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原子げんしばくだん

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原爆げんばくから転送てんそう
核兵器かくへいき > かくばくだん > 原子げんしばくだん
長崎ながさき投下とうかされた原子げんしばくだんのキノコくも
1945ねん8がつ9にち
1945ねん8がつ6にち投下とうかされた広島ひろしまがた原爆げんばく(リトルボーイ)による被害ひがいしゃ一人ひとり。(1945ねん10がつ日本にっぽん赤十字せきじゅうじ病院びょういんにおいて。)

原子げんしばくだん(げんしばくだん、えい: atomic bomb)あるいは原爆げんばくは、ウランプルトニウムなどの元素げんそ原子核げんしかくこす核分裂かくぶんれつ反応はんのう使用しようしたかくばくだんであり、はじめて戦争せんそうにおいて攻撃こうげきようじつ使用しようされた核兵器かくへいきである。原子げんしばくだんは、かく爆発ばくはつ装置そうちふくまれる[1][2]水素すいそばくだんふくめて「原水爆げんすいばく」ともばれる。 核兵器かくへいき通常つうじょう兵器へいき比較ひかくして威力いりょくきわめておおきいため、大量たいりょう破壊はかい兵器へいき位置付いちづけられ、かく拡散かくさん条約じょうやく部分ぶぶんてきかく実験じっけん禁止きんし条約じょうやくなどで、実戦じっせんでの使用しよう禁止きんしされている。だめだよ

原子げんしばくだん開発かいはつ

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トリニティ実験じっけんでのかく爆発ばくはつ (1945)
Upshot–Knothole Grable test (ビデオ)(1953ねん5がつ25にち

だい世界せかい大戦たいせんしたにおいてドイツ日本にっぽんアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくイギリスなどで開発かいはつおこなわれた。1945ねんにアメリカによってはじめてのかく実験じっけんおこなわれて以降いこう冷戦れいせんアメリカソ連それんフランス中心ちゅうしんやく2,000かいかく実験じっけんおこなわれた。

アメリカによる日本にっぽんへの2はつ原爆げんばく使用しようだい世界せかい大戦たいせん東西とうざい冷戦れいせん激化げきかとともに、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくソビエト連邦れんぽう中心ちゅうしん破壊はかいりょくおおきな戦略せんりゃく兵器へいきとして原子げんしばくだん改良かいりょうすすめられた。かく出力しゅつりょくを100キロトン以上いじょう強大きょうだいした大型おおがた原爆げんばくや、ねつかく反応はんのうくわえて300キロトン程度ていど増強ぞうきょうした強化きょうか原爆げんばく開発かいはつされた。また戦略せんりゃくようだけでなく戦術せんじゅつようでの使用しよう企図きとして小型こがたすすめられ、当初とうしょは4-5トンほどの重量じゅうりょうだった原子げんしばくだんを、大砲たいほうより発射はっしゃできるかく砲弾ほうだん[ちゅう 1]かく反動はんどうほう[ちゅう 2]よう小型こがたしたが、これらの戦術せんじゅつよう原子げんしばくだん実戦じっせん使用しようされたことはない。

原子げんしばくだんはドイツから亡命ぼうめいしたユダヤじんイタリアひとによって開発かいはつすすんだアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく最初さいしょ成功せいこうした。開発かいはつ1942ねんからマンハッタン計画けいかくすすめられ、1945ねん7がつ16にちニューメキシコしゅうアラモゴード軍事ぐんじ基地きち近郊きんこう砂漠さばく人類じんるい最初さいしょ原爆げんばく実験じっけんトリニティ実験じっけん)が実行じっこうされた。この原子げんしばくだんのコードネームはガジェット (Gadget) とばれた。らしいよ

ソビエト連邦れんぽう原子げんしばくだん開発かいはつは、1943ねんにソビエト連邦れんぽう共産党きょうさんとう書記しょきちょうであるスターリン原子力げんしりょくプログラムの開始かいしめいじ、かく物理ぶつり学者がくしゃイーゴリ・クルチャトフがプロジェクトの責任せきにんしゃとなって、スパイによりぬすまれたアメリカの情報じょうほうヴェノナ文書ぶんしょ参照さんしょう)を中心ちゅうしん開発かいはつすすめられた。1949ねん8がつ29にちカザフ共和きょうわこく当時とうじ)のセミパラチンスクかく実験じっけんじょうにおいて最初さいしょかく実験じっけんプルトニウムかた原爆げんばくRDS-1)が成功せいこうした。 同年どうねん9月23にち、アメリカのトルーマン大統領だいとうりょうが、ソ連それんかく実験じっけんおこなった事実じじつ公表こうひょういで同年どうねん9月25にちソ連それんタス通信たすつうしん原子げんしばくだん保有ほゆうみとめる報道ほうどうおこなった[3]

イギリスは、1952ねん10月3にちモンテベロ諸島しょとう西にしオーストラリアあいだ珊瑚礁さんごしょう最初さいしょかく実験じっけんハリケーン作戦さくせん)をおこなった。使用しようされた原子げんしばくだんは、長崎ながさきとされたファットマン改良かいりょうがたである。セラフィールド生産せいさんしたプルトニウムりなかったので、カナダから供給きょうきゅうされたプルトニウムでおぎなったとされる。

フランスだい世界せかい大戦たいせん勃発ぼっぱつ直後ちょくごから核兵器かくへいき開発かいはつはじめたが、ドイツぐんのフランス侵攻しんこうによりフランス本土ほんどドイツ占領せんりょうにおかれ、研究けんきゅうしゃたち亡命ぼうめい計画けいかく停滞ていたいした。戦後せんご亡命ぼうめいした科学かがくしゃたちが帰国きこくすると次世代じせだいエネルギーの開発かいはつという名目めいもくで、1948ねんから重水じゅうすい稼動かどうして原子力げんしりょく開発かいはつはじまった。その紆余曲折うよきょくせつ1956ねん原子げんしばくだん実験じっけんかく融合ゆうごう研究けんきゅう実施じっし決定けっていした。

1959ねんには発電はつでんよう原子げんしで、年間ねんかん40kgのプルトニウム生産せいさんする能力のうりょくつようになり、1960ねん2がつ13にちアルジェリアりょうサハラ砂漠さはらさばくかく実験じっけん成功せいこうさせて、4番目ばんめ核保有かくほゆうこくになった。フランスは1960ねんから1996ねんまでのあいだかく実験じっけんサハラ砂漠さはらさばくで17かい実施じっしふつりょうポリネシアで193かい実施じっしした(フランスの核兵器かくへいきかんする詳細しょうさいは「フランスの核兵器かくへいき」を参照さんしょう)。

中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこくは、1960ねんだい当初とうしょからだい9学会がっかいばれる研究けんきゅう都市としうみきたチベットぞく自治じちしゅうもうけて、かく開発かいはつ推進すいしんしてきた。1964ねん10月16にちはつ原子げんしばくだん実験じっけん成功せいこうし、1967ねん6月17にちはつ水素すいそばくだん実験じっけん成功せいこうした。

インド1974ねん5月18にちはつかく実験じっけんおこなっている。パキスタン1998ねん5月28にちはつかく実験じっけんおこなっている。北朝鮮きたちょうせん2006ねん10月9にちはつかく実験じっけんおこなっている。

原子げんしばくだん理論りろん構造こうぞう

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核分裂かくぶんれつかんする理論りろん

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エネルギー

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原子げんしばくだんのエネルギーは、原子げんし核分裂かくぶんれつ反応はんのうするときに放出ほうしゅつするエネルギーであり、原子核げんしかく構成こうせいする陽子ようし中性子ちゅうせいしあいだかくエネルギーとしてすものである。通常つうじょう兵器へいきTNT火薬かやくなどの化学かがく反応はんのうによって原子げんし結合けつごうエネルギー原子げんし構成こうせいする電子でんし軌道きどう位置いちエネルギー)をすのとは原理げんりてきことなる。

そのエネルギーのおおきさは、通常つうじょうどうりょうのエネルギーをみだすTNT火薬かやく重量じゅうりょう換算かんさんTNT換算かんさん)して評価ひょうかする。しかし、これで評価ひょうかできるのは爆発ばくはつ破壊はかいりょくだけであり、核兵器かくへいき使用しようともな放射線ほうしゃせん障害しょうがい放射ほうしゃせい物質ぶっしつによる汚染おせん考慮こうりょされていない。

核分裂かくぶんれつ

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核分裂かくぶんれつさいには通常つうじょうすう中性子ちゅうせいし外部がいぶ放出ほうしゅつされる。そのため、核分裂かくぶんれつこす物質ぶっしつ隣接りんせつして大量たいりょう存在そんざいする場合ばあいには、核分裂かくぶんれつ放出ほうしゅつされた中性子ちゅうせいしべつ原子核げんしかく吸収きゅうしゅうしてさらに分裂ぶんれつする、という反応はんのう連鎖れんさてきこることがある。このような反応はんのう核分裂かくぶんれつの「連鎖れんさ反応はんのう」とぶ。核分裂かくぶんれつせい物質ぶっしつりょうすくない場合ばあいには連鎖れんさ反応はんのう短時間たんじかん終息しゅうそくするが、ある一定いっていりょうえると中性子ちゅうせいし吸収きゅうしゅうすう放出ほうしゅつすうって連鎖れんさ反応はんのう持続じぞくすることになる。この状態じょうたいを「臨界りんかい状態じょうたい(あるいはたん臨界りんかい)」といい、臨界りんかい状態じょうたいとなる核分裂かくぶんれつせい物質ぶっしつりょう臨界りんかいりょうぶ。発電はつでんとうもちいられる原子げんしではこの臨界りんかい状態じょうたい維持いじするよう制御せいぎょして一定いっていのエネルギー出力しゅつりょくている。原子げんしばくだんもちいられる場合ばあいは、核分裂かくぶんれつせい物質ぶっしつ制御せいぎょされた短時間たんじかん臨界りんかい状態じょうたいにする必要ひつようがある。

核分裂かくぶんれつせい物質ぶっしつ臨界りんかいりょう大幅おおはばえて存在そんざいする場合ばあいには、分裂ぶんれつ反応はんのうかえすごとに中性子ちゅうせいしかず指数しすう関数かんすうてき増加ぞうかし、反応はんのう暴走ぼうそうてきすすむ。この状態じょうたいを「ちょう臨界りんかい状態じょうたい」(物性ぶっせい物理ぶつりがくにおけるちょう臨界りんかいとは意味いみことなることに注意ちゅうい)、または臨界りんかい超過ちょうかぶ。ごくわずかなちょう臨界りんかい状態じょうたいであれば制御せいぎょ可能かのう領域りょういき存在そんざいする(そうでなければ原子げんし起動きどう出来できない)が、一定いってい以上いじょうちょう臨界りんかい状態じょうたい制御せいぎょ不可能ふかのうであり兵器へいきとしても実用じつようにならない。

原子げんしばくだん起爆きばくまえ保管ほかん運送うんそうちゅう核分裂かくぶんれつ連鎖れんさ反応はんのうはじまってしまうと暴発ぼうはつするか使用しよう不能ふのうになる。如何いか構造こうぞう工夫くふうしようとも、暴発ぼうはつけて収容しゅうようできる核分裂かくぶんれつせい物質ぶっしつりょうには限界げんかいがあり、そのため実現じつげんできるかく出力しゅつりょくにはおのずと上限じょうげんがある。のち水素すいそばくだん実用じつようされたことで、核分裂かくぶんれつせい物質ぶっしつ増量ぞうりょうによってかく出力しゅつりょくたかめる動機どうきうしなわれた。

ウランとプルトニウム

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核分裂かくぶんれつ反応はんのうこす物質ぶっしつ核種かくしゅ)はいくつか存在そんざいするが、原子げんしばくだんにはウラン235またはプルトニウム239もちいられる。

ウラン原爆げんばく

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ウラン235は広島ひろしま投下とうかされた原子げんしばくだんもちいられた。天然てんねんウランは、核分裂かくぶんれつこしやすウラン235と、核分裂かくぶんれつこしにくいウラン238からなるが、ウラン235はわずか0.7%である。原爆げんばくもちいるためにはウラン235の濃度のうど通常つうじょう90%以上いじょうたかめなければならず、かろうじてかく爆発ばくはつこす程度ていどでも最低さいてい70%以上いじょう濃縮のうしゅくウランが必要ひつようとなる。放射能ほうしゃのうちいさいためにあつかいは容易よういであるが、ウラン濃縮のうしゅくには大変たいへん高度こうど技術ぎじゅつりょくだい規模きぼ設備せつび大量たいりょうのエネルギーが必要ひつようとされる。ウランは後述こうじゅつのガンバレル方式ほうしきばくちぢみ方式ほうしきのどちらでも使用しよう可能かのうである。

ウラン濃縮のうしゅくによる原爆げんばく製造せいぞう初期しょき設備せつび投資とうし比較的ひかくてき安価あんかだが、電力でんりょく大量たいりょう消費しょうひ運転うんてん経費けいひがかかるうえおなかく物質ぶっしつりょうでプルトニウムよりすくないかず原爆げんばくしかつくれないため、原爆げんばく1あたりの製造せいぞうコストはプルトニウム原爆げんばくより高価こうかになる。一方いっぽうで、ウラン濃縮のうしゅく施設しせつはプルトニウム生産せいさん黒鉛こくえんちがって地下ちか設置せっちしやすく大量たいりょう赤外線せきがいせん放射ほうしゃしないので偵察ていさつ衛星えいせい位置いち察知さっちされにくい。また、ガンバレル方式ほうしき必要ひつよう臨界りんかいりょうおお製造せいぞう効率こうりつはなはわるいものの、かく実験じっけんなしでも核兵器かくへいきてる。そのためかく開発かいはつ初期しょき段階だんかいくにはウラン原爆げんばく砲身ほうしん方式ほうしきわせを選択せんたくする場合ばあいおおい。イランのかく開発かいはつもウラン原爆げんばく計画けいかく主体しゅたいである。

マンハッタン計画けいかくで、臨界りんかい質量しつりょう以下いかのウラン235の2つの小片しょうへん合体がったいさせ、臨界りんかい質量しつりょう以上いじょうにすることにより容易ようい核分裂かくぶんれつ連鎖れんさ反応はんのう開始かいしできることがあきらかになったため、広島ひろしまがた原爆げんばくには後述こうじゅつのガンバレル方式ほうしき選択せんたくされた。砲身ほうしん方式ほうしきにおいてウラン原爆げんばく臨界りんかいりょうは100%ウラン235の金属きんぞくで22kgとされている[4]広島ひろしまがた原爆げんばくではウラン235がやく60kg使用しようされたとされる(ぜんウランにたいするウラン235の割合わりあいが80%の濃縮のうしゅくウラン75kg)[ちゅう 3]

プルトニウム原爆げんばく

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長崎ながさき投下とうかされた原子げんしばくだん
(ファットマン) こわーい

プルトニウム239は自然しぜんかいにはほとんど存在そんざいしない重金属じゅうきんぞくであるが、原子げんし燃料ねんりょう転換てんかんりつたか原子げんしのぞましい)ないでウラン238が中性子ちゅうせいし吸収きゅうしゅうすることで副産物ふくさんぶつとしてつくられるため、ウラン235のような大量たいりょう電力でんりょく消費しょうひする濃縮のうしゅく過程かてい必要ひつようとせず、むしろ原子げんし電力でんりょくられるという利点りてんもある。また臨界りんかいりょうが5kgとウラン235にくらべてかなり少量しょうりょう利点りてんがある[5]

プルトニウムは放射能ほうしゃのうおおきいためあつかいがむずかしく、生産せいさん黒鉛こくえんまたは重水じゅうすいさい処理しょり工場こうじょう建設けんせつがかかるが、副産物ふくさんぶつとして電力でんりょくられ、1はつあたり生産せいさんコストがトータルではウラン原爆げんばくより安価あんかみ、量産りょうさんくため、現在げんざい大国たいこく核兵器かくへいき生産せいさんはプルトニウムが主体しゅたいである。

しかし通常つうじょう工程こうてい生成せいせいされるプルトニウムには、たかかくりつ自発じはつ核分裂かくぶんれつこすプルトニウム240が兵器へいきとして使用しようできる許容きょようりょうえるレベルでふくまれている。このため、ガンバレル方式ほうしきではプルトニウム全体ぜんたいちょう臨界りんかいたっするまえ一部いちぶ自発じはつ核分裂かくぶんれつきてばくだん四散しさん(これをはや爆発ばくはつという)してしまうなど、効率こうりつ爆発ばくはつこすことがむずかしい。したがって密度みつどひくいプルトニウムを球状きゅうじょうにし、ばくちぢみによって密度みつどたか核分裂かくぶんれつ連鎖れんさ反応はんのう開始かいしさせるばくちぢみ方式ほうしきもちいられる。また核分裂かくぶんれつ連鎖れんさ反応はんのう開始かいしされてからプルトニウム239が飛散ひさんして終了しゅうりょうするまでの反応はんのう効率こうりつがガンバレル方式ほうしきよりもたかいというメリットもある。長崎ながさき投下とうかされた原子げんしばくだんにはこのタイプがもちいられた。

なお、ばくちぢみ方式ほうしきもちいる場合ばあいでもプルトニウム240の含有がんゆうりょうが7%をえるとはや爆発ばくはつ原因げんいんになり、核兵器かくへいき製造せいぞうかない。日本にっぽん原子力げんしりょく発電はつでん使つかわれている軽水炉けいすいろ使用しよう燃料ねんりょうから抽出ちゅうしゅつされるプルトニウムはプルトニウム240を22-30%前後ぜんご含有がんゆうし、プルトニウム240を分離ぶんりしないと核兵器かくへいき使つかえない。核兵器かくへいき製造せいぞうにはプルトニウム240含有がんゆうりょうが7%以下いか兵器へいきようプルトニウムがられる黒鉛こくえんCANDUもしくは高速こうそく増殖ぞうしょく日本にっぽんには常陽じょうようもんじゅがあったがどちらもはい)を使つかうのが普通ふつうで、北朝鮮きたちょうせん原爆げんばく計画けいかくの1つであるプルトニウム計画けいかく黒鉛こくえん、イラン原爆げんばく計画けいかくにおいて傍流ぼうりゅうであるプルトニウム原爆げんばく計画けいかくでは重水じゅうすい使用しようされている。

ミニ・ニューク

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技術ぎじゅつ進歩しんぽ使用しよう目的もくてきてきした爆発ばくはつりょくつよう小型こがたされたものをミニ・ニュークという。すくないかく物質ぶっしつおおくの核弾頭かくだんとう製造せいぞう可能かのう反面はんめん一発いっぱつあたり威力いりょくもややちいさくなる。

米国べいこくかく物理ぶつり学者がくしゃトーマス・コクラン博士はかせ[6]ばくちぢみ方式ほうしき場合ばあい、より少量しょうりょうちょう臨界りんかい可能かのうであることに着目ちゃくもくして臨界りんかいりょう分析ぶんせきしなおし、今日きょうでは従来じゅうらいより少量しょうりょうかく物質ぶっしつちょう臨界りんかい可能かのうであり、プルトニウム原爆げんばく現代げんだい技術ぎじゅつでは1.5kg、途上とじょうこく技術ぎじゅつでも2kgでのちょう臨界りんかい可能かのうであると発表はっぴょうした。またウラン原爆げんばくばくちぢみ方式ほうしきなら3-5kgでのちょう臨界りんかい可能かのうられている。

北朝鮮きたちょうせん2006ねんったかく実験じっけんでは、長崎ながさきがた原爆げんばく爆発ばくはつりょくが20キロトンをえていたのにたいし、中国ちゅうごくへの事前じぜん通知つうちが4キロトン、実験じっけん結果けっかが0.8キロトンだったことから、限界げんかいまでプルトニウムを節約せつやくした小型こがた核弾頭かくだんとう実験じっけんいどんで、結果けっかはややはや爆発ばくはつ気味ぎみであったのではないか、という観測かんそくもあるとかんがえられる。


構造こうぞう

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原子げんしばくだん構造こうぞううえ砲身ほうしん方式ほうしきしたばくちぢみ方式ほうしき

原子げんしばくだん構造こうぞう単純たんじゅんである。本質ほんしつてきには、臨界りんかいりょう以下いか分割ぶんかつした核分裂かくぶんれつせい物質ぶっしつかたまり瞬間しゅんかんてき集合しゅうごうさせ、そこに中性子ちゅうせいし照射しょうしゃして連鎖れんさ反応はんのうちょう臨界りんかい状態じょうたいつくし、莫大ばくだいなエネルギーを放出ほうしゅつさせる、というものである。ただし実際じっさいには、ばくだんもちいる物質ぶっしつ性質せいしつおうじておおきく2種類しゅるい構造こうぞうもちいられる。

ガンバレルがた

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ガンバレルがたえい:Gun barrel)または砲身ほうしん方式ほうしきウラン[ちゅう 4]臨界りんかいりょうたっしない2つの物体ぶったいけてつつりょうはしれておき、投下とうか起爆きばく装置そうち使つかって片方かたがた移動いどうさせ、もうひとつと合体がったいさせることでちょう臨界りんかいたっするものである。合体がったい容易よういせいから構造こうぞうは凹型ととつがたわせ、またはつつがたはしらがたわせとなる。広島ひろしま投下とうかされたリトルボーイがこの方式ほうしき採用さいようした。しかしリトルボーイでは、60キログラムとされる搭載とうさいウランのうち実際じっさい核分裂かくぶんれつ反応はんのうこしたのはやく1キログラムと推定すいていされている。そののウランは核分裂かくぶんれつこさずに四散しさんした。初期しょきかく砲弾ほうだんよう弾頭だんとうなどの量産りょうさんれいはあるが、必要ひつようかく物質ぶっしつりょうたいして威力いりょくおとることから砲身ほうしん方式ほうしき積極せっきょくてき選択せんたくする意義いぎすくないため、かく開発かいはつ製造せいぞうにおいて主流しゅりゅうではない。

インプロージョンがた

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インプロージョンがたえい:Implosion)またはばくちぢみ方式ほうしきは、英語えいごexplosion爆発ばくはつ」というかたりex-そとへ)という接頭せっとうin-うちへ)にえた造語ぞうごで、「ばくちぢみ」はその和訳わやくである。ばくちぢみ方式ほうしきとはそのとおり、プルトニウムを球形きゅうけい配置はいちし、その外側そとがわならべた火薬かやく同時どうじ爆発ばくはつさせて位相いそうそろった衝撃波しょうげきはあたえ、プルトニウムを一瞬いっしゅん均等きんとう圧縮あっしゅくし、高密度こうみつどにすることでちょう臨界りんかい達成たっせいさせる方法ほうほうである。長崎ながさき投下とうかされたファットマン採用さいようされた。 プルトニウムは自発じはつ核分裂かくぶんれつかくりつたかく、プルトニウム原爆げんばくはや爆発ばくはつ防止ぼうしためにこの方式ほうしきでのみ実用じつよう可能かのうとなるのにたいし、ウラン原爆げんばくはインプロージョンがた、ガンバレルがたのどちらでも可能かのうである。

しかしこの方式ほうしき衝撃波しょうげきは調整ちょうせいばくちぢみレンズの設計せっけい非常ひじょうむずかしく、高度こうど計算けいさん使用しようできるほど高性能こうせいのうなコンピュータがなかったマンハッタン計画けいかくとき数学すうがくしゃジョン・フォン・ノイマンいたるの10かげつにもおよ衝撃しょうげき計算けいさんがなければ実現じつげんなかったとわれている。砲身ほうしん方式ほうしき原爆げんばく実地じっちテストなしで広島ひろしま投下とうかされたが、ばくちぢみ方式ほうしきばくだんはこのようなこう精度せいど動作どうさもとめられたため、ニューメキシコしゅうアラモゴードトリニティ実験じっけん設計せっけいどおりに作動さどうすることを確認かくにんするテストがおこなわれた。この方式ほうしき前述ぜんじゅつ砲身ほうしん方式ほうしきより効率こうりつい。核分裂かくぶんれつ連鎖れんさ反応はんのうはじまってかく物質ぶっしつ四散しさんさせようとする圧力あつりょくを、ばくちぢみによるうちきの圧縮あっしゅくりょくさえこみ、核分裂かくぶんれつ継続けいぞくするためである。そのため、だい世界せかい大戦たいせん以後いご製造せいぞうされた原子げんしばくだんは、かく開発かいはつ初期しょき段階だんかい製造せいぞうされたものをのぞきプルトニウムがた・ウランがたともにばくちぢみ方式ほうしきである。

改良かいりょうがた原子げんしばくだん

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D-T強化きょうか方式ほうしき

D-T強化きょうか方式ほうしき原子げんしばくだん(Boosted fission weapon)はばくちぢみ方式ほうしき性能せいのう向上こうじょうがたであり、基本きほんとなる核分裂かくぶんれつ反応はんのう利用りようした原子げんしばくだんなかに、核分裂かくぶんれつ反応はんのうでの分裂ぶんれつ効率こうりつたかめる目的もくてきかく融合ゆうごう反応はんのう要素ようそくわえたものである。

原子げんしばくだんかく反応はんのうこすべきかく物質ぶっしつ全量ぜんりょうエネルギーを開放かいほうするようにつくることは21世紀せいき現在げんざいおこなえず、化学かがく反応はんのうによる爆発ばくはつ利用りようした通常つうじょうばくだんことなり、おおくのかく物質ぶっしつ核分裂かくぶんれつ反応はんのう寄与きよせずに飛散ひさんしてしまう。飛散ひさんするまえによりおおくの核分裂かくぶんれつ反応はんのうをプルトニウムにおこなわせることが出来できればそれだけ多量たりょうのエネルギーをすことができる。

D-T強化きょうか方式ほうしきではプルトニウムを使用しようしたばくちぢみ方式ほうしきでの球状きゅうじょうのコアの中央ちゅうおう空洞くうどうつくって重水素じゅうすいそ(デューテリウム、D、2H)とさん重水素じゅうすいそ(トリチウム、T、3H)のガスを50%ずつ、けい5グラムほど注入ちゅうにゅうしておく。ばくちぢみによってプルトニウムが圧縮あっしゅくされながら核分裂かくぶんれつはじめ1おくちかくになった時点じてんでこれらのガスはD-Tかく融合ゆうごう反応はんのうこし、プルトニウムによる核分裂かくぶんれつしょうじるものの7ばいほど高速こうそく中性子ちゅうせいしを1つはなってヘリウムに変化へんかする。D-T反応はんのうによる高速こうそく中性子ちゅうせいし通常つうじょうならばプルトニウムの核分裂かくぶんれつ反応はんのうだん面積めんせきちいさくなってしまって分裂ぶんれつ効率こうりつわるくなるが、ばくちぢみによって密度みつどしたプルトニウムの原子核げんしかくでは核分裂かくぶんれつ反応はんのうだん面積めんせき充分じゅうぶんおぎなわれて、DT反応はんのう由来ゆらい高速こうそく中性子ちゅうせいし効果こうかてきにプルトニウム原子核げんしかく分裂ぶんれつさせる。また、中性子ちゅうせいし速度そくどすと核分裂かくぶんれつしょうじる中性子ちゅうせいしかず増加ぞうかし、プルトニウム自身じしん核分裂かくぶんれつ反応はんのう由来ゆらい中性子ちゅうせいしによる核分裂かくぶんれつでは中性子ちゅうせいしが2-3ほどしかしょうじないのにたいし、DT反応はんのう由来ゆらい高速こうそく中性子ちゅうせいしによる核分裂かくぶんれつでは平均へいきん5ほどの中性子ちゅうせいししょうじる。これによって核分裂かくぶんれつ効率こうりつたかまり短時間たんじかん核分裂かくぶんれつ反応はんのうすすむ。長崎ながさきがたファットマンでは分裂ぶんれつ効率こうりつが14%だったとされるが、D-T強化きょうかがたでは30%にできるとされる[ちゅう 5][ちゅう 6][7]

なお、核兵器かくへいきについての民間みんかん書籍しょせきなどではこのD-T強化きょうか方式ほうしき説明せつめい構造こうぞうしきが「水爆すいばく構造こうぞう」として記述きじゅつされていることがある。しかし、D-T強化きょうか方式ほうしきはあくまで原子げんしばくだん一種いっしゅであり、これ自体じたい水素すいそばくだんには分類ぶんるいされないが、D-T強化きょうか方式ほうしき原爆げんばく水爆すいばく起爆きばく装置そうちとして水爆すいばく構造こうぞうにはまれている。

はや爆発ばくはつ

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プルトニウム原爆げんばくにおいて、反応はんのうざいのプルトニウム240含有がんゆうりょうが7%を超過ちょうかばくちぢみ不完全ふかんぜん軽量けいりょうのためばくちぢみ火薬かやく削減さくげんしすぎた余裕よゆうのない設計せっけい、などの場合ばあいでは、ばくちぢみ方式ほうしきであってもプルトニウム240の自発じはつ核分裂かくぶんれつ発生はっせいするそときの爆風ばくふうが、TNTばくちぢみ火薬かやくうちきの圧力あつりょくってプルトニウム239のかたまり充分じゅうぶん核分裂かくぶんれつ完了かんりょうするまえばしてしまう。この現象げんしょうはや爆発ばくはつであり、プルトニウム239の一部いちぶしか核分裂かくぶんれつしないため、爆発ばくはつりょく計画けいかく大幅おおはば下回したまわってしまう。

日本にっぽんへの原子げんしばくだん投下とうか

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実戦じっせんにおいては1945ねん8がつ日本にっぽんふたつの都市とし原子げんしばくだん投下とうかされた。

広島ひろしま

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広島ひろしま被曝ひばく
被爆ひばく直後ちょくご広島ひろしま
広島ひろしまへの原爆げんばく投下とうかにより被爆ひばくしてげた広島電鉄ひろしまでんてつ650かたち電車でんしゃ651号車ごうしゃ
ばく心地ごこちからわずか700mで被爆ひばくしたが、その修理しゅうりされ、冷房れいぼうされるとう改修かいしゅうおこなわれつつ2019ねん現在げんざいでも現役げんえき運用うんようされており[8]、「被爆ひばく電車でんしゃ」として著名ちょめいである。
ばく心地ごこちしま病院びょういん現在げんざい島内とうないまえにあるモニュメント

1945ねん昭和しょうわ20ねん8がつ6にち午前ごぜん815ふん日本にっぽん広島ひろしまに、原子げんしばくだん(リトルボーイ)が、マンハッタン計画けいかく責任せきにんしゃであるレスリー・グローブスの「広島ひろしま小倉おぐら長崎ながさきのいずれかの都市としに8がつ3にち以降いこう目視もくしばくげき可能かのう天候てんこうに「特殊とくしゅばくだん」を投下とうかするべし」という投下とうか指令しれいしょけたB-29エノラ・ゲイ)によって投下とうかされた(一般いっぱんてきには大統領だいとうりょうだったハリー・S・トルーマン投下とうか許可きょかしたことになっているが、トルーマンが原爆げんばく投下とうか許可きょかしたという証拠しょうこつかっていないうえ最近さいきん研究けんきゅうでトルーマンは明確めいかく決断けつだんをしていなかったことがあきらかになっている)。

市内しないほぼ中央ちゅうおう位置いちするT字形じけい相生橋あいおいばし目標もくひょうてんとされ、投下とうかされた原爆げんばく上空じょうくう600メートルで炸裂さくれつした。

爆発ばくはつともなって熱線ねっせん放射線ほうしゃせん周囲しゅうい大気たいき瞬間しゅんかんてき膨張ぼうちょうして強烈きょうれつ爆風ばくふう衝撃波しょうげきはこし、その爆風ばくふう風速ふうそく音速おんそくえた。爆発ばくはつ光線こうせん衝撃波しょうげきはから広島ひろしまなどでは原子げんしばくだんのことを「ピカドン」とぶ。

ばく心地ごこち付近ふきんてつやガラスも蒸発じょうはつするほどの高熱こうねつさらされ、強烈きょうれつ熱線ねっせんにより屋外おくがいにいたひと全身ぜんしん皮膚ひふ炭化たんかし、内臓ないぞう組織そしきいたるまで高熱こうねつ水分すいぶん蒸発じょうはつしていった。苦悶くもん姿態したい形状けいじょうしめす「水気みずけ黒焦くろこげの遺骸いがい」が道路どうろなどに大量たいりょうのこされた。

また、3.5kmはなれた場所ばしょでも素肌すはだ直接ちょくせつ熱線ねっせんびたひと火傷かしょうった。爆風ばくふう衝撃波しょうげきは被害ひがい甚大じんだいばく心地ごこちから2kmの範囲はんいで(木造もくぞう家屋かおくふくむ)建物たてもののほとんどすべてがんだ。

爆発ばくはつによる直接的ちょくせつてき放射線ほうしゃせん被曝ひばくのほかに、広島ひろしま北西ほくせいった「くろあめ」などの放射ほうしゃせい降下こうかぶつ(フォールアウト)による被曝ひばく被害ひがい発生はっせい。また、投下とうか救援きゅうえん捜索そうさく活動かつどうのために市内しないはいったひと急性きゅうせい障害しょうがい多発たはつした(被害ひがい)。当時とうじ広島ひろしま人口じんこうやく34まんにんであったが、ばく心地ごこちから1.2kmの範囲はんいでは当日とうじつちゅうに50%のひと死亡しぼうし、同年どうねん12がつまつまでにさらに14まんにん死亡しぼうしたと推定すいていされる。殺傷さっしょうしゃとしてまとめると20まんにんもの人間にんげんがいた。

その火傷かしょう後遺症こういしょうケロイド)による障害しょうがい胎内たいない被曝ひばくした出生しゅっしょう死亡しぼうりつ上昇じょうしょう白血病はっけつびょう甲状腺こうじょうせんがん増加ぞうかなどられた。

長崎ながさき

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長崎ながさき撮影さつえいされた、熱線ねっせんにさらされた外壁がいへきのこった人間にんげん梯子はしごかげ
長崎ながさきばく心地ごこち公園こうえん。レンガづくりの構造こうぞうぶつ手前てまえ)はきゅう浦上うらかみ天主堂てんしゅどう被爆ひばく遺構いこう移設いせつしたもの。黒色こくしょく構造こうぞうぶつおく)が原爆げんばく落下らっか中心ちゅうしん

広島ひろしまの3にち1945ねん8がつ9にち午前ごぜん112ふんB-29ボックスカー)が長崎ながさき原子げんしばくだんファットマン投下とうかした。投下とうか地点ちてんは、当日とうじつ天候てんこうのため目標もくひょうであった市街しがい中心ちゅうしんからはずれ、長崎ながさき北部ほくぶ松山まつやままち171番地ばんちげん松山まつやままち5番地ばんち)テニスコートの上空じょうくうであった。

当時とうじ長崎ながさき人口じんこう推定すいてい24まんにん長崎ながさき同年どうねん12がつまつ集計しゅうけいによると被害ひがいは、死者ししゃ7まん3884にん負傷ふしょうしゃ7まん4909にん罹災りさい人員じんいん:12まん820にん罹災りさい戸数こすう1まん8409にのぼった。

本土ほんど上陸じょうりく作戦さくせん中止ちゅうし

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原爆げんばく投下とうか8がつ14にち日本にっぽんポツダム宣言せんげん受諾じゅだく決定けってい通告つうこくした。このことによりとく欧米おうべいでは原爆げんばく投下とうか日本にっぽん降伏ごうぶくうながしたというろん既成きせい事実じじつとしてれられている。しかし、中立ちゅうりつ条約じょうやくむすんでいたソ連それんたいにち参戦さんせんしたことがかさなることなどから、原爆げんばく投下とうか日本にっぽん降伏ごうぶくとの関連かんれんはいまだに議論ぎろんされている。なお玉音ぎょくおん放送ほうそうでは、原爆げんばく投下とうかをポツダム宣言せんげん受諾じゅだく理由りゆうひとつにげている。

日本にっぽん降伏ごうぶくにより、1945ねん11月に予定よていされていた九州きゅうしゅう南部なんぶへの上陸じょうりく作戦さくせんならびに翌年よくねん3がつ予定よていされていた関東かんとう地方ちほうへの一大いちだい上陸じょうりく作戦さくせん中止ちゅうしとなった。この作戦さくせん実行じっこうされていた場合ばあいけい107まんにんものアメリカぐん東京とうきょう上陸じょうりくし、双方そうほうわせて広島ひろしま長崎ながさき原爆げんばくによる死傷ししょうしゃをはるかに上回うわまわ戦死せんししゃしただろうと戦後せんごべいぐん当局とうきょくはコメントしている[9]。このコメントが後年こうねん米国べいこくにおける原爆げんばく投下とうか正当せいとう根拠こんきょとなった(本土ほんど作戦さくせんかんする詳細しょうさいは、べいぐんダウンフォール作戦さくせん日本にっぽんぐん本土ほんど決戦けっせんけつごう作戦さくせん参照さんしょう)。

原子げんしばくだん健康けんこう被害ひがい影響えいきょう

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原子げんしばくだんは、高温こうおん熱線ねっせんつよ爆風ばくふうだけでなく、つよ放射線ほうしゃせん放出ほうしゅつし、放射ほうしゃしたちりなどを多量たりょう排出はいしゅつしたため、被害ひがいTNT換算かんさんはかれる爆発ばくはつねつ爆風ばくふうだけにまらず、原爆げんばくしょうばれる放射線ほうしゃせん障害しょうがい白血病はっけつびょうがんなどの病気びょうき被曝ひばくしゃこし、その影響えいきょう現在げんざいつづいている。

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ 原子げんしほうによって発射はっしゃされるかく砲弾ほうだんれいには280mmほうW9がある。
  2. ^ 戦術せんじゅつかくよう反動はんどうほうれいとしてはかく出力しゅつりょく0.02キロトンのデイビー・クロケットがある。
  3. ^ 原子力げんしりょくのすべて』−地球ちきゅう共存きょうぞんする知恵ちえ内閣ないかく原子力げんしりょくのすべて」編集へんしゅう委員いいんかいへん だい7しょうだい4せつより
  4. ^ プルトニウムはガンバレルがたでは選択せんたくされない。プルトニウムとガンバレルがたについてはMark 2 (かくばくだん)参照さんしょうのこと
  5. ^ D-T強化きょうか方式ほうしきでは核分裂かくぶんれつによるねつでコアがふくらむまえかく反応はんのうすすむため、コア慣性かんせいりょくめるためのウラン238せい分厚ぶあついタンパーにわってベリリウムせいうす反射はんしゃたいとしてのタンパーにえられる。
  6. ^ D-T強化きょうか方式ほうしき原爆げんばくれいとして、1956ねん米国べいこく開発かいはつした「スワン」がある。「ファットマン」がながさ3.25m、直径ちょっけい1.52m、重量じゅうりょう4,500kgだったのにたいして、スワンはながさ58cm、直径ちょっけい29.5cm、重量じゅうりょう45.6kgだったが、エネルギーは20キロトンにたいして15キロトンであったとされる。

出典しゅってん

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  1. ^ かく爆発ばくはつ装置そうち - ATOMICA -”. atomica.jaea.go.jp. 2020ねん6がつ29にち閲覧えつらん
  2. ^ 知恵ちえぞう解説かいせつ_フィズル”. コトバンク_(かぶ)朝日新聞あさひしんぶん出版しゅっぱん発行はっこう知恵ちえぞう」. 2018ねん2がつ24にち閲覧えつらん
  3. ^ 岩波書店いわなみしょてん編集へんしゅう へん近代きんだい日本にっぽん総合そうごう年表ねんぴょう だいよんはん岩波書店いわなみしょてん、2001ねん11月26にち、373ぺーじISBN 4-00-022512-X 
  4. ^ イランの原子力げんしりょく開発かいはつ原子力げんしりょく施設しせつ”. 2022ねん8がつ3にち閲覧えつらん
  5. ^ 原爆げんばくよう産業さんぎょうようプルトニウムとの組成そせい比較ひかく”. 2022ねん8がつ3にち閲覧えつらん
  6. ^ NRDC Profile: Thomas B. Cochran
  7. ^ 山田やまだ克哉かつやちょ日本にっぽん原子げんしばくだんつくれるのか』、PHP研究所けんきゅうじょ、2009ねん1がつ30にちだい1はんだい1さつ発行はっこうISBN 9784569706443
  8. ^ 広島電鉄ひろしまでんてつ公式こうしきサイト>電車でんしゃ情報じょうほう車両しゃりょう紹介しょうかい単車たんしゃ - 650かたち ※2022ねん3がつ19にち閲覧えつらん
  9. ^ 大西おおにし 比呂志ひろし相模さがみわん上陸じょうりく作戦さくせんだい大戦たいせん終結しゅうけつへのみち」、ISBN 978-4896601329

関連かんれん文献ぶんけん

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  • 有馬ありま哲夫てつお原爆げんばく わたしたちはなにもしらなかった』(2019ねん新潮しんちょう新書しんしょ
  • 原爆げんばく投下とうかするまで日本にっぽん降伏ごうぶくさせるな』鳥居とりいみんくさおもえしゃ、2005ねんISBN 9784794214089

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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