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ノルウェー料理りょうり

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
ルートフィスク(干鱈ひだら灰汁あく)を中心ちゅうしんに、ジャガイモやエンドウマメのマッシュをえたノルウェーの伝統でんとうてきいちさら

本稿ほんこうではノルウェーしょく文化ぶんかについて解説かいせつする。

国土こくどおおくが農耕のうこうてきさないノルウェーの料理りょうりは、山地さんち海岸かいがんでとれるジビエ魚介ぎょかいるい重点じゅうてんいており、畜産ちくさんぶつ中心ちゅうしん隣国りんごくデンマークとはこう対照たいしょうである。

現代げんだいのノルウェーの食卓しょくたく伝統でんとうてき質素しっそ料理りょうりほう主流しゅりゅうだが、しょ外国がいこく影響えいきょうはじめている。

食材しょくざい

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魚介ぎょかいるい

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ロフォーテン諸島しょとうでのさかな天日てんじつ風景ふうけい

ノルウェーのしょく文化ぶんかもっとおおきなはしら海産物かいさんぶつである。とく魚類ぎょるいふるくからさまざまな種類しゅるい食卓しょくたくのぼり、タイセイヨウダラサケタイセイヨウニシンイワシサバなどがよくべられている。沿岸えんがん地方ちほう中心ちゅうしんあたま卵巣らんそう肝臓かんぞうなどをのぞかず、てん日干ひぼしもしくは燻製くんせいにして保存ほぞんされる。現代げんだいになって人気にんきてきた甲殻こうかくるいのうち、カニ漁師りょうしやカニりょう愛好あいこうによってつぼがた仕掛しかけで捕獲ほかくされ、エビちいさなトロとろル船るせん捕獲ほかくしたものを調理ちょうりして波止場はとばっている。

ノルウェーの輸出ゆしゅつひんとしてさいたるものはタイセイヨウダラを加工かこうした干鱈ひだらである。干鱈ひだらなに世紀せいきものあいだ世界せかいしょくになってきた。 とくイベリア半島はんとうアフリカ海岸かいがんにおいてかせない食糧しょくりょうだった。だい航海こうかい時代じだいから産業さんぎょう革命かくめい時代じだいにかけて、干鱈ひだら大西洋たいせいよう貿易ぼうえきささえる重要じゅうよう食糧しょくりょうだった。日本にっぽん棒鱈ぼうだら同様どうようてん日干ひぼしにした干鱈ひだら非常ひじょうかたく、づちでよくはたき、なんあいだもかけて灰汁あくもどルートフィスク(lutefisk)という料理りょうりにしてべる。

また、おなじくノルウェー名産めいさんスモークサーモンは、ノルウェーの主要しゅよう輸出ゆしゅつひんとして世界中せかいじゅう食卓しょくたく提供ていきょうされている。スモークサーモンはふるくからさまざまな種類しゅるい存在そんざいし、たまごえる、ディルらす、サンドイッチにする、マスタードソースをけるなどしてべられている。

スモークサーモンにたものに、グラブラックス(gravlaks:地面じめんめたさけ)というせいさけしお砂糖さとう・ディル(こうそう)にけたものがあり、ひびきのいい商品しょうひんめい改名かいめいして輸出ゆしゅつもされている。地面じめんめるといういているのは、もともと塩鮭しおざけ地面じめんめて発酵はっこうさせる発酵はっこう食品しょくひんであった名残なごりである。ほか、現代げんだいのこ発酵はっこう食品しょくひんとしては、マスの発酵はっこう食品しょくひんラークフィスク英語えいごばん(rakfisk)がある。

コクテラックスはサーモンのをバタフライカット(たてり)にして塩茹しおゆでしたボイルサーモンの一種いっしゅで、酢漬すづけにしたキュウリのソースでべるノルウェー料理りょうりである[1]

20世紀せいきまで、さかな以外いがい魚介ぎょかいるいりょう手間てまがかかることと保存ほぞんかないことから、種類しゅるいわずほとんど食用しょくようにされなかったが、現代げんだいではエビやカニ、ル貝るがいなどがなつ味覚みかくとしてこのまれるようになっている。ル貝るがいニンニクパセリともしろワインして、パンと一緒いっしょべる。貝殻かいがらのこるつゆは、なまクリームにぜてスープにする。ロブスター人気にんきはあるが、乱獲らんかく防止ぼうし漁獲ぎょかくりょう制限せいげんがあるため、高価こうかで、めったに食卓しょくたくのぼらない。なつ行事ぎょうじとしてクラッベラグ(krabbelag)というカニをきょうする野外やがいパーティーがひらかれる。調理ちょうりみのカニを購入こうにゅうするか、大鍋おおなべきているカニを料理りょうりして、田舎いなかふうにパンのうえマヨネーズとカニ、銀杏いちょうにしたレモンせてべる。

肉類にくるい

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トナカイのステーキ

高級こうきゅう料理りょうりヘラジカトナカイかもなどのジビエ中心ちゅうしんである。みずかりに出向でむいて獲物えものったりひとおくることもあるが、贈答ぞうとうようとしてひろ販売はんばいもされている。野生やせい動物どうぶつ独特どくとくくさみをすため、もりまつ風味ふうみづけした濃厚のうこうなソースをかけ、コケモモのジャムをえてべられる。

ひつじにく中心ちゅうしんとした加工かこうにくは、地域ちいきごとに多様たよう種類しゅるいがあり、サワークリームりの料理りょうりにしたり、ひらたいパン、小麦粉こむぎこジャガイモつつんでまるめた料理りょうりにされる。とく人気にんきたかいのはフェナロー(fenalår)というひつじももにく塩漬しおづけにしたなまハム一種いっしゅ燻製くんせいにしたソーセージなど。フォーリコール(fårikål)というキャベツひつじにくのシチューがよくべられる。

西にしノルウェーの郷土きょうど料理りょうりにはピンネヒョット(pinnekjøtt)というひつじももにくなんあいだもかけてしあげるクリスマス料理りょうりスマルヴ英語えいごばんというひつじあたま燻製くんせいがある。

産業さんぎょう捕鯨ほげい影響えいきょうで、20世紀せいきはじごろくじらにく牛肉ぎゅうにくやす代用だいようぶつとしてひろ流通りゅうつうした。ノルウェーは主要しゅよう捕鯨ほげいこくひとつとして、捕鯨ほげい継続けいぞく主張しゅちょうしている(ノルウェーの捕鯨ほげい参照さんしょう)。

野菜やさい果物くだもの

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のスカンジナビア諸国しょこく同様どうよう伝統でんとうてき野菜やさいカブキャベツで、シチューなどによく使つかわれる。ジャガイモアメリカ大陸あめりかたいりくからつたわったものだが、ノルウェーじんにとってかせない食材しょくざいとなった。夕食ゆうしょくわせとして料理りょうりえるほか、塩漬しおづにくなどをつつんだジャガイモの団子だんごなどがこのまれている。

果実かじつるいとしては、リンゴサクランボなどにくわえて、イチゴブルーベリーコケモモラズベリーといったベリーるい海外かいがいにも名高なだかい。野生やせいホロムイイチゴとく人気にんきがあり、泡立あわだてたなまクリームにぜてデザートになる。ドイツ菓子かしとよくきた欧風おうふうスポンジケーキデニッシュくわえ、自家製じかせいケーキ、ワッフルビスケット果物くだもの砂糖さとうけがよく使つかわれる。風味ふうみづけにはカルダモンがよく使つかわれる。

穀物こくもつ

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クルームカーケ。げたクレープを木型きがたしんいて、円錐えんすいじょう仕上しあげる。

80%のノルウェーじん朝食ちょうしょく昼食ちゅうしょくにいつもパンをべるというほど、ノルウェーの食事しょくじにパンはかせない。ノルウェーでもっと一般いっぱんてきなパンは、バターをたっぷり使つかったデニッシュとはせい反対はんたいの、乾燥かんそうしたかたうす全粒粉ぜんりゅうこフラットブレッドばれるパンである。ノルウェーでは朝食ちょうしょく昼食ちゅうしょく夕食ゆうしょく夜食やしょくのうち、夕食ゆうしょく準備じゅんびでしか台所だいどころれないという習慣しゅうかんがあり、夕食ゆうしょく以外いがいはパンにチーズサラミせたスモーブローますことがおおい。

菓子かしるいとしてはクリームクレープ菓子かしのクルームカーケ(krumkake)、スポンジケーキにジャムをってなまクリームでかざったブルートカーケ(bløtkake)、がたマカロンとうのようにげたクランセカーケ(kransekake)などが有名ゆうめい

乳製品にゅうせいひん

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物々交換ぶつぶつこうかん時代じだい、ノルウェーじんにとってバター高額こうがく貨幣かへいのようにあつかわれた。結婚式けっこんしきには、わか夫婦ふうふ前途ぜんといわって木型きがたよん角錐かくすいにかたどったおおきなバターのかたまりがテーブルにかざられた。

いちにちのほとんどをパンにチーズった軽食けいしょくませるノルウェーでは、チーズは必需ひつじゅひんである。海外かいがいでよくられているヤールスバーグ (Jarlsberg) という牛乳ぎゅうにゅうでできたうすあじのチーズ、非常ひじょうあまイェトスト (Gjetost) という山羊やぎちちのチーズ正確せいかくにはチーズではなく山羊やぎちち加熱かねつして乳糖にゅうとうキャラメルしたもの)、しこり乳剤にゅうざい使つかわずに牛乳ぎゅうにゅう沸騰ふっとうさせてつくガンメルオスト (gammelost) というなが熟成じゅくせいさせた刺激しげきのあるサワーミルクのカビチーズなどがある。

もの

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ユーレォル(クリスマスビール)。これはダールス醸造じょうぞうしょのもの。

統計とうけいサイトのネーションマスターによると、平均へいきんてきノルウェーじんは1ねんあたり160リットル、まめ重量じゅうりょうにして10.7kgのコーヒーんでおり、ノルウェーは主立おもだったコーヒー消費しょうひこくひとつである。食事しょくじえたのちきゃく手作てづくりのデザートとコーヒーをあじわいながら歓談かんだんするのは、ノルウェーの日常にちじょう風景ふうけいである。コーヒーはたいていぶつなしのブラックで、マグカップにれてきょうされる。

19世紀せいきころまでノルウェーじんにとって、ブランネ(blande)というみずちちきよしぜたものか、ビールおも飲料いんりょうだった。大量たいりょう生産せいさんによるものとはべつに、マイクロブルワリーヴァイキング時代じだい以来いらいなが伝統でんとうっている。ピルスナースタイルかあか大麦おおむぎ原料げんりょうにしたレッドビールが主流しゅりゅうだが、伝統でんとうてきなノルウェービールは麦芽ばくが100%でアルコール度数どすうたかい。MACしゃのユーレォル(Juleøl)というクリスマスビール伝統でんとうてきなノルウェービールの製法せいほうつくられている。

ブドウ栽培さいばい北国きたぐにのノルウェーではむずかしく、ワイン輸入ゆにゅうがほとんどである。その地酒じざけとしては、ジャガイモを使つかったキャラウェイ風味ふうみ蒸留酒じょうりゅうしゅアクアビット(Akevitt)や、北欧ほくおう神話しんわ知恵ちえあたえるれいしゅとして登場とうじょうするみずうすめた蜂蜜はちみつからつく蜂蜜はちみつしゅ(mjød)がある。

酒類しゅるいは4.75%未満みまんのものは一般いっぱんスーパーマーケットなどで販売はんばいされるが、それ以上いじょうのものは国営こくえい専売せんばい公社こうしゃヴィンモノポレット英語えいごばんおよび飲食いんしょくてんでのみ販売はんばい許可きょかされている。

料理りょうり

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スモーブロー(ノルウェーふうオープンサンドウィッチ)
  • フォーリコール(fårikål):ひつじにくとキャベツのシチュー。
  • リッベ(ribbe):ぶたばらにくかわつきのままローストしたもの。祝宴しゅくえん料理りょうり
  • フォーレルル(fårerull):ひつじにく使つかった祝宴しゅくえん料理りょうり
  • ピンネ・ヒョット(pinnekjøtt):塩漬しおづけのひつじももにくしあげたもの。西にしノルウェー発祥はっしょう祝宴しゅくえん料理りょうり
  • スィルテ(sylte):ドイツ起源きげんぶたあたまのパテ。
  • ルートフィスク(lutfisk):干鱈ひだらみずけ、灰汁あくもどしたもの。ふかすか弱火よわびでてべる。クリスマス料理りょうりひとつ。
  • フィスクスッペ(fiskesuppe):さかなのスープ。
  • フィスクカーケ(fiskekake):さかなもの
  • スーシル(sursild):ニシンをタマネギとも砂糖さとうでマリネしたもの。
  • ロンメグロート(rømmegrøt):祝宴しゅくえん料理りょうり。サワークリームと小麦粉こむぎこ牛乳ぎゅうにゅう煮込にこんでシナモンシュガーとかしバターをくわえてべるもの。
  • パンネカーケ(pannekake):クレープふうパンケーキ
  • ブルートカーケ(bløtkake):ジャムをったスポンジケーキ。
  • クランセカーケ(kransekake):アーモンドとメレンゲをぜたリングじょうしょう菓子かし円錐えんすいがたげたもの。
  • リスクレーム(riskrem):ライスプディング。クリスマスのデザート。
  • カラメルプディング(karamelpudding):カスタードプディング

イベント

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ユーレボール英語えいごばん - ノルウェーのクリスマスパーティー

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ 美味おいしいヨーロッパ アウトバウンド促進そくしん協議きょうぎかい、2021ねん12がつ10日とおか閲覧えつらん

外部がいぶリンク

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