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九州きゅうしゅう新幹線しんかんせん指令しれいシステム

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

九州きゅうしゅう新幹線しんかんせん指令しれいシステム(きゅうしゅうしんかんせんしれいシステム、通称つうしょうSIRIUS(シリウス):Super Intelligent Resource and Innovated Utility for Shinkansen Management)とは、列車れっしゃ運行うんこう管理かんり制御せいぎょ機器ききかんなどを総合そうごうてきおこな列車れっしゃ運行うんこう管理かんりシステム(PTC)の一種いっしゅであり、九州旅客鉄道きゅうしゅうりょかくてつどう(JR九州きゅうしゅう)が九州きゅうしゅう新幹線しんかんせん運用うんようしているコンピュータシステムである。通称つうしょうは、おおいぬにある1とうほしシリウス由来ゆらいし、地球ちきゅうじょうからえるもっとあかるい恒星こうせいであるため、もっと光輝ひかりかがやくシステムをイメージしている。

概要がいよう

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2004ねん3月13にち九州きゅうしゅう新幹線しんかんせんしん八代やしろえき - 鹿児島かごしま中央ちゅうおうえきあいだ部分ぶぶん開業かいぎょうにおいて導入どうにゅうされた運行うんこうシステムであるが、当時とうじしん八代やしろえきにおいて鹿児島本線かごしまほんせん在来ざいらいせん)の特急とっきゅうリレーつばめ九州きゅうしゅう新幹線しんかんせんつばめとのぎがおこなわれていたため、JR九州きゅうしゅう管内かんない主要しゅよう在来ざいらいせん運行うんこう管理かんりシステムである、総合そうごう指令しれいシステム通称つうしょうJACROS)の運行うんこう情報じょうほう管理かんり装置そうち在来ざいらいせんPRCに接続せつぞくして、ダイヤ情報じょうほうなどの授受じゅじゅおこない、おたがいの運行うんこうじょうきょう共有きょうゆうして、博多はかた - しんはちだい - 鹿児島かごしま中央ちゅうおうあいだを1つの区間くかんとし、あたかも1つの列車れっしゃとして運行うんこうするシステムが採用さいようされていたが、2011ねん3がつ12にちしん八代やしろえき - 博多はかたえきあいだ開業かいぎょうによる全線ぜんせん開業かいぎょうも、JACROSとの接続せつぞくつづいている。また、全線ぜんせん開業かいぎょうまえの2010ねん11月には、JR東海とうかい・JR西日本にしにほん新幹線しんかんせん運行うんこう管理かんりシステム(COMTRAC)と接続せつぞくされており、これにより山陽新幹線さんようしんかんせんとのあいだ直通ちょくつう運転うんてん列車れっしゃ運行うんこう可能かのうとなっている。

システム構成こうせい

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運行うんこうダイヤ輸送ゆそう計画けいかく指令しれい情報じょうほう伝達でんたつ旅客りょかく案内あんない車両しゃりょう設備せつび保守ほしゅ作業さぎょう計画けいかくなどを総合そうごうてき管理かんりするシステムであり、実施じっしけい運行うんこう管理かんりシステム・指令しれい情報じょうほう伝達でんたつ旅客りょかく案内あんないシステム・電力でんりょくとおせいシステム・列車れっしゃ無線むせんシステム、計画けいかくけい作業さぎょう計画けいかく管理かんりシステム・輸送ゆそう計画けいかく作成さくせい管理かんりシステム、設備せつび管理かんりけい設備せつび管理かんりシステム・車両しゃりょう管理かんりシステム・防災ぼうさい情報じょうほう信通のぶみち設備せつび管理かんりシステムの9つのサブシステムから構成こうせいされている。

以下いかに9つのサブシステムの役割やくわりについて説明せつめいする。

運行うんこう管理かんりシステム
前日ぜんじつ当日とうじつ翌日よくじつ翌々日よくよくじつの4日間にちかん列車れっしゃダイヤを管理かんりして、これらをもと自動じどう進路しんろ制御せいぎょ列車れっしゃ追跡ついせきおこなPRC装置そうち各駅かくえきでの連動れんどう装置そうちATC装置そうちへの進路しんろ制限せいげん速度そくど制御せいぎょなどの制御せいぎょ情報じょうほう送信そうしん各駅かくえきでの信号しんごうはた軌道きどう回路かいろなどの沿線えんせん状態じょうたい送信そうしんして状態じょうたい表示ひょうじするCTC装置そうち全線ぜんせん臨速による速度そくど制限せいげん制御せいぎょおこな中央ちゅうおう臨時りんじ速度そくど制限せいげん装置そうちの3つの装置そうち構成こうせいされており、ATCなどの進路しんろ制御せいぎょ列車れっしゃ運行うんこう情報じょうほう配信はいしんなどを指令しれいしょ一括いっかつ処理しょりまた管理かんりおこなう。
輸送ゆそう計画けいかく作成さくせい管理かんりシステム
列車れっしゃダイヤ作成さくせい車両しゃりょう運用うんよう計画けいかく作成さくせい乗務じょうむいん運用うんよう計画けいかく作成さくせいおこない、様々さまざま制約せいやく条件じょうけんかく計画けいかくあいだ整合せいごうせいのチェック機能きのう、これらを加味かみしておこなわれるシミュレーション機能きのう基本きほん輸送ゆそう計画けいかくデータに日々ひび輸送ゆそう計画けいかく変更へんこう情報じょうほうおこな多客たきゃく臨時りんじ輸送ゆそう計画けいかく作成さくせい業務ぎょうむ支援しえんおこなう。
車両しゃりょう管理かんりシステム
新幹線しんかんせん車両しゃりょうけんおさむ業務ぎょうむ効率こうりつ車両しゃりょう故障こしょう未然みぜん防止ぼうし車両しゃりょう故障こしょうたいする迅速じんそく対応たいおう支援しえんおこなう。
指令しれい情報じょうほう伝達でんたつ旅客りょかく案内あんないシステム
運転うんてん当日とうじつの2にちまえ以降いこうにおいて、列車れっしゃダイヤや列車れっしゃ運用うんよう計画けいかく車両しゃりょう運用うんよう計画けいかく変更へんこうする必要ひつよう発生はっせいした場合ばあいに、指令しれいいんがその変更へんこう内容ないようをダイヤ管理かんりたく入力にゅうりょくして登録とうろくおこなう。ダイヤ管理かんりたく登録とうろくされた変更へんこうデータは、システムにより指令しれい情報じょうほうとして関係かんけい各所かくしょ示達じたつされるとともに、統合とうごう情報じょうほう端末たんまつにおいて表示ひょうじされ、プリンタで自動じどう印刷いんさつされる、また、受領じゅりょう応答おうとう必要ひつようとされる箇所かしょにおいては、受領じゅりょう確認かくにんしゃ受領じゅりょう確認かくにん操作そうさ義務ぎむおこなわれており、必要ひつようとされる箇所かしょ確実かくじつ示達じたつされたことが把握はあくできるようにダイヤ管理かんりたく表示ひょうじされる。
作業さぎょう計画けいかく管理かんりシステム
新幹線しんかんせん設備せつび保守ほしゅ作業さぎょう事故じこ防止ぼうし強化きょうか作業さぎょう計画けいかく策定さくていから実施じっしまでの一連いちれん業務ぎょうむ円滑えんかつおこなう。また、運行うんこう管理かんりシステムとのあいだ作業さぎょう時間じかんたい運行うんこう時間じかんたい共有きょうゆうして、きでん定時ていじとまおく条件じょうけん作成さくせいおこなう。
電力でんりょく遠隔えんかく制御せいぎょシステム
新幹線しんかんせん電力でんりょく指令しれい基本きほんてき業務ぎょうむのき配電はいでん系統けいとう統制とうせいおこない、異常いじょうにおける判断はんだん能力のうりょく向上こうじょう取扱とりあつかあやまりの防止ぼうしにより、事故じこ早期そうき復旧ふっきゅう安定あんていてき電力でんりょく供給きょうきゅうおこなう。また、電力でんりょく指令しれいにおいて定期ていきてきおこなわれている制御せいぎょ自動じどうされている。
設備せつび管理かんりシステム
新幹線しんかんせん地上ちじょう設備せつび施設しせつ電気でんき設備せつび実態じったい状況じょうきょう迅速じんそく的確てきかく把握はあくおこなう。また、地上ちじょう設備せつび検査けんさ結果けっか保守ほしゅ内容ないよう管理かんりして、設備せつび予防よぼう保全ほぜんおこなうための検査けんさ計画けいかく情報じょうほう提供ていきょうおこなう。
列車れっしゃ無線むせんシステム
新幹線しんかんせん車両しゃりょう指令しれいいんとのあいだ音声おんせいけい・データけい回線かいせん提供ていきょうしており、音声おんせいけい重要じゅうようなものは、常用じょうよう迂回うかいの2回線かいせん保有ほゆうしている。
防災ぼうさい情報じょうほう信通のぶみち設備せつび管理かんりシステム
防災ぼうさい情報じょうほう管理かんり[1]信号しんごう設備せつび状態じょうたい監視かんし列車れっしゃ無線むせんシステム常態じょうたい監視かんし制御せいぎょ通信つうしん設備せつび監視かんし、その設備せつび監視かんしおこなう。輸送ゆそう指令しれいいんのほかに、施設しせつ信号しんごう通信つうしん指令しれいいんにも情報じょうほう提供ていきょうしている。

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ 沿線えんせん各所かくしょ設置せっちされた雨量うりょう風速ふうそく地震じしん・レール温度おんどかくセンサからの検出けんしゅつデータを逐次ちくじ取込とりこみ、単位たんい時間じかんたりの最大さいだい現在げんざい累積るいせきとう表示ひょうじして、検出けんしゅつデータの運転うんてん規制きせい規定きていえた場合ばあいには、その規定きてい超過ちょうか情報じょうほうをリアルタイムで運行うんこう指令しれいシステムに送信そうしんして指令しれいいん情報じょうほう提供ていきょうする。

参考さんこう文献ぶんけん

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  • 新幹線しんかんせん信号しんごう設備せつび 改訂かいてい2はん 日本にっぽん鉄道てつどう電気でんき技術ぎじゅつ協会きょうかい ISBN 978-4-931273-91-7

関連かんれん項目こうもく

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