ジャン・ロレンツォ・ベルニーニ

ジャン・ロレンツォ・ベルニーニ Gian Lorenzo Bernini
≪自画像じがぞう≫1630年ねん - 1635年ねん、ボルゲーゼ美術館びじゅつかん蔵ぞう
生誕せいたん	(1598-12-07) 1598年ねん12月7日にち ナポリ王国おうこく・ナポリ
死没しぼつ	(1680-11-28) 1680年ねん11月28日にち（81歳さい没ぼつ） 教皇きょうこう領りょう・ローマ

ベルニーニの肖像しょうぞうとit:Fontana del Tritoneがデザインされている50000リラ紙幣しへい

ジャン・ロレンツォ・ベルニーニ（Gian Lorenzo Bernini, 1598年ねん12月7日にち - 1680年ねん11月28日にち）は、バロックの時期じきを代表だいひょうするイタリアの彫刻ちょうこく家か、建築けんちく家か、画家がか。

「ベルニーニはローマのために生うまれ、ローマはベルニーニのためにつくられた」と賞賛しょうさんされたバロック芸術げいじゅつの巨匠きょしょうである。古代こだい遺跡いせきが残のこる古ふるき都とローマは彼かれの手てによって、壮大そうだいなスケール、絢爛けんらん豪華ごうかな装飾そうしょくにあふれる美びの都とに変貌へんぼうしていった。人々ひとびとは彼かれの作品さくひんを「芸術げいじゅつの奇跡きせき」と絶賛ぜっさんした。

1984年ねんから1999年ねんまで発行はっこうされた50000イタリア・リレ（リラの複数ふくすう形がた）紙幣しへいの裏面りめんに肖像しょうぞうが採用さいようされていた。

生涯しょうがい

生立おいたち

ジャン・ロレンツォ・ベルニーニは、1598年ねん12月7日にちに彫刻ちょうこく家かピエトロ・ベルニーニ（Pietro Bernini,1562年ねん5月6日にち - 1629年ねん8月がつ29日にち）の子ことしてナポリに生うまれた。彼かれの父親ちちおやはフィレンツェ郊外こうがいに生うまれたトスカーナ人じんであったが、ジャン・ロレンツォが誕生たんじょうする少すこし前まえに、サン・マルティーノのカルトゥジオ会かい修道院しゅうどういんで仕事しごとをするため、ナポリ人じんの妻つまアンジェリカ・ガランテと共ともに、ナポリへと移うつり住すんでいたのである。

1605年ねんに一家いっかはローマに戻もどり、ピエトロは枢機卿すうききょうシピオーネ・ボルゲーゼの保護ほごを得えて、息子むすこジャン・ロレンツォの早熟そうじゅくな才能さいのうを彼かれに示しめす機会きかいを得えた。

ピエトロは教皇きょうこうパウルス5世せいのために仕事しごとをし、サンタ・マリア・マッジョーレ大だい聖堂せいどうの洗礼せんれい堂どうに《聖母せいぼ被ひ昇天しょうてん》を表あらわした大理石だいりせきの浮彫うきぼりを制作せいさくした。さらにフラミニオ・ポンツィオの後援こうえんのもと、同どう聖堂せいどう内ないの教皇きょうこうパウルス5世せいとクレメンス8世せいの墓はかを収容しゅうようすることになっていたパオリーナ礼拝れいはい堂どうにおいて、他たの画家がか・彫刻ちょうこく家かたちと共ともに一連いちれんの装飾そうしょく計画けいかくに参加さんかし、1611年ねんに《クレメンス8世せいの戴冠たいかん》を高こう肉にく彫ぼりで制作せいさくした。後のちに、この大だい聖堂せいどう内ないにジャン・ロレンツォ・ベルニーニの墓所はかしょが設もうけられる。

これら父親ちちおやの仕事しごとは若わかきベルニーニにとって、複数ふくすうの芸術げいじゅつ家かによる制作せいさくの体制たいせいや、彫刻ちょうこくと絵画かいがが一体いったいになった図像ずぞう学がく的てき・建築けんちく的てき計画けいかくの融合ゆうごうを学まなぶ絶好ぜっこうの機会きかいであり、後ごのベルニーニ自身じしんの仕事しごとに反映はんえいされることになる。

17世紀せいき初頭しょとうのローマは、並なみはずれた才能さいのうをもつ芸術げいじゅつ家かたちの熱気ねっきにあふれる芸術げいじゅつ的てき革新かくしんに満みちた時期じきであった。一方いっぽうでは自然しぜん主義しゅぎ的てきなカラヴァッジオの絵画かいがや、カラッチ派はの古典こてん主義しゅぎ的てきなアカデミズムが、他方たほうではルーベンスの芸術げいじゅつがバロックへの道みちを切きり開ひらいていた。

初期しょき作品さくひん

ベルニーニは若わかい頃ころから彫刻ちょうこくに才能さいのうを発揮はっきしていた。ヘレニズム時代じだいの彫刻ちょうこくに大おおきな関心かんしんを示しめしたベルニーニは、《雌めす山羊やぎアマルティア》（1615年ねん）のような作品さくひんにおいて古ふるびた大理石だいりせきの質感しつかんまで模もし、真しんにヘレニズム時代じだいの作品さくひんであると学者がくしゃたちをあざむくことができるほどであった。

教皇きょうこうウルバヌス8世せいの元もとでの制作せいさく

《アポロとダフネ》ボルゲーゼ美術館びじゅつかん蔵ぞう

サン・ピエトロ大だい聖堂せいどうの天蓋てんがい、バチカン市し国こく

シピオーネ・ボルゲーゼ枢機卿すうききょうのために制作せいさくされた4体たいの彫刻ちょうこく群ぐん、つまり《アイネイアースとアンキーセース》（1618年ねん - 1619年ねん）、《プロセルピーナの略奪りゃくだつ》（1621年ねん - 1622年ねん）、《ダヴィデ》（1623年ねん - 1624年ねん）、《アポロとダフネ》（1624年ねん - 1625年ねん）によって、ベルニーニは即座そくざに名声めいせいを手てにした。現在げんざいでも、4体たい共ともにローマのボルゲーゼ美術館びじゅつかんに所蔵しょぞう展示てんじされている。

カルロ・マデルノのもとで建築けんちくに携たずさわり、1623年ねん、25歳さいの時ときに願ねがってもないチャンスが訪おとずれる。バルベリーニ家か出身しゅっしんの教皇きょうこうウルバヌス8世せいから「勝利しょうりの教会きょうかい」の意思いしを表あらわすような総合そうごう芸術げいじゅつを壮大そうだいな都市とし計画けいかくによって実現じつげんするために理想りそう的てきな芸術げいじゅつ家かであるとみなされたベルニーニは、建築けんちくと彫刻ちょうこくと都市とし計画けいかくとが融合ゆうごうした一種いっしゅの芸術げいじゅつを創造そうぞうすることになった。

こうして最初さいしょにウルバヌス8世せいから依頼いらいされたのは、ビビアナー教会きょうかいのための《聖女せいじょビビアーナ像ぞう》（1623年ねん）であった。続つづいて、16世紀せいきの教会きょうかい危機ききの後のちのカトリック教会きょうかいの復活ふっかつと勝利しょうりを表あらわすため、カトリック教会きょうかいの設立せつりつ者しゃである使徒しと聖せいペトロの殉教じゅんきょうの地ちであるサン・ピエトロ大だい聖堂せいどうが次つぎなる芸術げいじゅつ創造そうぞうの場ばに選えらばれた。それはミケランジェロやラファエロなど大だい巨匠きょしょうによる重要じゅうような作品さくひんの残のこる場ばでもあった。

教皇きょうこうは、新あたらしい祭壇さいだんがブロンズ製せいの巨大きょだいな天蓋てんがい（バルダッキーノ）に覆おおわれることを望のぞんでおり、ベルニーニの手てによりにバルベリーニ家かの紋章もんしょうである蜂はちがちりばめられたらせん状じょうの円柱えんちゅうをもつブロンズの巨大きょだい天蓋てんがいが、大理石だいりせきの台だいの上うえに設置せっちされた（1624年ねん - 1633年ねん）。これは、クアラントーレ（イエスの死しから復活ふっかつまで、つまり金曜きんようの午後ごごから日曜日にちようびの朝あさまで、連続れんぞくして祈いのりを捧ささげる儀式ぎしき）などで用もちいられた装飾そうしょく品ひんに着想ちゃくそうを得えたものだとされている。

1627年ねんにはウルバヌス8世せいの記念きねん碑ひ的てき墓碑ぼひの建設けんせつが始はじめられた。それは、ファルネーゼ家か出身しゅっしんの教皇きょうこうパウルス3世せいの16世紀せいきの墓碑ぼひと対照たいしょう的てきに設置せっちされたが、トリエント公こう会議かいぎを開始かいししたパウルス3世せいと、教会きょうかい改革かいかくを終おわらせたウルバヌス8世せいとを象徴しょうちょう的てきに示しめすためであった。

1630年ねん、師しカルロ・マデルノの死後しご、パラッツォ・バルベリーニ（バルベリーニ宮殿きゅうでん）の仕事しごとの後続こうぞくを依頼いらいされ、フランチェスコ・ボッロミーニと協力きょうりょくして完成かんせいした。また1642年ねんから1643年ねんに《トリトーネの噴水ふんすい》を制作せいさくした。これは彼かれの一連いちれんの噴水ふんすいの最初さいしょの作例さくれいである。

だが1641年ねんに、順風じゅんぷう満まん帆ほだったベルニーニに落おとし穴あなと挫折ざせつが待まっていた。設計せっけいを担当たんとうしたサン・ピエトロ大だい聖堂せいどうの鐘かね塔とうから大おおきな亀裂きれつが見みつかった。この失敗しっぱいはローマ中ちゅうをかけめぐるスキャンダルに発展はってん。若わかくして美術びじゅつ界かいに君臨くんりんしたベルニーニに対たいし、溜たまっていた不満ふまん（嫉妬しっと）が一気いっきに爆発ばくはつし「見みかけばかりで実用じつようをなさないベルニーニ」と批判ひはんされた。

教皇きょうこうインノケンティウス10世せいの時期じきの活動かつどう

ベルニーニの幸運こううんは、ウルバヌス8世せいの死し（1644年ねん）をもって突然とつぜんに去さって行いったようである。実際じっさい、経済けいざい的てき危機ききの時代じだいに即位そくいした次期じき教皇きょうこう・パンフィーリ家か出身しゅっしんのインノケンティウス10世せいは、極きわめて厳格げんかくな人物じんぶつであった。

この時期じきから、数すう多おおくの芸術げいじゅつ注文ちゅうもんはベルニーニのライバルだった他ほかの芸術げいじゅつ家かに委嘱いしょくされるようになり、例たとえばボッロミーニがサン・ジョバンニ・イン・ラテラノ大だい聖堂せいどうの改装かいそうを行おこない、またカルロ・ライナルディがパンフィーリ宮殿きゅうでんを建設けんせつし、さらにはナヴォーナ広場ひろばのサン・タンジェロ・イン・アゴーネ教会きょうかいの建設けんせつを始はじめた。

だがこの時期じきに、ベルニーニは17世紀せいきの芸術げいじゅつ作品さくひんの中なかで最もっとも重要じゅうような傑作けっさくのひとつを制作せいさくした。ローマのサンタ・マリア・デッラ・ヴィットーリア教会きょうかい（勝利しょうりの聖母せいぼマリア教会きょうかい）内ない、コルナロ礼拝れいはい堂どうの《聖せいテレジアの法悦ほうえつ》である。

1644年ねんには、ローマのナヴォーナ広場ひろばに《四よっつの川かわの噴水ふんすい》を制作せいさくした。続つづいてサンタ・マリア・ソプラ・ミネルヴァ教会きょうかいに「修道しゅうどう女おんなマリア・ラッジの記念きねん碑ひ」として《真実しんじつ》（ボルゲーゼ美術館びじゅつかん蔵ぞう）を、さらに《インノケンティウス10世せいの胸像きょうぞう》（ドーリア・パンフィリ美術館びじゅつかん蔵ぞう）、《フランチェスコ1世せい・デステの胸像きょうぞう》（モデナ、エステンセ美術館びじゅつかん蔵ぞう）を制作せいさくした。

教皇きょうこうアレクサンデル7世せい時代じだいの制作せいさく活動かつどう

1655年ねんにキージ家か出身しゅっしんの教皇きょうこうアレクサンデル7世せいが即位そくいした。彼かれは30年ねん前まえの芸術げいじゅつ家かに慕したわれたウルバヌス8世せいのように、人文じんぶん主義しゅぎ的てきな教皇きょうこうであった。

ベルニーニがこの教皇きょうこうから最初さいしょに注文ちゅうもんを受うけた作品さくひんのひとつは、ローマのサンタ・マリア・デル・ポポロ教会きょうかい内ないのキージ家か礼拝れいはい堂どうのための、《ダニエルとハバククと天使てんし》（1655年ねん - 1661年ねん）と、身み廊ろうおよび翼つばさ廊ろうの装飾そうしょくであった。

ローマでは、1656年ねんから1667年ねんに「サン・ピエトロ広場ひろば」を建設けんせつしたが、設計せっけいを依頼いらいされたのは50代だいの半なかばであった。だが取とり掛かかりはじめ難題なんだいにぶつかる。当時とうじ、サン・ピエトロ大だい聖堂せいどうの前まえには、いびつな形かたちをした空あき地ちがあるだけだった。「この空間くうかんを神聖しんせいな場所ばしょにするには、どうすればいいのか？」ベルニーニは聖地せいちに相応ふさわしい形かたちを求もとめ、試行錯誤しこうさくごを繰くり返かえした。そしてひとつのアイデアに辿たどりつき、1667年ねんにサン・ピエトロ広場ひろばは完成かんせいした。フランス王おうルイ14世せいに招まねかれ、ルーヴル宮殿きゅうでんの改築かいちく計画けいかくにも関かかわった。

ベルニーニの彫刻ちょうこくのクオリティは極きわめて高たかく、多作たさくで、生いきていた時代じだいを反映はんえいしている彫刻ちょうこく家かは歴史れきし上じょう殆ほとんどいない。彼かれの最初さいしょの作品さくひんは17歳さい、もしくはそれ以前いぜんに刻きざんだ幼よう神しんゼウスの彫像ちょうぞうで、最後さいごの作品さくひんは81歳さいの時ときのキリスト像ぞうである。その間あいだ60年ねん余あまり、彼かれは彫刻ちょうこく史上しじょうの大だい変革へんかくに一役ひとやく買かったばかりでなく、最もっとも人気にんきのある建築けんちく家かとしても作品さくひんを残のこした。

彫刻ちょうこく作品さくひん

聖せいロンギヌス像ぞう（ヴァチカン市し国こく・サン・ピエトロ大だい聖堂せいどう内うち）

聖せいテレジアの法悦ほうえつ

四よん大河たいがの泉いずみ（Fontana dei Quattro Fiumi）

舟ふねの噴水ふんすい（バルカッチャの噴水ふんすい）

象ぞうが台座だいざのオベリスク（ローマのミネルバ・オベリスク）

it:Fontana del Tritone

• 「聖せいロンギヌス像ぞう」（ヴァチカン市し国こく、サン・ピエトロ大だい聖堂せいどう）
• 「プロセルピナの略奪りゃくだつ」（1622年ねん、ローマ、国立こくりつボルゲーゼ美術館びじゅつかん）

圧倒的あっとうてきな迫力はくりょくと躍動やくどう感かんに満みちた2つの肉体にくたい。冥界めいかいの王おうプルートが一目いちもくぼれした女神めがみの娘むすめプロセルピナを連つれ去さろうとする、ローマ神話しんわの一いち場面ばめんである。逃にげるプロセルピナを手てに入いれようと、力ちからづくでつかみかかるプルート、その指ゆびはプロセルピナの柔やわらかな肉体にくたいに深ふかく食くい込こんでいる。とても石いしでできているとは思おもえない肉体にくたいのリアリティ。それは彫刻ちょうこく史しを塗ぬり替かえる革新かくしん的てきな作品さくひんであった。

• 「ダビデ像ぞう」（ローマ、国立こくりつボルゲーゼ美術館びじゅつかん）
• 「アポロンとダフネ」（1625年ねん、ローマ、国立こくりつボルゲーゼ美術館びじゅつかん）

美うつくしい娘むすめダフネに恋こいして我わが物ものにしようと迫せまる太陽たいようの神かみアポロン。しかし、その手てがダフネに触ふれた瞬間しゅんかん、彼女かのじょは月桂樹げっけいじゅの木きへと姿すがたを変かえる。5本ほんの指ゆびは茂しげる枝葉えだはへと変貌へんぼうし、足あし先さきからは根ねが生はえ、体からだは見みる見みる木きの皮かわに覆おおわれていく。ふたりの絶妙ぜつみょうなバランスと躍動やくどう感かん、劇的げきてきな一瞬いっしゅんを見事みごとに切きり取とっている。神話しんわの世界せかいがあたかも目めの前まえで起おこっているような緊迫きんぱく感かん。発表はっぴょう当時とうじ、ローマ中ちゅうの人々ひとびとがこの作品さくひんを見みるために押おし寄よせ、口々くちぐちに「これは奇跡きせきだ」と語かたったと云いわれている。

• 「聖せいテレジアの法悦ほうえつ」（ローマ、サンタ・マリア・デッラ・ヴィットーリア教会きょうかい堂どうコルナロ礼拝れいはい堂どう）

16世紀せいきスペインに実在じつざいした聖女せいじょテレジアが神かみと出会であい、その喜よろこびに満みたされる奇跡きせきの場面ばめん。頭上ずじょうからは彫刻ちょうこくで表現ひょうげんされた神かみの光ひかりが降ふり注そそぎ、天使てんしとテレジアを包つつみ込こんでいる。ベルニーニはこの礼拝れいはい堂どうの全すべてを設計せっけいし、様々さまざまな仕掛しかけを施ほどこすことで、新あらたな奇跡きせきを起おこした。

• 「四よん大河たいがの泉いずみ」（1648年ねん - 1651年ねん、ローマ、ナヴォーナ広場ひろば）

4つの大陸たいりくを流ながれる大河たいが、ガンジス川がわ（アジア）、ナイル川がわ（アフリカ）、ラプラタ川がわ（南みなみアメリカ）、ドナウ川がわ（ヨーロッパ）を擬人ぎじん化かした作品さくひんで、4つの大河たいがを表現ひょうげんすることで教会きょうかいは、4つの大陸たいりくを支配しはいすることを表現ひょうげんしている。また、19世紀せいき中頃なかごろまで行おこなわれていた夏なつのお祭まつり「ラーゴ」で、ある演出えんしゅつが行おこなわれていた。それは「四よん大河たいがの泉いずみ」の排水溝はいすいこうに栓せんをして数時間すうじかん掛かけて水みずをあふれさせ、ベルニーニは旧約きゅうやく聖書せいしょに登場とうじょうする「ノアの箱はこ舟ぶね」を題材だいざいにした人工じんこうの湖みずうみを作つくった。ベルニーニは単たんなる彫刻ちょうこく家かだけではなく、型破かたやぶりなアイデアでローマの町まち全体ぜんたいを劇場げきじょうに変かえた。

• 「舟ふねの噴水ふんすい（バルカッチャの噴水ふんすい）」（スペイン広場ひろば (ローマ)）
• 「トリトーネの噴水ふんすい」（バルベリーニ広場ひろば（ローマ））
• 「蜂はちの噴水ふんすい」（同上どうじょう）
• 「ミネルバ・オベリスク」（サンタ・マリア・ソプラ・ミネルヴァ教会きょうかい前まえ）
• 「ネプチューンとトリトン」（ロンドン、ヴィクトリア＆アルバート博物館はくぶつかん）

建築けんちく作品さくひん

• 「サン・ピエトロ大だい聖堂せいどう祭壇さいだん天蓋てんがい」（バルダッキーノ）（1624年ねん - 1633年ねん、バチカン）

最初さいしょの仕事しごとでもあり、大だい聖堂せいどうの象徴しょうちょうとなるモニュメントの製作せいさくであった。建物たてものの中央ちゅうおう、地下ちか深ふかくに眠ねむる守護しゅご聖人せいじん「ペトロ」、その墓はかを守まもる大おおきな天蓋てんがいを依頼いらいされた。ベルニーニにとって初はじめての建築けんちく作品さくひん。持もてる技わざの全すべてを注つぎ込こみ、9年ねんの歳月さいげつを掛かけて完成かんせいさせた。高たかさ 29 メートルに及およぶ巨大きょだいな天蓋てんがい。鋳造ちゅうぞうのため、ローマ中ちゅうからブロンズ（銅どう）が集あつめられた。ダイナミックに上昇じょうしょうのリズムを刻きざむねじれた柱はしら、細部さいぶに至いたるまで緻密ちみつな装飾そうしょくで埋うめ尽つくされている。ベルニーニは観みる者ものを圧倒あっとうする絢爛けんらん豪華ごうかな天蓋てんがいで教会きょうかいの権威けんいを見事みごとに具現ぐげん化かした。

• 「パラッツォ・バルベリーニ」（1628年ねん - 1638年ねん、ローマ）
• 「モンテチトーリオ宮殿きゅうでん」（1650年ねん - 1697年ねん、ローマ）
• 「サン・ピエトロ広場ひろば」（1656年ねん - 1667年ねん）
• 「サンタンドレア・アル・クイリナーレ聖堂せいどう」（1658年ねん - 1661年ねん、ローマ）
• 「キジ・オデスカルキ宮みや」（1664年ねん -、ローマ）
• 「ルーヴル宮殿きゅうでん改築かいちく案あん」（1664年ねん - 1665年ねん、パリ）実施じっしされず

ギャラリー

• 
  Damned Soul
• 
  Blessed Soul
• 
  Bust of Antonio Cepparelli
• 
  Bust of Pope Urban VIII
• 
  Bust of Monsignor Carlo Antonio Pozzo
• 
  Self-portrait

• 
  St. Peter's colonade
• 
  St. Peter's baldachin
• 
  Ponte St. Angelo angels

関連かんれん項目こうもく

• バロック建築けんちく
• 天使てんしと悪魔あくま
• サン・ピエトロ大だい聖堂せいどう
• ローマのオベリスク
• オベリスク

外部がいぶリンク

• The Web Gallery of Art（絵画かいが・彫刻ちょうこく）