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特例とくれい判事はんじ

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

特例とくれい判事はんじ(とくれいはんじほ)とは判事はんじ種類しゅるいひとつ。

概要がいよう

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判事はんじ職権しょっけん特例とくれいとうかんする法律ほうりつにより、1948ねん7がつ12にち以降いこうにおいて、法律ほうりつ専門せんもん[ちゅう 1]経験けいけんが5ねん以上いじょう判事はんじなかから、最高裁判所さいこうさいばんしょ指名しめいすることによって、判事はんじ同等どうとう権限けんげんゆうする判事はんじ特例とくれい判事はんじぶ。

経験けいけん不足ふそくしている判事はんじ本来ほんらい単独たんどくしんおこなうことはみとめられず、合議ごうぎたいに2にん同時どうじくわわることや裁判さいばんちょうになることはできず、司法しほう行政ぎょうせいかかわる裁判官さいばんかん会議かいぎ構成こうせいいんではない。

しかし、特例とくれい判事はんじ名前なまえとお特例とくれいてき判事はんじとしてあつかわれ、単独たんどくしん担当たんとうすることがみとめられ、合議ごうぎたいに2にん同時どうじくわわることや裁判さいばんちょうになることもでき、司法しほう行政ぎょうせいかかわる裁判官さいばんかん会議かいぎ構成こうせいいんである。

1948ねん7がつ12にちから1957ねん4がつ30にちまでは地方裁判所ちほうさいばんしょまた家庭かてい裁判所さいばんしょ配属はいぞくされている判事はんじ地方裁判所ちほうさいばんしょ判事はんじ職務しょくむ家庭かてい裁判所さいばんしょ判事はんじ職務しょくむおこなうことができるだけだったが、1957ねん5月1にち以降いこう高等こうとう裁判所さいばんしょ裁判さいばん事務じむ取扱とりあつかいじょうとく必要ひつようがあるときは、その高等こうとう裁判所さいばんしょ管轄かんかつ区域くいきない地方裁判所ちほうさいばんしょまた家庭かてい裁判所さいばんしょ配属はいぞくされている特例とくれい判事はんじ高等こうとう裁判所さいばんしょ判事はんじ職務しょくむおこなわせることができるようになった。ただし、高等こうとう裁判所さいばんしょにおいては特例とくれい判事はんじ合議ごうぎたい2人ふたり以上いじょうくわわったり裁判さいばんちょうになることはできない。

なお、特例とくれい判事はんじはあくまで職権しょっけんにおいて判事はんじ同等どうとうという制度せいどであるにまり、給与きゅうよ形態けいたいについては裁判官さいばんかん報酬ほうしゅうほうにより、判事はんじ判事はんじことなる区分くぶんとなっており、特例とくれい判事はんじであっても判事はんじとしての裁判官さいばんかん報酬ほうしゅうとなっている。

終戦しゅうせん直後ちょくご判事はんじ欠員けついんおおかったことから制度せいど導入どうにゅうされた。2001ねん時点じてんでも「支部しぶふくめた全国ぜんこく裁判所さいばんしょ円滑えんかつ裁判さいばんおこなうために不可欠ふかけつ制度せいど」という最高裁さいこうさい幹部かんぶこえもあり、判事はんじ不足ふそくのために地裁ちさい家裁かさい裁判官さいばんかんやく半数はんすう特例とくれい判事はんじまかなわれているという実情じつじょうがある[1]

一方いっぽうで、特例とくれい判事はんじ制度せいどについて司法しほう制度せいど改革かいかく審議しんぎかいで「6ねんからいち人前にんまえというあつかいははやすぎる」という批判ひはんとうがある[1]

最高裁さいこうさい特例とくれい判事はんじ制度せいど改革かいかく検討けんとうし、ドイツフランスでは任官にんかん直後ちょくごでも裁判官さいばんかん権限けんげん制限せいげんされていないことや「廃止はいし事件じけん処理しょりおおきな支障ししょうきたし、現実げんじつてきではないが、経験けいけんゆたかさは重要じゅうよう」として特例とくれいになる年限ねんげん現任げんにんのままにし、単独たんどく事件じけんにあたる年限ねんげんを1、2ねんばす方針ほうしん2001ねん2がつ18にち決定けっていした[1]

2010ねん3がつ時点じてん最高裁さいこうさい事務じむ総局そうきょくによると、東京とうきょう大阪おおさか名古屋なごやという都市とし地裁ちさい本庁ほんちょう判事はんじ補任ほにんかん7ねんまたは8ねんから特例とくれい判事はんじとする目標もくひょうはほぼ達成たっせいされたが、地方ちほう地裁ちさい本庁ほんちょう支部しぶとうでは判事はんじ補任ほにんかん6ねんまたは7ねんものふく特例とくれい判事はんじによって単独たんどく訴訟そしょう事件じけん処理しょりささえているとしている[2]

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ 判事はんじおぎなえ簡易かんい裁判所さいばんしょ判事はんじ検察官けんさつかん弁護士べんごし裁判所さいばんしょ調査官ちょうさかん司法研修所しほうけんしゅうしょ裁判所さいばんしょ職員しょくいん総合そうごう研修けんしゅうしょ教官きょうかん大学院だいがくいん大学だいがく法律ほうりつがく教授きょうじゅじゅん教授きょうじゅ。また、判事はんじ大学院だいがくいん大学だいがく法律ほうりつがく教授きょうじゅじゅん教授きょうじゅ以外いがい司法しほう修習しゅうしゅうえたのち年数ねんすうかぎっている。

出典しゅってん

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  1. ^ a b c 最高裁さいこうさいがきょう提案ていあん 特例とくれい判事はんじ 移行いこう1-2ねん延長えんちょう 単独たんどく裁判さいばん経験けいけん重視じゅうし」『産経新聞さんけいしんぶん産経新聞さんけいしんぶんしゃ、2001ねん2がつ19にち
  2. ^ 2010ねん3がつ12にち衆議院しゅうぎいん法務ほうむ委員いいんかいにおける大谷おおや直人なおと最高さいこう裁判所さいばんしょ事務じむ総局そうきょく人事じんじ局長きょくちょう答弁とうべん