この項目 こうもく では、ミゲル・デ・セルバンテスの小説 しょうせつ について説明 せつめい しています。
スペイン
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原文 げんぶん があります。
『ドン・キホーテ 』(スペイン語 ご : Don Quijote、Don Quixote [1] )は、スペイン の作家 さっか ミゲル・デ・セルバンテス の小説 しょうせつ 。 騎士 きし 道 どう 物語 ものがたり の読 よ み過 す ぎで現実 げんじつ と物語 ものがたり の区別 くべつ がつかなくなった郷士 ごうし (アロンソ・キハーノ)が、自 みずか らを遍歴 へんれき の騎士 きし と任 にん じ、「ドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャ」[2] と名乗 なの って冒険 ぼうけん の旅 たび に出 で かける物語 ものがたり である。1605年 ねん に出版 しゅっぱん された前編 ぜんぺん と、1615年 ねん に出版 しゅっぱん された後編 こうへん がある。
前編 ぜんぺん の原題 げんだい は、"El ingenioso hidalgo Don Quixote de la Mancha "[3] 。セルバンテスは前編 ぜんぺん の序文 じょぶん の中 なか で、牢獄 ろうごく の中 なか でこの小説 しょうせつ の最初 さいしょ の構想 こうそう を得 え たことをほのめかしている。彼 かれ は生涯 しょうがい において何 なん 度 ど も投獄 とうごく されているが、おそらくここで語 かた られているのは税金 ぜいきん 横領 おうりょう の容疑 ようぎ で入獄 にゅうごく した1597年 ねん のセビーリャ 監獄 かんごく のことであろう(ただし、「捕虜 ほりょ の話 はなし 」など話 はなし の本筋 ほんすじ ではない挿話 そうわ のいくつかは、それ以前 いぜん に書 か いたものである)[要 よう 出典 しゅってん ] 。セルバンテスは釈放 しゃくほう 後 ご 、バリャドリード で多 おお くの家族 かぞく を養 やしな いながら前編 ぜんぺん を書 か き上 あ げ、1605年 ねん にマドリード のファン・デ・ラ・クエスタ出版 しゅっぱん 所 しょ から出版 しゅっぱん した。前編 ぜんぺん はたちまち大 だい 評判 ひょうばん となり、出版 しゅっぱん した年 とし だけで海賊版 かいぞくばん を含 ふく め6版 はん を数 かぞ え、1612年 ねん には早 はや くも英訳 えいやく が、1614年 ねん には仏 ふつ 訳 やく が登場 とうじょう した。だが作品 さくひん の高 たか い評価 ひょうか にもかかわらず、版権 はんけん を売 う り渡 わた してしまっていたためセルバンテスの生活 せいかつ は依然 いぜん 困窮 こんきゅう していた。
後編 こうへん は、"Segunda parte del ingenioso caballero Don Quixote de la Mancha "[4] として1615年 ねん に同 おな じくファン・デ・ラ・クエスタ出版 しゅっぱん 所 しょ から出版 しゅっぱん された。前編 ぜんぺん と同様 どうよう に大 だい 評判 ひょうばん となったが、セルバンテスは相変 あいか わらず貧 まず しいまま、1616年 ねん に没 ぼっ した。
前編 ぜんぺん はセルバンテスの短 たん 編集 へんしゅう としての色合 いろあ いが濃 こ く、作中 さくちゅう 作 さく 「愚 おろ かな物好 ものず きの話 はなし 」(司祭 しさい たちが読 よ む小説 しょうせつ )、「捕虜 ほりょ の話 はなし 」、「ルシンダとカルデーニオの話 はなし 」など、ドン・キホーテとは直接 ちょくせつ のかかわり合 あ いのない話 はなし が多 おお く挿入 そうにゅう されている。また、前編 ぜんぺん の第 だい 一部 いちぶ (ドン・キホーテ単独 たんどく の一 いち 泊 はく 二 に 日 にち の遍歴 へんれき )も、ひとつの短編 たんぺん 小説 しょうせつ としての構成 こうせい をもっている。後編 こうへん ではこの点 てん を作者 さくしゃ 自身 じしん 反省 はんせい して、脱線 だっせん を無 な くしている。
贋作 がんさく 『ドン・キホーテ』[ 編集 へんしゅう ]
1614年 ねん 、アロンソ・フェルナンデス・デ・アベジャネーダ (スペイン語 ご 版 ばん ) と名乗 なの る人物 じんぶつ が『ドン・キホーテ』の続編 ぞくへん を発表 はっぴょう した(原題 げんだい :Segundo tomo del ingenioso hidalgo Don Quixote de la Mancha[5] )。だがこれはセルバンテスが書 か いたものでもなければ、許可 きょか を取 と ったものでもない。すでにベストセラーとなっていた『ドン・キホーテ』の名前 なまえ を利用 りよう しただけの贋作 がんさく である。セルバンテスが後編 こうへん 執筆 しっぴつ 中 ちゅう に出版 しゅっぱん されたため、『ドン・キホーテ』後編 こうへん のなかで、この贋作 がんさく が『ドン・キホーテ』前編 ぜんぺん とは無関係 むかんけい であることを何 なん 度 ど も主張 しゅちょう し、さらには贋作 がんさく のドン・キホーテに対抗 たいこう して行 い き先 さき をサラゴサ からバルセロナ に変更 へんこう している。
アベジャネーダの正体 しょうたい は、300年 ねん 以上 いじょう も謎 なぞ のままであったが、現在 げんざい では1988年 ねん マルティン・デ・リケールが提起 ていき したヘロニモ・デ・パサモンテ (スペイン語 ご 版 ばん ) 説 せつ が有力 ゆうりょく となっている。この人物 じんぶつ は、後述 こうじゅつ するヒネス・デ・パサモンテのモデルになった人物 じんぶつ であり、セルバンテスとともにレパントの海戦 かいせん を戦 たたか って捕虜 ほりょ になったアラゴン 人 ひと である。
『ドン・キホーテ』には多 おお くのメタフィクション が導入 どうにゅう されている。
司祭 しさい と床屋 とこや がドン・キホーテの蔵書 ぞうしょ を批評 ひひょう する場面 ばめん ではセルバンテス自身 じしん の作品 さくひん である『ラ・ガラテーア』も取 と り上 あ げられている。
後編 こうへん では「前編 ぜんぺん が出版 しゅっぱん されて世 よ に出回 でまわ っている」という設定 せってい となっており、登場 とうじょう 人物 じんぶつ たちが前編 ぜんぺん の批評 ひひょう を行 おこな い、矛盾 むじゅん している記述 きじゅつ の釈明 しゃくめい を行 おこな ったりする。また、前編 ぜんぺん でドン・キホーテを知 し った人々 ひとびと が、前編 ぜんぺん での記述 きじゅつ をもとにドン・キホーテ主従 しゅうじゅう に悪戯 いたずら をしかける。
また、上述 じょうじゅつ の贋作 がんさく についても度々 たびたび 言及 げんきゅう されており、「ドン・キホーテを騙 かた る人物 じんぶつ が存在 そんざい し、贋作 がんさく はこの2人 ふたり の道中 どうちゅう 記 き である」という設定 せってい になっている。
主 おも な登場 とうじょう 人物 じんぶつ [ 編集 へんしゅう ]
ドン・キホーテとサンチョ(ギュスターヴ・ドレ による挿絵 さしえ )
ドン・キホーテの像 ぞう (マドリッド、スペイン広場 ひろば にて)
ドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャ
本編 ほんぺん の主人公 しゅじんこう 。本名 ほんみょう をアロンソ・キハーノというラ・マンチャのとある村 むら に住 す む50歳 さい ほどの郷士 ごうし だが、騎士 きし 道 どう 物語 ものがたり の読 よ み過 す ぎで現実 げんじつ と物語 ものがたり の区別 くべつ がつかなくなってしまい、遍歴 へんれき の騎士 きし に成 な り切 き って、痩 やせ 馬 ば のロシナンテ と共 とも に世 よ の中 なか の不正 ふせい を正 ただ す旅 たび に出 で る。自分 じぶん をとりまく全 すべ てを騎士 きし 道 どう 物語 ものがたり 的 てき な設定 せってい におきかえて認識 にんしき し次々 つぎつぎ とトラブルを巻 ま き起 お こすが、それ以外 いがい の点 てん では至 いた って理性 りせい 的 てき で思慮 しりょ 深 ふか い人物 じんぶつ 。三 さん 度 ど の旅 たび の後 のち 、病 やまい に倒 たお れると共 とも に正気 しょうき を取 と り戻 もど すが、間 ま もなく死亡 しぼう する。
サンチョ・パンサ
「パンサ」は「太鼓腹 たいこばら 」の意 い 。ドン・キホーテの近所 きんじょ に住 す んでいる農夫 のうふ 。「将 はた 来島 らいとう を手 て に入 い れたあかつきには統治 とうち を任 まか せる」というドン・キホーテの約束 やくそく に魅 み かれ、彼 かれ の従 したがえ 士 し として旅 たび に同行 どうこう する。奇行 きこう を繰 く り返 かえ すドン・キホーテに何 なん 度 ど も現実 げんじつ 的 てき な忠告 ちゅうこく をするが、大抵 たいてい はき入 きい れられず、主人 しゅじん とともにひどい災難 さいなん に見舞 みま われる。無学 むがく ではあるが、様々 さまざま な諺 ことわざ をひいたり機智 きち に富 と んだい回 いまわ しをする。移動 いどう にはロバ を使用 しよう している。
ドゥルシネーア・デル・トボーソ (ドルシネア)
近 ちか くの村 むら のアルドンサ・ロレンソという百姓 ひゃくしょう 娘 むすめ を元 もと にドン・キホーテが作 つく り上 あ げた空想 くうそう 上 じょう の貴婦人 きふじん 。ドゥルシネーアの美 うつく しさ・気 き だてのよさ・その他 た の美点 びてん を世界中 せかいじゅう の人々 ひとびと に認 みと めさせるのがドン・キホーテの遍歴 へんれき の目的 もくてき のひとつである。
ペロ・ペレス
ドン・キホーテと同 おな じ村 むら の司祭 しさい 。
ニコラス親方 おやかた
ドン・キホーテと同 おな じ村 むら の床屋 とこや 。
ヒネス・デ・パサモンテ
泥棒 どろぼう の罪 つみ で囚人 しゅうじん となり、ガレー船 せん 送 おく りにするため連行 れんこう されていたところをドン・キホーテに助 たす けられるが、他 た の囚人 しゅうじん とともにドン・キホーテを袋叩 ふくろだた きにして去 さ る。後編 こうへん で、人形遣 にんぎょうつか いの旅芸人 たびげいにん ペドロ親方 おやかた として正体 しょうたい を隠 かく して登場 とうじょう する。
公爵 こうしゃく 夫妻 ふさい
後編 こうへん より登場 とうじょう 。本名 ほんみょう は不明 ふめい 。すでに出版 しゅっぱん されていた『ドン・キホーテ』前編 ぜんぺん のファンで、ドン・キホーテ主従 しゅうじゅう を厚 あつ く歓待 かんたい しつつ、様々 さまざま な方法 ほうほう で彼 かれ らに悪戯 いたずら を仕掛 しか ける。
サンソン・カラスコ
後編 こうへん より登場 とうじょう 。ドン・キホーテと同 おな じ村 むら の住人 じゅうにん で、サラマンカ大学 だいがく の予 よ 科学 かがく 士 し 。ドン・キホーテに村 むら で静養 せいよう する約束 やくそく を取 と り付 つ けるべく、自 みずか ら「鏡 かがみ の騎士 きし 」なる遍歴 へんれき の武芸者 ぶげいしゃ に扮 ふん して決闘 けっとう を挑 いど むも、あえなく返 かえ り討 う ちに遭 あ う。その後 ご 「銀月 ぎんげつ の騎士 きし 」として再度 さいど 挑 いど み、今度 こんど は勝利 しょうり をおさめたため、ドン・キホーテは村 むら に帰還 きかん することになる。
シデ・ハメーテ・ベネンヘーリ
モーロ人 じん (アラビア人 じん )の歴史 れきし 家 か であり、『ドン・キホーテ』の原作 げんさく 者 しゃ とされる。作中 さくちゅう に直接 ちょくせつ 登場 とうじょう することはない。『ドン・キホーテ』はシデ・ハメーテの記録 きろく をセルバンテスが編纂 へんさん したものであると作中 さくちゅう では説明 せつめい されているが、実際 じっさい にはシデ・ハメーテは架空 かくう の人物 じんぶつ であり、『ドン・キホーテ』は完全 かんぜん にセルバンテスの創作 そうさく である。
風車 かざぐるま に突進 とっしん するドン・キホーテ(ギュスターヴ・ドレによる挿絵 さしえ )
ラ・マンチャのとある村 むら に貧 まず しい暮 く らしの郷士 ごうし が住 す んでいた。この郷士 ごうし は騎士 きし 道 どう 小説 しょうせつ が大好 だいす きで、村 むら の司祭 しさい と床屋 とこや を相手 あいて に騎士 きし 道 どう 物語 ものがたり の話 はなし ばかりしていた。やがて彼 かれ の騎士 きし 道 どう 熱 ねつ は、本 ほん を買 か うために田畑 たはた を売 う り払 はら うほどになり、昼夜 ちゅうや を問 と わず騎士 きし 道 どう 小説 しょうせつ ばかり読 よ んだあげくに正気 しょうき を失 うしな ってしまった。狂気 きょうき にとらわれた彼 かれ は、みずからが遍歴 へんれき の騎士 きし となって世 よ の中 なか の不正 ふせい を正 ただ す旅 たび に出 で るべきだと考 かんが え、そのための準備 じゅんび を始 はじ めた。古 ふる い鎧 よろい を引 ひ っぱり出 だ して磨 みが き上 あ げ、所有 しょゆう していた痩 や せた老 ろう 馬 うま をロシナンテと名付 なづ け、自 みずか らもドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャと名乗 なの ることにした。最後 さいご に彼 かれ は、騎士 きし である以上 いじょう 思 おも い姫 ひめ が必要 ひつよう だと考 かんが え、エル・トボーソに住 す むアルドンサ・ロレンソという田舎 いなか 娘 むすめ を貴婦人 きふじん ドゥルシネーア・デル・トボーソとして思 おも い慕 した うことに決 き めた。
用意 ようい がととのうと、彼 かれ はひそかに出発 しゅっぱつ した。冒険 ぼうけん を期待 きたい する彼 かれ の思 おも いと裏腹 うらはら に、その日 ひ は何 なに も起 お こることなく宿屋 やどや に到着 とうちゃく した。宿屋 やどや を城 しろ と思 おも いこみ、亭主 ていしゅ を城主 じょうしゅ だと思 おも いこんでしまっていたドン・キホーテは、亭主 ていしゅ にみずからを正式 せいしき な騎士 きし として叙任 じょにん してほしいと願 ねが い出 で る。亭主 ていしゅ はドン・キホーテがいささか気 き の触 ふ れた男 おとこ であることを見抜 みぬ き、叙任 じょにん 式 しき を摸 も して彼 かれ をからかうが、事情 じじょう を知 し らない馬方 うまかた 二 に 人 にん が彼 かれ の槍 やり に叩 はた きのめされてしまい、あわてて偽 にせ の叙任 じょにん 式 しき を済 す ませた。
翌日 よくじつ ドン・キホーテは、遍歴 へんれき の旅 たび にも路銀 ろぎん や従 したがえ 士 し が必要 ひつよう だという宿屋 やどや の亭主 ていしゅ の忠告 ちゅうこく に従 したが い、みずからの村 むら に引 ひ き返 かえ すことにした。だが途中 とちゅう で出会 であ ったトレド の商人 しょうにん たちに、ドゥルシネーアの美 うつく しさを認 みと めないという理由 りゆう で襲 おそ いかかり、逆 ぎゃく に叩 はた きのめされてしまう。そこを村 むら で近所 きんじょ に住 す んでいた百姓 ひゃくしょう に発見 はっけん され、ドン・キホーテは倒 たお れたまま村 むら に帰 かえ ることになった。
打 う ちのめされたドン・キホーテの様子 ようす を見 み た彼 かれ の家政 かせい 婦 ふ と姪 めい は、この事態 じたい の原因 げんいん となった書物 しょもつ を残 のこ さず処分 しょぶん するべきだと主張 しゅちょう し、司祭 しさい と床屋 とこや の詮議 せんぎ の上 うえ でいくつか残 のこ されたものの、ほとんどの書物 しょもつ が焼却 しょうきゃく され、書斎 しょさい の壁 かべ は塗 ぬ りこめられることになった。やがてドン・キホーテが回復 かいふく すると、書斎 しょさい は魔法使 まほうつか いによって消 け し去 さ られたと告 つ げられ、ドン・キホーテもそれに納得 なっとく した。遍歴 へんれき の旅 たび をあきらめないドン・キホーテは近所 きんじょ に住 す む、教養 きょうよう の無 な い農夫 のうふ サンチョ・パンサを、手柄 てがら を立 た てて島 しま を手 て にいれ、その領主 りょうしゅ にしてやるという約束 やくそく のもと、従 したがえ 士 し として連 つ れていくことにした。ドン・キホーテは路銀 ろぎん をそろえ、甲冑 かっちゅう の手直 てなお しをして二 に 度目 どめ の旅 たび に出 で た。
やがてドン・キホーテとサンチョは3〜40基 き の風車 かざぐるま に出 で くわした。ドン・キホーテはそれを巨人 きょじん だと思 おも いこみ、全速力 ぜんそくりょく で突撃 とつげき し、衝突 しょうとつ 時 じ の衝撃 しょうげき で跳 は ね返 がえ されて野原 のはら を転 ころ がった。サンチョの現実 げんじつ 的 てき な指摘 してき に対 たい し、ドン・キホーテは自分 じぶん を妬 ねた む魔法使 まほうつか いが、巨人 きょじん 退治 たいじ の手柄 てがら を奪 うば うため巨人 きょじん を風車 かざぐるま に変 か えてしまったのだとい張 いは り、なおも旅 たび を続 つづ けるのだった…
遍歴 へんれき の旅 たび から戻 もど ったドン・キホーテはしばらくラ・マンチャで静養 せいよう していた。その間 あいだ 目立 めだ った奇行 きこう も見 み られなかったのだが、一 いち 月 がつ ほど後 のち に司祭 しさい と床屋 とこや が訪 おとず れると、やはり狂気 きょうき は治癒 ちゆ していないことが判明 はんめい した。そんな中 なか 、ドン・キホーテの家 いえ にサンソン・カラスコという学士 がくし が訪 おとず れる。カラスコが言 い うには、ドン・キホーテの伝記 でんき が出版 しゅっぱん され(すなわち『ドン・キホーテ 前編 ぜんぺん 』)、広 ひろ く世 よ の中 なか に出回 でまわ っているのだという。ドン・キホーテ主従 しゅうじゅう とカラスコは、伝記 でんき に書 か かれた冒険 ぼうけん について、また記述 きじゅつ の矛盾 むじゅん についてひとしきり語 かた り合 あ うのだった。
やがてドン・キホーテとサンチョは三 さん 度目 どめ の旅立 たびだ ちの用意 ようい をかため、出発 しゅっぱつ する。ドン・キホーテの姪 めい や家政 かせい 婦 ふ は引 ひ き止 と めようとするが、カラスコはむしろ彼 かれ の出発 しゅっぱつ を祝福 しゅくふく して送 おく り出 だ した。
旅立 たびだ ちを果 は たした主従 しゅうじゅう が最初 さいしょ に向 む かった先 さき は、エル・トボーソの村 むら であった。ドン・キホーテが三 さん 度目 どめ の出発 しゅっぱつ にドゥルシネーアの祝福 しゅくふく を受 う けたいと考 かんが えたためであった。彼 かれ はサンチョに、ドゥルシネーアを呼 よ んでくるように頼 たの むが、サンチョは困惑 こんわく する。ドゥルシネーアは架空 かくう の人物 じんぶつ であるし、モデルとなったアルドンサ・ロレンソのこともよくは知 し らなかったためである。
結局 けっきょく サンチョは、エル・トボーソの街 まち から出 で てきた三 さん 人 にん の田舎 いなか 女 おんな を、ドゥルシネーアと侍女 じじょ だとい張 いは ることにした。その結果 けっか 、ドン・キホーテは田舎 いなか 娘 むすめ をドゥルシネーアと見 み 間違 まちが えることはなかったが、自分 じぶん を憎 にく む魔法使 まほうつか いの手 て によってドゥルシネーアを田舎 いなか 女 おんな の姿 すがた に見 み せる魔法 まほう をかけられているものだと考 かんが え、彼女 かのじょ らの前 まえ にひざまずき、忠誠 ちゅうせい を誓 ちか ったがまったく相手 あいて にされなかった。ドン・キホーテは、心 しん の支 ささ えであったドゥルシネーアにかくも残酷 ざんこく な魔法 まほう がかけられたことを繰 く り返 かえ し嘆 なげ いた。
やがて主従 しゅうじゅう は、「鏡 かがみ の騎士 きし 」と名乗 なの る、恋 こい に悩 なや む遍歴 へんれき の騎士 きし と出会 であ う。ドン・キホーテは鏡 かがみ の騎士 きし と意気投合 いきとうごう し、騎士 きし 道 どう についてさかんに語 かた り合 あ うが、鏡 かがみ の騎士 きし が「かつてドン・キホーテを倒 たお した」と語 かた ったのを聞 き くと、自 みずか らがドン・キホーテであると名乗 なの り、彼 かれ の発言 はつげん を撤回 てっかい させるために決闘 けっとう を挑 いど む。勝負 しょうぶ はドン・キホーテが勝利 しょうり した。鏡 かがみ の騎士 きし の乗 の っていた馬 うま が駄馬 だうま であったためである。落馬 らくば した鏡 かがみ の騎士 きし の兜 かぶと を取 と ってみると、正体 しょうたい は学士 がくし のサンソン・カラスコであった。カラスコはドン・キホーテを決闘 けっとう で打 う ち負 ま かすことによって村 むら に留 と まらせることを目論 もくろ んでいた。騎士 きし らしい決闘 けっとう によればドン・キホーテに言 い うことを聞 き かせられるだろうと考 かんが えたからである。しかしドン・キホーテの勝利 しょうり により企 くわだ ては失敗 しっぱい に終 お わった。当 とう のドン・キホーテはと言 い うと、目 め の前 まえ のカラスコは魔法使 まほうつか いが化 ば けた偽者 にせもの ということにして片 かた づけてしまった。
やがて、ドン・キホーテ一 いち 行 ぎょう のところに国王 こくおう への献上 けんじょう 品 ひん のライオンをのせた馬車 ばしゃ が通 とお りがかり、これを冒険 ぼうけん とみたドン・キホーテは、ライオン使 づか いに対 たい して、ライオンと決闘 けっとう したいと願 ねが い出 で る。その場 ば にいたものすべてがドン・キホーテを止 と めようとするが、ドン・キホーテは聞 き く耳 みみ を持 も たず、さかんにライオン使 づか いを脅 おど すので、やむなくライオン使 づか いは檻 おり の鉄柵 てっさく を開 あ け放 はな つ。何 なん 度 ど もライオンを大声 おおごえ で挑発 ちょうはつ するドン・キホーテだが、ライオンはドン・キホーテを相手 あいて にせずに寝 ね ころんだままだったので、ドン・キホーテは不戦勝 ふせんしょう だとして納得 なっとく し、これから二 ふた つ名 めい を「ライオンの騎士 きし 」とあらためることにした。
やがて主従 しゅうじゅう は、立 た ち寄 よ った先 さき でカマーチョという富豪 ふごう の結婚式 けっこんしき に居合 いあ わせる。カマーチョは金 かね にものを言 い わせてキテリアという女性 じょせい と結婚 けっこん しようとしていたが、結婚式 けっこんしき の場 ば にキテリアの恋人 こいびと であるバシリオが現 あらわ れ、狂言 きょうげん 自殺 じさつ をしてキテリアとカマーチョの婚姻 こんいん を破棄 はき させる。その場 ば にいた大勢 おおぜい の客 きゃく がもめて大騒 おおさわ ぎになろうとしたところを、ドン・キホーテが仲裁 ちゅうさい に入 はい り、事 こと なきを得 え た。バシリオとキテリアはドン・キホーテに感謝 かんしゃ し、彼 かれ を住 す まいに招 まね いた。彼 かれ はそこに三 さん 日 にち 滞在 たいざい したが、その間 あいだ に二 に 人 にん に思慮 しりょ 深 ふか い二 に 三 さん の助言 じょげん を残 のこ した。
なおも旅 たび を続 つづ けた二人 ふたり は、鷹狩 たかが りの一団 いちだん の中 なか にいた公爵 こうしゃく 夫人 ふじん に出会 であ う。彼女 かのじょ はドン・キホーテとサンチョを見 み るやいなや、すぐに自分 じぶん の城 しろ に招待 しょうたい した。というのも、公爵 こうしゃく も夫人 ふじん も『ドン・キホーテ』前編 ぜんぺん をすでに読 よ んでおり、ひとつこの滑稽 こっけい な主従 しゅうじゅう をからかってやろうと思 おも ったからである。そんな企 たくら みには全 まった く気 き づかないドン・キホーテは、公爵 こうしゃく 夫妻 ふさい の城 しろ で遍歴 へんれき の騎士 きし にふさわしい壮大 そうだい な歓待 かんたい を受 う け感動 かんどう するが…。
『ドン・キホーテ』が出版 しゅっぱん された当初 とうしょ は滑稽本 こっけいぼん として高 たか い評価 ひょうか を受 う けており、ドン・キホーテのキャラクターも道化 どうけ としてのイメージで受 う けとられた。17世紀 せいき 初頭 しょとう には早 はや くも、スペイン本国 ほんごく や南米 なんべい で行 おこな われたいくつかの祭 まつ りで、ドン・キホーテに扮 ふん した人物 じんぶつ が人々 ひとびと の笑 わら いをとったという記録 きろく が残 のこ っている。
セルバンテスの伝記 でんき 研究 けんきゅう と共 とも に実証 じっしょう 的 てき な作品 さくひん 研究 けんきゅう が始 はじ まったのは、18世紀 せいき のイギリスからである。1738年 ねん にセルバンテスの伝記 でんき が初 はじ めて出版 しゅっぱん されたのを期 き に研究 けんきゅう の気運 きうん が高 たか まり、それに呼応 こおう する形 かたち でスペイン本国 ほんごく での実証 じっしょう 研究 けんきゅう が始 はじ まった。この時代 じだい の解釈 かいしゃく の特徴 とくちょう は、『ドン・キホーテ』から、騎士 きし 道 どう に代表 だいひょう される古 ふる き悪習 あくしゅう を諷刺 ふうし し、やがて打倒 だとう につながったという道徳 どうとく 観 かん や、批判 ひはん 精神 せいしん を読 よ み取 と っていることである。だが19世紀 せいき に入 はい ると、これとも全 まった く異 こと なる読 よ み方 かた が登場 とうじょう する。
19世紀 せいき の解釈 かいしゃく はロマン主義 しゅぎ によるもので、ドストエフスキー の解釈 かいしゃく が典型 てんけい 的 てき である。彼 かれ は『作家 さっか の日記 にっき 』の中 なか で『ドン・キホーテ』を「人間 にんげん の魂 たましい の最 もっと も深 ふか い、最 もっと も不思議 ふしぎ な一 いち 面 めん が、人 ひと の心 しん の洞察 どうさつ 者 しゃ である偉大 いだい な詩人 しじん によって、ここに見事 みごと にえぐり出 だ されている」、「人類 じんるい の天才 てんさい によって作 つく られたあらゆる書物 しょもつ の中 なか で、最 もっと も偉大 いだい で最 もっと ももの悲 がな しいこの書物 しょもつ 」(ちくま学芸 がくげい 文庫 ぶんこ 版 はん 、小沼 おぬま 文彦 ふみひこ 訳 わけ より引用 いんよう )と評 ひょう した。19世紀 せいき はこのような、ドン・キホーテの感情 かんじょう を尊重 そんちょう した悲劇 ひげき 的 てき な解釈 かいしゃく が主流 しゅりゅう になったが、現在 げんざい ではこの見方 みかた もP・E・ラッセル などによって批判 ひはん されている。
20世紀 せいき の文芸 ぶんげい 評論 ひょうろん 家 か ミハイル・バフチン は、ドン・キホーテをカーニバル文学 ぶんがく の大 だい 傑作 けっさく であるとして評価 ひょうか している。そしてこの文学 ぶんがく の系譜 けいふ を忠実 ちゅうじつ に受 う け継 つ いだのが、19世紀 せいき のドストエフスキーだと述 の べた。
2002年 ねん 5月 がつ 8日 にち にノーベル研究所 けんきゅうじょ と愛書 あいしょ 家 か 団体 だんたい が発表 はっぴょう した、世界 せかい 54か国 こく の著名 ちょめい な文学 ぶんがく 者 しゃ 100人 にん の投票 とうひょう による「史上 しじょう 最高 さいこう の文学 ぶんがく 百 ひゃく 選 せん 」で1位 い を獲得 かくとく した。
他 た メディアへの展開 てんかい [ 編集 へんしゅう ]
リヒャルト・シュトラウス がこの小説 しょうせつ を題材 だいざい に作曲 さっきょく した交響 こうきょう 詩 し が最 もっと も有名 ゆうめい である。ドン・キホーテ (交響 こうきょう 詩 し ) を参照 さんしょう 。
その他 た には次 つぎ の作曲 さっきょく 家 か が取 と り上 あ げている。
NHK 「みんなのうた 」で、この小説 しょうせつ を題材 だいざい にした「ドン・キホーテ」(初 はつ 放送 ほうそう :1981年 ねん 2月 がつ 、作詞 さくし :仲 なか 倉 くら 重郎 しげお 、作曲 さっきょく :吉岡 よしおか しげ美 み 、唄 うた :佐々木 ささき 功 いさお )という楽曲 がっきょく が存在 そんざい する。
映画 えいが 化 か 作品 さくひん としてはゲオルク・ヴィルヘルム・パプスト 監督 かんとく の『ドン・キホーテ (フランス語 ふらんすご 版 ばん ) 』(Don Quichotte 1933年 ねん フランス)が有名 ゆうめい 。主演 しゅえん はロシア出身 しゅっしん のバス 歌手 かしゅ フョードル・シャリアピン 。ジャック・イベール が劇 げき 中歌 なかうた を含 ふく む音楽 おんがく を作曲 さっきょく している。
演劇 えんげき 作品 さくひん としては、アメリカ の作家 さっか デイル・ワッサーマン が脚色 きゃくしょく した1965年 ねん 初演 しょえん のミュージカル、『ラ・マンチャの男 おとこ 』が有名 ゆうめい である。この作品 さくひん は、『ドン・キホーテ』をストレートにドラマ化 か するのではなく、作者 さくしゃ のセルバンテスが教会 きょうかい 侮辱 ぶじょく の罪 つみ で捕 と らえられた後 のち の牢獄 ろうごく が舞台 ぶたい となっている。この牢獄 ろうごく で、牢名主 ろうなぬし に『ドン・キホーテ』の原稿 げんこう を取 と り上 あ げられそうになったことから、セルバンテス自身 じしん がドン・キホーテを演 えん じて理解 りかい を求 もと める、という重層 じゅうそう 的 てき な構造 こうぞう とされている。1972年 ねん にはピーター・オトゥール 主演 しゅえん で映画 えいが 化 か された。
日本 にっぽん でも1969年 ねん よりミュージカルの舞台 ぶたい として上演 じょうえん され、六 ろく 代目 だいめ 市川 いちかわ 染五郎 そめごろう の当 あ たり役 やく [6] として評価 ひょうか が高 たか い。
オーソン・ウェルズ が映画 えいが 化 か を試 こころ みたが、完成 かんせい しなかった。ドン・キホーテ (未 み 完成 かんせい 映画 えいが ) を参照 さんしょう 。
テリー・ギリアム が『ドンキホーテを殺 ころ した男 おとこ 』(The Man Who Killed Don Quixote)と題 だい して、独自 どくじ の脚色 きゃくしょく を加 くわ えた映画 えいが 化 か を試 こころ みたが、撮影 さつえい 6日 にち 目 め にして中止 ちゅうし を余儀 よぎ なくされた。この経緯 けいい は『ロスト・イン・ラ・マンチャ 』と題 だい したドキュメンタリー映画 えいが として公開 こうかい された。その後 ご もギリアムは幾度 いくど にもわたってこの企画 きかく に挑戦 ちょうせん し、2019年 ねん についに完成 かんせい した作品 さくひん は日本 にっぽん では2020年 ねん に『テリー・ギリアムのドン・キホーテ 』の題 だい で公開 こうかい されている。
マヌエル・グティエレス・アラゴン 監督 かんとく 、カミロ・ホセ・セラ 脚色 きゃくしょく 、フェルナンド・レイ 主演 しゅえん で、本国 ほんごく スペインにてテレビドラマ化 か された。日本 にっぽん では『BS海外 かいがい 傑作 けっさく ドラマ特選 とくせん ドン・キホーテ』として、1992年 ねん 7月 がつ 28日 にち 、29日 にち 、30日 にち の三 さん 夜 や 連続 れんぞく で、NHK-BS2 で放送 ほうそう された。声 こえ の出演 しゅつえん は日下 くさか 武史 たけし 、山谷 やまたに 初男 はつお [7] [8] [9] [10] 。
バレエ『ドン・キホーテ』
振付 ふりつけ はマリウス・プティパ 、音楽 おんがく はレオン・ミンクス 。バレエの『ドン・キホーテ』は後 ご 篇 へん 第 だい 19章 しょう から第 だい 22章 しょう にかけての婚礼 こんれい の話 はなし が主 おも な題材 だいざい であり、物語 ものがたり の中心 ちゅうしん は若 わか い男女 だんじょ の恋 こい 物語 ものがたり となっている。ドン・キホーテ自身 じしん はどちらかと言 い えば狂言回 きょうげんまわ し の役回 やくまわ りであり、踊 おど る場面 ばめん もないが、第 だい 2幕 まく には彼 かれ が風車 かざぐるま に突撃 とつげき する前 まえ 篇 へん 第 だい 8章 しょう の有名 ゆうめい なエピソードも織 お り込 こ まれている。
本 ほん 作品 さくひん をコミカルに強調 きょうちょう してアレンジした作品 さくひん 。
和田 わだ 慎二 しんじ 作 さく 。花 はな とゆめコミックス『スケバン刑事 けいじ 』3巻 かん 、及 およ び『ふたりの明日香 あすか 』に収録 しゅうろく 。本 ほん 作品 さくひん を下敷 したじ きにしたSFコメディ。自身 じしん を騎士 きし ドン・キホーテ、主人公 しゅじんこう ミック・ラル・ホワイトを姫 ひめ だと思 おも い込 こ んだ月面 げつめん 総 そう 司令 しれい 官 かん は、平和 へいわ を乱 みだ す悪 あく 竜 りゅう (謎 なぞ の結晶 けっしょう 体 たい )を退治 たいじ するため、彼 かれ を敬愛 けいあい する遠藤 えんどう を従 したが えて反 はん 陽子 ようし 爆 ばく 弾 だん を抱 かか えた宇宙船 うちゅうせん で特攻 とっこう する。
みなもと太郎 たろう 作 さく 。1988年 ねん に潮出版社 うしおしゅっぱんしゃ 『コミックトム 』で連載 れんさい 。『みなもと太郎 たろう の世界 せかい 名作 めいさく 劇場 げきじょう ハムレット』(マガジン・ファイブ、2006年 ねん )に収録 しゅうろく [11] 。本 ほん 作品 さくひん を下敷 したじ きにしたSFコメディで、西暦 せいれき 2036年 ねん 、自家用 じかよう シャトルを購入 こうにゅう したSFアニメオタクの老人 ろうじん ・呑木放 ひ 手 て は、操縦 そうじゅう 士 し 兼 けん 下男 げなん として雇 やと った青年 せいねん ・参 まいり 猪 いのしし 范を連 つ れて念願 ねんがん の宇宙 うちゅう の旅 たび へ出 で る[12] 。
1994年 ねん 、三重 みえ 県 けん 志摩 しま 市 し にオープンした、スペインをテーマとしたテーマパーク 。『ドン・キホーテ』の登場 とうじょう 人物 じんぶつ をアニメ調 ちょう の擬人 ぎじん 化 か 動物 どうぶつ に置 お き換 か えたものをイメージキャラクターとして用 もち いている。園内 えんない 施設 しせつ 「カンブロン劇場 げきじょう 」では、これを用 もち いたオリジナルのアニメーション作品 さくひん も上映 じょうえい している。
ギュスターヴ・ドレの挿絵 さしえ を主体 しゅたい としたもの [ 編集 へんしゅう ]
贋作 がんさく ドン・キホーテ
アベリャネーダ『贋作 がんさく ドン・キホーテ』 岩根 いわね 圀和訳 やく [17] 、ちくま文庫 ぶんこ (上 うえ ・下 した )、1999年 ねん
^ Don Quijote は現代 げんだい スペイン語 ご の綴 つづ り、Don Quixote は刊行 かんこう 当時 とうじ のつづりで、19世紀 せいき 初頭 しょとう の正書法 せいしょほう 改革 かいかく によって/x/をあらわす文字 もじ はそれまでの<x>から<j>に替 か えられた。
^ 「ドン」は郷士 ごうし より上位 じょうい の貴族 きぞく の名 な に付 つ く。「デ・ラ・マンチャ」は「ラ・マンチャ地方 ちほう の」の意 い で、出身 しゅっしん 地 ち を表 あらわ す。つまり「ラ・マンチャの騎士 きし ・キホーテ卿 きょう 」と言 い った意味合 いみあ い。
^ 永田 ながた 訳 やく では『奇想 きそう 驚 おどろ くべき郷士 ごうし ドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャ正編 せいへん 』、会田 あいだ 訳 やく では『才智 さいち あふるる郷士 ごうし ドン・キホーテ・デ・ラマンチャ前 まえ 篇 へん 』、牛島 うしじま 訳 やく では『機知 きち に富 と んだ郷士 ごうし ドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャ』、荻 おぎ 内訳 うちわけ では『奇想天外 きそうてんがい の郷士 ごうし ドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャ』、岩根 いわね 訳 やく では『才智 さいち あふれる郷士 ごうし ドン・キホーテ・デ・ラマンチャ前 まえ 篇 へん 』の訳 わけ があてられている。
^ 永田 ながた ・高橋 たかはし 訳 やく では『奇想 きそう 驚 おどろ くべき騎士 きし ドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャ続編 ぞくへん 』、会田 あいだ 訳 やく では『才智 さいち あふるる郷士 ごうし ドン・キホーテ・デ・ラマンチャ後 ご 篇 へん 』、牛島 うしじま 訳 やく では、『機知 きち に富 と んだ騎士 きし ドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャ後 ご 篇 へん 』、荻 おぎ 内訳 うちわけ では『奇想天外 きそうてんがい の騎士 きし ドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャ第 だい 二 に 部 ぶ 』、岩根 いわね 訳 やく では『才智 さいち あふれる騎士 きし ドン・キホーテ・デ・ラマンチャ後 ご 篇 へん 』。
^ 太字 ふとじ はセルバンテスによる後編 こうへん との題名 だいめい の違 ちが い。贋作 がんさく では前編 ぜんぺん と同 おな じく郷士 ごうし (hidalgo)であるが、セルバンテスによる後編 こうへん では騎士 きし (caballero)となっている。これは前編 ぜんぺん の作中 さくちゅう でドン・キホーテが騎士 きし に叙任 じょにん されているためだが、セルバンテスが後編 こうへん 執筆 しっぴつ 中 ちゅう に『贋作 がんさく ドン・キホーテ』が出版 しゅっぱん されたことも関係 かんけい している可能 かのう 性 せい がある。続編 ぞくへん を表 あらわ す語 かたり (Segunda parte と Segundo tomo)も異 こと なる。
^ 日本 にっぽん での1969年 ねん 初演 しょえん 時 じ の歌舞伎 かぶき 役者 やくしゃ としての名跡 みょうせき 。のち九 きゅう 代目 だいめ 松本 まつもと 幸四郎 こうしろう →二 に 代目 だいめ 松本 まつもと 白鸚 はくおう に改名 かいめい 。
^ [1]
^ ドン・キホーテ(1)<3回 かい シリーズ> | NHKクロニクル | NHKアーカイブス
^ ドン・キホーテ(2) | NHKクロニクル | NHKアーカイブス
^ ドン・キホーテ(3)<終 おわり > | NHKクロニクル | NHKアーカイブス
^ “【マンガ探偵 たんてい 局 きょく がゆく】パロディの巨匠 きょしょう が名作 めいさく をギャグ化 か 「みなもと太郎 たろう の世界 せかい 名作 めいさく 劇場 げきじょう ハムレット」” . ZAKZAK (夕刊 ゆうかん フジ ). (2018年 ねん 2月 がつ 25日 にち ). https://www.zakzak.co.jp/article/20180525-RNFIDJKJEROJXDESNEFHCPMN5I/ 2022年 ねん 8月 がつ 26日 にち 閲覧 えつらん 。
^ “みなもと太郎 たろう の世界 せかい 名作 めいさく 劇場 げきじょう ハムレット(漫画 まんが ) ”. マンガペディア . 2022年 ねん 8月 がつ 26日 にち 閲覧 えつらん 。
^ 再編 さいへん ・抄訳 しょうやく 版 ばん 『ドン・キホーテ』(セルバンテス、会田 あいだ 由 ゆかり ・大林 おおばやし 文彦 ふみひこ 共編 きょうへん 訳 やく 、白水 しろみず 社 しゃ 、1967年 ねん 、新版 しんぱん 1998年 ねん )がある。
^ 訳者 やくしゃ による『ドン・キホーテの旅 たび 神 かみ に抗 あらが う遍歴 へんれき の騎士 きし 』(中公新書 ちゅうこうしんしょ 、2002年 ねん )がある。
^ 訳者 やくしゃ による『ドン・キホーテの食卓 しょくたく 』(新潮 しんちょう 選書 せんしょ 、1987年 ねん )がある。
^ 訳者 やくしゃ による『ドン・キホーテのスペイン社会 しゃかい 史 し 』(彩 いろどり 流 りゅう 社 しゃ 、2020年 ねん )がある。
^ 訳者 やくしゃ による『贋作 がんさく ドン・キホーテ ラ・マンチャの男 おとこ の偽者 にせもの 騒動 そうどう 』(中公新書 ちゅうこうしんしょ 、1997年 ねん )がある。
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