあった。

うずらわせ

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中世ちゅうせいには武士ぶし階級かいきゅうあいだごえきそう「うずらわせ」がさかんにおこなわれた[8]。おおむね桃山ももやま時代じだいはじまりとく江戸えど時代じだいには都市としでは飼育しいくがブームとなり大正たいしょう時代じだいまでおこなわれた[3]最盛さいせい慶長けいちょうから寛永かんえい年間ねんかん[3]あるいは明和めいわから安永やすなが年間ねんかん[8]とされている)。

江戸えど時代じだいには財産ざいさんのある武士ぶし商人しょうにんうずら高値たかね売買ばいばいし、飼育しいくかご金銀きんぎん螺鈿らでん蒔絵まきえ細工ざいくほどこし、高価こうか木材もくざい高度こうど技術ぎじゅつ追求ついきゅうしたような贅沢ぜいたく逸品いっぴんきそもとめた。うずらわせには多数たすう庶民しょみん見物けんぶつあつまり、関脇せきわけ大関おおぜきなどいわゆる番付ばんづけひょうによるランキング発表はっぴょうされた。これにより飼育しいくブームはますます過熱かねつ贅沢ぜいたく追及ついきゅうされ、江戸えど幕府ばくふによる取締とりしまりもおこなわれた。

明治めいじ時代じだいにも各地かくちごえきそもよおしが頻繁ひんぱんひらかれたが、この起源きげんとなったナキウズラは絶滅ぜつめつしてしまった[8]

きあふて くやうずらかごふた

この飼育しいくブームにかんして、宇野うの信夫しのぶさくろく代目だいめさんゆうていえんせい落語らくごに『うずらころも』というはなしがある。また、前述ぜんじゅつうずらかご形状けいじょうが、当時とうじ歌舞伎かぶき客席きゃくせき桟敷さじきていたため、桟敷さじきせきことを「うずらかご」「うずら」とんだ(夏目なつめ漱石そうせき吾輩わがはいねこである』など)。

芸術げいじゅつ題材だいざい

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ゆうされば野辺のべ秋風あきかぜにしみてうずらくなり深草ふかくささと」(藤原ふじわら俊成としなり、『千載せんざい和歌集わかしゅう所収しょしゅう

うずら真野まの入江いりえ浜風はまかぜ尾花おばななみよるあき夕暮ゆうぐれ」(源俊頼みなもとのしゅんらい、『きむようしゅう所収しょしゅう

など、ふるくから和歌わかまれ、『古事記こじき』『万葉集まんようしゅう』『千載せんざい和歌集わかしゅう』また『伊勢物語いせものがたり』などにもウズラをんだうたがある[3]。「うずらく」は「りにしさと」にかかる枕詞まくらことばである。和歌わか俳句はいく世界せかいでは和歌わかでは、あきの、またはさびすたれた「さびしい」景物けいぶつとしてまれる。江戸えど時代じだい俳文はいぶんしゅう横井よこい也有やゆうの『うずらころも』がある。

のちまたさきうずらかな
夏目なつめ漱石そうせき

中国ちゅうごくではそうもと時代じだいうずら画題がだいとしてあらわれ、それらが日本にっぽん輸入ゆにゅうされた結果けっか日本にっぽん工芸こうげいひん絵画かいが画題がだいにもふか影響えいきょうあたえた。もと足利あしかが義政よしまさ所蔵しょぞう東山ひがしやま御物ぎょもつ)で現在げんざい国宝こくほうの『うずら』(根津ねづ美術館びじゅつかんくら)が有名ゆうめいである。これに影響えいきょうけた日本にっぽんでは、とくあきあらわすものとしてうずら格好かっこう画題がだいとなった。室町むろまち時代じだい絵所えどころあずかとしてさかえた大和絵やまとえ土佐とさは、安土あづち桃山ももやま時代じだい一旦いったん没落ぼつらくするが、土佐とさ光起みつおき中興ちゅうこうした。この光起みつおき前述ぜんじゅつの『うずら』に影響えいきょうけ、江戸えど時代じだいとおして代々だいだい土佐とさ画家がかうずら得意とくいとした。土佐とさうずら江戸えど武士ぶしあいだでのうずら飼育しいくブームに需要じゅよう合致がっちし、土佐とさうずら珍重ちんちょうされた。光起みつおきえがいたうずらに、ねこびかかったという伝承でんしょうのこる(『うめまど筆記ひっき』)。陶磁器とうじき文様もんようとしては九谷くたに様式ようしきかきみぎ衛門えもん様式ようしきうずら題材だいざいとしたものがおおのこる。

たたかえうずら

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中国ちゅうごくでは、鹌鹑[22]呼称こしょうされ、ずいとうそう王朝おうちょうたたかえうずらのために飼育しいくされた[23]パキスタンなどのみなみアジア中央ちゅうおうアジアで、ウズラをたたかわせる賭博とばくおこなわれる[24][25][26]。ロシアでもたたかえうずらおこなわれていた[27]

毒性どくせい試験しけんへの応用おうよう

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小型こがた飼育しいくスペースをらないこと、世代せだい交代こうたいはやことから実験じっけん動物どうぶつとしてもちいられることもある[3][5]化学かがく物質ぶっしつ毒性どくせい試験しけん日本にっぽんでは化学かがく物質ぶっしつ審査しんさおよ製造せいぞうとう規制きせいかんする法律ほうりつしんほう)ではヒトだけでなく動植物どうしょくぶつへの影響えいきょう注目ちゅうもくした審査しんさ規制きせい導入どうにゅうされており、高次こうじ捕食ほしょく動物どうぶつのうち鳥類ちょうるいえさおよび繁殖はんしょく対象たいしょうとした毒性どくせい試験しけんおこなわれている。OECDテストガイドライン205, 206にもとづいて実施じっしされ、その対象たいしょう動物どうぶつにウズラおよびマガモ指定していされ、環境省かんきょうしょうではウズラ(Coturnix japonica)を推奨すいしょうしている[28]

現代げんだいにおけるウズラの飼育しいく

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現代げんだい家禽かきんウズラは1910ねんごろ日本にっぽん馴化じゅんかされ家禽かきんされたものである[8]

ごえ結構けっこうおおきさであるため、現代げんだい民間みんかん住宅じゅうたく事情じじょう飼育しいくするにはにわとり同様どうよう近隣きんりん住民じゅうみんへの配慮はいりょ必要ひつようである。

飼育しいくじょう飼育しいくされるのはメスだけだが、たまに選別せんべつれでオスがこんじる場合ばあいがある。そのため、市販しはんされているウズラのたまごにはかず%のかくりつ有精ゆうせいたまごじっており、孵卵ふらんれればひな孵化ふかする場合ばあいがある[29]

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ メスのウズラを意味いみする漢字かんじとして「しびれ」がある。このべつ「痹」との混用こんようにより「しびれる」という意味いみあらわすようになった[7]

出典しゅってん

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外部がいぶリンク

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  • ウィキメディア・コモンズには、ウズラかんするカテゴリがあります。
  • ウィキスピーシーズには、ウズラかんする情報じょうほうがあります。