停電ていでん

停電ていでんにより真まっ暗くらになった市街地しがいち（2009年ねん・エクアドル）

停電ていでん（ていでん）とは、配電はいでん（電力でんりょく供給きょうきゅう）が停止ていしすること。主おもに需要じゅよう家かへの電力でんりょく供給きょうきゅうの停止ていしについて言いう。原因げんいんはさまざまである。

概要がいよう

停電ていでんで交通こうつう機関きかんがストップし、徒歩とほで帰宅きたくする市民しみん（2003年ねん8月がつ、ニューヨーク）

電気でんきは19世紀せいき以後いごより非常ひじょうに便利べんりなエネルギー源げんとして、多おおくの文明ぶんめいがある地域ちいきで利用りようされるに至いたっており、多おおくの人ひとがこれに依存いぞんした生活せいかつを送おくっている。このため供給きょうきゅうが滞とどこおれば、これらの人々ひとびとの生活せいかつが混乱こんらんする。停電ていでんは、この電力でんりょく供給きょうきゅうが停止ていしした状態じょうたいであるが、現象げんしょうないし事件じけんとしては、この電力でんりょく供給きょうきゅう停止ていしに伴ともなって発生はっせいした混乱こんらんとセットで扱あつかわれる。

現在げんざいの日本にっぽんでは他国たこくに比くらべて電力でんりょく供給きょうきゅうが非常ひじょうに安定あんていしており、停電ていでんはかなり少すくなく、その少すくなさは先進せんしん国こく中ちゅうでも突出とっしゅつしている。2001–2002年ねんにおける一般いっぱん家庭かていの年間ねんかん平均へいきん停電ていでん時間じかんは、アメリカ 73分ふん、イギリス 63分ふん、フランス 57分ふん、日本にっぽん 9分ふんとなっている。これは、平成へいせい8年ねん（1996年ねん）の改正かいせいまで電気でんき事業じぎょう法ほうにより、各かく電力でんりょく会社かいしゃは電力でんりょくを供給きょうきゅうする義務ぎむが課かせられていたことと、電気でんきに対たいし非常ひじょうに高たかい品質ひんしつを要求ようきゅうした消費しょうひ者しゃがあり、それに対たいし設備せつびの設計せっけい上じょうの工夫くふうや増強ぞうきょう、ならびに停電ていでん復旧ふっきゅうの迅速じんそく化かなどを絶たえ間まなく行いって応こたえた電力でんりょく会社かいしゃの努力どりょくの結果けっかに負おうところが大おおきい。このため、社会しゃかいインフラ・各かく家庭かてい等とうでも「停電ていでんは無ないもの」「あってもすぐに復旧ふっきゅうする」として、停電ていでん用ようの備そなえをしていない場合ばあいが多おおい。

日本にっぽんでも2011年ねん3月11日にちの東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさいでは大だい規模きぼな停電ていでんを生しょうじ、その後ご、震災しんさいの影響えいきょうによる電力でんりょく供給きょうきゅうの低下ていかにより計画けいかく停電ていでんが実施じっしされるなど節電せつでんや停電ていでんへの備そなえが社会しゃかい的てきな課題かだいとなっている。

開発途上国かいはつとじょうこく・貧困ひんこん国こくでは老朽ろうきゅう化かした送電そうでん設備せつびや発電はつでん所しょの問題もんだいにより、日ひに数時間すうじかん停電ていでんするのは当あたり前まえとなっている地域ちいきも少すくなくない。かつてオイルショック時代じだいのフランス等ひとしが早朝そうちょうの送電そうでんを停止ていししていた例れいのように、停電ていでんが計画けいかく的てきに実施じっしされることもある。

なお日本にっぽんなどでは電力でんりょく供給きょうきゅうが滞とどこおりなく行おこなわれるのが通例つうれいであるため、計画けいかく停電ていでんを除のぞき、電力でんりょく会社かいしゃ側がわが原因げんいんで停電ていでんした場合ばあいには、電力でんりょく料金りょうきんを割わり引びく制度せいど（停電ていでん割引わりびき）がある。

東京電力とうきょうでんりょくの場合ばあい、一般いっぱん家庭かてい契約けいやくで一時いちじ間あいだ以上いじょうの停電ていでんが有あった場合ばあい、一いち日にちあたり基本きほん料金りょうきんの4%を割わり引びく。停電ていでん情報じょうほうは「東京電力とうきょうでんりょくパワーグリッド」の停電ていでん情報じょうほうを参照さんしょうすることで確認かくにんできる。

停電ていでんするのが常態じょうたいとなっているような地域ちいきでは、余あまりそのような制度せいどは見みられず、ガスのように消費しょうひ電力でんりょく量りょうのみによって使用しよう料りょうが請求せいきゅうされる。

停電ていでんの原因げんいん

現象げんしょうは同おなじ「停電ていでん」であっても、その要因よういんにはいくつかの種類しゅるいがある。

電力でんりょく会社かいしゃの設備せつびによるもの

意図いとしないもの

• 電力でんりょく需要じゅようが供給きょうきゅうを上回うわまわることによるもの。
• 天災てんさい。地震じしん・雷かみなり・火事かじ・台風たいふう・風害ふうがい・水害すいがい・雪害せつがい・太陽たいようフレアによる太陽たいよう嵐あらしなど。
  • 地震じしんに関かんしては、関西電力かんさいでんりょくが阪神はんしん・淡路あわじ大震災だいしんさいの際さいに7日間にちかんで応急おうきゅう送電そうでん体制たいせいを作つくり上あげたことが知しられている。
• 人災じんさい。飛行機ひこうきやクレーンが送電そうでん線せんに接触せっしょくし断線だんせんさせる、電柱でんちゅうに自動車じどうしゃが衝突しょうとつして電柱でんちゅうをなぎ倒たおすなど。
• 発電はつでん・配電はいでん設備せつびの故障こしょうによるもの（突発とっぱつ故障こしょうなど）。

意図いとしたもの

• 計画けいかく停電ていでんは、事前じぜんに計画けいかくされた停電ていでん。あらかじめ住民じゅうみんに知しらせられる。
  • 工事こうじのためのもの。電力でんりょく会社かいしゃや工事こうじ会社かいしゃの営業えいぎょう時間じかんである平日へいじつ日び中ちゅうが多おおいが、住民じゅうみんへの影響えいきょうが少すくない深夜しんや帯たいにすることもある。
  • 電力でんりょく需要じゅようが供給きょうきゅうを上回うわまわることによる大だい規模きぼ停電ていでんを回避かいひするため、一部いちぶ地域ちいきを停電ていでんさせる。一定いってい時間じかんごとに地域ちいきを変更へんこうする場合ばあい、輪番りんばん停電ていでん（rolling blackout）と呼よばれる。
  • 燃料ねんりょう不足ふそくによるもの。経済けいざい的てき理由りゆうのほか、悪天候あくてんこうや政治せいじ的てき理由りゆうによる燃料ねんりょう輸送ゆそう路ろの遮断しゃだんなどでも起おこる。
• 緊急きんきゅうの停電ていでん。住民じゅうみんへの通知つうちはない。
  • 天災てんさいでの停電ていでんをさけるための配電はいでん切きり替かえ等とうの緊急きんきゅう工事こうじ。
  • 送電そうでん線せんの鉄塔てっとうに人ひとが登のぼったりしたため、危険きけん防止ぼうしと保安ほあん面めんから急遽きゅうきょ送電そうでんを停止ていししたなど。

契約けいやく対象たいしょう設備せつびに起因きいんするもの

• 雷かみなりサージ保護ほご用ようバリスタの動作どうさにより、ブレーカーが落おちる。
• 消費しょうひ電力でんりょくの超過ちょうかによるブレーカー、ヒューズ、漏電ろうでん遮断しゃだん器きなどの作動さどう。
• プラグが抜ぬけた、または故意こいに電源でんげんスイッチを切きったなどの偶発ぐうはつ的てきないし人為じんい的てきなもの。（→8時じだョ!全員ぜんいん集合しゅうごう停電ていでんトラブル）

発電はつでん・送電そうでん施設しせつの意図いと的てきな破壊はかいによるもの

• 空爆くうばく等ひとしの戦闘せんとう行為こういによるもの。
  • 通常つうじょう爆ばく弾だんなどで発電はつでん・送電そうでん設備せつびが破壊はかいされると発生はっせいしうるほか、送電そうでん線せんをショートさせ電力でんりょく網もうを麻痺まひさせる停電ていでん爆ばく弾だん（ブラックアウト爆弾ばくだんとも）もある。
• テロによるもの。

停電ていでんの影響えいきょう

停電ていでんでは、一般いっぱん市民しみんの生活せいかつに於おいて照明しょうめいの他ほかにも冷蔵庫れいぞうこ・エアコン・電磁でんじ調理ちょうり器き・暖房だんぼう・洗濯せんたく機きなどの生活せいかつ家電かでんが使つかえなくなる。テレビ（携帯けいたい用ようなど乾電池かんでんち・あらかじめ充電じゅうでんしていたバッテリーで使用しようできるものは除のぞく）・パソコンも使つかえなくなるため、情報じょうほうが入手にゅうしゅできないという事態じたいに陥おちいりやすい。また、高層こうそうビルでは突然とつぜんの停電ていでんの場合ばあいにはエレベーターに閉とじこめられるなどの被害ひがいもある。

水道すいどうも高層こうそうビルなど、高たかい所ところにある貯水ちょすいタンクに揚水ようすいポンプで水みずを上あげている所ところでは、長時間ちょうじかんの停電ていでんで貯水ちょすいタンクが水量すいりょう不足ふそくの状態じょうたいとなり断水だんすいになることもある。また平地ひらちでも上水道じょうすいどうの加圧かあつに電動でんどうポンプを利用りようしている地域ちいきも同様どうようである。この断水だんすいは数時間すうじかん程度ていどで発生はっせいする場合ばあいもあるので、停電ていでん時じは水みずの使つかい過すぎにも注意ちゅういしたい。なお日本にっぽんでは大抵たいてい、中水道なかすいどうと上水道じょうすいどうと云いう区分くぶんが無ないため、断水だんすいすれば飲料いんりょう水すいの供給きょうきゅう停止ていしと同時どうじに、水洗すいせんトイレも使用しよう不可能ふかのうとなる事ことから、一部いちぶでは停電ていでんが予想よそうされる際さいに、風呂ふろの残のこり湯ゆを棄すてない等とうで自衛じえいする人ひともいる。その一方いっぽうでは下水道げすいどうも下水げすい処理しょり場じょうの機能きのうが停止ていしするため、大だい規模きぼ停電ていでんでは汚水おすい処理しょりに問題もんだいが出でる。

他ほかにも大だい規模きぼな物ものでは信号しんごう機きの停止ていしなどにより道路どうろの使用しようが妨さまたげられたり、電源でんげん供給きょうきゅうがなくなり鉄道てつどうが止とまるなど、交通こうつうが混乱こんらんする。また電話でんわやインターネットなどの通信つうしんに支障ししょうを来きたす事こともある。電話でんわ線せんには独自どくじにオフフック検出けんしゅつ用ように直流ちょくりゅうの電力でんりょくが供給きょうきゅうされるが、光ひかりファイバーを用もちいたFTTHの電話でんわ線せんでは当然とうぜんながら電力でんりょくは供給きょうきゅうされず、コードレスホンなど加入かにゅう者しゃ用ようの電話機でんわきそのものの高性能こうせいのう化かも相あいまって使つかえなくなることが多おおい。またひかり電話でんわ等ひとしは加入かにゅう者しゃ設備せつびであるホームゲートウェイや光ひかり回線かいせん終端しゅうたん装置そうちにも電力でんりょくを供給きょうきゅうしないと停止ていしするため、これらの装置そうちに無む停電ていでん電源でんげん装置そうちや蓄電池ちくでんち等ひとしの非ひ常用じょうよう電源でんげんが無ない場合ばあいは使用しよう不能ふのうとなる。

また、家電かでんに組くみ込こまれたタイマーや時計とけいが一斉いっせいに停止ていしし、設定せってい内容ないようが消滅しょうめつしたり、電力でんりょくが復旧ふっきゅうしてもビデオのタイマー録画ろくがなどが事前じぜんに設定せっていした所定しょてい時間じかんに動作どうさしないなどの状態じょうたいとなることがある。このほか熱帯魚ねったいぎょや活魚いけうおを飼育しいくしている場合ばあいには外部がいぶ電源でんげんによる電気でんき製品せいひんは使つかえなくなるため空気くうきの供給きょうきゅうや水温すいおんの調整ちょうせいに注意ちゅういが必要ひつようとなる。

家庭かてい内ないの電熱でんねつ器具きぐ（アイロン・ドライヤー・電気でんきストーブ）は電源でんげんを付つけたまま停電ていでんとなると、停電ていでんから復帰ふっきして通電つうでんが始はじまった際さいに使用しよう状じょう況きょうによっては火災かさいの原因げんいんとなることがあるため電源でんげんを切きっておく必要ひつようがある。

具体ぐたい例れい

• 公共こうきょう施設しせつの臨時りんじ閉館へいかん
• 信号しんごう機きの停止ていし
• エレベータの停止ていし
• 上水道じょうすいどうの断水だんすい、濁水だくすいの発生はっせい
• コンピュータ内部ないぶの記録きろく・データの消失しょうしつ
• インターネットへの接続せつぞく不能ふのう
• ホームページへのアクセス不能ふのう
• 多た機能きのう電話でんわ・ファクシミリの使用しよう不能ふのう

復帰ふっき後ご

タイマー内蔵ないぞう機器ききについては確認かくにんや再さい調整ちょうせいが必要ひつようになる場合ばあいがある。また、安全あんぜん装置そうち（オートロック、火災報知器かさいほうちき等ひとし）については復旧ふっきゅう確認かくにんが必要ひつようになる場合ばあいがある。

瞬断しゅんだんの問題もんだい

人間にんげんの視覚しかくでは感知かんちできない僅わずかな時間じかんの停電ていでん、電圧でんあつの低下ていかでも、情報じょうほう機器ききを扱あつかう現場げんばや工場こうじょうでは大おおきな障害しょうがいを招まねくことがある。2010年ねん（平成へいせい22年ねん）12月8日にち5時じごろ、中部電力ちゅうぶでんりょく管内かんないの愛知あいち県けん、三重みえ県けん、岐阜ぎふ県けんで電圧でんあつ低下ていかが発生はっせいした例れいでは、わずか0.07秒びょうの時間じかんであったものの、東芝とうしばのNAND型がたフラッシュメモリ工場こうじょう、トヨタ車体とよたしゃたいの自動車じどうしゃ工場こうじょうなどの操業そうぎょうが、一時いちじ的てきに停止ていしするなどの影響えいきょうが生しょうじている。

詳細しょうさいは「瞬断しゅんだん」を参照さんしょう

対応たいおうや対策たいさく

停電ていでんが起おきた際さいに、重大じゅうだいな影響えいきょうが予測よそくされる施設しせつでは、しばしば停電ていでんに対たいする対策たいさくが採とられている。例たとえば患者かんじゃの生命せいめい維持いじに支障ししょうを来きたす恐おそれのある病院びょういんや、放送ほうそう局きょく（送信そうしん所しょ・中継ちゅうけい局きょくも含ふくむ）、新聞しんぶん社しゃ、官公庁かんこうちょうなどの施設しせつでは、独自どくじに発電はつでん・蓄電ちくでん施設しせつを備そなえている。また、近年きんねんのコンピュータ普及ふきゅうにも関連かんれんして、停電ていでんによるコンピュータの損傷そんしょうを防ふせぐため、個人こじんで無む停電ていでん電源でんげん装置そうち（UPS）のような機器ききを用意よういする人ひともいる。

特とくに停電ていでんが予想よそうされる所ところでは、照明しょうめいの代替だいたいとしてろうそくやランプといった燃焼ねんしょうによる器具きぐや懐中かいちゅう電灯でんとう等ひとしの乾電池かんでんちで動作どうさする器具きぐを備そなえる場合ばあいがあり、またこの乾電池かんでんちにより動作どうさするラジオやポケットテレビ（日本にっぽんに於おいては2000年代ねんだい後半こうはん以降いこうワンセグ搭載とうさい機きが主流しゅりゅうとなっている）を備そなえるケースも見みられる。災害さいがいが予想よそうされる地域ちいきでは、地域ちいき防災ぼうさい（→自主じしゅ防災ぼうさい組織そしき）やその用ように供きょうする防災ぼうさい倉庫そうこにエンジン発電はつでん機きや電力でんりょくに頼たよらない炊たき出だし用ようの器具きぐを備そなえる所ところも見みられる。一般いっぱんの家庭かていなどでは、夜間やかんにおいては灯火ともしびなど他たの照明しょうめいに明あかりを求もとめ、停電ていでんが復旧ふっきゅうするのが待またれる。

なお、災害さいがい時じを除のぞく平時へいじの停電ていでんを防ふせぐためには「常つねに供給きょうきゅうが需要じゅように追おいつくこと」が必須ひっすであるが、需要じゅよう側がわを細こまかく制御せいぎょする技術ぎじゅつは2013年ねん時点じてんでは未熟みじゅくである。東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさいによる電力でんりょく危機ききに際さいしては、需要じゅようの極大きょくだい期きに電力でんりょく使用しよう制限せいげん令れいが発令はつれいされるなどしたこともあり、大口おおぐち需要じゅよう家かの間あいだでデマンドコントローラが普及ふきゅうするなどした。また、送電そうでん網もう単位たんいでの輪番りんばん停電ていでんといった、スマートではない需要じゅよう制限せいげんも実施じっしされた。

小規模しょうきぼ需要じゅよう家かをも含ふくめて「発電はつでん・送電そうでん・蓄電ちくでんの能力のうりょくを超こえないよう、消費しょうひをスマートに抑制よくせいする」ための仕組しくみとして、2013年ねん時点じてんではスマートグリッドの実用じつよう化かに向むけ、小規模しょうきぼな電力でんりょく網もうで実証じっしょう実験じっけんが行おこなわれている。

過去かこの大だい規模きぼな停電ていでん

詳細しょうさいは「停電ていでんの一覧いちらん」を参照さんしょう

• 御母衣みぼろ事故じこ（1965年ねん6月がつ） - 電源でんげん開発かいはつ御母衣みぼろ発電はつでん所しょ近傍きんぼうの送電そうでん鉄塔てっとうが台風たいふう・豪雨ごううに伴ともなう落石らくせきにより倒壊とうかい。過か負荷ふかとなった送電そうでん線せんの遮断しゃだん、需要じゅよう地ち側がわの火力かりょく発電はつでん所しょの脱だっ調ちょうによる停止ていしなどが連鎖れんさ的てきに起おき、関西かんさい地方ちほうを中心ちゅうしんに大だい停電ていでんとなった。その後ごの系統けいとう保護ほご・制御せいぎょの基本きほん思想しそうにも大おおきな影響えいきょうを与あたえている。
• 1965年ねん北きたアメリカ大だい停電ていでん（1965年ねん11月9日にち） - ベビーブームに関かんする都市とし伝説でんせつが唱となえられた大だい停電ていでんである。
• 中国ちゅうごく地方ちほうで大雪おおゆき（1975年ねん1月がつ22日にち） - 中国ちゅうごく地方ちほうで大雪おおゆきがあり、各地かくちで早朝そうちょうから送電そうでん線せんが次々つぎつぎと切断せつだんされる。約やく22万まん戸こが30分ふんから5時じ間あいだにわたり停電ていでんした。
• 1977年ねんニュにゅーヨよーク大くだい停電ていでん（1977年ねん7月がつ13日にち）
• 東京とうきょうで大だい規模きぼ停電ていでん（1987年ねん7月がつ23日にち） - 首都しゅと圏けんで280万まん世帯せたいが停電ていでん。原因げんいんは電力でんりょく消費しょうひ量りょうが発電はつでん所しょの発電はつでん能力のうりょくを超こえたため。経済けいざい損失そんしつは1兆ちょう8000億おく円えんと試算しさんされている（首都しゅと圏けん大だい停電ていでん）。
• カナダ・ケベック州しゅうの大だい停電ていでん（1989年ねん3月がつ13日にち） - 太陽たいようの磁気嵐じきあらしによる大だい停電ていでん。
• 阪神はんしん・淡路あわじ大震災だいしんさい（1995年ねん1月がつ17日にち） - 関西かんさい地区ちく約やく300万まん世帯せたいが停電ていでん。2番目ばんめの規模きぼの停電ていでんとなった。
• 台湾たいわん大だい停電ていでん（1999年ねん7月がつ29日にち） - 台たい南みなみの北きた約やく846万まん世帯せたいが停電ていでん。原因げんいんは、現在げんざいの台たい南市みなみいち龍崎たつざき区くにある送電そうでん鉄塔てっとうの倒壊とうかい。
• 首都しゅと圏けんで大だい規模きぼ停電ていでん（1999年ねん11月22日にち） - 首都しゅと圏けんで約やく80万まん世帯せたいが停電ていでん。原因げんいんは埼玉さいたま県けん狭山さやま市しで自衛隊じえいたいの航空機こうくうきが墜落ついらくした際さい、航空機こうくうきによって送電そうでん線せんが切断せつだんされたため。（→T-33A入間川いるまがわ墜落ついらく事故じこ）
  • 東京とうきょう向むけの275kV送電そうでん線せんと、地元じもと向むけ66kV送電そうでん線せんの2系統けいとうが切断せつだん。地元じもとでも154kVで受電じゅでんしていたマンションなどは難なんを逃のがれた。
• カリフォルニア電力でんりょく危機きき（2000年ねん9月14日にち〜） - カリフォルニア州しゅうで電力でんりょく供給きょうきゅう能力のうりょく不足ふそくにより計画けいかく停電ていでん。150万まん世帯せたいが影響えいきょうを受うけた。
• 新潟にいがた県けん中越なかこし地震じしん（2004年ねん10月23日にち）
• ニュにゅーヨよーク大くだい停電ていでん（アメリカ東部とうぶ時間じかん2003年ねん8月がつ14日にち16時じ11分ふん） - この停電ていでんは、クリーブランド、デトロイト、ボストン、トロント、オタワに及およんだ。
• 福岡ふくおか県けん西方にしほう沖おき地震じしん（2005年ねん3月がつ20日はつか）
• ジャワ島じゃわとう大だい停電ていでん（2005年ねん8月がつ18日にち）- 1億おく人にん。2012年ねん7月がつ現在げんざい史上しじょう2位い。
• 新潟大にいがただい停電ていでん（2005年ねん12月22日にち）
• 2006年ねん8月がつ14日にち首都しゅと圏けん停電ていでん（2006年ねん8月がつ14日にち） - 河口かこう近ちかくを航行こうこう中ちゅうのクレーン船せんが頭上ずじょうの275kV超ちょう高圧こうあつ送電そうでん線せんを引ひっ掛かけて切断せつだんしたため発生はっせいした。→ウィキニュース
• 2009年ねんブラジル・パラグアイ大だい停電ていでん（2009年ねん11月10日にち）
• 東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさい（2011年ねん3月11日にち） - 主要しゅような火力かりょく発電はつでん所しょが稼働かどうを停止ていししたことで、東北とうほく地方ちほうの広ひろい地域ちいきで停電ていでんした。関東かんとう地方ちほうでは茨城いばらき県けんのほぼ全域ぜんいきで停電ていでん、東京電力とうきょうでんりょくは大だい規模きぼ需要じゅよう事業じぎょう所しょへの給電きゅうでんを強制きょうせい停止ていしし電力でんりょく系統けいとうの全ぜん系けい崩壊ほうかい（全域ぜんいき停電ていでん）は回避かいひしたものの多おおくの地域ちいきで停電ていでんした。東北とうほく地方ちほうだけでも約やく440万まん世帯せたいに上のぼり、日本にっぽんでは阪神はんしん・淡路あわじ大震災だいしんさいを上回うわまわる最大さいだい規模きぼの停電ていでんとなった。また、戦後せんご混乱こんらん期き以来いらいとなる計画けいかく停電ていでんも実施じっしされた。また4月がつ7日にちの余震よしんでも東北とうほく地方ちほうの400万まん世帯せたいが停電ていでんした。

「東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさいによる電力でんりょく危機きき」も参照さんしょう

• 韓国かんこく大だい停電ていでん（2011年ねん9月15日にち） - 韓国かんこく電力でんりょく公社こうしゃの電力でんりょく需要じゅよう予測よそくの甘あまさから済州さいしゅう島とうを除のぞく全国ぜんこくで停電ていでん。
• インド大だい停電ていでん（2012年ねん7月がつ31日にち） - 歴史れきし上じょう1位いの停電ていでん事故じこ。供給きょうきゅう力不足ちからぶそくから、デリー首都しゅと圏けんと一ひとつの広域こういき圏けんと、北部ほくぶ・東部とうぶ・北東ほくとう部ぶの3地域ちいきの北部ほくぶ18州しゅうで全面ぜんめん停電ていでん、6億おく7000万まん人にんが6時間じかん以上いじょう停電ていでんした（13時じから深夜しんやまで）。前日ぜんじつにも北部ほくぶ7州しゅうとデリー首都しゅと圏けん（3億おく5000万まん人にん）が10時じ間あいだ停電ていでんした。
• 新座にいざ洞ほら道どう火災かさい事故じこによる停電ていでん（2016年ねん10月12日にち）-埼玉さいたま県けん新座にいざ市しの東京電力とうきょうでんりょくの電力でんりょく施設しせつで火災かさいが発生はっせいし、首都しゅと圏けんで大だい停電ていでんが発生はっせいした。政府せいふ機関きかんが集あつまる千代田ちよだ区く永田町ながたちょうでも停電ていでんが発生はっせいした。この影響えいきょうで58万まん世帯せたい停電ていでんし、交通こうつう機関きかんや上下水道じょうげすいどうに影響えいきょうがでた。
• 北海道ほっかいどう胆振いぶり東部とうぶ地震じしん（2018年ねん9月6日にち）による停電ていでん - 北海道ほっかいどう内ないで夏季かき深夜しんや電力でんりょくの半分はんぶんを賄まかなう厚真あつま町まちの北海道電力ほっかいどうでんりょく苫とま東ひがし厚真あつま火力かりょく発電はつでん所しょが地震じしんの影響えいきょうで緊急きんきゅう停止ていしした。その直後ちょくごから電力でんりょく網もうの需給じゅきゅうバランスが急激きゅうげきに崩くずれ、大おおきな周波数しゅうはすう変動へんどうによるタービン設備せつびをはじめとする発電はつでん設備せつびの破壊はかいを防ふせぐ目的もくてきで各かく発電はつでん機きごとに設置せっちされている保護ほご継電器けいでんきが次々つぎつぎと作動さどうし、北海道ほっかいどう内ないすべての発電はつでん機きが連鎖れんさ的てきに解かい列れつ・自動じどう停止ていししたため、離島りとうを除のぞく北海道ほっかいどう全域ぜんいきで停電ていでん（影響えいきょう世帯せたい 295万まん戸こ）が発生はっせいした。頼たのみの綱つなの北本きたもと連れん系けい線せんも空あき融通ゆうずう枠わくがほとんど無なく、また周波数しゅうはすう変換へんかん器きが電力でんりょく系統けいとうの自動じどう周波数しゅうはすう調整ちょうせいを行おこなう仕組しくみゆえ単独たんどく運転うんてん不能ふのうであったのと、脱落だつらくした発電はつでん機きの容量ようりょうが連れん系けい線せん容量ようりょうに比ひして過大かだいであったため運転うんてん継続けいぞくもままならなかった。
• 令れい和わ元年がんねん房総半島ぼうそうはんとう台風たいふう（台風たいふう15号ごう、2019年ねん9月がつ9日にち千葉ちば県けん上陸じょうりく） - 千葉ちば県けん君津きみつ市しの送電そうでん塔とう2基きが倒壊とうかいするなどして約やく11万まん軒けんが停電ていでん。
• 福島ふくしま県けん沖おき地震じしん（2022年ねん3月がつ16日にち）- 東北とうほく地方ちほう・関東かんとう地方ちほうを中心ちゅうしんに大だい規模きぼ停電ていでん。震源しんげんから遠とおく離はなれた首都しゅと圏けん（東京とうきょう）などでも停電ていでんした。地震じしんから5日にち後ごには、資源エネルギしげんえねるぎー庁ちょうにより電力でんりょく需給じゅきゅう逼迫ひっぱく警報けいほうが初はじめて発令はつれいされるに至いたった。

関連かんれん項目こうもく

• インフラ - ライフライン
• ギャロッピング現象げんしょう
• 放送ほうそう事故じこ
• 輪番りんばん停電ていでん

外部がいぶリンク

• 「停電ていでんに関かんする図書としょや雑誌ざっし」（香川かがわ県立けんりつ図書館としょかん） - レファレンス協同きょうどうデータベース