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レスポンシブウェブデザイン

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
レスポンシブデザインから転送てんそう
アプリのレイアウトが画面がめんのサイズによってわる
コンテンツはみずのごとしは、レスポンシブウェブデザインの原則げんそく説明せつめいした格言かくげん

レスポンシブウェブデザイン (えい: responsive web design、 RWD) はウェブデザイン手法しゅほうのひとつで、デスクトップばんのウェブページを閲覧えつらんしゃ画面がめんサイズまたはウェブブラウザおうじて表示ひょうじできるようにする。くわえて、1つのウェブサイトで多様たようなデバイスを同様どうようにサポートすることも、そのタスクにふくまれるてん理解りかいしておくことが重要じゅうようである。また、最近さいきんみでは、閲覧えつらんコンテキスト一部いちぶとして閲覧えつらんしゃの「ちかさ」をRWDの延長えんちょう部分ぶぶんなしている[1]。ニールセン・ノーマン・グループは、「コンテンツ、デザインそしてパフォーマンスは、すべてのデバイスでユーザビリティ満足まんぞく確保かくほするために必要ひつようである」とべた[2][3][4][5]

RWDでデザインしたサイト[2][6]は、比率ひりつベースのフルードグリッド英語えいご[7][8][9][8]、フレキシブルイメージ[10][11][12] @mediaルールの拡張かくちょうであるCSS3メディアクエリ[4][13][14]以下いかのように使用しようすることで、レイアウトを表示ひょうじ環境かんきょう適応てきおうさせる[15]

  • フルードグリッドは、ページ要素ようそピクセルポイントひとし絶対ぜったい単位たんいではなく、百分率ひゃくぶんりつひとし相対そうたい単位たんい使用しようする[8]
  • 可変かへんサイズの画像がぞうもコンテナ要素ようそそとにはみさないように、相対そうたい単位たんい使用しようして表示ひょうじする[10]
  • メディアクエリにより、サイトを表示ひょうじしているデバイスの特徴とくちょう (ブラウザのはばもっと一般いっぱんてき) にもとづいて、ページにことなるCSSスタイルを使用しようできる。

いまやモバイルトラフィックがインターネットトラフィック全体ぜんたい半分はんぶん以上いじょうめるため、RWDはますます重要じゅうようになっている[16]。そのためGoogleは2015ねんモバイルゲドン発表はっぴょうし、モバイル機器ききから検索けんさくした場合ばあい、モバイル機器ききやさしいサイトの評価ひょうかはじめた[17]。これには、モバイル機器ききやさしくないサイトが最終さいしゅうてき不利ふりになる効果こうかがある[17]。RWDは、ユーザーインターフェースプラスティシティいちれいである[18]

関連かんれん概念がいねん

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モバイルファースト、ひかえめなJavaScriptプログレッシブな拡張かくちょう英語えいご

いずれもRWDに先立さきだ関連かんれん概念がいねんである[よう出典しゅってん]基本きほんてき携帯けいたい電話でんわのブラウザは、JavaScriptやメディアクエリを理解りかいしない。そのため推奨すいしょうされる方法ほうほうは、グレイスフル・デグラデーション英語えいご依存いぞんして複雑ふくざつ画像がぞう多用たようしたサイトを携帯けいたい電話でんわ動作どうささせるのではなく、基本きほんのウェブサイトを制作せいさくしてからスマートフォンやパソコンよう拡張かくちょうすることである[19][20][21][22]

ブラウザ、デバイス、モバイル機器きき推定すいていもとづくプログレッシブな拡張かくちょう

ウェブサイトでJavaScript対応たいおう基本きほんてきなモバイル機器ききのサポートが必須ひっす場合ばあいブラウザ (ユーザーエージェント) 判定はんてい (別称べっしょう「ブラウザ・スニッフィング」英語えいご) とモバイル機器きき判定はんてい英語えいご[20][23] の2つの方法ほうほうにより、(プログレッシブな拡張かくちょう基礎きそとして) HTMLやCSSの特定とくてい機能きのうがサポートされているかどうか推定すいていされる。ただし、こうした方法ほうほう信頼しんらいせいはデバイス能力のうりょくデータベースを併用へいようしないかぎ完全かんぜんではない。

より高機能こうきのう携帯けいたい電話でんわやパソコンにたいしては、Modernizr英語えいごばんjQueryjQuery MobileといったJavaScriptフレームワーク英語えいご使用しようして、ブラウザがHTMLやCSSの機能きのうをサポートしているかを直接ちょくせつ調しらべる (あるいはデバイスやユーザーエージェントを判定はんていする) 方法ほうほう一般いっぱんてきである。ポリフィル英語えいごばん使用しようして追加ついか機能きのうをサポートすることもでき—たとえばRWDに必要ひつようメディアクエリのサポート、Internet ExplorerでのHTML5サポートの改善かいぜんといったことが可能かのうである。

機能きのう判定はんてい英語えいご信頼しんらいせい完全かんぜんではない可能かのうせいがある。判定はんてい項目こうもくによっては、ある機能きのう実装じっそうされていないか、もしくは利用りよう可能かのうであると報告ほうこくされながら実装じっそう実質じっしつてき利用りよう不可能ふかのうなほど不十分ふじゅうぶんである場合ばあいもあり[24][25]

課題かだいとそののアプローチ

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ルーク・ウロブルスキーは、RWDとモバイル設計せっけい課題かだい一部いちぶ要約ようやくし、マルチデバイスのレイアウトパターンのカタログを作成さくせいした[26][27][28]。ウロブルスキーによると、単純たんじゅんなRWDによるアプローチとくらべて、デバイスエクスペリエンスやRESS (REsponsive web design with Server-Side components, サーバサイドコンポーネントを使用しようしたレスポンシブウェブデザイン) によるアプローチは、モバイル機器ききにさらに最適さいてきされた体験たいけんをユーザに提供ていきょうできるという[29][30][31]。SassやIncentivatedのMMLといったサーバサイドのダイナミックCSS実装じっそうは、使つか勝手がって向上こうじょうのためデバイス能力のうりょくデータベースと連動れんどうしてデバイス (一般いっぱんてきには携帯けいたい電話でんわ) の差異さい処理しょりするサーバベースのAPIにアクセスすることで、こうしたアプローチの不可欠ふかけつ要素ようそとなり[32]。RESSは開発かいはつがさらに高価こうかで、たんなるクライアントサイドのロジック以上いじょう費用ひよう必要ひつようとなり、そのためより予算よさんおおきい組織そしき使用しようかぎられる傾向けいこうにある。Googleは、スマートフォンのウェブサイトにたいしてのアプローチよりレスポンシブウェブデザインを推奨すいしょうしている[33]

おおくのサイト運営うんえいしゃがレスポンシブデザインを実装じっそうはじめたが、RWDにとって現在げんざい課題かだいは、一部いちぶバナー広告こうこくやビデオがフルードではないことである[34]。ただし、検索けんさく連動れんどうがた広告こうこくやディスプレイ広告こうこくは、特定とくていのデバイスプラットフォームターゲットと、デスクトップ、スマートフォン、基本きほんてきなモバイル機器ききよう様々さまざま広告こうこくサイズのフォーマットをサポートしている。ことなるプラットフォームにはことなるランディングページURLが使用しようできるが[35]、あるいはAjax使用しようして1つのページじょう様々さまざまなプラットフォームよう広告こうこく表示ひょうじできる[23][27][36]。CSSテーブルにより、固定こていとフルードのハイブリッドレイアウトが実現じつげん可能かのうとなる[37]

現在げんざいRWDデザインをバリデーションし、テストする方法ほうほうおおくあり[38]、モバイルサイトバリデータとモバイルエミュレータ[39]からAdobe Edge Inspectのような同期どうきがたテストツールまで存在そんざいする[40]。Chrome、FirefoxとSafariのかくブラウザとChromeコンソールは、レスポンシブデザインのビューポートリサイズツールを提供ていきょうしている (サードパーティも提供ていきょうしている)。[41][42]

歴史れきし

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ブラウザのビューポートはば適応てきおうするレイアウトを特色とくしょくとした最初さいしょのサイトは、2001ねん後半こうはんにローンチしたAudi.comで[43]、レイザーフィッシュしゃのユルゲン・シュパングル、ジム・カルバッハ (インフォメーションアーキテクチャ)、ケン・オリング (デザイン)、ヤン・ホフマン (インターフェース開発かいはつ) からるチームが作成さくせいした。ブラウザの能力のうりょくかぎられていたので、Internet Explorerではレイアウトがブラウザない動的どうてき適応てきおうできたが、Netscapeではリサイズにページをサーバからさいみしなければならなかった。

キャメロン・アダムスは2004ねんにデモを作成さくせいした (現在げんざい閲覧えつらん可能かのう)[44]。2008ねんには「フレキシブル」、「リキッド」[45]、「フルード」、「エラスティック」といったおおくの関連かんれん用語ようごがレイアウトを説明せつめいするのに使用しようされていた。CSS3メディアクエリは、2008ねん後半こうはんと2009ねん前半ぜんはんのプライムタイムにほぼった[46]。イーサン・マルコッテは、A List Apartの2010ねん5がつ記事きじ[2]、レスポンシブウェブデザイン (Responsive Web Design, RWD) という造語ぞうご (フルードグリッド、フレキシブルイメージ、メディアクエリを意味いみすると定義ていぎ) をあたらしく提唱ていしょうした[47]。マルコッテは、2011ねんにレスポンシブウェブデザインの理論りろん実践じっせんを『Responsive Web Design』というだいみじかほん説明せつめいした。レスポンシブデザインは、『.net』の「Top Design Trends for 2012」で、だい1のプログレッシブエンハンスメントにつづき、だい2にランクインした[48]

Mashableは、2013ねんをレスポンシブウェブデザインのとしんだ[49]おおくのメディアは、モバイルアプリケーションの費用ひよう効果こうかたか代替だいたいあんとしてレスポンシブデザインを推奨すいしょうしている。

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ Tafreshi, Amir E. Sarabadani; Marbach, Kim; Norrie, Moira C. (5 June 2017). “Proximity-Based Adaptation of Web Content on Public Displays” (英語えいご). International Conference on Web Engineering (ICWE):Web Engineering (Springer, Cham): 282–301. doi:10.1007/978-3-319-60131-1_16. https://link.springer.com/chapter/10.1007/978-3-319-60131-1_16. 
  2. ^ a b c Marcotte, Ethan (May 25, 2010). “Responsive Web design”. A List Apart. 2017ねん7がつ27にち閲覧えつらん
  3. ^ Ethan Marcotte's 20 favourite responsive sites”. .net magazine (October 11, 2011). 2017ねん7がつ27にち閲覧えつらん
  4. ^ a b Gillenwater, Zoe Mickley (December 15, 2010). “Examples of flexible layouts with CSS3 media queries”. pp. 320. 2015ねん11月5にち閲覧えつらん
  5. ^ Schade, Amy (2017ねん3がつ2にち). “Responsive Web Design (RWD) and User Experience”. www.nngroup.com. Nielson Norman Group. 2017ねん7がつ27にち閲覧えつらん
  6. ^ Pettit, Nick (August 8, 2012). “Beginner’s Guide to Responsive Web Design”. TeamTreehouse.com blog. 2015ねん11月5にち閲覧えつらん
  7. ^ Core concepts of Responsive Web design” (September 8, 2014). 2015ねん11月5にち閲覧えつらん
  8. ^ a b c Marcotte, Ethan (March 3, 2009). “Fluid Grids”. A List Apart. 2015ねん11月5にち閲覧えつらん
  9. ^ Core concepts of Responsive Web design” (September 8, 2014). 2015ねん11月5にち閲覧えつらん
  10. ^ a b Marcotte, Ethan (June 7, 2011). “Fluid images”. A List Apart. 2015ねん11月5にち閲覧えつらん
  11. ^ Hannemann, Anselm (September 7, 2012). “The road to responsive images”. net Magazine. 2015ねん11月5にち閲覧えつらん
  12. ^ Jacobs, Denise (April 24, 2012). “50 fantastic tools for responsive web design”. .net Magazine. 2015ねん11月5にち閲覧えつらん
  13. ^ Gillenwater, Zoe Mickley (October 21, 2011). “Crafting quality media queries”. 2015ねん11月5にち閲覧えつらん
  14. ^ Responsive design—harnessing the power of media queries”. Google Webmaster Central (April 30, 2012). 2015ねん11月5にち閲覧えつらん
  15. ^ W3C @media rule
  16. ^ Cisco Visual Networking Index: Global Mobile Data Traffic Forecast Update 2014–2019 White Paper”. Cisco (January 30, 2015). August 4, 2015閲覧えつらん
  17. ^ a b Official Google Webmaster Central Blog: Rolling out the mobile-friendly update”. Official Google Webmaster Central Blog. August 4, 2015閲覧えつらん
  18. ^ Thevenin, D.; Coutaz, J. (2002). "Plasticity of User Interfaces: Framework and Research Agenda". Proc. Interact'99, A. Sasse & C. Johnson Eds, IFIP IOS Press. Edinburgh. pp. 110–117.
  19. ^ Wroblewski, Luke (November 3, 2009). “Mobile First”. 2015ねん11月5にち閲覧えつらん
  20. ^ a b Firtman, Maximiliano (July 30, 2010). Programming the Mobile Web. p. 512. ISBN 978-0-596-80778-8. http://www.mobilexweb.com/book 
  21. ^ Graceful degradation versus progressive enhancement” (February 3, 2009). 2015ねん11月5にち閲覧えつらん
  22. ^ Designing with Progressive Enhancement. (March 1, 2010). pp. 456. ISBN 978-0-321-65888-3. http://filamentgroup.com/dwpe/ 
  23. ^ a b Server-Side Device Detection: History, Benefits And How-To”. Smashing magazine (September 24, 2012). 2015ねん11月5にち閲覧えつらん
  24. ^ BlackBerry Torch: The HTML5 Developer Scorecard | Blog”. Sencha (August 18, 2010). September 11, 2012閲覧えつらん
  25. ^ Motorola Xoom: The HTML5 Developer Scorecard | Blog”. Sencha (February 24, 2011). September 11, 2012閲覧えつらん
  26. ^ Wroblewski, Luke (2011ねん5がつ17にち). Mobilism: jQuery Mobile
  27. ^ a b Wroblewski, Luke (2012ねん2がつ6にち). Rolling Up Our Responsive Sleeves
  28. ^ Wroblewski, Luke (2012ねん3がつ14にち). Multi-Device Layout Patterns
  29. ^ Wroblewski, Luke (2012ねん2がつ29にち). Responsive Design ... or RESS
  30. ^ Wroblewski, Luke (2011ねん9がつ12にち). RESS: Responsive Design + Server Side Components
  31. ^ Andersen, Anders (May 9, 2012). Getting Started with RESS
  32. ^ "Responsive but not completely mobile optimised | Blog". Incentivated.
  33. ^ "Building Smartphone-Optimized Websites". Google.
  34. ^ "Google:The Evolution of Responsive Websites".
  35. ^ Snyder, Matthew; Koren, Etai. The state of responsive advertising: the publishers' perspective”. .net Magazine (April 30, 2012). 2020ねん8がつ11にち閲覧えつらん
  36. ^ Google Partners Help”. google.com. May 21, 2015閲覧えつらん
  37. ^ JavaScript and Responsive Web Design Google Developers
  38. ^ The Role of Table Layouts in Responsive Web Design”. Web Design Tuts+. May 21, 2015閲覧えつらん
  39. ^ Young, James (2012ねん8がつ13にち). Top responsive web design problems... testing. .net Magazine.
  40. ^ Best mobile emulators and RWD testing tools. The Mobile Web Design Blog. (November 26, 2011)
  41. ^ Rinaldi, Brian (2012ねん9がつ26にち).Browser testing... with Adobe Edge Inspect.
  42. ^ Responsive Design View”. Mozilla Developer Network. May 21, 2015閲覧えつらん
  43. ^ Malte Wassermann. “Responsive design testing tool – Viewport Resizer – Emulate various screen resolutions - Best developer device testing toolbar”. maltewassermann.com. May 21, 2015閲覧えつらん
  44. ^ Kalbach, Jim (July 22, 2012). "The First Responsive Design Website: Audi (circa 2002)." [自主じしゅ公表こうひょう?]
  45. ^ Adams, Cameron (September 21, 2004). Resolution dependent layout: Varying layout according to browser width. The Man in Blue.
  46. ^ G146: Using liquid layout”. w3.org. May 21, 2015閲覧えつらん
  47. ^ Media Queries”. w3.org. May 21, 2015閲覧えつらん
  48. ^ 15 top web design and development trends for 2012. .net magazine. January 9, 2012
  49. ^ Cashmore, Pete (2012ねん12月11にち). Why 2013 Is the Year of Responsive Web Design

関連かんれん項目こうもく

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