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パーシヴァル

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パーシヴァルきょうえい: Sir Percival / Perceval) はアーサーおう伝説でんせつ登場とうじょうする円卓えんたく騎士きし一人ひとりひじりはい探索たんさく関連かんれんもっと有名ゆうめい人物じんぶつ一人ひとりおおくのくになが時代じだいわたかたがれたため、言語げんご作品さくひんによってパーシヴァル、パースヴァル(以上いじょう英語えいご)ペルスヴァル、ペルレスヴォー(以上いじょうフランス語ふらんすご)、パルジファル、パルツィファル、パルツィヴァール、パルチヴァール(以上いじょうドイツ)など様々さまざまかたがある[1]。ペルスヴァル(Perceval)の語源ごげんとしては、 perce(つらぬく)+val(たに)、すなわち「たにけるもの」が有力ゆうりょくである[2]。ウェールズにつたわる伝説でんせつ英雄えいゆうペレドゥル英語えいごばん原型げんけいなす見方みかたがある[3]

物語ものがたりはんによりパーシヴァルの出生しゅっしょうには様々さまざま設定せっていがあるが、ほとんどの場合ばあい高貴こうき出生しゅっしょうで、ちちペリノアおうマロリーアーサーおう』)あるいはガハムレト[4]という設定せっていはは名前なまえてこない場合ばあいもあるが、物語ものがたりにおいて重要じゅうよう役割やくわりになう。また家族かぞく一族いちぞくとして様々さまざま人物じんぶつ登場とうじょうする。かれあね無名むめいであったり物語ものがたりによりディンドランともばれ、きよしはい捧持ほうじやくにな場合ばあいもある。

かれがペリノアの息子むすこはなしではトーきょうアグロヴァルきょうラモラックきょう、ダーナーきょうという兄弟きょうだい登場とうじょうする。 また、息子むすこ白鳥はくちょう騎士きしローエングリン登場とうじょうする場合ばあいヴォルフラム・フォン・エッシェンバッハ『パルチヴァール』巻末かんまつに「ロヘラングリーン」ので)もある。

パーシヴァルの物語ものがたり概要がいよう

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14世紀せいき写本しゃほん挿絵さしええがかれたペルスヴァル(パーシヴァル)

パーシヴァルの物語ものがたりにおいて、フランス語ふらんすごばんさい重要じゅうよう作品さくひんクレティアン・ド・トロワさくペルスヴァルまたはひじりはい物語ものがたり』、ドイツばんではヴォルフラム・フォン・エッシェンバッハさく『パルチヴァール』、そして、英語えいごばんではトマス・マロリー『アーサーおう』である。

はんにより写本しゃほんによりその粗筋あらすじことなるが、トマス・マロリー『アーサーおう』に沿いつつ物語ものがたり概要がいようしるすと以下いかのようになる。

ちち死後しごウェールズもりなかで、ははもとに、騎士きし社会しゃかいとは無関係むかんけいそだつが、そこで騎士きしたちと出会であうことになる。

かれはそこで騎士きしあこがれ、騎士きしになるべくアーサーおうしたかう。そして、かれみずからを素晴すばらしい騎士きしであると証明しょうめいでき、アーサーに騎士きし爵をさづけられると円卓えんたく騎士きし会合かいごうさそわれ参加さんかし、それによりパーシヴァルは円卓えんたく騎士きし一員いちいんとなることとなった。

かれはそのきよしはい探索たんさくおもむき、一度いちど失敗しっぱいするが、最後さいごにはガラハッドきょうともきよしはい探索たんさく成功せいこうさせたさんにん騎士きしのうちの一人ひとりとなる。

注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ てんさわ退二郎たいじろう責任せきにん編集へんしゅう週刊しゅうかん朝日あさひ百科ひゃっか 世界せかい文学ぶんがく56 ヨーロッパ I―6 アーサーおう伝説でんせつ、トリスタン物語ものがたりほか―神話しんわもりから』朝日新聞社あさひしんぶんしゃ 2000.8.13。p.163
  2. ^ Joachim Heinzle: Wolfram von Eschenbach. Dichter der ritterlichen Welt. Leben, Werke, Nachruhm. Schwabe, Basel 2019. (ISBN 978-3-7965-3955-8; ISBN eBOOK (PDF) 978-3-7965-4009-7) S. 149では「たにけよ」(Durchdringe das Tal)。 一方いっぽう、フィリップ・ヴァルテール『アーサーおう神話しんわだい事典じてん』(渡邉わたなべ浩司こうじ渡邉わたなべ裕美子ゆみこやく)、はら書房しょぼう、2018ねんISBN 978-4-562-05446-6)335-337ぺーじによれば、「たに見抜みぬもの」。
  3. ^ マルカル, ジョン『ケルト文化ぶんか事典じてん金光かねみつ仁三郎じんざぶろう渡邉わたなべ浩司こうじわけ大修館書店たいしゅうかんしょてん、2001ねん。(ISBN 4469012726)137ぺーじ
  4. ^ ヴォルフラム・フォン・エッシェンバッハ『パルチヴァール』では、主人公しゅじんこうちちガハムレトは、のち主人公しゅじんこうむヘルツェロイデと結婚けっこんするまえに、黒人こくじん女王じょおうベラカーネと結婚けっこんし、フェイレフィースと命名めいめいされる息子むすこもうけている。作品さくひん後半こうはんで、異母いぼ兄弟きょうだいのフェイレフィースとパルチヴァールはいになり、二人ふたりそろってひじりはいじょうおもむく。

参考さんこう文献ぶんけん

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  • マルカル, ジョン しる金光かねみつ仁三郎じんざぶろう渡邉わたなべ浩司こうじ わけ『ケルト文化ぶんか事典じてん大修館書店たいしゅうかんしょてん、2001ねんISBN 4469012726 

関連かんれん書籍しょせき

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  • クレチアン・ド・トロワ「ペルスヴァルまたはひじりはい物語ものがたり」(てんさわ退二郎たいじろうわけ):新倉にいくら俊一しゅんいち神沢かみさわ栄三えいざてんさわ退二郎たいじろうわけ『フランス中世ちゅうせい文学ぶんがくしゅう 2 ―あいけんと―』 白水しろみずしゃ、 1991ねん、(ISBN 4-560-04601-8)141-323ぺーじ
  • ヴォルフラム・フォン・エッシェンバハ『パルチヴァール』(加倉井かくらい粛之・伊東いとう泰治やすじ馬場ばば勝弥かつや小栗おぐり友一ともかずやく) いくぶんどう 1974ねんISBN 4-261-07118-5改訂かいていだい5さつ 1998ねん
  • 厨川くりやがわ文夫ふみお厨川くりやがわ圭子けいこやく「アーサーの(マロリー)」:訳者やくしゃ代表だいひょう 厨川くりやがわ文夫ふみお世界せかい文学ぶんがく大系たいけい66 中世ちゅうせい文学ぶんがくしゅう ★★』筑摩書房ちくましょぼう 1966ねん、 269-416ぺーじ
  • 渡邉わたなべ浩司こうじ「ペルスヴァルにさづけられたけん刀鍛冶かたなかじトレビュシェットのなぞ-クレチアン・ド・トロワ『きよしはい物語ものがたり再読さいどく」、『ぞく けんあいと-中世ちゅうせいロマニアの文学ぶんがく中央大学ちゅうおうだいがく出版しゅっぱん、2006ねん、169-217ぺーじ
  • 中野なかの節子せつこ 『マビノギオン―中世ちゅうせいウェールズ幻想げんそう物語ものがたりしゅう』 JULA出版しゅっぱんきょく、2000ねんISBN 978-4882841937
  • てんさわ退二郎たいじろう責任せきにん編集へんしゅう週刊しゅうかん朝日あさひ百科ひゃっか 世界せかい文学ぶんがく56 ヨーロッパ I―6 アーサーおう伝説でんせつ、トリスタン物語ものがたりほか―神話しんわもりから』朝日新聞社あさひしんぶんしゃ 2000.8.13。
  • 井村いむら君江きみえ『アーサーおうロマンス』筑摩書房ちくましょぼう (ちくま文庫ぶんこ) 1992ねん、(ISBN 4-480-02611-8)197-210ぺーじ

関連かんれん項目こうもく

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