打だ鐘かね

打だ鐘かね（だしょう）とは、鐘かねを打うつこと、またその鐘かねのことを指さす。特とくに日本にっぽんの競輪けいりん競走きょうそうでのものを指さす。

競輪けいりん競走きょうそうの打だ鐘かね

ベル型かた（岸和田きしわだ競輪けいりん場じょう、2013年ねん）

日本にっぽんの競輪けいりん競走きょうそうにおいて、ゴールまで間あいだもなく残のこり1周しゅうであることを選手せんしゅ・観客かんきゃくに周知しゅうちさせるため、審判しんぱん係員かかりいんがゴール1周しゅう半はん前まえから1周しゅう前まえにかけて手動しゅどうで鐘かねを打うち鳴ならすことを言いう。「ジャン、ジャン」と音おとが鳴なるから（聞きこえるから）、ジャンとも呼よばれている。残のこり1周しゅう半はんで「ジャン」「ジャンが入はいる」と言いわれるが、関西かんさい以西いせいでは「カネ（鐘かね）」「カネが入はいる」などがよく使つかわれる。

係員かかりいんは、先頭せんとうの選手せんしゅがバックストレッチ（BS）を通過つうか（残のこり1周しゅう半はん）した瞬間しゅんかんからゆっくりと打うち鳴ならし始はじめ、競走きょうそうのペースが上あがるに合あわせて打うち鳴ならす回数かいすうを増ふやしていき、先頭せんとうの選手せんしゅが概おおむね4コーナーからホームストレッチ（HS）にかけて通過つうかするタイミングで連打れんだし、先頭せんとうの選手せんしゅがHSを通過つうか（残のこり1周しゅう）する瞬間しゅんかんに一瞬いっしゅんだけ間あいだを空あけて、最後さいごに大おおきく1回かい鐘かねを叩たたく。そのため、333mバンクでは短みじかい間隔かんかくで多おおく鳴ならされる一方いっぽう、500mバンクでは最初さいしょはゆっくりと鐘かねが叩たたかれる（特とくにガールズケイリンは、500mバンクでは最終さいしゅうHSまで誘導ゆうどう員いんより先さきに出でることができないため、かなり打だ鐘かねが間延まのびしている）。

初期しょきの頃ころは、最さい後尾こうびの選手せんしゅがHSを通過つうかするタイミングで最後さいごに大おおきく1回かい叩たたいていた（映画えいが『女おんな競輪けいりん王おう』）。

特徴とくちょう的てきな打だ鐘かね

高知こうち競輪けいりん場じょう（銅鑼どら）以外いがいの競輪けいりん場じょうでは、半鐘はんしょう（木き槌づちを使用しよう）やベル型かたを用もちいており、ミッドナイト競輪けいりんにおいては近隣きんりんへの影響えいきょうを考慮こうりょして消音しょうおん対応たいおうもなされている。

TIPSTAR DOME CHIBAにて行おこなわれている250競走きょうそう「PIST6」では、鐘かねは打うたずベルを鳴ならしている。

競艇きょうていでの打だ鐘かね

競艇きょうていでも、丸亀まるがめ競艇きょうてい場じょう、常滑競艇とこなめきょうてい場じょうでは、競輪けいりん同様どうように打だ鐘かねを鳴ならしている。

証券しょうけん取引とりひき所しょでの打だ鐘かね

日本にっぽんの証券しょうけん取引とりひき所しょでは、東証とうしょうArrowsに鐘かねが設置せっちされており、新あらたに上場じょうじょうした企業きぎょうが行おこなう「上場じょうじょうセレモニー」にて、打だ鐘かねを行おこなうことが定番ていばんとなっている。5回かい鐘かねを打うち鳴ならすが、これは「五穀豊穣ごこくほうじょう」に由来ゆらいしている。

このほか、証券しょうけん取引とりひき所しょの新年しんねん初日しょにちの営業えいぎょう日び「大発会だいはっかい」、最終さいしゅう営業えいぎょう日び「大納会だいのうかい」の催事さいじの際さいにも打だ鐘かねが行おこなわれる。

もともとは1928年ねんに東京とうきょう株式かぶしき取引とりひき所しょの市場いちば会館かいかん塔屋とうやに設置せっちされ、立会たちあい開始かいし電鈴でんれいとして立会たちあい開始かいしの合図あいずとして1935年ねん頃ごろまで使用しようされていたものである。

ニューヨーク証券しょうけん取引とりひき所しょ（NYSE）でも、取引とりひき開始かいし・終了しゅうりょう時じにそれぞれ鐘かねを鳴ならす慣習かんしゅうがあり、特とくに当日とうじつに新規しんき上場じょうじょうする銘柄めいがらがある場合ばあいは、取引とりひき開始かいし時じに当該とうがい銘柄めいがらの関係かんけい者しゃが鐘かねを鳴ならすためのスイッチを押おす習ならわしとなっている。