(Translated by https://www.hiragana.jp/)
フェオフィチン - Wikipedia コンテンツにスキップ

フェオフィチン

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
フェオフィチン
{{{画像alt1}}}
フェオフィチン a
識別しきべつ情報じょうほう
CAS登録とうろく番号ばんごう 603-17-8 (a), 3147-18-0 (b)
KEGG C05797 (a)
ChEBI
特性とくせい
化学かがくしき
  • C55H74N4O5 (a)
  • C55H72N4O6 (b)
外観がいかん 褐色かっしょく
特記とっきなき場合ばあい、データは常温じょうおん (25 °C)・つねあつ (100 kPa) におけるものである。

フェオフィチン(Pheophytin)は、クロロフィル分子ぶんしからマグネシウムイオンがとれて水素すいそ原子げんし2つとわったもの[1]総称そうしょうである。

概要がいよう

[編集へんしゅう]

クロロフィルが酸性さんせいかれるなどしてマグネシウムが脱落だつらくすると、わりに水素すいそ原子げんし結合けつごうすることられており、これをフェオフィチンぶ。クロロフィルa がフェオフィチンしたものをフェオフィチンa、バクテリオクロロフィルaがフェオフィチンしたものをバクテリオフェオフィチンaぶが、同様どうよう天然てんねん発見はっけんされている(バクテリオ)クロロフィルがフェオフィチンしたものの呼称こしょうは、名称めいしょうの「クロロフィル」部分ぶぶんを「フェオフィチン」に変更へんこうしたものとなっている。一般いっぱんてきにはクロロフィルの分解ぶんかい産物さんぶつとして理解りかいされているが、光化学こうかがく反応はんのう中心ちゅうしんないもしくはさん電子でんし受容じゅようたいとしても存在そんざいすることがられている。

クロロフィルの分解ぶんかい

[編集へんしゅう]

フェオフィチンは、植物しょくぶつプランクトンんだり捕食ほしょくされたりして、分解ぶんかいされるさいこる。一方いっぽう落葉らくようなど生体せいたいないにおけるプログラムされたクロロフィル分解ぶんかいさいにはフェオフィチンこらず、したがってフェオフィチンを経由けいゆすることはい。この場合ばあいクロロフィルは、クロロフィラーゼ英語えいごばんによる分解ぶんかいちょうくさりアルコール(フィトールなど)が除去じょきょされクロロフィリド[1](クロロホフィライド、Chlorophyllide)となったのち、Mg-デケラターゼが触媒しょくばいとなってマグネシウムの除去じょきょおこなわれ[2]フェオフォルビド(フェオホルバイド、Pheophorbide)へと分解ぶんかいされる[1]さらなる分解ぶんかいは、複数ふくすう酵素こうそによって連鎖れんさてきおこなわれるとかんがえられている。

ひかり吸収きゅうしゅう

[編集へんしゅう]

フェオフィチンは褐色かっしょくちか色合いろあいとしてえる。これは、マグネシウムが脱落だつらく水素すいそ原子げんし2つと置換ちかんしたことに由来ゆらいする。

いわゆるポルフィリンたまき由来ゆらいするひかり吸収きゅうしゅうは、たん波長はちょうがわ(Bバンド、ソーレーたい)と長波ちょうはちょうがわ(Qバンド)にけて解釈かいしゃくがされる。クロロフィルとそれに由来ゆらいするフェオフィチンではたん波長はちょうがわ吸収きゅうしゅうにはほとんど変化へんかいが、長波ちょうはちょうがわ吸収きゅうしゅうおおきな変化へんかこす。長波ちょうはちょうがわ吸収きゅうしゅうは、フェオフィチンでは4ほん程度ていど比較的ひかくてきよわ吸収きゅうしゅう極大きょくだい存在そんざいするが、クロロフィルでは1-2ほんえる非常ひじょうつよ吸収きゅうしゅう極大きょくだい存在そんざいする。フェオフィチンにおいて長波ちょうはちょうがわ吸収きゅうしゅうが、複数ふくすうよわいものになっているのは、中心ちゅうしん結合けつごうしているのがふたつの水素すいそ原子げんしであるため、吸収きゅうしゅう関与かんよできる状態じょうたい複数ふくすう存在そんざいするためであるとかんがえられている。クロロフィルにおいて長波ちょうはちょうがわ吸収きゅうしゅうかずつよくなっているのは、中心ちゅうしん金属きんぞくイオンがはいくらいすることにより、中心ちゅうしん付近ふきん電子でんし状態じょうたい制限せいげんされひかり吸収きゅうしゅう関与かんよできる状態じょうたい限定げんていされるためであるとかんがえられている。

脚注きゃくちゅう

[編集へんしゅう]
  1. ^ a b c 日本にっぽんりくすい学会がっかい (2006-03-31). りくすい事典じてん クロロフィル分解ぶんかいぶつ. 講談社こうだんしゃ. pp. 122-123. ISBN 4-06-155221-X 
  2. ^ 野菜やさい研究けんきゅう部門ぶもん:クロロフィル”. www.naro.affrc.go.jp. のうけん機構きこう. 2020ねん5がつ9にち閲覧えつらん

関連かんれん項目こうもく

[編集へんしゅう]