(Translated by https://www.hiragana.jp/)
キャラクターソング - Wikipedia コンテンツにスキップ

キャラクターソング

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

キャラクターソングは、俳優はいゆう声優せいゆうなどが、テレビドラマ[1]映画えいがアニメゲームなどでえんじた役柄やくがらとして歌唱かしょうした楽曲がっきょく。レコード・CDなどとして発売はつばいされるさいに、役柄やくがら名義めいぎ発売はつばいされることもおおい。役柄やくがら名義めいぎ発売はつばいされた楽曲がっきょくすことが一般いっぱんてきだが、制作せいさくサイドが公式こうしきにキャラクターについてうたった楽曲がっきょくもキャラクターソングとされる場合ばあいもある。りゃくしてキャラソンともしょうされる。

歴史れきし

[編集へんしゅう]

前史ぜんし

[編集へんしゅう]

キャラクターソングの原点げんてんは、日本にっぽんでアニメ放送ほうそうはじまった1960年代ねんだいまでさかのぼる。1963ねんの『おおかみ少年しょうねんケン』の挿入歌そうにゅうか「ポッポとチッチのうた」をポッポやく水垣みずがき洋子ようこ歌唱かしょうしたものが、おそらく声優せいゆうソングの最初さいしょれいである[2]朝日あさひソノラマから発売はつばいされたソノシート『おおかみ少年しょうねんケン(だい1しゅう)』に収録しゅうろく[3])。ただし歌手かしゅ名義めいぎ水垣みずがきのままであってキャラクターめいではなかった。なお、当時とうじレコードは発売はつばいされていないが声優せいゆう登場とうじょう人物じんぶつとして挿入歌そうにゅうかうたったケースとしては『つきみや王女おうじょさま』(1934ねん)の伊藤いとう久男ひさお村山むらやま雪子ゆきこにさかのぼることができる。

一方いっぽうアメリカでは、レコードとして発売はつばいされたものにかぎっても1937ねん公開こうかいの『白雪姫しらゆきひめ』において、白雪姫しらゆきひめやくアドリアナ・カセロッティ王子おうじやくハリー・ストックウェルらキャストじん歌唱かしょうした挿入歌そうにゅうかが『白雪姫しらゆきひめ オリジナル・サウンドトラック英語えいごばん』として発売はつばいされており(ただしレコード発売はつばい翌年よくねん1938ねん)、1950ねんにはトゥイーティーバッグス・バニー声優せいゆうだったメル・ブランク歌唱かしょうした挿入歌そうにゅうかI Tawt I Taw a Puddy Tat/I'm Glad That I'm Bugs Bunny」を発売はつばいしている(ただし歌手かしゅ名義めいぎはブランク)。

1969ねん放送ほうそう開始かいしの『サザエさん』では、よく1970ねんフグサザエやく加藤かとうみどり磯野いそのカツオやく高橋たかはし和枝かずえがそれぞれ歌唱かしょうした挿入歌そうにゅうか「レッツ・ゴー・サザエさん/カツオくん(ほし見上みあげて)」を東芝とうしば音楽おんがく工業こうぎょうより発売はつばいしている。楽曲がっきょく内容ないようは「サザエ・カツオが自分じぶんのことをうたっている」という体裁ていさいであったが、歌手かしゅ名義めいぎ加藤かとう高橋たかはしであった。

以降いこう1977ねんの『ヤッターマン』ではエンディングテーマ「天才てんさいドロンボー」をドロンボー一味いちみやく小原おはら乃梨子のりこ八奈見やなみ乗児じょうじたてかべ和也かずやが、1979ねんの『ドラえもん』では挿入歌そうにゅうかおれはジャイアンさまだ!」をジャイアンやくのたてかべ和也かずやが、1983ねんの『キン肉マンきんにくまん』ではエンディングテーマ「キン肉きんにくマンボ」をキン肉マンきんにくまんやく神谷かみやあきらうたう、といった具合ぐあいに、キャストじん歌唱かしょうするという「キャラクターソングてき」な手法しゅほう根付ねついていった[2]。また、りょうアニメはこのほかにもかくキャラクターにテーマソングがつくられ、いまでいう「キャラソンアルバム」が発売はつばいされた。

1982ねんの『ちょう時空じくう要塞ようさいマクロス』はうた主題しゅだいえたアニメ作品さくひんであり、げきちゅうでのアイドル「リン・ミンメイ」をえんじる飯島いいじま真理まりすうおおくのきょく歌唱かしょう担当たんとうしたが、それが現実げんじつでのチャートでもヒットするようになり、バーチャルアイドル先駆さきがけとなった[2]。しかしこの時点じてんでもまだ歌手かしゅ名義めいぎ飯島いいじまのままである。

誕生たんじょう

[編集へんしゅう]

演者えんじゃではなくキャラクターが歌唱かしょうしていると明記めいきしたおそらく最初さいしょれいは、1986ねんの『めぞん一刻いっこく』の挿入歌そうにゅうか予感よかん」である。このきょく歌唱かしょうしたのは、ヒロイン・音無おとなし響子きょうこやく島本しまもと須美すみであるが、クレジットでは島本しまもとではなく音無おとなし響子きょうこ名義めいぎになっている。さらにこのきょく収録しゅうろくしたEPレコードのジャケットにはヘッドフォンをみみにしてマイクのまえ響子きょうこ姿すがたえがかれており、「キャラクターがうたっている」というイメージをつよはっしていた[4]

1989ねんの『らんま1/2』ではキャラクターソングにかんするさまざまなアイディアが展開てんかいされており、1991ねんの4がつ3にち読売新聞よみうりしんぶん夕刊ゆうかんの3めんにて、『早乙女さおとめらん 天道てんとうあかね ってますか 歌手かしゅ? CDヒットちゅう』 と1ページを使つかって特集とくしゅうまれるまでになっている。1992ねんからは「らんてき企画きかく音盤おんばん」としてキャラソン企画きかくばん次々つぎつぎとリリース。さらに作中さくちゅうのヒロインによる声優せいゆうユニットDoCo」を結成けっせいするなど、楽曲がっきょくリリースのてんのちのアニメ作品さくひんおおきな影響えいきょうあたえた[4]

1991ねんの『らんま1/2』以後いご出演しゅつえん声優せいゆうがキャラクター名義めいぎうた楽曲がっきょくがシングルばんとして発売はつばいされるれい続出ぞくしゅつする。れいとしては、1992ねんの『絶対ぜったい無敵むてきライジンオー』、1994ねんの『GS美神びしん』・『美少女びしょうじょ戦士せんしセーラームーンR』・劇場げきじょうばんかそけゆう白書はくしょ』、1995ねんのOVA『宇宙うちゅう騎士きしテッカマンブレードII』・『魔法まほう騎士きしレイアース』などでキャラクターべつシングルが発売はつばいされた[5]

1996ねんの『サクラ大戦たいせん』のヒロインたちは戦士せんしであるのと同時どうじ舞台ぶたい女優じょゆうでもあり、帝国ていこく歌劇かげきだんとして「げき!帝国ていこくはなげきだん」をはじめとするキャラクターソングを多数たすうリリース。それにとどまらず、声優せいゆうじん実際じっさい舞台ぶたいってキャラクターをえんじるミュージカル「歌謡かようショウ」を展開てんかいし、キャラクターソングのライブ展開てんかいというみちひらいた[4]

確立かくりつ

[編集へんしゅう]

1990年代ねんだいまつから2000年代ねんだいにかけては、キャラクター名義めいぎ楽曲がっきょく作品さくひんはつ声優せいゆうユニットのかずえていった。なかでも2001ねんの『テニスの王子おうじさま』シリーズではやく400タイトル・やく800きょくのキャラクターソングがつくられた(2016ねん時点じてん[6]。2005ねんの『魔法まほう先生せんせいネギま!』ではアニメの放映ほうえい開始かいし以前いぜんからCD展開てんかいはじめ、オープニングやエンディングテーマをふくめてリリースされた多数たすう楽曲がっきょく軒並のきなみヒットするという記録きろくつくった[4]よく2006ねんの『りょうみやハルヒの憂鬱ゆううつ』では、キャラクターがうたっておど映像えいぞうとともにエンディングテーマ「ハレはれレユカイ」がだいブームをこし、そののキャラクターソング・シングルも好調こうちょうであった[4]

こうして、キャラクターソングをアニメ主題歌しゅだいか起用きようし、そのシングルやアルバムのかたちでさらにキャラソンを提供ていきょうするというながれが確立かくりつしたのである[4]

2005ねんから開始かいしした『アイドルマスターシリーズ』はアイドルを題材だいざいにした育成いくせいシミュレーションゲームからはじまったメディアミックス企画きかくであり、2020ねん7がつ時点じてん総計そうけい300にん以上いじょうのアイドルが登場とうじょうし、制作せいさくされた楽曲がっきょくは1000きょく以上いじょうおよ[7]

特徴とくちょう

[編集へんしゅう]

キャラクターソングの特徴とくちょうとしては、当然とうぜんながらキャラクターおな声色こわいろうたうことである。 また、キャラクターのイメージ、とく内面ないめん(げきちゅうではかたられていないものもふくむ)にスポットをてた歌詞かしになることがほとんどである。これによりファンをけることができる。 、「うた上手うまいハズがい」というキャラクターもおおく、わざと下手へたうたということもおこなわれる。 らんま1/2ひびきりょうきばのキャラクターソングをうたった山寺やまでら宏一こういち音痴おんちきわまるうたかたおこない、魔法まほう少女しょうじょまどか☆マギカ鹿目かのめまどかのキャラクターソングをうたったゆうあおはもっと上手うまうたえるが、あえて素人しろうと女子じょし中学生ちゅうがくせいらしくうたったとかたられている。

脚注きゃくちゅう

[編集へんしゅう]
  1. ^ くらぬきソウゴ『原色げんしょく歌謡かようきょく図鑑ずかん Volume.1』ブイツーソリューション、2022ねん、106-107ぺーじISBN 978-4-434-31059-1実写じっしゃ作品さくひん(テレビドラマ)で俳優はいゆう役柄やくがら名義めいぎ発売はつばいした楽曲がっきょくを「キャラソン」としょうしている。
  2. ^ a b c 『リスアニ! 2012 Oct. Vol.10.1』p.103
  3. ^ 朝日あさひソノラマ Bシリーズ B-63 おおかみ少年しょうねんケンだい1しゅうつよいぞケン! (おびづけ)まんだらけ - 2022ねん8がつ15にち閲覧えつらん
  4. ^ a b c d e f 『リスアニ! 2012 Oct. Vol.10.1』p.104
  5. ^ 『ドリカンからこむちゃへアニソン黄金おうごん伝説でんせつ!!』、扶桑社ふそうしゃ、2012ねん、67ぺーじISBN 978-4-594-06568-3
  6. ^ 『テニプリ』キャラソン800きょく頂点ちょうてんめる! 「テニフェス」で実施じっし、アニメ&ゲーム by ORICON NEWS、2016ねん6がつ3にち
  7. ^ 総勢そうぜい 300 めい以上いじょうのアイドルたちと 1,000 きょく以上いじょう楽曲がっきょくでお客様きゃくさまともあゆむ アイドルプロデュースゲームはつ人気にんきオリジナル IP 「アイドルマスター」15 周年しゅうねん、バンダイナムコエンターテインメント、2020ねん7がつ27にち

出典しゅってん

[編集へんしゅう]