(Translated by https://www.hiragana.jp/)
弦楽器 - Wikipedia コンテンツにスキップ

弦楽器げんがっき

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

弦楽器げんがっき(げんがっき)は、つる発音はつおんたいとする楽器がっき絃楽器げんがっきとも表記ひょうき楽器がっき分類ぶんるいがくではつる楽器がっきという。

つる張力ちょうりょくをかけた状態じょうたい固定こていし、なんらかの方法ほうほう振動しんどうさせおとす。つる振動しんどうさせる方法ほうほうには、つるをはじく、つるをこする、つるたたく、があり、それによりばち弦楽器げんがっきこす弦楽器げんがっき弦楽器げんがっき分類ぶんるいされている。

おおくが共鳴きょうめい装置そうちそなえる。

分類ぶんるい

[編集へんしゅう]

つる振動しんどうのさせかたによる分類ぶんるい

[編集へんしゅう]
ばち弦楽器げんがっき
つるをはじく。はじくには、ゆびつめ、またはそれにわるもの(よしかぶと、プレクトラムという)を使つかう。そう三味線しゃみせんギターエレキベースチェンバロなどがこうしておとす。
こす弦楽器げんがっき
つるゆみのつるでこする。ヴァイオリン仲間なかまや、胡弓こきゅう仲間なかまモリンホール馬頭ばとうこと)の仲間なかまなどがこうしておとす。ゆみのつるはうまのような摩擦まさつおおきいものを使つかい、さらに松脂まつやになどによって摩擦まさつおおきくする。韓国かんこくきばそう(アジェン)のように、ゆんではなくぼうこするものもある。
弦楽器げんがっき
つるつ。ピアノ一部いちぶ打楽器だがっきや、和楽わらく一部いちぶもこれにはいる。つるつのは、ハンマーばちなどである。

ただし、これは主要しゅよう発音はつおんほう分類ぶんるいしたものであり、かく楽器がっきには方法ほうほうおと奏法そうほうがある。以下いかいちれいである。

  • こす弦楽器げんがっきヴァイオリンぞく楽器がっきにはつるばち弦楽器げんがっきのようにいておとピチカート奏法そうほうがある(コントラバスポピュラー音楽おんがく使つか場合ばあいにはむしろこの奏法そうほう一般いっぱんてきである)。
  • ばち弦楽器げんがっきであるそうにはつるたたいておとつめという奏法そうほうがある。
  • ばち弦楽器げんがっきのギターには、どうたた打楽器だがっきてき奏法そうほうもあり、つるゆみなどでこす奏法そうほうもある。
  • ばち弦楽器げんがっき三味線しゃみせんそうにはつるつめでこすって「ズー」という効果こうかおんす「すりしゅ」「すりつめ」という技法ぎほうがある。
  • 弦楽器げんがっきのピアノのつるこすおと奏者そうしゃまれにいる。

など上記じょうき分類ぶんるい以外いがい方法ほうほうおとすことがある。

なお、チェンバロ、ピアノなど鍵盤けんばんそなえる弦楽器げんがっきは、普通ふつう鍵盤けんばん楽器がっき分類ぶんるいする。

どう構造こうぞうによる分類ぶんるい

[編集へんしゅう]

楽器がっき分類ぶんるい学的がくてきには、共鳴きょうめいどう中心ちゅうしんとした楽器がっき構造こうぞう分類ぶんるいされる。それぞれにふくまれる楽器がっき後述こうじゅつ

  • らくゆみ - 湾曲わんきょくしたゆみじょうぼうりょうはしつるむすびつけてったもの。
  • ツィターぞく - 共鳴きょうめいどううえに(自由じゆう振動しんどうができる程度ていど共鳴きょうめいどうからはなして)つるったもの。
  • リラぞく - 共鳴きょうめいどうに2ほんはしらて、はしらあいだ横木よこぎわたして、共鳴きょうめいどう横木よこぎあいだつるったもの。はしら共鳴きょうめいどうとなっているものや、全体ぜんたい共鳴きょうめいどう一体いったいとなっているものもある。
  • ハープぞく - ちょうほそ共鳴きょうめいどうはしに、くのぼうけ、共鳴きょうめいどうぼうあいだつるったもの。支持しじするためにくのりょうはし支持しじぼうけて三角形さんかっけいとすることがおおい。
  • リュートぞく - 共鳴きょうめいどうざおけ、ざおうえつるったもの。つる一端いったんざおさきに、もう一端いったん共鳴きょうめいどうむすびつけるものがおおい。ざおうえつるることで、おとだかえるためにつるさえやすくなる。なお、ゆうざお弦楽器げんがっきぶことがある。

かくおとだか方法ほうほう

[編集へんしゅう]

つる振動しんどうすうは、つる振動しんどうする部分ぶぶんながつる張力ちょうりょくつる単位たんいながさあたりの質量しつりょうつるふとさ、つる密度みつど)によってわる(おとだか理論りろん参照さんしょう)。したがって、つぎのような方法ほうほうでさまざまなおとだかおとすことができる。

  • かくおとだかおとつるる。
  • つる振動しんどうする部分ぶぶんながさを限定げんていしておとだかえる。
  • つる張力ちょうりょくおとだかえる。

たとえば、もっとふるくからある弦楽器げんがっきとされるハープるい多数たすうつるかくおとだかおとす。ヴァイオリンではつるはEせん、Aせん、Dせん、Gせんの4ほんゆびばんうえつるさえて振動しんどう部分ぶぶんながさを限定げんていしてかくおとだかおとす。クラシックギターアコースティックギターではつるを6ほんゆびばんじょうフレット利用りようながさを限定げんていしてかくおとだかおとし、エレキギターではさらにチョーキング奏法そうほう張力ちょうりょくおよびおとだか連続れんぞくてき変化へんかさせる。

おとだか理論りろん

[編集へんしゅう]

弦楽器げんがっきでは、共鳴きょうめいたいによっておとたかさがまる管楽器かんがっきちがい、発音はつおんたいたるつる振動しんどうすう周波数しゅうはすう)によっておとたかまる。つる振動しんどう一般いっぱんには非線形ひせんけい現象げんしょうだが、おおくの弦楽器げんがっきでは以下いかのような1次元じげん波動はどう方程式ほうていしきによって十分じゅうぶん近似きんじできる。

また、おおくの弦楽器げんがっきではつるりょうはし固定こていされているため、以下いかのような境界きょうかい条件じょうけんたさなければならない。

このへん微分びぶん方程式ほうていしきかい一般いっぱんに、


ただし、であり、初期しょき条件じょうけん依存いぞんする定数ていすう

あらわされる。このかいのうちおととしてあらわれるのはcosの部分ぶぶんである。これは振動しんどうすう なみになり、n=1のなみ基音きおん、n=2,3,…のなみがそれぞれだい2倍音ばいおんだい3倍音ばいおん相当そうとうする。これらの倍音ばいおん比率ひりつ弦楽器げんがっき音色ねいろ決定けっていする要素ようそとなる。つる基本きほん振動しんどうすうつぎしきによってられる(メルセンヌの法則ほうそく)。

f: 周波数しゅうはすう (ヘルツ)

l: つるながさ (m)
T: 張力ちょうりょく (ニュートン)

σしぐま: 単位たんいながさあたりの質量しつりょう (せん密度みつど, kg/m)

共鳴きょうめい仕組しく

[編集へんしゅう]

弦楽器げんがっきでは、つる空気くうき音響おんきょうインピーダンスマッチングがわるいので、つる振動しんどうだけではかすかなおとしかしないことがおおい。こえる音量おんりょう増大ぞうだいさせるために、いったんつる振動しんどう空気くうき音響おんきょうインピーダンスに、より整合せいごうしたべつ振動しんどうたい振動しんどうばん)につたえてから空気くうきちゅう輻射ふくしゃさせる、いわゆる共鳴きょうめい原理げんりもちいられる。

ほとんどの弦楽器げんがっきの「どう」はこの共鳴きょうめい実現じつげんするためにつくられた「共鳴きょうめいどう」である。その形状けいじょうおおきくけて

  • 単一たんいついたまたは適度てきど張力ちょうりょくったまく(ピアノ、一部いちぶバンジョーなど)
  • あなひらいた中空なかぞらはこ(ヴァイオリンぞく、ギター、きんなど)
  • じた中空なかぞらはこ三味線しゃみせんなど)

となるが、最初さいしょの2しゅ位相いそう幾何きかがくまとには同一どういつである。ピアノのように単一たんいついた共鳴きょうめいたいを「ひびきいた」とぶ。

共鳴きょうめいどう形状けいじょう特定とくてい周波数しゅうはすうでのするど共振きょうしんけ、幅広はばひろ音域おんいきなめらかに共鳴きょうめいさせるために、曲面きょくめん曲線きょくせんかこまれた平面へいめん構成こうせいされる。たとえばリュートウードにではいちめん平面へいめんであるが他面ためん半球はんきゅうである。まれうらばん平面へいめんであるコントラバスが存在そんざいするが、これはヴィオールぞく名残なごりであり、現在げんざいおおくが曲面きょくめんである。ギターでは表裏ひょうりいた平面へいめんであるが側板そくばん曲面きょくめんであり、さらにどう内側うちがわ部分ぶぶんてき振動しんどう抑制よくせいするような構造こうぞう(ブレーシング)で共振きょうしんてん分散ぶんさんはかっている。

共鳴きょうめいどうからはっするおと通常つうじょう楽器がっき音量おんりょうおおきな部分ぶぶんめるので、その材質ざいしつ寸法すんぽう形状けいじょう仕上しあげ、部品ぶひんとの接合せつごう具合ぐあいなどは、楽器がっき音質おんしつおおきな影響えいきょうあたえる。共鳴きょうめいどう材質ざいしつは、その適度てきど内部ないぶ損失そんしつ加工かこうのしやすさ、耐久たいきゅうせい入手にゅうしゅ容易たやすさから、薄板うすいたいたじょうにしたものがおおく、三味線しゃみせんのように一部いちぶ動物どうぶつのなめしがわ使つかったものがある。共鳴きょうめいどう最初さいしょ太鼓たいこであっただろうとかんがえられている。

構造こうぞう

[編集へんしゅう]

つる (本来ほんらいは「絃」) は、和楽わらくにおいては「いと」とばれ、古来こらい絹糸けんし羊腸ようちょうガット)などを材料ざいりょうつくられてきたが、現在げんざいでは均質きんしつせい安定あんていせい耐久たいきゅうせいなどのてんから、合成ごうせい繊維せんいナイロン)のつる使つかうことが一般いっぱんてきである。ピアノでは張力ちょうりょく非常ひじょうおおきい(1ほんたり平均へいきんやく80kgおも)ので、特殊とくしゅはがねせんミュージックワイヤー)を使つかう。低音ていおんようつるでは、質量しつりょうかせぐためにナイロンやはがね芯線しんせんまわりにどうなどの金属きんぞくせんやテープをく。エレクトリックギターなどの電気でんき楽器がっき通常つうじょう電磁でんじピックアップつる振動しんどうひろうので、てつステンレスこう)やニッケル合金ごうきんなどの磁性じせいたいでできたつる使つかう。ゴムバンドがつるとしてもちいられるれいがある[注釈ちゅうしゃく 1]

コース、ユニゾン、ふくつる

[編集へんしゅう]

つる複数ふくすうられるときかならずしもすべてちがおとたかさに必要ひつようはない。2・3ほんずつならべておなたかさのおとり、まとめて演奏えんそうすることもある。このひとぐみをユニゾンといい、ユニゾンのかずによってなんコースの楽器がっきぶ。たとえばマンドリンは2ほんずつ4コース8げん楽器がっきである。ピアノは鍵盤けんばんかず普通ふつうは88)だけコースがあるが、ちょうてい音域おんいきでは1げん1コースだが、てい音域おんいきでは2げん1コース、その音域おんいきでは3げん1コースである。

これは音量おんりょうしたり、2ほん同時どうじにはじこうとするとすこしずれて2ることなどを目的もくてきとする。

共鳴きょうめいつる

[編集へんしゅう]

おおくは演奏えんそうつるひょうばんあいだられ、直接ちょくせつかれることはないが、演奏えんそうつる特定とくていおと共鳴きょうめいしてひびきをゆたかにし残響ざんきょうたせる。シタールサロードサーランギなど、インドの楽器がっきとく発達はったつしており、また中央ちゅうおうアジアの楽器がっきにもおおいが、西洋せいよう楽器がっきにもヴィオラダモーレなど共鳴きょうめいつる楽器がっきがいくつかがられている。現代げんだいのピアノでも、ハンマーがたたかない共鳴きょうめいつるった製品せいひん市販しはんされている。また共鳴きょうめいつるたない楽器がっきでも、演奏えんそうつる開放かいほうつる共鳴きょうめいつるおなはたらきをする。

いとぐちめ・糸巻いとま

[編集へんしゅう]

つるはし楽器がっき固定こていするために、むすびつける部分ぶぶんいとぐちめ(テールピース)という。三味線しゃみせん胡弓こきゅうでは根緒ねおおといとぐち)という。

一方いっぽうぼうけて、ぼうまわすことにより張力ちょうりょくえられるようにしたものを糸巻いとまき(ペグ)という。和楽わらくでは糸巻いとまきのほか、ねじ、てんしゅ(てんじゅ)、うたて軫(てんじん)などともぶ。

ギターのようにフレットがいていたり開放かいほうつるおお使つか楽器がっきや、コントラバスのようにつる張力ちょうりょくおおきい楽器がっきでは、演奏えんそうちゅう調しらべつる安定あんていせいたかほろ調整ちょうせいがやりやすいようにウォームギア使つかった機械きかいしきのものを使つかう。

こまはしらそう

[編集へんしゅう]
ヴァイオリンのこま
ギターのしもこまいとぐちめと近接きんせつしている
電子でんしギターのこま

つる途中とちゅうつるさえ(実際じっさいにはしたからげるようなかたちになる)、つる振動しんどうちょう限定げんていするとともにつる同士どうし間隔かんかく適正てきせいたもつ(複数ふくすうつる場合ばあい部品ぶひんこま(ブリッジ)という。こまは、いとぐちめや糸巻いとまきの手前てまえけられる。とく共鳴きょうめいどうひびきばんうえけられるこまは、つる振動しんどう共鳴きょうめいどうつたえる重要じゅうようはたらきをつ。糸巻いとまがわを「上駒かみこま」、どうがわを「しもこま」ということがある。

エレキギターなどでは、しもこま位置いちかくつるごとにつるなが方向ほうこうにねじでほろ調整ちょうせいできる「イントネーション」機構きこうつものがおおい。これは、つるさえたときの張力ちょうりょく増大ぞうだいによるつるの「具合ぐあい」がつる材質ざいしつふとさによって微妙びみょうことなるため、実効じっこうてきつるちょう設計せっけい一致いっちぜず、こうフレット位置いち音程おんてい全般ぜんぱんてきにずれることを補正ほせいするためである。イントネーション機構きこうは、つるだかつるゆびばんとの距離きょり)のほろ調整ちょうせい機構きこうそなえていることがおおい。粗悪そあく製品せいひんでは、そもそもイントネーション機構きこうがなかったり、あっても音程おんていのずれが調整ちょうせい範囲はんいえていたりして、あるフレットポジション(たとえば開放かいほうつる)でおとだか正確せいかく調しらべつるしてものフレットをさえたときに音程おんていあきらかにくるっている、いわゆる「フレット音痴おんち」のことがある。

こまには、ツゲやたけ木材もくざいや、うしこつ硬質こうしつプラスティックのような、内部ないぶ損失そんしつすくなくかるくて変形へんけいしにくい材質ざいしつもちいられる。エレクトリックギターなどでは、つる振動しんどう積極せっきょくてきどうつたえる必要ひつようがあまりないことや、上記じょうきのような調整ちょうせい機構きこう容易ようい実現じつげんするために、金属きんぞくせいしもこまもちいられる。

ことのほか三味線しゃみせんでは、その音楽おんがくジャンルにより、きわめて多彩たさいかつデリケートなこまのヴァリエーションが存在そんざいする。さらに個別こべつのジャンルないにおいても、いくつもの種類しゅるいこま使用しようされる。とく地歌じうたでは、一人ひとり演奏えんそうでも、その天候てんこうきょく雰囲気ふんいきかわ具合ぐあいなどによって多数たすうこま使つかけることが普通ふつうおこなわれる。

ゆびばん勘所かんどころ

[編集へんしゅう]

つる振動しんどうちょう自由じゆうみじかくするためには、ゆびつめやそれにわるものでつるさえるが、つるさえつけるいたゆびばんという。リュートぞく楽器がっきでは、ネック(ざお)とゆびばんとが一体化いったいかしているものもおおい。

フレット、はしら琵琶びわ

[編集へんしゅう]
ギターのフレット

ゆびばんゆびつるさえつけると、ゆびつる振動しんどう吸収きゅうしゅうする。これは高音こうおんばちつるいちじるしい。このため、ゆびつる振動しんどう直接ちょくせつたらないように、ゆびばんじょうこまじょうのものをけることがおこなわれる。これをフレットといい、ギターなどでそなえている。フレットは半音はんおんきざみの間隔かんかくたれている。フレットのある楽器がっきでは、フレットをはさんで振動しんどうしないがわつるゆびさえる。琵琶びわでははしらという。

ひびきこう、fあな

[編集へんしゅう]

共鳴きょうめいどう穿ほじくった通気つうきこうひびきこうひびきぐちという。音色ねいろおおきな影響えいきょうあたえる。リュートやギターでは1個いっこ円形えんけいないし楕円だえんがたである。ヴァイオリンぞくではf字形じけいあな左右さゆう対称たいしょうに2つち、fあなぶ。琵琶びわ同様どうようだが半月はんつきがたをしており、「半月はんつき」とぶ。

たましいばしら

[編集へんしゅう]
ヴァイオリンのたましいばしら

ヴァイオリンぞく楽器がっきでは、おもていたうらばんあいだたましいばしらというはしらっていて、こまからつたえられたつる振動しんどううらばんつたえる。

ブレーシング

[編集へんしゅう]

ギターでは、ひびきいたうら複数ふくすう角材かくざいけ、うすい(やく3mm)ひびきいた補強ほきょうするとともに、固有こゆう振動しんどうすう分散ぶんさんさせて音色ねいろをまろやかにする。

琵琶びわらく琵琶びわのぞく)、三味線しゃみせんシタール、タンブーラなどでは、楽器がっき、フレット、こまなどに、つる振動しんどうしたときに一部いちぶれて「ビーン」というおとるしくみがある。これを日本にっぽんでは「さわり」(サワリ)、インドでは「ジュワリ英語えいごばん」(ジャワリ)という。

用語ようご

[編集へんしゅう]

開放かいほうつる

[編集へんしゅう]

ゆびつるさえておとえる楽器がっきにおいて、ゆびさえていない状態じょうたい開放かいほうつるという。ヴァイオリンぞく楽器がっきのようにフレットのない楽器がっきではの(ゆび振動しんどう吸収きゅうしゅうされる)おと音色ねいろちがったり、ヴィブラートがかけられないので、使用しようひかえられることがあるが、おととしては、ゆびさえておとよりも、音量おんりょうおおきく、ゆたかなおとがでるので、意図いとてき指定していして使用しようすることもある。バッハの伴奏ばんそうチェロ組曲くみきょくだい6ばんは、5げんのチェロでの演奏えんそう前提ぜんていとしており、これを現代げんだいの4げんのチェロで演奏えんそうしようとすると、本来ほんらいあるべき5番目ばんめつる開放かいほう使用しようできないので、苦労くろうすることになる。

ぎゃく三味線しゃみせんなどの和楽わらくは、開放かいほうつる音階おんかいじょう主要しゅようおん設定せってい多用たようすることがおおい。こうすることにより、演奏えんそうをしやすくしたり、共鳴きょうめいゆたかにする効果こうかがある。同様どうようれいは、西洋せいよう楽器がっきでもヴィオールなどにみられる。

調しらべつる、チューニング

[編集へんしゅう]

調しらべつるチューニングとは、糸巻いとまきでつる張力ちょうりょくえるなどして、(開放かいほうつるの)おとたかさを設定せっていすること。

作曲さっきょくしゃ指示しじなどにより、楽器がっき本来ほんらい調しらべつるほうちがおとわせることを、スコルダトゥーラという。ヴァイオリンぞくではほとんどの場合ばあいどんなきょくでもおな調ちょうつる演奏えんそうされるが、三味線しゃみせんそうにはたくさんの調しらべつる種類しゅるいがある。また途中とちゅう調しらべつるえるきょく非常ひじょうおおい。ギターでは、ほとんどの場合ばあい標準ひょうじゅんチューニングが使つかわれるが、変則へんそくチューニングをこの奏者そうしゃおおい。また、スティールギターではスライドバー使つかってつる振動しんどうちょうえるため、和音わおん音程おんていおとだかではない)が開放かいほうつるといつもおなじなので、調しらべつることなる複数ふくすうのギターをならべて演奏えんそうすることがある。

チョーキング、しゅ

[編集へんしゅう]

つる張力ちょうりょくえておとたかさをえる奏法そうほう楽器がっきによって、つるよこいたり、たてんだりする。

ピッツィカート

[編集へんしゅう]

ピッツィカートとは、ばち弦楽器げんがっきでない楽器がっきつるをはじく奏法そうほうばち弦楽器げんがっきであるギターでは、ブリッジじょうまたはそのちかくのつるじょうひら小指こゆびがわき、つる振動しんどう制限せいげんすることにより、にごったポツポツをいうおとにする奏法そうほうのこと。

ヴィブラート

[編集へんしゅう]

ヴィブラートとは、おとらす奏法そうほうつるさえるゆびなどをらして、つるちょう張力ちょうりょくゆみたりかた楽器がっき全体ぜんたい位置いちえることにより、おとだか音色ねいろおとつよしひびかた小刻こきざみに変化へんかさせる。ヴィブラートはみみには音色ねいろ変化へんかとしてとらえられることがおおい。ヴィブラートの使用しようにより、おと空間くうかんてきひびきがあたえられ、ピチカート奏法そうほうではおと持続じぞく時間じかん多少たしょうながくすることができる。また、おとだかはばができるため、音程おんていわない不快ふかいさが軽減けいげんされる。和楽わらくでは意味いみのニュアンスは若干じゃっかんことなるが「り」という。

弱音よわね

[編集へんしゅう]

ヴァイオリンぞく楽器がっきでは、こま弱音よわねけて、音色ねいろやわらげ、おとつよしよわめることがある。三味線しゃみせんには「しのこま」という弱音よわねようこまがある。

地域ちいきごとの弦楽器げんがっきとそのおおまかな歴史れきし

[編集へんしゅう]

西洋せいよう

[編集へんしゅう]

東洋とうよう

[編集へんしゅう]

日本にっぽん

[編集へんしゅう]

中国ちゅうごく

[編集へんしゅう]

モンゴル

[編集へんしゅう]

朝鮮ちょうせん

[編集へんしゅう]

インド大陸たいりく

[編集へんしゅう]

中央ちゅうおうアジア

[編集へんしゅう]

中東ちゅうとう

[編集へんしゅう]

アフリカ

[編集へんしゅう]

弦楽げんがく合奏がっそう

[編集へんしゅう]

弦楽げんがく合奏がっそうストリングス・オーケストラ)とは、弦楽器げんがっき合奏がっそう形態けいたいあるいはその形態けいたい演奏えんそうされる楽曲がっきょくのことをす。ここでいうつるとは、ヴァイオリンぞく楽器がっきのことをさす。すなわち、ヴァイオリンヴィオラチェロコントラバス編成へんせいされる。

弦楽器げんがっき合奏がっそう形態けいたいギターオーケストラマンドリンオーケストラなどがある。

さんきょく合奏がっそう

[編集へんしゅう]

江戸えど時代じだいとうみちぞくする盲人もうじん音楽家おんがくか専門せんもんとした三種さんしゅ弦楽器げんがっきである地歌じうた三味線しゃみせんそう胡弓こきゅう総称そうしょうしてさんきょくび、またこれらの音楽おんがくのこともした。またさんきょくによる合奏がっそうさんきょく合奏がっそうぶ。幕末ばくまつ明治めいじ以降いこう尺八しゃくはち参入さんにゅうし、現在げんざい三味線しゃみせんそう尺八しゃくはち編成へんせいおこなわれることがおおいが、本来ほんらい胡弓こきゅう合奏がっそうおこなわれている。

脚注きゃくちゅう

[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく

[編集へんしゅう]
  1. ^ 芸術げいじゅつユニットの明和めいわ電機でんきが「ゴムベース」とつるにゴムバンドをもちいたアコースティックフレットレスベースを独自どくじ製作せいさくし、音楽おんがく作品さくひんにおいて使用しようしている。「ゴムベース」はのちにスピーカーをそなえて市販しはんした。99ねんにはボディをエレキベースふうにした「ゴムベースII」も製作せいさく

出典しゅってん

[編集へんしゅう]