パナマ運河うんが

閘門及および海峡かいきょうの配列はいれつを示しめすパナマ運河うんがの全体ぜんたい図ず。南みなみの太平洋たいへいよう岸がんからパナマ市しを右手みぎてに見みて25kmほど北西ほくせいに運河うんがを進すすむとガトゥン湖こに入はいり、北きたのカリブ海かりぶかい側がわに到達とうたつする。

パナマ運河うんが（パナマうんが、スペイン語ご: Canal de Panamá 、英語えいご: Panama Canal）は、中米ちゅうべいにあるパナマ共和きょうわ国こくのパナマ地峡ちきょうを開削かいさくして太平洋たいへいようと大西おおにし洋ひろし（直接ちょくせつにはその縁海えんかいであるカリブ海かりぶかい）を結むすんでいる閘門式しき運河うんがである。

パナマ運河うんがの位置いちを示しめす衛星えいせい画像がぞう。密林みつりんは緑色みどりいろで可視かし化かされている。

パナマ運河うんがの規模きぼは全長ぜんちょう82キロメートル、最小さいしょう幅はば91メートル、最大さいだい幅はば200メートル、深ふかさは一番いちばん浅あさい場所ばしょで12.5メートルである。マゼラン海峡かいきょうやドレーク海峡かいきょうを回まわり込こまずにアメリカ大陸あめりかたいりく東海岸ひがしかいがんと西海岸にしかいがんを海運かいうんで行いき来きできる。スエズ運河うんがを拓ひらいたフェルディナン・ド・レセップスの手てで開発かいはつに着手ちゃくしゅしたものの、難なん工事こうじとマラリアの蔓延まんえんにより放棄ほうき。その後ご、パナマ運河うんが地帯ちたいとしてアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくによって建設けんせつが進すすめられ、10年ねんの歳月さいげつをかけて1914年ねんに開通かいつうした。長ながらくアメリカによる管理かんりが続つづいてきたが、1999年ねん12月31日にち正午しょうごをもってパナマに完全かんぜん返還へんかんされた。

現在げんざいはパナマ運河うんが庁ちょう（ACP）が管理かんりし、通航つうこう料りょうを徴収ちょうしゅうしている。国際こくさい運河うんがであり、船籍せんせき・軍民ぐんみんを問とわず通航つうこうが保証ほしょうされている。

2002年ねんの実績じっせきによれば、年間ねんかん通航つうこう船舶せんぱく数すうは13,185隻せき。通航つうこう総そう貨物かもつ量りょうは1億おく8782万まんトン（いずれもパナマ運河うんが庁ちょう調しらべ）。1隻せき通航つうこうするたびに約やく1億おく9,000万まんリットルの水みずを使用しようする。メガエルニーニョが発生はっせいしなければ、1日にちに通航つうこうできる船舶せんぱくは36隻せきであるが、気候きこう変動へんどうによる水不足みずぶそくにより、近年きんねんは1日にち平均へいきん24隻せきしか通航つうこうできない年としもある。通航つうこう制限せいげんが続つづいているため、周辺しゅうへん国こくではパナマ運河うんがを代替だいたいする輸送ゆそう路ろを建設けんせつする国家こっかプロジェクトが計画けいかくされている。

構造こうぞう

パナマ運河うんがのガトゥン閘門

パナマ運河うんがの通路つうろは以下いかのようになっており、上のぼり下くだりにそれぞれ3段階だんかい、待まち時間じかんを含ふくめ約やく24時じ間あいだをかけて通過つうかさせる。

カリブ海かりぶかい ⇔ ガトゥン閘門 ⇔ ガトゥン湖こ ⇔ ゲイラード・カット ⇔ ペドロ・ミゲル閘門 ⇔ ミラ・フローレス湖こ ⇔ ミラ・フローレス閘門 ⇔ 太平洋たいへいよう

カリブ海かりぶかいからやってきた船ふねは、コロンでパナマ運河うんがへと進入しんにゅうする。コロンはカリブ海かりぶかい有数ゆうすうの港みなとであり、コロン自由じゆう貿易ぼうえき地域ちいきやラテンアメリカ最大さいだいのコンテナ港みなとであるマンサニージョ港こうなどが存在そんざいし、パナマ地峡ちきょう鉄道てつどうの起点きてん・コロン駅えきも存在そんざいする。コロンを過すぎると、すぐにガトゥン閘門にぶつかる。ここには閘室が3つあり、ガトゥン閘門の最後さいごの閘室を抜ぬけると、パナマ運河うんがの最高さいこう地点ちてんである海抜かいばつ26mのガトゥン湖こに到達とうたつする。ガトゥン湖こはカリブ海かりぶかい側がわに流ながれるチャグレス川かわをせき止とめてできた人造湖じんぞうこで、かつての山頂さんちょうや尾根おねが半島はんとうや島しまとして点在てんざいしている。

ガトゥン湖こ最大さいだいの島しまであるバロコロラド島とうを過すぎ、ガトゥン湖こを抜ぬけてしばらく行いったところにガンボアの街まちがある。ガンボアは北東ほくとうから流ながれてくるチャグレス川がわが運河うんがへと流ながれ込こむ地点ちてんであり、チャグレス川がわの上流じょうりゅうにあるマッデンダムとアラフエラ湖こ（旧名きゅうめいマッデン湖こ）は、ガトゥン湖ことパナマ運河うんがへの水みずの供給きょうきゅうと水量すいりょう安定あんてい機能きのうを担になっている。

ガンボアを過すぎると、船ふねはクレブラ・カット（ゲイラード・カット）と呼よばれる切きり通どおしへと入はいる。ここは両りょう洋ようの分水嶺ぶんすいれいにあたり、また地質ちしつがもろいために崖崩がけくずれが起おきやすく、運河うんが建設けんせつ時じは最もっとも難なん工事こうじとなった区間くかんである。現在げんざいでは度重たびかさなる崖崩がけくずれに対処たいしょするために側面そくめんがコンクリートで固かためられ、また幅はばも大幅おおはばに拡張かくちょうされてパナマックス船せんですらすれ違ちがいが可能かのうとなっている。クレブラ・カットの終端しゅうたん部ぶ付近ふきんには、パンアメリカン・ハイウェイの通とおるセンテニアル橋きょうが架かかっている。

クレブラ・カットを過すぎると、1閘室のみのペドロ・ミゲル閘門があり、ここでやや高度こうどを下さげてミラフローレス湖みずうみへと入はいる。ミラフローレス湖この先さきには2閘室あるミラフローレス閘門が存在そんざいし、ここで船ふねは完全かんぜんに海面かいめんへと高度こうどを下さげる。ミラフローレス閘門を過すぎてすぐのところにバルボア市しがあるが、ここはパナマ運河うんがの太平洋たいへいよう入口いりくちであり、パナマ地峡ちきょう鉄道てつどうの終着駅しゅうちゃくえきやバルボア港みなとがある。バルボアはパナマ市しと隣接りんせつしており、ほぼパナマ市しの経済けいざい圏けんに組くみ込こまれている。パナマ運河うんが出口でぐち付近ふきんには、初はつの運河うんが横断おうだん橋きょうであるアメリカ橋きょうが架かかっている。

海抜かいばつ26メートルのガトゥン湖こ（運河うんがの最高さいこう点てん）が存在そんざいするなど運河うんが中央ちゅうおう部ぶの海抜かいばつが高たかいため、閘門（こうもん）を採用さいようして船ふねの水位すいいを上下じょうげさせて通過つうかさせている（「水みずの階段かいだん」と呼よばれる）。人造湖じんぞうこであるガトゥン湖こと、ガトゥン閘門（3閘室）、ペデロ・ミゲル閘門（1閘室）、ミラフローレス閘門（2閘室）の3か所しょの2レーンの水門すいもんが存在そんざいする。最高さいこう地点ちてんの海抜かいばつが高たかく、多おおくの閘門を利用りようして徐々じょじょに上あがっていくため、パナマ運河うんがは「船ふねが山やまを越こえる」と評ひょうされることもある。

パナマ運河うんがを通過つうかできる船舶せんぱくの最大さいだいのサイズはパナマックスと呼よばれている。既存きそんの閘門のサイズにより、通過つうかする船舶せんぱくのサイズは、全長ぜんちょう：294.1メートル、全幅ぜんぷく：32.3メートル、喫水きっすい：12メートル、最大さいだい高だか：57.91メートル以下いかに制限せいげんされていた。

2016年ねん6月26日にちに、大西洋たいせいよう側がわにアグア・クララ閘門、太平洋たいへいよう側がわにココリ閘門が開通かいつうし、より大型おおがたの船舶せんぱくの通行つうこうが可能かのうとなった。新しんルートを通行つうこう可能かのうな船舶せんぱくのサイズを新しんパナマックスと呼よび、全長ぜんちょう：366メートル、全幅ぜんぷく：49メートル、喫水きっすい：15.2メートルである。最大さいだい高だかは57.91メートルのまま据すえ置おかれた。

それでも載貨さいか時じの喫水きっすい（吃水きっすい）がもともと大おおきいタンカーや鉱石こうせき運搬船うんぱんせんは通過つうか不能ふのうで、コンテナ船せんの内うち、最もっとも大型おおがたの一部いちぶもこの新しん閘門には対応たいおうはできないものがある。旅客船りょかくせんについては、現在げんざいまでに計画けいかく具体ぐたい化かあるいは建造けんぞう中ちゅうのものを含ふくめて全すべて通航つうこう可能かのうで、クルーズ客船きゃくせんの運用うんように大おおきな変化へんかをおよぼすものと考かんがえられている（パナマ運河うんが自体じたいが一ひとつの観光かんこう資源しげんである）。この新しん水路すいろは昇降しょうこうに用もちいた湖水こすいを再さい利用りようできる設計せっけいとなっている。

2020年代ねんだいになって、気候きこう変動へんどうの影響えいきょうによる渇水かっすい期きの水位すいい低下ていか対策たいさくからくる追加ついか料金りょうきん徴収ちょうしゅうや大型おおがた船舶せんぱく通航つうこう制限せいげんを実施じっししている。構造こうぞう上じょう_、船舶せんぱく1隻せきが航行こうこうする度たびに2億おくリットルの淡水たんすいが海洋かいようへ移動いどうしていて、その水源すいげんとなっている人造湖じんぞうこのガトゥン湖こは流入りゅうにゅう水量すいりょう不足ふそくで沿岸えんがんが干上ひあがってきており、場所ばしょによっては水位すいいが7メートル低下ていかしているところもあるため、喫水きっすいの深ふかい大型おおがた船舶せんぱくは座礁ざしょうの危険きけん性せいから制限せいげんしている。また、運河うんが流域りゅういきの水みず資源しげん供給きょうきゅう元もとでもあり給水きゅうすい制限せいげんも実施じっしされ抗議こうぎ運動うんどうも発生はっせいしていて、水みず資源しげんを巡めぐる対立たいりつも危惧きぐされている。

歴史れきし

前史ぜんし

大西洋たいせいようと太平洋たいへいようとを結むすぶ運河うんがは、パナマ地峡ちきょうの発見はっけん後ごすぐに構想こうそうされた。アメリカ大陸あめりかたいりくの植民しょくみん地ち化かを進すすめていたスペイン国王こくおうのカルロス1世せい（神聖しんせいローマ皇帝こうてい・ハプスブルク家かのカール5世せいと同どう一人物いちじんぶつ）が1534年ねん、調査ちょうさを指示しじした。しかし、当時とうじの技術ぎじゅつ力りょくでは建設けんせつは不可能ふかのうであり、実際じっさいに建設けんせつされるまでにはこれから400年ねん近ちかい歳月さいげつが必要ひつようとなった。また、外国がいこくによる掘削くっさくは現場げんばに本国ほんごくの政治せいじ力りょくをおよぼす必要ひつようがあった。1671年ねん、イングランドのヘンリー・モーガンが後のちに運河うんがの入いり口くちとなるパナマ市しを制圧せいあつしている。

19世紀せいきに入はいると、産業さんぎょう革命かくめいや蒸気じょうき船せんの開発かいはつなどによって船舶せんぱく交通こうつうが盛さかんとなり、また土木どぼく技術ぎじゅつの進歩しんぽによって運河うんがの建設けんせつは現実げんじつ的てきな計画けいかくとなった。1848年ねんにはカリフォルニアでゴールドラッシュが始はじまり、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく東部とうぶから大勢おおぜいの人々ひとびとが西海岸にしかいがんをめざしたが、当時とうじは大陸たいりく横断おうだん鉄道てつどうはまだなく、人々ひとびとは両りょう洋間ようまの距離きょりが最もっとも狭せばまるパナマ地峡ちきょうをめざして押おし寄よせた。これらの人々ひとびとを運はこぶため、1855年ねんにはパナマ鉄道てつどうが建設けんせつされ、両りょう洋間ようまの最短さいたんルートとなった。ホンジュラスでも地峡ちきょう鉄道てつどうを敷設ふせつする計画けいかくが立たっていたが、米国べいこくの干渉かんしょうにより頓挫とんざしてしまった。

フランスの参入さんにゅう

「ボナパルティズム」、「フランス第だい二に帝政ていせい」、および「メキシコ出兵しゅっぺい」も参照さんしょう

「太平洋戦争たいへいようせんそう (1879年ねん-1884年ねん)」および「グアノ」も参照さんしょう

着工ちゃっこう記念きねんメダル (1880年ねん)
オスカル・ロティ製作せいさく

1523年ねん、エルナン・コルテスがカール5世せいにパナマ運河うんがの建設けんせつを進言しんげんする。コルテスの死後しご、彼かれのいとこであるアルバロ・デ・サアベドラ・セロン（英語えいご: Álvaro de Saavedra Cerón）が、運河うんが建設けんせつを構想こうそうし、そのルートは、ダリエンルート、ニカラグアルート、メキシコのテワンテペクルート、パナマルート（現在げんざいのパナマ運河うんがとなるルート）のルートでの運河うんが建設けんせつを構想こうそうするが、実現じつげんには至いたらなかった。ドイツの自然しぜん地理ちり学者がくしゃであり外交がいこう官かんであったアレクサンダー・フォン・フンボルトは1799年ねんから1804年ねん、中南米ちゅうなんべいに滞在たいざいしており、その時ときの経験けいけんを本ほんにまとめており、本ほんには運河うんがの建設けんせつ可能かのう地ちを挙あげており、パナマ地峡ちきょうを利用りようしたパナマ運河うんがを建設けんせつ可能かのうと位置いちづけている。

実際じっさいにはスエズ運河うんがの建設けんせつ者しゃフェルディナン・ド・レセップスが初はじめて着工ちゃっこうを行おこなった。レセップスはスエズ運河うんが完成かんせい後ご、パナマ地峡ちきょうに海面かいめん式しき運河うんがの建設けんせつを計画けいかくし、パナマ運河うんが会社かいしゃを設立せつりつして資金しきんを募つのり、当時とうじこの地ちを支配しはいしていたコロンビア共和きょうわ国こくから運河うんが建設けんせつ権けんを購入こうにゅう。フランスの主導しゅどうで1880年ねん1月がつ1日にちに建設けんせつを開始かいししたが、黄熱病おうねつびょうの蔓延まんえんや工事こうじの技術ぎじゅつ的てき問題もんだいと資金しきん調達ちょうたつの両面りょうめんで難航なんこうした。1884年ねんの恐慌きょうこうの一因いちいんとなりながらも、1888年ねんには宝たからくじ付つき債券さいけんを発行はっこうし資金しきんを賄まかなったが、1889年ねんにスエズ運河うんが会社かいしゃは倒産とうさんし、事実じじつ上じょう計画けいかくを放棄ほうきした。1890年ねんには運河うんがの免許めんきょが更新こうしんされたが、1892年ねんには上記じょうきの宝たからくじつき債券さいけんの発行はっこうを巡めぐってフランス政界せいかいで大だい規模きぼな疑獄ぎごく事件じけんが発生はっせい。パナマ運河うんが疑獄ぎごくと呼よばれるこの事件じけんは、当時とうじのフランス政界せいかいを大おおきく揺ゆるがすものとなった。

アメリカによる建設けんせつ

1913年ねん、パナマ運河うんがの閘門建設けんせつの様子ようす

1906年ねん、建設けんせつ現場げんばで蒸気じょうきショベルを操作そうさするルーズベルト。運河うんがの建設けんせつには全面ぜんめん的てきにビュサイラス・エリーの建けん機きが使用しようされた

パナマ運河うんが会社かいしゃの倒産とうさんによって、フランス共和きょうわ国こくは運河うんが建設けんせつから事実じじつ上手じょうずを引ひくこととなり、運河うんが建設けんせつはアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくによって進すすめられることとなった。太平洋たいへいようと大西洋たいせいようにまたがる国土こくどを持もつアメリカにとって、両りょう洋間ようまを結むすぶ運河うんがは経済けいざい的てきにも軍事ぐんじ的てきにも必須ひっすのものであると考かんがえられた。

しかし、運河うんがのルートは「パナマルート」と「ニカラグアルート」の2つの案あんがあり、議会ぎかいがまとまるまでには長ながい時間じかんがかかった。ニカラグアルートはニカラグア湖こを使つかうことで、掘削くっさく量りょうを大幅おおはばに減へらす利点りてんがあったからである。しかし1902年ねん2月がつに、遠とおく離はなれたカリブ海かりぶかいのマルチニーク島とうのプレー山さんの大だい爆発ばくはつ（4万まん人にん死亡しぼう）が起おこったことが大おおきく宣伝せんでんされたことから、ニカラグア湖みずうみ内ないと周辺しゅうへんにも火山かざんが数個すうこあるニカラグアルートの不安ふあんが増大ぞうだいした。しかし同年どうねん、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく議会ぎかいでパナマ地峡ちきょうに運河うんがを建設けんせつすることを決定けっていした。

パナマ地峡ちきょうは当初とうしょは自治じち権けんを持もつコロンビア領りょうであったが、パナマ運河うんがの地政学ちせいがく的てき重要じゅうよう性せいに注目ちゅうもくしたアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくは、運河うんがを自みずからの管轄かんかつ下かに置おくことを強つよく志向しこうした。1903年ねん1月がつ22日にち、ヘイ・エルラン条約じょうやく（英語えいご: Hay–Herrán Treaty、スペイン語ご: Tratado Herrán-Hay）が、アメリカのジョン・ヘイ国務こくむ長官ちょうかんとコロンビアのTomás Herrán臨時りんじ代理だいり大使たいしとの間あいだで結むすばれた。

しかし、コロンビア議会ぎかいはこれを批准ひじゅんしなかった。こうしたことから、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく連邦れんぽう政府せいふは、パナマ市しにいた独立どくりつ派はの運動うんどう家かと手てを結むすび、1903年ねん11月3日にち、この地域ちいきはコロンビアから独立どくりつを宣言せんげんして「パナマ共和きょうわ国こく」となり、時ときのアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく大統領だいとうりょうセオドア・ルーズベルトの政権せいけんは、10日とおか後ごの11月13日にちに国家こっかの承認しょうにんをし、5日にち後ごの11月18日にちにはパナマ運河うんが条約じょうやくを結むすび、運河うんがの建設けんせつ権けんと関連かんれん地区ちくの永久えいきゅう租借そしゃく権けんなどを取得しゅとくし、建設けんせつ工事こうじに着手ちゃくしゅした。

1905年ねんにアメリカ資本しほんによる建設けんせつ事業じぎょうがスタートした。合衆国がっしゅうこく中ちゅうを資本しほんが駆かけ巡めぐり、同年どうねんから翌年よくねんにかけて全米ぜんべい手形てがた交換こうかん所しょの総そう交換こうかん額がくは1.5倍ばいに急増きゅうぞうした。工事こうじ開始かいし後ご、当初とうしょの数すう年間ねんかんは疫病えきびょうの流行りゅうこうなどにより工事こうじは遅々ちちとして進すすまず、海面かいめん式しき運河うんがにするか閘門式しき運河うんがにするかの建設けんせつ計画けいかくさえ決定けっていしていない状態じょうたいであった。

1905年ねんに着任ちゃくにんした主任しゅにん技師ぎしジョン・フランク・スティーブンスが、人夫にんぷへのマラリアや黄熱病おうねつびょうの感染かんせんを防ふせぐため、ゴーガス衛生えいせい局長きょくちょうと協力きょうりょくして蚊かの駆除くじょに尽力じんりょくし、その結果けっか、疫病えきびょうはほぼ根絶こんぜつされた。また、スティーブンスは福利ふくり厚生こうせいにも気きを配くばり、労働ろうどう者しゃたちの労働ろうどう環境かんきょうは非常ひじょうに整ととのったものとなった。1906年ねん6月がつ、閘門式しき運河うんがが新しん運河うんがには最適さいてきであるとの結論けつろんを下くだし、議会ぎかいはその判断はんだんに従したがって閘門式しき運河うんが案あんを決定けっていした。

1907年ねん、現地げんち労働ろうどう者しゃとワシントンの運河うんが委員いいん会かいとの調整ちょうせいに悩なやまされたスティーブンスは主任しゅにん技師ぎしを退職たいしょくし、後任こうにんにはジョージ・ワシントン・ゲーサルスが就任しゅうにんした。ゲーサルスは軍人ぐんじんであり、運河うんが委員いいん会かいには全すべて軍人ぐんじんが任命にんめいされ、労働ろうどう者しゃに軍隊ぐんたいの規律きりつを導入どうにゅうした。ゲーサルスは労働ろうどう者しゃの不満ふまんを吸すい上あげる自由じゆう面接めんせつ制度せいどを整ととのえ、工事こうじ週報しゅうほうの発刊はっかんによって工事こうじの現況げんきょうを労働ろうどう者しゃたちにも可視かし化かし、そして工事こうじを地域ちいき別べつにすることで、各かく地域ちいきの競争きょうそう意識いしきを煽あおった。このため、工事こうじのテンポはこれ以降いこう格段かくだんに早はやくなった。1910年ねんにはガトゥンダムが完成かんせいし、1913年ねんにはダムが満水まんすいとなってガトゥン湖みずうみが誕生たんじょうした。最大さいだいの難なん工事こうじであったクレブラ・カットの開削かいさくも完了かんりょうし、パナマ運河うんがは予定よていより2年ねん早はやく1914年ねん8月がつ15日にちに開通かいつうした。

結局けっきょく、この工事こうじには3億おくドル以上いじょうの資金しきんが投入とうにゅうされた。運河うんが収入しゅうにゅうはパナマに帰属きぞくするが、運河うんが地帯ちたいの施政しせい権けんと運河うんがの管理かんり権けんは、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくに帰属きぞくした。なお、ルーズベルト大統領だいとうりょうは完成かんせい直前ちょくぜんに死去しきょした。

建設けんせつには、日本人にっぽんじんの青山あおやま士し（あおやま あきら）も従事じゅうじ。彼かれは帰国きこく後ご、内務省ないむしょうの技官ぎかんになり、信濃川しなのがわ大河津分水路おおこうづぶんすいろ補修ほしゅう工事こうじや荒川あらかわ放水ほうすい路ろ建設けんせつ工事こうじに携たずさわった。

建設けんせつ後ごも、特とくにクレブラ・カット区間くかんで土砂崩どしゃくずれが続発ぞくはつし、一いち度どは運河うんがが完全かんぜんにこの区間くかんで埋うまってしまったこともあった。さらに運河うんがの幅はば自体じたいも、この区間くかんは難なん工事こうじであったために狭せまく、そのため1927年ねんよりこの区間くかんの拡張かくちょう並ならびに護岸ごがん工事こうじが行おこなわれ、1940年ねん頃ごろに完成かんせいした。

両りょう大戦たいせん

運河うんがの開通かいつうした1914年ねんは、第だい一いち次じ世界せかい大戦たいせん開戦かいせん直後ちょくごであり、このため運河うんが利用りようは1918年ねん頃ごろまで低迷ていめいを続つづけた。しかし1919年ねんに、第だい一いち次じ世界せかい大戦たいせんが終結しゅうけつするとともに、運河うんがの利用りようは激増げきぞうした。1930年代ねんだい後半こうはんになると世界せかい情勢じょうせいが再ふたたび緊迫きんぱくし、大日本帝国だいにっぽんていこくとの対立たいりつが激はげしくなるなか、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく連邦れんぽう政府せいふはパナマ運河うんがの拡張かくちょう案あんを成立せいりつさせ、1939年ねんに着工ちゃっこうした。

この工事こうじは別べつ水路すいろを作つくって、パナマ運河うんがの通航つうこう可能かのう量りょうを増大ぞうだいさせるもので、新規しんきの閘門を作つくることから「第だい3閘門運河うんが」と呼よばれたが、第だい二に次じ世界せかい大戦たいせん中なかの1942年ねんに拡張かくちょう工事こうじは中止ちゅうしされた。しかし、この工事こうじ跡あとはその後ごも残のこり、21世紀せいきに入はいって、パナマ運河うんが拡張かくちょう案あんが再さい浮上ふじょうした時ときに再さい利用りようされることとなった。なお、1941年ねん4月がつに、第だい二に次じ世界せかい大戦たいせんに入はいったヨーロッパ戦況せんきょうの激化げきかを受うけてアメリカとイギリス船せん以外いがいの利用りようが禁止きんしされた。

日本にっぽん軍ぐんによる攻撃こうげき計画けいかく

第だい二に次じ世界せかい大戦たいせん時とき、大日本帝国だいにっぽんていこく海軍かいぐんにはパナマ運河うんが攻撃こうげき計画けいかくが存在そんざいした。1942年ねん2月がつから9月がつにかけて日本にっぽん海軍かいぐんの潜水せんすい艦かんによって行おこなわれたアメリカ本土ほんど砲撃ほうげきと、その艦載かんさい機きによるアメリカ本土ほんど空襲くうしゅうが行おこなわれた際さいに検討けんとうされたことがあるが、この際さいにはアメリカ本土ほんどへの攻撃こうげきが優先ゆうせんされたため、結果けっか的てきに検討けんとうされたのみであった。

伊い四よん〇〇型がた

これらの作戦さくせんが行おこなわれると同時どうじに、大日本帝国だいにっぽんていこく海軍かいぐんは更さらなる本格ほんかく的てきなアメリカ本土ほんど攻撃こうげきを目的もくてきに、特殊とくしゅ攻撃こうげき機き晴嵐せいらんを3機き搭載とうさいした伊い四よん〇〇型がた潜水せんすい艦かんからなる潜水せんすい艦かんの建造けんぞうを進すすめた。しかし、1945年ねんに入はいると同盟どうめい国こくであるドイツ国こくの艦隊かんたいが壊滅かいめつ状態じょうたいになったため、不要ふようとなったイギリスやアメリカなどの大西洋たいせいようで活動かつどうしていた艦船かんせんの太平洋たいへいようへの回航かいこうが予想よそうされ、この回航かいこうを少すこしでも遅おくらせるために、これらの潜水せんすい艦かんとその艦載かんさい機きでパナマ運河うんがを攻撃こうげきすることを計画けいかくした。

その後ご、アメリカ軍ぐんの爆ばく撃げき機きによる日本にっぽん本土ほんど空襲くうしゅうが本格ほんかく化かしたため、これらに対たいする報復ほうふくを目的もくてきに再度さいどアメリカ本土ほんど攻撃こうげきに主しゅ目標もくひょうが変更へんこうされた上うえに、伊い四よん〇〇号ごう型がた潜水せんすい艦かん2隻せきが完成かんせいした後のちの1945年ねん3月がつに沖縄おきなわ戦せんが始はじまったことなどにより、結局けっきょくこのパナマ運河うんが攻撃こうげき計画けいかくは破棄はきされ、最終さいしゅう的てきに南太平洋みなみたいへいようのウルシー環礁かんしょうの連合れんごう軍ぐん艦隊かんたいの泊地はくちへ攻撃こうげき目標もくひょうを変更へんこうした。作戦さくせん遂行すいこうに向むけて展開てんかい中ちゅうの8月がつ15日にちに同どう諸島しょとう沖合おきあいで終戦しゅうせんを迎むかえ、その後ご、伊い四よん〇〇型がた潜水せんすい艦かんはアメリカ軍ぐんにより標的ひょうてき処分しょぶんおよび自沈じちん・解体かいたいされ姿すがたを消けした。

この運河うんが攻撃こうげき計画けいかくを実行じっこうするにあたり、日本にっぽん軍ぐんはパナマ運河うんが建設けんせつに関かかわった青山あおやま士しに運河うんがの写真しゃしん、設計せっけい図ずの拠出きょしゅつを要求ようきゅうしたが、青山あおやまは「私わたしは運河うんがを造つくる方法ほうほうは知しっていても、壊こわす方法ほうほうは知しらない」と述のべたエピソードがある。

なお、第だい二に次じ世界せかい大戦たいせん中ちゅう、アメリカ海軍かいぐんの艦艇かんていはパナマックスサイズで建造けんぞうされている。これは、大西洋たいせいようから太平洋たいへいよう戦線せんせん、またはその逆ぎゃくの転戦てんせんを容易よういにするための措置そちであり、パナマ運河うんがの軍事ぐんじ的てき要衝ようしょうの証明しょうめいである。

1950年ねん8月がつ4日にち、連合れんごう国軍こくぐん最高さいこう司令しれい官かん総そう司令しれい部ぶは1941年ねんから禁止きんししていた日本にっぽん船せんの運河うんが航行こうこうを許可きょかした。

返還へんかん

パナマ独立どくりつ時じの条約じょうやくによって、運河うんが地帯ちたい両りょう岸きしの永久えいきゅう租借そしゃく地ちにはアメリカの軍事ぐんじ施設しせつが置おかれ、中南米ちゅうなんべいにおけるアメリカの軍事ぐんじ拠点きょてんとなっていた。アメリカ政府せいふはここを拠点きょてんとして、パナマに対たいする有形ゆうけい無形むけいの干渉かんしょうを続つづけたが、第だい二に次じ世界せかい大戦たいせん後ごになるとパナマの民族みんぞく主義しゅぎが高たかまり、運河うんが返還へんかんを求もとめる声こえが強つよくなっていった。1968年ねんの軍事ぐんじクーデターによってオマル・トリホスが権力けんりょくを握にぎると、国粋こくすい主義しゅぎ的てきな方針ほうしんを取とるトリホス政権せいけんは運河うんがの完全かんぜん返還へんかんを強つよく主張しゅちょうするようになった。これを契機けいきにアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくと返還へんかんをめぐる協議きょうぎが始はじまり、1977年ねん、ジミー・カーター大統領だいとうりょうの時代じだいに新しんパナマ運河うんが条約じょうやくが締結ていけつされた。新しん条約じょうやくでは、恒久こうきゅう的てきに中立ちゅうりつ無差別むさべつな通航つうこうが保証ほしょうされる国際こくさい運河うんがであることの再さい確認かくにんと引ひき換かえに、まず1979年ねんに主権しゅけんをパナマに返還へんかんし、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくの海外かいがい領土りょうどとしての運河うんが地帯ちたいを法的ほうてきに消滅しょうめつさせた。その時点じてんから20年間ねんかんは運河うんがの管理かんりを両国りょうこく共同きょうどうで行おこなうこととされ、1999年ねん12月31日にちにアメリカは全すべての施設しせつを返還へんかん、アメリカ軍ぐんは完全かんぜんに撤退てったいした。現在げんざいのパナマ運河うんがは、パナマ共和きょうわ国こくが管轄かんかつしている。

通航つうこう量りょうの増大ぞうだいや船舶せんぱくの大型おおがた化かの流ながれを受うけて、2006年ねん4月がつに運河うんが拡張かくちょう計画けいかくがパナマ運河うんが庁ちょうより提案ていあんされ、10月に国民こくみん投票とうひょうにより実施じっしされることが決定けっていされた。総そう事業じぎょう費ひ6,000億おく円えんで、単独たんどく財務ざいむアドバイザーを日本にっぽんのみずほコーポレート銀行ぎんこうが務つとめた。この計画けいかくは、既存きそんの閘門の近ちかくに新あらたに大型おおがたの閘門を増設ぞうせつする計画けいかくとなっており、以前いぜんに別べつルートとして計画けいかくされていた「第だい2パナマ運河うんが計画けいかく」とは別物べつものである。第だい2パナマ運河うんが計画けいかくに関かんしては、鉄道てつどう貨物かもつ輸送ゆそうとの競合きょうごうがあり、その採算さいさん性せいから、計画けいかくの具体ぐたい化かがなされていなかった経緯けいいがあった。しかし、鉄道てつどう輸送ゆそうでは賄まかなえない部分ぶぶんも残のこっているため、既存きそんの運河うんがを拡張かくちょうする方法ほうほうにより、事業じぎょう費ひを圧縮あっしゅくしながらも拡張かくちょうするため、新あらたに提示ていじされ実施じっしされることになったのが、2016年ねんに完成かんせいしたパナマ運河うんが拡張かくちょうである。

パナマ運河うんがの太平洋たいへいよう側がわ入口いりくちのパノラマ。左側ひだりがわに太平洋たいへいよう及およびアメリカ橋きょう、右側みぎがわにミラフローレス閘門が見みえる。

船舶せんぱくの牽引けんいん

mule(電気でんき機関きかん車しゃ)

パナマ運河うんがには幅はばの狭せまい区間くかんが一部いちぶあり、船舶せんぱくが自力じりきで航行こうこうできないため、専用せんようの電気でんき機関きかん車しゃを用もちいて船ふねを牽引けんいんする。この機関きかん車しゃには、川崎重工かわさきじゅうこう製せいの車両しゃりょうが使用しようされている（駆動くどう用ようギアケースは三菱重工業みつびしじゅうこうぎょう、インバーター・モーターおよびウィンドラスは東洋電機製造とうようでんきせいぞうが製造せいぞう）。別べつの区間くかんではタグボートが曳航えいこうする。

この線路せんろは最大さいだいで50パーセント（角度かくどにして約やく27度ど）の急きゅう勾配こうばいがあり、その勾配こうばいを越こえるため運河うんがの両側りょうがわにラック式しきの線路せんろが敷設ふせつされており、両側りょうがわの機関きかん車しゃからそれぞれワイヤーで引ひっ張ぱって、船ふねが水路すいろの中央ちゅうおうを通とおるように保たもちながら牽引けんいんする。

2016年ねんに供用きょうよう開始かいしされた第だい3レーンの閘門には電気でんき機関きかん車しゃは設置せっちされず、閘室内ないでもタグボートで牽引けんいんされる。

通航つうこう料りょう

ミラフローレス閘門を通航つうこうするRO-RO船せん。同どう閘門を通航つうこうする船舶せんぱくとして、同船どうせんは最大さいだい規模きぼである。

ガトゥン湖こ。元々もともとは丘陵きゅうりょうだった島々しまじまが浮うかぶ。

パナマ運河うんがの通航つうこう料りょうは、船ふね種しゅや船舶せんぱくの積載せきさい量りょう、トン数とんすうや全長ぜんちょうなど船舶せんぱくの大おおきさに基もとづきパナマ運河うんが庁ちょうが定さだめている。1トンにつき1ドル39セント、平均へいきんで54,000ドルである。飲料いんりょう水すいとしても利用りようされているガトゥン湖この渇水かっすいを理由りゆうに、パナマ運河うんが庁ちょうは2020年ねん2月がつ、湖みずうみの水位すいいと船ふねの大おおきさによる2種類しゅるいのサーチャージ（追加ついか料金りょうきん）を導入どうにゅうした。

かつて、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく連邦れんぽう政府せいふがパナマ運河うんがを管轄かんかつしていた時代じだいには、運河うんが通航つうこう料りょうはスエズ運河うんがと比くらべても非常ひじょうに低ひくく抑おさえられていた。これは、アメリカがこの運河うんがを国際こくさい公共こうきょう財ざいとして考かんがえており、収益しゅうえきを目指めざさない考かんがえを明確めいかくにしていたためである。

これに対たいし、1999年ねんに運河うんがを受うけ継ついだパナマ政府せいふは、利益りえきの極大きょくだい化か方針ほうしんを打うち出だし、2000年ねん以降いこう年ねん3.5%の値上ねあげを20年間ねんかん継続けいぞくする方針ほうしんを打うち出だした。しかし、この方針ほうしんには利用りよう各国かっこくから強つよい反対はんたいが表明ひょうめいされた。

2003年ねん9月25日にちに通過つうかした豪華ごうかクルーズ客船きゃくせん「コーラル・プリンセス」号ごうが226,194ドル25セントを支払しはらって以来いらい、近年きんねんは船舶せんぱくの大型おおがた化かによる通航つうこう料りょうの最高さいこう額がく更新こうしんが続つづいている。2008年ねん2月がつ24日にちには豪華ごうかクルーズ客船きゃくせん「Norwegian Jade」号ごうが313,000ドル以上いじょうを支払しはらった。また、最もっとも低額ていがくの通航つうこう料りょうは、1928年ねんにパナマ運河うんがを泳およいで通過つうかした、米国べいこくの冒険ぼうけん作家さっかリチャード・ハリバートン（Richard Halliburton） が支払しはらった36セントである。

パナマ運河うんが返還へんかん後ご、運河うんが収入しゅうにゅうはパナマ運河うんが庁ちょうを通つうじてパナマ政府せいふへと直接ちょくせつ入はいるようになった。返還へんかん初年しょねんである2000年ねんの運河うんが収入しゅうにゅうは1億おく6680万まんドルにのぼった。

運河うんが拡張かくちょう

新しんガトゥン閘門（第だい三さん閘門）。奥おくに見みえるのは建設けんせつ中ちゅうの大西洋たいせいよう橋きょう。（2018年ねん）

パナマ運河うんがの拡張かくちょう計画けいかくは古ふるくから存在そんざいし、1939年ねんには新しんレーンの建設けんせつが始はじまっていたが、1942年ねんには中止ちゅうしされていた（上述じょうじゅつ）。1960年代ねんだいに入はいり、冷戦れいせんの激化げきかに伴ともなって太平洋たいへいよう方面ほうめんへの艦船かんせんの移動いどうを目的もくてきとするパナマ運河うんがの拡充かくじゅう計画けいかくが再ふたたび現あらわれた。この計画けいかくは拡張かくちょう計画けいかくではなく、海面かいめん式しきの新しん運河うんがを建設けんせつすることで、運河うんがのネックとなっている閘門の不便ふべんさをなくし、輸送ゆそう可能かのう量りょうを飛躍ひやく的てきに増大ぞうだいさせる計画けいかくであった。

新しん運河うんが建設けんせつ地ちは各所かくしょで検討けんとうされた。アメリカの大西洋たいせいよう-太平洋たいへいよう間あいだ運河うんが調査ちょうさ委員いいん会かい（APIOSO）は、一時いちじ、核かく爆発ばくはつを利用りようした新しん運河うんが建設けんせつを検討けんとうしたものの見送みおくられ、1970年ねんに現げんパナマ運河うんがに並行へいこうして海面かいめん式しき運河うんがを建設けんせつする案あんをニクソン大統領だいとうりょうに勧告かんこくした。1970年代ねんだいに入はいると、日本にっぽんの経済けいざい的てき躍進やくしんや世界せかい経済けいざいの拡大かくだいによってパナマ運河うんがの容量ようりょう不足ふそくが徐々じょじょに叫さけばれるようになり、1982年ねんにはパナマ、アメリカと日本にっぽんの3か国こくによるパナマ運河うんが代替だいたい調査ちょうさ委員いいん会かい（3か国こく調査ちょうさ委員いいん会かい）が発足ほっそくしたものの、当時とうじのマヌエル・ノリエガ政権せいけんはアメリカと不仲ふなかであり、この案あんはいったんほぼ立たち消ぎえとなっていた。

1989年ねんにパナマ侵攻しんこうによって、ノリエガ政権せいけんが崩壊ほうかいすると委員いいん会かいは再ふたたび動うごき出だし、1993年ねんに調査ちょうさ報告ほうこく書しょを提出ていしゅつした。この報告ほうこく書しょでは海面かいめん式しき運河うんがは工事こうじコストが高たかすぎるとして、1942年ねんに中止ちゅうしされた第だい3閘門運河うんが跡あとを再さい利用りようして運河うんがを拡張かくちょうすることが最もっともコストが軽減けいげんされるとの報告ほうこくがなされた。

1999年ねんのパナマ運河うんが返還へんかんによって運河うんががパナマ政府せいふのもとに戻もどると、パナマ政府せいふはこの調査ちょうさ報告ほうこく書しょに着目ちゃくもくした。この時期じきには通航つうこう量りょうの増大ぞうだいや船舶せんぱくの大型おおがた化かの流ながれを受うけて2010年ねんにも受入うけいれ能力のうりょくの限界げんかいが来くると想定そうていされており、運河うんが拡張かくちょうは急務きゅうむとなっていた。これを受うけ、2006年ねんに運河うんが拡張かくちょう計画けいかく案あんがパナマ運河うんが庁ちょうより正式せいしきに提案ていあんされ、国民こくみん投票とうひょうにより実施じっしされることが決定けっていされた。

総そう事業じぎょう費ひ52億おく5千せん万まんドルをかけて2007年ねん9月3日にちに着工ちゃっこう開始かいしし、2014年ねんの竣工しゅんこうを予定よていし、新あらたに第だい3レーンを設もうけ、完成かんせい後ごは現在げんざいの2倍ばいの約やく6億おくトン（船舶せんぱくトン数とんすう換算かんさん）の航行こうこう量りょうを見込みこむ。この拡張かくちょう計画けいかくは、現在げんざいのガトゥン、ペドロ・ミゲル、ミラフローレスの3閘門をショートカットする形かたちで太平洋たいへいよう側がわと大西洋たいせいよう側がわにそれぞれ3閘室の閘門を新設しんせつするものである。ガトゥン湖みずうみからクレブラ・カットにかけては現在げんざいの運河うんがをそのまま使用しようする。ただし、通航つうこう量りょうの増大ぞうだいが予想よそうされるため、この区間くかんにおいても浚渫しゅんせつや拡張かくちょうを行おこなう。水路すいろが2線せんとなるため、航行こうこう用ようの水量すいりょう消費しょうひも倍増ばいぞうすると考かんがえられるが、ガトゥン湖この浚渫しゅんせつと新しん水路すいろへの節水せっすい槽そうの設置せっちによって、この水量すいりょう使用しよう増ぞうには対応たいおう可能かのうとされている。

パナマ政府せいふホルヘ・キハーノ運河うんが庁ちょう長官ちょうかんは、2016年ねん第だい1四半期しはんきに拡張かくちょう計画けいかくが完了かんりょうすると拡張かくちょう工事こうじの完成かんせい時期じきを明言めいげんした。また、拡張かくちょうによって周辺しゅうへんの生物せいぶつの生態せいたい系けいや分布ぶんぷが崩くずれるとの懸念けねんも未いまだにある。

計画けいかく現場げんばの地質ちしつが事前じぜん調査ちょうさと違ちがったり、工期こうき遅延ちえん、予算よさん超過ちょうか、工事こうじ労働ろうどう者しゃのストライキなどの障害しょうがいを乗のり越こえ、2016年ねん5月がつ31日にちに竣工しゅんこうし、同年どうねん6月26日にちに完成かんせい式典しきてんを行おこない運用うんようを開始かいしした。

拡張かくちょう工事こうじの完成かんせいによって既存きそんの往復おうふく2つのレーン（設計せっけい閘門サイズ：長ながさ320メートル、幅はば33.5メートル、深ふかさ25.9メートル ※深ふかさは閘室毎ごとに違ちがい最さい浅あさ部ぶで12.55メートル）に加くわえ、第だい3レーン（閘門サイズ：長ながさ427メートル、幅はば55メートル、深ふかさ18.3メートル）をあわせ、3つの航路こうろが運河うんが通航つうこうできるようになった。

この運用うんよう開始かいしによって船型せんけい制限せいげん値ちはニューパナマックスで拡大かくだいされ（既存きそんのパナマ運河うんがも併用へいようされるため、既存きそん航路こうろを航行こうこうする際さいはパナマックスが適用てきようされる）、北米ほくべい東海岸ひがしかいがんと北米ほくべい西海岸にしかいがん、日本にっぽん、東南とうなんアジアなどの海上かいじょう輸送ゆそう量りょう増加ぞうかが見込みこまれる。船舶せんぱくと喫水きっすいの大型おおがた化かに伴ともなう物流ぶつりゅう費ひと運行うんこう日数にっすうの削減さくげん、排出はいしゅつCO2の低減ていげんなどの効果こうかがあり、スエズ運河うんがなどと比くらべた際さいの国際こくさい競争きょうそう力りょくが高たかまった。特とくに日本にっぽんでは、北米ほくべい東海岸ひがしかいがんで採掘さいくつしたシェールガスを日本にっぽんに輸出ゆしゅつする航路こうろとして運用うんようするため、LNGの輸送ゆそう増大ぞうだいが期待きたいされることで最もっとも恩恵おんけいを受うけるといわれる。

新しんガトゥン閘門（2018年ねん）

輸送ゆそう量りょう

建設けんせつ当時とうじ、この運河うんがを最もっとも利用りようしたのはアメリカ、ついでイギリスであり、その他たの国くにの利用りようはわずかな量りょうにとどまっていた。しかし、1960年代ねんだい以降いこう、日本にっぽんが経済けいざい的てきに台頭たいとうするに伴ともない利用りよう量りょうを急速きゅうそくに拡大かくだいさせ、アメリカに次つぐ第だい2の利用りよう国こくの地位ちいについた。2000年ねんには、パナマ運河うんが利用りよう貨物かもつ総量そうりょうの6割わりがアメリカ、2割わりが日本にっぽん、残のこり2割わりがその他たの国くにの利用りようだった。大西洋たいせいようから太平洋たいへいようへの輸送ゆそう貨物かもつ（南みなみ向むけ貨物かもつ）の第だい1位いはアメリカであり、太平洋たいへいようから大西洋たいせいようへの輸送ゆそう貨物かもつ（北きた向むけ貨物かもつ）の第だい1位いは日本にっぽんであり、この状況じょうきょうは30年ねん以上いじょう続つづいていた。北きた向むけと南みなみ向むけの比率ひりつは4対たい6であり、大西洋たいせいようから太平洋たいへいようへの輸送ゆそう貨物かもつのほうが数量すうりょうの多おおい状態じょうたいが続つづいていた。

その後ご、21世紀せいきに入はいると、中国ちゅうごくはじめ東ひがしアジア・東南とうなんアジア諸国しょこくが経済けいざい的てき成長せいちょうとともに利用りようを急速きゅうそくに拡大かくだいし、2003年ねんには太平洋たいへいようから大西洋たいせいようへの輸送ゆそう貨物かもつにおいては、中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこくが日本にっぽんを抜ぬいて第だい1位いの利用りよう国こくとなった。また、同どう時期じきに南米なんべい西岸せいがん諸国しょこく（チリ、エクアドル、ペルー）の利用りようも急きゅう拡大かくだいし、2003年ねんには太平洋たいへいようから大西洋たいせいようへの輸送ゆそう貨物かもつの2位いがチリ、4位いがエクアドルとなって、日本にっぽんは6位いにまで後退こうたいした。

輸送ゆそう品目ひんもくでは、北きた向むけ貨物かもつは工業こうぎょう製品せいひんが多おおく、南みなみ向むけ貨物かもつは農産物のうさんぶつが圧倒的あっとうてきであった。これは、アメリカのメキシコ湾わん沿岸えんがん（ガルフ）地方ちほうが北きたの穀倉こくそう地帯ちたいであるグレートプレーンズの輸出ゆしゅつ港こうとなっており、東洋とうよう諸国しょこく、特とくに日本にっぽんがこの地域ちいきからトウモロコシや大豆だいず、コムギなど大量たいりょうの農作物のうさくもつを輸入ゆにゅうしていた事情じじょうによる。また、メキシコ湾岸わんがん油田ゆでん産さんのLNGを輸送ゆそうするタンカーも多数たすう通過つうかする。2020年ねん末まつに運河うんがが渋滞じゅうたいした時期じきは、日本にっぽん国内こくないで発電はつでん用ようLNGがひっ迫ぱくして電力でんりょく価格かかくが高騰こうとうしたことがあった。

貨物かもつのルートとしては、南みなみ向むけ貨物かもつはアメリカのメキシコ湾わん沿岸えんがんから日本にっぽん、中国ちゅうごく、韓国かんこくといった東ひがしアジア諸国しょこくへの流ながれが圧倒的あっとうてきに大おおきい。これに対たいし、北きた向むけ貨物かもつで最もっとも大おおきい流ながれはカナダおよびアメリカ西海岸にしかいがんからヨーロッパへの貨物かもつの流ながれである。それに次つぐものが、日本にっぽんおよび中国ちゅうごくからメキシコ湾わん沿岸えんがん・アメリカ東海岸ひがしかいがんへの流ながれであり、次ついで大おおきいのが南米なんべい太平洋たいへいよう岸がん諸国しょこくからアメリカ東海岸ひがしかいがんおよびヨーロッパへのルートである。

周辺しゅうへん経済けいざいへの影響えいきょう

パナマ市しの中心ちゅうしん街がい。パナマ市しは運河うんがによる経済けいざい活動かつどうを基盤きばんとして大都市だいとしとなった

パナマ運河うんがを航行こうこうする船舶せんぱくは膨大ぼうだいな量りょうにのぼり、東西とうざい両りょう洋ようを結むすぶため重要じゅうよう性せいも極きわめて高たかい。この膨大ぼうだいな需要じゅようは、運河うんが周辺しゅうへんに様々さまざまな産業さんぎょうを立地りっちさせることになった。建国けんこくの経緯けいいから言いっても、パナマ共和きょうわ国こくはパナマ運河うんが計画けいかくがあって初はじめて成立せいりつしえた国家こっかであるが、経済けいざい的てきにもその他たの面めんにおいても、パナマ共和きょうわ国こくは運河うんがに多おおくを負おっている。

運河うんがの両りょう端はしに位置いちするパナマ市しとコロン市しにはパナマの経済けいざい活動かつどうの75%が集中しゅうちゅうしており、この両市りょうしの経済けいざい活動かつどうのかなりが運河うんがに直接ちょくせつ関係かんけいしたものや、または運河うんが建設けんせつによる産業さんぎょう基盤きばん整備せいびによって新あらたに生うまれたものである。運河うんがを行いき交かう船ふねへの物資ぶっしの供給きょうきゅうや船舶せんぱくの修理しゅうり用ようのドック、船員せんいんたちへの商品しょうひん・サービスの提供ていきょう、運河うんがの修繕しゅうぜん・維持いじ管理かんりなどは運河うんがに直接ちょくせつ関係かんけいした産業さんぎょうであるが、他ほかにも運河うんがの両りょう端はしに整備せいびされたパナマ市しのバルボア港みなとやコロン市しのマンサニージョ港こうは海運かいうんの拠点きょてんとなっており、なかでもマンサニージョ港こうはラテンアメリカ最大さいだいのコンテナ港こうとなっている。また、交通こうつうの要衝ようしょうであることを利用りようして運河うんがの大西洋たいせいよう側がわに整備せいびされたコロン自由じゆう貿易ぼうえき地区ちくは世界せかい第だい2の規模きぼを誇ほこる自由じゆう貿易ぼうえき地区ちくへと成長せいちょうした。

パナマ運河うんがを構成こうせいするガトゥン湖みずうみやアラフエラ湖こは周辺しゅうへんの豊富ほうふな降雨こううを水源すいげんとしており、水質すいしつは非常ひじょうに良よい。このため、この両りょう湖みずうみの水みずはパナマ市しの上水道じょうすいどうの水源すいげんとして利用りようされており、ガトゥン湖この水みず利用りようの3.2%はパナマ市しの上水道じょうすいどう用ようとなっている。この水みずを利用りようしているため、パナマ市しでは上水道じょうすいどうの水みずはそのまま飲用いんよう可能かのうである。

パナマ運河うんがの周辺しゅうへん地域ちいきは1903年ねんから1999年ねんまでアメリカ施政しせい下かの運河うんが地帯ちたいとなっており、アメリカ政府せいふの手てによって学校がっこうや病院びょういんをはじめ、アメリカ人じんたちが生活せいかつしていくのに十分じゅうぶんな社会しゃかい基盤きばんが整備せいびされた。パナマ運河うんがの返還へんかんによってこれらの施設しせつはパナマ政府せいふに無償むしょうで譲渡じょうとされ、パナマ政府せいふは両りょう洋間ようま地域ちいき庁ちょうを設立せつりつしてこれらの施設しせつや土地とちの開発かいはつを進すすめた。両りょう洋間ようま地域ちいき庁ちょうは移行いこうを完了かんりょうさせて2005年ねんに解散かいさんしたが、この開発かいはつによって運河うんが沿ぞいには研究けんきゅう施設しせつや観光かんこう施設しせつが相次あいついで建設けんせつされ、ガトゥン湖畔こはんには2つのリゾートホテルが建設けんせつされて運河うんがの風景ふうけいと熱帯ねったいの自然しぜんを楽たのしめるようになった。

評価ひょうか

米国べいこく土木どぼく学会がっかいによって、20世紀せいきの10大だいプロジェクトを選えらぶ「Monuments of Millennium」（1000年ねん紀き記念きねん碑ひ）の「水路すいろ交通こうつう」部門ぶもんに選定せんていされた。これは、20世紀せいき最高さいこうの運河うんがと認みとめられたことを意味いみする。

この「Monuments of Millennium」の他ほかの部門ぶもんでは、「鉄道てつどう」部門ぶもんで英仏海峡えいふつかいきょうトンネル、「空港くうこうの設計せっけい・開発かいはつ」部門ぶもんで関西国際空港かんさいこくさいくうこう、「高層こうそうビル」部門ぶもんではエンパイア・ステート・ビルディング、「長大ちょうだい橋きょう」部門ぶもんではゴールデンゲートブリッジなどが選定せんていされている。

関連かんれん文献ぶんけん

• 河合かわい恒生つねお『パナマ運河うんが史し』教育きょういく社しゃ、1980年ねん。doi:10.11501/12179478。 
• 山口やまぐち広次ひろつぐ『パナマ運河うんが その水みずに影かげを映うつした人ひとびと』（中公新書ちゅうこうしんしょ、1980年ねん）
• デーヴィッド・マカルー『海うみと海うみをつなぐ道みち─パナマ運河うんが建設けんせつ史し』（全ぜん3巻かん、鈴木すずき主税ちから訳わけ、フジ出版しゅっぱん社しゃ、1986年ねん）
• デイヴィッド・ハワース『パナマ地峡ちきょう秘史ひし─夢ゆめと残虐ざんぎゃくの四よん百ひゃく年ねん』（塩しお野崎のさき宏ひろし訳やく、リブロポート、1994年ねん）
• 小林こばやし志郎しろう『パナマ運河うんが 百ひゃく年ねんの攻防こうぼうと第だい二に運河うんが構想こうそうの検証けんしょう』（近代きんだい文芸ぶんげい社しゃ 2000年ねん）
• 国本くにもと伊代いよ・小林こばやし志郎しろう・小沢おざわ卓也たくや『パナマを知しるための55章しょう』（明石書店あかししょてんエリア・スタディーズ、2004年ねん）
• 小林こばやし志郎しろう『パナマ運河うんが拡張かくちょうメガプロジェクト 世界せかい貿易ぼうえきへのインパクトと第だい三さん閘門運河うんが案あんの徹底てってい検証けんしょう』（文ぶん真堂しんどう、2007年ねん）※著者ちょしゃはパナマ運河うんがの研究けんきゅう家か
• 山本やまもと厚子あつこ『パナマ運河うんが　百ひゃく年ねんの攻防こうぼう 1904年ねん建設けんせつから返還へんかんまで』（藤原ふじわら書店しょてん、2011年ねん）
• ファーンハム&ジョセッフ・ビショップ『パナマ運河うんが』（早坂はやさか二郎じろう譯やく、栗田くりた書店しょてん、1941年ねん）。以下いかは資料しりょう古書こしょ
• 天野あまの芳太郎よしたろう『パナマ及およびパナマ運河うんが』（朝日新聞社あさひしんぶんしゃ、1943年ねん）

関連かんれん項目こうもく

• パナマックス
• パナマ運河うんが地帯ちたい総督そうとく・長官ちょうかんの一覧いちらん
• パナマの歴史れきし
• ニカラグア運河うんが
• アメリカ橋きょう
• アメリカ本土ほんど空襲くうしゅう
• 伊い四よん〇〇型がた潜水せんすい艦かん
• パナマ地峡ちきょう鉄道てつどう
• メガプロジェクト
• パナマ運河うんが疑獄ぎごく - F・レセップス失脚しっきゃく
• 青山あおやま士し - 日本人にっぽんじん唯一ゆいいつの建設けんせつ参加さんか者しゃ
• パナマ・ホテル - 同どう運河うんがにちなんで名付なづけられた、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくの日系にっけいホテル
• チョークポイント

外部がいぶリンク

• パナマ運河うんが庁ちょう（スペイン語ご）（英語えいご）
• パナマ運河うんが地帯ちたい - ウェイバックマシン（2005年ねん3月がつ26日にちアーカイブ分ぶん）
• Live webcams Panama Canal
• Experience Panama - Megastructures Panama Canal by National Geographic
• 『パナマ運河うんが』 - コトバンク