合議ごうぎ制せい

合議ごうぎ制せい（ごうぎせい）とは、

1. 広義こうぎには、複数ふくすうの人物じんぶつの合議ごうぎによって事ことを決定けっていする制度せいど。
2. 狭義きょうぎには、特とくに執行しっこう機関きかんを複数ふくすうの人物じんぶつによって構成こうせいさせる制度せいど。対たいして、一人ひとりの人物じんぶつによるものは独どく任にん制せい。

本ほん項こうでは主おもに、狭義きょうぎにおける合議ごうぎ制せいを詳述しょうじゅつする。

概要がいよう

合議ごうぎ制せいとは、執行しっこう機関きかんを複数ふくすうの人ひとによって構成こうせいさせる制度せいどである。

歴史れきし上じょう、さまざまな時代じだいや地域ちいきで、色々いろいろな合議ごうぎ制せいが採用さいようされた。現代げんだいでは、内閣ないかくやあらゆる委員いいん会かいが合議ごうぎ制せいに当あたる。合議ごうぎ制せいの機関きかんは、その権限けんげんの範囲はんい内ないの意思いし決定けっていについては、その組織そしき内ないの他ほかの機関きかんから指揮しき監督かんとくを受うけないのが特徴とくちょうである。

これは、合議ごうぎ制せいは合議ごうぎ体たいによる意思いし決定けっていであることそれ自体じたいによって、判断はんだんの慎重しんちょうさや公正こうせいさ、民主みんしゅ的てき正統せいとう性せいが担保たんぽされると安直あんちょくに考かんがえられているからである。少しょう人数にんずうで行おこなわれる場合ばあい、この制度せいどの下したでは合議ごうぎの構成こうせい員いんの中なかで権力けんりょくを集中しゅうちゅうさせる者ものが出現しゅつげんする可能かのう性せいがあり、独裁どくさい制せいに陥おちいることがある。また、そうした人物じんぶつが出でてこなくても、合議ごうぎ政権せいけんが弱体じゃくたいであれば社会しゃかいの混乱こんらんを招まねき、利権りけん維持いじを狙ねらう者ものも出でてくる。

主おもな例れい

• 古代こだいローマの三さん頭とう政治せいじ

  ローマの有力ゆうりょく軍閥ぐんばつによる合議ごうぎであったが、第だい1回かいのときはカエサル、第だい2回かいのときはアウグストゥスによる権力けんりょく掌握しょうあくによって独裁どくさい制せいに入はいった。

• インディアンの社会しゃかい

  酋長しゅうちょうは調停ちょうてい役やく。

• 初期しょきの鎌倉かまくら幕府ばくふ（評定ひょうじょう衆しゅ）

  有力ゆうりょく御家人ごけにんによる合議ごうぎ制せいであったが（十じゅう三さん人にんの合議ごうぎ制せい）、北条ほうじょう氏しの勢力せいりょくが強大きょうだい化かし、敵対てきたい勢力せいりょくは排斥はいせき・放逐ほうちくされ、執権しっけん独裁どくさい（得とく宗むね専制せんせい政治せいじ）に陥おちいった。

• 秀吉ひでよし死後しごの豊臣とよとみ政権せいけん

  五ご大老たいろうによる合議ごうぎ。大老たいろうの一人ひとり徳川とくがわ家康いえやすの勢力せいりょくが増大ぞうだいし、主家しゅか豊臣とよとみ氏しを凌駕りょうがするようになった。

• 江戸えど幕府ばくふの老中ろうじゅう

  4 - 5人にんの老中ろうじゅうらによる合議ごうぎ制せいであった。

• フランス革命かくめい時どきの総裁そうさい政府せいふ
• 国際こくさい連合れんごう安全あんぜん保障ほしょう理事りじ会かい

  事実じじつ上じょう、常任じょうにん理事りじ国こくの五ご大国たいこくによる合議ごうぎ制せい。

• 国家こっか元首げんしゅとしてスイスの連邦れんぽう参事さんじ会かいや各国かっこくの国家こっか評議ひょうぎ会かい
• 裁判所さいばんしょにおける合議ごうぎ（裁判所さいばんしょ法ほう９条じょう等とう）

関連かんれん項目こうもく

• 独どく任にん制せい
• 統裁とうさい合議ごうぎ制せい
• 寡頭制せい
• 理事りじ会かい
• 協同きょうどう組合くみあい
• 委員いいん会かい等とう設置せっち会社かいしゃ
• 行政府ぎょうせいふ（議会ぎかい統治とうち制せい）
• 立法府りっぽうふ - 議会ぎかい