この項目 こうもく では、物理 ぶつり 学 がく について説明 せつめい しています。より一般 いっぱん 的 てき な対称 たいしょう 性 せい については「対称 たいしょう 性 せい 」をご覧 らん ください。
複数 ふくすう の空間 くうかん 対称 たいしょう 性 せい をもつグラファイト の結晶 けっしょう 構造 こうぞう
物理 ぶつり 学 がく における対称 たいしょう 性 せい (たいしょうせい、英 えい : symmetry )とは、物理 ぶつり 系 けい の持 も つ対称 たいしょう 性 せい — すなわち、ある特定 とくてい の変換 へんかん の下 した での、系 けい の様相 ようそう の「不変 ふへん 性 せい 」である。
物理 ぶつり 系 けい の対称 たいしょう 性 せい は、ある変化 へんか の下 した で「保存 ほぞん する」系 けい の物理 ぶつり 的 てき または数学 すうがく 的 てき な(観測 かんそく 量 りょう 、または内在 ないざい 量 りょう の)特徴 とくちょう である。変換 へんかん には「連続 れんぞく 的 てき 」な変換 へんかん (円 えん の回転 かいてん など)または「離散 りさん 的 てき 」な変換 へんかん (左右 さゆう 対称 たいしょう な像 ぞう の反射 はんしゃ や正多角形 せいたかっけい の回転 かいてん など)のファミリーがある。連続 れんぞく 的 てき または離散 りさん 的 てき 変換 へんかん により、それぞれに対応 たいおう する型 かた の対称 たいしょう 性 せい が現 あらわ れる。連続 れんぞく 対称 たいしょう 性 せい はリー群 ぐん によって記述 きじゅつ することができ、一方 いっぽう で離散 りさん 対称 たいしょう 性 せい は有限 ゆうげん 群 ぐん で記述 きじゅつ することができる(対称 たいしょう 変換 へんかん 群 ぐん (英語 えいご 版 ばん ) を参照 さんしょう )。対称 たいしょう 性 せい は、多 おお くの場合 ばあい に群 ぐん 表現 ひょうげん のような数学 すうがく 的 てき 形式 けいしき 化 か がしやすく、多 おお くの問題 もんだい を単純 たんじゅん 化 か するために有効 ゆうこう に使 つか うことができる。
こういった対称 たいしょう 性 せい の重要 じゅうよう な例 れい として、任意 にんい の微分 びぶん 可能 かのう な座標 ざひょう 変換 へんかん (一般 いっぱん 座標 ざひょう 変換 へんかん )の下 した での物理 ぶつり 法則 ほうそく の不変 ふへん 性 せい (一般 いっぱん 共 ども 変性 へんせい 原理 げんり )がある。
不変 ふへん 性 せい は、ある量 りょう を変化 へんか させないままにする変換 へんかん によって数学 すうがく 的 てき に規定 きてい される。この概念 がいねん は実 じつ 世界 せかい で観測 かんそく される基本 きほん 的 てき な現象 げんしょう に対 たい して適用 てきよう することができる。例 たと えば、温度 おんど は理想 りそう 的 てき には部屋 へや の中 なか ではどこも一定 いってい である。このとき、温度 おんど は部屋 へや の中 なか の位置 いち に依存 いぞん しないので、温度 おんど は測定 そくてい 者 しゃ の位置 いち の移動 いどう に関 かん して「不変 ふへん 」である。
同様 どうよう に、均一 きんいつ な球体 きゅうたい をその中心 ちゅうしん に対 たい して回転 かいてん させても、回転 かいてん を行 おこな う前 まえ とまったく同 おな じ状態 じょうたい となる。このとき、その球体 きゅうたい は球 たま 対称 たいしょう 性 せい を示 しめ したと言 い うことができる。球 たま のどの軸 じく について回転 かいてん させても、この操作 そうさ は球 っきゅう がどのように「見 み える」かを保存 ほぞん する。
上述 じょうじゅつ のように、観測 かんそく された物理 ぶつり 的 てき 対称 たいしょう 性 せい について議論 ぎろん するとき、「不変 ふへん 性 せい 」という有用 ゆうよう な概念 がいねん に着目 ちゃくもく することができる。これは力 ちから における対称 たいしょう 性 せい についても同様 どうよう に適用 てきよう することができる。
例 たと えば、電線 でんせん は円筒 えんとう 対称 たいしょう 性 せい を示 しめ す。これは、ある帯電 たいでん した無限 むげん の長 なが さの電線 でんせん からの距離 きょり r における電界 でんかい 強度 きょうど を考 かんが えるとき、電線 でんせん を中心 ちゅうしん 軸 じく とする半径 はんけい r の円筒 えんとう の表面 ひょうめん 上 じょう の点 てん はどこでも同 おな じ強度 きょうど を示 しめ すことから言 い える。電線 でんせん を軸 じく として回転 かいてん させても、元 もと の位置 いち の電界 でんかい 強度 きょうど (また移動 いどう した先 さき の電界 でんかい 強度 きょうど )は変 か わらないので、この操作 そうさ は電界 でんかい を保存 ほぞん する。回転 かいてん された位置 いち の電界 でんかい 強度 きょうど は同 おな じであるが、その方向 ほうこう はこの操作 そうさ に従 したが って回転 かいてん する。これらの二 ふた つの性質 せいしつ は、チャージ を持 も つ任意 にんい の系 けい の回転 かいてん はそれに対応 たいおう する場 ば の回転 かいてん を生 しょう じるというより一般 いっぱん 的 てき な性質 せいしつ を通 とお して相互 そうご に関連 かんれん している。
ニュートンの力学 りきがく 理論 りろん における例 れい について考 かんが える。与 あた えられた質量 しつりょう m の二 ふた つの物体 ぶったい が、始 はじ めは原点 げんてん で静止 せいし した状態 じょうたい から、x 軸 じく に沿 そ ってお互 たが い反対 はんたい 方向 ほうこう に一 ひと つは速度 そくど v 1 、もう一方 いっぽう は速度 そくど v 2 で運動 うんどう するとする。この系 けい の全 ぜん 運動 うんどう エネルギーは(原点 げんてん にいる観測 かんそく 者 しゃ から計算 けいさん されるとして)1 ⁄2 m (v 1 2 + v 2 2 ) であり、もし速度 そくど が交換 こうかん されるなら同 おな じままである。全 ぜん 運動 うんどう エネルギーはy 軸 じく 内 ない の反射 はんしゃ の下 した で保存 ほぞん する。
上 うえ の運動 うんどう エネルギーの例 れい は、対称 たいしょう 性 せい を表現 ひょうげん する方法 ほうほう として、物理 ぶつり 系 けい のある側面 そくめん を記述 きじゅつ する方程式 ほうていしき を用 もち いている。ここでは、もしv 1 およびv 2 が交換 こうかん されるなら、全 ぜん 運動 うんどう エネルギーは同 おな じであることを示 しめ している。
局所 きょくしょ 的 てき および大局 たいきょく 的 てき 対称 たいしょう 性 せい [ 編集 へんしゅう ]
対称 たいしょう 性 せい は「大局 たいきょく 的 てき 」または「局所 きょくしょ 的 てき 」対称 たいしょう 性 せい に大 おお きく分類 ぶんるい することができる。「大局 たいきょく 的 てき 対称 たいしょう 性 せい 」は時空 じくう の全 すべ ての点 てん において成立 せいりつ するものである。一方 いっぽう 、「局所 きょくしょ 的 てき 対称 たいしょう 性 せい 」は時空 じくう の異 こと なる点 てん において異 こと なる対称 たいしょう 性 せい 変換 へんかん を持 も つものである。特 とく に局所 きょくしょ 的 てき 対称 たいしょう 性 せい 変換 へんかん は時空 じくう 座標 ざひょう によってパラメータ化 か されている。局所 きょくしょ 的 てき 対称 たいしょう 性 せい はゲージ理論 りろん の基礎 きそ を形成 けいせい するなど物理 ぶつり 学 がく において重要 じゅうよう な役割 やくわり を果 は たしている。
対称 たいしょう 性 せい ラベルを示 しめ す面 めん 心 こころ 立方 りっぽう 格子 こうし 構造 こうぞう の第 だい 一 いち ブリュアンゾーン 上 うえ で記述 きじゅつ された回転 かいてん 対称 たいしょう 性 せい の二 ふた つの例 れい 、球 たま 対称 たいしょう 性 せい および円筒 えんとう 対称 たいしょう 性 せい はそれぞれ連続 れんぞく 的 てき 対称 たいしょう 性 せい (英語 えいご 版 ばん ) である。これらは系 けい の幾何 きか における連続 れんぞく 的 てき な変化 へんか に従 したが う不変 ふへん 性 せい によって特徴付 とくちょうづ けられる。例 たと えば、電線 でんせん はその軸 じく についてどんな角度 かくど で回転 かいてん しても、電界 でんかい 強度 きょうど は軸 じく を中心 ちゅうしん とする円筒 えんとう 上 じょう で同 おな じである。数学 すうがく 的 てき に、連続 れんぞく 的 てき 対称 たいしょう 性 せい は連続 れんぞく 関数 かんすう または滑 なめ らかな関数 かんすう によって記述 きじゅつ される。物理 ぶつり 学 がく における連続 れんぞく 的 てき 対称 たいしょう 性 せい の重要 じゅうよう なものは時空 じくう 対称 たいしょう 性 せい である。
連続 れんぞく 的 てき 「時空 じくう 対称 たいしょう 性 せい 」 (spacetime symmetry) は、空間 くうかん と時間 じかん の変換 へんかん を含 ふく む対称 たいしょう 性 せい である。これらはさらに、物理 ぶつり 系 けい と関連 かんれん する空間 くうかん の幾何 きか 的 てき 変化 へんか のみを含 ふく む「空間 くうかん 対称 たいしょう 性 せい 」、時間 じかん における変化 へんか のみを含 ふく む「時間 じかん 対称 たいしょう 性 せい 」、または空間 くうかん と時間 じかん の変化 へんか を両方 りょうほう を含 ふく む「空間 くうかん ー時間 じかん 対称 たいしょう 性 せい 」に分類 ぶんるい される。
時間 じかん 並進 へいしん
このことは、任意 にんい の時刻 じこく t およびa (実数 じっすう )についての変換 へんかん
t
→
t
+
a
{\displaystyle t\,\rightarrow t+a}
の下 した での不変 ふへん 性 せい として数学 すうがく 的 てき に表現 ひょうげん される。例 たと えば、古典 こてん 力学 りきがく では重力 じゅうりょく の影響 えいきょう だけを受 う けているある粒子 りゅうし は、地表 ちひょう から高 たか さh に置 お かれたとき重力 じゅうりょく ポテンシャルエネルギー mgh を持 も つ。粒子 りゅうし の高 たか さに変化 へんか がないなら、どの時点 じてん でもこの位置 いち エネルギーは全 ぜん 重力 じゅうりょく ポテンシャルエネルギーであろう。い換 いか えれば、ある時間 じかん t 0 とt 0 + 3 (秒 びょう )における粒子 りゅうし の状態 じょうたい を考 かんが えたとき、どちらの状態 じょうたい でもその粒子 りゅうし の全 ぜん 重力 じゅうりょく ポテンシャルエネルギーは保存 ほぞん されているということである[ 1] 。
空間 くうかん 並進 へいしん
この空間 くうかん 対称 たいしょう 性 せい は任意 にんい の位置 いち ベクトル
r
→
{\displaystyle {\vec {r}}}
に対 たい して、
r
→
→
r
→
+
a
→
{\displaystyle {\vec {r}}\,\rightarrow {\vec {r}}+{\vec {a}}}
の形式 けいしき の変換 へんかん で表現 ひょうげん され、系 けい の性質 せいしつ が場所 ばしょ における連続 れんぞく 的 てき な変化 へんか によっても不変 ふへん な系 けい の状況 じょうきょう を記述 きじゅつ する[ 2] 。例 たと えば、理想 りそう 的 てき な状態 じょうたい では、部屋 へや の温度 おんど は部屋 へや の中 なか のどこに温度 おんど 計 けい を置 お くかに独立 どくりつ であると言 い える[ 3] 。
空間 くうかん 回転 かいてん
この空間 くうかん 的 てき 対称 たいしょう 性 せい は回転 かいてん 操作 そうさ および回 かい 映 うつ 操作 そうさ に分類 ぶんるい される。前者 ぜんしゃ は単 たん に「通常 つうじょう の」回転 かいてん であり、数学 すうがく 的 てき に正方 せいほう 行列 ぎょうれつ によって表現 ひょうげん される。後者 こうしゃ は行列 ぎょうれつ 式 しき −1の正方 せいほう 行列 ぎょうれつ によって表現 ひょうげん され、通常 つうじょう の回転 かいてん と空間 くうかん 反射 はんしゃ (反転 はんてん )の組 く み合 あ わせで構成 こうせい されている。例 たと えば、球 たま は回転 かいてん 対称 たいしょう 性 せい を持 も っている。空間 くうかん 回転 かいてん の他 ほか の型 かた については回転 かいてん 対称 たいしょう 性 せい の記事 きじ を参照 さんしょう のこと。
ポアンカレ変換 へんかん
これはミンコフスキー時空 じくう における距離 きょり を保存 ほぞん する空間 くうかん ー時間 じかん 対称 たいしょう 性 せい である。例 たと えば、ポアンカレ変換 へんかん はミンコフスキー空間 くうかん の等 ひとし 長 ちょう 写像 しゃぞう である。それらは主 おも に特殊 とくしゅ 相対性理論 そうたいせいりろん において研究 けんきゅう されている。原点 げんてん の固定 こてい から離 はな れた場合 ばあい のこの変換 へんかん の等 とう 長 ちょう 写像 しゃぞう [訳語 やくご 疑問 ぎもん 点 てん ] はローレンツ変換 へんかん と呼 よ ばれ、ローレンツ共 きょう 変 へん として知 し られる対称 たいしょう 性 せい を生 しょう じる。
射影 しゃえい 対称 たいしょう 性 せい
これは時空 じくう 構造 こうぞう の測地 そくち 線 せん を保存 ほぞん する空間 くうかん ー時間 じかん 対称 たいしょう 性 せい である。それらは任意 にんい の滑 なめ らかな多様 たよう 体 たい 上 うえ で定義 ていぎ される。これは一般 いっぱん 相対性理論 そうたいせいりろん の厳密 げんみつ 解 かい (英語 えいご 版 ばん ) の研究 けんきゅう において多 おお く応用 おうよう されている。
反転 はんてん 変換 へんかん
これはポアンカレ変換 へんかん を時空 じくう 座標 ざひょう 上 じょう での他 ほか の一対一 いちたいいち の共 きょう 形 かたち 変換 へんかん を含 ふく むように一般 いっぱん 化 か する空間 くうかん ー時間 じかん 対称 たいしょう 性 せい である。長 なが さは反転 はんてん 変換 へんかん の下 した で不変 ふへん ではないが、不変 ふへん な四 よん 点 てん 上 じょう の非 ひ 調和 ちょうわ 比 ひ (英語 えいご 版 ばん ) が存在 そんざい する。
時空 じくう 対称 たいしょう 性 せい は通常 つうじょう 、滑 なめ らかな多様 たよう 体 たい 上 うえ の滑 なめ らかなベクトル場 じょう によって数学 すうがく 的 てき に記述 きじゅつ される。ベクトル場 じょう と関連 かんれん する内在 ないざい 的 てき な局所 きょくしょ 微分 びぶん 同相 どうしょう 写像 しゃぞう はより直接的 ちょくせつてき に物理 ぶつり 的 てき 対称 たいしょう 性 せい に対応 たいおう する。ベクトル場 じょう それ自身 じしん は、物理 ぶつり 系 けい の対称 たいしょう 性 せい を分類 ぶんるい するときにさらによく使 つか われる。
ベクトル場 じょう で最 もっと も重要 じゅうよう なものの中 なか にはキリングベクトル場 じょう がある。これは多様 たよう 体 たい の内在 ないざい 的 てき な計量 けいりょう 構造 こうぞう を保存 ほぞん する時空 じくう 対称 たいしょう 性 せい である。大 おお まかに言 い って、キリングベクトル場 じょう は多様 たよう 体 たい のどんな二 に 点 てん 間 あいだ の距離 きょり も保存 ほぞん する。キリングベクトルは等 ひとし 長 ちょう 写像 しゃぞう とよく呼 よ ばれる。物理 ぶつり 学 がく における等 ひとし 長 ちょう 写像 しゃぞう の記事 きじ でこれらの対称 たいしょう 性 せい についての詳細 しょうさい な議論 ぎろん がなされている。
離散 りさん 的 てき 対称 たいしょう 性 せい (discrete symmetry) は、系 けい 内 ない の非 ひ 連続 れんぞく な変化 へんか を記述 きじゅつ する対称 たいしょう 性 せい である。例 たと えば、正方形 せいほうけい は離散 りさん 対称 たいしょう 性 せい を持 も っている。直角 ちょっかく の倍数 ばいすう による回転 かいてん 操作 そうさ のみ正方形 せいほうけい の元 もと の形状 けいじょう を保存 ほぞん する。離散 りさん 対称 たいしょう 性 せい は時 とき に「交換 こうかん (swapping) 」のいくつかの型 かた を含 ふく む。これらの交換 こうかん (swap) は通常 つうじょう 、「反射 はんしゃ 」または「交換 こうかん 」(interchange) と呼 よ ばれる。
時間 じかん 反転 はんてん
多 おお くの物理 ぶつり 法則 ほうそく は、時間 じかん の向 む きを反転 はんてん した場合 ばあい でも、現実 げんじつ の現象 げんしょう を記述 きじゅつ する。数学 すうがく 的 てき には、変換 へんかん
t
→
−
t
{\displaystyle t\,\rightarrow -t}
によって表現 ひょうげん される。例 たと えば、ニュートンの運動 うんどう の第 だい 2法則 ほうそく は、もし
F
=
m
r
¨
{\displaystyle F\,=m{\ddot {r}}}
,
t
{\displaystyle t}
という方程式 ほうていしき が
−
t
{\displaystyle -t}
によって置 お き換 か えられたとしても依然 いぜん 成立 せいりつ する。このことは真上 まうえ に投 な げ上 あ げられた粒子 りゅうし の運動 うんどう (空気 くうき 抵抗 ていこう は無視 むし する)を記述 きじゅつ することによって例示 れいじ することができるだろう。このような運動 うんどう をする粒子 りゅうし では、位置 いち は物体 ぶったい が最高 さいこう 到達 とうたつ 点 てん にいる瞬間 しゅんかん について対称 たいしょう である。反転 はんてん された時間 じかん においては、速度 そくど も反転 はんてん される。
空間 くうかん 反転 はんてん (パリティ )
これは
r
→
→
−
r
→
{\displaystyle {\vec {r}}\,\rightarrow -{\vec {r}}}
の形式 けいしき の変換 へんかん によって表現 ひょうげん され、座標 ざひょう が '反転 はんてん 'したときの系 けい の不変 ふへん 性 せい を示 しめ す。
映 うつ 進 すすむ (英語 えいご 版 ばん )
これは並進 へいしん と反射 はんしゃ の組 く み合 あ わせによって表現 ひょうげん される。これらの対称 たいしょう 性 せい はいくつかの結晶 けっしょう および壁紙 かべがみ 対称 たいしょう 性 せい として知 し られるいくつかの平面 へいめん 対称 たいしょう 性 せい に見 み られる。
素粒子 そりゅうし 物理 ぶつり 学 がく の標準 ひょうじゅん 模型 もけい は、3つの関連 かんれん した自然 しぜん の近似 きんじ 的 てき な対称 たいしょう 性 せい を持 も つ。これらの対称 たいしょう 性 せい により、われわれの住 す む実際 じっさい の宇宙 うちゅう は次 つぎ のようなものと区別 くべつ することができない。
T対称 たいしょう 性 せい は直観 ちょっかん と反 はん する(確 たし かに未来 みらい と過去 かこ は非対称 ひたいしょう 的 てき である)が、標準 ひょうじゅん 模型 もけい はエントロピー のような大局 たいきょく 的 てき 性質 せいしつ ではなく局所 きょくしょ 的 てき 性質 せいしつ を記述 きじゅつ するという事実 じじつ によって説明 せつめい される。時間 じかん の向 む きを適切 てきせつ に反転 はんてん させるには、ビッグバン そして結果 けっか として起 お こる低 てい エントロピー状態 じょうたい を「未来 みらい 」に置 お く必要 ひつよう がある。われわれは「過去 かこ 」(「未来 みらい 」)を現在 げんざい より低 ひく い(高 たか い)エントロピーとして知覚 ちかく するので(en:Entropy (arrow of time) を参照 さんしょう )、この仮説 かせつ 上 じょう の時間 じかん 反転 はんてん 宇宙 うちゅう の住人 じゅうにん はわれわれが過去 かこ として知覚 ちかく するものと同 おな じものを未来 みらい として知覚 ちかく するだろう。
これらの対称 たいしょう 性 せい は近似 きんじ 的 てき な対称 たいしょう 性 せい である。なぜなら、それらは現在 げんざい の宇宙 うちゅう で破 やぶ れているためである。しかしながら、標準 ひょうじゅん 模型 もけい はCPTの三 みっ つの組 く み合 あ わせ(三 みっ つの変換 へんかん を同時 どうじ に適用 てきよう した結果 けっか )は対称 たいしょう でなければならないと予測 よそく している。すなわちCPT対称 たいしょう 性 せい が成立 せいりつ すると考 かんが えられている。CP対称 たいしょう 性 せい の破 やぶ れ (CおよびP対称 たいしょう 性 せい の破 やぶ れの組 く み合 あ わせ)は、宇宙 うちゅう にバリオン物質 ぶっしつ が多 おお く存在 そんざい するために不可欠 ふかけつ であり、ひいては生命 せいめい の存在 そんざい の要件 ようけん となっている[要 よう 出典 しゅってん ] 。CP対称 たいしょう 性 せい の破 やぶ れの研究 けんきゅう は、現在 げんざい の素粒子 そりゅうし 物理 ぶつり 学 がく において実 みの りの多 おお い分野 ぶんや となっている。
超 ちょう 対称 たいしょう 性 せい として知 し られる型 かた の対称 たいしょう 性 せい は標準 ひょうじゅん 模型 もけい の理論 りろん を進展 しんてん させるために導入 どうにゅう が試 こころ みられてきた。超 ちょう 対称 たいしょう 性 せい は、すでに標準 ひょうじゅん 模型 もけい の中 なか に組 く み込 こ まれている対称 たいしょう 性 せい を越 こ えた対称 たいしょう 性 せい 、特 とく にボース粒子 りゅうし とフェルミ粒子 りゅうし の間 あいだ の対称 たいしょう 性 せい が存在 そんざい するという発想 はっそう に基 もと づいている。超 ちょう 対称 たいしょう 性 せい は、ボース粒子 りゅうし のそれぞれの型 かた は超 ちょう 対称 たいしょう パートナーとしてのフェルミ粒子 りゅうし を持 も ち、フェルミ粒子 りゅうし の場合 ばあい も同様 どうよう のパートナーを持 も つと主張 しゅちょう している。超 ちょう 対称 たいしょう 性 せい は実験 じっけん 的 てき にはいまだ検証 けんしょう されていない。現在 げんざい 見 み つかっている既知 きち のどの粒子 りゅうし も、既知 きち の粒子 りゅうし の超 ちょう 対称 たいしょう 性 せい パートナーとしての適切 てきせつ な性質 せいしつ を備 そな えていない。もし超 ちょう 対称 たいしょう 性 せい パートナーが存在 そんざい するなら、それらは現状 げんじょう の粒子 りゅうし 加速器 かそくき が生成 せいせい できるより大 おお きい質量 しつりょう を持 も つはずである。
物理 ぶつり 的 てき 対称 たいしょう 性 せい を記述 きじゅつ する変換 へんかん は、典型 てんけい 的 てき に数学 すうがく における群 ぐん を形成 けいせい する。群論 ぐんろん は物理 ぶつり 学 がく のための数学 すうがく として重要 じゅうよう な分野 ぶんや である。
連続 れんぞく 的 てき 対称 たいしょう 性 せい は「連続 れんぞく 群 ぐん 」(リー群 ぐん と呼 よ ばれる)によって数学 すうがく 的 てき に規定 きてい される。多 おお くの物理 ぶつり 的 てき 対称 たいしょう 性 せい は等 ひとし 長 ちょう 写像 しゃぞう であり対称 たいしょう 群 ぐん によって規定 きてい される。この用語 ようご はときに対称 たいしょう 性 せい のより一般 いっぱん 的 てき な型 かた のために用 もち いられる。球 たま の任意 にんい の軸 じく について(どんな角度 かくど でも)全 すべ ての回転 かいてん 操作 そうさ の集合 しゅうごう は特殊 とくしゅ 直交 ちょっこう 群 ぐん SO(3) と呼 よ ばれるリー群 ぐん を形成 けいせい する(3 は通常 つうじょう の球 たま の三 さん 次元 じげん 空間 くうかん を言及 げんきゅう している)。それゆえ、回転 かいてん 操作 そうさ を持 も つ球 たま の対称 たいしょう 群 ぐん は SO(3) である。どんな回転 かいてん もボールの表面 ひょうめん 上 じょう の距離 きょり を保存 ほぞん する。全 すべ てのローレンツ変換 へんかん の集合 しゅうごう はローレンツ群 ぐん (これはポアンカレ群 ぐん へと拡張 かくちょう されるうる)と呼 よ ばれる群 ぐん を形成 けいせい する。
離散 りさん 対称 たいしょう 性 せい は離散 りさん 群 ぐん によって記述 きじゅつ される。例 たと えば、正三角形 せいさんかっけい の対称 たいしょう 性 せい は対称 たいしょう 群 ぐん S 3 によって記述 きじゅつ される。
「局所 きょくしょ 的 てき 」対称 たいしょう 性 せい に基 もと づく物理 ぶつり 理論 りろん の重要 じゅうよう な型 かた はゲージ理論 りろん と呼 よ ばれ、そのような理論 りろん に自然 しぜん な対称 たいしょう 性 せい はゲージ対称 たいしょう 性 せい と呼 よ ばれる。標準 ひょうじゅん 模型 もけい におけるゲージ対称 たいしょう 性 せい は、SU(3) × SU(2) × U(1) 群 ぐん に基 もと づいており、基本 きほん 相互 そうご 作用 さよう の三 みっ つを記述 きじゅつ するために用 もち いられる(大 おお まかに言 い って、SU(3) 群 ぐん の対称 たいしょう 性 せい は強 つよ い相互 そうご 作用 さよう を、SU(2) 群 ぐん は電 でん 弱 じゃく 力 りょく を、そしてU(1) 群 ぐん は電磁 でんじ 力 りょく を記述 きじゅつ する。)。
また、群 ぐん による作用 さよう の下 した でのエネルギー汎 ひろし 関数 かんすう (英語 えいご 版 ばん ) の対称 たいしょう 性 せい による減少 げんしょう および対称 たいしょう 群 ぐん の変換 へんかん の自発 じはつ 的 てき 対称 たいしょう 性 せい の破 やぶ れ は素粒子 そりゅうし 物理 ぶつり 学 がく のトピック(例 たと えば、物理 ぶつり 的 てき 宇宙 うちゅう 論 ろん における電磁気 でんじき 力 りょく および弱 よわ い力 ちから の統一 とういつ )を解明 かいめい するために現 あらわ れる。
物理 ぶつり 系 けい の対称 たいしょう 性 せい の性質 せいしつ は系 けい を特徴付 とくちょうづ ける保存 ほぞん 則 そく と深 ふか く関係 かんけい している。ネーターの定理 ていり はこの関係 かんけい を厳密 げんみつ に記述 きじゅつ している。この定理 ていり によると、物理 ぶつり 系 けい の連続 れんぞく 的 てき 対称 たいしょう 性 せい は系 けい のある物理 ぶつり 的 てき 性質 せいしつ が保存 ほぞん することを暗示 あんじ している。反対 はんたい に、ある保存 ほぞん された量 りょう はそれに対応 たいおう する対称 たいしょう 性 せい を持 も っている。例 たと えば、空間 くうかん の等 ひとし 長 ちょう 写像 しゃぞう は線形 せんけい 運動 うんどう 量 りょう 保存 ほぞん 則 そく を生 しょう じ、時間 じかん の等 とう 長 ちょう 写像 しゃぞう はエネルギー保存 ほぞん 則 そく を生 しょう じる。
以下 いか の表 ひょう にいくつかの基本 きほん 的 てき な対称 たいしょう 性 せい および関連 かんれん する保存 ほぞん 量 りょう の概要 がいよう を示 しめ す。
縮退 しゅくたい 度 ど は既 すんで 約 やく 表現 ひょうげん の次元 じげん です。
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^ より正確 せいかく には、具体 ぐたい 的 てき に粒子 りゅうし にかかる力 ちから を考 かんが えるのではなく、重力 じゅうりょく で発生 はっせい している場 ば それ自体 じたい が時間 じかん により変化 へんか がなく、時間 じかん によらず位置 いち だけでポテンシャルが定 さだ まる場合 ばあい に時間 じかん 並進 へいしん 対称 たいしょう 性 せい があると考 かんが えられるので、この場合 ばあい 、粒子 りゅうし の位置 いち に関係 かんけい なく、系 けい 全体 ぜんたい で常 つね に時間 じかん 並進 へいしん 対称 たいしょう 性 せい があると言 い える。
^ 連続 れんぞく 的 てき な変化 へんか に対 たい して不変 ふへん である事 こと を、無限 むげん に小 ちい さな変位 へんい ベクトルε いぷしろん の変換 へんかん で考 かんが える事 こと がある。
^ 温度 おんど は状態 じょうたい 量 りょう であって、平衡 へいこう 状態 じょうたい では一定 いってい であると定義 ていぎ される量 りょう であるので、重力 じゅうりょく 下 か の系 けい での、ポテンシャルが水平 すいへい 方向 ほうこう に対 たい して不変 ふへん である事 こと などを考 かんが える場合 ばあい が多 おお い。