加藤かとう幸子さちこ (作家さっか)

加藤かとう 幸子さちこ（かとう ゆきこ、1936年ねん9月26日にち - 2024年ねん3月30日にち）は、日本にっぽんの小説しょうせつ家か。劇げき作家さっかの加藤かとう道夫みちおの姪めい。鉱床こうしょう学者がくしゃ加藤かとう武夫たけおの孫まご。

生涯しょうがい

農林のうりん技師ぎしの子ことして、父ちちの勤務きんむ先さきであった北海道ほっかいどう札幌さっぽろ市しに生うまれる。両親りょうしんともに東京とうきょうの出身しゅっしん。5歳さいから11歳さいまでを北京ぺきんで過すごし、戦後せんご日本にっぽんに引ひき揚あげた後のちは東京とうきょう都と世田谷せたがや区くの祖父そふ宅たくで育そだつ。恵めぐみ泉いずみ女おんな学園がくえん高等こうとう学校がっこう2年ねんの時とき、同居どうきょしていた叔父おじ加藤かとう道夫みちおが自殺じさつして大おおきな衝撃しょうげきを受うける。北海道大学ほっかいどうだいがく農学部のうがくぶ卒業そつぎょう後ご、農林省のうりんしょう農業のうぎょう技術ぎじゅつ研究所けんきゅうじょ・日本にっぽん自然しぜん保護ほご協会きょうかい勤務きんむを経へて、1972～89年ねん自然しぜん観察かんさつ会かい代表だいひょう。

1982年ねん、「野の餓鬼がきのいた村むら」で新潮しんちょう新人しんじん賞しょう受賞じゅしょう、続つづいて1982年ねん下半期しもはんき（1983年ねん1月がつ）、「夢ゆめの壁かべ」で芥川賞あくたがわしょう受賞じゅしょう。1991年ねん、『尾崎おざき翠みどりの感覚かんかく世界せかい』で芸術げいじゅつ選奨せんしょう文部もんぶ大臣だいじん賞しょう受賞じゅしょう、2002年ねん、『長江ちょうこう』で毎日まいにち芸術げいじゅつ賞しょう受賞じゅしょう。自然しぜんと人間にんげんの共生きょうせいを主要しゅようなテーマとする。2013年ねんには未知みち谷だにより『加藤かとう幸子さちこ自選じせん作品さくひん集しゅう』全ぜん5巻かんが刊行かんこうされた。

野鳥やちょう愛好あいこう家かとしても知しられ、日本にっぽん野鳥やちょうの会かい理事りじを務つとめ、東京とうきょう港こう野鳥やちょう公園こうえんの設立せつりつにも尽力じんりょくした。

2024年ねん3月がつ30日にちに心不全しんふぜんにより死去しきょ。87歳さい没ぼつ。

著書ちょしょ

単たん著ちょ

• 『夢ゆめの壁かべ』新潮社しんちょうしゃ 1983 のち文庫ぶんこ
• 『翡翠かわせみ色しょくのメッセージ』新潮社しんちょうしゃ 1983
• 『鳥とりよはばたけ』学習研究社がくしゅうけんきゅうしゃ 1984
• 『北京ぺきん海棠かいどうの街まち』新潮社しんちょうしゃ 1985
• 『私わたしの花鳥かちょう賦ふ』文化出版局ぶんかしゅっぱんきょく 1985
• 『野鳥やちょうの公園こうえん奮闘ふんとう記き わが町まち東京とうきょう』三省堂さんせいどう 1986
• 『自然しぜん連れん祷いのり』文藝春秋ぶんげいしゅんじゅう 1987
• 『時じの筏いかだ』新潮社しんちょうしゃ 1988
• 『わたしの動物どうぶつ家族かぞく』朝日新聞社あさひしんぶんしゃ 1988
• 『2020年ねんトキオの森もり』新学社しんがくしゃ・全ぜん家いえ研けん(少年しょうねん少女しょうじょこころの図書館としょかん)　1989
• 『尾崎おざき翠みどりの感覚かんかく世界せかい』創そう樹じゅ社しゃ 1990　萬まん書房しょぼう 2015
• 『極楽蜻蛉ごくらくとんぼ一家いっかの贈おくり物もの』講談社こうだんしゃ 1990
• 『私わたしの自然しぜんウォッチング』朝日新聞社あさひしんぶんしゃ 1991　のち文庫ぶんこ
• 『苺いちご畑はたけよ永遠えいえんに』新潮社しんちょうしゃ 1993
• 『翼つばさをもった女おんな』講談社こうだんしゃ 1996
• 『森もりは童話どうわ館かん』桐原書店きりはらしょてん 1996
• 『鳥とりのことば人じんのことば』KSS出版しゅっぱん 1998
• 『ジーンとともに』新潮社しんちょうしゃ 1999　『心こころヲナクセ体たいヲ残ざんセ』角川かどかわ文庫ぶんこ　
• 『茉莉花まりかの日々ひび』理論りろん社しゃ 1999
• 『夢ゆめの子供こどもたち』講談社こうだんしゃ 2000
• 『ナチュラリストの生いきもの紀行きこう』DHC 2001
• 『長江ちょうこう』新潮社しんちょうしゃ 2001
• 『池辺いけべの棲家』講談社こうだんしゃ 2003　角川かどかわ文庫ぶんこ、2007　
• 『鳥とりよ、人ひとよ、甦よみがえれ 東京とうきょう港こう野鳥やちょう公園こうえんの誕生たんじょう、そして現在げんざい』藤原ふじわら書店しょてん 2004
• 『家いえのロマンス』新潮社しんちょうしゃ 2006
• 『蜜蜂みつばちの家いえ』理論りろん社しゃ、2007
• 『自然しぜん連れん祷いのり 加藤かとう幸子さちこ短篇たんぺん集しゅう』未知みち谷だに 2008
• 『〈島しま〉に戦争せんそうが来きた』新潮社しんちょうしゃ 2010
• 『くさはら』酒井さかい駒子こまこ絵え 福音館書店ふくいんかんしょてん 2011
• 『加藤かとう幸子さちこ自選じせん作品さくひん集しゅう』全ぜん5巻かん 未知みち谷だに 2013
• 『十じゅう三さん匹ひきの犬いぬ』新潮社しんちょうしゃ、2016　

共著きょうちょ・編集へんしゅう

• 『キビとゴマ 中国ちゅうごく女流じょりゅう文学ぶんがく選せん』辻つじ康やすし吾われ共編きょうへん 研けん文ぶん出版しゅっぱん 1985
• 兎うさぎ追おいし日々ひび 光文社こうぶんしゃ 1989（「光ひかる話はなし」の花束はなたば）
• 『鳥とりたちのふしぎ・不思議ふしぎ』浜田はまだ剛つよし爾なんじ,島田しまだ璃里,樋口ひぐち広ひろ芳かおる共著きょうちょ (晶文社しょうぶんしゃ 1993

翻訳ほんやく

• 『スナイダー詩集ししゅう』金きむ関せき寿夫としお共とも訳やく 思潮しちょう社しゃ 1996
• ゲーリー・スナイダー『ノー・ネイチャー』金きむ関せき寿夫としお共ども訳やく 思潮しちょう社しゃ 2011

参考さんこう文献ぶんけん

• 文藝ぶんげい年鑑ねんかん
• 「芥川賞あくたがわしょう・直木賞なおきしょう　受賞じゅしょう者しゃ総覧そうらん」溝みぞ川徳かわとく二にほか編へん、教育きょういく社しゃ、1990年ねん