カモ

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カモ
マガモ
マガモ Anas platyrhynchos
分類ぶんるい
ドメイン : かく生物せいぶつ Eukaryota
さかい : 動物界どうぶつかい Animalia
もん : 脊索せきさく動物どうぶつもん Chordata
もん : 脊椎動物せきついどうぶつもん Vertebrata
つな : とりつな Aves
: カモ Anseriformes
: カモ Anseres
: カモ Anatidae
学名がくめい
Anatidae Leach1820
タイプぞく
Anas Linnaeus1758

カモ(カモか、Anatidae)はカモひとつ。別名べつめいガンカモ

分布ぶんぷ[編集へんしゅう]

南極大陸なんきょくたいりくをのぞくぜん大陸たいりく[1][2]アフリカ大陸たいりくおよびオーストラリア大陸たいりく砂漠さばく地帯ちたいや、グリーンランド内陸ないりくとうには生息せいそくしない[3]

形態けいたい[編集へんしゅう]

最大さいだいしゅナキハクチョウ最小さいしょうしゅアフリカマメガン[1]。頸部は比較的ひかくてきなが[4][5][※ 1]尾羽おはおおくのたねみじか[1]下面かめん平坦へいたん[2]みずかびやすい[1]

くちばし幅広はばひろくやや扁平へんぺいたねおお[2]くちばし先端せんたんには角質かくしつからなるかぎじょう突起とっきくちばしつめ)がある[1][2]おおくのたねくちばし外縁がいえんくしじょううすいたいた)があり[1]、これにより水中すいちゅう小型こがた食物しょくもつことができる[2]した分厚ぶあつく、とげじょう突起とっきなら[2]後肢あとあし胴体どうたいのやや後方こうほう位置いちするたねおお[1]一部いちぶたねでは地表ちひょう歩行ほこうすること苦手にがてだが水中すいちゅうではおおきな推進すいしんりょくることができる[2]後肢あとあし比較的ひかくてきみじかたねおお[2]おおくのたねだい2-4趾のあいだには水掻みずか発達はったつする[1]

たまごしろあわ黄色きいろあおなどのからおおわれ、斑紋はんもんはいらない[2]

分類ぶんるい[編集へんしゅう]

5に58ぞく172しゅぞくする。

系統けいとう[編集へんしゅう]

つぎのような系統けいとうじゅられている[6]

リュウキュウガモ

ゴマフガモ

ツメバガン

ガン

カモ

生態せいたい[編集へんしゅう]

淡水たんすいいき湿原しつげん海洋かいようなどの水辺みずべ環境かんきょうこの[2]たねおおい。おおくのたねわたりをおこなうが、一部いちぶたねではわたりをしなかったり飛翔ひしょうできないたねもいる[1][2] 。飛翔ひしょうするときは頸部を前方ぜんぽうばし、後肢あとあし後方こうほうばす[1]

日本にっぽん国内こくない観察かんさつでは、水田すいでんなどの食場じきばとなる場所ばしょとネグラとなる水域すいいき使つかけて生活せいかつしていることが確認かくにんされている[7]。ガン・ハクチョウはごろ食場じきば移動いどうし、夕暮ゆうぐれにネグラにもどる。カモは昼夜ちゅうや逆転ぎゃくてんしたかたち同様どうよう行動こうどうをする。

しょくせいたねによってもことなり、魚類ぎょるい貝類かいるい植物しょくぶつ果実かじつ種子しゅしなどをべる[1][2]

繁殖はんしょく形態けいたい卵生らんせいおおくのたね水辺みずべ植物しょくぶつわせたさらじょうつくるが、ほら岸壁がんぺきなどにつくたねもいる。おもにメスがだきたまごする[1][2]ひな孵化ふかするとすぐにはなれ(なりせい)、おやのちについて移動いどうするようになる[1]

人間にんげんとの関係かんけい[編集へんしゅう]

にくたまご羽毛うもう利用りようされ、すうしゅいならされ家禽かきんアヒルガチョウバリケンなど)として飼育しいくされる[1][2]。また野生やせい個体こたい狩猟しゅりょう対象たいしょうとされる[1]かり異字いじかり)は、ガン水鳥みずとりのうち、カモよりおおきくハクチョウよりちいさい一群いちぐん総称そうしょうかもけり)とは、カモ鳥類ちょうるいのうち、かりくらべてからだちいさくくびがあまりながくないものの総称そうしょう分類ぶんるいがくじょうのまとまったぐんではない。

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ 動物どうぶつだい百科ひゃっか7 ちょうI』p105 では「なかくらいかながいくび」、『フィールドガイド 日本にっぽん野鳥やちょう 増補ぞうほ改訂かいていばん』p30 では「くびはながく」と表現ひょうげん

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o 黒田くろだ長久ちょうきゅう森岡もりおか弘之ひろゆき監修かんしゅう世界せかい動物どうぶつ 分類ぶんるい飼育しいく (ガンカモ)』、財団ざいだん法人ほうじん東京とうきょう動物どうぶつえん協会きょうかい1980ねん、5-6、10-88ぺーじ
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n 黒田くろだ長久ちょうきゅう監修かんしゅう C.M.ペリンズ、A.L.A.ミドルトンへん動物どうぶつだい百科ひゃっか7 ちょうI』、平凡社へいぼんしゃ1986ねん、104-115ぺーじ
  3. ^ Ducks, Geese and Swans (Anatidae) - the Internet Bird Collection
  4. ^ Leslie H. Brown, Emil K. Urban, Kenneth B. Newman (1982). The Birds of Africa, Volume I. Academic Press. ISBN 978-0121373016  p220
  5. ^ Anatidae -eol
  6. ^ ANSERIFORMES”. 2014ねん10がつ27にち閲覧えつらん
  7. ^ 中村なかむら雅子まさこ 「ガンカモるいへの餌付えづけが湖沼こしょう水質すいしつおよぼす影響えいきょう」『野生やせい動物どうぶつ餌付えづ問題もんだい善意ぜんいこす?生態せいたいけい攪乱かくらん鳥獣ちょうじゅうがい感染かんせんしょう生活せいかつ被害ひがいじんしょかん 2016ねん ISBN 9784805209004 pp.87-89.
  • 唐沢からさわ孝一こういちちょ、『校庭こうてい野鳥やちょう』、全国ぜんこく農村のうそん教育きょういく協会きょうかい1997ねん、55ぺーじ