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いた

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

いた(いたみわけ)は相撲すもうにおける、勝負しょうぶ判定はんてい結果けっかのひとつである。

解説かいせつ

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取組とりくみちゅうにどちらか一方いっぽうまたは双方そうほう力士りきし負傷ふしょう病気びょうき悪化あっかなどのために、そのなおなどで取組とりくみ継続けいぞく不可能ふかのうになったときに宣告せんこくされるものである。日本にっぽん相撲すもう協会きょうかい発行はっこう星取表ほしとりひょうでは戦前せんぜんまでは引分ひきわけ区別くべつされず「×」しるし表記ひょうきされたが、戦後せんごになって「△」のしるし表記ひょうきされるようになった。戦前せんぜん資料しりょうによっては一部いちぶ取組とりくみが「やめあずか」の表現ひょうげんになっている場合ばあいがある。21世紀せいきはいってからはいたけが適用てきようされたれいは1れいもない。幕内まくうちでは、1958ねん昭和しょうわ33ねん)9がつ場所ばしょ4にち鳴門なるとかい若葉わかばさん対戦たいせん最後さいごである。じゅうりょうでは、1964ねん昭和しょうわ39ねん11月場所ばしょ7にちみやはしら清乃きよのもりとの対戦たいせん最後さいごである。幕下まくした以下いかでは平成へいせいはいってからも3れいあるが、1999ねん平成へいせい11ねん)1がつ場所ばしょ14にちじょだんそうなみしゅうにしき対戦たいせん最後さいごとなっている。

なお、2005ねん平成へいせい17ねん5月場所ばしょ7にちでは、じゅうりょう同士どうし五城ごじょうろうたいきん春日しゅんじつ取組とりくみで、きん春日しゅんじつ土俵際どひょうぎわとしに、五城ごじょうろうみぎひざいためてしまう。この一番いちばん物言ものいいたのちなお判定はんていとなった。だが、五城ごじょうろうひざ激痛げきつうがること出来でき相撲すもうれない状態じょうたいで、審判しんぱん委員いいんたちなおしについては五城ごじょうろう棄権きけんと、きん春日しゅんじつ出場しゅつじょう確認かくにんした。結局けっきょくこの取組とりくみきん春日しゅんじつ不戦勝ふせんしょう五城ごじょうろう不戦敗ふせんぱいとなった。さらに五城ごじょうろうは、よく8にちはるやませんみぎひざ負傷ふしょう回復かいふくしないために不戦敗ふせんぱい、2にち連続れんぞくでの不戦敗ふせんぱいというちん記録きろくとなった。

過去かこのケースであれば、この五城楼対琴春日戦の場合ばあい両者りょうしゃに「いたけ」と宣告せんこくされていた。しかし、「かた力士りきし相撲すもうれるのに、かた力士りきしだいケガなどにより相撲すもうれないからとの理由りゆうで、勝敗しょうはいをつけずに『いたけ』とするのはおかしい」という意見いけん相撲すもう協会きょうかいないおおていたこともあり、現在げんざいではこの場合ばあい「(かくかた力士りきしの)不戦勝ふせんしょう不戦敗ふせんぱい」とそれぞれ判定はんていすることとなった。そのために、今後こんご大相撲おおずもうで「いたけ」と判定はんていされることは、双方そうほう怪我けが病状びょうじょう悪化あっかとう事情じじょう取組とりくみ不可能ふかのうにならないかぎり、まずこらなくなると予想よそうされる。

過去かこには1987ねん昭和しょうわ62ねん3がつ場所ばしょの8にち大関おおぜききた天佑てんゆう関脇せきわけ当時とうじ)・小錦こにしき対戦たいせんで、土俵際どひょうぎわもつれた相撲すもうになるが、審判しんぱんいんらの判断はんだんなおしとなった。しかしそのとききた天佑てんゆうしょうにしきぜん体重たいじゅうがまともにひざにのしかって負傷ふしょうするも、いたけは宣告せんこくされずになおしとなった。そのなおしの相撲すもうでは、きた天佑てんゆうひざやめがっているのをさっした小錦こにしきが、きた天佑てんゆうのケガをかばいながらそっとって勝利しょうりしたことがあった。この取組とりくみ「この状況じょうきょうならばなおしではく、いたけを適用てきようすべきではなかったか」と、議論ぎろんになったことがある。きた天佑てんゆうよく9にちから途中とちゅう休場きゅうじょう公傷こうしょう当時とうじ現在げんざい廃止はいし)が認定にんていされた。

2018ねん5月場所ばしょ10にちりゅうでんきた勝富かつとみ一番いちばん幕内まくうち60ねんぶりのいたけになりかけたが、けい4いで成立せいりつした[1]

比喩ひゆてき用法ようほう

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上記じょうきからてんじて、あらそごと決着けっちゃくがつかず、かつ双方そうほうともおおきな痛手いたでともなったものは「いたけ」と表現ひょうげんされる。

ボクシングなどの格闘技かくとうぎにおいて偶然ぐうぜんのバッティングによるけ、すなわち負傷ふしょうドローを「いたけ」と表現ひょうげんすることもある[2]

脚注きゃくちゅう

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関連かんれん項目こうもく

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