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しおきょうダム

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しおきょうダム
塩郷ダム
左岸さがん所在地しょざいち 静岡しずおかけん榛原はいばらぐん川根かわね本町ほんまち大字だいじしおきょう
右岸うがん所在地しょざいち 静岡しずおかけん榛原はいばらぐん川根かわね本町ほんちょう大字だいじ久野脇くのわき
位置いち
塩郷ダムの位置(日本内)
塩郷ダム
北緯ほくい3500ふん05.00びょう 東経とうけい13805ふん15.00びょう / 北緯ほくい35.0013889 東経とうけい138.0875000 / 35.0013889; 138.0875000
河川かせん 大井川おおいがわ水系すいけい大井川おおいがわ
ダムみずうみ
ダムしょもと
ダム型式けいしき 重力じゅうりょくしきコンクリートダム
つつみだか 3.2 m
つつみいただきちょう 146.0 m
つつみ体積たいせきm3
流域りゅういき面積めんせき 957.8[1] km2
たたえ水面すいめんせきha
そう貯水ちょすい容量ようりょう - m3
有効ゆうこう貯水ちょすい容量ようりょう - m3
利用りよう目的もくてき 発電はつでん
事業じぎょう主体しゅたい 中部電力ちゅうぶでんりょく
電気でんき事業じぎょうしゃ 中部電力ちゅうぶでんりょく
発電はつでんしょめい
認可にんか出力しゅつりょく
川口かわぐち発電はつでんしょ (58,000 kW[2]
施工しこう業者ぎょうしゃ しょう
着手ちゃくしゅねん竣工しゅんこうねん 1958ねん1960ねん
備考びこう しょう堰堤えんてい
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しおきょうダム(しおごうダム)は、静岡しずおかけん榛原はいばらぐん川根かわね本町ほんまちきゅう中川根なかかわねまちしおきょう久野脇くのわきさき一級いっきゅう水系すいけい 大井川おおいがわ本川ほんがわ中流ちゅうりゅう建設けんせつされた河川かせん施設しせつである。正式せいしき名称めいしょうしおきょう堰堤えんてい(しおごうえんてい)。

概要がいよう

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しおきょうダムはつつみだか3.2 mの水力すいりょく発電はつでんよう取水しゅすいダムである[3]一般いっぱんてきには「しおきょうダム」とばれているが、河川かせんほううえにおけるダムの定義ていぎである15.0 mにたないため、せきとしてあつかわれる[3]

大井川おおいがわ水系すいけい水力すいりょく発電はつでん計画けいかくにおいて、最下さいかりゅう建設けんせつされた川口かわぐち発電はつでんしょ認可にんか出力しゅつりょく:58,000 kW)へ発電はつでん用水ようすい送水そうすいするために大井川おおいがわ本流ほんりゅうめて1958ねん昭和しょうわ33ねん)に着工ちゃっこうされ、1961ねん昭和しょうわ36ねん)に完成かんせいした。しおきょうダムで取水しゅすいされた用水ようすい下流かりゅう島田しまだ川根かわねまち大井おおいがわ合流ごうりゅうするささあいだかわ建設けんせつされたささあいだかわダムみずうみ送水そうすいされ、ダムみずうみ一旦いったん貯水ちょすいされたのち再度さいどトンネルで川口かわぐち発電はつでんしょ送水そうすいされ、発電はつでんされる。

下流かりゅうには東海とうかいパルプげん特種とくしゅ東海とうかい製紙せいし所有しょゆう地名ちめい発電はつでんしょおよび笹間渡ささまど発電はつでんしょがあったが、とうダム建設けんせつにより運転うんてん出来できなくなることから、代替だいたい施設しせつ赤松あかまつ発電はつでんしょ当初とうしょ最大さいだい出力しゅつりょく:6,000 kW、現在げんざい最大さいだい出力しゅつりょく:6,310 kW、島田しまだ相賀あいが)が中部電力ちゅうぶでんりょくによって建設けんせつされ、地名ちめい笹間渡ささまど交換こうかんというかたちがとられた[4][5][6]川口かわぐち発電はつでんしょよりも下流かりゅうにある赤松あかまつ発電はつでんしょ大井川おおいがわ用水ようすいもちいている。

発電はつでん用水ようすいなが

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大井川おおいがわ1928ねん昭和しょうわ3ねんさい上流じょうりゅう田代たしろダム建設けんせつされたのを皮切かわきりに、しおきょうダム完成かんせいまですうおおくのダムが建設けんせつされた[7][8]とく戦後せんご井川いかわダムなどのだい規模きぼ発電はつでん専用せんようダム建設けんせつされたが、大井おおいがわみずあますことなく有効ゆうこう利用りようするため、発電はつでんしょあいだトンネルむすんで合理ごうりてきみず利用りようおこなった。

井川いかわダムより放流ほうりゅうされたみず直下ちょっかりゅうにある奥泉おくいずみダム取水しゅすいされ、大井川おおいがわダム湖畔こはん奥泉おくいずみ発電はつでんしょ認可にんか出力しゅつりょく:92,000 kW[2])で発電はつでんされたのち放流ほうりゅうされるがただちに大井川おおいがわダムで取水しゅすいされ、寸又川すまたがわダム(寸又川すまたがわ)へ放流ほうりゅうされ大井川おおいがわ発電はつでんしょ認可にんか出力しゅつりょく:68,200 kW[2])で再度さいど発電はつでんされる。発電はつでんされたみずはトンネルより横沢よこさわがわだいダム(横沢よこさわがわ)を境川さかいがわダム(境川さかいがわ)へおくられ、久野脇くのわき発電はつでんしょ認可にんか出力しゅつりょく:32,000 kW[2])で発電はつでんされていまいち放流ほうりゅうされる。放流ほうりゅうされたみず今度こんどしおきょうダムで取水しゅすいされ、トンネルをつうじてささあいだかわダムへ送水そうすいされたのち再度さいどトンネルを川口かわぐち発電はつでんしょいたり、発電はつでんされたのち放流ほうりゅうされる。

こうして奥泉おくいずみダムより川口かわぐち発電はつでんしょいたるまでの区間くかん大井おおいがわみず毎秒まいびょう60 - 80トンが取水しゅすいされかく発電はつでんしょ発電はつでんされる。この発電はつでんしょぐんによる常時じょうじそう出力しゅつりょくは106,700 kWと大井川おおいがわ水系すいけいすべての常時じょうじ出力しゅつりょく(227,800 kW)の半分はんぶんめ、一大いちだい電源でんげん開発かいはつ地帯ちたいとなった。さらに川口かわぐち発電はつでんしょより放流ほうりゅうされたみず直下ちょっかにある川口かわぐち取水しゅすいこう再度さいど取水しゅすいされ、大井川おおいがわみずかんきょう経由けいゆして島田しまだ神座かんざ大井川おおいがわりょうきし農地のうち送水そうすいされる大井川おおいがわ用水ようすい水源すいげんにもなっており、毎秒まいびょうやく40トン[9][10]みず島田しまだ藤枝ふじえだ掛川かけがわ袋井ふくろいなどへ送水そうすいされる。

みずかえ運動うんどう

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大井川おおいがわ親水しんすい公園こうえんより撮影さつえいした大井川おおいがわ2006ねん10月撮影さつえい
河水こうすいより広大こうだい河原かわら注目ちゅうもく

しおきょうダムは1960ねん完成かんせいしたが、完成かんせい直後ちょくごから下流かりゅう大井おおいがわ完全かんぜん流水りゅうすい途絶とぜつした。この大井おおいがわの「瀬切せぎれ」にたいして、川根かわねまち本川根ほんかわねまち中川根なかかわねまち当時とうじ)の住民じゅうみん静岡しずおかけん事業じぎょうしゃである中部電力ちゅうぶでんりょくたいして、大井おおいがわ正常せいじょう流量りゅうりょう復活ふっかつもとめて住民じゅうみん運動うんどうこした。「大井川おおいがわみずかえ運動うんどう」である。[11][12]

アクセス

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しおきょうダムへは大井川鐵道おおいがわてつどう本線ほんせんしおごうえき下車げしゃすぐである。くるまではしん東名高速道路とうめいこうそくどうろ島田しまだ金谷かなやインターチェンジ下車げしゃ国道こくどう473ごう川根かわね方面ほうめん北上ほくじょうすると到着とうちゃくする。だが国道こくどう473ごう島田しまだ川根かわねまち抜里ぬくり以北いほく隘路あいろであるため川根かわね町家まちや山地さんちない交差こうさする県道けんどう63号線ごうせん合流ごうりゅうして駿しゅんとおきょうわた左岸さがんがわ北上ほくじょうしたほうが道路どうろ事情じじょうい。しおきょうダムじょうくるま通行つうこう可能かのうであるが、車両しゃりょうそう重量じゅうりょう2トン以下いか車両しゃりょう復員ふくいん2 m以下いか規制きせいされていて乗用車じょうようしゃいちだい通行つうこうがやっとであり注意ちゅうい必要ひつようである。

付近ふきんにはくのわき親水しんすい公園こうえんがある。またダム下流かりゅうには「しおきょう吊橋つりばし」がある[13]

関連かんれん項目こうもく

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脚注きゃくちゅう

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  1. ^ ぞう光一郎こういちろう & 溝口みぞぐちはやぶさひらめ 2007, p. 307.
  2. ^ a b c d 水力すいりょく発電はつでんしょ一覧いちらん”. 2020ねん3がつ14にち閲覧えつらん
  3. ^ a b ダム”. 川根かわね本町ほんちょう. 3030ねん3がつ14にち閲覧えつらん
  4. ^ 大井おおいがわ流域りゅういき開発かいはつ大倉おおくら喜八郎きはちろう” (PDF). (いちしゃ日本電気にほんでんき協会きょうかい 中部ちゅうぶ支部しぶ (2010ねん6がつ). 2015ねん12月7にち閲覧えつらん
  5. ^ 水力すいりょく発電はつでんしょデータベース 赤松あかまつ東海とうかいパルプ)”. 電力でんりょく土木どぼく技術ぎじゅつ協会きょうかい (2008ねん3がつ31にち). 2016ねん11月29にち閲覧えつらんデータはきゅう設備せつびのもの。
  6. ^ 環境かんきょう対策たいさく”. 特種とくしゅ東海とうかい製紙せいし. 2020ねん3がつ14にち閲覧えつらん
  7. ^ 大井川おおいがわ水系すいけい発電はつでん開発かいはつ”. ダムの書誌しょしあれこれ(15) ~大井川おおいがわ水系すいけいのダム(井川いかわはたけなぎ長島ながしま)~. 一般いっぱん社団しゃだん法人ほうじん日本にっぽんダム協会きょうかい. 2020ねん3がつ14にち閲覧えつらん
  8. ^ 大井川おおいがわ水系すいけい水力すいりょく発電はつでん現状げんじょう”. ダムの書誌しょしあれこれ(15) ~大井川おおいがわ水系すいけいのダム(井川いかわはたけなぎ長島ながしま)~. 一般いっぱん社団しゃだん法人ほうじん日本にっぽんダム協会きょうかい. 2020ねん3がつ14にち閲覧えつらん
  9. ^ 大井川おおいがわ用水ようすい土地とち改良かいりょう/川口かわぐち取水しゅすいこう”. 2020ねん3がつ15にち閲覧えつらん
  10. ^ おおいなるかわ、よみがえれ”. ダムの書誌しょしあれこれ(15) ~大井川おおいがわ水系すいけいのダム(井川いかわはたけなぎ長島ながしま)~. 一般いっぱん社団しゃだん法人ほうじん日本にっぽんダム協会きょうかい. 2020ねん3がつ14にち閲覧えつらん
  11. ^ ぞう光一郎こういちろう & 溝口みぞぐちはやぶさひらめ 2007.
  12. ^ 田淵たぶち直樹なおき 2002.
  13. ^ しおきょう吊橋つりばし”. 2020ねん3がつ14にち閲覧えつらん

参考さんこう文献ぶんけん

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  • 『よみがえれ 大井おおいがわ』:静岡しずおか地理ちり教育きょういく研究けんきゅうかいへん古今ここん書院しょいん 1989ねん
  • 『ダム便覧びんらん 2006』:日本にっぽんダム協会きょうかい。2006ねん
  • ぞう光一郎こういちろう溝口みぞぐちはやぶさひらめ発電はつでんダム建設けんせつともな大井おおいがわりゅうきょう変遷へんせん」『みずぶんみず資源しげん学会がっかいだい20かんだい4ごう、2007ねん、303-311ぺーじdoi:10.3178/jjshwr.20.303ISSN 1349-2853 
  • 田淵たぶち直樹なおき河川かせん環境かんきょう回復かいふくもとめた住民じゅうみん運動うんどう政治せいじ過程かてい:大井おおいがわの「みずかえせ」運動うんどう事例じれい」『現代げんだい社会しゃかい文化ぶんか研究けんきゅうだい23かん新潟大学にいがただいがく大学院だいがくいん現代げんだい社会しゃかい文化ぶんか研究けんきゅう、2002ねん3がつ、1-18ぺーじISSN 13458485NAID 110000563746 

外部がいぶリンク

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