(Translated by https://www.hiragana.jp/)
吸血鬼 - Wikipedia コンテンツにスキップ

吸血鬼きゅうけつき

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
吸血鬼きゅうけつきフィリップ・バーン=ジョーンズ(1897)

吸血鬼きゅうけつき(きゅうけつき、ひがしスラヴ: вѫпырь)は、民話みんわ伝説でんせつなどに登場とうじょうする存在そんざいで、生命せいめい根源こんげんともわれる栄養えいようげんとする、よみがえった死人しにんまたは不死ふし存在そんざい[1]。その存在そんざいちからには実態じったいいとされる[2]

おおかみおとこフランケンシュタインの怪物かいぶつならび、世界中せかいじゅうられている怪物かいぶつのひとつ。また、用語ようご転用てんようとして、不当ふとう人々ひとびとから利益りえきしぼ人間にんげんなども[3][4]

概要がいよう

[編集へんしゅう]

ブラム・ストーカーの『吸血鬼きゅうけつきドラキュラ』、シェリダン・レ・ファニュの『カーミラ』など、おおくの創作そうさくにおいて登場とうじょうしてきた。なまえたもの、またはなま狭間はざま存在そんざいするもの死者ししゃおうとされる。凶悪きょうあく犯罪はんざいしゃ通称つうしょうとしても使つかわれる[1]。ヴァンパイア、バンパイヤ、ヴァンピールなどともかれる。

現代げんだい吸血鬼きゅうけつき・ヴァンパイアのイメージは、ヨーロッパにルーツがある伝承でんしょうのイメージがつよ[5]吸血鬼きゅうけつき伝承でんしょうふるくから世界せかい各地かくちられ、古代こだいギリシアラミアーエンプーサ古代こだいバビロニアのアフカルを皮切かわきりにテッサリア巫女ふじょ、ブルーカ(ポルトガル)、ドルド(ドイツ[5]ひがしヨーロッパのヴァンパイアにくわえ、アラビアグール中国ちゅうごくキョンシーひとしがある。この場合ばあい吸血鬼きゅうけつきという名称めいしょうもちいられているが、人間にんげん行為こういすべての吸血鬼きゅうけつき伝承でんしょう共通きょうつうするものではない。

語源ごげん

[編集へんしゅう]

諸説しょせつるが、1730年代ねんだいにおける英語えいご出版しゅっぱんぶつに「vampyre」の文字もじがあるため、それ以前いぜん時期じきから使つかわれていたかたりとされている。一般いっぱんてきにはリトアニアの「Wemptiむ)」由来ゆらいとされるほかトルコの「uber魔女まじょ)」[6]セルビア・クロアチアの「Piratiく)」も提唱ていしょうされる。

ただしヴァンパイアという言葉ことば一般いっぱんてき使用しようされるようになる18世紀せいき[5]以前いぜんから世界せかい各地かくち吸血鬼きゅうけつき伝説でんせつがあり、それぞれの名前なまえばれている[1]中国ちゅうごくでは、殭屍キョンシー以外いがいにも、古来こらいより「吸血鬼きゅうけつき」というかたりがあり、これは悪霊あくりょう亡者もうじゃというよう意味いみであったが、てんじて現代げんだいでは欧米おうべいふうのヴァンパイアの意味いみとしても使つかわれている[7]あずま雅夫まさおは、日本にっぽんはじめて「Vampire」の訳語やくごに「吸血鬼きゅうけつき」とてたのは南方みなかた熊楠くまぐすではないかと主張しゅちょうしていた。その根拠こんきょが、1914ねん芥川あくたがわ龍之介りゅうのすけがテオフィル・ゴーティエのクラリモンドにおいて「vampire」を「夜叉やしゃ」とやくした。その1ねん南方みなかた熊楠くまぐすが「人類じんるいがく雑誌ざっし 1915ねん4がつごう」に寄稿きこうした「のろいごとについて」でvampireを「吸血鬼きゅうけつき」としてやくした[8]以上いじょうから南方みなかた熊楠くまぐす造語ぞうごせつとなえていたのだが、1914ねん6がつ押川おしかわ春浪しゅんろう小説しょうせつたけ小説しょうせつ かいふういちじん」でも「吸血鬼きゅうけつき」という言葉ことば使つかわれていたことが判明はんめいしたほか、さらふる用例ようれいがあることが判明はんめいしたことをあずま雅夫まさお紹介しょうかいしている[9]

ノスフェラトゥ (Nosferatu) というも19世紀せいきまつごろからられるが、その由来ゆらい判然はんぜんとしない。

吸血鬼きゅうけつき姿すがた

[編集へんしゅう]

ぶよぶよしたかたまりのようなものであるか、もしくは生前せいぜんのままであるとされることがおおい。両者りょうしゃとも、一定いってい期間きかんれば完全かんぜん人間にんげんになるとされることもある。また、様々さまざま姿すがた変身へんしんすることが出来できるとされる。吸血鬼きゅうけつきは、むし変身へんしんする、ネズミ変身へんしんする、きり変身へんしんするなどの手段しゅだんもちいてかん隙間すきまちいさなあなからし、夜中よなかから夜明よあけまでのあいだ活動かつどうするものとされた。また、地域ちいきによってことなるが、特定とくてい月齢げつれい曜日ようび、キリストきょう祭日さいじつなどのには活動かつどうできないとされる場合ばあいおおい。吸血きゅうけつするさいは、ながきば出現しゅつげんするとされている。また、最近さいきんでは、獲物えものである人間にんげんきつけるために、うつくしい容姿ようしつとされることがおおい。

民間みんかん伝承でんしょう

[編集へんしゅう]

吸血鬼きゅうけつき概念がいねんは、すうせんねんものまえから存在そんざいしていた。メソポタミア古代こだいイスラエル古代こだいギリシア古代こだいマニプル古代こだいローマなどのかく文化ぶんかには、現代げんだい吸血鬼きゅうけつき前身ぜんしんかんがえられるような悪魔あくま精霊せいれい登場とうじょうする物語ものがたり存在そんざいした。このように世界せかい各地かくち文化ぶんか吸血鬼きゅうけつきのような存在そんざい伝承でんしょうされている一方いっぽうで、今日きょう吸血鬼きゅうけつきかんする民間みんかん伝承でんしょうは、せんら18世紀せいき初頭しょとう東南とうなんヨーロッパにおいて口承こうしょうされてきた伝説でんせつ記録きろく出版しゅっぱんされてひろまったものがもとになっている[10]おおくの場合ばあい吸血鬼きゅうけつき正体しょうたい邪悪じゃあく存在そんざい自殺じさつもの魔女まじょなどの亡霊ぼうれいとされるが、ほかにも死体したい悪霊あくりょうが憑りついたり、吸血鬼きゅうけつきまれたりすることによってまれることもある。このたね伝承でんしょうひろ拡散かくさんされ、一部いちぶ地域ちいきでは吸血鬼きゅうけつきであるといがかりをつけられた人々ひとびと公開こうかい処刑しょけいされるというような集団しゅうだんヒステリーをこしたことさえあった[11]

共通きょうつうする言及げんきゅう

[編集へんしゅう]
赤い髪の毛の女性を描いた絵画
エドヴァルド・ムンクによる『吸血鬼きゅうけつき英語えいごばん

外見がいけん

[編集へんしゅう]

ヨーロッパにおける各地かくち吸血鬼きゅうけつき伝承でんしょうには共通きょうつうする要素ようそもいくつかあるが、ひとつの言葉ことばとして説明せつめいするのはむずかしい。吸血鬼きゅうけつき通常つうじょうふとった外見がいけんをしており、いろ血色けっしょく紫色むらさきいろなどのくらいろをしているとわれている[12][13][14]

吸血鬼きゅうけつき発生はっせい

[編集へんしゅう]

元来がんらい民間みんかん伝承でんしょうでは、吸血鬼きゅうけつき発生はっせいする要因よういん多種たしゅ多様たようであった。スラブ中国ちゅうごくにおける伝承でんしょうでは、動物どうぶつとくいぬねこえられた死体したいよみがえるとわれおそれられていた[15]。また、熱湯ねっとうとおしていない外傷がいしょうった遺体いたいもそうなる危険きけんがあるとされていた。ロシア民間みんかん伝承でんしょうでは、吸血鬼きゅうけつき生前せいぜん魔女まじょだったか、ロシア正教会せいきょうかい反逆はんぎゃくしたものたちのれのてだとわれていた[16]。ドイツでは胞衣えなまつわったまままれたもの死後しごナハツェーラーとるとわれた[1]

みなみスラブの一部いちぶでは吸血鬼きゅうけつきはいくつかの段階だんかいてその身体しんたい形成けいせいするとかんがえられた。とく最初さいしょの40日間にちかん吸血鬼きゅうけつき決定的けっていてき影響えいきょうあたえるとされた。吸血鬼きゅうけつきのはじめの姿すがたえないかげであり、次第しだい活性かっせいし、ほねいゼリーじょうかたまり肉体にくたい形成けいせいした。最終さいしゅうてきには生前せいぜんとほぼおな身体しんたい獲得かくとくし、墓場はかばて、人間にんげんとしての生活せいかつはじめることができるようになった。この吸血鬼きゅうけつき大抵たいてい場合ばあい男性だんせいで、性的せいてき活発かっぱつであった。かれらは生前せいぜんつま、あるいはあたらしいつまとともに子供こどもをもうけることもあった。子供こどもおや同様どうよう吸血鬼きゅうけつき、あるいは吸血鬼きゅうけつきころ能力のうりょく吸血鬼きゅうけつきハンターになるとされていた[17]アルバニア民間みんかん伝承でんしょうでは、ダンピール(dhampir)は、ククディ英語えいごばんあるいはルガット英語えいごばんとヒトとのあいだまれた混血こんけつとされている。ダンピールはククディやルガットを探知たんちする特異とくい能力のうりょくっており、通常つうじょう不死ふしのルガットをころすことができるのはそのであるダンピールのみである。地域ちいきによっては、動物どうぶつ睡眠すいみんちゅうのヒトがルガットに変化へんかするということもつたえられている。なお、ダンピラージ(Dhampiraj)はアルバニアにおけるせいひとつとなっている[18]

吸血鬼きゅうけつきたいする予防よぼうさく

[編集へんしゅう]

死者ししゃ吸血鬼きゅうけつきのようなアンデッドになるのをふせぐためのしきたりがしばしばかんがえられてきた。遺体いたいさかさに埋葬まいそうしたり、遺体いたいちかくにかまなどの物体ぶったいいておくことは、遺体いたい侵入しんにゅうしようとする悪霊あくりょう退かせたり、遺体いたいかんからがれないようにするためとしてひろ普及ふきゅうした[19]。このならわしは、古代こだいギリシアにおける、死者ししゃ冥界めいかいステュクスかわわたれるように代金だいきんとして死者ししゃくちにコインをむという習慣しゅうかん類似るいじしており、またこのコインは死者ししゃ体内たいない悪霊あくりょうはらうことも目的もくてきとしていた可能かのうせい指摘してきされている。そのため、これが後世こうせい吸血鬼きゅうけつき伝承でんしょう影響えいきょうあたえた可能かのうせいげられている。現代げんだいギリシアのヴリコラカス英語えいごばん伝承でんしょうにも、人間にんげん死後しごヴリコラカスになるのをふせぐために遺体いたいろう十字架じゅうじかと "Jesus Christ conquers" の文字もじきざまれた陶器とうきくという習慣しゅうかんのこっている[20]

ほかにもヨーロッパでは、吸血鬼きゅうけつきであるとおもわれる遺体いたいひざけん切断せつだんしたり、はか地面じめんケシキビすなくなどのしきたりが一般いっぱんおこなわれてきていた。後者こうしゃ吸血鬼きゅうけつき計算けいさんへき英語えいごばん性質せいしつもとづいたものであり、はかまえちたなどをいちばんちゅうかぞげさせることによって活動かつどうさせないことを目的もくてきとしているとされる[21][22]中国ちゅうごく伝承でんしょうでも同様どうように、吸血鬼きゅうけつきのような存在そんざい米袋こめぶくろるとそのなかこめいちつぶずつかぞえたくなるという描写びょうしゃがある。これらのいいつたえは、インドの民間みんかん伝承でんしょう英語えいごばんや、南米なんべい魔女まじょ、その邪悪じゃあく存在そんざいかんする物語ものがたりなどにもられるテーマとなっている[23]

吸血鬼きゅうけつき識別しきべつさく

[編集へんしゅう]

吸血鬼きゅうけつきのいるはか識別しきべつするしきたりもおおされた。そのひとつは、女性じょせい経験けいけんのない男子だんしおなじく交尾こうび経験けいけんしたこと牡馬ぼばせて墓地ぼち教会きょうかい土地とちしゅうるというものである。すると、うま問題もんだいのあるはか手前てまえでたじろぎするという[16]一般いっぱんにこのしきたりにはくろうま必要ひつようとされているが、アルバニアではしろうまようしている[24]。また、はか地面じめんうえあないているのは、そこに吸血鬼きゅうけつきがいるひとつの兆候ちょうこうであった[25]

吸血鬼きゅうけつきおもわれる死体したいは、普通ふつう以上いじょう健康けんこう外観がいかんをしており、ふくよかで、腐敗ふはいがほとんど、あるいはまったられないと説明せつめいされている[26]。また、人々ひとびと吸血鬼きゅうけつきおもわれる遺体いたいはいかんけたとき遺体いたいかお鮮血せんけつがびっしりといていたというはなしわれている[27]吸血鬼きゅうけつき活動かつどう根拠こんきょには、うしひつじなどの家畜かちくや、親戚しんせき隣人りんじんなどの死亡しぼうげられていた。民俗みんぞくじょう吸血鬼きゅうけつき行動こうどう特徴とくちょうには、屋根やねいしげたり、家財かざい移動いどうさせたり、ねむっているひとれたりすることなどをつうじてその存在そんざいらしめるという、ポルターガイストてき要素ようそふくまれていた[28][29]

吸血鬼きゅうけつきへの防御ぼうぎょさく

[編集へんしゅう]
ニンニク、十字架じゅうじか聖書せいしょ聖水せいすいかがみ各地かくち民間みんかん伝承でんしょうなかで、これらは吸血鬼きゅうけつきたいする厄除やくよけあるいは識別しきべつ手段しゅだんとして使つかわれてきた[30][31]

おおくの民間みんかん伝承でんしょうによると、吸血鬼きゅうけつき苦手にがてなアイテムは、十字架じゅうじかニンニク太陽光たいようあきら聖水せいすいなどが一般いっぱんてきれい[32]ほかにもノバラサンザシえだ吸血鬼きゅうけつきがいあたえるものと連想れんそうされることがあり、ヨーロッパでは吸血鬼きゅうけつきのぞけるために家屋かおく屋根やねカラシ種子しゅしかれていたことがある[33]ほかにも神聖しんせいなアイテムが、吸血鬼きゅうけつき厄除やくよけとしてかんがえられていた。一部いちぶ民間みんかん伝承でんしょうでは、吸血鬼きゅうけつき教会きょうかい寺院じいんなどの神聖しんせい空間くうかんや、流水りゅうすいうえあるくこともできないとされていた[31]

伝統でんとうてきかがみ吸血鬼きゅうけつきのぞけるための効果こうかがあるとはかんがえられていないが、とびら外側そとがわかがみくと吸血鬼きゅうけつきけられるとして使用しようされてきたことがある。一部いちぶ文化ぶんかでは、吸血鬼きゅうけつきにはたましいいためかがみ反射はんしゃせず、またかげとさないとされるが[34]、これは普遍ふへんてき設定せっていではなく[ちゅう 1]、『吸血鬼きゅうけつきドラキュラ』をいたブラム・ストーカーによって、後世こうせい作家さっか映画えいが制作せいさくしゃ普及ふきゅうしたものである[35]

また、一部いちぶ伝承でんしょうでは、吸血鬼きゅうけつきいえ主人しゅじん招待しょうたいけないかぎり、家屋かおくはいることができないとされている。一度いちど招待しょうたいければ、そのいえ自由じゆう出入でい出来できるようになる[34]民俗みんぞくじょう吸血鬼きゅうけつきよる活動かつどうすると信仰しんこうされてきたが、日光にっこうよわいという設定せってい一般いっぱんてきではなかった[35]

ポーランドロシアにおける吸血鬼きゅうけつきについて言及げんきゅうしている1693ねんと1694ねん報告ほうこくでは、吸血鬼きゅうけつきはか発見はっけんされたとき小麦粉こむぎこ吸血鬼きゅうけつきぜていたパンをべるか、あるいはたんにそのむと、吸血鬼きゅうけつきから保護ほごされるのではないかと主張しゅちょうされている[36]アーノルド・パオール英語えいごばん吸血鬼きゅうけつき事件じけんはなしにおいては、吸血鬼きゅうけつきはかまわりのえばおな効果こうかがあるとわれた[37]

吸血鬼きゅうけつき退治たいじ方法ほうほう

[編集へんしゅう]
キャプションを参照
死者ししゃはかなかめておくためにつくられたルーン文字もじかれた碑石ひせき[38]

吸血鬼きゅうけつき対峙たいじする方法ほうほう様々さまざまで、みなみスラブにおいてはくいつのがもっと一般いっぱんてきである[39]。ロシアとバルトさんこくにおいてはトネリコざい[40]セルビアにおいてはサンザシざいこのまれ[41]シレジアにおいてはオーク使つかわれたと記録きろくされている[42][43]。キリストの十字架じゅうじかアスペンせいであるともわれていたため、アスペンもくい材料ざいりょう使用しようされた[44]吸血鬼きゅうけつきおもわれた人物じんぶつたいしては心臓しんぞうくいたれることがもっとおおかったが、ロシアとドイツ北部ほくぶではくち[45][46]、セルビア北東ほくとうではねらわれた[47]むねねらうことにより、肥大ひだいした吸血鬼きゅうけつきを「しぼませる」効果こうかがあったという。この方法ほうほうは、吸血鬼きゅうけつきになる可能かのうせいがある遺体いたいかんに、吸血鬼きゅうけつきになろうとしてからだ肥大ひだいしたとき鋭利えいりなものが皮膚ひふ貫通かんつうするように遺体いたいがわかまくという「吸血鬼きゅうけつき埋葬まいそう英語えいごばん」の方法ほうほう類似るいじせいがある[48]

ドイツ西にしスラブにおいては斬首ざんしゅこのまれ、頭部とうぶ臀部でんぶうしろ、両脚りょうきゃくあいだ、あるいは胴体どうたいはなれたところに埋葬まいそうされた[39]一部いちぶ文化ぶんかではたましい死体したいなかのこるとわれていたため、これによってたましい肉体にくたいからの離脱りだつはやめるとされた。また、頭部とうぶ胴体どうたい衣服いふく吸血鬼きゅうけつきとして遺体いたいがるのをふせぐために、スパイクで地面じめん固定こていされることもあった[49]

キャプションを参照
ブルガリアで発見はっけんされた800ねんまえ人骨じんこつ胸部きょうぶてつぼうされた状態じょうたいつかった[50]

ジプシー人々ひとびとは、埋葬まいそうてつはり遺体いたい心臓しんぞうみ、そのうえくちなかみみうえゆびあいだはがねへんいた。また、遺体いたい靴下くつしたなかにサンザシをれたり、あしにサンザシのくいんだりした。ベネチア近郊きんこうに16世紀せいき埋葬まいそうされた女性じょせいくちなかにレンガがまれているのは、吸血鬼きゅうけつき退治たいじ儀式ぎしき一貫いっかんであると考古こうこ学者がくしゃ解釈かいしゃくしている[51]ブルガリアでは、胴体どうたいすき破片はへんのような金属きんぞくまれた100以上いじょう人骨じんこつ発見はっけんされている[50]

さらには、遺体いたい熱湯ねっとうをかけたり、完全かんぜん焼却しょうきゃくしたりするのも吸血鬼きゅうけつき退治たいじとしておこなわれた。東南とうなんヨーロッパでは、吸血鬼きゅうけつき射殺しゃさつおぼれころせ葬儀そうぎのやりなおし、悪魔あくまばらいやからだ聖水せいすいりかけることによって退治たいじされたことがあったという。ルーマニアではニンニクをくちなかれたり、かん銃弾じゅうだんんで予防よぼうしたりするというさくられていた。なおも問題もんだいがある場合ばあいは、遺体いたい解体かいたい焼却しょうきゃくされたのちみずぜられ、厄除やくよけとしてその家族かぞくあたえられた。ドイツのザクセン地方ちほうでは、吸血鬼きゅうけつきだとうたがわれているひとくちにはレモンれられた[52]

その伝承でんしょう

[編集へんしゅう]
大阪おおさか道頓堀どうとんぼりで、キョンシー中国ちゅうごく神話しんわ吸血鬼きゅうけつきのような怪物かいぶつ)にふんした男女だんじょ

マレーシアではそらあたまくびペナンガラン宗教しゅうきょうてき苦行くぎょう最中さいちゅうあやまってくびとした女性じょせいる)、インドネシアでは強姦ごうかんされて妊娠にんしんした女性じょせいよみがえり、男性だんせいうスンダル・ボロンがつたえられている[1]。また、おなじくマレーシアとインドネシアには、ポンティアナックばれるしろふく女性じょせい吸血鬼きゅうけつき存在そんざいつたえられている。

ヴィクトリアあさ以降いこう吸血鬼きゅうけつき

[編集へんしゅう]

永遠えいえんわかさをもつとされるのはヴィクトリアあさ時代じだいはいってからである。現在げんざい吸血鬼きゅうけつきおおくは、不老不死ふろうふし知性ちせいてきな、おおくの不思議ふしぎちからものとしてえがかれる。吸血鬼きゅうけつききり、オオカミあるいはコウモリに変身へんしんすることができるとされる。また、古来こらいからかがみには人間にんげんたましいうつちからがあるとしんじられていたため肉体にくたいたましいむすびつきがよわいとされる吸血鬼きゅうけつきは、かがみにその実像じつぞううつらないとされる。

吸血鬼きゅうけつき退治たいじ

[編集へんしゅう]

吸血鬼きゅうけつき存在そんざいしんじていた人々ひとびとにとっては現実げんじつせまった脅威きょういであり、とくに農村のうそんなどにおいては、不可解ふかかい事件じけん発生はっせいしたさいに、おおくの吸血鬼きゅうけつき退治たいじ現実げんじつおこなわれた。この吸血鬼きゅうけつき退治たいじは、ごくわずかではあるが20世紀せいきになってからもおこなわれたことが資料しりょうによって確認かくにんされている。

具体ぐたいてき退治たいじ方法ほうほうとしては、くびとす、心臓しんぞうくいつ、死体したいやす、ぎん弾丸だんがんもしくは呪文じゅもんきざんだ弾丸だんがんつ、などの方法ほうほうげられる。また、葬儀そうぎをやりなおす、死体したい聖水せいすいやワインであらう、呪文じゅもんなどをもちいてびん水差みずさしにふうめる、などの死体したい損壊そんかいしない方法ほうほうがとられることもあった。

吸血鬼きゅうけつき退治たいじは、聖俗せいぞくりょう権力けんりょくから不当ふとう死体したい損壊そんかいする不道徳ふどうとく行為こういであるとかんがえられていたらしく、吸血鬼きゅうけつき退治たいじかんする禁令きんれいることもしばしばであり、すくなくとも近世きんせい以降いこうは、吸血鬼きゅうけつきという概念がいねん知識ちしき階層かいそうにはあまりしんけられるものではなくなっていたことがうかがえる。ただし農村のうそんなどでは、農民のうみん反発はんぱつおそれた地方ちほう領主りょうしゅ役人やくにん吸血鬼きゅうけつき退治たいじ看過かんかすることはとくにめずらしいことではなく、禁令きんれいはたいていの場合ばあい無視むしされていた。

現代げんだい吸血鬼きゅうけつき事件じけん

[編集へんしゅう]

21世紀せいきになった現代げんだいでも、一部いちぶ地域ちいきでは吸血鬼きゅうけつき伝説でんせつ色濃いろこのこっている。2017ねんには、マラウイで、吸血鬼きゅうけつきだとうたがわれた男性だんせい2にん自警じけいだんころされる事件じけんきている。124にん殺人さつじんざい逮捕たいほされた[53]

吸血鬼きゅうけつき関連かんれんけされるれい

[編集へんしゅう]
  • ポルフィリンしょう - 患者かんじゃ外観がいかんおよび日光にっこうける生活せいかつ吸血鬼きゅうけつき伝説でんせつとの関係かんけい
  • レンフィールド症候群しょうこうぐん英語えいごばん - 1980年代ねんだい精神せいしん医学いがくのパロディとして、吸血きゅうけつ衝動しょうどう人間にんげん症候群しょうこうぐんというものが創作そうさくされたが、真実しんじつとしてってしまうひともいた。名前なまえはブラム・ストーカーのホラーフィクション小説しょうせつ吸血鬼きゅうけつきドラキュラ』の登場とうじょう人物じんぶつからつけられた。実際じっさい欲求よっきゅうにかられたひと報告ほうこくされているが、なんらかの精神せいしん疾患しっかんとして処理しょりされ、特定とくてい症候群しょうこうぐんとしてはあつかわれていない。

現代げんだいてき吸血鬼きゅうけつき特徴とくちょう

[編集へんしゅう]

腕力わんりょく人間にんげんえ、からだおおきさを自由じゆうえたり、コウモリやおおかみなどの動物どうぶつきり蒸気じょうき変身へんしんでき、どんな場所ばしょにもはいむ。また、催眠さいみんじゅつフクロウ、コウモリ、おおかみきつね昆虫こんちゅうといった動物どうぶつあらしかみなりなどをあやつるとされる。トランシルヴァニア伝説でんせつもとにしたブラム・ストーカーの小説しょうせつ吸血鬼きゅうけつきドラキュラ』は現代げんだい吸血鬼きゅうけつきのイメージにつよ影響えいきょうおよぼしており、したがってひがしヨーロッパの吸血鬼きゅうけつき現代げんだいのそれにちかい。『ドラキュラ』の登場とうじょう人物じんぶつ一人ひとりであるヴァン・ヘルシング教授きょうじゅは、吸血鬼きゅうけつきを「怪力かいりき無双むそう変幻へんげん自在じざい神出鬼没しんしゅつきぼつ」としょうする[1]

現代げんだい吸血鬼きゅうけつきつという特徴とくちょう源泉げんせんひがしヨーロッパにあった吸血鬼きゅうけつきかぎられない様々さまざま魔物まものっていた特徴とくちょうにある。教皇きょうこうベネディクトゥス14せいキリスト教きりすときょう啓蒙けいもうのために土着どちゃく信仰しんこう弾圧だんあつしたが、それがかえってうずもれていた魔物まもの説話せつわひろめることになった。キリストきょう布教ふきょう以前いぜんしんじられていた魔物まもの特徴とくちょう以下いかのようなものである。

  • 日光にっこうきらう(人工じんこうこうにはつよい)ため、昼間ひるま墓地ぼち洞窟どうくつなどにかくす(ただし青色あおいろ以上いじょうのエネルギーを可視かしこう電離でんり放射線ほうしゃせんにはだいダメージをける設定せってい作品さくひんもある)日光にっこうびるとはいになるというのは近年きんねん映画えいが作品さくひんにおいてつくられた設定せっていである[54]
  • ゆる水流すいりゅうおだやかな海面かいめんあるいてわた
  • ニンニクにおいのつよこうそうひとし苦手にがてとする
  • ひとみあか
  • うつくしい女性じょせいばかりをこのんで
  • あかワインや生肉せいにくなどをだい用品ようひんとしている

これらは吸血鬼きゅうけつき特徴とくちょうがれ、ドラキュラ伯爵はくしゃく逸話いつわむすけられてヴァンパイアぞう源泉げんせんになった[5]

吸血鬼きゅうけつきとコウモリの関連かんれんは、だい航海こうかい時代じだい以降いこうアメリカ大陸あめりかたいりく熱帯ねったい雨林うりん地域ちいき踏破とうは太平洋たいへいよう目指めざしたスペインじん発見はっけんした動物どうぶつうコウモリの種類しゅるい吸血きゅうけつコウモリ(ヴァンパイア)と名付なづけたことに由来ゆらいする[5]

19世紀せいきロマン主義しゅぎ文学ぶんがくは、吸血鬼きゅうけつき異端いたんとしてえがき、その印象いんしょう確立かくりつするおおきな役割やくわりになった。そのなかでもシェリダン・レ・ファニュ小説しょうせつカーミラ』は女性じょせい吸血鬼きゅうけつきえがき「(おんな吸血鬼きゅうけつきは)魅惑みわくてきでしたたか」という特徴とくちょうあたえた。この影響えいきょうからそのような性質せいしつ女性じょせいにヴァンプという俗称ぞくしょうをつけるようになった[5]

ブラム・ストーカー小説しょうせつ吸血鬼きゅうけつきドラキュラ』は、ドイツなどヨーロッパにあった怪奇かいき小説しょうせつ(ゴシック・ノヴェル)でえがかれた魔物まもの特徴とくちょうみつつ、キリストきょうてき要素ようそくわえてたくみに吸血鬼きゅうけつきぞうつくした。前者ぜんしゃからは「はじめて訪問ほうもんしたいえでは、その家人かじんまねかれなければ侵入しんにゅうできない」とし、後者こうしゃれいである「十字架じゅうじか非常ひじょうきらう。護符ごふせいもち同様どうように、はら効果こうかつ」「十字架じゅうじか聖水せいすいイコンのような宗教しゅうきょうてき象徴しょうちょうは、それ自体じたいには効能こうのうくそれをもの信仰しんこう重要じゅうようであり、またちからのある吸血鬼きゅうけつきには通用つうようしないことがある[1]」という部分ぶぶん当時とうじのヨーロッパでは常識じょうしきともめられていたかんがえである[5]

その以下いかのような特徴とくちょうげられる。

  • 吸血鬼きゅうけつきについての報告ほうこく複数ふくすう被害ひがいしゃ主観しゅかんからかたられるのみで、一向いっこう詳細しょうさいえてこない。吸血鬼きゅうけつきとは実態じったい存在そんざいであり、それは吸血鬼きゅうけつきちから符合ふごうしている[2]
  • たねなどをるとそのつぶあつめなければまない、なわむすこうと躍起やっきになるという習性しゅうせい利用りようしたものとされる[1]
  • 映画えいが漫画まんが小説しょうせつなどで吸血鬼きゅうけつき棺桶かんおけ寝起ねおきするというのが定番ていばんのようになっている。

創作そうさくぶつ題材だいざいとしての吸血鬼きゅうけつき

[編集へんしゅう]
現代げんだい吸血鬼きゅうけつきぞう多大ただい影響えいきょうあたえた『吸血鬼きゅうけつきドラキュラ』の作者さくしゃブラム・ストーカー写真しゃしん

現代げんだいにおいて、吸血鬼きゅうけつきはフィクションにおける定番ていばん存在そんざいとなっている。このようなフィクションでの登場とうじょうは、18世紀せいきからはじまり、19世紀せいき短編たんぺん小説しょうせつへと発展はってんしていったが、その最初さいしょもっと影響えいきょうりょくがあったものが、吸血鬼きゅうけつきルスヴンきょう英語えいごばん登場とうじょうするジョン・ポリドリの『吸血鬼きゅうけつき』(1819ねん)であった[55]。 ルスヴンきょうは、アンチヒーローとしての吸血鬼きゅうけつきぞうひろめた。その吸血鬼きゅうけつきというテーマは『吸血鬼きゅうけつきヴァーニー』(1847ねん)に代表だいひょうされるペニー・ドレッドフルのような連続れんぞく掲載けいさい作品さくひん経由けいゆし、最終さいしゅうてきに1897ねんブラム・ストーカーによる『吸血鬼きゅうけつきドラキュラ』によって頂点ちょうてんたっした[56]

現在げんざいではたりまえとなっている吸血鬼きゅうけつき設定せっていもまた徐々じょじょ確立かくりつされていったものである。ヴァーニーとドラキュラ伯爵はくしゃくられるように、た2ほんち、致命ちめいてきではないが日光にっこう苦手にがてとする設定せっていは19世紀せいき登場とうじょうした。20世紀せいきはいるとムルナウ映画えいが吸血鬼きゅうけつきノスフェラトゥ』(1922ねん)にて、吸血鬼きゅうけつきにとって日光にっこう致命ちめいてき弱点じゃくてんとしてくわわった[57][58]。 マントは、たかえりともに1920年代ねんだい舞台ぶたい作品さくひん登場とうじょうし、これは舞台ぶたいじょうでドラキュラがえる演出えんしゅつのために、げき作家さっかハミルトン・ディーン英語えいごばんによって導入どうにゅうされたものであった[59]。 ルスヴンきょうとヴァーニーは月光げっこうによってみずからの肉体にくたい治癒ちゆしたが、これも伝統でんとうてき民間みんかん伝承でんしょうには存在そんざいしない設定せっていである[60]かならずしも明示めいじてきではないが、民間みんかん伝承でんしょうでよくられたのは「不死ふしせい」であり、これは吸血鬼きゅうけつき映画えいが文学ぶんがくでもおおきくげられている特徴とくちょうひとつである。永遠えいえんいのち代償だいしょうとして、血液けつえきなく必要ひつようとしていることが一般いっぱんあつかわれる[61]

文学ぶんがく

[編集へんしゅう]
吸血鬼きゅうけつきヴァーニー』の表紙ひょうし

吸血鬼きゅうけつき ――ヴァンパイア(Vampire)やレヴィナント(Revenant)―― の最初さいしょれいは、ハインリヒ・アウグスト・オッセンフェルターの『吸血鬼きゅうけつき』(1748ねん)、ゴットフリート・アウグスト・ビュルガーの『レノーア』(1773ねん)、ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテの『コリントの花嫁はなよめ』(1797ねん)、バイロンの『The Giaour』(1813ねん)などのであった[62]

バイロンはまた、吸血鬼きゅうけつきをテーマとした最初さいしょ散文さんぶん小説しょうせつ吸血鬼きゅうけつき』(1819ねん)の作者さくしゃともされていた。実際じっさいにはかれ主治医しゅじいであったジョン・ポリドリ作品さくひんであったが、その着想ちゃくそうもとになったのはバイロンの断片だんぺんてき小説しょうせつ『Fragment of a Novel』(別名べつめい:『The Burial: A Fragment』、1819ねん)であった[11][56]。 また、この作品さくひん登場とうじょうする吸血鬼きゅうけつきルスヴンきょうはバイロンがモデルとされている。そもそもルスヴンという名前なまえが、1816ねんにバイロンの恋人こいびとであったキャロライン・ラムが出版しゅっぱんしたゴシック小説しょうせつ『グレナヴォン』の主人公しゅじんこうグレナヴォン伯爵はくしゃくクラレンス・ド・ルスヴンに由来ゆらいしたものとかんがえられている。『グレナヴォン』はバイロンの放縦ほうしょう生活せいかつもとかれたものであり、主人公しゅじんこうグレナヴォンはくは、バイロンの支配しはいてき性格せいかくあらわした人物じんぶつであった[63]

ヴィクトリアあさ中期ちゅうき吸血鬼きゅうけつき小説しょうせつとして人気にんきはくしたのが、一般いっぱんペニー・ドレッドフルばれる形態けいたいで1845ねんから1847ねんにかけて連載れんさいされた、ジェームズ・マルコム・ライマーとトーマス・ペケット・プレストによるゴシックホラー小説しょうせつ吸血鬼きゅうけつきヴァーニー』であった。1847ねん単行本たんこうぼんとして出版しゅっぱんされたこの作品さくひんは2だんぐみ868ページにおよび、ヴァーニーのおそろしい活躍かつやく描写びょうしゃするために生々なまなましく、はっきりとサスペンスにちた作風さくふうであった[55][60]。 このジャンルのもう1つ重要じゅうよう作品さくひんは、シェリダン・レ・ファニュによる、同性愛どうせいあいしゃ女性じょせい吸血鬼きゅうけつき登場とうじょうする『カーミラ』(1871ねん)である。ヴァーニーと同様どうように、吸血鬼きゅうけつきカーミラは、吸血鬼きゅうけつきゆえの制約せいやくごとが強調きょうちょうされており、やや同情どうじょうてきえがかれかたをしている[64]

カーミラ』の挿絵さしえ

大衆たいしゅう小説しょうせつにおける吸血鬼きゅうけつき描写びょうしゃこころみにおいて、作品さくひん比肩ひけんできないほどの影響えいきょうりょく決定けっていりょくったのが1897ねん発表はっぴょうされたブラム・ストーカーの『吸血鬼きゅうけつきドラキュラ』であった[65]吸血鬼きゅうけつきを、伝染でんせんせいった悪魔あくま憑きの病気びょうきとし、せい下敷したじきとした描写びょうしゃは、結核けっかく梅毒ばいどく一般いっぱんてきであったヴィクトリアあさ時代じだいのヨーロッパにおいて琴線きんせんれるものであった。ストーカーの作品さくひんえがかれた吸血鬼きゅうけつき特徴とくちょうは、民間みんかん伝承でんしょう融合ゆうごうして決定的けっていてきなものとなり、最終さいしゅうてき現代げんだいにおけるフィクションの吸血鬼きゅうけつきぞう形作かたちづくった[55]

吸血鬼きゅうけつきドラキュラ』の創作そうさくにあたってストーカーは、ポリドリの『吸血鬼きゅうけつき』や、『カーミラ』といった先行せんこう作品さくひんはじめ、エミリー・ジェラード英語えいごばんの『もり彼方かなたくに』(1888ねん)などの作品さくひんトランシルヴァニア吸血鬼きゅうけつきについての書籍しょせき参考さんこうにしていた。ロンドンで同僚どうりょう言及げんきゅうした「史実しじつのドラキュラ」であるヴラド・ツェペシュ物語ものがたり興味きょうみつと、すぐに作品さくひんれた。1897ねん出版しゅっぱんにはだい1しょう省略しょうりゃくされたが、これは1914ねんに『ドラキュラのきゃく』というタイトルの短編たんぺん小説しょうせつとして発表はっぴょうされた[66]

20世紀せいき後半こうはんにはなんかんからもなる吸血鬼きゅうけつき大作たいさく作品さくひん台頭たいとうし、書籍しょせき題材だいざいとしての関心かんしんふたたたかまった。この嚆矢こうしとなったのはゴシックロマンス作家さっかマリリン・ロス(W.E.D.ロス英語えいごばん)の『バーナバス・コリンズ英語えいごばん』シリーズ(1966ねん-1971ねん)であり、この作品さくひんはアメリカの人気にんきテレビドラマシリーズ『ダーク・シャドウ』のノベライズばんであった。この作品さくひんでは吸血鬼きゅうけつき伝統でんとうてきあく化身けしんとしてではなく、詩的してき悲劇ひげき主人公しゅじんこうとしてえが方向ほうこうつくした。この形式けいしきは、小説しょうせつアン・ライス大人気おとなげ小説しょうせつヴァンパイア・クロニクルズ』シリーズ(1976ねん-2003ねん[67]や、ステファニー・メイヤーの『トワイライト』シリーズ(2005ねん-2008ねん[68]でも踏襲とうしゅうされた。

映画えいが

[編集へんしゅう]
ベラ・ルゴシえんじるドラキュラ伯爵はくしゃく(『じんドラキュラ』、1931ねん

古典こてんホラー映画えいがにおいて傑出けっしゅつしたキャラクターの1つとかんがえられている吸血鬼きゅうけつきは、映画えいが・テレビといった映像えいぞう作品さくひんにおいてよくもちいられている題材だいざいである。とくにドラキュラ伯爵はくしゃくは、シャーロック・ホームズいでおおくの映画えいが登場とうじょうし、初期しょき吸血鬼きゅうけつき映画えいがおおくはストーカーの『吸血鬼きゅうけつきドラキュラ』を原作げんさくとするか、もしくはそこから密接みっせつして派生はせいしたものであった。このなかにははじめてドラキュラをえがいたとされる、F・W・ムルナウ監督かんとくによる1922ねんのドイツ表現ひょうげん主義しゅぎのサイレント映画えいが吸血鬼きゅうけつきノスフェラトゥ』がふくまれる。この作品さくひんは『吸血鬼きゅうけつきドラキュラ』を無断むだん翻案ほんあんしたものであり、舞台ぶたいをドイツ、吸血鬼きゅうけつきはオルロック伯爵はくしゃくといった改変かいへんてん多々たたあった。とく伯爵はくしゃく最期さいごについて朝日あさひびて消滅しょうめつするというラストにえられたが、これは吸血鬼きゅうけつき日光にっこう致命ちめいてき弱点じゃくてんとする、という現代げんだいではオーソドックスな吸血鬼きゅうけつき設定せっていもととなった[69]

その、トーキーの時代じだいはいって最初さいしょえがかれたドラキュラ作品さくひんが、トッド・ブラウニング監督かんとくし、ベラ・ルゴシがドラキュラ伯爵はくしゃくえんじたユニバーサルの『じんドラキュラ』(1931ねん)である。ルゴシの演技えんぎ映画えいが総合そうごうてき出来できはホラーというジャンルの黎明れいめいおおきな影響えいきょうあたえた。これは、サイレント時代じだいよりも、はるかに効率こうりつてき音響おんきょう特殊とくしゅ効果こうかもちいることを意味いみしていた。 この1931ねん映画えいが影響えいきょうは、20世紀せいき後半こうはんから現代げんだいいたるまでつづいている。スティーヴン・キングフランシス・フォード・コッポラハマー・フィルムフィリップ・サヴィル英語えいごばんなどは、直接ちょくせつにインスピレーションをけ、演出えんしゅつ引用いんようおこなっている。

ロールプレイングゲーム『ヴァンパイア:ザ・マスカレード』は、現代げんだい吸血鬼きゅうけつき作品さくひん影響えいきょうあたえ、とくに「抱擁ほうよう(エンブレイス、embrace)」や「サイヤ(sire)」といった用語ようご吸血鬼きゅうけつき小説しょうせつ影響えいきょうあたえた[55]抱擁ほうよう(embrace)は吸血鬼きゅうけつき人間にんげん吸血鬼きゅうけつきえる行為こういす。サイヤ(sire)は「主君しゅくん」の意味いみで、吸血鬼きゅうけつきと、その吸血鬼きゅうけつきによって吸血鬼きゅうけつきされた人間にんげんとの主従しゅうじゅう関係かんけい意味いみし、主人しゅじん下僕げぼくという絶対ぜったいてき関係かんけいす)。 吸血鬼きゅうけつきをテーマとして人気にんきはくしたテレビゲームには『悪魔あくまじょうドラキュラ』や『レガシー・オブ・ケイン英語えいごばん』などがあり、ストーカーの『吸血鬼きゅうけつきドラキュラ』を下敷したじきにしている[70]。 ロールプレイングゲーム『ダンジョンズ&ドラゴンズ』には吸血鬼きゅうけつき登場とうじょうする[71]

現代げんだい吸血鬼きゅうけつきサブカルチャー

[編集へんしゅう]

ゴスけいサブカルチャーにおいては、他人たにんうことを娯楽ごらくとする「ヴァンパイア・ライフスタイル英語えいごばん」とばれる現代げんだいサブカルチャーの用語ようごがある。これは、カルトの象徴しょうちょうてき行為こういやホラー映画えいが、アン・ライスの小説しょうせつ、ヴィクトリアあさイングランドの風俗ふうぞくといった大衆たいしゅう文化ぶんか由来ゆらいする[72]吸血鬼きゅうけつきサブカルチャーのなかでもよくられる吸血きゅうけつ行為こういは、一般いっぱんてきに「サングワン・ヴァンパイアリズム」(sanguine vampirism、直訳ちょくやく享楽きょうらくてき吸血鬼きゅうけつき主義しゅぎ)とばれる血液けつえき関連かんれんしたものと、「サイキック・ヴァンパイアリズム」(psychic vampirism、直訳ちょくやく精神せいしんてき吸血鬼きゅうけつき主義しゅぎ)とばれる霊的れいてきなエネルギーを摂食せっしょくするものの両方りょうほうふく[73][74]

脚注きゃくちゅう

[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく

[編集へんしゅう]
  1. ^ 実際じっさいギリシアのヴリコラカスはかがみうつり、かげとす。

出典しゅってん

[編集へんしゅう]
  1. ^ a b c d e f g h i 久保田くぼたゆう・F.E.A.R『アンデッド-Truth In Fantasy 75』しん紀元きげんしゃ、2007ねん、10-20ぺーじぺーじISBN 978-4-7753-0528-7 
  2. ^ a b 加藤かとう光也みつや解説かいせつ立野たての正裕まさひろへん 『イギリス文学ぶんがく-名作めいさく主人公しゅじんこう自由じゆう国民こくみんしゃ、2009ねん
  3. ^ 大辞泉だいじせん(Yahoo!辞書じしょ)「吸血鬼きゅうけつき Archived 2009ねん8がつ4にち, at the Wayback Machine.
  4. ^ 吸血鬼きゅうけつき(きゅうけつき)とは”. コトバンク. 2018ねん10がつ31にち閲覧えつらん
  5. ^ a b c d e f g たに敏郎としお『「」の世界せかい講談社こうだんしゃ学術がくじゅつ文庫ぶんこ、2003ねん、54-61ぺーじぺーじISBN 4-06-159624-1 
  6. ^ 吸血鬼きゅうけつき(きゅうけつき)とは”. 日本にっぽんだい百科全書ひゃっかぜんしょ(ニッポニカ)の解説かいせつ. コトバンク. 2018ねん10がつ31にち閲覧えつらん
  7. ^ 吸血鬼きゅうけつき事典じてん』(青土おうづちしゃマシュー・バンソン英語えいごばんしる 松田まつだ和也かずややく
  8. ^ あずま雅夫まさお薔薇ばらさそよるに―吸血鬼きゅうけつきホラー傑作けっさくせん角川かどかわホラー文庫ぶんこ、1999ねん、333-336ぺーじISBN 978-4043804016 
  9. ^ あずま雅夫まさお吸血鬼きゅうけつき文学ぶんがく名作めいさくせんそうもと推理すいり文庫ぶんこ、2022ねん、400-403ぺーじISBN 978-4488564117 
  10. ^ Silver, Alain; Ursini, James (1997). The Vampire Film: From Nosferatu to Interview with the Vampire. New York City: Limelight Editions. pp. 22–23. ISBN 978-0-87910-395-8 
  11. ^ a b Cohen 1989, pp. 271–274.
  12. ^ Barber 1988, pp. 41–42.
  13. ^ Barber 1988, p. 2.
  14. ^ Calmet, Augustin (2018) [1751] (英語えいご). The Phantom World. BoD – Books on Demand. ISBN 978-3-7340-3275-2. https://books.google.com/books?id=Wh9wDwAAQBAJ&dq=It+is+an+opinion+widely+spread+in+Germany%2C+that+certain+dead+persons+chew+in+their+graves%2C+and+devour+whatever+may+be+close+to+them%3B+that+they+are+even+heard+to+eat+like+pigs%2C+with+a+certain+low+cry%2C+and+as+if+growling+and+grunting.&pg=PA460 
  15. ^ Barber 1988, p. 33.
  16. ^ a b Reader's Digest Association (1988). “Vampires Galore!”. The Reader's Digest Book of strange stories, amazing facts: stories that are bizarre, unusual, odd, astonishing, incredible ... but true. New York City: Reader's Digest. pp. 432–433. ISBN 978-0-949819-89-5 
  17. ^ Rhigi, Brian. Vampires Through the Ages: Lore & Legends of the World's Most Notorious Blood Drinkers (Llewellyn Worldwide Ltd, 2011)
  18. ^ Albanologjike, Gjurmime (1985) (アルバニア). Folklor dhe etnologji. 15. pp. 58–148. オリジナルの19 May 2016時点じてんにおけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20160519060955/https://books.google.com/books?id=O5biAAAAMAAJ&q=dhampiri 12 January 2016閲覧えつらん 
  19. ^ Barber 1988, pp. 50–51.
  20. ^ Lawson, John Cuthbert (1910). Modern Greek Folklore and Ancient Greek Religion. Cambridge, England: Cambridge University Press. pp. 405–06. ISBN 978-0-524-02024-1. OCLC 1465746. https://archive.org/details/moderngreekfolkl00laws 
  21. ^ Barber 1988, p. 49.
  22. ^ Abbott, George (1903). Macedonian Folklore. Cambridge, University press. p. 219. https://archive.org/details/macedonianfolkl01abbogoog/page/n226/mode/2up 
  23. ^ Jaramillo Londoño, Agustín (1986) (スペイン). Testamento del paisa (7th ed.). Medellín: Susaeta Ediciones. ISBN 978-958-95125-0-0 
  24. ^ Barber 1988, pp. 68–69.
  25. ^ Barber 1988, p. 125.
  26. ^ Barber 1988, p. 109.
  27. ^ Barber 1988, pp. 114–115.
  28. ^ Barber 1988, p. 96.
  29. ^ Bunson 1993, pp. 168–169.
  30. ^ Barber 1988, p. 6.
  31. ^ a b Burkhardt, Dagmar (1966). “Vampirglaube und Vampirsage auf dem Balkan” (ドイツ). Beiträge zur Südosteuropa-Forschung: Anlässlich des I. Internationalen Balkanologenkongresses in Sofia 26. VIII.-1. IX. 1966. Munich: Rudolf Trofenik. p. 221. OCLC 1475919 
  32. ^ Barber 1988, p. 63.
  33. ^ Mappin, Jenni (2003). Didjaknow: Truly Amazing & Crazy Facts About ... Everything. Australia: Pancake. p. 50. ISBN 978-0-330-40171-5 
  34. ^ a b Spence, Lewis (1960). An Encyclopaedia of Occultism. New Hyde Parks: University Books. ISBN 978-0-486-42613-6. OCLC 3417655 
  35. ^ a b Silver & Ursini 1997, p. 25.
  36. ^ Calmet, Augustin (1850). The Phantom World: The History and Philosophy of Spirits, Apparitions, &c., &c. A. Hart. p. 273. https://books.google.com/books?id=Z1GqcY9ow3QC&dq=There+proceeds+from+his+body+a+great+quantity+of+blood%2C+which+some+mix+up+with+flour+to+make+bread+of%3B+and+that+bread+eaten+in+ordinary+protects+them+from+being+tormented+by+the+spirit%2C+which+returns+no+more.&pg=PA273 
  37. ^ Calmet, Augustin (1850). The Phantom World: The History and Philosophy of Spirits, Apparitions, &c., &c. A. Hart. p. 265. https://books.google.com/books?id=Z1GqcY9ow3QC&dq=but+that+he+had+found+means+to+cure+himself+by+eating+earth+from+the+grave+of+the+vampire%2C&pg=PA265 
  38. ^ Mitchell, Stephen A. (2011). Witchcraft and Magic in the Nordic Middle Ages. University of Pennsylvania Press. pp. 22–23. ISBN 978-0-8122-4290-4. オリジナルの7 March 2022時点じてんにおけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20220307213753/https://books.google.com/books?id=shCXJLB6mDAC 5 February 2018閲覧えつらん 
  39. ^ a b Barber 1988, p. 73.
  40. ^ Alseikaite-Gimbutiene, Marija (1946) (ドイツ). Die Bestattung in Litauen in der vorgeschichtlichen Zeit. Tübingen. OCLC 1059867 
  41. ^ Vukanović, T.P. (1959). “The Vampire”. Journal of the Gypsy Lore Society 38: 111–18. 
  42. ^ Klapper, Joseph (1909). “Die schlesischen Geschichten von den schädingenden Toten” (ドイツ). Mitteilungen der Schlesischen Gesellschaft für Volkskunde 11: 58–93. 
  43. ^ Calmet, Augustin (30 December 2015). Treatise on the Apparitions of Spirits and on Vampires or Revenants: of Hungary, Moravia, et al. The Complete Volumes I & II. 2016. CreateSpace Independent Publishing Platform. p. 7. ISBN 978-1-5331-4568-0 
  44. ^ Theresa Cheung (2013). The Element Encyclopedia of Vampires. HarperCollins UK. p. 35. ISBN 978-0-00-752473-0 
  45. ^ Löwenstimm, A. (1897) (ドイツ). Aberglaube und Stafrecht. Berlin. p. 99 
  46. ^ Bachtold-Staubli, H. (1934–1935) (ドイツ). Handwörterbuch des deutschen Aberglaubens. Berlin 
  47. ^ Filipovic, Milenko (1962). “Die Leichenverbrennung bei den Südslaven” (ドイツ). Wiener Völkerkundliche Mitteilungen 10: 61–71. 
  48. ^ Barber 1988, p. 158.
  49. ^ Barber 1988, p. 157.
  50. ^ a b 'Vampire' skeletons found in Bulgaria near Black Sea”. BBC News (6 June 2012). 24 April 2018てんのオリジナルよりアーカイブ22 October 2019閲覧えつらん
  51. ^ Reported by Ariel David, "Italy dig unearths female 'vampire' in Venice", 13 March 2009, Associated Press via Yahoo! News, archived; also by Reuters, published under the headline "Researchers find remains that support medieval 'vampire'" in The Australian, 13 March 2009, archived with photo (scroll down).
  52. ^ Bunson 1993, p. 154.
  53. ^ マラウイ吸血鬼きゅうけつき騒動そうどう 自警じけいだんのリンチで2人ふたり死亡しぼう、124にん逮捕たいほAFP
  54. ^ 『ヴァンパイア―吸血鬼きゅうけつき伝説でんせつ系譜けいふ』19ぺーじ
  55. ^ a b c d Jøn, A. Asbjørn (2001). “From Nosteratu to Von Carstein: shifts in the portrayal of vampires”. Australian Folklore: A Yearly Journal of Folklore Studies (16): 97–106. オリジナルの25 November 2015時点じてんにおけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20151125163106/http://www.researchgate.net/publication/280805194_From_Nosteratu_to_Von_Carstein_shifts_in_the_portrayal_of_vampires 1 November 2015閲覧えつらん. 
  56. ^ a b Frayling, Christopher (1991). Vampyres, Lord Byron to Count Dracula. London: Faber. ISBN 978-0-571-16792-0. https://archive.org/details/isbn_9780571167920 
  57. ^ Skal 1996, p. 99.
  58. ^ Skal 1996, p. 104.
  59. ^ Skal 1996, p. 62.
  60. ^ a b Silver & Ursini 1997, pp. 38–39.
  61. ^ Bunson 1993, p. 131.
  62. ^ Marigny 1994, pp. 114–115.
  63. ^ Silver & Ursini 1997, pp. 37–38.
  64. ^ Silver & Ursini 1997, pp. 40–41.
  65. ^ Silver & Ursini 1997, p. 43.
  66. ^ Marigny 1994, pp. 82–85.
  67. ^ Silver & Ursini 1997, p. 205.
  68. ^ Beam, Christopher (20 November 2008). “I Vant To Upend Your Expectations: Why film vampires always break all the vampire rules”. Slate Magazine. 16 September 2011てんのオリジナルよりアーカイブ17 July 2009閲覧えつらん
  69. ^ Keatley, Avery. “Try as she might, Bram Stoker's widow couldn't kill 'Nosferatu'” (英語えいご). NPR.org. https://www.npr.org/2022/03/15/1086605684/try-as-she-might-bram-stokers-widow-couldnt-kill-nosferatu 20 April 2022閲覧えつらん 
  70. ^ Joshi, S. T. (2007). Icons of horror and the supernatural. 2. Westport, Connecticut: Greenwood Publishing Group. pp. 645–646. ISBN 978-0-313-33782-6. オリジナルの25 February 2021時点じてんにおけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20210225150423/https://books.google.com/books?id=stJxdpZVl_wC&pg=PA646 30 October 2020閲覧えつらん 
  71. ^ Grebey, James (3 June 2019). “How Dungeons and Dragons reimagines and customizes iconic folklore monsters”. SyfyWire. 22 March 2020てんのオリジナルよりアーカイブ22 March 2020閲覧えつらん
  72. ^ Skal, David J. (1993). The Monster Show: A Cultural History of Horror. New York: Penguin. pp. 342–343. ISBN 978-0-14-024002-3 
  73. ^ Jøn, A. Asbjørn (2002). “The Psychic Vampire and Vampyre Subculture”. Australian Folklore: A Yearly Journal of Folklore Studies (12): 143–148. ISSN 0819-0852. オリジナルの15 July 2021時点じてんにおけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20210715154950/https://www.researchgate.net/publication/283273380_The_Psychic_Vampire_and_Vampyre_Subculture 9 November 2015閲覧えつらん. 
  74. ^ Benecke, Mark; Fischer, Ines (2015). Vampyres among us! – Volume III: Quantitative Study of Central European 'Vampyre' Subculture Members. Roter Drache. ISBN 978-3-939459-95-8. オリジナルの10 July 2017時点じてんにおけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20170710053810/http://www.roterdrache.org/catalog/product_info.php?products_id=138 2 February 2016閲覧えつらん 

参考さんこう文献ぶんけん

[編集へんしゅう]

関連かんれん文献ぶんけん

[編集へんしゅう]
  • 吸血鬼きゅうけつき幻想げんそう種村たねむらひろし 河出かわで文庫ぶんこ 126A 河出書房新社かわでしょぼうしんしゃ ISBN 4-309-40046-9
  • 『ゴシック名訳めいやく集成しゅうせい吸血きゅうけつ妖鬼たん日夏ひなつ耿之介こうのすけほかちょやくあずま雅夫まさおへん伝奇でんきくしげ9 学研がっけんM文庫ぶんこ ISBN 978-4-05-900531-5
  • 『スラヴ吸血鬼きゅうけつき伝説でんせつこう栗原くりはら成郎しげお 河出書房新社かわでしょぼうしんしゃ ISBN 4-309-00696-5
  • 吸血鬼きゅうけつき伝承でんしょう―「ける死体したい」の民俗みんぞくがく平賀ひらが英一郎えいいちろう 中公新書ちゅうこうしんしょ 中央公論ちゅうおうこうろんしんしゃ ISBN 4-12-101561-4
  • 『ヴァンパイア―吸血鬼きゅうけつき伝説でんせつ系譜けいふ』Truth In Fantasy 森野もりのたくみ しん紀元きげんしゃ ISBN 4-88317-296-1
  • 吸血鬼きゅうけつき伝説でんせつ』「さい発見はっけん双書そうしょ ジャン マリニー(Jean Marigny) 中村なかむら健一けんいちやく はじめもとしゃ ISBN 4-422-21088-2
  • 『ヴァンパイアと屍体したい 埋葬まいそうのフォークロア』ポール・バーバー 野村のむら美紀子みきこやく 工作こうさくしゃ ISBN 4-87502-184-4
  • 図解ずかい吸血鬼きゅうけつき森瀬もりせしん紀元きげんしゃ ISBN 4-7753-0480-1
  • 真実しんじつのバンパイア』スティーブン・カプラン(Stephen Kaplan) 宇佐うさ通訳つうやく 廣済堂こうさいどう出版しゅっぱん ISBN 4-331-00721-9
  • える!ヴァンパイア事典じてん』TEAS事務所じむしょ / しまふう ホビージャパン ISBN 978-4-7986-1008-5

関連かんれん項目こうもく

[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク

[編集へんしゅう]