画像がぞう

画像がぞう（がぞう）とは、事象じしょうを視覚しかく的てきに媒体ばいたいに定着ていちゃくさせたもので、そこから発展はってんした文字もじは含ふくまない(例れい：文字もじと画像がぞう、書画しょが)。定着ていちゃくされる媒体ばいたいは主おもに2次元じげん平面へいめんの紙かみであるが、金属きんぞく、石いし、木き、竹たけ、布ぬの、樹脂じゅしや、モニター・プロジェクター等ひとしの出力しゅつりょく装置そうちがある。また、3次元じげんの貼はり絵え、ホログラフィー等ひとしも含ふくまれる。

歴史れきし[編集へんしゅう]

現存げんそんする古ふるい画像がぞうは後期こうき旧石器時代きゅうせっきじだいの洞窟どうくつ壁画へきが(スペインの《アルタミラ洞窟どうくつ壁画へきが》(全文ぜんぶん：La Cueva de Altamira(Museo de Altamira)^[1]や、フランス《ラスコー洞窟どうくつ壁画へきが》(書しょ影かげ：三浦みうら定じょう俊しゅん(2008)^[2])。)等とう)である。これらの画像がぞうすなわち、岩いわ面めん画がから抽象ちゅうしょう化かが行おこなわれ、画像がぞうに属ぞくするピクトグラム(絵文字えもじ)、さらに文字もじに属ぞくする象形しょうけい文字もじが生うまれた。

語源ごげん[編集へんしゅう]

画がの語源ごげんは「界さかい」(田たは四よっつの境界きょうかい)や、「形かたち」である(書しょ影かげ：『康かん煕ひろし字典じてん網もう上じょう版ばん』p.763^[3])。
像ぞうの語源ごげんは、形象けいしょう、音像おんぞうである(書しょ影かげ：『康かん煕ひろし字典じてん網もう上じょう版ばん』p.116^[4])。

同義語どうぎご[編集へんしゅう]

同義語どうぎごに図ず、絵え（画が）、図像ずぞうがあり、限定げんてい表現ひょうげんである図形ずけい、影像えいぞう、映像えいぞう等とうがある。

用語ようご「画像がぞう」の分類ぶんるい[編集へんしゅう]

様式ようしきや精神せいしん的てきな形象けいしょうには「図ず」（英語えいごのImage）や「絵え（画が）」を使用しようしている（例れい：心象しんしょう図ず、物語ものがたり絵え、肖像しょうぞう画が、「絵えになる」）。
点てん・線せん・面めんなど幾何きか学がく的てきな表現ひょうげんにグラフや図形ずけいが使用しようされている。
定着ていちゃくする方法ほうほうによる区分くぶん：直接ちょくせつ描えがく描画びょうが、一時いちじ的てき定着ていちゃくである鏡かがみや水面すいめんの反射はんしゃやカメラオブスキュラ、版はんを作つくり転写てんしゃする版画はんが、カメラや望遠鏡ぼうえんきょう、顕微鏡けんびきょう等ひとしの光学こうがくデバイスを利用りようした写真しゃしん、印刷いんさつ、モニター入出力にゅうしゅつりょく等とうがある。写真しゃしんで出力しゅつりょくした画像がぞうは「影像えいぞう」という。映画えいがやテレビ等ひとしに映うつした画像がぞうは「映像えいぞう」という。デジタルカメラの普及ふきゅうでアナログ画像がぞうとデジタル画像がぞうの用語ようごも一般いっぱん化かした。
時間じかんを基準きじゅんとすると、静止せいし画が、動画どうがに分類ぶんるいされ、静止せいし画が動画どうがはモーションピクチャーという。画像がぞうは一般いっぱんに静止せいし画像がぞうをいうことが多おおい。
色いろ数かずからはモノクローム、カラーに分類ぶんるいされる。
オリジナル画像がぞうを原画げんが、原図げんずといい、版はんとして定着ていちゃくした画像がぞうを図版ずはん、電子でんし媒体ばいたいに定着ていちゃくしたものを電子でんし画像がぞう、電子でんし影像えいぞう（図書としょの影像えいぞうは書しょ影かげ）という。
粗密そみつや解像度かいぞうどからは、あいまい表現ひょうげんだが、精密せいみつ画像がぞう、高こう精細せいさい画像がぞう、低てい解像度かいぞうど画像がぞう等ひとしが使用しようされる。

画像がぞうファイル[編集へんしゅう]

コンピュータグラフィックスのファイル形式けいしき: ビットマップ画像がぞう（ラスターグラフィックス）とジャギーのないベクターグラフィックスに分類ぶんるいされ、ベクターグラフィックは用語ようご「図形ずけい」を使用しようする場合ばあいが多おおい。
標準ひょうじゅん画像がぞうファイルフォーマット: 多数たすうの画像がぞうファイル形式けいしきがあるが、W3Cが推奨すいしょうしたラスター形式けいしきにはJPEGやPNG等ひとしがあり、ベクター形式けいしきにはXMLベースのテキストファイルで表現ひょうげんできるSVGがある。また、アドビのベクター形式けいしきドキュメントファイルPDFも国際こくさい規格きかくISO 32000-1:2008^[5]となった。

画像がぞうの単位たんい[編集へんしゅう]

コンピュータで扱あつかう画像がぞうデータの最少さいしょう単位たんいを画素がそという。物理ぶつり的てきな点てん情報じょうほうをドットといい、1インチあたりのドット密度みつどをdpiという。

画像がぞうの要素ようそ: 明度めいど、彩いろどり度ど、輝度きど、透過とうか度ど等ひとしがある。
色いろの表現ひょうげん: 異ことなるデバイスで色いろ表現ひょうげんが異ことならないよう、カラーマネージメントシステムで各かくデバイスを制御せいぎょする必要ひつようがある。; 色いろの合成ごうせい方法ほうほうには加法かほう混合こんごう（透過とうか光こうの三原色さんげんしょく、例れい：モニター画面がめんのRGB値ね）、減法げんぽう混合こんごう（反射はんしゃ光こうの三原色さんげんしょく、例れい：カラー印刷いんさつなどのCMYK）などいくつかがある。
画像がぞう圧縮あっしゅく: Web画像がぞうは通信つうしん速度そくどをあげるため、一般いっぱんに画像がぞう圧縮あっしゅくしたり、画像がぞうサイズを縮小しゅくしょうしたカタログ用ようのサムネイルやプログレッシブJPEGを使用しようする場合ばあいが多おおい。

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

^ Museo_de_Altamira
^ 三浦みうら定じょう俊しゅん「ラスコー洞窟どうくつ壁画へきがの保存ほぞん状じょう況きょう」（高松たかまつ塚づか古墳こふん壁画へきが劣化れっか原因げんいん調査ちょうさ検討けんとう会かい（第だい５回かい）資料しりょう/文化庁ぶんかちょう所収しょしゅう）
^ 『康かん煕ひろし字典じてん網もう上じょう版ばん』763頁ぺーじ
^ 『康かん煕ひろし字典じてん網もう上じょう版ばん』116頁ぺーじ
^ Document management -- Portable document format / ISO Store

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

『映像えいぞう革命かくめいCG―コンピュータ・グラフィックスで社会しゃかい、芸術げいじゅつ、産業さんぎょうが変かわる』 ISBN 978-4872463040