タワマン文学ぶんがく

Lippopが2020年ねん4月がつ29日にちに発表はっぴょうした「タワマンマウント」についてのアンケート結果けっか。タワーマンションは住すむ部屋へやの階層かいそうによって格差かくさがあり、人間にんげん関係かんけいにおいてしばしばマウンティングが発生はっせいするとされ、本ほん調査ちょうさでは全体ぜんたいの46%が「たまにある」と回答かいとうした。

タワマン文学ぶんがく（タワマンぶんがく）とは、日本にっぽんの小説しょうせつ分類ぶんるいの一ひとつ。Twitterの投稿とうこうを起源きげんとし、タワーマンション（タワマン）などを舞台ぶたいに、都市としで暮くらす人々ひとびとの格差かくさや嫉妬しっと心しんを描えがくジャンルである。また、タワーマンション住民じゅうみんの間あいだの中学ちゅうがく受験じゅけんブームも題材だいざいとなっている。Twitter上じょうから人気にんきが広ひろがり、2020年代ねんだいにおいては単行本たんこうぼんも出版しゅっぱんされている。

定義ていぎ

渡辺わたなべ祐ゆう真しんによると、「時ときに成功せいこう者しゃの証あかしとして持もちあげられ、時ときに資本しほん主義しゅぎの権化ごんげとして槍玉やりだまに挙あげられるタワーマンションを舞台ぶたいに、現代げんだい日本にっぽんの格差かくさや嫉妬しっと、生いきづらさを描えがく作品さくひん群ぐん」と定義ていぎされる。

起源きげん

高層こうそうビル内ないの格差かくさを題材だいざいとした早はやい例れいとして、J・G・バラードの小説しょうせつ『ハイ・ライズ』（1975年ねん）がある。日本にっぽんでは、桐野きりの夏生なつきの『ハピネス』（2013年ねん）などがタワーマンション内ないの人間にんげん関係かんけいを題材だいざいとしていたが、「タワマン文学ぶんがく」と呼称こしょうされるジャンル自体じたいは、窓際まどぎわ三さん等とう兵へい（外山とやま薫かおる）が2021年ねん頃ころからTwitterに投稿とうこうした創作そうさくツイート群ぐんが先駆さきがけとされている。

評価ひょうか

ジャーナリストの川口かわぐち穣みのるによると、Twitter上うえではタワマン文学ぶんがくで多用たようされる露悪ろあく的てき表現ひょうげんを「不快ふかい」だとする声こえもある。その一方いっぽうで、「幸しあわせについて考かんがえさせられた」と評価ひょうかする読者どくしゃもいるという。タワマン文学ぶんがく作家さっかの窓際まどぎわ三さん等とう兵へいは、自作じさくも含ふくめたタワマン文学ぶんがく作品さくひんについて「Twitterのバズりに特とく化かした量産りょうさん品ひんであり、書かいてる方ほうも文学ぶんがく性せいなんて求もとめてない」と評ひょうしている。

「タワマン文学ぶんがく」に分類ぶんるいされる作家さっか・作品さくひん

• 麻布あざぶ競馬けいば場じょう『この部屋へやから東京とうきょうタワーは永遠えいえんに見みえない』（2022年ねん9月がつ、集英社しゅうえいしゃ）
• 麻布あざぶ競馬けいば場じょう『令れい和わ元年がんねんの人生じんせいゲーム』
• 外山とやま薫かおる『息いきが詰つまるようなこの場所ばしょで』（2023年ねん1月がつ、KADOKAWA）
• 麻布あざぶ競馬けいば場じょう、新庄しんじょう耕こう、外山とやま薫かおるほか『本当ほんとうに欲ほしかったものは、もう　Twitter文学ぶんがくアンソロジー』（2023年ねん4月がつ、集英社しゅうえいしゃ）
• 佐川さがわ恭一きょういち『サークルクラッシャー麻紀まき』（2017年ねん12月、破滅はめつ派は）
• 桐野きりの夏生なつき『ハピネス』（2013年ねん2月がつ、光文社こうぶんしゃ・2016年ねん2月がつ、光文社こうぶんしゃ文庫ぶんこ）

関連かんれん項目こうもく

• 格差かくさ社会しゃかい
• タワマンカースト