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流星りゅうせい物質ぶっしつ

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

流星りゅうせい物質ぶっしつ(りゅうせいぶっしつ、meteoroid[1])または流星りゅうせいたい[2]は、地球ちきゅう大気圏たいきけん流星りゅうせい現象げんしょうこす原因げんいんとなる物質ぶっしつである。2017ねん4がつ30にち国際こくさい天文学てんもんがく連合れんごう (IAU) の流星りゅうせい隕石いんせき惑星わくせいあいだちり委員いいんかい承認しょうにんした定義ていぎでは、直径ちょっけいがおよそ30μみゅーmから1mの固体こたいかつ天然てんねん物質ぶっしつで、惑星わくせいあいだ空間くうかん移動いどうしたり惑星わくせいあいだ空間くうかんから飛来ひらいしたりするものとされている[3]

概要がいよう

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流星りゅうせい物質ぶっしつ地球ちきゅう大気たいき突入とつにゅうすると、衝撃波しょうげきはによる加熱かねつのため高温こうおんとなり、部分ぶぶんてきに、あるいは完全かんぜん気化きかし、さらに一部いちぶ電離でんりしてプラズマとなる。流星りゅうせい物質ぶっしつ軌跡きせき沿った部分ぶぶん大気たいき同様どうよう高温こうおんとなり、電離でんりしてプラズマとなる。これらプラズマ物質ぶっしつさい結合けつごうするさい発光はっこうし、これが流星りゅうせいばれる。

典型てんけいてき流星りゅうせいは、あかるさが2等級とうきゅう程度ていどで、地上ちじょうやく100 km大気たいきちゅう発光はっこうする。このことから、流星りゅうせい絶対ぜったいてき光度こうどは100 W 程度ていどであることがかる。これは自動車じどうしゃのヘッドライト程度ていどあかるさに相当そうとうする。また、地上ちじょう複数ふくすう観測かんそく地点ちてんから同一どういつ流星りゅうせい同時どうじ観測かんそくしたデータから、流星りゅうせい対地たいち速度そくどは10 - 70 km/s見積みつもられている。このことから、流星りゅうせい物質ぶっしつ直径ちょっけいすうcm以下いかで、こおりまたは岩石がんせき程度ていど密度みつどち、かずg以下いか質量しつりょう物質ぶっしつであるとかんがえられている。また一般いっぱんくら流星りゅうせいほどおお出現しゅつげんすることから、ちいさな流星りゅうせい物質ぶっしつほどかずおおいとかんがえられる。

流星りゅうせい物質ぶっしつ直接ちょくせつ採取さいしゅされたれいはこれまでないが、候補こうほ物質ぶっしつ採取さいしゅされている。流星りゅうせい物質ぶっしつ放出ほうしゅつげんひとつとかんがえられているのが彗星すいせいであるが、2004ねん彗星すいせい探査たんさスターダスト彗星すいせいちり採取さいしゅし、2006ねん地球ちきゅうかえった。しかし、これを惑星わくせいあいだちりとなる物質ぶっしつうことはできても、流星りゅうせいになる以前いぜん流星りゅうせい物質ぶっしつであると断言だんげんすることはできない。

なお、「流星りゅうせい物質ぶっしつ一部いちぶ蒸発じょうはつしないまま地上ちじょう落下らっかしたものを隕石いんせきぶ」という記述きじゅつがしばしばられるが、流星りゅうせい物質ぶっしつ隕石いんせき起源きげんかならずしもおなじとはえないので、このような記述きじゅつけるほう賢明けんめいであろう(隕石いんせき参照さんしょう)。

流星りゅうせい物質ぶっしつ起源きげん

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流星りゅうせい物質ぶっしつおおくは過去かこ彗星すいせいから放出ほうしゅつされたちりであるとかんがえられるが、小惑星しょうわくせい起源きげんのものもあるらしい。ちりはは天体てんたい軌道きどう付近ふきん帯状おびじょう分布ぶんぷし、軌道きどう運動うんどうおこなっている。このちりおびダストトレイルぶ。ダストトレイルが地球ちきゅう公転こうてん軌道きどう交差こうさする場合ばあいには、おおくの流星りゅうせい物質ぶっしつ地球ちきゅう大気たいき突入とつにゅうして流星りゅうせいぐんられることになる。

はは天体てんたいから放出ほうしゅつされてからかなり時間じかんったちり次第しだい拡散かくさんして黄道こうどうめんじょうひろ分布ぶんぷするようになる。こういったふるちり惑星わくせいあいだちりとして黄道こうどうこう原因げんいんとなる。このようなちり地球ちきゅう大気たいき突入とつにゅうすると散在さんざい流星りゅうせいとして観測かんそくされる。

脚注きゃくちゅう

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出典しゅってん

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  1. ^ 流星りゅうせい世界せかい”. くれかまがり天体てんたい観測かんそくかん. 2019ねん6がつ5にち閲覧えつらん
  2. ^ 流星りゅうせい”. 天文学てんもんがく辞典じてん. 日本にっぽん天文てんもん学会がっかい (2018ねん8がつ12にち). 2019ねん6がつ5にち閲覧えつらん
  3. ^ Definitions of terms in meteor astronomy”. 流星りゅうせい隕石いんせき惑星わくせいあいだちり委員いいんかい. 国際こくさい天文学てんもんがく連合れんごう (2017ねん). 2019ねん6がつ4にち閲覧えつらん

関連かんれん項目こうもく

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