スタンフォード哲学てつがく百科ひゃっか事典じてん

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スタンフォード哲学てつがく百科ひゃっか事典じてん
URL
	https://plato.stanford.edu/
タイプ	オンライン百科ひゃっか事典じてん
分野ぶんや	哲学てつがく全般ぜんぱん
使用しよう言語げんご	英語えいご
項目こうもく数すう	1600以上いじょう
閲覧えつらん	無料むりょう（PDFをダウンロードする場合ばあいは有料ゆうりょう）
登録とうろく	不要ふよう（PDFをダウンロードする場合ばあいは要よう登録とうろく）
運営うんえい元もと	スタンフォード大学だいがく; 言語げんご情報じょうほう研究けんきゅうセンター; 形而上学けいじじょうがく研究けんきゅう室しつ
資金しきん	1.研究けんきゅう補助ほじょ金きん（NEH、NSFなどから）; 2.世界せかい558の図書館としょかんからの寄付きふ金きん; 3.個人こじんからの寄付きふ金きん
営利えいり性せい	非ひ営利えいり
設立せつりつ	1995年ねん
設立せつりつ者しゃ	エドワード・ザルタ
現げん代表だいひょう	エドワード・ザルタ
執筆しっぴつ者しゃ	大学だいがく教授きょうじゅなどの専門せんもん家か1143名めい
編集へんしゅう委員いいん	大学だいがく教授きょうじゅなどの専門せんもん家か105名めい。
査読さどく制度せいど	あり
現状げんじょう	記事きじ数すう増加ぞうか中ちゅう

スタンフォード哲学てつがく百科ひゃっか事典じてん（スタンフォードてつがくひゃっかじてん、スタンフォード哲学てつがく事典じてん、Stanford Encyclopedia of Philosophy、 SEP）は、無料むりょうで閲覧えつらんできる、哲学てつがく専せん門もんのオンライン百科ひゃっか事典じてん。使用しよう言語げんごは英語えいご。各かく記事きじは編集へんしゅう委員いいんによって指名しめいされた各かく分野ぶんやの専門せんもん家かによって執筆しっぴつされ、ピア・レビューを経へた上うえで一般いっぱんに公開こうかいされている。記事きじの内容ないようは研究けんきゅう状じょう況きょうにあわせ、随時ずいじ、加筆かひつ・更新こうしんされている（この際さいもピア・レビューを経へる）。

記事きじ数すうは2018年ねん3月がつ時点じてんで約やく1600に及およぶ^[1]。管理かんり・運営うんえい元もとはスタンフォード大学だいがく言語げんご情報じょうほう研究けんきゅうセンター形而上学けいじじょうがく研究けんきゅう室しつ。主席しゅせき編集へんしゅう長ちょうはエドワード・ザルタ。

歴史れきし

スタンフォード哲学てつがく百科ひゃっか事典じてんは1995年ねん、スタンフォード大学だいがくの独立どくりつ研究所けんきゅうじょのひとつである言語げんご情報じょうほう研究けんきゅうセンター（CSLI）によって始はじめられた^[6]。当時とうじのCSLI代表だいひょうジョン・ペリーは、哲学てつがくに関かんするオンライン百科辞典ひゃっかじてんを作つくることでCSLIの存在そんざい感かんを示しめそうと考かんがえた。このアイデアを元もとにエドワード・ザルタが、古ふるくならない動的どうてきな百科ひゃっか事典じてんであるスタンフォード大学だいがく哲学てつがく百科ひゃっか事典じてんをスタートさせた。初期しょきはCSLIからの援助えんじょでプロジェクトは支ささえられたが、二に年ねん後ごには政府せいふ機関きかんであるNEHからグラント（研究けんきゅう補助ほじょ金きん）を獲得かくとく。その後ごも多おおくのグラントを得えながら順調じゅんちょうに発展はってんし、2007年ねん現在げんざいスタンフォード哲学てつがく百科辞典ひゃっかじてんは1000名めい以上いじょうの人間にんげんに支ささえられる大型おおがたプロジェクトにまで成長せいちょうした。編集へんしゅう委員いいんは世界せかいの学術がくじゅつ機関きかんに所属しょぞくする大学だいがく教授きょうじゅなどの専門せんもん家かから構成こうせいされ、各かく分野ぶんやごとに数すう名めいずつ、全体ぜんたいでは105名めい^[8]、また執筆しっぴつ者しゃは全体ぜんたいで1143名めい^[7]にもなる（いずれの数字すうじも2007年ねん4月がつ現在げんざい）。発足ほっそくから10年ねんを超こえた今いまも着々ちゃくちゃくと記事きじ数すうを増加ぞうかさせている（百科ひゃっか事典じてんに追加ついかされた最新さいしん記事きじはWhat's Newのページから見みることができる）。

資金しきん

最初さいしょ期きグラント（研究けんきゅう補助ほじょ金きん）頼たのみ

発足ほっそく当初とうしょの運営うんえい費ひは言語げんご情報じょうほう研究けんきゅうセンター（CSLI）自身じしんの資金しきんによって支ささえられた^[6]。しかし発足ほっそく2年ねん後ごからグラントが取とれるようになり、そこから切きれ目めなくグラントを獲得かくとくする。以下いかにその一覧いちらんを示しめす^[2]。

期間きかん	グラントを与あたえた機関きかん	金額きんがく
1998年ねん10月がつ-2000年ねん9月がつ	NEH Prservasion and Acces Division	$131,400
2000年ねん10月がつ-2003年ねん9月がつ	NSF Information and Intelligent Systems (NEHのサポートと受うけて)	$528,900
2002年ねん2月がつ-2002年ねん8月がつ	Andrew W. Mellon Foundation	$43,000
2003年ねん10月がつ-2005年ねん9月がつ	NEH Preservation and Access Division	$300,828
2005年ねん1月がつ-2008年ねん12月	NEH Office of Challenge Grants (SOLINETに対たいしてSEP用ようとして付与ふよ)	$500,000
2005年ねん10月がつ-2007年ねん9月がつ	NEH Preservation and Access Division	$150,000
2005年ねん9月がつ-2007年ねん8月がつ	William and Flora Hewlett Foundation Education, Technology, Open Content	$190,000

安定あんていした資金しきん源げんへのシフト

しかしグラントは取とれるか取とれないか、また金額きんがくがいくらになるのかといった点てんを事前じぜんにはっきりと予測よそくすることが出来できない。そのため長期ちょうき的てきな運転うんてん資金しきんとしてグラントは相応ふさわしくないとし、現在げんざいスタンフォード哲学てつがく百科辞典ひゃっかじてんはより安定あんていした資金しきん源げんへのシフトを進すすめている^[3]。スタンフォード哲学てつがく百科ひゃっか事典じてんは「無料むりょうでの閲覧えつらん」すなわちオープンアクセスの立場たちばはこの先さきも維持いじし続つづけることを基本きほん的てきな前提ぜんていとしており^[10]^[11]、一般いっぱん的てきな学術がくじゅつ雑誌ざっしにおいて行おこなわれているような、閲覧えつらんを会員かいいん制せいにして購読こうどく料りょう収入しゅうにゅうを得える、という方向ほうこうは考かんがえていない。現在げんざい、次つぎの二ふたつの資金しきん源げんで運営うんえい費ひを賄まかなおうと考かんがえている。一ひとつは様々さまざまな大学だいがくの図書館としょかんからの資金しきん提供ていきょうであり、もうひとつは世界中せかいじゅうの個々人ここじんからの寄付きふである。目標もくひょうとして、2007年ねんからの3年間ねんかんで、様々さまざまな図書館としょかんからの資金しきん提供ていきょうで300万まんドル、そして個々人ここじんの寄付きふからで112万まん5000ドル、合計ごうけい412万まん5000ドルを集あつめるとしている。それぞれの大学だいがく図書館としょかんに対たいしては、学術がくじゅつ雑誌ざっしを購読こうどくするような感覚かんかくで次つぎのような金額きんがくの提供ていきょうを頼たのんでいる^[12]。

	金額きんがく
哲学てつがくの博士はかせ号ごうを授与じゅよしている機関きかん	年間ねんかん5000ドル
哲学てつがくの修士しゅうし号ごうを授与じゅよしている機関きかん	年間ねんかん2000ドル
哲学てつがくの学士がくし号ごうを授与じゅよしている機関きかん	年間ねんかん1000ドル

2007年ねん4月がつ現在げんざい、世界せかいの558の図書館としょかんがこれに応こたえている^[4]。これが現在げんざいのスタンフォード大学だいがく百科辞典ひゃっかじてんを支ささえる主要しゅような資金しきん源げんとなっている。一方いっぽう、個人こじんからの寄付きふはGiving to the Stanford Encyclopedia of Philosophyのページで直接ちょくせつ受うけ付つけており、金額きんがくは任意にんいとなっている。

記事きじ

記事きじは編集へんしゅう委員いいんによって選えらばれた各かく分野ぶんやの専門せんもん家か（主おもに若手わかてから中堅ちゅうけん^[13]）によって執筆しっぴつされる。記事きじの投稿とうこうは全すべてオンラインで行おこなわれる^[14]。投稿とうこうされた記事きじは査読さどくを受うけ、必要ひつようであれば修正しゅうせいがおこなわれる。そして査読さどくが終了しゅうりょうした段階だんかいで初はじめてオンラインで公開こうかいされる。ここまでは一般いっぱん的てきな学術がくじゅつ雑誌ざっしと同おなじだが、紙かみ製せいの文献ぶんけんと異ことなり、スタンフォード哲学てつがく百科ひゃっか事典じてんにおいては一度いちど記事きじが投稿とうこうされても、それで終おわりという事ことはない。投稿とうこうされた記事きじはその後ごも定期ていき的てきな改訂かいていを受うける。この過程かていで間違まちがいが取とり除のぞかれ、より詳細しょうさいな情報じょうほうが加くわえられ、そして時代遅じだいおくれにならないように最新さいしんの情報じょうほうが付つけ加くわえられる。記事きじの改訂かいていは必かならずしも記事きじの最初さいしょの執筆しっぴつ者しゃと同どう一人物いちじんぶつが行おこなうわけではなく（但ただしそうであることの方ほうが多おおい）、別べつの執筆しっぴつ者しゃによる加筆かひつ・改訂かいていが度々たびたび行おこなわれる。この改訂かいていの過程かていも査読さどくを要ようし、査読さどくをパスした段階だんかいで初はじめて、改訂かいていがオンラインで反映はんえいされる。こうした記事きじの執筆しっぴつや改訂かいていの情報じょうほうは、記事きじが査読さどくをパスした段階だんかいでWhat's Newのページにリストされる（こうした記事きじの改訂かいてい記録きろくは、各かく記事きじのページを開ひらき、上部じょうぶにある"Cite this entry"というリンクをクリックすることで見みることが出来できる）。

各かく記事きじの最さい上部じょうぶにはPDFテキストへのリンク（有料ゆうりょう）およびInPho検索けんさくへのリンク、そして文献ぶんけんサイトPhilPapersへのリンクが置おかれている。

ミラーサーバ

スタンフォード哲学てつがく百科ひゃっか事典じてんは2007年ねん4月がつ現在げんざい、世界せかい3ヶ所かしょにミラーサーバを持もつ。ミラーサーバを持もつ理由りゆうは次つぎの3つである。ひとつは速はやいアクセススピードの実現じつげん、次つぎに情報じょうほうの並列へいれつ化かによるクラッシュ時じの情報じょうほう損失そんしつを最小限さいしょうげんにとどめること、そして最後さいごにメインサーバがメンテナンスを行おこなう際さいの迂回うかい用ようサーバとしての役割やくわりである^[15]。以下いかの三みっつの大学だいがく機関きかんがスタンフォード哲学てつがく百科ひゃっか事典じてんのミラーサーバを運営うんえいしている。

オーストラリアシドニしどにー大学だいがく（Sydney Electronic Text and Image Service）

　　　http://setis.library.usyd.edu.au/stanford/

オランダアムステルダム大学だいがく（Institute for Logic, Language and Computation）

　　　http://setis.library.usyd.edu.au/stanford/

イギリスリーズ大学だいがく（Subject Center for Philosophical & Religious Studies）

　　　http://www.seop.leeds.ac.uk/

どのサーバも内容ないようは本家ほんけと同おなじである。

脚注きゃくちゅう

[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]

^ ^a ^b “About the Stanford Encyclopedia of Philosophy”. plato.stanford.edu. 2021年ねん7月がつ13日にち閲覧えつらん。
^ ^a ^b History of grantより。
^ ^a ^b ^c Fundraising and Supportのページより。
^ ^a ^b Libraries/Consortia Registering Financial Support of the Stanford Encyclopedia of Philosophyのページより。558（部分ぶぶん的てきなサポートのみを行おこなう40図書館としょかんを含ふくむ）という数字すうじはこのページからカウントした（2007年ねん4月がつ4日にち）。
^ Giving to the Stanford Encyclopedia of Philosophyのページから寄付きふができる。
^ ^a ^b ^c historyのページより。
^ ^a ^b List of Authors のページに執筆しっぴつ者しゃ全員ぜんいんの名前なまえと執筆しっぴつに関かかわった全ぜん記事きじがリストされている。1143名めいという数字すうじは2007年ねん4月がつ2日にち時点じてんにおけるこのページの表示ひょうじを全ぜんカウントして得えられた数字すうじ。
^ ^a ^b Editorial Boardのページに全員ぜんいんの名前なまえと所属しょぞくがリストされている。数字すうじは2007年ねん3月がつ時点じてんでの表示ひょうじに従したがい、このページからカウントした。
^ 百科ひゃっか事典じてんに追加ついかされた最新さいしん記事きじはWhat's Newのページから見みることができる
^ Open Letter to Professional Scholars - Why Open Access is Important 何故なぜオープンアクセスが重要じゅうようか。研究けんきゅう者しゃに向むけたオープンレターより。
^ Open Letter to General Readers -Our Plan to Preserve Free and Open Access 無料むりょうのオープンアクセスを維持いじし続つづけるための私わたし達たちのプラン。一般人いっぱんじんに向むけたオープンレターより。
^ Open Letter to Librariansのページより。図書館としょかん司書ししょにむけた具体ぐたい的てきなメッセージが書かかれている。
^ 飯田いいだ 2020, II-9「分析ぶんせき哲学てつがくから見みたウィトゲンシュタイン」.
^ The SEP's Publishing Modelのページより。
^ The SEP's Publishing Modelの(7)より

参考さんこう文献ぶんけん

飯田いいだ隆たかし『分析ぶんせき哲学てつがくこれからとこれまで』勁草書房しょぼう、2020年ねん。ISBN 978-4-326-15466-1。

外部がいぶリンク

https://plato.stanford.edu/ - ホームページ
https://plato.stanford.edu/contents.html - 項目こうもくの一覧いちらんページ。
https://mally.stanford.edu/ - 管理かんり・運営うんえいを行おこなう形而上学けいじじょうがく研究けんきゅう室しつのホームページ。
https://mally.stanford.edu/zalta.html - 主席しゅせき編集へんしゅう長ちょうEdward N. Zaltaのページ。顔写真かおじゃしんなど。
（ビデオ）Stanford Offers Philosophy Expertise Online - 簡単かんたんな紹介しょうかい動画どうが。約やく2分ふん(YouTube)

[:0-1] “About the Stanford Encyclopedia of Philosophy”. plato.stanford.edu. 2021年ねん7月がつ13日にち閲覧えつらん。

[Grant-2] History of grantより。

[Fund-3] Fundraising and Supportのページより。

[Lib2-4] Libraries/Consortia Registering Financial Support of the Stanford Encyclopedia of Philosophyのページより。558（部分ぶぶん的てきなサポートのみを行おこなう40図書館としょかんを含ふくむ）という数字すうじはこのページからカウントした（2007年ねん4月がつ4日にち）。

[5] Giving to the Stanford Encyclopedia of Philosophyのページから寄付きふができる。

[history-6] storyのページより。

[author-7] List of Authors のページに執筆しっぴつ者しゃ全員ぜんいんの名前なまえと執筆しっぴつに関かかわった全ぜん記事きじがリストされている。1143名めいという数字すうじは2007年ねん4月がつ2日にち時点じてんにおけるこのページの表示ひょうじを全ぜんカウントして得えられた数字すうじ。

[editorial-8] Editorial Boardのページに全員ぜんいんの名前なまえと所属しょぞくがリストされている。数字すうじは2007年ねん3月がつ時点じてんでの表示ひょうじに従したがい、このページからカウントした。

[9] 百科ひゃっか事典じてんに追加ついかされた最新さいしん記事きじはWhat's Newのページから見みることができる

[10] Open Letter to Professional Scholars - Why Open Access is Important 何故なぜオープンアクセスが重要じゅうようか。研究けんきゅう者しゃに向むけたオープンレターより。

[11] Open Letter to General Readers -Our Plan to Preserve Free and Open Access 無料むりょうのオープンアクセスを維持いじし続つづけるための私わたし達たちのプラン。一般人いっぱんじんに向むけたオープンレターより。

[Lib-12] Open Letter to Librariansのページより。図書館としょかん司書ししょにむけた具体ぐたい的てきなメッセージが書かかれている。

[FOOTNOTE飯田2020II-9「分析哲学から見たウィトゲンシュタイン」-13] 飯田いいだ 2020, II-9「分析ぶんせき哲学てつがくから見みたウィトゲンシュタイン」.

[Pub-14] The SEP's Publishing Modelのページより。

[15] The SEP's Publishing Modelの(7)より

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