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ヴァンガード1ごう

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ヴァンガード1ごう
所属しょぞく アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく海軍かいぐん
しゅ製造せいぞう業者ぎょうしゃ アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく海軍かいぐん研究所けんきゅうじょ (NRL)
任務にんむ 地球ちきゅう科学かがく
周回しゅうかい対象たいしょう 地球ちきゅう
周回しゅうかいすう 2010ねん4がつ1にちで204,000かい
打上うちあ日時にちじ 1958ねん3月17にち 12:15:41 UTC
打上うちあ ヴァンガード
任務にんむ期間きかん 1964ねん5がつ ~2,200 にち
軌道きどう減衰げんすい 240ねん
COSPAR ID 1958-002B
公式こうしきサイト NSSDC Master Catalog
質量しつりょう 1.47kg
軌道きどう要素ようそ
軌道きどうちょう半径はんけい 8689.7km
はなれしんりつ 0.1909
軌道きどう傾斜けいしゃかく 34.25°
とおてん高度こうど 3969km
きんてん高度こうど 654km
軌道きどう周期しゅうき 134.2 ふん
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ヴァンガード1ごうID: 1958-Beta 2[1])はアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくが1958ねんげた人工じんこう衛星えいせい世界せかいで4衛星えいせいであり、太陽たいよう電池でんちパネル利用りようしたものとしては最初さいしょ衛星えいせいである[2]。また、1964ねん通信つうしん途絶とぜつまで交信こうしんつづき、2013ねん3がつ現在げんざい軌道きどう維持いじしており、人類じんるい宇宙うちゅうげ、軌道きどうじょうのこっているものでは最古さいこものとなっている。ヴァンガード計画けいかくの3だんげロケットの能力のうりょく衛星えいせいたいする宇宙うちゅう環境かんきょう影響えいきょう地球ちきゅう周回しゅうかい軌道きどうじょうでの効果こうかとう試験しけんのために設計せっけいされた。また、ヴァンガード1ごう軌道きどう解析かいせきすることで、地球ちきゅう完全かんぜん回転かいてん楕円だえんたいではなく、南北なんぼく非対称ひたいしょう形状けいじょうをしていることなどもあきらかになった。

設計せっけい

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ヴァンガード1ごうアルミニウムせい球形きゅうけいをしておりおもさは1.47kg、直径ちょっけいは165mm。水銀すいぎん電池でんち電力でんりょく稼動かどうする10mW、108MHzの送信そうしんと、衛星えいせい本体ほんたい搭載とうさいされた6セルの太陽光たいようこうパネルで稼動かどうする5mW、108.08MHz[3]送信そうしんがある。6ほんみじかいアンテナが本体ほんたいからしている。送信そうしん衛星えいせい内部ないぶデータのモニタリングなどのエンジニアリング目的もくてきや、その軌道きどう位置いち測定そくていなどをおも目的もくてきとして搭載とうさいされたが、そのほかに衛星えいせい-地上ちじょうきょくあいだ電離でんりけんぜん電子でんしすう英語えいごばん測定そくていにも使つかわれた。内部ないぶサーミスタんでおり、断熱だんねつ効力こうりょく確認かくにんするために内部ないぶ温度おんどを16日間にちかんにわたって測定そくていした。バックアップようのヴァンガード1ごうカンザスコスモスフィア・宇宙うちゅうセンター英語えいごばん展示てんじされている。

この実験じっけんげのまえだい規模きぼ計画けいかくされた。最初さいしょアメリカ海軍かいぐん研究所けんきゅうじょ英語えいごばん円錐えんすいじょう外観がいかん衛星えいせい提案ていあんした。この提案ていあんはフェアリング分離ぶんり排出はいしゅつメカニズム、それらに関連かんれんするおもさと破損はそんモデルの要求ようきゅうからふるいとされた、また衛星えいせいから発信はっしんされる電波でんぱうことで、その軌道きどう測定そくていしたいとかんがえられた。計画けいかく初期しょきにはベーカー=ナン カメラ人間にんげん監視かんし英語えいごばんによる光学こうがく追跡ついせきくわえられた。科学かがくしゃ研究けんきゅうはん外観がいかん球体きゅうたいえることを提案ていあんし、最低さいてい20インチ、ねがいわくば30インチの直径ちょっけいもとめられた。球体きゅうたいおおきさだけに比例ひれいする一定いっていひかり反射はんしゃ一定いってい抵抗ていこう係数けいすうち、円錐えんすいはその方向ほうこうによって様々さまざま特徴とくちょうっていた。アイオワ大学だいがくジェームズ・ヴァン・アレン円筒えんとうがた衛星えいせい提案ていあんし、これはエクスプローラー1ごうとなっている。海軍かいぐん研究所けんきゅうじょ最終さいしゅうてき直径ちょっけい6.4インチの球形きゅうけいの「テスト」に合意ごういし、つぎ衛星えいせい直径ちょっけい20インチのものしめされた。サイズの縮小しゅくしょう初期しょき衛星えいせいでは器具きぐ減少げんしょうであったが、これによる重量じゅうりょう最小さいしょう可能かのうであるとかんがえられた。

任務にんむ

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ヴァンガードの3だん周期しゅうき134.2ふん軌道きどう傾斜けいしゃかく34.25°、高度こうど654×3969kmの楕円だえん軌道きどう投入とうにゅうされた。もともとの見積みつもりでは軌道きどうは2000年間ねんかん維持いじされるとかんがえられていたが、こうレベルな太陽たいよう活動かつどう太陽たいよう輻射ふくしゃあつ抗力こうりょくによって、衛星えいせいきん地点ちてんいちじるしい摂動せつどうがおこり、これが期待きたいされた寿命じゅみょうおおきく影響えいきょうして軌道きどう減衰げんすい英語えいごばんは240ねんになった[4]。ヴァンガード1ごう地球ちきゅう周回しゅうかい軌道きどうから7ねんにわたって信号しんごうつたえた[5]

結果けっか

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電波でんぱビーコン

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水銀すいぎん電池でんちから給電きゅうでんされた10mW、108 MHz帯域たいいき[6]通信つうしんと、太陽たいよう電池でんちから給電きゅうでんされた5mW、108.08MHz[7]通信つうしんが、電波でんぱ位相いそう比較ひかく角度かくど追従ついしょうシステムのためにもちいられた。このシステムにより、ヴァンガード1ごう軌跡きせき詳細しょうさい記録きろくされた。記録きろくされたヴァンガード1ごう軌道きどうデータをもとに、地球ちきゅう形状けいじょうは、南北なんぼく非対称ひたいしょうであることなどがあきらかになった。この軌道きどうデータもとにみちびされた北半球きたはんきゅうがわずかにちいさく、南半球みなみはんきゅうがわずかにふくらんだ南北なんぼく非対称ひたいしょう地球ちきゅうのその形状けいじょう英語えいごばんは、ようナシかたちたとえられることもある。また、この電波でんぱ信号しんごうは、信号しんごう受信じゅしんした地上ちじょうきょく衛星えいせいあいだ電離でんりけんぜん電子でんしすう算出さんしゅつにももちいられた。

水銀すいぎん電池でんち駆動くどう通信つうしん内部ないぶ温度おんどを16日間にちかんにわたって送信そうしんし、20日間にちかんにわたって位置いち追跡ついせきよう信号しんごう送信そうしんつづけた。太陽たいよう電池でんち駆動くどう通信つうしんは6ねん以上いじょう機能きのうした。その信号しんごう徐々じょじょ弱体じゃくたいし、最後さいご信号しんごうは1964ねんエクアドルキト受信じゅしんされ、その衛星えいせい光学こうがくてき追跡ついせきされている。

衛星えいせいした大気たいき濃度のうど

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均衡きんこうれたかたちから、ヴァンガード1ごう実験じっけんしゃによって高度こうど緯度いどぶし太陽たいよう活動かつどう作用さよう上層じょうそう大気たいき密度みつど測定そくていのために使つかわれた。衛星えいせい残留ざんりゅう大気たいき抵抗ていこうによって予想よそうされた位置いちよりすこおくれ、蓄積ちくせきしておくれは徐々じょじょおおきくなった。本体ほんたい抵抗ていこう特性とくせい計測けいそく速度そくど軌道きどうシフトのタイミングから、適切てきせつ大気たいきのパラメータが逆算ぎゃくさんされた。この計算けいさん大気たいきあつとこれによる抵抗ていこう予想よそうよりもたか軌道きどう崩壊ほうかいもとめられ、よって大気たいき宇宙うちゅうけてよりうすまっているとわかった。

3だいのヴァンガード衛星えいせいはいまだ軌道きどうにあり、抵抗ていこう特性とくせい本質ほんしつてきわっていないため、50ねんにわたって大気たいき基準きじゅんデータをつくっている。

滞空たいくう記録きろく

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ヴァンガード1ごうもっとなが宇宙うちゅう存在そんざいする人工じんこうぶつ記録きろく保有ほゆうしている。2008ねん3がつ17にちには50周年しゅうねんむかえた。

アメリカ海軍かいぐん研究所けんきゅうじょNASA広報こうほうについていた職員しょくいんちいさなグループと、いくつかの政府せいふ機関きかん記念きねんにイベントをおこなうようにもとめていた。アメリカ海軍かいぐん研究所けんきゅうじょは2008ねんの3がつ17にちにこのイベントの記念きねん行事ぎょうじおこない、終日しゅうじつ集会しゅうかいした[8]集会しゅうかいはヴァンガードがワシントンD.C.からえる軌道きどう範囲はんいからえるころ、衛星えいせい軌跡きせきのシミュレーションでわった。米国べいこく科学かがくアカデミー国際こくさい地球ちきゅう観測かんそくねんから50周年しゅうねんになるのを記念きねんしていくつかのセミナーを予定よていしており、これは唯一ゆいいつ公式こうしき式典しきてんとしてられている[9]

  1. ^ U.S. Space Objects Registry”. 2009ねん5がつ21にち時点じてんオリジナルよりアーカイブ。2009ねん6がつ25にち閲覧えつらん
  2. ^ Vanguard I the World's Oldest Satellite Still in Orbit, accessed September 24, 2007 Archived 2007ねん9がつ16にち, at the Wayback Machine.
  3. ^ http://oai.dtic.mil/oai/oai?verb=getRecord&metadataPrefix=html&identifier=AD0419878
  4. ^ Vanguard 1”. NASA. 2008ねん3がつ25にち閲覧えつらん
  5. ^ Rosenthal, Alfred. “A record of NASA space missions since 1958”. NASA. NASA Technical Reports Server. 24 September 2011閲覧えつらん
  6. ^ 国際こくさい地球ちきゅう観測かんそくねん科学かがく衛星えいせいのために使つかわれた帯域たいいきである。
  7. ^ Sounds from the First Satellites”. AMSAT (2006ねん12月15にち). 2008ねん3がつ17にち閲覧えつらん
  8. ^ Vanguard I celebrates 50 years in space
  9. ^ Vanguard Approaches Half A Century In Space, Space Ref Interactive, by Keith Cowing, November 4, 2007