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名古屋なごやべん

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名古屋なごやべん
名古屋なごやべん番付ばんづけひょう秀松ひでまつどうこうらく名古屋なごやなか
はなされるくに 日本の旗 日本にっぽん
地域ちいき 名古屋なごや
言語げんご系統けいとう
言語げんごコード
ISO 639-3
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名古屋なごやべん(なごやべん)とは、日本にっぽん愛知あいちけん西部せいぶ尾張おわりこく)ではなされる日本語にほんご方言ほうげんである。岐阜ぎふけん美濃みのべんなどとおなじく東海とうかい東山ひがしやま方言ほうげん岐阜ぎふ愛知あいち方言ほうげん(ギア方言ほうげん)グループにぞくしている。

狭義きょうぎには名古屋なごや中心ちゅうしんはなされる方言ほうげんすが、広義こうぎには周辺しゅうへん地域ちいきはなされる尾張おわりべん知多ちたべんふくむ。ほんこうでは広義こうぎ名古屋なごやべんなかとく尾張おわりべん中心ちゅうしんあつかう。

おな愛知あいちけんであっても東部とうぶきゅう三河みかわこくないしはきゅう額田ぬかたけん)ではなされる方言ほうげん三河みかわべんであり、名古屋なごやべんとはアクセント・表現ひょうげんともにことなるてんおおい。一方いっぽうで、名古屋なごやべん岐阜ぎふけん美濃みのべんとの共通きょうつうてんおおい。

名古屋なごやべんは、江戸えど時代じだい当時とうじ新興しんこう都市としである名古屋なごやなり江戸えどなりで全国ぜんこくから流入りゅうにゅうした住民じゅうみん方言ほうげん混交こんこうして成立せいりつしたという、東京とうきょう方言ほうげん共通きょうつうした歴史れきしをもつ[1]文法ぶんぽう根幹こんかん共通きょうつう同一どういつで、共通きょうつう対象たいしょうとした一般いっぱんてき文法ぶんぽう用語ようご分類ぶんるいをそのまま適用てきよう可能かのうであるため、ほんこうでも適用てきようする。

アクセントは内輪うちわ東京とうきょうしき分類ぶんるいされるが、文法ぶんぽう関西かんさいてき要素ようそおおい。共通きょうつう文法ぶんぽう東京とうきょう近郊きんこう在来ざいらい西にし関東かんとう方言ほうげんくらべれば関西かんさいてきなのだが、名古屋なごやべんのそれはさらに幾分いくぶん関西かんさいてきである。 愛知あいちけん方言ほうげん西日本にしにほん方言ほうげん東日本ひがしにっぽん方言ほうげん境界きょうかい地帯ちたいにあたり、文法ぶんぽう西日本にしにほんてき音韻おんいん・アクセントでは東日本ひがしにっぽんてき特徴とくちょうっている。

はじめに

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名古屋なごやべん発音はつおん特徴とくちょうとして、共通きょうつうで「あい」または「あえ」という母音ぼいん連続れんぞくれん母音ぼいん)がアとエの中間ちゅうかんあた母音ぼいんえんくちびるぜんしたせばめのこう母音ぼいん)をばした「えぁ」(国際こくさい音声おんせい記号きごう:[æː])にえられることがげられる。これはアメリカ英語えいごの「can」や「cat」の母音ぼいん[æ])をながばしたちょう母音ぼいんであり、共通きょうつうにはおとである。たとえば「い」がよく「にゃあ」や「にゃー」([ɳjaː])のように表記ひょうきされるが、実際じっさい共通きょうつう拗音ようおんとはことなるおとである。たとえば「ねこがにゃあとにゃあた(ねこがにゃあといた)」というぶんではひとふたの「にゃあ」は表記ひょうきおなじでもべつおとである。前者ぜんしゃ共通きょうつうの「にゃあ」([ɳjaː])とおなじであり、後者こうしゃは「ねえ」と「なあ」の中間ちゅうかんの「ねぁ」([næː])である。ほんこうでは両者りょうしゃ区別くべつするため後者こうしゃおと「エだんのかな+ぁ」表記ひょうきすることとする[2]。すなわちさきれいは「ねこがにゃあとねぁた」と表記ひょうきする。

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名古屋なごやべん種類しゅるい

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上町うえまち(うわまち)言葉ことば

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狭義きょうぎ名古屋なごやべん名古屋なごやことばともばれ、柔軟じゅうなんあたたかみがあり、はな相手あいてたい丁寧ていねいかつ上品じょうひんでおおらかな印象いんしょうあたえる[3]。もとは清洲きよすさい名古屋なごやうつった富商ふしょうむ、名古屋なごや広小路ひろこうじどおり以北いほく碁盤割ごばんわり城下町じょうかまちにてはなされた[4]昭和しょうわまでがれたが、名古屋大なごやだい空襲くうしゅうによる戦災せんさい大胆だいたん戦後せんご復興ふっこうによる地域ちいき社会しゃかい崩壊ほうかい影響えいきょうなどをけ、衰退すいたいいちじるしく、その下町したまち言葉ことば主役しゅやくってわられた。

おもに6つのおおきな特色とくしょくがある[3]

  1. 語尾ごびに「なも[注釈ちゅうしゃく 1]」「なもし[注釈ちゅうしゃく 2]」「えも[注釈ちゅうしゃく 3]」がつく - 「お丈夫じょうぶなも」「まぁ、ええかゃぁ」と語尾ごびにつけることにより、言葉ことば調子ちょうしをやわらかくする。
  2. 敬称けいしょうに「さま」がつく -「おばばさま祖母そぼ)」「にいさまあに)」 「おっさま宗派しゅうはかかわらず和尚おしょう全般ぜんぱん)」とう中流ちゅうりゅう上流じょうりゅう家庭かていもちいられた言葉ことば。また、「おばちゃま」など現代げんだいの「ちゃん」は「ちゃま」となる。
  3. 古語こごきている - 「がずつなゃぁ(窮屈きゅうくつ気持きもち、遠慮えんりょがちな気持きもち)」「おいてちょうだゃぁ(やめてちょうだい)」「こめをかしてちょうゃぁ(こめいでちょうだい)」「べあぐむ(ぎてウンザリする)」
  4. きょう言葉ことばはいっている - 「ようけ(余慶よけい)」「ぎょうさん(仰山ぎょうさん)」ともに『たくさん』という意味いみ
  5. あそばせ言葉ことば - 「ごまゃぁすばせ(ごめんください・すみません)」「いらゃぁすばせ(いらっしゃい)」語尾ごびの『すばせ』とは、丁寧ていねいなことばのなかにも体裁ていさいをつくろう表現ひょうげんおも女性じょせい使つかうとされる。
  6. 武家ぶけ言葉ことば - 目上めうえものには「ご無礼ぶれいいたしまする(非礼ひれいびるではなく、《おさきに》失礼しつれいしますの)」「○○(名前なまえ)でござりまする」対等たいとうものには「ござる・ぞんずる・まいる・ほい[注釈ちゅうしゃく 4]目下めしたものには「ござれ・まいれ・やい[注釈ちゅうしゃく 5]おも男性だんせい使つかうとされる[5][6]


「こんなところではなんでござりまするに、ちょこっとそこまでおあがりあそばぃてちょうでぁーぃあすばせ。」
「ありがとうござりまする。ここで結構けっこうでござりまする。やっとかめで、名古屋なごやてまぁーりましたものだで、ひょっとしておにかかれたらとぞんじまして、らせていただきましただけでござぁーいますもんだで。」
「イイエ、ナモ。ほんなこといわんと。あなたさまもせっかくここまでてちょうだぃしたことですに、サアサア。年寄としよりもおりますことですに、サア、ここまでおあがりあそばぃてちょうでぁーぃあすばせ。ナモ。」 — 昭和しょうわ27ねん 尾関おぜきうら・大杉おおすぎぎん両氏りょうし会話かいわ録音ろくおんから[7]


下町したまち言葉ことば

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「がや、がね」をもちいるのが最大さいだい特徴とくちょう。よそきの言葉ことばではなく仲間なかま同士どうし内輪うちわ使つかわれるため、上町うえまち言葉ことばくら粗雑そざつであるとされる。もとは職人しょくにんしょう商人しょうにん農民のうみんらす庶民しょみん居住きょじゅう地域ちいき使つかわれていた。尾張おわり言葉ことば主軸しゅじくに、1610ねん名古屋なごや開府かいふ以来いらい周辺しゅうへん農村のうそん三河みかわ美濃みのなどからの移住いじゅうしゃんだかく地方ちほう言葉ことば融合ゆうごうい、さらに都市とし生活せいかつ複雑ふくざつ対人たいじん関係かんけいなかで、周辺しゅうへん農村のうそん言葉ことばとはことなる独自どくじ言葉ことば発達はったつしたとされる。れいとして「とよさん」を場合ばあいは、上町うえまちでは「とよさま」となるところが下町したまちでは「おとよさ」とくだける。「おそくなった」と場合ばあい上町うえまちでは「おそうなりました」下町したまちでは「おそなった」となる。「おそがい(おそろしい)」「ちょうらかす」も下町したまちことばである。

その

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現在げんざい使つかわれないが、尾張おわりはん士族しぞくそうでは「のん」の使用しようなど三河そうごべん影響えいきょうつよい「武家ぶけ言葉ことば」がはなされ、上町うえまち言葉ことば類似るいじてんおおかったという。江戸えど時代じだい中期ちゅうきから後期こうきにかけて上町うえまち言葉ことば下町したまち言葉ことば漸次ぜんじ融合ゆうごうし、次第しだいうしなわれたとされる。(れい)「そおきょん、かったのん」(そうか、かったね)、「おっかそん、ごらんぜよ」(母上ははうえさま、ごらんください)

また芸者げいしゃ中村なかむら遊廓ゆうかくなどの花街はなまち地域ちいきでは徳川とくがわ宗春むねはる時代じだいきょう江戸えどから名古屋なごや移住いじゅうした遊女ゆうじょ芸者げいしゃ舞妓まいこ使つかっていた言葉ことば上町うえまち言葉ことばなどの言葉ことば昭和しょうわ初期しょきまで名古屋なごや花柳かりゅうかい特有とくゆう言葉ことばあそばせ言葉ことばなど)として存在そんざいしていたが、現在げんざいではほとんど使つかわれていない。ほかにも熱田あつた神宮じんぐうがある熱田あつた(宮宿みやじゅく)の地域ちいきでは熱田あつたべんみや言葉ことば)などもあった。

かつては、織田おだ信長のぶなが豊臣とよとみ秀吉ひでよし上洛じょうらく以降いこうしゃ天下てんか統一とういつしたことで大勢おおぜい家臣かしんきょうへとなだれみ、きょうにおいては高貴こうき身分みぶんものひく身分みぶんものも、きょう言葉ことば名古屋なごやべんおおじったとされる[8]

文法ぶんぽう

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助動詞じょどうし補助ほじょ動詞どうし

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断定だんてい

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断定だんてい助動詞じょどうしには、「だ」がひろ使用しようされている。「である」から「だ」にいた過渡かとてきかたちである「でぁ」も、一部いちぶ高齢こうれいそうのこっている。

否定ひてい

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動詞どうし否定ひていがたには、「~ん」「~せん」「~へん」の3種類しゅるいもちいる(〔れい〕「べん」「めえせん」「らいおへん」)。いずれも、動詞どうし未然みぜんがた接続せつぞくする。前述ぜんじゅつの3しゅ使つかけは、世代せだい個人こじんによってことなるが、若年じゃくねんそうは「~ん」への統一とういつ顕著けんちょである。

名古屋なごやべんでは「〜ん」は通常つうじょう否定ひていあらわし、「~せん」「~へん」はつよ否定ひてい迷惑めいわくかんのある否定ひていあらわす。「~せん」は「〜はせぬ(ん)」から変化へんかしたものであり、東京とうきょうべんにおける「〜やしない」に対応たいおうするものである。この表現ひょうげん関西かんさいべんでは明治めいじにおいてさらにサぎょう子音しいん弱化じゃっかこし「〜へん」のかたち変化へんかしたが、名古屋なごやべんにおいては近年きんねんまで「〜せん」のかたちたもたれた[9]。ただし現在げんざいでは「〜へん」のかたちかれる[10]

このほかいかりの感情かんじょうふくんだ非常ひじょうつよ否定ひていに「未然みぜんがた+すか」もあるが、これはこのかたち以外いがい活用かつようせず、用法ようほうせまい。

これら否定ひていがたは、地域ちいき話者わしゃによって様々さまざまかたちかれる。以下いか動詞どうし活用かつようべつしるす。

「ん」「せん」「へん」の接続せつぞく
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だん活用かつよう

く」をれいとすると、

  • かん
  • けせん
  • かせん
  • きゃせん
  • けへん
  • かへん
  • きゃへん
などのかたちかれる。「けせん」「けへん」は「くことができない」というような不可能ふかのうあらわ意味いみではない。同様どうよう活用かつよう大阪おおさかべんにもみられるが、これらの地域ちいき以外いがい住民じゅうみんとく注意ちゅうい必要ひつよう不可能ふかのうがたについてはくわしくはしたの「動詞どうし不可能ふかのうがた」で詳述しょうじゅつする。また、「しょかっせん」のように「っ」がはいるのは「しょかっせる」(「く」にたいするかる尊敬そんけい)の否定ひていなので、これも注意ちゅうい必要ひつよう
ぎょう・ワぎょうだん活用かつよう
ぎょう・ワぎょうだん活用かつよう動詞どうしでは、だん活用かつよう動詞どうしよりもバリエーションがえる。すなわち、「ある」「おもう」をれいにすれば、
  • あれせん
  • あらせん
  • ありゃせん
  • あれへん
  • あらへん
  • おもわん
  • おもえせん
  • おもわせん
  • おもえやせん(おもえうゃせんでは発音はつおんできないのでこうなる)
  • おもえへん
  • おもわへん
ほかに、
  • ああせん
  • ああへん
  • おもうせん
  • おもうへん
のように「語幹ごかん+長音ちょうおん+せん(へん)」のかたちがある。
ただし、2音節おんせつ動詞どうし場合ばあい、「う」「る」「沿う」「る」「う」など、このかたちをとらないものが相当そうとうすうある。
うえいちだん活用かつよう
きる」をれいとすると、
  • きん
  • きいせん
  • きせん
  • きやせん
  • きいへん
などである。
ただし、「る」「る」など2音節おんせつ動詞どうしでは3番目ばんめかたちがない(×せん、せん/○いせん、えせん)。
したいちだん活用かつよう
ける」をれいとすると、
  • けん
  • けえせん
  • けせん
  • けやせん
  • けえへん
などである。
  • こん
  • こおせん
  • こおへん
  • きやせん
  • きーせん
などである。「連用形れんようけい+やせん」という起源きげんからかんがえると「こおせん」というかたちはおかしいが、年配ねんぱい話者わしゃふくめてこのかたちひろ使つかわれている。
する
  • せん
  • せえせん
  • しいせん
  • せやせん
  • しやせん
  • せえへん
  • しいへん
  • しん(若年じゃくねんそう
などである。
未然みぜんがた+すか
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相手あいていかりや異議いぎもうてのような感情かんじょうめてもちいる否定ひてい活用かつよう変化へんかはしない。「〜やくがない」「〜ないにまっているだろう」「けっして〜しない」といったニュアンスになる。否定ひてい不可能ふかのうあらわせる(ますか、めすか→まない、めない)。

具体ぐたいてきには

  • かねみてぁあらすか(かねなんかない!)
  • ほんなことせすか(そんなことは絶対ぜったいにしないよ!)
  • さけみてぁますか(おさけなどけっしてみはしない)
  • あんなもんれすか(あんなものれるわけがないだろう!)
  • ほんなはよはしれすか(そんなにはやはしれるかよ!)
  • とろいことしとってあかすか(馬鹿ばかげたことしていては駄目だめ!←「らちがあく」の否定ひてい。つまり「あかん」)

となる。 〔アクセント〕 「す」の直前ちょくぜん

過去かこ否定ひてい

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過去かこ否定ひていには、未然みぜんがた+「なんだ」、未然みぜんがた+「んかった」をもちいる。未然みぜんがた+「なんだ」が伝統でんとうてきかたちであり、未然みぜんがた+「んかった」は比較的ひかくてきあたらしいかたちである。〔れいべなんだ、んかった

連用形れんようけいは「ぎょうかんで」「んで」のように「んで」とする。仮定かていがたは「な」であり、これは「ねば」の変化へんかしたかたちである。〔れいれな中止ちゅうしだでね(れなければ中止ちゅうしだからね)

不可能ふかのう

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動詞どうし不可能ふかのう表現ひょうげんは、「可能かのう動詞どうしのエだん+長音ちょうおん+せん(へん)」のかたちとなることがおおい。共通きょうつう可能かのう表現ひょうげん「〜られる」のかたちわる動詞どうしは、名古屋なごやべんにおいては原則げんそく」がただしいかたちであり、そうしなければ不自然ふしぜんになってしまうので注意ちゅうい。 「く」「べる」をれいとすると、

  • けん
  • けえせん
  • けえへん
  • けれん、けれえせん(話者わしゃによってはれ言葉ことばでこのようになることもある。)
  • べれん
  • べれえせん
  • べれえへん

などである。 大阪おおさかべんとうにみられる「かれへん」というような活用かつよう名古屋なごやべんにはないので注意ちゅうい。 「かない」をれいとして大阪おおさか京都きょうと名古屋なごや比較ひかくをするとつぎのようになる。

標準ひょうじゅん 大阪おおさかべん 京都きょうとべん 名古屋なごやべん
かない けへん、かへん かへん けせん、きゃせん、けへん、かへん、
けない かれへん けへん、かれへん けえせん、けえへん

敬語けいご

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やあ・す
ぎょうだん以外いがい動詞どうし連用形れんようけいおよびワぎょうだん動詞どうし語幹ごかんについて二人称ににんしょう尊敬そんけいつくる。したしさと敬意けいい包含ほうがんする[11]。ワぎょう以外いがいだん動詞どうし接続せつぞくしたさい動詞どうし活用かつよう語尾ごび融合ゆうごうして拗音ようおんする。たとえば「く+やあす」は「きゃあす」となり、「×きやあす」とはわない。通用つうよう範囲はんいは「っせる/やっせる」よりせまい。二人称ににんしょうたいしては「やあす」、三人称さんにんしょうたいしては「っせる/やっせる」のように使つかける地域ちいきもある。また、完了かんりょう助動詞じょどうし「た」が接続せつぞくした場合ばあい、「す」がもちいられることがおおく、その場合ばあいかした」となる。また、イ音便いおんびんし「かいた」、さらに「けぁた」となる。〔活用かつよう未然みぜん:-せ、連用れんよう:-し/-終止しゅうし:-す、連体れんたい:-す、仮定かてい:-せ、命令めいれい:-せ 〔アクセント〕 「やあす」がついた全体ぜんたい起伏きふくがた発音はつおんされる。
やあ、やあせ
上記じょうき「やあす」の命令めいれいがた[12]接続せつぞくは「やあす」とおなじ。命令めいれいというより許可きょか推奨すいしょう後押あとおしのニュアンスである。標準ひょうじゅんにはえられない意味合いみあいがあるため、若年じゃくねんそうでも頻繁ひんぱん使用しようされる。ワぎょう以外いがいだん動詞どうし接続せつぞくしたさい動詞どうし活用かつよう語尾ごび融合ゆうごうして拗音ようおんする。拗音ようおんする傾向けいこうがあるのではなくかなら拗音ようおんする。たいして一段いちだん動詞どうしおよびワぎょうだん動詞どうし接続せつぞくしたさい拗音ようおんしない。拗音ようおんしない傾向けいこうがあるのではなくけっして拗音ようおんしない。たとえば「き(だん)+やあ」は「きゃあ」、「き(一段いちだん)+やあ」は「きやあ」となる。「する」は「しやあ」、「る」は「こやあ」となる。活用かつようはしない。通用つうよう範囲はんいひろく「やあす」の使つかわれない地域ちいきでも使つかわれる。元々もともと尊敬そんけい助動詞じょどうし「やあす」の命令めいれいがた「やあせ」の「せ」がちたものであり、今日きょうでも「せ」のついたかたち使つか地域ちいき話者わしゃもおり、「せ」をつけることにより、敬語けいごとなる。〔アクセント〕「や」にかれる。拗音ようおんしたときはその拗音ようおんした音節おんせつ
(さ)っせる
尊敬そんけいつくる。二人称ににんしょう三人称さんにんしょうどちらにも使つかわれた[13]が、現在げんざい三人称さんにんしょうのみにもちいる[14]。「っせる」はだん動詞どうし未然みぜんがたに、「さっせる」はだん動詞どうし以外いがい未然みぜんがたにつく[15]。「さっせる」は「やっせる」とも[14]完了かんりょう助動詞じょどうし「た」が接続せつぞくする場合ばあいは、たとえば「く」にたいして「かした」のようになる[13]補助ほじょ動詞どうしがある場合ばあい補助ほじょ動詞どうしのほうにく。たとえば、「はしっとる」+「っせる」は「はしっとらっせる」であって「×はしらしとる」とはならない。三人称さんにんしょう区別くべつおもきを場合ばあいは、「みえる」をもちいて、「はしってみえた」となる。〔活用かつよう未然みぜん:(さ)っせ、連用れんよう:(さ)し(連用形れんようけいのみ「っ」がはいらない[16])、終止しゅうし:(さ)っせる、連体れんたい:(さ)っせる、仮定かてい:(さ)っせれ、命令めいれい:(さ)っせ 〔アクセント〕 「(さ)っせる」がついた全体ぜんたい起伏きふくがた発音はつおんされる。
やあ・やあす・っせる・さっせるのまとめ
やあ やあす っせる さっせる
ぎょう以外いがいだん動詞どうし 連用形れんようけい拗音ようおん 未然みぜんがた -
ぎょうだん動詞どうし 語幹ごかん 未然みぜんがた 語幹ごかん
うえいちだんしたいちだん動詞どうし 連用形れんようけい - 未然みぜんがた
する しやあ しやあす さっせる/せらっせる せさっせる
きゃあ きゃあす しょかっせる
使用しよういき 全域ぜんいき 北部ほくぶ? 南部なんぶ?
人称にんしょう使つかける地域ちいきもある
(さ)んす
ごくかる敬意けいいあらわす。動詞どうし未然みぜんがたき、だん動詞どうしには「んす」、一段いちだん動詞どうしには「さんす」がく。尾張おわり北部ほくぶ農村のうそん使つかわれるが、衰退すいたいしつつある。現在げんざい名古屋なごや中心ちゅうしんではもちいない。[14]
ちょう・す
「くれる」の尊敬そんけいくださる。漢字かんじけば「ちょうす」か? 動詞どうしには接続せつぞく助詞じょし「て」をかいして接続せつぞくする。〔活用かつよう未然みぜん:-せ、連用れんよう:-し、終止しゅうし:-す、連体れんたい:-す、仮定かてい:-せ、命令めいれい:-せ。〔れいってちょうした(ってくださった)〔アクセント〕 「ちょうす」のついた全体ぜんたい起伏きふくがた発音はつおんされる。
ちょう
「〜してちょう」のかたちで「〜してください」の上記じょうき「ちょうす」の命令めいれいがた「ちょうせ」の「せ」のけたもの。活用かつようしない。さらにちぢめて「〜してちょ」とも。〔アクセント〕 「ちょ」にかれる。「〜して」の部分ぶぶん起伏きふくがた動詞どうしであっても平板へいばんする。

その

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まい、まいか、めぁ、めぁか
「〜しよう」ののちについて勧誘かんゆう表現ひょうげんであることをあらわす。そのさい「う」は脱落だつらくする。一緒いっしょなにかをしようと他人たにんさそうときに使つか表現ひょうげんであり、一人ひとりおこな行動こうどうについて決意けつい表明ひょうめいをするようなさいには使つかわない。
まい(か)の接続せつぞく
だん活用かつよう うえいちだん活用かつよう したいちだん活用かつよう ぎょう変格活用へんかくかつよう ぎょう変格活用へんかくかつよう
未然みぜんがた+まい(か) こまいか よまいか べよまいか しよまいか よまいか(こよまいか)
〜してまう1
〜してもらう。ワぎょうだん。〔アクセント〕全体ぜんたい平板へいばん発音はつおんされる。
〜してまう2
〜してしまう、〜しちゃう。ワぎょうだん。〔アクセント〕「〜して」と「まう」のふたつにけて発音はつおんされる。「〜して」の部分ぶぶん起伏きふくがた動詞どうしならばそのアクセントがのこる。平板へいばんがた動詞どうしならば「て」にアクセントをく。「まう」は平板へいばんがた
〜してか・ん
〜してはいけない。〔活用かつよう未然みぜん:(なし)、連用れんよう:-なん(で/だ)・-んかっ(て/た)、終止しゅうし:-ん、連体れんたい-ん、仮定かてい:-な、命令めいれい:(なし)。
〜してい・らん
〜してもらわなくてよい、〜してほしくない。
〜しとる
〜している。ラぎょうだん。〔アクセント〕 全体ぜんたい起伏きふくがた発音はつおんされる。
〜したる1
〜してある。ラぎょうだん。〔アクセント〕 全体ぜんたい起伏きふくがた発音はつおんされる。
〜したる2
〜してやる。ラぎょうだん。〔アクセント〕 全体ぜんたい平板へいばんがた発音はつおんされる。
未然みぜんがた+なか・ん
〜なければいけない。活用かつよう上記じょうき「〜してかん」とおなじ。「かん」を省略しょうりゃくして「〜な」とうこともあり、この場合ばあい形式けいしきじょうは「〜しなければならない」という意見いけん陳述ちんじゅつだが、実質じっしつじょうすこつようなが命令めいれい表現ひょうげんとしてもちいることがおおい。〔れいはやよやらな(はやくやれよ)〔アクセント〕「な」の直前ちょくぜん
未然みぜんがた+んなら・ん
〜なければならない。活用かつよう上記じょうき「〜してかん」とおなじ。
〜だない
ではない、じゃない。
連用形れんようけい+いい
〜するのが容易よういである。〜しやすい。「〜やすい」とちがって主体しゅたいてき行為こういあらわ動詞どうしにしか接続せつぞくできない。すなわち、「こわしいい」とはえるが「×こわれいい」とはえない。

おわり助詞じょし

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名古屋なごやべんには共通きょうつうにあるものにくわえて様々さまざまおわり助詞じょしがある。文法ぶんぽうてきには複数ふくすうおわり助詞じょし合成ごうせいおおいが、ここでは一語いちごとしてあつかう。疑問ぎもん反語はんごをあらわす古典こてんてきがかり助詞じょしである「か」や「や」の合成ごうせいおおいのが特徴とくちょうてきである。

共通きょうつうにおいては、おわり助詞じょしまえ断定だんてい助動詞じょどうし形容動詞けいようどうし語尾ごびの「だ」が省略しょうりゃくされ、名詞めいし形容動詞けいようどうし語幹ごかん直接ちょくせつおわり助詞じょし接続せつぞくされることがある。たとえば、「そんなものさ」、「それは素敵すてきね」といった具合ぐあいである。一方いっぽう名古屋なごやべんにおいては、体言たいげんおわり助詞じょし直接ちょくせつ接続せつぞくすることはなく、かならず「だ」をともなう。したがって、したかかげるおわり助詞じょしるいも、体言たいげん接続せつぞくするさいには「だ」をともなって、「~だがや」「~だがね」「~だわ」のようになる。

がや
感動かんどうおわり助詞じょしの「が」に、疑問ぎもんあらわおわり助詞じょしの「や」がむすんだものであり、反語はんごてき意味いみあらわほか自分じぶん意思いしつよ主張しゅちょうする表現ひょうげん発展はってんした[17]
(1)おどろきをあらわす。ひとごとちかい。(1a)眼前がんぜん状況じょうきょうたいするおどろきをあらわす。〔れいゆきっとるがや(ゆきっていることにたいするおどろきの表現ひょうげん)。(1b)なにかをひらめいたりおもしたりしたときにう。〔れい〕いかんいかん、わすれとったがや。
(2)ききて行動こうどう能力のうりょく知識ちしきたいするおどろきをあらわす。相手あいてかす意図いとがあり、ひとごとではない。(2a)ききて有能ゆうのうさに感心かんしんしたときにう。〔れい〕すごいがや(すごいね、そんなこともできるんだ)。(2b)ききて無知むち無能むのうたいするおどろき。こんなこともらない(またはからない、できない、しようとしない)のかというおどろきとともにものうときに使つかう。言外げんがい認識にんしき行動こうどうあらためろと命令めいれいする含意がんいがある。〔れい〕ほんなもんいかんにまっとるがや(駄目だめであることを相手あいてらない様子ようすなのにおどろくと同時どうじ常識じょうしきだからおぼえておけと命令めいれいする含意がんいがある)。
(3)つよ抗議こうぎ。〔れい〕おめぁのせいでおこられてまったがや(おまえのせいでおこられてしまったじゃないか)。
(4)〔誤用ごよう〕メディアではたん名古屋なごやべんであることをしめ記号きごうとして使つかわれることがある。〔れい名古屋なごやだがや。
がね
感動かんどうおわり助詞じょしの「が」におなじく感動かんどうおわり助詞じょしの「な」が接続せつぞくした「がな」が転訛てんかしたものである。京阪けいはんでは今日きょうでも「がな」のかたちたもつが、名古屋なごやべんでは大正たいしょうから昭和しょうわにかけて発音はつおんが「がね」に変化へんかした[18]。「がや(2)(3)」と用法ようほうちかいが、ひびきがやわらかい。「がや(1)」の意味いみでは使つかわれない。もと女性じょせいだったが、近年きんねん男性だんせいでも使つかものがある。〔れい〕おめぁさんたちたちよぉ、ホヤホヤの同好どうこうかいだがね!ほんなもんに権利けんりなんてあれせんでな!
が、があ、げ、げえ、がん
いずれも「がや」または「がね」のてんで、比較的ひかくてきあたらしいかたりうしろへくほどあたらしい。「がん」はとくあたらしく、若者わかものあいだ使つかわれる(伝統でんとうてき名古屋なごやべんの「がや」と三河そうごべんあるいは全国ぜんこくてき若者わかもの言葉ことばの「じゃん」がわさったもので、伝統でんとうてき名古屋なごやべんではない)。〔れい〕"Q.先生せんせいどこにおる?A.そこにおるがん。"(Q.先生せんせいはどこにいるの?A.そこにいるじゃないか。)「げ、げえ」は「がや(1)」の意味いみ限定げんていして使つかわれる傾向けいこうがある。
がんねぇ
標準ひょうじゅんの「だよねぇ」とほぼひとしく、相手あいて同意どういもとめるいいかた名古屋なごや若者わかもの言葉ことば。〔れい〕「今日きょうって学校がっこうやすみだがんねぇ?」
かや、けゃあ、けゃあも
「かいもし」の転訛てんか。「かい」は疑問ぎもん、「もし」は相手あいてへのびかけであるため、確認かくにんのニュアンスがめられる。
(1)うたがいをったおどろきをあらわす。〔れい〕ほんとかや。(2)朗報ろうほうせっした場合ばあいおどろきをあらわ場合ばあいには「きゃあ」に変化へんかする。〔れい〕(まご大学だいがく受験じゅけん合格ごうかくしたしらせをいて)ほうけゃあ。よかったなも。
ぎゃあ
マスメディアでは名古屋なごやべんであることをかりやすく表現ひょうげんするために「がや(4)」と同様どうようもちいられるが、地元じもとではふざけて「へん名古屋なごやべん」を使つかうとき以外いがいには使つかわない。元来がんらい名古屋なごやべんではまったもちいない表現ひょうげんである。ただし知多半島ちたはんとう一部いちぶではこれとはべつに「ぎゃあ」というかたりがある。
て、てえ
(1)強調きょうちょう表現ひょうげん共通きょうつうの「って」とちがい、「っ」ははいらない。また、強調きょうちょうのみで伝聞でんぶん意味いみはない。(1a)自分じぶん意見いけん強調きょうちょうする。相手あいて自分じぶんちが意見いけんっているのを承知しょうちしながら「きみちが意見いけんかしらんが、おれはこうおもう」と主張しゅちょうするかんじ。〔れい〕ウィキペディアはほんなふう使つかうもんだないて。(1b)相手あいてづいていない、またはわすれている事実じじつ指摘してきする。〔れい〕プレビューをわすれてかんてえ。(1c)相手あいてがこちらのはなしをききとれずききかえされたとき、また理解りかいしていない様子ようすのとき、いいなおしやいいかえにす。やさしくうときは上昇じょうしょう調ちょう苛立いらだちをめるときは下降かこう調ちょう
(2)〔誤用ごよう〕メディアではたん名古屋なごやべんぽくするために使つかわれることがある。
きてらないであろうことをつたえるさい使つかわれる。知識ちしきをひけらかすさい使つかわれることがおおいのでとき自慢じまんげにひびく。「て」が意見いけん対立たいりつ承知しょうちしつつもあえて自分じぶん意見いけんうときに使つかわれるのにたいし、こちらはききてがそのことをらない前提ぜんていなので意見いけん対立たいりつなど予想よそうしていない。つね疑問ぎもんぶんのようなイントネーションをともなう。〔れい〕ウィキペディアはフリーなんだに(ウィキペディアはフリーなんだよ、<らなかったでしょ>)
共通きょうつうの「よ」にあたる。共通きょうつうでも女性じょせいとして使用しようされるが、名古屋なごやべんでは性別せいべつ関係かんけいなく使つかわれ、調査ちょうさでは男性だんせいほうがやや利用りようりつたかいことが判明はんめいされている[19]共通きょうつうではつねがり調子ちょうしだが、名古屋なごやべんではがり調子ちょうし発音はつおんされる。れい:「いぬげてまったんだわ」(いぬげてしまったんだよ)
わさ
共通きょうつうの「〜よ」にあたるが、こちらは相手あいて発言はつげんたいあき気味ぎみてるようにう。れい:(おなかいたとうったえる相手あいてたいし)ちょうはんべとらなおはらむなしくにまっとるわさ。(あさごはんべてなければおなかむなしくにまっているよ。)
共通きょうつうにもある「よ」も使つかわれるが、「がや」「て」「に」「わ」「わさ」と意味いみかさなるので、意味いみ範囲はんい共通きょうつうよりせまい。共通きょうつうで「よ」一語いちごあらわしている意味いみを「よ」「がや」「て」「に」「わ」「わさ」の6つに細分さいぶんして表現ひょうげんしているともえる。
共通きょうつうの「ね」と同様どうようである。
伝聞でんぶんあらわす。〔れい〕それはちがうと(それはちがうそうだ)
んだって
しん方言ほうげん伝聞でんぶんとしてられる共通きょうつうとしての用法ようほうのみならず、話者わしゃ自身じしんしくはうえでの出来事できごとべるさいもちいられる。話者わしゃまわりの人物じんぶつ物事ものごとについて、話者わしゃ経験けいけんもとづき熟知じゅくちしていることをべるときにも使用しようされる。おおむ1950ねん以降いこう出生しゅっしょう圏内けんない在住ざいじゅうしゃあいだ、とくに1980年代ねんだい以降いこう出生しゅっしょうしゃあいだにて活用かつようされる。地方ちほうしゃとの会話かいわにてこの表現ひょうげん滑稽こっけいられ、はじめて方言ほうげんであるとづくものもいる[20]。〔れい〕「今日きょう部活ぶかつだったんだって。めっちゃつかれた。」[19]

げな

 伝聞でんぶんあらわす。「と」よりも確度かくどひくい、または伝聞でんぶん伝聞でんぶんである場合ばあい使つかわれる。〔れい今年ことし景気けいきうなるげな(今年ことし景気けいきくなるそうだ)

(か)しゃん、(か)しらん
(1)〜だろうか。〜かなあ。共通きょうつうの「〜かしら」とおな起源きげんおもわれるが、女性じょせいではない。〔れい〕これでええかしゃん(これでいいだろうか)
(2)自信じしんのない部分ぶぶんをぼかす表現ひょうげん。〔れいなにだしゃんっとった(よくこえなかったけどなにっていた) ※「か」をりゃくするかどうかはたん話者わしゃくせによる。まえかたり動詞どうし形容詞けいようしならばそのまま「か」がけるだけだが、まえ名詞めいし形容動詞けいようどうしならば「か」のわりに「だ」をれなければならない。すなわち、「くかしらん」「くしらん」「ウィキペディアかしらん」「ウィキペディアだしらん」とはえるが、「×ウィキペディアしらん」とはえない。
〜きゃ
〜か。疑問ぎもんおわり助詞じょし相手あいて確認かくにんをとるときに使つかわれる。〔れい〕ほうだったきゃ。(そうだったか?)
でかん
後述こうじゅつの、接続せつぞく助詞じょしの「で」(〜だから)と語彙ごいの「かん」(駄目だめである)のふくあい先述せんじゅつするおわり助詞じょしの「わ」をともなって「でかんわ」ということがおおい。
(1)先行せんこうする命題めいだいたいする不満ふまんあらわす。〔れい〕また風邪かぜひいてまったでかん(また風邪かぜをひいてしまったのでまいった)
(2)不満ふまんでなくよろこびとかんがえられる命題めいだいつづいて表現ひょうげんつよめる。〔れいうれしいでかん(とてもうれしい)。ういろうはうめぁでかんわ(ういろうはとてもおいしい)。
接続せつぞく助詞じょしの「で」が文末ぶんまつおわり助詞じょしてき使つかわれる。「〜だからよろしくね」の後半こうはん部分ぶぶんりゃくされたような意味合いみあいであり、関西かんさいべん強調きょうちょうの「で」とはかたちおなじでも意味いみことなるので注意ちゅうい必要ひつようである。形骸けいがいして意味いみうすまっている場合ばあいもある。「よ/よう」か「ね」がうしろにつくことがおおい。〔れい編集へんしゅうしといたでね。
みよ
動詞どうしる」の命令めいれいがたよ」のおわり助詞じょししたもの。眼前がんぜん状況じょうきょう相手あいて注意ちゅういけるために語尾ごびにつける。おお大人おとなから子供こども上司じょうしから部下ぶかのようにうえからしたけてひと叱責しっせきするさいもちいる。ミにアクセント。〔れい〕壊けてまったみよ(ほらろ、こわれてしまったじゃないか)
みやあ、みい
上記じょうき「みよ」をやわらかくした表現ひょうげん。こちらは対等たいとう関係かんけいもちいられ、用法ようほう叱責しっせきかぎらない。〔れいかわったもんがかざったるみやあ(て、かわったものがかざってあるよ)
なも、えも
共通きょうつうの「ですね」にあたる。名古屋なごやべん特有とくゆうやわらかく丁寧ていねい敬語けいご表現ひょうげん平安へいあん初期しょき京都きょうとに「なう」という表現ひょうげんがあり、これが「のお」と「なあ」にかれ、さらに「なあ」が名古屋なごやつたわり、そして「なあ、もし」が「なも」という方言ほうげんになった[21]。「がや」とおなじく、直前ちょくぜん体言たいげん場合ばあいは「だ」がく。上町うえまち言葉ことばでは頻繁ひんぱん使用しようされていたが、近年きんねんではあまりかれない。〔れい〕よういりゃあたなも(よくいらっしゃいましたねえ)、やっとかめだなも(おひさしぶりですね)、おおきにえも(ありがとね)

「か」の省略しょうりゃく

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疑問ぎもんおわり助詞じょし「か」は共通きょうつうでも名古屋なごやべんでも一定いってい条件じょうけんした省略しょうりゃく可能かのうだが、省略しょうりゃく可能かのうになる条件じょうけん多少たしょうことなる。以下いか条件じょうけんべつべる。

疑問ぎもんともな疑問ぎもんぶん文末ぶんまつ
共通きょうつうでも名古屋なごやべんでも省略しょうりゃく可能かのう。〔れいなにをする/なにをするか
疑問ぎもんともなわない疑問ぎもんぶん文末ぶんまつ
外国がいこくじんおしえるような「ただしい日本語にほんご」では省略しょうりゃく不可能ふかのうだが、くだけた共通きょうつう名古屋なごやべんでは省略しょうりゃくされることがある。〔れいくん日本人にっぽんじんか?/くん日本人にっぽんじん
疑問ぎもんと「おもう」「かる」などのあいだ
共通きょうつうでは省略しょうりゃく不可ふかだが、名古屋なごやべんでは疑問ぎもんけていれば可能かのう。〔れいなにをするかからない/なにするからん。
「しらん」のまえ
話者わしゃによっては疑問ぎもんのあるなしにかかわらず省略しょうりゃくするが、「らん」という動詞どうしとしてよりも、「(か)しらん」というおわり助詞じょしとらえたほうがよい。〔れい省略しょうりゃくできるかしらん/省略しょうりゃくできるしらん
上記じょうき以外いがい
共通きょうつうでも名古屋なごやべんでも省略しょうりゃく不可ふか。〔れいけるかどうかからない/けるかどうかからん
「か」を省略しょうりゃく可能かのう
共通きょうつう 名古屋なごやべん
文末ぶんまつ疑問ぎもんあり
文末ぶんまつ疑問ぎもんなし
おもう」などの直前ちょくぜん疑問ぎもんあり ×
上記じょうき以外いがい × ×

動詞どうし

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  • 可能かのうには、共通きょうつうことなったかたちもちいられる。だん動詞どうしでは、共通きょうつうで「める」「ける」「あるける」というのを、それぞれ「めれる」「けれる」「あるけれる」という。一段いちだん動詞どうしでは、「られる」「べられる」を「れる」「べれる」という。一般いっぱんに「ら言葉ことば」や「れ言葉ことば」とばれるものだが、名古屋なごやべん文法ぶんぽうとしては、ただしいかたちである。
  • 「さ言葉ことば」もある年代ねんだいからしたではよく使つかわれる。「ませて」「かせて」「あるかせて」はそれぞれ、「まさして」「かさして」「あるかさして」となる。
  • 一段いちだん動詞どうし・サぎょう変格へんかく動詞どうし命令めいれいがたは、「けよ」「せよ」のような、共通きょうつうでは言葉ことばとなった「〜よ」のかたちもちいられる。〔れい〕そこへけよ(そこにけろ)ただし、一部いちぶで「〜い」のかたちもちいられることがある。〔れい〕ほれみい(ほらみろ)
  • だん動詞どうし以外いがい仮定かていがた+「ば」が、東京とうきょう方言ほうげんなどでは「りゃ(あ)」とちぢみやくされるのにたいし、「や(あ)」とちぢみやくされる。だん動詞どうしについては東京とうきょう方言ほうげん同様どうよう。また、サ変さへんは「せや(あ)」または「しや(あ)」、カへんは「こや(あ)」になる。サ変さへんちぢみやくしないかたちは「せれば」のはずだが、実際じっさいには共通きょうつうしきの「すれば」がおおく、一方いっぽうへんは「これば」もかれる。〔れいければ→けや
  • 動詞どうし否定ひていは「〜ない」でなく「〜ん」または「〜せん(へん)」のかたちをとる。否定ひてい過去かこがた年配ねんぱい話者わしゃは「〜なんだ/~せなんだ/(〜へなんだ)」、わか世代せだいは「〜んかった/~せんかった/しんかった(〜へんかった)」を使つかう。江戸えど時代じだい末期まっきまでは「〜なんだ/~せなんだ(〜へなんだ)」がもっぱら使つかわれていた[22]
  • 「こよった(たものだ)」「こやがった(きやがった)」。

連用形れんようけい音便おんびん

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動詞どうし連用形れんようけいが「て/た」に接続せつぞくする場合ばあい名古屋なごやべんでも共通きょうつうでも規則きそくてき音便おんびんこす。名古屋なごやべん音便おんびん規則きそくはサぎょうだん活用かつよう動詞どうしのぞいては共通きょうつうおなじである。

行動こうどう連用形れんようけいに「て/た」が接続せつぞくした場合ばあい東日本ひがしにっぽんでは促音便そくおんびん西日本にしにほんではウ音便うおんびんおこすという対立たいりつがあるが、名古屋なごやべんでは共通きょうつうおなじく促音便そくおんびんこす。たとえば、「う」に「た」がいた場合ばあいは「った」となる[23] [24] [25] [26] [27]

共通きょうつうちがうのは、サぎょうだん活用かつよう動詞どうし場合ばあいである。共通きょうつうでは「て/た」と接続せつぞくしても音便おんびんおこさないが、名古屋なごやべんではイ音便いおんびんおこす。すなわち、「おこす」+「て」は「おこして」でなく「おこて」となる。


形容詞けいようし

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  • 語幹ごかんが2音節おんせつ以上いじょう形容詞けいようし連用形れんようけいの「く」がちる。うれしなる、うれして、など。これは歴史れきしてきには形容詞けいようしウ音便うおんびんがたたんよびされて成立せいりつしたものである。すなわち、うれしくて→うれしうて(発音はつおんはウレシュウテ)→うれして。江戸えど時代じだいからすでにたんよびされる傾向けいこうつよかった。
  • 語幹ごかんが1音節おんせつ場合ばあいたんよびされずウ音便うおんびんだけしたかたちまることがおおい。〔れいく→よう、く→のう
  • 「〜ければ」が「〜けや」とりゃくされることがある。アクセントはつねに「け」にある。東京とうきょうべんの「〜きゃ」とおと自体じたいているが、アクセントがことなる。(れい:やらなきゃいいじゃないか。→やらんけやええがや。)

かく助詞じょし

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  • 「に」よりも「へ」がこのまれる傾向けいこうがある。「おさきへ」などともう。
  • 直後ちょくごに「おもう」「う」などが場合ばあい引用いんようの「と」が省略しょうりゃくされることがある。反面はんめん断定だんてい助動詞じょどうし「だ」は共通きょうつうでは「と」のまえでしばしば省略しょうりゃくされるが、名古屋なごやべんではあまり省略しょうりゃくされない。すなわち「11だとっていた」は「11っとった」となる。
  • 「〜とって」の「と」のりゃくされた「〜いって」が慣用かんようして、引用いんようかく助詞じょしのようにもちいられることがある。〔れい〕どうしよういってなやんどった(どうしようかとなやんでいた)

ふく助詞じょし

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みたい(みてぁ)
など、なんか。〔れいおれみたいほんなとこなんおこなっとるに。(おれなんかそんなところはなんおこなっているよ)
共通きょうつうの「って」と同義どうぎだが、「っ」がはいらない。〔れい〕ウィキペディアてなに?(ウィキペディアってなに?)

あいだとう助詞じょし

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よ、よう
〜さあ。多用たようされる。リズムをととのえるだけでとく意味いみはない。〔れい昨日きのうよう、パチンコったらよう、どえらいてまってよう……
や、やあ
これも話者わしゃによってはよく使つかう。かる疑問ぎもん意味いみほか語調ごちょうととのえるために使つかわれる。ふく助詞じょし「て」のうしろには習慣しゅうかんてきけることがおおく、むしろ「てや」というひとつのふく助詞じょしとらえたほうがよいかもしれない。〔れい〕ウィキペディアてやなにだったかいやあ(ウィキペディアってなにだったっけねえ)

形式けいしき名詞めいし

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ぎし
だけ。〔れい〕あとひとつぎしだでね。(あとひとつだけだからね)

接続せつぞく助詞じょし

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共通きょうつうの「から」「ので」にあたる「で」「もんで」は、共通きょうつうの「ので」「もので」が連体れんたいがた接続せつぞくなのとことなって終止しゅうしがた接続せつぞくなので注意ちゅうい具体ぐたいてきには断定だんてい助動詞じょどうし「だ」と形容動詞けいようどうし接続せつぞくするときに「だで」「だもんで」となる。

順接じゅんせつ接続せつぞく助詞じょし終止しゅうしがた接続せつぞく。もっともひろ使つかわれる。
もんで
順接じゅんせつ接続せつぞく助詞じょし終止しゅうしがた接続せつぞく。いいわけをするときなど、結論けつろんより理由りゆう重点じゅうてんがあるときに使つかわれるほか、「で」にくらべてながいためかんがえる時間じかんかせぐために使つかわれることもある。
順接じゅんせつ接続せつぞく助詞じょし終止しゅうしがた接続せつぞく。ききてたいする命令めいれい指示しじ勧誘かんゆう・アドバイスに理由りゆうする場合ばあいかぎって使つかわれる。
けどが
逆接ぎゃくせつ接続せつぞく助詞じょし終止しゅうしがた接続せつぞく共通きょうつうおなじ「けど」が使つかわれることもおおい。単独たんどくの「が」は「がや」のりゃくされた「が」とまぎれるので使用しようされない。れい:「みせったけどが、やっとれせなんだわ」(みせったけど、やってなかったよ)
〜んで(も)
「〜なくて(も)」の意味いみわ。未然みぜんがた接続せつぞくわか世代せだいでは共通きょうつうの「〜なくて(も)」とじりったしん方言ほうげん「〜んくて(も)」を使つかものもいる。

れい:「無理むりんでええよ」

〜んと
「〜ないで、〜ずに」の意味いみ

れい:「いつまでもきとらんと、はよやあ」(いつまでもきてないで、はやなさい」

順接じゅんせつ接続せつぞく助詞じょし用法ようほう比較ひかく
用法ようほう れい 「+」の位置いちれることが可能かのう
もんで
いわけ※1 寝坊ねぼうした+遅刻ちこくした × ×
指示しじ理由りゆう いまく+っとって ×※2
指示しじ理由りゆう倒置とうち っとって、いまく+ ×※2
論理ろんりてき推量すいりょう※3 閏年うるうどしだ+29にちがある ×
文末ぶんまつ※4 時間じかんない+「ね」などのおわり助詞じょし ×※5

※1 遅刻ちこくしたことはすでにあきらかであり、話者わしゃうったえたいことは遅刻ちこく理由りゆう寝坊ねぼうであることなので、「もんで」が使つかわれる。「で」を使つかうといいわけというよりひらなおったかんじになる。

※2 不可能ふかのうではないがあまりわない。

※3 「29にちのあるのは閏年うるうどしだからだ」のようなかんじで理由りゆう重点じゅうてんがあるときは「もんで」が、「29にちがある」という結論けつろん重点じゅうてんがあるときは「で」が使つかわれる。

※4 びかけのときには「で」を使つかい、応答おうとうのときには「もんで」を使つかう。

※5 ぶんまつく「に」は接続せつぞく助詞じょしではなくおわり助詞じょしの「に」であり、べつかたりである。

接尾せつび

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複数ふくすうあらわ接尾せつびいたる」は、名古屋なごやべんではたあんたあんたらあなどのかたちをとる。また、おなじく「ら」はらあのようにばす。

発音はつおん

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よっ仮名がな

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よっ仮名がなについては共通きょうつう同様どうようである。すなわち、「じ」と「ぢ」、「ず」と「づ」の区別くべつがそれぞれい。

鼻濁音びだくおん

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鼻濁音びだくおんについては、もちいる地域ちいきもちいない地域ちいきみだれている。しかし、若年じゃくねんそうではほぼもちいられていない[よう出典しゅってん]

れん母音ぼいん変化へんか

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aiおよびaeというれん母音ぼいんがaとeの中間ちゅうかん母音ぼいんばしたもの(æː)、またはæɘ[28]てんじることがある。たとえば、「…じゃない」という表現ひょうげんは「…だねぁ」または「…じゃねぁ」となる。よく便宜べんぎてきに「にゃあ」と表記ひょうきされるが、共通きょうつう拗音ようおんとはことなるおとである。また、変化へんかするのは母音ぼいんだけで子音しいん変化へんかしない。たとえば「とろくさい」が「とろくせぁ」となった場合ばあい子音しいんはʃにはならずsのままである。このれん母音ぼいん変化へんか愛知あいちけん尾張おわり平野へいやから岐阜ぎふけん美濃みの地方ちほうにかけての地域ちいきこる[28]

また、oiというれん母音ぼいんはオェ(øːまたはöː)に、uiというれん母音ぼいんははウィ(yːまたはüː)に変化へんかすることがある[29][30][28]前述ぜんじゅつのエァをくわえると、名古屋なごや付近ふきん一帯いったい全国ぜんこくいちの8母音ぼいんをもつ地域ちいきである。

瀬戸せと付近ふきんでは、以上いじょうとはことなったれん母音ぼいん変化へんかこる。瀬戸せとから岐阜ぎふけん多治見たじみ瑞浪みずなみ付近ふきんでは、「あかい」→「あかあ」など、aiがaːに変化へんかし、uiはuːに、oiはoːに変化へんかする[28]瀬戸せと名古屋なごや中間ちゅうかん位置いちする長久手ながくて尾張旭おわりあさひでは、名古屋なごやしき瀬戸せとしき発音はつおん混在こんざいする[28]

なお、これらのれん母音ぼいん融合ゆうごうは、いずれも丁寧ていねい発音はつおんではもとのai、ui、oiにもどるものである[28]

この項目こうもくでは伝統でんとうてき名古屋なごやべん描写びょうしゃする観点かんてんから記述きじゅつしているが、実際じっさいにはこの母音ぼいん変化へんか若年じゃくねんそう自然しぜん会話かいわからはほぼうしなわれている。高齢こうれいそうにおいても日常にちじょうてき語彙ごいかぎられ、耳慣みみなれないかたり共通きょうつうしき発音はつおんされる。したがって、メディアにおけるイメージのように「カベライト」を「カベレァト」のように商品しょうひんめい名古屋なごやべんしき発音はつおんすることは現実げんじつにはほとんどい。エビフライは日常にちじょうてき語彙ごいだが、名古屋なごやべんのステレオタイプとして有名ゆうめいになりすぎたためエビフレァとの発音はつおんける傾向けいこうにある。

拗音ようおん

[編集へんしゅう]

拗音ようおん発音はつおん共通きょうつう同様どうようである[31]上記じょうきれん母音ぼいん変化へんかしたものが便宜べんぎてき拗音ようおんのように表記ひょうきされることがある(れい:「エビフリャー」)が、表記ひょうきじょうだけのことである。共通きょうつう共通きょうつうする語彙ごいにも名古屋なごやべん独自どくじ語彙ごいにも拗音ようおんかたりはあり、それらは名古屋なごやべんでも拗音ようおん発音はつおんされる。たとえば蒟蒻こんにゃくはあくまでコンニャクであり、×コンネァクと発音はつおんされることはない。

音便おんびん変化へんか

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  • 形容詞けいようし連用形れんようけいウ音便うおんびんたんよびがた(クき)になる。〔れいたかくなる→たかなる(近畿きんき方言ほうげんでは「たこうなる」)※ただし例外れいがいてきウ音便うおんびんたもったままの言葉ことば存在そんざいする。〔れいはやくに→はように、くなる→ようなる、くなる→のうなる、ひとし
  • 形容詞けいようし連用形れんようけいのち動詞どうしつづくときはウ音便うおんびんたもつ。〔れいかるこする→かるこする、おおきくく→だいきゅうく(ただし現在げんざいでは共通きょうつうつよ影響えいきょうほとんかれなくなった)
  • ぎょうだん動詞どうしイ音便いおんびんこすことがある。〔れいはなして→はなしいて(はないて)
  • 上記じょうきれん母音ぼいん変化へんかふくごうしてこることもある。〔れいはなして→はなしぁて(はねぁて)
  • うえでもすこしれたように「…ではない」などの「では」が一部いちぶ地域ちいき話者わしゃで「だ」とりゃくされることがあるが、これは「…ではない」などの「では」にかぎられたものであり、の「では」または「じゃ」が「だ」にてんじることはない。〔れい〕ここであそんではダメ→×「ここであそんだダメ」とはならない。
  • しかし、上記じょうきのように「だ」とはならないれいでも、「では」および「じゃ」といういいかたべつのいいかたえられることがおおい。〔れい〕ここであそんではダメ→「ここであそんでかん」もしくは「ここであそんだらかん」 〔れいひとりではこわい→ひとりだとおそがい
  • しばしばサぎょうおんのハぎょうおと(サぎょう子音しいん弱化じゃっか)がこる。ただし近畿きんき方言ほうげんほど明確めいかくではない。れい:「しちや(質屋しちや)」→「ひちや」、「しちじ(7)」→「ひちじ」、「それで」→「ほんで」、「らいおせん」→「らいおへん」
  • 時折ときおりぎょうおんのバぎょうおとこる。こちらも近畿きんき方言ほうげんほどではない。〔れいさむい→さぶい、ひつまむし→ひつまぶし

アクセント

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名古屋なごやべんのアクセントの特徴とくちょうみじかあらわせば、「共通きょうつうよりおくれてピッチががり、共通きょうつうおな位置いちがる(ことがおおい)」である。以下いか共通きょうつうのアクセントについての知識ちしきがあることを前提ぜんてい詳述しょうじゅつする。

名古屋なごやべん共通きょうつうとのアクセントのちがいはつぎの2つにけられる。

  1. ピッチのがり
  2. ピッチのがり

名古屋なごやべんらしさ」の正体しょうたいは、2よりも1である。名古屋なごやべん話者わしゃは2には自覚じかくてきでも1には無自覚むじかくなことがおおいので、本人ほんにん共通きょうつうはなしているつもりでもこの特徴とくちょうによって名古屋なごやべん話者わしゃであることがかる。ぞくに「イントネーションちがう」とわれるが、正確せいかくにはイントネーションではない。

共通きょうつうかたりは、アクセントのかく位置いちによって、あたまだかがた中高なかだかがた尾高おだかがた平板へいばんがたの4つに分類ぶんるいされるが、この分類ぶんるい名古屋なごやべんでもつので、以下いか説明せつめいにももちいる。

ピッチのがり

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共通きょうつうにおいては、単語たんごだい1音節おんせつだい2音節おんせつかならずピッチがことなるという規則きそくがあるが、名古屋なごやべんではこれがてはまらない。共通きょうつうでは、だい1音節おんせつたかだい2音節おんせつひくくなる(あたまだかがた)か、だい1音節おんせつひくだい2音節おんせつたかくなるかのどちらかである。名古屋なごやべんでもあたまだかがただい2音節おんせつがるものの、それ以外いがい共通きょうつうではだい1音節おんせつひくだい2音節おんせつたかくなるもの)ではだい1音節おんせつだい2音節おんせつのピッチがおなじになり、ピッチのがりがアクセントかく直前ちょくぜんまたはだい3音節おんせつ直前ちょくぜんる。

かたべつべれば下記かきのとおりである。

  • あたまだかがたでは共通きょうつう同様どうようだい1音節おんせつのみがたかく、以降いこうひく発音はつおんされる。
  • 3音節おんせつ中高なかだかがたではだい2音節おんせつのみがたか発音はつおんされる。
  • 4音節おんせつ以上いじょう中高なかだかがたでは以下いかの2しゅみとめられる。
  1. アクセントのかくのある音節おんせつまえまでがひくく、かくのある音節おんせつのみたかく、以降いこうふたたひく発音はつおんされる。このちがいは複合語ふくごうご――アクセントのうえでは一語いちごとして発音はつおんされる――で顕著けんちょになる。たとえば「ウィキメディア財団ざいだん」は、共通きょうつうでは「うぃきめでぃあざいだん」とだい2音節おんせつからだい6音節おんせつまでがたかくなるが、名古屋なごやべんでは「うぃきめでぃあいだん」または「うぃきめでぃあぜゃあだん」とだい6音節おんせつのみがたか発音はつおんされる。
  2. だい3音節おんせつよりがって発音はつおんされる。上記じょうきれいでは「うぃきめでぃあざいだん」または「うぃきめでぃあぜゃあだん」。このたね採用さいようする場合ばあい尾高おだかがた平板へいばんがた同様どうようのルールとなる。
  • 尾高おだかがた中高なかだかがた同様どうようである。たとえば「おとこが」は共通きょうつうではていこう高低こうていだが、名古屋なごやべんではていてい高低こうていである。
  • 平板へいばんがたではだい1音節おんせつからだい2音節おんせつまでがひくく、以降いこうたか発音はつおんされる。たとえば「名古屋なごやべんが」は共通きょうつうではていこうだかだかだかだかだが、名古屋なごやべんではていていこうだかだかだかである。

ピッチのがり

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共通きょうつうでも名古屋なごやべんでも同音どうおん異義いぎ区別くべつするのはピッチのがりである。がり直前ちょくぜん音節おんせつアクセントかくう。一般いっぱんにアクセントとった場合ばあい、これをす。共通きょうつうにおいては、動詞どうし形容詞けいようし一類いちるいう・がる・てる・あかい・あぶないとう)は平板へいばん発音はつおんされ、るいつ・うごく・ちる・はやい・すくないとう)は語尾ごびのひとつまえ音節おんせつにアクセントかくかれる(このようになるかたりを「起伏きふくがた」のかたりぶ)。しかし名古屋なごやべんではこの区別くべつ一部いちぶでなくなり、一類いちるいるいおなじように起伏きふくがたになることがある。また、終止しゅうしがた平板へいばんがた動詞どうしが、活用かつようによっては起伏きふくがたになることがある。

アクセントのかく位置いち共通きょうつうおな場合ばあいおおいが、下記かきのようなちがいがある。したれい太字ふとじになっているのはアクセントのかくである。

  • なに」「いくつ」「どれ」などの疑問ぎもん平板へいばん発音はつおんされる。共通きょうつう疑問ぎもんがそろってあたまだかがたなのと対照たいしょうせている。
  • 「これ・それ・あれ」などの「こそあ言葉ことば」(ドをのぞく)は尾高おだかがたである。
  • なにもない」などとうときの疑問ぎもんは、尾高おだかがたである。
比較ひかくひょう
名古屋なごやべん 共通きょうつう
疑問ぎもん 平板へいばん あたまだか
こそあ言葉ことば 尾高おだか 平板へいばん
疑問ぎもん+も 尾高おだか 平板へいばん
  • 位置いち関係かんけいあらわ名詞めいし平板へいばんがたきらわれる傾向けいこうがある。きたひがしみなみ西にしみぎひだり手前てまえ、こちら、そちら、あちら、あいだ(あいだ)、かい、うえした以上いじょう共通きょうつうでは平板へいばんだが名古屋なごやべんでは尾高おだかがたである。ただ共通きょうつうでもきたひがしふるくは尾高おだかがたであった。
  • 地元じもと地名ちめい平板へいばんがたこのまれる傾向けいこうがある。(名古屋なごや岡崎おかざき刈谷かりやひとし
  • 共通きょうつう形容詞けいようしはアクセントのてん一類いちるいるいけられるが、名古屋なごやべんではこの区別くべつがなく、一類いちるいるいおなじようにすべて起伏きふくがたとなる。名古屋なごやべん形容詞けいようしのアクセントはおおくの活用かつようがた共通きょうつうるい形容詞けいようしおなじだが、以下いかかたちではことなる。
    • 「〜かった」というかたちでは「か」にのかくる。
    • 「〜ければ」というかたちでは「け」にかくる。「〜けや」とりゃくされた場合ばあいもおなじく「け」にアクセントのかくる。
  • 形容詞けいようし連用形れんようけいの「く」がちた場合ばあいのアクセントのかくは、最後さいごから2つ音節おんせつる。ただし、直後ちょくごに「なる」が場合ばあいは「なる」とつながって「な」にアクセントかくかれることがある。
  • 「よろしく」「ありがとう」など形容詞けいようし連用形れんようけい起源きげんとする挨拶あいさつ言葉ことばは、もと形容詞けいようしおなじアクセントで発音はつおんされる。すなわち「よしく」「ありとう」。
  • 動詞どうし終止しゅうしがたのとき平板へいばんがたになるものと起伏きふくがたになるものにけられるのは共通きょうつう同様どうようだが、名古屋なごやべんでは「える」「ならべる」など3・4音節おんせつ一段いちだん動詞どうし共通きょうつう平板へいばんがたのものが起伏きふくがた移行いこうしつつある[32][33]。また、ふくあい動詞どうしはしむ・もうれるのるい)はほとんどが起伏きふくがたである。ただし、ふくあい動詞どうしのアクセントは共通きょうつうでも近年きんねん起伏きふくがた移行いこうしつつある。
  • 起伏きふくがた動詞どうしのアクセントは活用かつようによる変化へんかふくめて共通きょうつうとほぼおなじである。
    • はく起伏きふくがたのカへん一段いちだん動詞どうしの「-て/た」かたちた、て…)は、平板へいばんがたになる[32][33]。これは内輪うちわ東京とうきょうしきアクセントの特徴とくちょうである。
    • さんはく以上いじょう一段いちだん動詞どうしの「-て/た」かたちは、共通きょうつうおな場合ばあいと、「て/た」の直前ちょくぜんにアクセントかく場合ばあいとでれがある(おこりきた、おこりた、しべた、しらた)[32][33]
  • 平板へいばんがた動詞どうしでは下記かきのようなちがいがある。
    • 平板へいばんがた動詞どうしに「て/た」がついた場合ばあい、「て/た」の直前ちょくぜんかくかれる〔れいいれて、けした。内輪うちわ東京とうきょうしきアクセントの特徴とくちょうである。ただし、以下いか例外れいがいがあり、結局けっきょくこの現象げんしょうこるのはさんはく以上いじょううえいちいちだんおよび、だん動詞どうしのうち「す」など一部いちぶ音便おんびんがた使つか動詞どうしのみである[32][33]
      • はくいちだん動詞どうした、て…)では平板へいばんがた
      • だん動詞どうしでは、音便おんびん発生はっせいするため「て/た」のまえにアクセントかくけない。イ音便いおんびんとなる場合ばあい最後さいごから3はくまえさきいた、ついた、はたいた)が主流しゅりゅうで、一部いちぶ地域ちいき原則げんそくどおり「い」にアクセントを[32][33]撥音はつおん便びん促音そくおん便びんとなる場合ばあい平板へいばんがたとなる(んだ、って)[32][33]
    • 「て」のうしろに補助ほじょ動詞どうしがついた場合ばあいは、上記じょうきかかわらず平板へいばんになる。
    • 平板へいばんがた動詞どうし連用形れんようけいに「に」がついた場合ばあい、「に」の直前ちょくぜんへアクセントがかれる。「て/た」の場合ばあいちがってこちらは活用かつよう種類しゅるいくだりわない。〔れい〕DVD-Rをかいった。
    • 命令めいれいがたではうしろから2番目ばんめ音節おんせつかくかれる。すなわち一類いちるいるい区別くべつくなる。
  • 動詞どうし補助ほじょ動詞どうしいた場合ばあい動詞どうし部分ぶぶん平板へいばんする。
    • 動詞どうし起伏きふくがたであった場合ばあい――たとえば「いてある」の場合ばあい共通きょうつうでは「いて」「ある」双方そうほうかくのこるが、名古屋なごやべんでは「いて」のかくうしなわれる。
    • 動詞どうし平板へいばんがたであった場合ばあい共通きょうつうでは「〜て」のかたち元々もともと平板へいばんである。名古屋なごやべんでは「〜て」のかたち平板へいばんとはかぎらないが、補助ほじょ動詞どうしがつくと平板へいばんする。結果けっかてきにはおなじになる。
    • 「〜してくれ」という意味いみの「〜して」は、「〜してくれ」の「くれ」がりゃくされて成立せいりつした経緯けいいからつね平板へいばん発音はつおんされる。
    • ただし、補助ほじょ動詞どうし「まう2」のまえでは平板へいばんしない。

以上いじょうをまとめると下表かひょうのとおりである。やすくするため補助ほじょ動詞どうし「まう2」や平板へいばんがたで2音節おんせつ音便おんびんこす動詞どうしのような例外れいがいはぶいてある。赤字あかじ共通きょうつうとの相違そういてん共通きょうつうことなる場合ばあいのあるかたちのみげた。終止しゅうしがた共通きょうつうおなじだが参考さんこうのためにげた。

動詞どうしアクセント比較ひかく
名古屋なごやべん 共通きょうつう
アクセント
類別るいべつ
音便おんびん 終止しゅうしがた +て/た +に +て
+補助ほじょ動詞どうし
命令めいれいがた 終止しゅうしがた +て/た +に +て
+補助ほじょ動詞どうし
命令めいれいがた
起伏きふくがた わない) うしろから
2番目ばんめ
「て」の
2つまえ
「に」の
2つまえ
平板へいばん うしろから
2番目ばんめ
うしろから
2番目ばんめ
「て」の
2つまえ
「に」の
2つまえ
「て」の
2つまえ
うしろから
2番目ばんめ
平板へいばんがた こすもの 平板へいばん 平板へいばん 「に」の
直前ちょくぜん
平板へいばん うしろから
2番目ばんめ
平板へいばん
こさないもの 平板へいばん て/たの
直前ちょくぜん
「に」の
直前ちょくぜん
平板へいばん うしろから
2番目ばんめ
  • 東京とうきょうべん共通きょうつうではない)と同様どうように、ふくあい動詞どうし前半ぜんはん部分ぶぶん動詞どうしかくたもたれることがある。
  • 名詞めいし複数ふくすうあらわ接尾せつびがついた場合ばあいかくうしろから2つる。おまえち/おまえあ/おまえんあ/おまえんたあ/おまえ
  • 受身うけみ可能かのう尊敬そんけい助動詞じょどうし「れる/られる」がついた動詞どうしは、共通きょうつうでは全体ぜんたいもと動詞どうしおながた発音はつおんされるが、名古屋なごやべんではもとかた関係かんけいなく起伏きふくがたとして発音はつおんされることがある。とく尊敬そんけい意味いみでは「っせる/やっせる」からの類推るいすいかその傾向けいこうつよい。
  • その使用しよう頻度ひんどたかかたりかく位置いちちがうものをげる。ハイフンののち共通きょうつうでのかく位置いち
    • も - つも(「去年きょねん」「わざと」も同様どうよう。)
    • ありとう-あがとう
    • よろしく〕:よしく-よろしく
    • 全部ぜんぶ〕:ぜんぶ- んぶ
    • くつ〕:つ - く(「こな」「ふく」「さか」「くま」「つぎ」「場所ばしょ」「だけ」「こと」も同様どうよう。)
    • さきに〕:きに - さきに
    • 毎日まいにち〕:まいち - いにち
    • いまから〕:いまから - まから(「いつから」「どこから」とう同様どうよう。)
    • うしろ〕:しろ - 平板へいばん(「いちご」「まわり」「廊下ろうか」「ところ」「カレー」「2かい」「またね」も同様どうよう。)
    • うそ〕:う -
    • んね - ごめんね
    • きない - でない(「ならない」とう同様どうよう。)
    • 名古屋なごや〕:なごや-ごや

イントネーション

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共通きょうつうよりつよい。疑問ぎもんぶん最後さいご音節おんせつばされ、そのばされた音節おんせつ前半ぜんはんたかく、後半こうはんひく発音はつおんされることがある。

  • い(なに?)
  • どこえ(どこへ?)

語彙ごい

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  • 古語こごのこっている場合ばあいおおい。
  • 見出みだしののち数字すうじはアクセント。2とあればあたまから2音節おんせつにアクセントのかくがある。0は平板へいばん
  • 形容詞けいようしのアクセントはすべ最後さいごから2つである。ひょうちゅうでは「(2)」と表記ひょうきしている。
  • 前述ぜんじゅつれん母音ぼいん変化へんかにより共通きょうつう語彙ごい規則きそくてき対応たいおうするものはげない。たとえば愛知あいちけん(えぁちけん)は共通きょうつう愛知あいちけん(あいちけん)と規則きそくてき対応たいおうするのでげない。
  • さいひだりれつでもソート可能かのう見出みだわくをクリックすると50おとじゅんにソートされる。
名古屋なごやべん / アクセントの
位置いち
漢字かんじ 品詞ひんし 意味いみ
あすんどる 連語れんご やすんでいる。使つかわれないまま放置ほうちされている。
あふらかす 4 溢らかす どう あふれさせる。
あぶる どう あお
おみゃ まえ
あやすい (2) かたち 簡単かんたん容易ようい
あらけない (2) かたち 乱暴らんぼうな。
あんき (になる) 連語れんご 安心あんしんになる。安気あんきからか?
あんばよう 4 塩梅あんばいよう ふく 上手じょうずに。具合ぐあいよく。〔かた注意ちゅうい〕「あんばよう」とむ。「い」ははいらない。
いごく 2 どう うごく。
いざらかす 4 どう (1)「いざる」の使役しえきがた。(2)ものげずにきずって移動いどうさせる。
いざる 0 うつ どう (1)にんたないままひざきずって移動いどうする。(2)ひとぶつ水平すいへい方向ほうこう短距離たんきょり移動いどうする。
いっか 1 幾日いくにち (1)なんにち。(2)日付ひづけおもせないときにわりに使つか言葉ことば。〔れい〕2がつのいっかにった(2がつなんにちだったかにった) ※江戸えど落語らくごでも(1)の意味いみかれる。名古屋なごやべんでは(2)の意味いみ主流しゅりゅう
いっつか 3 ふく とっくに。
いらんこと 余計よけいなこと。〔れい〕いらんことせんでええ。(余計よけいなことしなくていい)。
うしなえる 0 しつえる 紛失ふんしつする。
うでる 2 どういち ゆでる。
ええ 1   い。〔れい〕ええ加減かげんにせなかんて。(いい加減かげんにしなきゃ駄目だめだって。)、ええ天気てんきだに。(いい天気てんきだよ。)
えか 1   相手あいて忠告ちゅうこくした最後さいごに、ねんしとして使つかう。〔れい夜道よみちけなかんよ。えか!、明日あしたおれはおらんでね。えか!
ええころかげん   いい加減かげん適当てきとうな。〔れい〕あいつはええころかげんな仕事しごとしかやらんでかんわ。
えらい(えれぁ) (2) かたち (1)疲労ひろう病気びょうきからだ倦怠けんたいかんがある。しんどい。くたびれる。つらい。(2)疲労ひろう予想よそうされるほどの重労働じゅうろうどうである。(3)とても、すごく。下記かきの「どえらい」を参照さんしょうおも体調たいちょう悪化あっか表現ひょうげん自他じたへのねぎらいとして(れい:えらかったねぇ)、(どえらいえらい仕事しごとだったわ。→とてもしんどい仕事しごとだったよ。)
おいでる どうじょういち おいでになる。いらっしゃる。
おうじょうこく 5 往生おうじょうこく どう 苦労くろうする。大変たいへんう。
おおきに ありがとう。上町うえまち言葉ことば最近さいきんではほとんど使つかわれなくなった。
おくれる 3 どういち 「くれる」の尊敬そんけい敬意けいい度合どあいは「くださる」よりひくい。
おそがい (2) かたち おそろしい。こわい。[34]
おっさま
おっさん
1
1
ぼうさん。「おじさん」のの「おっさん」とはアクセントがことなる。
おどける 2 どういち おどろく、こわがる
おぶう 2 ちゃちゃでなく茶碗ちゃわんそそがれた状態じょうたいう。
おぼわる 3 さとしわる どう につく、習得しゅうとくする
およばれ 2 ばれ (1)ご招待しょうたい。(2)ご馳走ちそう
かいもん 3 (1)「かう(1)」のに使つかれやだんボールへんなど。(2)「かう(3)」のに使つか養生ようじょうざい
かう 1 どう (1)ものうごかないようにするために隙間すきまものむ。につっかいぼう駐車ちゅうしゃ車両しゃりょうめ、ガタつく家具かぐした木片もくへんなど。(2)施錠せじょうする。(3)ジャッキ工作こうさくぶつあいだ養生ようじょうざいはさむ。
かしわ 鶏肉とりにく
かずする 1 かずする どうサ変さへん かぞえる
かやかや 0 つよひかりはなっている様子ようすとく周囲しゅういくらなかひかっているものに使つかわれる。
からかす 〜(し)まくる。「べからかす」「いからかす」
かわす 2 どう しっかりと、または強引ごういんに「かう(1)
かん 0 連語れんご 「いかん」の「い」のけたもの。いけない。駄目だめである。「あかん」は関西かんさいけい[35]であり、典型てんけいてき名古屋なごやべんとはことなる。それにたいして「いかん」はふるくから使つかわれている[36]
かんす 0 。「かんすにわれる」
かんこう 0 勘考かんこう どうサ変さへん 計画けいかくする。かんがえる。工夫くふうする。
きいない
きない
(2) ない かたち 黄色きいろい。
きさる 0 さる どう (1)すっぽりとかぶせることができる。(2)(中身なかみおおすぎたりせず)容器ようきぶためることができる。(3)帽子ぼうしやヘルメットのサイズがう。
きせる 0 せる どういち 標準ひょうじゅんの「せる」の意味いみほかに、ぶたかぶせる、キャップをめるの意味いみがある。
きっとなら 3 せっ 理由りゆうべるまえに「なぜなら」というのと同様どうようの、「きっと」とおも推測すいそくべるまえ前置まえおき。〔れい〕きっとならってかえってまったんだよ。(これは推測すいそくだけどってかえってしまったんだよ)
きもい (2) かたち きつい、ちいさくて窮屈きゅうくつ。「気持きもわるい」の共通きょうつう若者わかもの言葉ことば同音どうおん衝突しょうとつこしたため、かれなくなった言葉ことばのひとつ。
ぎょうさん ふく 「ようさん」とも。「ようけ」と同様どうよう使つかかたをする。
きんとき 1 イラガの幼虫ようちゅうどものうちはこれが方言ほうげんということづかないひとおおい。
きんのう 昨日きのう
くすがる 0 どう さる。
くすげる 0 どう す。あらかじあなのあいているところややわらかいものにすことをい、かたいものにむことや、刃物はものすことはわない。
くずむ どう 風呂ふろに“はいる”さい使つかわれる。「かたまでひたる」かんじのニュアンスがある。『こずむ』といういいかたもある。
くわれる 3 、ブヨなどに)される。
けつた/ケッタ 0 自転車じてんしゃしん方言ほうげん。「ったおし(だおし)マシーン」から言葉ことば1965ねんころ誕生たんじょうしたが[37]れい時代じだい若者わかものはあまり使つかわず「チャリ」と傾向けいこうがある[38]
けつたましん/ケッタマシン 5 ケッタ」の正式せいしき名称めいしょう。「ケッタ」と同意どういである。原付げんつきとはちがい、自転車じてんしゃたいしての名称めいしょう
こうこ 0 たくあん。
こさる/ござる 2 どう る」「る」の尊敬そんけい。いらっしゃる、おいでになる。
こすい
こっすい
(2) かたち (1)わる意味いみ金銭きんせんこまかい。守銭奴しゅせんど。(2)ずるい。
こそばいい
こそばゆい
こそばい
(2) かたち くすぐったい、むずがゆい。
こたいけ/ごたいげさま でした 2-1 大儀たいぎさまでした 連語れんご つかさまでした。〔かた注意ちゅうい〕「ごたい"げ"さま」とむ。アクセントは「ごたいげさま 2 でした 1」
こふれい/ごぶれい 2 どうサ変さへん 失礼しつれいする。
こふれい/ごぶれい 3 かたちどう 失礼しつれいサ変さへん動詞どうし場合ばあいとアクセントがことなるのに注意ちゅうい
ごぶれい します 2-2 無礼ぶれいします 連語れんご 失礼しつれいします。時代じだいげきみたいだが、名古屋なごやべんでは現役げんえき。アクセントは「ごぶれい 2 します 2」
こわい (2) つよ かたち ものが)かたい。
こわける 3 壊ける どう自他じた/したいち こわれる。
こわす 2 こわ どう 共通きょうつうの「こわす」の意味いみほかに「小額しょうがく紙幣しへい貨幣かへい両替りょうがえする」の意味いみがある。
さっせる 3 連語れんご 「する」にたいするかる尊敬そんけい。「する」に尊敬そんけい助動詞じょどうし「っせる」がついたもの。
さむけぼろ
さむぼろ
?
0?
鳥肌とりはだ
ざらいた 0 ザラばん すのこ。
しなす 2 なす どう (ひとが)ぬ、くなる。
しゃこう 0 くるまこう 自動車じどうしゃ学校がっこうしん方言ほうげん
じん 1 ひとし ひとしゃ。「あのひとし=あのひと」「わったひとしわりもの」のように使つかう。ひとをおちょくったニュアンス。
しんしょ 1 身上しんじょう いえ経済けいざい状態じょうたいれい〕あそこのいえはしんしょがええ
すぐと 1 ふく すぐに。
すつこい/ずっこい (2) かたち ずるい
すやくる ? 手抜てぬきする。
せらっせる 4 連語れんご 「する」にたいする尊敬そんけい。「さっせる」より敬意けいい度合どあいがたかい。「する」の異形いぎょう「せる」に尊敬そんけい助動詞じょどうし「っせる」のついたものか。
たあけらしい (2) かたち 馬鹿馬鹿ばかばかしい。アホらしい。意味いみがない。〔類語るいご〕とろい
たいがい 0 大概たいがい かたちどう 程々ほどほど。いい加減かげん。〔れい大概たいがいにしとけ(いい加減かげんにしておけ)
たたくさ/だだくさ 2 かたちどう 乱暴らんぼう、いい加減かげん。ずぼら。
だちかん (3) あいだ だめだ。いけない。こら。
たわけ
たあけ
0
0
たわけ/ おろもの探偵たんてい!ナイトスクープアホ・バカ分布ぶんぷ調査ちょうさでは関ケ原せきがはらまち今須います付近ふきんが「アホ」と「タワケ」の境界きょうかいせん推測すいそくされた。
たわけた
たあけた
2,3
3
連体詞れんたいし おろかな。
ちみくる 3 どう つねる。「つねくる」ともう。
ちゃっと 1,0 ふく すぐに、いそいで、即座そくざに。類語るいご:「はよ」
ちょう 1 ふく 原義げんぎは「ちょっと、すこし」。この意味いみ使つかわれることもあるが、たのごとをするときのびかけの言葉ことばとして使つかわれることがおおい。流行りゅうこうの「ちょう」(「ちょうすごい」のるい副詞ふくしの「ちょう」)と同音どうおんおな品詞ひんし文字通もじどおりの意味いみ反対はんたいなため、「ちょう」の流行りゅうこうはあまりかれなくなった。〔れい〕ちょう、たのむわ。(ねえ、おねがいできるかな)
ちょうすいとる 5 連語れんご いばっている、調子ちょうしこいている。皮肉ひにく批判ひはんをこめて使つかわれる。
ちんちこちん
ちゃんちゃかちゃん
0
?
かたちどう ちんちん」よりさらあつよう。「ちんちこちん」がおも
ちんちん
ちゃんちゃん
0
?
かたちどう 非常ひじょうあつようねっせられた金属きんぞくみずをはじくおとからか。
つくなる 3 どう 適当てきとうあつめていてある。または適当てきとうかさねてある。整理せいりされてはいないが、かといってらかってもいない状態じょうたいにある。
つくねる 3 どういち 適当てきとうあつめていておく。または適当てきとうかさねておく。整理せいりされてはいないが、かといってらかってもいない状態じょうたいにする。
つねくる 3 どう つねる。
つる 0 どう自他じた/ つくえなどをげて移動いどうさせる。ひっかける。本来ほんらいつくえ家具かぐなどのおもものげることを意味いみする(移動いどうさせるというふくまない)が、近年きんねんは「つくえ移動いどうさせる」という意味いみもちいられることがおおい。
てら/でら 0 ふく どえらい」のりゃく。「どえらい」とちがって形容詞けいようしとしての用法ようほうはなく副詞ふくしのみ。「どら」「でれ」とひともいる。〔れい〕でらたかい(とてもたかい)。『でぇりゃぁ』ともう。
てんしんほう/でんしんぼう 電信でんしんぼう 電柱でんちゅう電信柱でんしんばしら
てんち/でんち ? 半纏はんてん
とうそこうそ/どうぞこうぞ 4 ふく どうにかこうにか。
とえらい/どえらい、どえらけない 3 かたちふく すごい、すごく。物凄ものすごい。とても。「どえれぁ」と発音はつおんするひともいる。(れい)どえりゃああめだなも。(物凄ものすごあめだなあ。)類語るいご:めちゃんこ
ときんときん
ときとき
0
0
とがっている様子ようす
〜とさいが
〜とせぁが
〜とさいに
0
0
0
連語れんご 〜すると、〜したら。〔れい〕ほうするとさいがどえらいことになっただわ(そうしたらひどいことになったんだ)
〜としてある 4 連語れんご 〜といてある
ときんときん ふく とがっているものにたいして使つかう。〔れい〕この鉛筆えんぴつときんときん(この鉛筆えんぴつとがってる)
とへ/どべ 1 最下位さいかい、ビリ。したしみをめる場合ばあいや、年少ねんしょうひとたいしてうときは「どべちん」ともう。※地元じもと名古屋なごや本拠地ほんきょちをおく中日ちゅうにちドラゴンズよわかった時代じだい「どべゴンズ」(「どべ」+「ドラゴンズ」)とファンからしょうされることもあった。
とろい、とろくさい(とろくせぁ) (2) かたち (1)要領ようりょうわるい。(2)馬鹿ばかな。馬鹿馬鹿ばかばかしい、アホらしい。ふざけた。
なけな 2 連語れんご なければ。
なけや 2 連語れんご なければ。「なけな」「なけらな」は形容詞けいようし「ない」だけの特殊とくしゅかたちだが、このかたち生産せいさんてきで、「りょうけや」「とおざけや」のようにすべての形容詞けいようしがこのかたちる。
なけらな 3 連語れんご なければ。
なぶる 2 どう もてあそぶ。さわる。名古屋なごやべんでは純粋じゅんすいに「さわる」の意味いみもちいることが普通ふつう
なまかわ 0 なまものながあいだ使つかっていなかったため使つかものにならない様子ようす
なるい (2) かたち (1)刺激しげきりない、物足ものたりない。(2)あじうすい。(3)マンネリである。
なんかごと 0 なにこと 何事なにごとか。通常つうじょう事件じけん事故じこ暗示あんじする。
にすい (2) かたち にぶい。「あじがにすい」とあじうす様子ようすにも使つかう。
ぬくたい
ぬくとい
(2) かたち あたたかい
のっそい
のそい
(2) かたち おそい。
〜のよう 0 〜の 連語れんご あまり。のちに「なる」がつづ場合ばあい助詞じょし「に」をともなわないまま副詞ふくしてきもちいられる。
れい1〕(副詞ふくしてき用法ようほう)まあ10日とおかなるしらん(もう10日とおかあまりになるだろうか)
れい2〕(名詞めいしてき用法ようほう)まあ10日とおかだ(もう10日とおかあまりだ)
はぜる 2 どういち 破裂はれつする。
はならかす 4 はなれらかす どう はなす。
はば 1 もの
はやらかす 4 なまやらかす どう えるにまかせる。
はよ 1
1
1
ふく はやく、すぐに、いそいで。類語るいご:ちゃっと
はりかく/ばりかく どう かきむしる
はんぺん
はんぺい
3
3
おでんの白身しろみぎょものげたもの(みずより比重ひじゅうおもしずむもの)、共通きょうつうでは「アゲ」?
ひいし/びいし 1 B 模造もぞう
ひとなる
しとなる
3
3
ひと どう (1)成人せいじんする。大人おとならしくなる。(2)人間にんげんかぎらず動植物どうしょくぶつ身体しんたいてき成長せいちょうする。
ひどろい 2 かたち (日差ひざしなどが)まぶしい。
ひらう 0 ひろ どう ひろう。
ふちやける/ぶちゃける 3 どういち ぶちまける。
ふちっこ 2 はじっこ。
フレッシュ   コーヒーなどにくわえるポーション(小型こがたカップ)りのクリーム。
ふるぼっさい (2) いにしえぼっさい かたち ふるぼけている。
へぼい (2) かたち 意気地いくじなし。役立やくだたず。よわい。しょぼい。さえない。
ほう 0
1
ふく
そう。アクセントは、副詞ふくし平板へいばん名詞めいしとしてはあたまだか
ほう/ぼう 0 どう 「×ぼー」ではなく、「う」をきちんと発音はつおんする。(1)う。いかける。(2)かす。(3)〔建築けんちく土木どぼく日程にってい寸法すんぽう計算けいさんする。日程にっていひょう図面ずめんを「ぼう(1)」様子ようすからか。(4)〔建築けんちく土木どぼくはしからじゅん施工しこうする。
ほうか 0 放課ほうか 学校がっこうのにおける授業じゅぎょう授業じゅぎょうあいだ休憩きゅうけい時間じかん昼休ひるやすみは「ひる放課ほうか」。意味いみ衝突しょうとつけるためか共通きょうつうの「放課後ほうかご」も名古屋なごやべんでは「授業じゅぎょう」という表現ひょうげんになる。
ほうか 1 連語れんご そうか。〔れい1〕ほうか、ほうか、ようやりゃたなも (そうか、そうか、よくぞおやりになりましたねぇ)
ほかす
ほかる
2
0
どう いらないものをゴミ箱ごみばことうてる。
ほせ/ホセ 1 ものすためのぼうとりくしやアイスキャンディーのしんぼう
ほつこい/ぼっこい (2) かたち おんぼろ。こわれそう。こわれかけ。〔用法ようほう完全かんぜんこわれている場合ばあいわない。
ほつさい/ぼっさい (2) かたち (1)格好かっこうわるい。(2)外観がいかんがおんぼろである。〔用法ようほう外観がいかん問題もんだいがあっても機能きのうには問題もんだいがない場合ばあいう。機能きのう問題もんだいがある場合ばあいは「ぼっこい」とう。
まあ 0 ふく もう。
まあかん 0 連語れんご 食欲しょくよくいかりなどがおされない。もう我慢がまんできない。もうゆるしておけない。もう駄目だめだ。
まあはい
まあへぁ
3
3
ふく すでに、はやくも。「はい」におなじ。
まぎる 2 きょくぎる どう 交差点こうさてんを)がる。〔用法ようほう交差点こうさてんでなくみちなりにがる場合ばあいみち以外いがいぼうなどについてうときは共通きょうつう同様どうように「がる」とう。
まっかしけ 3 まっあかしけ かたちどう あか一色いっしょくであるようくろたいしてまっくろけというのと同様どうよう強調きょうちょう表現ひょうげん
まっと 1 ふく もっと。
まる 1 どう 排便はいべんする。
まめ どう 元気げんき達者だっしゃ。〔れい〕まめだったきゃ。(元気げんきだったか?)
まわし 0 支度したく
まんだ 1 ふく まだ。いまだに。
みえる 2 どう 「いる(る)」の尊敬そんけい補助ほじょ動詞どうしとしてももちいる。ござるより現代げんだいてき。「る/あらわれる」の尊敬そんけいとして使つか場合ばあい共通きょうつうであって、方言ほうげんではない。
めいえき 0 名駅めいえき 名古屋なごやえき。あるいは、その周辺しゅうへん地名ちめい正式せいしき地名ちめい中村なかむら西にしにある。また、中村なかむらには名駅南めいえきみなみという地名ちめいもある)。
めいよん 1 名四めいし しん方言ほうげん。(1)国道こくどう23ごう名古屋なごや四日市よっかいちあいだめいよんバイパス)。なお、国土こくど交通省こうつうしょうによる正式せいしきかたは「めいし」。(2)てんじて国道こくどう23ごう名古屋なごや以東いとうふくめることもある。
そうじて名古屋なごや○○とくものは「めい○○」とりゃくされる傾向けいこうがある(名古屋鉄道なごやてつどう名鉄めいてつ名古屋なごやこう名港めいこう名古屋なごやじょう名城めいじょう、など)。「メ〜テレ」は、2003ねん4がつより名古屋なごやテレビ略称りゃくしょうとして採用さいようされた造語ぞうごであるが、同様どうよう背景はいけいからまれてきたものとかんがえられる。
めちゃんこ かたちふく とても、すごく。〔れい〕めちゃんことる。〔類語るいご〕どえらい
めんぼ 麦粒腫ばくりゅうしゅ(ものもらい)。〔用法ようほう注意ちゅうい〕「めんぼ」は「麦粒腫ばくりゅうしゅ(ものもらい)」という意味いみだが、「結膜炎けつまくえん」という意味いみ勘違かんちがいしているひともいる。
もうや 仲良なかよけること。→「もうやにする」。「もうやっこ」は、はんぶんこのこと。
やく ? りゃく
やぐい (2) かたち 建物たてもの機械きかい装置そうち強度きょうどひくい。
やっと 1 ふく (1)共通きょうつうおなじく、かろうじて、ようやく。アクセントは共通きょうつうちがってあたまだか。〔れい〕やっとわった(やっとわった)(2)ながあいだ長時間ちょうじかん。〔れい〕えらいやっとかかってまった(ずいぶんながあいだかかってしまった)〔れい2〕まっとやっとうたいたい(もっとながうたいたい)
やっとかめ 0 はちじゅうにち かたちどう ひさしぶり。「はちじゅうにちぐらいなが時間じかん」という意味いみからたとされ[39]

プロ野球やきゅうマスターズリーグ名古屋なごや80D'sers(なごや・エイティー・デイザーズ)のチームめいもとにもなっている。

ややこやしい (2) かたち 北部ほくぶ〕ややこしい
ようけい
ようけ
3
0
ふく たくさん。
ようこそ
ようけ
3
?
ふく 歓迎かんげいかぎらず感謝かんしゃ一般いっぱんあらわす。よくぞ。〔れい〕ようこそ頑張がんばっておくれた(よくぞ頑張がんばってくださった)。ようけやぁした(ようこそいらっしゃいました。)。
よばれる 0 ばれる 連語れんご (1)共通きょうつうおなじく「ぶ」の受身うけみ表現ひょうげん。(2)宴席えんせきなどに招待しょうたいされる。(3)ご馳走ちそうになる。〔れい〕ステーキをよばれた。(ステーキをご馳走ちそうになった)。
レーコー   アイスコーヒー。関西かんさい共通きょうつうする。最近さいきんではほとんど使つかわれなくなった。
わや 1 かたちどう めちゃくちゃ(「すごく」の意味いみではなく、破壊はかいされた様子ようす意味いみ)。だめになった様子ようす台無だいなし。
〜んたあ 2 連語れんご いたる。あんたたち→あんたんたあ。わたしたち→うちんたあ

周辺しゅうへん地域ちいきとの差異さい

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名古屋なごや中心ちゅうしんに、

周辺しゅうへんほか方言ほうげんとの比較ひかくについては日本語にほんご方言ほうげん比較ひかくひょう参照さんしょうされたい。広義こうぎ名古屋なごやべんなかでの比較ひかくしめせば下記かきのとおりである。

かく地域ちいきごとの比較ひかくひょう
尾張おわり一宮いちのみや 尾張おわり瀬戸せと 名古屋なごや 半田はんだ
アクセント 内輪うちわ東京とうきょうしき ちゅう東京とうきょうしき[よう出典しゅってん]
断定だんてい助動詞じょどうし
〜するのだ するんや するんだ するだ
否定ひてい不可能ふかのう ~ん、~へん ~ん、~せん、~へん
〜ではないか 〜やん、〜がや、〜がね、~がー 〜がや、〜がね、〜が-、〜がん※1 〜げー、〜じゃん
たか たけぁ たかあ たけぁ たかい、たけえ
だろう(推量すいりょう やろう だろう
だろう(確認かくにん やろう やらあ だろう(おとこ
でしょう(女性じょせい※2
だらあ
ねんしの疑問ぎもん(〜よね) 〜やんね、〜わな、〜わね 〜わな、〜わね、〜がんねえ※1 〜じゃんね
かる命令めいれいべなよ) べやあ しょくべりん[よう出典しゅってん]

※1 体言たいげん直後ちょくごは、「だがや/だわな」、用言ようげん直後ちょくごは「がや/わな」。

※2 「だろう」は粗野そや言葉ことばとされており、女性じょせいはもとより、男性だんせいでも敬語けいご使つかっていない文脈ぶんみゃくでも「だろう」の使用しようけて「でしょう」と機会きかいおおい。

名古屋なごやべん単語たんごは、とおしゅうべん三河みかわべんなど周辺しゅうへん方言ほうげんでも使つかわれていることがあるが、なかには名古屋なごやべん静岡しずおかべんでは使つかわれているのに、そのあいだとおしゅうべん三河みかわべんでは使つかわれていない単語たんごや、名古屋なごやべんみなみしん方言ほうげんでは使つかわれているのに、そのあいだ三河みかわべんでは使つかわれていない単語たんごもある。

名古屋なごやべん 知多ちたべん 西にし三河そうごべん ひがし三河そうごべん みなみしん方言ほうげん とおしゅうべん 静岡しずおかべん
〜だもんで、〜で
〜だに、〜に × ×
〜だら、〜ら ×
〜だねぁ、〜かしゃん/~かしん × × × × ×
〜なもるい × × × × ×
〜まい(か)

名古屋なごやべん印象いんしょう現況げんきょう

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一般いっぱんにどこどこの言葉ことばが「きたない」「綺麗きれい」という印象いんしょう評価ひょうかかたりひとひとつを精査せいさしたものではなく、語調ごちょう・イントネーションからくる感覚かんかく意識いしき源泉げんせんとすることに注意ちゅういしなければならない[40]

尾張おわり藩士はんし天野あまの信景さだかげの「塩尻しおじり拾遺しゅうい」(宝永ほうえい年間ねんかん:(1704ねん1711ねん)に、難波なんばじん断定だんてい「デャ」をわら記事きじがある[41]1802ねん(とおる2)、江戸えど滝沢たきざわ馬琴ばきん名古屋なごやべんを「言語げんごはなは野鄙やひなり」としるした[42]

すべて名古屋なごやべん構成こうせいされた俗謡ぞくよう名古屋なごや名物めいぶつ」が1894ねん(明治めいじ27)ごろから1900ねん(明治めいじ33)に全盛期ぜんせいきむかえたみなもとぶしとおして東京とうきょうだい流行りゅうこうした[43]

1909ねん(明治めいじ42)の時点じてんで、名古屋なごや方言ほうげん複数ふくすう語彙ごい東京とうきょう方言ほうげんあるいは大阪おおさか方言ほうげんにとってわられつつある[44]

1912ねん(大正たいしょうもと)9がつ名古屋なごや仏教ぶっきょう若原わかはらけいけいは「新聞紙しんぶんし時折ときおり悪口わるぐちかれ、他所よそしゃけば可笑おかしくおもわれ、耳障みみざわりで嘲笑ちょうしょうされる」とひょうした[45]

1915ねん大正たいしょう4)の『名古屋なごや實業じつぎょうかい評判ひょうばん』に「名古屋なごやの『開会かいかい』をキャーキャーというかたりおんは"ざる"にておかしい」とかれた[46]1922ねん(大正たいしょう11) 、だい日本にっぽん日東にっとう蓄音器ちくおんきより名古屋なごやべん対話たいわシーンをふくむ「対話たいわにゅう はなたび(うえ)」がリリースされる[47]。『新編しんぺん名古屋なごや案内あんない』(1927ねん昭和しょうわ2ねん)で「名古屋なごやじん発音はつおんやわらかくそうじてあまたるい」としるされている[48]

1930ねん(昭和しょうわ5)、画家がか岡本おかもと一平いっぺいは「ぎゃも、ぎゃも」と名古屋なごや美人びじんかこまれて「カモメにかれてるようだ」とった[49]1933ねん(昭和しょうわ8)、作家さっか平山ひらやま蘆江ろこうは「名古屋なごや美人びじんは『そうきゃあも』など"言葉ことばがよくない"」とだんじた[50]

谷崎たにざき潤一郎じゅんいちろう細雪ささめゆき1943ねん)に名古屋なごや資産しさん実家じっか(大垣おおがき)でれん母音ぼいん「ae」をいた兵庫ひょうごけん芦屋あしや令嬢れいじょうが"発音はつおんわらいくてたまらず、そのおとたびくるしみにう"という文章ぶんしょうがある[51]

1969ねん先行せんこうボンカレー対抗たいこうすべくインパクトあるCMをかんがえていたオリエンタル食品しょくひんが「名古屋なごやべんならば単純たんじゅんひとわらわせられる」とのおもきで制作せいさくした「オリエンタル スナックカレー」のCMがだいヒット。みなみ利明としあきのアドリブギャグ「ハヤシもあるでヨ」は、子供こどもにも大人おとなにも使つかわれ"マスコミ史上しじょう最大さいだい名古屋なごやべん流行りゅうこう"とひょうされるほどで[52]、「昭和しょうわ傑作けっさくCFひゃくせん」にえらばれた[53]

1970ねん(昭和しょうわ45)3がつ教育きょういくしゃ名古屋なごや方言ほうげん研究けんきゅう芥子からしかわりつは"こと日本にっぽんみっつのうつくしい方言ほうげん"として京都きょうとべん大阪おおさか船場ふなば言葉ことば名古屋なごや上町うえまちことばをげ、これらは「いまもこんなにうつくしいことばがあるのか」と方言ほうげん学者がくしゃ感嘆かんたんせしめた、名古屋なごやじんおおいに自信じしんってい、とべた[54]

名古屋なごやべん喜劇きげき フィガロの結婚けっこん」(1980ねん初演しょえん)をえんじた名古屋なごやべん演劇えんげき集団しゅうだんの20さい女性じょせいだんいん名古屋なごや出身しゅっしん)が「名古屋なごやべんでの芝居しばいにはすこ抵抗ていこうある。東京とうきょう通用つうようしない、きたない。やっぱりきれいな部分ぶぶんせたい」と新聞しんぶん取材しゅざいこたえている[55]

1981ねん(昭和しょうわ56)は、市井しせい人々ひとびと名古屋なごやべんそそ視線しせんきわめて熱鬧ねっとう時期じきであった[56]のりち、"名古屋なごやべん講座こうざ初級しょきゅう中級ちゅうきゅう"なる音源おんげん収録しゅうろくしたカセットテープ「THE NAGOYA-BEN(ザ・なごやべん)」[57]発売はつばいされたり、タモリの「エビフリャー」「東京とうきょう寡黙かもく名古屋なごやじん新幹線しんかんせん浜名湖はまなこぎた途端とたんみゃあみゃあす」などの名古屋なごやべんネタが名古屋なごや出身しゅっしんしゃあいだでも一定いってい支持しじるほど[58][59]大人気だいにんきとなった。名古屋なごや出身しゅっしん作家さっかれんじょうさん紀彦のりひこはタモリの名古屋なごやべんかん同意どういし「名古屋なごやべん日本にっぽん有数ゆうすう下品げひんきたな方言ほうげん」とっている[60]。しかし方言ほうげん研究けんきゅう芥子からしかわりつはこれらにたいし「場末ばすえ仕入しいれた農村のうそん方言ほうげんをごちゃまぜにした不思議ふしぎ名古屋なごやべん名古屋大学なごやだいがくを『みゃあでゃあ』とはわない。しん名古屋なごやべん金田一きんだいち京助きょうすけうつくしいとわれている言葉ことば」とべ、方言ほうげんがくてき評価ひょうかけた[61][62]一連いちれん動揺どうようなかからふる名古屋なごや方言ほうげん保存ほぞん必要ひつようせいかん人々ひとびとあらわれた[63]かれらの思想しそうのちに「名古屋なごやべん全国ぜんこくひろめるかい」をんだ。

1984ねん(昭和しょうわ59)2がつ、ビクター音楽おんがく産業さんぎょうより英会話えいかいわ番組ばんぐみすじった名古屋なごやべん講座こうざのカセットテープが発売はつばいされた。このテープは東京とうきょう地区ちくで4500ほんほどれたが名古屋なごやではさっぱりであった[55]

1986ねん(昭和しょうわ61)ごろ名古屋なごやべん環境かんきょう変化へんかあらわれ、東京とうきょうフジテレビの番組ばんぐみにカリカチュアな名古屋なごやべん登場とうじょう[64]1987ねんには同年どうねん誕生たんじょうした「名古屋なごやべん全国ぜんこくひろめるかい」が中京ちゅうきょう圏外けんがいでの活動かつどう開始かいしした[65]どう組織そしきは1988ねん6がつ東京とうきょうでのイベントをえたのち、名古屋なごやべん洗練せんれんされていなければならぬとの信念しんねんかたくし1988ねん11月、「うつくしい名古屋なごやべん伝承でんしょうさせるかい」という素人しろうと参加さんかがたイベントを開催かいさいした[66]おなねん森田もりたただしこう東京とうきょう名古屋なごやべん天気てんき予報よほうおこなった(名古屋なごやべん全国ぜんこくひろめるかい#沿革えんかく)。

そのほか、この時期じき名古屋なごやべん環境かんきょう変化へんかしめすものとして、1987ねん9がつ短編たんぺん小説しょうせつ『ミステリマガジン』に名古屋なごやべん翻訳ほんやくされた外国がいこく推理すいり小説しょうせつ掲載けいさい[67]、1988ねん山田やまだあきらは『文化ぶんか評論ひょうろん』に「いま名古屋なごやべんがブーム」といた[68]。1989ねん1がつ東海とうかいパック老舗しにせ料亭りょうてい女将おかみ芸妓げいぎ名古屋なごやべん録音ろくおんしたカセットテープ「なごやべん特集とくしゅう のこそううつくしい言葉ことばうたを!」を発売はつばい[69]1990ねん5月、学者がくしゃにお墨付すみつきをた"正統せいとう名古屋なごやべん"の台詞せりふふくんだご当地とうちソング『名古屋なごやマップ・ソング』がリリースされた[70]。1991ねん3がつ受験生じゅけんせい獲得かくとくのため愛知あいちけんの11大学だいがくが「おいでん」や「いりゃあ」よりは柔和にゅうわ判断はんだんし、名古屋なごやべん使つかった「てみん名古屋なごや」のロゴTてぃーシャツを制作せいさくした[71]

1991ねん12月、アムネスティインターナショナル日本にっぽん支部しぶ主催しゅさい世界せかい人権じんけん宣言せんげん翻訳ほんやくコンテスト」において、もとCBCアナウンサー松ケ崎まつがさき敬子けいこ名古屋なごやべんやくした「せきゃあ人権じんけん宣言せんげん」が優秀ゆうしゅう作品さくひんえらばれ、「名古屋なごやべんきたないとわれるがじつみやびやかだ」とコメント[72]

俳優はいゆういとうまい2000ねん新聞しんぶんのインタビューで東京とうきょうのタレントたちの名古屋なごやかんを「『だれもが"みゃあみゃあ"とってるんでしょ』という先入観せんにゅうかん支配しはいされており、まずはそうじゃない、ということを説明せつめいしなければならない、情報じょうほうとぼしく名古屋なごやべんくらいしか話題わだいがらない」と説明せつめいした[73]

名古屋なごや2009ねんった外国がいこくじんふく名古屋なごや市民しみんから無作為むさくい抽出ちゅうしゅつした20さい以上いじょうの2000にん対象たいしょうとしたアンケートによると、「使つかわない」が6わりとなった。名古屋なごやべんについての印象いんしょうわる印象いんしょう半々はんはん。あまり使つかわれなくなっている現状げんじょうを「残念ざんねんおもう」は1わりであり、「時代じだいながれでやむをない」という意見いけんおおかった[74][75][76]

名古屋なごやべん話者わしゃはききてにどのような印象いんしょうあたえるかという調査ちょうさで、男性だんせい話者わしゃ場合ばあい知性ちせい積極せっきょくせいはなかたおよび外見がいけんのよさにかんしては印象いんしょうわるいが、社交しゃこうせいはあるとられている。しかし女性じょせい話者わしゃ場合ばあいは,性格せいかくはなかた外見がいけんのいずれでも,たか評価ひょうかされていない[77]

2013ねんの13~30さい男女だんじょ対象たいしょうとした研究けんきゅうでは、名古屋なごや方言ほうげんたいする評価ひょうかの1は「きたない」であり、まただいは「乱暴らんぼうだ」だいは「田舎いなかくさい」であった[78]

2019ねん4がつ、「名古屋なごやべんきたないとわれがちだが、ぎりぎり可愛かわい路線ろせんめた[79]」「本来ほんらいちがうと指摘してきされることもあるが、女子高じょしこうせいという設定せっていまえ現代げんだいふう名古屋なごやべん可愛かわいえがいた[80]連続れんぞく短編たんぺんアニメ「はちじゅうかめちゃんかんさつにっき」が東京とうきょうMXテレビでネット放映ほうえい開始かいしいち迅社東京とうきょう地区ちく原作げんさくコミックのCMを名古屋なごやべん放映ほうえいした[81]。「月刊げっかんアニメージュ」は名古屋なごやべんもちいた名古屋なごやメシの紹介しょうかい記事きじ掲載けいさいした[82]


2023ねんメ~テレ情報じょうほう番組ばんぐみドデスカ!」の調査ちょうさでは、「あらすか・あんた・おみゃー・(かぎを)かう・けった・こわす・だだくさ・だで・ちゃっと・ちんちん・(つくえを)つる・でら・ときんときん・ぱーぱー・ほかる・ほれみい・やっとかめ・よーけ・わや」の名古屋なごやべん20のうち、90~70だい11にんが「すべ意味いみかり、使つかわないことばはない」60~40だい18にんが「すべての意味いみかるが、おみゃー、やっとかめ、わやはまった使つかわない」30だいは「すべての意味いみかるが、使つかわないことばもある」20~10代(30だいあわせて24にん)は「平均へいきん6使用しよう、あらすか、けった、ほかる、やっとかめ、わやは絶滅ぜつめつ危惧きぐしゅである」「ただし、『えらい(体調たいちょう不良ふりょうつかれる)』は現在げんざいでも標準ひょうじゅんてきもちいられる」との結果けっかとなった[83]

名古屋なごやべん世代せだいあいだ

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 かく個人こじんそだった環境かんきょう人付ひとづとうちがいで一概いちがいにはいえない。しかし、マスメディアとう共通きょうつう影響えいきょうかく家族かぞく進行しんこうがみられる現在げんざい名古屋なごやべん様々さまざま要素ようそ年代ねんだいくだるにしたがってかれなくなってきている。

世代せだいごとによる名古屋なごやべん話者わしゃ差異さい
昭和しょうわ初期しょきまでにまれた世代せだい 昭和中しょうわなかから昭和しょうわ末期まっきあいだまれた世代せだい 平成へいせい元年がんねん以降いこうまれた世代せだい
たか たかい、たけぁ たかい、たけー
たかくなる たかなる たかくなる
かない けせん、きゃせん、かせん、かん けへん、かへん、かん かん
けない けーせん、けん、
ようかん
けーへん、けん、
ようかん
けん
〜ではないか 〜(だ)がや〔男性だんせい〕、〜(だ)がね〔女性じょせい 〜(だ)がー 〜(だ)がん、〜じゃん、〜やん
〜てしまう 〜てまう 〜ちゃう
教示きょうし 〜(だ)に 〜(だ)よ
〜ではなくて 〜だのうて、〜だなて 〜じゃなくて
べようよ たべよまい、たべよめぁ たべよまい たべようよ
うつした うついた うつした
〜なかった 〜なんだ 〜んかった
なよ いりゃあ こやあ
非常ひじょう どえれぁ、どえらけねぁ、どえらい、どえらけない どえらい でら、どら
沢山たくさん ぎょうさん、ようさん、ようけ ようけ たくさん

名古屋なごやべんはな著名ちょめいじん

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名古屋なごやべん作中さくちゅうあつかわれる作品さくひん一覧いちらん

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映画えいが

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ラジオドラマ

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小説しょうせつ

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テレビドラマ

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特撮とくさつヒーロー

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コマーシャル

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漫画まんが

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脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ 「なーし」「なし」「のもし」「のんし」などともう。
  2. ^ 全国ぜんこくひろがったことのあるなもし言葉ことば変形へんけい。「な」はいまの「ね」にあたるおわり助詞じょし+「もし」は電話でんわの「もしもし」でも使つかわれる疑問ぎもんがた丁寧ていねい。【れい】「それはイナゴぞなもし(それはイナゴではありませんかね?)」
  3. ^ 「なも」からの派生はせい。《語尾ごび子音しいんが"え"の場合ばあい》+《なも》→《えも》となる。【れい「こっちぃらいやーせ」⇒「こっちへやーせえも」また、「ありがとえも(ありがとね)」、「あのえも(あのね)」と丁寧ていねいかつフランクな場面ばめんもちいられる。
  4. ^ いかけの言葉ことば。【れい】「ほい、これやる」「わかったぞ、ほい」
  5. ^ いかけの言葉ことば。【れい】「やい、てめー」「するんじゃねーぞ、やい」

出典しゅってん

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  1. ^ 芥子からしかわりつ名古屋なごや方言ほうげん研究けんきゅう名古屋なごや泰文やすふみどう、1971ねん、p.1
  2. ^ 日本にっぽん放送ほうそう協会きょうかいへん日本にっぽん放送ほうそう出版しゅっぱん協会きょうかいかん全国ぜんこく方言ほうげん資料しりょう だいさんかん東海とうかい北陸ほくりくへん』でもおな表記ひょうきほう採用さいようしている
  3. ^ a b 名古屋なごやことば”. 名古屋なごや (2010ねん10がつ15にち). 2023ねん3がつ30にち閲覧えつらん
  4. ^ JA東海とうかい支部しぶ 中部ちゅうぶ文化ぶんかろん だいかい  尾張おわり名古屋なごや文化ぶんかろん”. 安田やすだ文吉ぶんきち南山大学なんざんだいがく人文学部じんぶんがくぶ教授きょうじゅ). 2023ねん3がつ13にち閲覧えつらん
  5. ^ 芥子からしかわりつ名古屋なごや方言ほうげん研究けんきゅう泰文やすふみどう、1971ねん1がつ1にち 
  6. ^ 管理人かんりにん名古屋なごやべん構造こうぞう”. 藤井ふじいひろき. 2023ねん4がつ16にち閲覧えつらん
  7. ^ 名古屋なごやことばプロジェクト概要がいよう」『ことば研究けんきゅう年報ねんぽう』2017ねんだい4ごう 
  8. ^ むかし名古屋なごやの「ことば」は?”. 名古屋なごや観光かんこう文化ぶんか交流こうりゅうきょく文化ぶんか歴史れきしまちづくり文化ぶんか芸術げいじゅつ推進すいしん企画きかく事業じぎょうがかり (2010ねん4がつ22にち). 2023ねん3がつ30にち閲覧えつらん
  9. ^ 芥子からしかわりつ名古屋なごや方言ほうげん研究けんきゅう名古屋なごや泰文やすふみどう、1971ねん、p.139
  10. ^ 芥子からしかわりつ名古屋なごや方言ほうげん研究けんきゅう名古屋なごや泰文やすふみどう、1971ねん、p.139-140
  11. ^ 愛知あいちけん教育きょういく委員いいんかい(1989)、51ぺーじ
  12. ^ 愛知あいちけん教育きょういく委員いいんかい(1989)、56ぺーじ
  13. ^ a b 芥子からしかわりつ名古屋なごや方言ほうげん研究けんきゅう名古屋なごや泰文やすふみどう、1971ねん、p.187
  14. ^ a b c 愛知あいちけん教育きょういく委員いいんかい(1989)、52ぺーじ
  15. ^ 芥子からしかわりつ名古屋なごや方言ほうげん研究けんきゅう名古屋なごや泰文やすふみどう、1971ねん、p.185-186
  16. ^ 芥子からしかわりつ名古屋なごや方言ほうげん研究けんきゅう名古屋なごや泰文やすふみどう、1971ねん、p.179
  17. ^ 芥子からしかわりつ名古屋なごや方言ほうげん研究けんきゅう名古屋なごや泰文やすふみどう、1971ねん、p.239
  18. ^ 芥子からしかわりつ名古屋なごや方言ほうげん研究けんきゅう名古屋なごや泰文やすふみどう、1971ねん、p.238-239
  19. ^ a b 愛知あいちけん尾張おわり方言ほうげんにおけるおわり助詞じょし記述きじゅつてき研究けんきゅう―「ンダッテ」を中心ちゅうしんに―” (PDF). 高見こうけんあずさ (2010ねん1がつ1にち). 2023ねん5がつ30にち閲覧えつらん
  20. ^ 方言ほうげん萎縮いしゅく”. めい大社たいしゃ (2020ねん6がつ30にち). 2023ねん5がつ30にち閲覧えつらん
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  42. ^ 「...るにわづらはし。また茶菓子ちゃがしなどうるものは。ことごとじゅうよんわらわなり。ちゃいらんか。菓子かしいらんかといふ。名古屋なごやざいしま言語げんごはなは野鄙やひなり。」滝沢たきざわ馬琴ばきん、1802ごろ、「廿にじゅうきゅう 名古屋なごや芝居しばい」、『羇旅きりょ漫録
  43. ^ 平野ひらの豊二とよじ大須おおす大福帳だいふくちょう双輪そうりんかい、1980ねん、115ぺーじ 
  44. ^ 「『けたいなわいや』と『べらんめー』との衝突しょうとつするは名古屋なごやである。『オキャーセ」『ナモ』と、東京とうきょうの『デス』(二上にあがり)と、大阪おおさかの『ダス』(三下さんさがり)とごっちゃになりかけ、『馬鹿ばか々々しい』(東京とうきょう)、『あほらしい』(大阪おおさか)、『とろい』(中京ちゅうきょう)の混線こんせんするがき、すべ東西とうざいだい勢力せいりょくさんあい事実じじつかたるものではないか」最新さいしん名古屋なごや案内あんない』(明治めいじ42ねん12がつかん 名古屋なごや經濟けいざいかい だいいちへん·總說そうせつまきこう」4ぺーじ
  45. ^ 山田やまだあきまもる へん名古屋なごや言葉ことば辞典じてん・なごや言葉ことばひゃくねん 随筆ずいひつ泰文やすふみどう、1961ねん、「名古屋なごや方言ほうげんべん名古屋なごや史談しだんかい大正たいしょう元年がんねんきゅうがつじゅうろくにち講演こうえん(史談しだん会誌かいしだいいちかんごう所載しょさい)」217ぺーじ。「さて名古屋なごや近来きんらい地方ちほうからはいひとおおうなってきたので、新聞紙しんぶんしなどに時折ときおり悪口わるぐちかれますが、なるほど他所よそからひとはじめてくと可笑おかしくおもわれるも道理どうりで、わたし伊勢いせ寄寓きぐうちゅうある宴会えんかい名古屋なごやひと一人ひとりじりておりまして、そのひと言葉ことばわたしにもひどく耳障みみざわりであったことを、記憶きおくしております。元来がんらい名古屋なごや地方ちほう類例るいれいのないのがおおいから...などはいつも嘲笑ちょうしょうせられる」 
  46. ^ 植木うえきいち へん名古屋なごや實業じつぎょうかい評判ひょうばん名古屋なごや實業じつぎょうかい評判ひょうばん發行はっこうしょ名古屋なごやなか丸田まるだまち壹丁目いっちょうめ廿にじゅうきゅう番地ばんち、1915ねん10がつ12にち、22ぺーじ。「しからば方言ほうげん如何いかは其地方ちほう人質ひとじちぼくするにるてふ断案だんあん近頃ちかごろ妙案みょうあんではあるまいか。名古屋なごやのキャーキャー(開會かいかい)というかたりおんごときはさるこうおっとれにもておかしい、一言ひとことにしてひょうせば、此のかたりおんは悧巧にしてさるてきなるをおもはせる」 
  47. ^ 『-童話どうわ唱歌しょうか- 對話たいわにゅう はなたび(うえ)  佐々ささくれないはな指揮しき 日東にっとう少女しょうじょ歌劇かげきだん 446-A』(single)Nitto Record、Osaka Japan、1922ねん 
  48. ^ 長尾ながおもりすけ へん新編しんぺん名古屋なごや案内あんない 近郊きんこう名所めいしょ名産めいさん案内あんない中央ちゅうおう出版しゅっぱん協会きょうかい、1927ねん、「名古屋なごや言葉ことば」148ぺーじ国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかん書誌しょしID:000000643752 
  49. ^ 岡本おかもと一平いっぺいしんらしい漫画まんがえがかた先進せんしんしゃ、1930ねん、416ぺーじ。「名古屋なごや美人びじんはそうぎやもあゝぎやもとぎやもゞゝゝといふ。うつくしい家鴨あひるかれてるやうだ」 
  50. ^ 平山ひらやま蘆江ろこう. “日本にっぽん美人びじんけいはなし”. たび (日本旅行にほんりょこう協会きょうかい) (昭和しょうわはちねんじゅういちがつごう): 47-48. "名古屋なごや美人びじんだいいち言葉ことばからしてあまりよくないですネ、「サウキヤアモ」など" 
  51. ^ 谷崎たにざき潤一郎じゅんいちろう. 細雪ささめゆき下巻げかん 
  52. ^ “《CM小僧こぞう》『...もあるでよ』だい流行りゅうこう みなみ利明としあき名古屋なごやべん”. 報知ほうち新聞しんぶん. (1970ねん12月8にち). "OカレーのCM『ハヤシもあるでよ』が一大いちだい流行りゅうこうとなっている。おそらくほん年頭ねんとうかざるキャッチ・フレーズであろう。日常にちじょう生活せいかつなかでも『宿題しゅくだいもあるでよ』とか『カミサンもいるでよ』とか、子供こどもにもおとなにも使つかわれて目下もっかその拡散かくさんちゅうである。名古屋なごやべんがこれほど流行りゅうこうになったのは、マスコミ史上しじょうおそらくはじめてのことではないかとおもう。テレビCMはじまって以来いらい、かずかずの迷流行りゅうこうなかでも注目ちゅうもくあたいすることだろう" 
  53. ^ 即席そくせきカレーことはじめ なごやオリエンタル物語ものがたり =なか= 個性こせいてきなCM 名古屋なごやべんめいゼリフ”. 中日新聞ちゅうにちしんぶん 朝刊ちょうかん20めん. (2012ねん11月22にち) 
  54. ^ 青木あおき信樹のぶき へん『なごやべん 杉戸すぎときよしさんのおしゃべり』日進にっしんどう書店しょてん、1970ねん7がつ、295ぺーじ 
  55. ^ a b 「『名古屋なごやべん』って本当ほんとうにダサイ? イタリア喜劇きげきにぴったり 軽妙けいみょう・パワフル・不滅ふめつだなも」『朝日新聞あさひしんぶん』1984ねん7がつ11にち東京とうきょう夕刊ゆうかん3めん名古屋なごや夕刊ゆうかん3めん大阪おおさかばん西部せいぶばん掲載けいさい)。
  56. ^ 名古屋なごやをコケにしたタモリ 『決死けっし名古屋なごやコンサート』誌上しじょう録音ろくおん」『週刊しゅうかんサンケイ』1981ねん7がつ2にちごう扶桑社ふそうしゃ、174ぺーじいま、なぜかタモリの名古屋なごやをコケにしたギャグがけている。いわく名古屋なごやじんはドケチ、いわく名古屋なごやじん田舎いなかっぺ
  57. ^ 『THE NAGOYA-BEN』(cassette tape)(ブックレット)ビクター音楽おんがく産業さんぎょう株式会社かぶしきがいしゃ、Tokyo Japan、1984ねん。VCK-848。 
  58. ^ 読売新聞よみうりしんぶん: 東京とうきょうばん朝刊ちょうかん14はん24めん放送ほうそうとう》. (1981ねん5がつ28にち). "たのしきかな『今夜こんや最高さいこう!』▼日本にほんテレビ『今夜こんや最高さいこう!』は土曜どようよるにふさわしいアダルトな雰囲気ふんいきたのしい番組ばんぐみである。それはホストのタモリさんの独特どくとくなユーモアによってパートナーの女性じょせいもゲストも奮闘ふんとうするからだとおもう。近頃ちかごろ名古屋なごやたいするタモリさんのギャグに名古屋なごやひとたちはだいぶいかりのこえをあげているらしいが、それをかいさず強烈きょうれつ名古屋なごやじん気質きしつ皮肉ひにくあたりはさすが。コンサートでは名古屋なごやるといているが、ねがわくは名古屋なごやじんまえでもひるまずにどんどんやってほしい。(名古屋なごや天白てんぱく女子じょし学生がくせい匿名とくめい21)" 
  59. ^ 名古屋なごやをコケにしたタモリ 『決死けっし名古屋なごやコンサート』誌上しじょう録音ろくおん」『週刊しゅうかんサンケイ』1981ねん7がつ2にちごう扶桑社ふそうしゃ、176ぺーじついにはあたまがおかしいとまでいわれた名古屋なごやじんだが....コンサート会場かいじょうからてきたある名古屋なごやじんはこういっていた。『本当ほんとうのことだもんなぁ。おこってもしょうがないし、むしろ刺激しげきになっていいですよ。今日きょうコンサートにてたのはほとんどわかひとだけどこういうはなしをじいさん連中れんちゅうかせたいね』
  60. ^ れんじょうさん紀彦のりひこ. “名古屋なごやべん”. 小説しょうせつClub: 昭和しょうわ56ねん11がつごう 152-154ぺーじ. "タモリ名古屋なごや田舎いなかだと攻撃こうげきし、それに名古屋なごやじん反駁はんばくして、ちょっとした騒動そうどうきおこしている、という。さわはじめてからいちだけテレビでタモリ暴言ぼうげんとやらを拝聴はいちょうさせてもらったが.....タモリは、名古屋なごやべんがマをミャと発音はつおんすることから、名古屋なごやえきりたつと、ミャーミャーねこさわいでいるようだ、とおっしゃっていた。事実じじつ名古屋なごやべん日本にっぽんでも有数ゆうすうの、下品げひんきたな方言ほうげんであろう" 
  61. ^ 名古屋なごやをコケにしたタモリ 『決死けっし名古屋なごやコンサート』誌上しじょう録音ろくおん」『週刊しゅうかんサンケイ』1981ねん7がつ2にちごう扶桑社ふそうしゃ、176ぺーじ『タモリが名古屋なごや悪口わるぐちをいいだすとテレビをしちゃうんです』という名古屋なごやじんがいるのだ。文化財ぶんかざい調査ちょうさ委員いいん芥子からしかわりつおさむで、『ギャグとして面白おもしろおかしく誇張こちょうしていっているのはわかるが』と前置まえおきして、『みゃあでゃあ?名古屋なごやじんはそんなこといいませんよ。いうとしたら"めぇでぇあ"です』
  62. ^ 「とろくさいこといやぁすな ぜん名古屋なごやじんがタモリの悪口わるぐちいかりのだい反論はんろん」『週刊しゅうかん現代げんだい』1981ねん7がつ9にちごう講談社こうだんしゃ、38-39ぺーじまずタモリの名古屋なごやべんに"異議いぎあり"なのだ。方言ほうげん研究けんきゅう芥子からしかわりつおさむ(名古屋なごや文化財ぶんかざい調査ちょうさ委員いいんちょう)によれば、『あの言葉ことばづかいはどうせ場末ばすえ仕入しいれたものをしたりかおしゃべっているんでしょう。あれは尾張おわり農村のうそん方言ほうげん美濃みの農村のうそん方言ほうげんをごちゃまぜにしたマカ不思議ふしぎ名古屋なごやべんです。本当ほんとう名古屋なごやべんは、金田一きんだいち京助きょうすけさんが日本にっぽんうつくしい言葉ことばさんすぐるとして京都きょうとべん大阪おおさか船場ふなば言葉ことば、そして名古屋なごやといわれたほどにうつくしいのです』
  63. ^ 「とろくさいこといやぁすな ぜん名古屋なごやじんがタモリの悪口わるぐちいかりのだい反論はんろん」『週刊しゅうかん現代げんだい』1981ねん7がつ9にちごう講談社こうだんしゃ、39ぺーじしかして、なおつぎ反省はんせいは、「タモリのこれを機会きかいに、伝統でんとうてき名古屋なごやべんまもかいというのをつくろうじゃないかといううごきが論説ろんせつ委員いいんあいだてる。いや、本気ほんきですよ。わたし真剣しんけんみますよ。きたな言葉ことばだけのこすのでは、先人せんじんもうわけたんです(発言はつげんしゃ中日新聞ちゅうにちしんぶん論説ろんせつ主幹しゅかん今里いまさと義郎よしお
  64. ^ 「いただきます しん企画きかくくに自慢じまん劇場げきじょう"名古屋なごや"のまき朝日新聞あさひしんぶん』1986ねん10がつ22にち東京とうきょう朝刊ちょうかん3はん最終さいしゅうめんテレビらん
  65. ^ 近頃ちかごろ方言ほうげん見直みなお大事だいじにするうごきがてきた.....」朝日新聞あさひしんぶん』1989ねん7がつ27にち東京とうきょう朝刊ちょうかん2はん1めん 天声てんせい人語じんご
  66. ^ 綺麗きれい名古屋なごやべんはな女性じょせい伝承でんしょうしゃ』を手本てほんに、二十歳はたち前後ぜんこうのOLや女子大じょしだいせい名古屋なごやべんでの自己じこ紹介しょうかい挑戦ちょうせんする「うつくしい名古屋なごやべん伝承でんしょうさせるかい」がこのほど市内しない大須おおす演芸えんげいじょうひらかれた。「名古屋なごやべん全国ぜんこくひろめるかい」の主催しゅさいだったが、料理りょうり店主てんしゅら『伝承でんしょうしゃ』の熱心ねっしん伝授でんじゅにもかかわらず『わたしはァはなのォ女子じょしダャーセイ(大生おおう)だ...なも』など悪戦苦闘あくせんくとうつづきで、満員まんいん場内じょうないだい爆笑ばくしょう。このところ不入ふいつづきだった演芸えんげいじょうは『こんなことは正月しょうがついりゃあ(以来いらい)だで』」「きれいな名古屋なごやべんを--話題わだい--うつくしい名古屋なごやべん伝承でんしょうさせるかい」『読売新聞よみうりしんぶん』1988ねん11月19にち東京とうきょうばん朝刊ちょうかん 社会しゃかい2めん
  67. ^ 三輪みわ秀彦ひでひこ. “ミステリ名作めいさく方言ほうげん翻訳ほんやくしゅう 名古屋なごやべんによる『メグレ警部けいぶ国境こっきょうまち』”. 『ミステリマガジン』1987ねん10がつごう (早川書房はやかわしょぼう): 126-129. 
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  72. ^ 名古屋なごやべん翻訳ほんやく優秀ゆうしゅうさくだがね アムネスティのコンテスト 世界せかい(せきゃあ)人権じんけん宣言せんげん」『中日新聞ちゅうにちしんぶん』1992ねん1がつ29にち
  73. ^ 名古屋なごや市長しちょうせんまえに-3 なにかやりそうなひと期待きたい--女優じょゆう・いとうまいさん(36)”. 中日新聞ちゅうにちしんぶん. (2000ねん7がつ9にち) 
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  81. ^ はちじゅうかめちゃんかんさつにっき】いち迅社CM#01 - ichijinshaPV
  82. ^ 【アニメージュ2がつごう本日ほんじつ発売はつばいあたたかい料理りょうりしんもポカポカ! 「料理りょうりはドラマチック」特集とくしゅうでは『しん中華ちゅうか一番いちばん!』『星合ほしあいそら』『はちじゅうかめちゃんかんさつにっき2さつめ』から垂涎すいぜん料理りょうり数々かずかずをピックアップ! さらに編集へんしゅうでお料理りょうり再現さいげんしました!
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  85. ^ プロフィール 川上かわかみミネ
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参考さんこう文献ぶんけん

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関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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