品質ひんしつ

品質ひんしつ（ひんしつ、クオリティ = quality）は、工場こうじょうで生産せいさんされた製品せいひんや、サービス業ぎょうが提供ていきょうするサービスの有ゆうする特性とくせい、もしくは属性ぞくせいをいう。

品質ひんしつの定義ていぎ

JIS Z 8101では、1999年ねんまで、品質ひんしつを「品物しなもの又またはサービスが、使用しよう目的もくてきを満みたしているかどうかを決定けっていするための評価ひょうかの対象たいしょうとなる固有こゆうの性質せいしつ・性能せいのうの全体ぜんたい」と定義ていぎしていた。1999年ねんの改訂かいていの際さい、この定義ていぎは削除さくじょされた。

ISO 9000では、「本来ほんらい備そなわっている特性とくせいの集あつまりが、要求ようきゅう事項じこうを満みたす程度ていど」と定義ていぎされている。

品質ひんしつ工学こうがくでは、「品質ひんしつとは、品物しなものが出荷しゅっか後ご、社会しゃかいに与あたえる損失そんしつである。ただし、機能きのうそのものによる損失そんしつは除のぞく」と定義ていぎされている。

一般いっぱん的てきな英語えいごでqualityという意味いみは日本語にほんごの品質ひんしつより幅広はばひろく、高級こうきゅうや上質じょうしつ、すばらしいという意味いみがある^[1]。カタカナ英語えいごとしてのクオリティはその意味いみで使つかわれる場合ばあいが多おおい（例れいとして、製造せいぞう上じょうの要求ようきゅう事項じこうを満みたしており品質ひんしつは満みたしている低質ていしつな紙かみでも、クオリティーの低ひくい紙かみと表現ひょうげんされるなど）。

概要がいよう

ISOやJISの定義ていぎする狭義きょうぎの品質ひんしつという意味いみであれば、提供ていきょう者しゃ又または需要じゅよう者しゃが定さだめた仕様しようから逸脱いつだつしていないという事ことである。広義こうぎの品質ひんしつ(quality)は非常ひじょうに広範こうはんな概念がいねんを含ふくむ語かたりであり、一概いちがいに定義ていぎづけることは難むずかしいが、おおよそ、提供ていきょうされる製品せいひんやサービスについて、買かい手て側がわである顧客こきゃく（消費しょうひ者しゃ）が求もとめる特性とくせいとの合致がっち度どと考かんがえられる（合致がっち度どが高たかければ品質ひんしつが高たかいといわれる）。また、上質じょうしつ、すばらしい、高級こうきゅうと消費しょうひ者しゃが感かんじれば品質ひんしつが高たかいと考かんがえられる。クオリティという言葉ことばには上質じょうしつや素晴すばらしいという意味いみだけであり、狭義きょうぎの品質ひんしつは含ふくまれない場合ばあいもある。例たとえば、「壊こわれやすいが、素晴すばらしい仕上しあげで珍めずらしい皮革ひかくを使つかったカバン」、「非常ひじょうに動作どうさが不安定ふあんていだが、プレイヤーを感動かんどうさせるゲームソフト」などはクオリティが高たかいが、品質ひんしつは悪わるいという表現ひょうげんがされる。画像がぞうフォーマットのJPEGではクオリティというパラメータがあるが、それは画像がぞうの圧縮あっしゅく率りつを示しめすものであり、そのクオリティが低ひくくてもJPEGの仕様しようを満みたす品質ひんしつである。また、それに収録しゅうろくされる絵えや写真しゃしん、文章ぶんしょう字体じたいのクオリティも問とわれない。

機械きかい類るいなどの工業こうぎょう製品せいひんであれば、次つぎのような項目こうもくが含ふくまれると考かんがえられる。

寸法すんぽうのばらつき
信頼しんらい性せい（故障こしょうのしにくさ、動作どうさ不良ふりょう）
安全あんぜん性せい（使用しよう時じのほか、故障こしょう時じのフェイルセーフ設計せっけいも含ふくむ）
デザイン、仕上しあがり
保守ほしゅ性せい

食品しょくひん類るいなら

味あじ、風味ふうみ、香かおり
安全あんぜん性せい
色合いろあい

サービス業ぎょうにおいては

設備せつびの清潔せいけつさ
接客せっきゃく態度たいどの良よし悪あし
仕上しあがりの良よし悪あし

などが考かんがえられる。

脚注きゃくちゅう

[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]

^ New College English-Japanese Dictionary, 6th edition (C) Kenkyusha Ltd. 1967,1994,1998