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指物さしもの

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

指物さしもの(さしもの)[1]

  1. いたわせてつくられた家具かぐ器具きぐ総称そうしょう、またはその技法ぎほうほんこう詳述しょうじゅつ
  2. かみにさす装身具そうしんぐかみかざり)の総称そうしょうかんざし(かんざし)くし(くし)参照さんしょう
  3. 戦国せんごく時代じだい以降いこう武士ぶしが、自身じしん存在そんざい所属しょぞく職階しょっかいなどをしめすためにしているはたかざり。こしすものを「こしゆび(こしざし)」とぶが、一般いっぱんてきには、戦国せんごく時代じだい後半こうはん定着ていちゃくした背中せなかすものを[2]旗指物はたさしもの(はたさしもの)。馬印うまじるし参照さんしょう

概要がいよう

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指物さしもの(さしもの)とは、くぎなどの接合せつごう道具どうぐ使つかわずに、わせてつくられた家具かぐ建具たてぐ調度ちょうどひんなどの総称そうしょうであり、また、その技法ぎほうをもす。

日本語にほんごによる狭義きょうぎでは、日本にっぽん伝統でんとう工芸こうげいひん指物さしものおよびその技法ぎほうのみをす。

日本にっぽん指物さしもの

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日本にっぽんでいう「指物さしもの」の由来ゆらいについては諸説しょせつあるが、ホゾやによってざいむことを「す」といい、また「物指ものさ」をもちいて細工ざいくするからともいわれる。指物さしもの技術ぎじゅつしゃ日本にっぽんでは指物師さしものしぶ。

日本にっぽんにおいて伝統でんとうてき指物さしものにはいくつかの流派りゅうはともべるものが存在そんざいするが、とく京都きょうときょう指物さしもの東京とうきょうきゅう江戸えど)の江戸えど指物さしもの大阪おおさか大阪おおさか唐木とうぼく指物さしもの有名ゆうめいである。

きょう指物さしもの

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平安へいあん時代じだい貴族きぞく文化ぶんか起源きげん[3]きょう指物さしものは、室町むろまち時代ときよ以降いこう、これを専門せんもんとする職人しょくにん指物師さしものし)があらわ[3]、その茶道さどう文化ぶんかとともに発展はってんしていった[3]

朝廷ちょうてい公家くげおも使用しようしたことから優雅ゆうが精緻せいち細工ざいく特徴とくちょう無垢むくばん(むくいた)をもちいた箪笥たんすかざだなつくえなどの高級こうきゅう家具かぐのほか[3]きりすぎけやきくわなどの素材そざいかしたはこぶついたぶつ・挽物(ひきもの)・きょくぶつ(まげもの)などの茶道具ちゃどうぐがある[3]1976ねん昭和しょうわ51ねん)6がつ2にちきょう指物さしもの木工もっこうひんとして経済けいざい産業さんぎょう大臣だいじん指定してい伝統でんとうてき工芸こうげいひん指定していけた[3]現代げんだい主要しゅよう製造せいぞう地域ちいき京都きょうとのみ[3]

江戸えど指物さしもの

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江戸えど時代じだい徳川とくがわ幕府ばくふ全国ぜんこくからおおくの職人しょくにんび、職人しょくにんまちおこ手工業しゅこうぎょう発達はったつさせた。江戸えど神田かんだ日本橋にほんばし周辺しゅうへん大工だいくまち鍛冶かじまち紺屋こんやまちなど[4]江戸えど時代じだい中頃なかごろまれた指物師さしものしは、消費しょうひ生活せいかつ発達はったつにつれて大工だいくしょく仕事しごとならぶつ(ひものし)・戸障子としょうじ宮殿きゅうでんなどとおな細分さいぶんひとつといわれる[4]

江戸えど発展はってんした江戸えど指物さしものは、武家ぶけ町人ちょうにん商人しょうにんによく使用しようされた。その風土ふうどゆえに華美かび細工ざいくこのまれず、素材そざい木目もくめうつくしさをかした淡泊たんぱく木目もくめしぶあじわせたうるしりがこのまれた。 1997ねん平成へいせい9ねん)5がつ14にち江戸えど指物さしもの木工もっこうひんとして経済けいざい産業さんぎょう大臣だいじん指定してい伝統でんとうてき工芸こうげいひん指定していけた[4]現代げんだい主要しゅよう製造せいぞう地域ちいきは、東京とうきょう台東たいとう荒川あらかわ足立あだち葛飾かつしか江東こうとう[4]である。

大阪おおさか唐木とうぼく指物さしもの

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起源きげん奈良なら時代じだい遣唐使けんとうしつうじて日本にっぽんつたえられたから木製品もくせいひんといわれる[5]中国ちゅうごくよりつたえられためずらしい使つかわれていたため、「とう」をもちいたしなであるとして「唐木とうぼく(からき)」とび、それが「唐木からき指物さしもの」のもととなったとかんがえられている[5]安土あづち桃山ももやま時代じだい茶道さどう書院造しょいんづく発展はってん普及ふきゅうとともに産地さんち形成けいせいされてゆく。江戸えど時代じだいはいると唐木とうぼくざいすべ長崎ながさきはこまれ、大坂おおさか大阪おおさか)の薬種やくしゅ問屋とんやがこれをけた[5]

大阪おおさか唐木とうぼく製品せいひんは、現在げんざい生活せいかつ様式ようしき沿うように工夫くふう改良かいりょうがされている[5]うるし[注釈ちゅうしゃく 1]かさね、仕上しあげられるかがみのような光沢こうたくのある表面ひょうめんと、重厚じゅうこう存在そんざいかんのある唐木とうぼく特徴とくちょう1977ねん昭和しょうわ52ねん)10がつ14にち大阪おおさか唐木とうぼく指物さしもの木工もっこうひんとして経済けいざい産業さんぎょう大臣だいじん指定してい伝統でんとうてき工芸こうげいひん指定していけた[5]現代げんだい主要しゅよう製造せいぞう地域ちいきとしては、大阪おおさかのほか、兵庫ひょうごけん姫路ひめじひとし奈良ならけん奈良ならひとし和歌山わかやまけん有田ありた福井ふくいけん越前えちぜんきゅう武生たけおいきがある[5]

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ 大辞林だいじりん だい3はんより うるしとも。けてえるほどうるしうす技法ぎほう木目もくめうつくしさをす。

出典しゅってん

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  1. ^ 指物さしもの - デジタル大辞泉だいじせんコトバンク
  2. ^ 指物さしもの - ブリタニカ国際こくさいだい百科ひゃっか事典じてん しょう項目こうもく事典じてん日本にっぽんだい百科全書ひゃっかぜんしょ(コトバンク)
  3. ^ a b c d e f g きょう指物さしもの”. 公式こうしきウェブサイト). 全国ぜんこく伝統でんとうてき工芸こうげいひんセンター. 2012ねん4がつ12にち閲覧えつらん
  4. ^ a b c d 江戸えど指物さしもの”. 公式こうしきウェブサイト). 全国ぜんこく伝統でんとうてき工芸こうげいひんセンター. 2012ねん4がつ12にち閲覧えつらん
  5. ^ a b c d e f 大阪おおさか唐木とうぼく指物さしもの”. 公式こうしきウェブサイト). 全国ぜんこく伝統でんとうてき工芸こうげいひんセンター. 2012ねん4がつ12にち閲覧えつらん

関連かんれん項目こうもく

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