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太平洋たいへいよう高気圧こうきあつ

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

太平洋たいへいよう高気圧こうきあつ(たいへいようこうきあつ、英語えいご: Pacific High)は、太平洋たいへいよう発生はっせいする温暖おんだん高気圧こうきあつである。亜熱帯あねったい高気圧こうきあつ(サブハイ)のうちひとつ。きた太平洋たいへいよう存在そんざいするきた太平洋たいへいよう高気圧こうきあつ(きたたいへいようこうきあつ、North Pacific High)と、南太平洋みなみたいへいよう存在そんざいする南太平洋みなみたいへいよう高気圧こうきあつ(みなみたいへいようこうきあつ, South Pacific High)の2つがある。日本にっぽんにおいてたんに「太平洋たいへいよう高気圧こうきあつ」と場合ばあいきた太平洋たいへいよう高気圧こうきあつす。また、大西洋たいせいようではアゾレス高気圧こうきあつがこれに相当そうとうする。

きた太平洋たいへいよう高気圧こうきあつ中心ちゅうしんハワイ諸島しょとう近辺きんぺん北東ほくとう太平洋たいへいようじょうにあり、東西とうざいして、東側ひがしがわではアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく西海岸にしかいがん年間ねんかんつうじて温暖おんだん乾燥かんそうした気候きこうをもたらし、西側にしがわではなつ日本にっぽん天気てんき支配しはいする。そのぶしにも影響えいきょうおよぼすことがあり、ふゆ勢力せいりょくつよいときは寒気さむけ南下なんかさまたげることがある。広大こうだい太平洋たいへいよう高気圧こうきあつのうち、日本にっぽんみなみ海上かいじょう付近ふきんのものは小笠原諸島おがさわらしょとう付近ふきん中心ちゅうしんつことがおおいことから小笠原おがさわら高気圧こうきあつ(おがさわらこうきあつ、Ogasawara High)ともばれる。

成因せいいん

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亜熱帯あねったい高気圧こうきあつ太平洋たいへいよう特有とくゆうのものではなく、北大西洋きたたいせいようのアゾレス高気圧こうきあつほか南半球みなみはんきゅうにも同様どうようのものがある。これらの高気圧こうきあつ地球ちきゅう規模きぼ大気たいきだい循環じゅんかん一環いっかんとして生成せいせいするものである。なつだけではなく年中ねんじゅう存在そんざいする(なつだけしか存在そんざいしないと誤解ごかいされやすいが、それはただしくない)。

赤道あかみち付近ふきんつよ日射にっしゃのためにあたためられた海面かいめん地上ちじょう空気くうき上昇じょうしょうし、対流圏たいりゅうけん界面かいめんまでたっすると両極りょうきょくかってながれるが(ハドレー循環じゅんかん)、地球ちきゅう自転じてん影響えいきょうけて次第しだいひがしりにきをえ、北緯ほくい30付近ふきんると偏西風へんせいふう(亜熱帯あねったいジェット気流きりゅう)となり、赤道せきどうから空気くうき滞留たいりゅうもるため、地上ちじょう高気圧こうきあつ形成けいせいし、余分よぶん空気くうき下降かこう気流きりゅうとなって海面かいめん地表ちひょう付近ふきんたっして周囲しゅういす。きた太平洋たいへいよう海域かいいききた太平洋たいへいよう高気圧こうきあつは、夏季かき最盛さいせいむかえ、小笠原諸島おがさわらしょとう方面ほうめんから日本にっぽん付近ふきん小笠原おがさわら気団きだん形成けいせいする。

性質せいしつ

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北半球きたはんきゅうでは、夏期かきには大陸たいりくねっせられて全体ぜんたい低圧ていあつとなり、冬期とうきはユーラシア大陸たいりくではシベリア高気圧こうきあつ発達はったつするためこうした高気圧こうきあつたい寸断すんだんされてだい洋上ようじょう孤立こりつしてられるが、陸地りくちすくない南半球みなみはんきゅうでは高気圧こうきあつおびいているのがわかる。

北半球きたはんきゅうにおいても、砂漠さばく地帯ちたい一般いっぱん亜熱帯あねったい高気圧こうきあつたいしたられる。亜熱帯あねったい高気圧こうきあつ圏内けんないでは下降かこう気流きりゅうがあるため空気くうき乾燥かんそうし、降雨こううがほとんどいためである。冬季とうきシベリア高気圧こうきあつ上限じょうげんがせいぜい上空じょうくう2kmから3kmであり、「ひく高気圧こうきあつ」とばれるのにたいして、この高気圧こうきあつ上限じょうげんが10km以上いじょうたっし、対流圏たいりゅうけん上層じょうそうから下降かこうりゅう発生はっせいしているため、「たか高気圧こうきあつ」とばれることもある。 高気圧こうきあつ勢力せいりょく圏内けんない海上かいじょうでもくも晴天せいてんいきひろがるが、周辺しゅうへんでは、あたためられた海面かいめんから発生はっせいした水蒸気すいじょうき高気圧こうきあつからのかぜはこばれるため、湿度しつどたか気候きこうになる。

日本にっぽん列島れっとうも、太平洋たいへいよう高気圧こうきあつ狭義きょうぎには小笠原おがさわら高気圧こうきあつ)の圏内けんないはいれば乾燥かんそうした高温こうおん晴天せいてんとなるが、周辺しゅうへんはいるとあつく、湿しめった気流きりゅう流入りゅうにゅうによって雷雨らいうこりやすくなり、前線ぜんせんや、上層じょうそうへの寒気さむけながみとかさなると豪雨ごううとなって災害さいがいこる場合ばあいもある。小笠原おがさわら高気圧こうきあつ構成こうせいする小笠原おがさわら気団きだん海洋かいようにあるため高温こうおん多湿たしつ説明せつめいされることがおおいが、夏季かきはその温度おんどわり湿度しつどひくいため、乾燥かんそうする。かりに、小笠原諸島おがさわらしょとう周辺しゅうへん大陸たいりくがあったと仮定かていすれば、砂漠さばくになっていた可能かのうせいがある。

チベット高気圧こうきあつとの関連かんれん

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日本にっぽん列島れっとう付近ふきん太平洋たいへいよう高気圧こうきあつ勢力せいりょく範囲はんいとしてはむしろ周辺しゅうへんあたり、この高気圧こうきあつのために定常ていじょうてき高温こうおん乾燥かんそう気候きこう持続じぞくすることすくないが、夏期かきにチベット高原こうげん上空じょうくうけん界面かいめんちかくに発達はったつするチベット高気圧こうきあつが、とき西日本にしにほん付近ふきんにまでびてくることがあり、その場合ばあい太平洋たいへいよう高気圧こうきあつさら上層じょうそう高気圧こうきあつかさなるかたちになるので、高気圧こうきあつさらたかくなり、しかも安定あんていする。そのためおも西日本にしにほん中心ちゅうしん高温こうおんあめらない状態じょうたい長続ながつづきし、深刻しんこくかんばつ・渇水かっすいをもたらすことがある。

関連かんれん項目こうもく

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