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ノンステップバス

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
ノンステップバスのれい三菱みつびしふそうエアロスタージェイアールバス関東かんとう
ノンステップバスの車内しゃない標準ひょうじゅん仕様しよう認定にんてい車両しゃりょう
前後ぜんご車軸しゃじくあいだ車椅子くるまいす乗車じょうしゃスペースをねたたた座席ざせき設置せっちされる
ノンステップバスのなかとびら付近ふきんくるまいすスロープを使用しようした状態じょうたい

ノンステップバス和製わせい英語えいご: Non step Bus)とは、出入口でいりぐち段差だんさくして乗降じょうこうせいたかめたていゆかバス(low-floor bus)の日本にっぽんにおける呼称こしょうである[ちゅう 1]国土こくど交通省こうつうしょう認定にんていする標準ひょうじゅん仕様しようもとづいて設計せっけいされているバスをいう[1]。バス事業じぎょうしゃ行政ぎょうせい機関きかんによってはちょうていゆかバスちょうていゆかノンステップバスともしょうされる。

車体しゃたい構造こうぞう

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乗降じょうこうこう

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国土こくど交通省こうつうしょうのノンステップバス標準ひょうじゅん仕様しようでは乗降じょうこうのステップたかさは270㎜以下いかとされている[1]

日本にっぽん国内こくない市販しはんされているノンステップバスは、エアサスペンション採用さいようすることにより、乗降じょうこうくるまだかげて歩道ほどうとの段差だんさすくなくする「ニーリング機能きのう」が装備そうびされている。

くるまいすスロープのおも形状けいじょう

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国内こくない流通りゅうつうしている大型おおがた中型ちゅうがたノンステップバスのうち、国産こくさんしゃにおいては2010年代ねんだいなかばまで製造せいぞうされた車両しゃりょうではおもに、ちゅうとびら床下ゆかしたスペースかられする引出しきスロープはず可能かのう着脱ちゃくだつしきスロープなど様々さまざま仕様しよう混在こんざいし、大型おおがたノンステップバスの量産りょうさん初期しょきモデルでは運転うんてんしゅ操作そうさによってちゅうとびら床下ゆかしたからスロープを自動じどうれする電動でんどうしきスロープ存在そんざいした[2]。2010年代ねんだいなか以降いこう登場とうじょうした車両しゃりょうからはかくメーカーともにちゅうとびらゆか反転はんてんさせて使用しようする反転はんてんしきスロープ標準ひょうじゅん搭載とうさいされる仕様しよう統一とういつされた[3][4]ただしオプションで着脱ちゃくだつしきスロープも設定せってい

小型こがたノンステップバスでは着脱ちゃくだつしきスロープが主流しゅりゅうとなっており[5]大型おおがたノンステップれんぶしバスでは日本にっぽん国内こくないはじめて輸入ゆにゅうされたネオプラン・セントロライナー着脱ちゃくだつしきスロープ)をのぞいて反転はんてんしきスロープが採用さいようされている。

国土こくど交通省こうつうしょう認定にんていノンステップバス標準ひょうじゅん仕様しよう

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2006ねんしき標準ひょうじゅん仕様しようノンステップバス
いすゞ・エルガ(くしろバス

運輸省うんゆしょうげん国土こくど交通省こうつうしょう)は当初とうしょ、ノンステップバスの普及ふきゅう遅々ちちとしてすすんでいない状況じょうきょうまえ、かくメーカーで仕様しよう統一とういつして、より使つかいやすいシティバスの次世代じせだい標準ひょうじゅんがた模索もさくすることになり、「標準ひょうじゅん仕様しようノンステップバス」の認証にんしょう制度せいど2004ねん1がつ19にちから開始かいしされた。

2000ねん大型おおがた4しゃさきの「ひとにやさしいバス技術ぎじゅつ検討けんとう委員いいんかい」でしめされた中長期ちゅうちょうきモデルバスにはんり、3とびらまえ - こうとびらあいだフルフラットのノンステップバスを試作しさくした。ベースとなったのは日野ひの・ブルーリボンシティ (KL-HU2PMEE)、すなわち後部こうぶよこきエンジンでトランスミッションはオートマチックという条件じょうけんまった。

しかし、実際じっさい国土こくど交通省こうつうしょう認定にんていノンステップバス標準ひょうじゅん仕様しよう条件じょうけんは、ぜんちゅうとびらあいだのみがちょうていゆかのノンステップバスである。

2004ねん1がつ以降いこう導入どうにゅうされたノンステップバスには、車体しゃたい正面しょうめん側面そくめん後部こうぶリアがわ認定にんてい 標準ひょうじゅん仕様しようノンステップバス 国土こくど交通省こうつうしょう表記ひょうきされたバスのかたちをしたせいりょくかピンクのステッカーを貼付ちょうふしている。さらに、2005年度ねんど基準きじゅんたしていれば緑色みどりいろステッカーのタイヤ部分ぶぶん「05」が、2015年度ねんど認定にんてい要領ようりょう改正かいせいともな基準きじゅんたしていればピンク色ぴんくいろステッカーのタイヤ部分ぶぶん「15」く。

  • 青色あおいろステッカー:2004 - 2006年度ねんど認定にんてい車両しゃりょう
  • 緑色みどりいろステッカー:2005 - 2015年度ねんど認定にんてい車両しゃりょう
  • ピンク色ぴんくいろステッカー:2015年度ねんど以降いこう認定にんてい車両しゃりょう
2023ねんしき標準ひょうじゅん仕様しようノンステップバス
BYD・K8 1.0(近鉄きんてつバス

2021ねんには日本にっぽん市場いちば販売はんばいする海外かいがいメーカーとしてははじめて、BYD大型おおがた電動でんどうバスK8」で認定にんてい取得しゅとくし、その同社どうしゃ小型こがた電動でんどうバス「J6」も認定にんてい取得しゅとくしている[6]2022ねんには日本にっぽんのベンチャー企業きぎょうEVモーターズ・ジャパン」が開発かいはつし、中国ちゅうごくの「驰腾(Wisdom Motor)」が製造せいぞうする大型おおがた電動でんどうバスが認定にんてい取得しゅとくしたほか[7]、その日本にっぽんの「アルファバスジャパン」が販売はんばいし、中国ちゅうごくの「江蘇こうそつねたかし客車きゃくしゃ有限ゆうげん公司こうし(ALFA BUS)」が製造せいぞうする大型おおがた電動でんどうバスが認定にんてい取得しゅとくするなど、国内こくない大手おおてメーカー以外いがいでも認定にんていされるうごきがひろがっている。

本格ほんかくてき実現じつげんまで

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日本にっぽんはつのノンステップバスは、近畿日本鉄道きんきにほんてつどうげん近鉄きんてつバス)が日本にっぽんはつ2かいてバス「ビスタコーチ」をベースに1963ねん昭和しょうわ38ねん)に導入どうにゅうした車両しゃりょうである。これは、「ビスタコーチ」の2かい部分ぶぶんはらい、ホイールベースまえ車軸しゃじくこう車軸しゃじくあいだ)をていゆか・ノンステップの客室きゃくしつとしたものであった。シャシ日野自動車工業ひのじどうしゃこうぎょうげん日野自動車ひのじどうしゃ)が、ボディは近畿車輛きんきしゃりょうがそれぞれ製造せいぞうしたが、構造こうぞうじょうワンマン運転うんてん対応たいおうできないなどの問題もんだいがあり、これ以降いこう導入どうにゅうはなかった。

それから20ねん以上いじょう1985ねん昭和しょうわ60ねん)、三菱自動車工業みつびしじどうしゃこうぎょうげん三菱みつびしふそうトラック・バス)がワンマン運転うんてん対応たいおうしたはつ本格ほんかくてきなノンステップバスを試作しさくした。同年どうねんにモデルチェンジした大型おおがた路線ろせんバスエアロスターシリーズをベースにして、ぜんちゅうドアあいだゆかを350mmまでげ、ノンステップ実現じつげんした。トランスミッションエンジン通常つうじょうのバスとどうじ、たてレイアウトである。

高価こうかであったため、導入どうにゅうれい名古屋鉄道なごやてつどうげん名鉄めいてつバス)、岐阜乗合自動車ぎふのりあいじどうしゃ京浜急行電鉄けいひんきゅうこうでんてつげん京浜急行けいひんきゅうこうバス羽田はた京急けいきゅうバスなど)の3しゃのみで、1987ねん昭和しょうわ62ねんごろまで製造せいぞうされた。

その1994ねん平成へいせい6ねん)に名鉄めいてつけとして、上記じょうきのノンステップバスの生産せいさん初期しょきしゃ使用しようされていた名古屋なごや空港くうこうげん名古屋なごや飛行場ひこうじょうない循環じゅんかんしゃよう代替だいたいに1だい追加ついか製造せいぞうされている。

問題もんだいてん

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初期しょきしゃ

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初期しょきのノンステップバス(日野ひの・ブルーリボン「東急とうきゅうバスM1833」) 車体しゃたい後部こうぶのデッドスペースがおおきい
いすゞ・エルガ
TypeB(フルノンステップバス、まえ
山梨やまなし交通こうつうC801号車ごうしゃ
TypeA(ぜんちゅうノンステップバス、うしろ)
山梨やまなし交通こうつうC746号車ごうしゃとの比較ひかく
フルノンステップバスはまえちゅうノンステップバスより車体しゃたい後部こうぶのデッドスペースがおおきいことがかる

初期しょき大型おおがたノンステップバスはホイールハウスのしやエンジンなどがある車体しゃたい後部こうぶデッドスペースおおく、在来ざいらいタイプとくらべて収容しゅうようりょく減少げんしょう顕著けんちょとなり、ラッシュアワーにはノンステップバスを使用しようしないバス事業じぎょうしゃもあった。

ホイールハウスの処理しょり

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ホイールじょうせき記載きさいされている高齢こうれいしゃなどがすわらないようにもとめている注意ちゅうい

後継こうけいしゃ中型ちゅうがた小型こがたタイプも同様どうようであるが、かくメーカーのバスともタイヤ寸法すんぽう配置はいち抜本ばっぽんてき改良かいりょうほどこせないままゆかめんたかさをげているため、前輪ぜんりんのホイールハウスのしが従来じゅうらいのバスにくらべておおきい。この部分ぶぶん通路つうろせまくなるほか、ぜんとびら運転うんてんせき直後ちょくご前輪ぜんりんじょう位置いちする座席ざせきはかなり位置いちたかくなり、すわさいには「よじのぼる」という感覚かんかくになる。このため、バス事業じぎょうしゃ車種しゃしゅによってはこの部分ぶぶんには座席ざせきもうけず、荷物にもつ燃料ねんりょうタンクなどにしているれいもある(いすゞ・エルガ日野ひの・ブルーリボン現行げんこうモデルや成田空港なりたくうこう交通こうつう成田なりた国際こくさい空港くうこうターミナルあいだ移動いどう無料むりょうシャトルバス、岐阜ぎふバス市内しないループせん専用せんようしゃなど)ほか、さい前列ぜんれつ座席ざせきのみシートベルトを設置せっちしているケースも存在そんざいする(函館はこだてバスなど)。また、せき設置せっちした場合ばあいであっても、高齢こうれいしゃ幼児ようじなどが着席ちゃくせきしないように注意ちゅういきを掲示けいじしている事業じぎょうしゃもある(神奈川中央交通かながわちゅうおうこうつうなど)。現行げんこうモデルのいすゞ・エルガと日野ひの・ブルーリボンの自家用じかよう仕様しようしゃは、さい前列ぜんれつ路線ろせんようおなじ1にんけとなっており、補助ほじょせき装備そうびされない。

走行そうこう性能せいのう

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これはワンステップバスなどのていゆかバスにも共通きょうつうしているが、ゆかひくぶん最低さいてい地上ちじょうだか=ロードクリアランス(車体しゃたい地面じめんとの間隔かんかく)がちいさいことにくわえ、エンジンを搭載とうさい可能かのうなスペースもすくなく、こう出力しゅつりょくエンジンの搭載とうさいむずかしくなるという問題もんだいがある。また大型おおがたノンステップバスの場合ばあい構造こうぞうじょうフロントオーバーハングがおおきくなる。このためあく勾配こうばいおよび道路どうろ段差だんさ凸凹おうとつ)のおおいバス路線ろせんでは使用しようできないケースもしょうじている[ちゅう 2][ちゅう 3]

価格かかく

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ドロップ・センター・アクスル (drop-center axle) [ちゅう 4]はじめとした特殊とくしゅ部品ぶひんおお使つかうため、平成へいせい10年代ねんだい時点じてんでは車体しゃたい価格かかく従来じゅうらいのバスをベースにした三菱みつびししゃやく2,100まんえん専用せんよう部品ぶひんおお日野ひのしゃやく2,400まんえんと、大型おおがたワンステップバス(やく1,600 - 1,800まんえん)の1.5ばい価格かかくとなった。一部いちぶ車種しゃしゅ輸入ゆにゅう部品ぶひん使つかっているてんもあるが、この価格かかく問題もんだいであり、公営こうえいバスをのぞくと事業じぎょうしゃ負担ふたんのみでは購入こうにゅうしにくい。そのため各種かくしゅ助成じょせい制度せいど用意よういされており、通常つうじょうのワンステップバスとの差額さがく行政ぎょうせいからの助成じょせいきんまかな購入こうにゅうする場合ばあいおおい。

なお、安価あんかなノンステップバスということで、別項べっこうぜんちゅうとびらあいだノンステップしゃ中型ちゅうがたノンステップしゃ中型ちゅうがたちょうじゃくしゃ移行いこうしていった。

大型おおがたノンステップバス

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1997ねん平成へいせい9ねん)、三菱みつびしふそうトラック・バス日産ディにっさんでぃゼル工業ぜるこうぎょうげん:UDトラックス)本格ほんかくてき量産りょうさん大型おおがたノンステップバスを開発かいはつし、販売はんばい開始かいしした。

三菱みつびしは、前年ぜんねんにモデルチェンジした2代目だいめエアロスターをベースとして、たてのままエンジンとデフ運転うんてんせきがわにオフセットすることにより、後部こうぶまでのちょうていゆかエリアを確保かくほしている。また、車体しゃたい後部こうぶにドアをもうけて前後ぜんごとびら仕様しようにも対応たいおうできたが、リアのホイールハウスあいだゆか通路つうろ)が非常ひじょうせまくるまいすへの対応たいおう困難こんなんとなるため、前後ぜんごとびら仕様しよう神姫しんきバス導入どうにゅうした程度ていどで、実際じっさいにはまえちゅうの3ドア仕様しようでの後部こうぶドアきがほとんどであった(名古屋なごや市営しえいバス成田空港なりたくうこう交通こうつうなど)。また、三菱みつびしでは当初とうしょノーステップバス」という呼称こしょうもちいていた。

日産にっさんディーゼル(デ)は、従来じゅうらい富士重工業ふじじゅうこうぎょう富士重ふじじゅう7EけいボディのUAシリーズをベースとして、ドイツZFから前後ぜんごアクスル(サスペンション)とトルクコンバータしきAT輸入ゆにゅうし、車体しゃたい最後さいごにエンジンを直立ちょくりつよこ配置はいちすることにより、後部こうぶまでのちょうていゆか実現じつげんしている。なお、富士重ふじじゅうのバス車体しゃたいそう撤退てったいともない、2003ねん以降いこう西日本にしにほん車体しゃたい工業こうぎょう (NSK) による車体しゃたいそうとなり、構造こうぞうおおきく変更へんこうされた。従来じゅうらい富士重ふじじゅうせいをFタイプ、西日本にしにほん車体しゃたい工業こうぎょうせいをNタイプと呼称こしょうする。日産にっさんディーゼルは民生みんせいデイゼル工業こうぎょう時代じだいにも、ゼネラルモーターズならったUDエンジンよこ搭載とうさいしたアングルドライブの経験けいけんがある。

1998ねんにはいすゞ自動車ずじどうしゃ日野自動車ひのじどうしゃの2しゃも、車体しゃたい最後さいごよこきエンジンを直立ちょくりつ搭載とうさい構造こうぞうとしたノンステップバスを開発かいはつし、販売はんばい開始かいしした。いすゞはキュービック日野ひのブルーリボンをベースとした車両しゃりょうとなった。ZFせいATの採用さいよう共通きょうつうだが、リアアクスルはいすゞがハンガリーのラーバから輸入ゆにゅうしたのにたいし、日野ひの国産こくさんひん採用さいようした。

2000ねん、いすゞ・日野ひの両社りょうしゃとも路線ろせんバスボディのフルモデルチェンジをおこない、キュービックはエルガ (type-B) に、ブルーリボンはブルーリボンシティ移行いこうしたが、車体しゃたい構造こうぞうめんでの変化へんかすくない。

2017ねん、いすゞ・日野ひの両社りょうしゃは、エルガ・ブルーリボンに自家用じかようトップドアの大型おおがたバスとしてははつとなるノンステップバスを設定せっていした。

圧縮あっしゅく天然てんねんガス (CNG) バス車体しゃたい下部かぶ前後ぜんごアクスルあいだ燃料ねんりょうタンク(ボンベ)を搭載とうさいしていたためちょうていゆか困難こんなんであったが、1999ねんからCNG自動車じどうしゃ燃料ねんりょうタンクにかんする保安ほあん基準きじゅん改正かいせいされ、屋根やねじょう燃料ねんりょうタンクを搭載とうさいすること可能かのうとなったことからちょうていゆかすすみ、各社かくしゃともCNGノンステップバスの販売はんばい開始かいしした。

なお、CNGエンジンはディーゼルサイクルとはことなり、ガソリンエンジン同様どうようオットーサイクルであり、エンジンおんもガソリンエンジンとほぼわらない。

その、1999ねん - 2000ねん日産にっさんディーゼル、いすゞの両社りょうしゃからワンステップバスをベースとしたぜんちゅうとびらあいだのみがちょうていゆかのノンステップバスが登場とうじょうしている(後述こうじゅつ)。これらと区別くべつするため従来じゅうらいのノンステップバスは「フルフラットノンステップ」(「フルノン」とりゃく場合ばあいもある)とばれることがある。

部分ぶぶんちょうていゆかしゃまえちゅうノンステップしゃ

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日産にっさんディーゼル・Gタイプ(尼崎あまがさき交通こうつうきょく

ツーステップバスワンステップバスをベースとしたノンステップバスで、日産にっさんディーゼル・UAGタイプいすゞ・エルガtype-Aばれるモデルである。従来じゅうらい大型おおがたノンステップバスは高価こうかであったため、西日本にしにほん車体しゃたい工業こうぎょう安価あんか大型おおがたノンステップバスを独自どくじ企画きかくし、1999ねんから製造せいぞう開始かいししたノンステップバスである。いすゞも、2000ねんにキュービックからエルガへのモデルチェンジのさい車種しゃしゅ追加ついかした。

従来じゅうらい日産にっさんディーゼルといすゞのノンステップバスはすべてトランスミッションがトルコンATのみであったため、MT(マニュアルトランスミッション)ベースの安価あんかなノンステップバスをもとめるこえおうじ、ワンステップバスのぜんとびらからちゅうとびらまでをちょうていゆかし、後部こうぶのエンジンまわりはワンステップバスやツーステップバスとおな構造こうぞう採用さいようしてコスト削減さくげんとMTこう出力しゅつりょく実現じつげんしたバスである。

また、ちょうていゆかから車体しゃたい後部こうぶへは2だんのステップがあるものの、そのうえはフラットな空間くうかんひろがり、座席ざせきも5れつ確保かくほできるため収容しゅうようりょくおおきい。一方いっぽう車体しゃたい後部こうぶを2だんステップにしたことで、段差だんさによる車内しゃない転倒てんとう事故じこ危険きけんせい高齢こうれいしゃ後部こうぶせき敬遠けいえんして利便りべんせいひくくなりがちであるてんとう短所たんしょとして指摘してきされている[8]

日野自動車ひのじどうしゃのみワンステップバスベースのノンステップバスを製造せいぞうしてこなかったが、日野ひの・いすゞ両社りょうしゃのバス事業じぎょう統合とうごうともない、いすゞ自動車ずじどうしゃからエルガtype-Aを「ブルーリボンII」としてOEM供給きょうきゅうけ、日野ひのユーザーけに販売はんばい開始かいしした[ちゅう 5]。2004ねん登場とうじょうしたブルーリボンシティハイブリッドでは後部こうぶ段上だんじょう構造こうぞうとしている。

これにより、2005ねんをもって国内こくないメーカーのラインナップからフルフラットノンステップバスは一旦いったん消滅しょうめつした(詳細しょうさい後述こうじゅつ

なお、三菱みつびしふそう・2代目だいめエアロスターのはフルフラットノンステップとこのワンステップバスベースのノンステップのなかあいだてき構造こうぞうである。そのため、当初とうしょからフルフラットノンステップバスを製造せいぞうしていない。

ノンステップれんぶしバス

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日本にっぽん国内こくないにおいて導入どうにゅうされたれんぶしバスは、1990年代ねんだいまでツーステップ車両しゃりょうのみ導入どうにゅうされ、当初とうしょ国内こくない販売はんばい台数だいすう自体じたいすくなかったことから、国産こくさんによるノンステップれんぶしバスの開発かいはつながらくおこなわれてこなかった。2000年代ねんだいはいると、神奈川中央交通かながわちゅうおうこうつう藤沢ふじさわうちれんぶしバスの導入どうにゅう検討けんとうするが、当時とうじすで交通こうつうバリアフリーほう制定せいていされていたためゆかめん地上ちじょうだかを550mm以下いかおさえる必要ひつようもあったことから、輸入ゆにゅうしゃ導入どうにゅうすることになり、2005ねんドイツネオプランせいセントロライナー(エンジンはMAN)2りょう導入どうにゅうし、これが日本にっぽん国内こくないにおいてはノンステップれんぶしバスのはつ導入どうにゅう事例じれいとなった[9]

その、セントロライナーが日本にっぽん車両しゃりょう供給きょうきゅう中止ちゅうししたため2007ねんすえには神奈川中央交通かながわちゅうおうこうつうがノンステップ構造こうぞうメルセデス・ベンツ・シターロれんぶしバス4りょうをドイツから日本にっぽんはじめて輸入ゆにゅうするかたち導入どうにゅう[10]、2010年代ねんだいはいるとのバス事業じぎょうしゃでもシターロを導入どうにゅうするうごきがひろがった。

2015ねんにはシャシーはスカニア製造せいぞうし、ボディをオーストラリアボルグレンせいとしたノンステップれんぶしバスを新潟交通にいがたこうつうなどが導入どうにゅうしたほか、よく2016ねんにはメルセデス・ベンツ・シターロの新型しんがたモデルを日本にっぽん国内こくないけに発売はつばい[11]、ノンステップれんぶしバスの導入どうにゅう日本にっぽん国内こくないでも徐々じょじょえた一方いっぽう車両しゃりょう海外かいがいからの輸入ゆにゅうたよらざるをない状況じょうきょうつづいた。

2017ねんには日本にっぽん国内こくないのいすゞ自動車ずじどうしゃ日野自動車ひのじどうしゃ共同きょうどうれんぶしバスの開発かいはつ着手ちゃくしゅ[12]、2019ねん5がつじゅん国産こくさんノンステップれんぶしバスの「いすゞ・エルガデュオ」と「日野ひの・ブルーリボンハイブリッドれんぶしバス」が発売はつばいされ[13][14][15][16][17]、これまでれんぶしバスを導入どうにゅうしてこなかったバス事業じぎょうしゃでもあらたに導入どうにゅうするようになった。

日本にっぽん国内こくない導入どうにゅうされたノンステップれんぶしバスのうち、セントロライナーとシターロはさい後部こうぶせき手前てまえまでフルフラット構造こうぞうであるのにたいし、その車種しゃしゅについては車体しゃたい後部こうぶにかけて2だんのステップが存在そんざいするまえちゅうノンステップ構造こうぞうとなっている。

フルフラットバス

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2005ねん国内こくないメーカーからフルフラットノンステップバスのラインナップが消滅しょうめつしたため以降いこうはフルフラットのノンステップバスを新車しんしゃ導入どうにゅうする事業じぎょうしゃ状況じょうきょうながらくつづいた。

2018ねん12月25にちには、都営とえいバス東京とうきょう交通こうつうきょく)で海外かいがいせいのフルフラットバスを輸入ゆにゅうするかたち導入どうにゅうして営業えいぎょう運行うんこう開始かいしされ[18]、2019ねん5がつ時点じてんでは29りょうまでぞう備された[19]通路つうろ段差だんさ解消かいしょうくわえ、傾斜けいしゃをバリアフリーほうおよ関連かんれん条例じょうれいさだめる建築けんちくぶつ傾斜けいしゃ基準きじゅん20ぶんの1(やく2.9以下いかおさえたフルフラットバスの導入どうにゅうはこれが国内こくないはつとなる[20]車両しゃりょうスカニアのシャーシにオーストラリアボルグレンせいのボディをそうした輸入ゆにゅうしゃで、日本にっぽんけにくるまはばは2.49mに改造かいぞう欧州おうしゅう仕様しようは2.55m)され、エンジンルームを車体しゃたい背面はいめん垂直すいちょく配置はいちすることで段差だんさ解消かいしょうしている。

2022ねん5がつ10日とおかには中国ちゅうごくBYD製造せいぞうする日本にっぽん国内こくないけの電動でんどうフルフラットバス「K8 2.0」が発売はつばいされ、国土こくど交通省こうつうしょうのノンステップバス認定にんてい取得しゅとくしている。2024ねん1がつ広島ひろしま交通こうつうはつ導入どうにゅうし、以降いこう全国ぜんこく順次じゅんじ納車のうしゃはじまっている。

2023ねん10がつ25にちにはいすゞ自動車ずじどうしゃ電動でんどうフルフラットバス「エルガEV」を発表はっぴょうし、2024年度ねんどちゅう発売はつばい目指めざしており、国内こくないメーカーでは久々ひさびさにフルフラットノンステップバスがラインナップされることになる[21]

2024ねん1がつ1にちには、中国ちゅうごく・BYDの日本にっぽん市場いちば中型ちゅうがた電動でんどうフルフラットバス「J7」のやく受付うけつけ開始かいしされ、2025ねんあきごろに納車のうしゃされる予定よていである[22]

中型ちゅうがたノンステップバス

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大型おおがたバスにくらべてエンジンやトランスミッションが元々もともとコンパクトであるため、そのコンパクトなるい車体しゃたい後部こうぶにうまくおさめることにより、大型おおがたノンステップバスにくらべデッドスペースがすくなく、ノンステップによる収容しゅうようりょく低下ていか大型おおがたバスにくらずくなくおさえられている。大型おおがたバスにくらべて中型ちゅうがたバスのノンステップすすまなかったが、1999ねんの「平成へいせい10ねん排出はいしゅつガス規制きせい対応たいおう各社かくしゃノンステップバスをモデルに追加ついかした。

日野ひの三菱みつびしはエンジンをよこきに搭載とうさいしてアングルドライブで駆動くどうする構造こうぞうをとることでリアオーバーハング短縮たんしゅくしている。日産にっさんディーゼルといすゞはそれまでのワンステップバスを改良かいりょうすることにより、ぜんちゅうとびらあいだをノンステップしている。

その、2004ねんの「平成へいせい15ねん排出はいしゅつガス規制きせい対応たいおう三菱みつびしふそうは従来じゅうらいよこきエンジンのMJけいから、たてきエンジンのMKけい変更へんこうされ、ノンステップエリアはまえちゅうとびらあいだのみとなった(エアロミディMKノンステップ)。前後ぜんごして日野ひのもレインボーHRを直列ちょくれつ6気筒きとうよこきから5気筒きとうたてきエンジンにあらためている。

かつては国産こくさんぜんメーカーが製造せいぞうしていたが、2017ねん三菱みつびし中型ちゅうがた路線ろせんバスの製造せいぞう終了しゅうりょうしたことで[23]国内こくないではジェイ・バス製造せいぞうする車種しゃしゅのみという状況じょうきょうが1ねんほどつづいていたが、2018ねん中国ちゅうごくBYD日本にっぽん市場いちばけに中型ちゅうがた電気でんきバス「K7」の販売はんばい開始かいし。BYDの参入さんにゅう追随ついずいするかたちで、中国ちゅうごくメーカーも相次あいついで中型ちゅうがた電気でんきバスを日本にっぽん市場いちば投入とうにゅうしている。ただし、ディーゼルしゃについてはつづき、ジェイ・バスの車種しゃしゅのみという状況じょうきょうわりはない。

中型ちゅうがたロングノンステップバス

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中型ちゅうがたちょうじゃくしゃ中型ちゅうがた10.5mくるまともしょうし、中型ちゅうがたバスの車体しゃたいばして全長ぜんちょう10.5m(一部いちぶには改造かいぞうあつかいで10.7mくるま存在そんざいする)と大型おおがたしゃみにしたバスである。そのため車体しゃたい断面だんめん中型ちゅうがたバスと共通きょうつうで、全幅ぜんぷくは2.3mである。この中型ちゅうがた10.5mしゃは、外観がいかんてきには細長ほそながくるまだかひくいことから、「ウナギ」、「もやし」、「ダックスフント」などとばれる。

中型ちゅうがたバスがベースのため、大型おおがたノンステップバスにくら安価あんかで、大型おおがたワンステップバスとどう程度ていど価格かかくであるため、日野ひの・レインボーHR中心ちゅうしん全国ぜんこく各地かくちのバス事業じぎょうしゃ導入どうにゅう急増きゅうぞうし、だいヒットした。また車体しゃたいながぶんある程度ていど収容しゅうようりょくはあり、大型おおがたノンステップバスのわりに使用しようされるれいおおいが、ホイールハウスあいだ通路つうろせまいこともあり、ラッシュ乗客じょうきゃく流動りゅうどうくない。

日産にっさんディーゼルは、元々もともと存在そんざいしたワンステップ中型ちゅうがたロングしゃJPけいにノンステップバスを追加ついかし、日野ひのもノンステップバスHRけい中型ちゅうがたロングしゃ設定せっていおこなった。

当初とうしょ日産にっさんディーゼル・日野ひののみが製造せいぞうしていたが、2002ねん三菱みつびし参入さんにゅうしている。三菱みつびし中型ちゅうがたロングしゃは、従来じゅうらいのノンステップしゃのエンジンよこきのMJけいではなく、エンジンたてきのワンステップバスMKけいをベースに10.5mしたもの(エアロミディMKノンステップ)であったが、2008ねん日産にっさんディーゼルJPけいOEMわった(エアロミディ-S AJノンステップ)。エアロミディ-Sの生産せいさん終了しゅうりょうにエアロミディMKの生産せいさん再開さいかいされたが、このさいには10.5mしゃ設定せっていされなかった。

いすゞでは中型ちゅうがたロングしゃ製造せいぞうしていないが、日野ひの・いすゞのバス事業じぎょう統合とうごうともない、一時期いちじき日野自動車ひのじどうしゃからレインボーHR10.5mのOEM供給きょうきゅうけ「エルガJ」として発売はつばいしていた。エルガJは2007ねん供給きょうきゅう終了しゅうりょうし、HRけいそのものも2010ねん生産せいさん終了しゅうりょうしている。

以上いじょうのとおり2011ねんまでにはすべてのメーカーが製造せいぞう中止ちゅうししている。

小型こがたノンステップバス

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前輪ぜんりん駆動くどう (FF) シャシとして駆動くどうけい車両しゃりょう前部ぜんぶにまとめ、車両しゃりょう後方こうほう客室きゃくしつをフルフラットとし、中型ちゅうがたバスよりもちいさく、せまみちにもれるためコミュニティバスいている。

1997ねん西日本にしにほん車体しゃたい工業こうぎょうにおいて、三菱みつびし・パジェロをベースに、うし半分はんぶんを11にんりノンステップの客室きゃくしつとした改造かいぞうしゃ試作しさくされたが、量産りょうさんいたらずにわった。そのこのタイプは日本にっぽん国内こくない生産せいさんされることがなく、2000ねんころからよこFFていゆか商用しょうようしゃようシャシをベースとしたクセニッツルノーオムニノーバ・マルチライダーなど、欧州おうしゅうからの輸入ゆにゅうにより、日本にっぽん各地かくち使用しようされるようになった。

しかし、エアコン故障こしょう多発たはつなど輸入ゆにゅうしゃ特有とくゆう不都合ふつごう多数たすう存在そんざいし、それらにこたえるため、日野ひのトヨタ仲介ちゅうかいフランスPSAからFFシャシを輸入ゆにゅうし、日本にっぽん車体しゃたい製作せいさくしたポンチョ発売はつばいしたが、やはり電装でんそうけい中心ちゅうしんとしたマイナートラブルを払拭ふっしょくするにはいたらなかったため、2006ねんには自社じしゃリエッセをベースとしたよこリアエンジン小型こがたノンステップバスを発表はっぴょうし、ポンチョのくるまめいはこちらにがれている。

また、中型ちゅうがたノンステップバスの車体しゃたいみじかくした中型ちゅうがた7mしゃ通称つうしょうチョロQ)を小型こがたノンステップバスにくわえる場合ばあいがある。三菱みつびしはこの市場いちばエアロミディMJ7mくるまをベースに全幅ぜんぷくを2mに縮小しゅくしょうしたエアロミディME2002ねん投入とうにゅうしたが、2007ねん製造せいぞう終了しゅうりょうとなった。それ以降いこう、7mリアエンジンしゃは、ジェイ・バス製造せいぞうするポンチョ1車種しゃしゅのみの状況じょうきょうがしばらくつづいたが、2019ねんには中国ちゅうごくBYD日本にっぽん市場いちばけにポンチョとどうサイズの小型こがた電気でんきバス「J6」の販売はんばい開始かいし[24]前述ぜんじゅつ中型ちゅうがたノンステップバスと同様どうように、BYDの参入さんにゅう追随ついずいするかたちで、中国ちゅうごくメーカーも相次あいついで小型こがた電気でんきバスを日本にっぽん市場いちば投入とうにゅうしている[25]ただし、ディーゼルしゃについてはつづき、ジェイ・バスが製造せいぞうするポンチョのみという状況じょうきょうわりはない。

車両しゃりょうすう導入どうにゅう傾向けいこう

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日本にっぽんにおけるノンステップバスの車両しゃりょうすうは、本格ほんかくてき量産りょうさん大型おおがたノンステップバス販売はんばい初年度しょねんどの1997ねんは145だい(0.2%)、2000ねんには1,289だい(2.2%)、2010ねんには16,534だい(27.9%)と、交通こうつうバリアフリーほう制定せいていの2000ねん以降いこう毎年まいとし1000-2000だい前後ぜんこう導入どうにゅう台数だいすう推移すいいし、2020ねんには29,489だい(50.9%)にたっし、全国ぜんこくでの導入どうにゅうりつが50%をえた(括弧かっこない数字すうじ乗合のりあいバスそう車両しゃりょうすうめる割合わりあい[26]。しかし、車両しゃりょう購入こうにゅうかかわるコストがたかため経営けいえいきびしい地方ちほうのバス会社かいしゃほど導入どうにゅうすすまない状況じょうきょうながらくつづいていた。また、2020ねん以降いこう新型しんがたコロナウイルス感染かんせんしょう影響えいきょうによるバス利用りようしゃ減少げんしょうで、公営こうえいのぞ全国ぜんこくのバス事業じぎょうしゃ新車しんしゃびかえがき、このとし以降いこう年間ねんかん導入どうにゅう台数だいすうおおきく減少げんしょうした。

2022ねん時点じてんでは、全国ぜんこくで30,117だい(55.3%)が導入どうにゅうされているが、都道府県とどうふけんべつでは鳥取とっとりけんが92.4%ともっと導入どうにゅうりつたかく、いで東京とうきょうが89.8%、愛知あいちけんが88.5%、埼玉さいたまけんが87.9%、沖縄おきなわけんが83.6%とつづ[26]以前いぜんほど都市とし地方ちほうでの導入どうにゅうりつおおきな格差かくさしょうじていない。これは、初期しょきのノンステップバスが導入どうにゅうから10ねん以上いじょう経過けいかしたことで、大都市だいとしけん事業じぎょうしゃ中心ちゅうしん経年けいねん廃車はいしゃ発生はっせいし、地方ちほうのバス事業じぎょうしゃがこういった車両しゃりょう中古ちゅうこしゃ大量たいりょう導入どうにゅうし、ノンステップバスすすめたケースがえつつあることも要因よういんとされるほか、元々もともと地方ちほう大都市だいとしけんくらべてバスのそう車両しゃりょうすうすくないことから、ノンステップ一気いっきすすんだためで、鳥取とっとりけん沖縄おきなわけんなどの地方ちほう導入どうにゅうりつ上位じょういにいるのはそのためである。ノンステップバスの導入どうにゅう台数だいすうかんしては、依然いぜんとして東京とうきょうが6,293だいもっとおおく、これは全国ぜんこくのノンステップバス導入どうにゅうりつやく20%に相当そうとうする[26]

一方いっぽう大都市だいとしけんであっても、西日本鉄道にしにっぽんてつどう西鉄にしてつバス)は車内しゃない段差だんさ収容しゅうようりょくなどの関係かんけいから、メーカー純正じゅんせいボディへ完全かんぜん移行いこうするまでは本格ほんかく導入どうにゅうがなされていなかったため[27]福岡ふくおかけん全体ぜんたい導入どうにゅうりつは37.6%と大都市だいとしけんなかではもっと導入どうにゅうりつひく[26]

また、東北とうほく地方ちほうでは、くるまだかひくいことで冬季とうきゆきどう車体しゃたい路面ろめん接触せっしょくするおそれがあるというイメージから当初とうしょ導入どうにゅう敬遠けいえんされ、その市街地しがいち幹線かんせん道路どうろとうゆきすくなく、除雪じょせつすすんでいる地域ちいき中心ちゅうしんすこしずつ導入どうにゅうすすんだものの、依然いぜんとして積雪せきせつおお地域ちいきでの運行うんこうきびしいという意見いけん事業じぎょうしゃから根強ねづよ[28]とく青森あおもりけん秋田あきたけん岩手いわてけん東北とうほく3けん全国ぜんこく比較ひかくしても導入どうにゅうりつひく傾向けいこうにある[26]実際じっさい秋田あきたけんでは当初とうしょ自治体じちたいがバス会社かいしゃ委託いたくしたコミュニティバスに小型車こがたしゃ3だい導入どうにゅうされただけで、秋田あきた中央ちゅうおう交通こうつうが2010ねん2がつ導入どうにゅうするまで、一般いっぱん路線ろせんバスには1だい導入どうにゅうされていなかった。

ノンステップバス導入どうにゅうりつ100%を達成たっせいしている事業じぎょうしゃとしては東京とうきょう交通こうつうきょく小田急おだきゅうバスなどがある一方いっぽう[29]一切いっさい導入どうにゅうしない方針ほうしん事業じぎょうしゃもあり、岡山おかやまけん東部とうぶをエリアとする宇野うの自動車じどうしゃ2023ねん現在げんざいいたるまでノンステップバスの導入どうにゅう実績じっせきい。

おも車種しゃしゅ

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脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ 三菱みつびしふそうトラック・バスでは、「ノーステップバス」ともしょうしていた時期じきもあった。
  2. ^ 過去かこには京阪けいはん宇治うじ交通こうつうげん京阪けいはんバス)において男山おとこやま営業えいぎょうしょ出入口でいりぐち勾配こうばい極端きょくたんおおきく、そのためノンステップバスを導入どうにゅうできなかったが、のち勾配こうばい緩和かんわして導入どうにゅうおこなった。また山科やましな営業えいぎょうしょには過去かこよりワンステップバスはあるものの、営業えいぎょうしょ付近ふきん道路どうろ状況じょうきょうから、どう営業えいぎょうしょには2007ねんまで導入どうにゅうしていなかった。導入どうにゅう道路どうろ勾配こうばい関係かんけいから、一部いちぶ区間くかんへの走行そうこう不可能ふかのうである。
  3. ^ 長崎ながさきバスは2005年度ねんど国土こくど交通省こうつうしょう標準ひょうじゅん仕様しようのノンステップバスを1だい導入どうにゅうしたが、さかおお道路どうろ事情じじょうから、よく2006年度ねんどからゆかたかさを標準ひょうじゅん仕様しようからげる独自どくじ仕様しよう採用さいようしたうえ本格ほんかくてき導入どうにゅうとなった。
  4. ^ バスようのちもちいられるなかあいだ部分ぶぶんひく特殊とくしゅなホーシング・ユニットのこと。ZFしゃなどが製作せいさくしている。
  5. ^ 2005ねん以降いこう統合とうごう車種しゃしゅ移行いこうしている。

出典しゅってん

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  1. ^ a b 2しょう ノンステップバスの特徴とくちょう”. 国土こくど交通こうつうしょう. 2021ねん1がつ27にち閲覧えつらん
  2. ^ 三菱みつびしふそう大型おおがた路線ろせんバス「エアロスター」ノーステップバスにCNGエンジン搭載とうさいしゃ追加ついか”. 三菱自動車工業みつびしじどうしゃこうぎょう (2000ねん2がつ9にち). 2020ねん9がつ7にち閲覧えつらん
  3. ^ 新型しんがた大型おおがた路線ろせんバス「エアロスター」を発表はっぴょう”. 三菱みつびしふそうトラック・バス (2014ねん6がつ19にち). 2020ねん9がつ7にち閲覧えつらん
  4. ^ いすゞ、大型おおがた路線ろせんバス「エルガ」をフルモデルチェンジ”. いすゞ自動車ずじどうしゃ (2015ねん8がつ18にち). 2020ねん9がつ7にち閲覧えつらん
  5. ^ 日野ひのポンチョ日野自動車ひのじどうしゃ
  6. ^ 標準ひょうじゅん仕様しようノンステップバス認定にんてい車両しゃりょう一覧いちらん国土こくど交通省こうつうしょう
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  10. ^ 『バスラマ・インターナショナル』通巻つうかん106ごう p.11
  11. ^ れんぶしバスのメルセデス・ベンツ「シターロ G」の新型しんがた日本にっぽんはつ公開こうかい. トラベル Watch. (2016ねん10がつ13にち). https://travel.watch.impress.co.jp/docs/news/1024767.html 
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  13. ^ いすゞと日野ひの国産こくさんはつのハイブリッドれんぶしバスを共同きょうどう開発かいはつ”. いすゞ自動車ずじどうしゃ (2019ねん5がつ24にち). 2020ねん10がつ31にち閲覧えつらん
  14. ^ いすゞと日野ひの国産こくさんはつのハイブリッドれんぶしバスを共同きょうどう開発かいはつ”. 日野自動車ひのじどうしゃ (2019ねん5がつ24にち). 2020ねん10がつ31にち閲覧えつらん
  15. ^ いすゞ、国産こくさんはつのハイブリッドれんぶしバス「エルガデュオ」を発売はつばい”. いすゞ自動車ずじどうしゃ (2019ねん5がつ27にち). 2020ねん10がつ31にち閲覧えつらん
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関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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