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石炭 せきたん (せきたん、英語 えいご : coal )とは、太古 たいこ (数 すう 千 せん 万 まん 年 ねん ~数 すう 億 おく 年 ねん 前 まえ )の植物 しょくぶつ が完全 かんぜん に腐敗 ふはい 分解 ぶんかい する前 まえ に地中 ちちゅう に埋 うず もれ、そこで地熱 じねつ や地 ち 圧 あつ を長期間 ちょうきかん 受 う けて変質 へんしつ (石炭 せきたん 化 か )したことにより生成 せいせい した物質 ぶっしつ の総称 そうしょう 。見方 みかた を変 か えれば植物 しょくぶつ 化石 かせき でもある[1] 。
化石 かせき 燃料 ねんりょう の一 ひと つとして火力 かりょく 発電 はつでん や製鉄 せいてつ などに使 つか われるが、燃焼 ねんしょう 時 とき に温暖 おんだん 化 か ガス である二酸化炭素 にさんかたんそ (CO2 )を大量 たいりょう に排出 はいしゅつ する。このため地球 ちきゅう 温暖 おんだん 化 か 抑制 よくせい のため石炭 せきたん の使用 しよう 削減 さくげん が求 もと められている一方 いっぽう で、2021年 ねん 時点 じてん で74億 おく トンの世界 せかい 需要 じゅよう があり(国際 こくさい エネルギー機関 きかん の推計 すいけい )、炭鉱 たんこう の新規 しんき 開発 かいはつ 計画 けいかく も多 おお い[2] 。
石炭 せきたん は「黒 くろ いダイヤモンド 」と称 しょう されたこともある[3] 。特 とく に産業 さんぎょう 革命 かくめい 以後 いご 20世紀 せいき 初頭 しょとう まで最 さい 重要 じゅうよう の燃料 ねんりょう として、また化学 かがく 工業 こうぎょう や都市 とし ガス の原料 げんりょう として使 つか われてきた。しかし、第 だい 一 いち 次 じ 世界 せかい 大戦 たいせん 前後 ぜんご から、艦 かん 船 ふね の燃料 ねんりょう が石炭 せきたん の2倍 ばい のエネルギー を持 も つ石油 せきゆ に切 き り替 か わり始 はじ めた。戦 せん 間 あいだ 期 き から中東 ちゅうとう での油田 ゆでん 開発 かいはつ が進 すす み、第 だい 二 に 次 じ 世界 せかい 大戦 たいせん 後 のち に大量 たいりょう の石油 せきゆ が採掘 さいくつ されて1バレル 1ドル の時代 じだい を迎 むか えると産業 さんぎょう 分野 ぶんや でも石油 せきゆ の導入 どうにゅう が進 すす み(エネルギー革命 かくめい )、西側 にしがわ 先進 せんしん 国 こく で採掘 さいくつ 条件 じょうけん の悪 わる い坑内 こうない 掘 ほ り炭鉱 たんこう は廃 すた れた。
1970年代 ねんだい に二 に 度 ど の石油 せきゆ 危機 きき で石油 せきゆ がバレルあたり12ドルになると、産業 さんぎょう 燃料 ねんりょう や発電 はつでん 燃料 ねんりょう は再 ふたた び石炭 せきたん に戻 もど ったが、日本 にっぽん 国内 こくない で炭鉱 たんこう が復活 ふっかつ することは無 な かった。豪州 ごうしゅう の露天掘 ろてんぼ り など、採掘 さいくつ 条件 じょうけん の良 よ い海外 かいがい 鉱山 こうざん で機械 きかい 化 か 採炭 さいたん された、安価 あんか な海外 かいがい 炭 ずみ に切 き り替 か わっていたからである。海上 かいじょう 荷動 にうご き も原油 げんゆ に次 つ いで石炭 せきたん と鉄鉱 てっこう 石 せき が多 おお く、30万 まん トンの大型 おおがた 石炭 せきたん 船 せん も就役 しゅうえき している。
他 た の化石 かせき 燃料 ねんりょう である石油 せきゆ や天然 てんねん ガス等 ひとし と比 くら べても、燃焼 ねんしょう した際 さい のCO2 や硫黄 いおう 酸化 さんか 物 ぶつ (SOx )などの有害 ゆうがい 物質 ぶっしつ の排出 はいしゅつ 量 りょう が多 おお く、地球 ちきゅう 温暖 おんだん 化 か 、大気 たいき 汚染 おせん の主 おも な原因 げんいん の一 ひと つとなっている。
日本 にっぽん では、一般 いっぱん 的 てき に石炭 せきたん (せきたん) と呼 よ ばれるようになったのは、明治 めいじ 初年 しょねん に西欧 せいおう の採炭 さいたん 技術 ぎじゅつ が入 はい って、特 とく にドイツ語 ご Steinkohleを和訳 わやく したものとされる[4] 。それ以前 いぜん は地方 ちほう によって、五 ご 平太 へいた (ごへいだ)、石炭 せきたん (いしずみ) 、岩木 いわき (いわき)、燃 もえ 石 せき (もえいし)、烏 がらす 丹 に (うに)、烏 がらす 朱 しゅ (うし)などと様々 さまざま に呼称 こしょう されていた[4] 。
現存 げんそん する泥炭 でいたん 地 ち 霧多布 きりたっぷ 湿原 しつげん
石炭 せきたん は数 すう 千 せん 万 まん 年 ねん 前 まえ ~数 すう 億 おく 年 ねん 前 まえ の植物 しょくぶつ が湖底 こてい や海底 かいてい に層状 そうじょう に堆積 たいせき し、地殻 ちかく 変動 へんどう や造山 つくりやま 活動 かつどう 等 ひとし による地 ち 圧 あつ や地熱 じねつ の影響 えいきょう により変化 へんか し、濃 こ 集 しゅう して石炭 せきたん 化 か したものである[5] [3] 。特 とく に石炭 せきたん の成因 せいいん 植物 しょくぶつ となっているのは、石炭 せきたん 紀 き 時代 じだい (2億 おく 4千 せん 万 まん 年 ねん 前 まえ ~3億 おく 年 ねん 前 まえ )の湿地 しっち 帯 たい で森林 しんりん を形成 けいせい していた巨大 きょだい なシダ類 るい と、第 だい 三紀 みき 時代 じだい (2千 せん 5百 ひゃく 万 まん 年 ねん 前 まえ ~6千 せん 万 まん 年 ねん 前 まえ )の針葉樹 しんようじゅ 類 るい などと考 かんが えられている[5] 。
古生代 こせいだい においては、菌類 きんるい 等 ひとし の分解 ぶんかい 者 しゃ がまだ出現 しゅつげん していなかったり少数 しょうすう 派 は であったりしたため、大量 たいりょう の植物 しょくぶつ 群 ぐん が分解 ぶんかい 前 まえ に埋没 まいぼつ していた。植物 しょくぶつ の遺体 いたい が分解 ぶんかい されずに堆積 たいせき する場所 ばしょ として湿原 しつげん や湿地 しっち 帯 たい が挙 あ げられる。これらの場所 ばしょ においては、植物 しょくぶつ の死体 したい は酸素 さんそ の少 すく ない水中 すいちゅう に沈 しず むことによって生物 せいぶつ による分解 ぶんかい が十分 じゅうぶん 進 すす まず、分解 ぶんかい されずに残 のこ った組織 そしき が泥炭 でいたん となって堆積 たいせき する。泥炭 でいたん は植物 しょくぶつ が石炭 せきたん になる入 い り口 くち とされている。他 た の成因 せいいん として大 だい 規模 きぼ な洪水 こうずい で大量 たいりょう の樹木 じゅもく が湖底 こてい 等 ひとし の低地 ていち に流 なが れ込 こ んで土砂 どしゃ に埋 う まることも考 かんが えられる。地中 ちちゅう に埋 う まった植物 しょくぶつ は年代 ねんだい を経 へ るに従 したが って 泥炭 でいたん →褐炭 かったん →歴 れき 青 あお 炭 ずみ →無煙炭 むえんたん に変 か わってゆく。この変化 へんか を石炭 せきたん 化 か と呼 よ ぶ[6] 。
石炭 せきたん 化 か は多様 たよう な化学 かがく 反応 はんのう を伴 ともな った変化 へんか である。セルロース やリグニン を構成 こうせい する元素 げんそ は炭素 たんそ 、酸素 さんそ 、水素 すいそ であるが、石炭 せきたん 化 か が進 すす むに従 したが って酸素 さんそ や水素 すいそ が減 へ って炭素 たんそ 濃度 のうど が上 あ がってゆき、外観 がいかん は褐色 かっしょく から黒色 こくしょく に変 か わり、固 かた くなってゆく。炭素 たんそ の含有 がんゆう 量 りょう は泥炭 でいたん の70%以下 いか から順次 じゅんじ 上昇 じょうしょう して無煙炭 むえんたん の炭素 たんそ 濃度 のうど は90%以上 いじょう に達 たっ する。化学 かがく 的 てき には植物 しょくぶつ 生体 せいたい 由来 ゆらい の脂肪 しぼう 族 ぞく 炭化 たんか 水素 すいそ が脱水 だっすい 反応 はんのう により泥炭 でいたん ・褐炭 かったん になり、次 つぎ に脱 だつ 炭酸 たんさん 反応 はんのう により瀝青炭 れきせいたん となり、最後 さいご に脱 だつ メタン反応 はんのう により芳香 ほうこう 族 ぞく 炭化 たんか 水素 すいそ 主体 しゅたい の無煙炭 むえんたん に変 か わってゆく。植物 しょくぶつ が石炭 せきたん 化 か する速度 そくど は地中 ちちゅう での圧力 あつりょく や温度 おんど の影響 えいきょう を受 う ける。日本 にっぽん は環太平洋 かんたいへいよう 造山 つくりやま 帯 たい に位置 いち し地殻 ちかく 変動 へんどう が盛 さか んなため、諸 しょ 外国 がいこく の産地 さんち よりも高温 こうおん ・高 こう 圧 あつ にさらされて石 いし 炭化 たんか の進行 しんこう が早 はや いとする説 せつ もある[7] 。
石炭 せきたん が産出 さんしゅつ する地層 ちそう と歴史 れきし [ 編集 へんしゅう ]
石炭 せきたん は元 もと となった植物 しょくぶつ が繁茂 はんも していた時代 じだい に相当 そうとう する地層 ちそう から産出 さんしゅつ される。古生代 こせいだい の地層 ちそう は石炭 せきたん が産出 さんしゅつ する地層 ちそう としては最 もっと も古 ふる く、産出 さんしゅつ は無煙炭 むえんたん が主体 しゅたい 。古生代 こせいだい に繁茂 はんも していた植物 しょくぶつ は現在 げんざい のシダ類 るい やトクサ 類 るい の祖先 そせん に相当 そうとう するが、当時 とうじ の代表 だいひょう 的 てき な植物 しょくぶつ であるリンボク は高 たか さ30メートルになる大木 たいぼく で、大 だい 森林 しんりん を形成 けいせい していたと考 かんが えられている。
中生代 ちゅうせいだい はソテツ やイチョウ などの裸子植物 らししょくぶつ が優勢 ゆうせい となった。この時代 じだい の地層 ちそう から産出 さんしゅつ する石炭 せきたん は海外 かいがい ではほとんど瀝青炭 れきせいたん だが、日本 にっぽん で産出 さんしゅつ するのは無煙炭 むえんたん が主体 しゅたい である。
三 さん 畳 じょう 紀 き (1億 おく 9千 せん 万 まん 年 ねん 前 まえ 頃 ごろ ): ヨーロッパ中部 ちゅうぶ 、北米 ほくべい 大陸 たいりく 、中国 ちゅうごく 南部 なんぶ 、インドシナ
ジュラ紀 じゅらき (1億 おく 5千 せん 万 まん 年 ねん 前 まえ 頃 ごろ ): ヨーロッパ中 ちゅう 南部 なんぶ 、北米 ほくべい 大陸 たいりく 、アジア東部 とうぶ
白 はく 亜紀 あき (1億 おく 2千 せん 年 ねん 万 まん 前 まえ 頃 ごろ ): ヨーロッパ中部 ちゅうぶ 北米 ほくべい 、南米 なんべい 大陸 たいりく 、アフリカ大陸 たいりく
新生代 しんせいだい 第 だい 三紀 みき (7~2千 せん 万 まん 年 ねん 前 まえ )の植物 しょくぶつ は、現在 げんざい に近 ちか い樹 き 種 しゅ が主体 しゅたい 。産出 さんしゅつ する石炭 せきたん は、外国 がいこく では石炭 せきたん 化 か の低 ひく い褐炭 かったん が主体 しゅたい だが、日本 にっぽん の炭鉱 たんこう では瀝青炭 れきせいたん が産出 さんしゅつ される。
植物 しょくぶつ の体 からだ はセルロース 、リグニン 、タンパク質 たんぱくしつ 、樹脂 じゅし などなどで構成 こうせい されている。このうち古生代 こせいだい に繁茂 はんも したシダ類 るい ではセルロースが40~50%リグニンが20~30%であり、中生代 ちゅうせいだい 以後 いご に主体 しゅたい となる針葉樹 しんようじゅ 類 るい ではセルロースが50%以上 いじょう リグニンが30%である(何 いず れも現生 げんなま 種 しゅ のデータ)。これらの生体 せいたい 物質 ぶっしつ を元 もと にして石炭 せきたん が形成 けいせい された。
石炭 せきたん の成 な り立 た ち の主 おも な参考 さんこう 文献 ぶんけん - 『石炭 せきたん 技術 ぎじゅつ 総覧 そうらん 』Batman、『太陽 たいよう の化石 かせき :石炭 せきたん 』第 だい 1章 しょう 石炭 せきたん の生 お い立 た ち
シルル紀 おさむ 後期 こうき にリグニンを有 ゆう した植物 しょくぶつ が登場 とうじょう した。歴史 れきし 上 じょう 上陸 じょうりく した植物 しょくぶつ が立 た ち上 あ がるためにはセルロース、ヘミセルロース を固 かた めるためのリグニンが必要 ひつよう であった。リグニンを分解 ぶんかい できる微生物 びせいぶつ がその当時 とうじ はいなかったので植物 しょくぶつ は腐 くさ りにくいまま地表 ちひょう に蓄 たくわ えられていった。これが石炭 せきたん の由来 ゆらい となる。石炭 せきたん 紀 き に石炭 せきたん になった植物 しょくぶつ はフウインボク 、リンボク 、ロボク などであり、大量 たいりょう の植物 しょくぶつ が腐 くさ らないまま積 つ み重 かさ なり、良質 りょうしつ の無煙炭 むえんたん となった。石炭 せきたん 紀 き 以降 いこう も石炭 せきたん が生成 せいせい されたが時代 じだい を下 くだ るに従 したが って生成 せいせい される石炭 せきたん の量 りょう も質 しつ も低下 ていか することとなった[8] 。白色 はくしょく 腐朽 ふきゅう 菌 きん は、地球 ちきゅう 上 じょう で唯一 ゆいいつ リグニンを含 ふく む木材 もくざい を完全 かんぜん 分解 ぶんかい できる生物 せいぶつ で、リグニン分解能 ぶんかいのう を獲得 かくとく したのは古生代 こせいだい 石炭 せきたん 紀 き 末期 まっき 頃 ごろ (約 やく 2億 おく 9千 せん 万 まん 年 ねん 前 まえ )であると分子 ぶんし 時計 とけい から推定 すいてい された。石炭 せきたん 紀 き からペルム紀 き にかけて起 お こった有機 ゆうき 炭素 たんそ 貯蔵 ちょぞう 量 りょう の急激 きゅうげき な減少 げんしょう は白色 はくしょく 腐朽 ふきゅう 菌 きん のリグニン分解 ぶんかい 能力 のうりょく の獲得 かくとく によるものと考 かんが えられている[9] [10] 。
石炭 せきたん の種類 しゅるい [ 編集 へんしゅう ]
石炭 せきたん の化学 かがく 構造 こうぞう の例 れい :瀝青炭 れきせいたん
石 いし 炭化 たんか 度 ど による分類 ぶんるい [ 編集 へんしゅう ]
石炭 せきたん は炭素 たんそ の濃 こ 集 しゅう 度合 どあい (炭素 たんそ の濃縮 のうしゅく の程度 ていど ) により石 いし 炭化 たんか 度 ど の高 たか い方 ほう から、無煙炭 むえんたん 、瀝青炭 れきせいたん 、亜 あ 瀝青炭 れきせいたん 、褐炭 かったん 、亜炭 あたん 、泥炭 でいたん に分類 ぶんるい される[5] [3] 。日本 にっぽん で一般 いっぱん に石炭 せきたん と呼 よ ばれているものは、このうち無煙炭 むえんたん から褐炭 かったん までである[5] 。なお、石 いし 炭化 たんか 度 ど は発熱 はつねつ 量 りょう と燃料 ねんりょう 比 ひ (固定 こてい 炭素 たんそ ÷揮発 きはつ 分 ぶん 、通常 つうじょう では無煙炭 むえんたん :4以上 いじょう 、瀝青炭 れきせいたん :1~4、褐炭 かったん :1以下 いか )を用 もち いているが、国際 こくさい 的 てき には一般 いっぱん に揮発 きはつ 分 ぶん が用 もち いられている[5] 。
(石 いし 炭化 たんか 度 ど の高 たか い順 じゅん に)
無煙炭 むえんたん (anthracite)
炭素 たんそ 含有 がんゆう 量 りょう 90%以上 いじょう [5] 。最 もっと も石 いし 炭化 たんか 度 ど (炭素 たんそ 分 ぶん )が高 たか く燃 も やしても煙 けむり をほとんど出 だ さない[5] [3] 。カーバイド の原料 げんりょう 、工業 こうぎょう 炉 ろ の燃料 ねんりょう に使 つか われるほか、家庭 かてい 用 よう の練炭 れんたん や豆炭 まめたん の原料 げんりょう となることもある[5] 。かつては軍艦 ぐんかん 用 よう 燃料 ねんりょう に重 おも んじられた。ただし揮発 きはつ 分 ぶん が低 ひく く、着火 ちゃっか 性 せい に劣 おと る。焼 しょう 結 ゆい に使用 しよう 可能 かのう な低 てい 燐 りん のものは原料 げんりょう 炭 ずみ の一種 いっしゅ として高 こう 価格 かかく で取引 とりひき される。
半 はん 無煙炭 むえんたん (semianthracite)
炭素 たんそ 含有 がんゆう 量 りょう 80%以上 いじょう 。無煙炭 むえんたん に次 つ いで石 いし 炭化 たんか 度 ど が高 たか いが、粉 こな 鉄鉱 てっこう 焼 しょう 結 ゆい にも適 てき さない一方 いっぽう 、電力 でんりょく 等 とう 微粉 びふん 炭 ずみ ボイラー用 よう としては揮発 きはつ 分 ぶん が少 すく なすぎて適 てき さず、比較的 ひかくてき 安値 やすね で取引 とりひき される一般 いっぱん 炭 ずみ 。セメント産業 さんぎょう の燃料 ねんりょう や流動 りゅうどう 床 ゆか ボイラに使 つか われる。着火 ちゃっか 性 せい に劣 おと るが比較的 ひかくてき 発熱 はつねつ 量 りょう が高 たか く、内陸 ないりく 工場 こうじょう への輸送 ゆそう コストが安 やす く済 す む。
瀝青炭 れきせいたん (れきせいたん) (bituminous coal)
炭素 たんそ 含有 がんゆう 量 りょう 70~75%[5] 。石炭 せきたん として最 もっと も一般 いっぱん 的 てき なもの[3] 。加熱 かねつ により溶 と けて固 かた まる粘 ねば 結 むすぶ 性 せい が高 たか く、コークス 原料 げんりょう や製鉄 せいてつ 用 よう 燃料 ねんりょう となる[5] 。
亜 あ 瀝青炭 れきせいたん (subbituminous coal )
瀝青炭 れきせいたん に似 に た性質 せいしつ を持 も つが、水分 すいぶん を15~45%含 ふく むため比較 ひかく すると扱 あつか いにくい[5] 。粘 ねば 結 むすぶ 性 せい がほとんどないものが多 おお い。コークス原料 げんりょう には使 つか えないが、揮発 きはつ 分 ぶん が多 おお くて火付 ひつ きが良 よ く、熱量 ねつりょう も無煙炭 むえんたん ・半 はん 無煙炭 むえんたん ・瀝青炭 れきせいたん に次 つ いで高 たか い。特 とく にボイラー 用 よう の燃料 ねんりょう として需要 じゅよう がある[5] 。豊富 ほうふ な埋蔵 まいぞう 量 りょう が広 ひろ く分布 ぶんぷ しており、日本 にっぽん で生産 せいさん されていた石炭 せきたん の多 おお くも亜 あ 瀝青炭 れきせいたん であった[5] 。
褐炭 かったん (brown coal)
炭素 たんそ 含有 がんゆう 量 りょう 60%以上 いじょう [5] 。石 いし 炭化 たんか 度 ど は低 ひく く植物 しょくぶつ の形 かたち を残 のこ すものも含 ふく まれ、水分 すいぶん ・酸素 さんそ の多 おお い低 てい 品位 ひんい な石炭 せきたん である[5] [3] 。練炭 れんたん ・豆炭 まめたん などの一般 いっぱん 用 よう の燃料 ねんりょう として使用 しよう される[5] 。色 いろ はその名 な の示 しめ す通 とお りの褐色 かっしょく 。水分 すいぶん が高 たか すぎて微 ほろ 粉炭 ふんたん ボイラの燃料 ねんりょう としては粉砕 ふんさい /乾燥 かんそう 機 き の能力 のうりょく を超 こ えてしまう場合 ばあい が多 おお く、重量 じゅうりょう 当 あ たり発熱 はつねつ 量 りょう が低 ひく いので輸送 ゆそう コストがかさみ、脱水 だっすい すれば自然 しぜん 発火 はっか しやすくなるという扱 あつか いにくい石炭 せきたん なので価格 かかく は最 さい 安価 あんか で、輸送 ゆそう コストの関係 かんけい で鉱山 こうざん 周辺 しゅうへん で発電 はつでん などに使 つか われる場合 ばあい が多 おお い。褐炭 かったん を脱水 だっすい する様々 さまざま な技術 ぎじゅつ の開発 かいはつ が行 おこな われている。また、水素 すいそ 原料 げんりょう として有望 ゆうぼう 視 し されている[11] 。
亜炭 あたん (lignite)
褐炭 かったん の質 しつ の悪 わる いものに付 つ けられた俗名 ぞくみょう [5] 。炭素 たんそ 含有 がんゆう 量 りょう 60%未満 みまん [5] 。ただし、亜炭 あたん と呼 よ ぶ基準 きじゅん は極 きわ めて曖昧 あいまい である。学名 がくめい は褐色 かっしょく 褐炭 かったん 。埋 うも れ木 ぎ も亜炭 あたん の一種 いっしゅ である。日本 にっぽん では太平洋戦争 たいへいようせんそう 中 なか に燃料 ねんりょう 不足 ふそく のため多 おお く利用 りよう された。現在 げんざい では亜炭 あたん は肥料 ひりょう の原料 げんりょう としてごく少量 しょうりょう 利用 りよう されているにすぎない[5] 。
泥炭 でいたん (peat)
泥 どろ 状 じょう の炭 すみ 。石炭 せきたん の成長 せいちょう 過程 かてい にあるもので、品質 ひんしつ が悪 わる いため工業 こうぎょう 用 よう 燃料 ねんりょう としての需要 じゅよう は少 すく ない[5] 。ウイスキー に使用 しよう するピートは、大麦 おおむぎ 麦芽 ばくが を乾燥 かんそう させる燃料 ねんりょう として香 かお り付 づ けを兼 か ねる[5] 。このほか、繊維 せんい 質 しつ を保 たも ち、保水 ほすい 性 せい や通気 つうき 性 せい に富 と むことから、園芸 えんげい 用土 ようど として使用 しよう される。
日本 にっぽん 産業 さんぎょう 規格 きかく による分類 ぶんるい (JIS M 1002[12] )
分類 ぶんるい
発熱 はつねつ 量 りょう 補正 ほせい 無水 むすい 無 む 灰 はい 基 もと kJ/kg (kcal/kg)
燃料 ねんりょう 比 ひ
粘 ねば 結 むすぶ 性 せい
主 おも な用途 ようと
備考 びこう
炭質 たんしつ
区分 くぶん
無煙炭 むえんたん (A) Anthracite
A1
---
4.0 以上 いじょう
非 ひ 粘 ねば 結 ゆい
一般 いっぱん 炭 ずみ 原料 げんりょう 炭 ずみ
A2
火山岩 かざんがん の作用 さよう で生 しょう じたせん石 せき
瀝青炭 れきせいたん (B, C) Bituminous
B1
35,160 以上 いじょう (8,400 以上 いじょう )
1.5 以上 いじょう
強 つよ 粘 ねば 結 ゆい
一般 いっぱん 炭 ずみ 原料 げんりょう 炭 ずみ
B2
1.5 未満 みまん
C
33,910 以上 いじょう 35,160 未満 みまん (8,100 以上 いじょう 8,400 未満 みまん )
-
粘 ねば 結 ゆい
一般 いっぱん 炭 ずみ 原料 げんりょう 炭 ずみ
亜 あ 瀝青炭 れきせいたん (D, E) Sub-Bituminous
D
32,650 以上 いじょう 33,910 未満 みまん (7,800 以上 いじょう 8,100 未満 みまん )
-
弱 じゃく 粘 ねば 結 ゆい
一般 いっぱん 炭 ずみ
E
30,560 以上 いじょう 32,650 未満 みまん (7,300 以上 いじょう 7,800 未満 みまん )
---
非 ひ 粘 ねば 結 ゆい
一般 いっぱん 炭 ずみ
褐炭 かったん (F) Lignite
F1
29,470 以上 いじょう 30,560 未満 みまん (6,800 以上 いじょう 7,300 未満 みまん )
---
非 ひ 粘 ねば 結 ゆい
(一般 いっぱん 炭 ずみ )
F2
24,280 以上 いじょう 29,470 未満 みまん (5,800 以上 いじょう 6,800 未満 みまん )
---
用途 ようと による分類 ぶんるい [ 編集 へんしゅう ]
原料 げんりょう として製鉄 せいてつ 用 よう コークス、石炭 せきたん 化学 かがく 工業 こうぎょう 、都市 とし ガスなどに使用 しよう されるものを原料 げんりょう 炭 ずみ 、燃料 ねんりょう として火力 かりょく 発電 はつでん や一般 いっぱん 産業 さんぎょう 用 よう ボイラー 、セメント回転 かいてん 炉 ろ 燃料 ねんりょう などに使 つか われる石炭 せきたん を一般 いっぱん 炭 ずみ という[5] [3] 。
粒 つぶ 度 ど による分類 ぶんるい [ 編集 へんしゅう ]
石炭 せきたん は形状 けいじょう または粒 つぶ 度 ど から、大 おお きい順 じゅん に切込 きりこみ 炭 ずみ 、塊 かたまり 炭 ずみ 、中 ちゅう 塊 かたまり 炭 ずみ 、小 しょう 塊 かたまり 炭 ずみ 、粉炭 ふんたん 、微粉 びふん 炭 ずみ に分類 ぶんるい される[5] 。
石炭 せきたん の採掘 さいくつ [ 編集 へんしゅう ]
ワイオミング炭鉱 たんこう の露天掘 ろてんぼ り
石炭 せきたん は太古 たいこ の植物 しょくぶつ の遺体 いたい が堆積 たいせき したものであるため、地中 ちちゅう には地層 ちそう の形 かたち で存在 そんざい する。石炭 せきたん の鉱山 こうざん を特 とく に炭鉱 たんこう と呼 よ び、炭鉱 たんこう が集中 しゅうちゅう している地域 ちいき を炭田 たんでん と呼 よ ぶ。
石炭 せきたん の層 そう (炭層 たんそう という)が地表 ちひょう または地表 ちひょう に近 ちか いところに存在 そんざい する場合 ばあい 、地面 じめん から直接 ちょくせつ ドラッグラインという巨大 きょだい なパワーショベル等 とう で掘 ほ り進 すす む露天掘 ろてんぼ り が行 おこな われる。アメリカやオーストラリアの大 だい 規模 きぼ な炭鉱 たんこう で多 おお く見 み られる。中国 ちゅうごく の撫 なで 順 じゅん 炭鉱 たんこう は、700年 ねん ほど前 まえ から露天掘 ろてんぼ りがなされたと言 い われており、当時 とうじ は陶器 とうき 製造 せいぞう のための燃料 ねんりょう として用 もち いられたとされる。その後 ご 、清 きよし 朝 あさ は「風水 ふうすい に害 がい あり」との理由 りゆう から採掘 さいくつ 禁止 きんし としていたが、1901年 ねん 、政府 せいふ 許可 きょか のもとで民族 みんぞく 資本 しほん により採掘 さいくつ が始 はじ まった。その後 ご 、ロシア 資本 しほん が進出 しんしゅつ 、さらに日 にち 露 ろ 戦争 せんそう 後 こう は東 あずま 清 きよし 鉄道 てつどう 及 およ びその付属 ふぞく 地 ち は日本 にっぽん の手 て に渡 わた ることとなり、1907年 ねん には南 みなみ 満州 まんしゅう 鉄道 てつどう の管理 かんり 下 か に移 うつ って、鞍山 あんざん の鉄鋼 てっこう 業 ぎょう の発展 はってん に寄与 きよ した。
20世紀 せいき 初頭 しょとう 、英国 えいこく のウェールズ には600以上 いじょう もの炭鉱 たんこう があり、約 やく 20万 まん 人 にん が働 はたら いて経済 けいざい を支 ささ えていた。1911年 ねん には石炭 せきたん は重量 じゅうりょう で輸出 ゆしゅつ の9割 わり を占 し めていた。
一方 いっぽう で地下 ちか 深 ふか いところに石炭 せきたん がある場合 ばあい 、日本 にっぽん の在来 ざいらい 採炭 さいたん 法 ほう では炭層 たんそう まで縦坑 たてこう を掘 ほ り、その後 ご 炭層 たんそう に沿 そ って水平 すいへい または斜 なな め(斜坑 しゃこう )に掘 ほ り進 すす む。石炭 せきたん は層状 そうじょう に存在 そんざい するので採掘 さいくつ は広 ひろ い面積 めんせき で行 おこな われるため、放置 ほうち すれば採掘 さいくつ 現場 げんば の天井 てんじょう が崩 くず れ落 お ちる危険 きけん 性 せい が非常 ひじょう に高 たか い。石炭 せきたん を採掘 さいくつ する際 さい には、天井 てんじょう が崩 くず れないように支柱 しちゅう を組 く むなど様々 さまざま な対処 たいしょ を行 おこな いながら掘 ほ り進 すす む。従来 じゅうらい 採炭 さいたん 法 ほう では手持 ても ち削 そぎ 岩 がん 機 き とダイナマイト の併用 へいよう が多 おお かったが、採掘 さいくつ も手間 てま がかかり、崩 くず した石炭 せきたん をトロッコ に積 つ むのも手作業 てさぎょう で、掘 ほ ったあとに支柱 しちゅう を組 く むので能率 のうりつ が悪 わる かった。
オーストラリアやアメリカ合衆国 あめりかがっしゅうこく などでは日本 にっぽん に比 くら べ坑内 こうない 掘 ほ りでも炭層 たんそう が水平 すいへい で厚 あつ く、厚 あつ さ数 すう メートルにも及 およ ぶ場合 ばあい があり、ロングウォールという一種 いっしゅ のシールドマシン によって機械 きかい 採炭 さいたん を行 おこな っている。これはコの字 じ 断面 だんめん のシールドを横 よこ に長 なが く並 なら べ、コの字 じ の内側 うちがわ を機織 はたおり 機 き のシャトルのようにドリルが往復 おうふく して炭層 たんそう を削 けず り取 と ってゆくもので、ベルトコンベアで石炭 せきたん は機械 きかい 的 てき にトロッコに積 つ まれてゆく。省 しょう 人員 じんいん で生産 せいさん 能率 のうりつ が露天掘 ろてんぼ りに次 つ いで高 たか く、低 てい コストである。ロングウォール炭鉱 たんこう の場合 ばあい 、上層 じょうそう から採炭 さいたん して採炭 さいたん 後 ご の空間 くうかん は支柱 しちゅう を立 た てずに崩 くず す場合 ばあい もある。(ただし、上層 じょうそう が高 こう 硫黄 いおう 炭 ずみ で下層 かそう が低 ひく 硫黄 いおう 炭 すみ で、保証 ほしょう スペックにあわせるため上層 じょうそう 炭 ずみ と下層 かそう 炭 ずみ ブレンドしたい場合 ばあい なども多 おお く、必 かなら ず支柱 しちゅう を省 はぶ けるわけでもない)
最近 さいきん は中国 ちゅうごく などでもロングウォールを取 と り入 い れている炭鉱 たんこう もあるが、人件 じんけん 費 ひ が安 やす いので依然 いぜん 従来 じゅうらい 採炭 さいたん 法 ほう の鉱山 こうざん も多 おお い。旧 きゅう ソ連 それん などでは石炭 せきたん を地層 ちそう 内 ない で不完全 ふかんぜん 燃焼 ねんしょう させガス化 か して取 と り出 だ して採炭 さいたん を簡略 かんりゃく 化 か するという、かなり乱暴 らんぼう な手法 しゅほう も研究 けんきゅう されていたようである。
世界 せかい の埋蔵 まいぞう 量 りょう [ 編集 へんしゅう ]
比較的 ひかくてき 埋蔵 まいぞう 量 りょう の多 おお い国 くに はアメリカ合衆国 あめりかがっしゅうこく 、ロシア連邦 れんぽう 、中華人民共和国 ちゅうかじんみんきょうわこく 。古 いにしえ 期 き 造山 つくりやま 帯 たい で多 おお く産出 さんしゅつ される。炭層 たんそう が厚 あつ く、広範囲 こうはんい に分布 ぶんぷ することから、露天掘 ろてんぼ りが多 おお い。輸出 ゆしゅつ 向 む けの実績 じっせき はオーストラリア、インドネシアが堅調 けんちょう に推移 すいい 。インドネシアは良質 りょうしつ な瀝青炭 れきせいたん の埋蔵 まいぞう 量 りょう が減少 げんしょう 傾向 けいこう にあり、今後 こんご は亜 あ 瀝青炭 れきせいたん の生産 せいさん 量 りょう が増加 ぞうか していくものと見 み られる。
( )内 ない は2017年 ねん の埋蔵 まいぞう 量 りょう (億 おく トン、BP統計 とうけい )[13] 。
アメリカ合衆国 あめりかがっしゅうこく (2484)
ロシア(1604)
オーストラリア(1419)
中国 ちゅうごく (1386)
インド(972)
ドイツ(362)
ウクライナ(341)
ポーランド(258)
( )内 ない は上位 じょうい 5国 こく の2018年 ねん の産出 さんしゅつ 量 りょう の割合 わりあい (%)。年 とし 合計 ごうけい は約 やく 78.13億 おく トン[14] 。
上位 じょうい 5国 こく の2018年 ねん の産出 さんしゅつ 量 りょう の割合 わりあい
中華人民共和国 ちゅうかじんみんきょうわこく (45.4%)
インド (9.9%)
アメリカ合衆国 あめりかがっしゅうこく (8.8%)
インドネシア (7.0%)
オーストラリア (6.2%)
その他 た (22.7%)
主 おも な消費 しょうひ 国 こく [ 編集 へんしゅう ]
平成 へいせい 29年 ねん (2017年 ねん )の主要 しゅよう 消費 しょうひ 国 こく 上位 じょうい 6ヶ国 かこく は中国 ちゅうごく (48.2%)、インド(12.4%)、アメリカ(8.4%)、ロシア(3.0%)、ドイツ(2.9%)、日本 にっぽん (2.5%)である[15] 。
日本 にっぽん の炭鉱 たんこう [ 編集 へんしゅう ]
日本 にっぽん は、オーストラリア、インドネシア、中国 ちゅうごく 、ロシアなどから年間 ねんかん 約 やく 1億 おく 8千 せん 万 まん トンもの石炭 せきたん を輸入 ゆにゅう している。
日本 にっぽん の炭鉱 たんこう はアメリカやオーストラリアの大 だい 規模 きぼ 炭鉱 たんこう と比 くら べて地層 ちそう 構成 こうせい が複雑 ふくざつ なため、石炭 せきたん は地下 ちか の深部 しんぶ にあることが多 おお い。そのため何 なん キロメートルにも及 およ ぶ坑道 こうどう を掘 ほ り採掘 さいくつ していたが、労働 ろうどう 条件 じょうけん は悪 わる く、後述 こうじゅつ のようにメタンガス や粉塵 ふんじん による爆発 ばくはつ 事故 じこ ・落盤 らくばん などが多発 たはつ し、多 おお くの殉職 じゅんしょく 者 もの を出 だ してきた。
明治維新 めいじいしん 以後 いご 、石炭 せきたん は燃料 ねんりょう や工業 こうぎょう 原料 げんりょう (特 とく に製鉄 せいてつ 業 ぎょう )として使用 しよう 量 りょう が増大 ぞうだい した。北海道 ほっかいどう 、福島 ふくしま 県 けん 、山口 やまぐち 県 けん 、福岡 ふくおか 県 けん 、佐賀 さが 県 けん 、長崎 ながさき 県 けん が主 しゅ 産地 さんち で、最盛 さいせい 期 き にはこれらの地域 ちいき を中心 ちゅうしん に全国 ぜんこく に800以上 いじょう の炭鉱 たんこう が開 ひら かれ、第 だい 二 に 次 じ 世界 せかい 大戦 たいせん 中 ちゅう に年間 ねんかん 産出 さんしゅつ 量 りょう は6000万 まん トンに達 たっ した。終戦 しゅうせん 後 ご 急激 きゅうげき に減少 げんしょう し、その後 ご 産業 さんぎょう の回復 かいふく につれて産出 さんしゅつ 量 りょう は再度 さいど 増加 ぞうか した。
1950年 ねん 以降 いこう ほぼ5000万 まん トンを超 こ えるレベルに回復 かいふく したが、石油 せきゆ の大量 たいりょう 輸入 ゆにゅう (エネルギー革命 かくめい )、コスト面 めん で外国 がいこく 産 さん のものに太刀打 たちう ちできないなどの問題 もんだい で1961年 ねん をピークに徐々 じょじょ に衰退 すいたい し、2002年 ねん 以降 いこう 国内 こくない で操業 そうぎょう している坑内 こうない 掘 ほ り炭鉱 たんこう は、北海道 ほっかいどう の釧路 くしろ 炭鉱 たんこう の1箇所 かしょ のみとなった。この炭鉱 たんこう のある釧路 くしろ 炭田 たんでん は、推定 すいてい 埋蔵 まいぞう 量 りょう 20億 おく トンと大 だい 規模 きぼ であり、炭層 たんそう が厚 あつ く水平 すいへい に広 ひろ がり、機械 きかい 化 か (SD採炭 さいたん )採掘 さいくつ が容易 ようい であることから、採炭 さいたん 技術 ぎじゅつ の継承 けいしょう と海外 かいがい 技術 ぎじゅつ 者 しゃ の研修 けんしゅう 受入 うけいれ 先 さき としても活用 かつよう されている。2007年度 ねんど 以降 いこう 、年間 ねんかん 60万 まん トン体制 たいせい での採炭 さいたん を続 つづ けていた。
しかし石炭 せきたん 価格 かかく の高騰 こうとう に伴 ともな い、国産 こくさん 石炭 せきたん もコスト競争 きょうそう 力 りょく をもつようになってきたため、露天掘 ろてんぼ り炭鉱 たんこう が次々 つぎつぎ と開発 かいはつ される。また福島 ふくしま 第 だい 一 いち 原発 げんぱつ 事故 じこ 後 ご 、国内 こくない の原子力 げんしりょく 発電 はつでん 所 しょ が順次 じゅんじ 運転 うんてん を停止 ていし する中 なか 、電力 でんりょく 会社 かいしゃ は電力 でんりょく の安定 あんてい 供給 きょうきゅう のため、既存 きそん の石炭 せきたん 火力 かりょく 発電 はつでん 所 しょ をフル稼働 かどう させるようになったため、採掘 さいくつ 事業 じぎょう 者 しゃ に対 たい して増産 ぞうさん を求 もと める動 うご きもあった[16] [17] 。
2015年度 ねんど の石炭 せきたん 生産 せいさん は坑内 こうない 掘 ほ りと露天掘 ろてんぼ りを合 あ わせて120万 まん トン弱 じゃく で、内訳 うちわけ は坑内 こうない 掘 ほ り(釧路 くしろ コールマイン)が約 やく 47万 まん トン、露天掘 ろてんぼ り(7社 しゃ )が約 やく 73万 まん トンとなっている[18] 。
2018年度 ねんど は96万 まん トンが国内 こくない で生産 せいさん された[19] 。
主 おも な日本 にっぽん の産 さん 炭 すみ 地 ち [ 編集 へんしゅう ]
稼働 かどう 中 ちゅう の炭鉱 たんこう あり[ 編集 へんしゅう ]
現在 げんざい 、日本 にっぽん 国内 こくない において稼働 かどう 中 ちゅう の炭鉱 たんこう はすべて北海道 ほっかいどう の炭鉱 たんこう である。
国内 こくない 唯一 ゆいいつ の坑内 こうない 掘 ほ り炭鉱 たんこう として年 とし 50万 まん t生産 せいさん 中 ちゅう 。採炭 さいたん とベトナム・中国 ちゅうごく 等 とう への石炭 せきたん 技術 ぎじゅつ の継承 けいしょう も行 おこな う。おもに発電 はつでん 用 よう 。
規模 きぼ の小 ちい さな露天掘 ろてんぼ りによる炭鉱 たんこう が数カ所 すうかしょ 存在 そんざい する。
北 きた 菱 ひし 美唄 びばい (北 きた 菱 ひし 産業 さんぎょう 埠頭 ふとう ):美唄 びばい 市 し [20]
三美 みよし 炭鉱 たんこう (三美 みよし 鉱業 こうぎょう ):美唄 びばい 市 し
砂子 いさご 炭鉱 たんこう (砂子組 すなごぐみ ):三笠 みかさ 市 し [21]
空知 そらち 新 しん 炭鉱 たんこう (空知 そらち 炭鉱 たんこう ):歌志内 うたしない 市 し
東 ひがし 芦別 あしべつ 炭鉱 たんこう (平野 ひらの 重機 じゅうき 鉱業 こうぎょう ):芦別 あしべつ 市 し
新旭 しんあさひ (芦別 あしべつ 鉱業 こうぎょう ):芦別 あしべつ 市 し
出典 しゅってん :“3.坑内 こうない 掘 ほ 炭鉱 たんこう について ” (PDF). 北海道庁 ほっかいどうちょう (2017年 ねん 3月 がつ 9日 にち ). 2017年 ねん 11月26日 にち 閲覧 えつらん 。 “4.露天 ろてん 掘 ほ 炭鉱 たんこう について ” (PDF). 北海道庁 ほっかいどうちょう (2017年 ねん 3月 がつ 9日 にち ). 2017年 ねん 11月26日 にち 閲覧 えつらん 。
日本 にっぽん には珍 めずら しい無煙炭 むえんたん の炭鉱 たんこう 。
主 おも に海軍 かいぐん ・国鉄 こくてつ 向 む けの官有 かんゆう 炭鉱 たんこう 。
石炭 せきたん が他 た の鉱石 こうせき と著 いちじる しく異 こと なる点 てん は「良 よ く燃 も える」ことであり、それによる大 だい 規模 きぼ な炭鉱 たんこう 災害 さいがい が度々 どど 発生 はっせい している。炭層 たんそう 内 ない に含 ふく まれるメタンガスが突然 とつぜん 噴出 ふんしゅつ し引火 いんか して爆発 ばくはつ したり、炭鉱 たんこう 内 ない に飛散 ひさん した石炭 せきたん の粉塵 ふんじん (炭塵 たんじん )に引火 いんか して炭塵 たんじん 爆発 ばくはつ を起 お こしたりして多数 たすう の犠牲 ぎせい 者 しゃ が出 で た事故 じこ が過去 かこ 何 なん 度 ど も発生 はっせい している。犠牲 ぎせい 者 しゃ が最 もっと も多 おお かったのは日本 にっぽん 統治 とうち 下 か の満州 まんしゅう の本 もと 渓 けい 湖 みずうみ 炭鉱 たんこう で1943年 ねん に発生 はっせい した炭塵 たんじん 爆発 ばくはつ 事故 じこ で、死者 ししゃ の数 かず は1,527名 めい に達 たっ した。日本 にっぽん 国内 こくない の事故 じこ では1914年 ねん に方城 ほうじょう 炭鉱 たんこう でのガス爆発 ばくはつ 事故 じこ が死者 ししゃ 687名 めい を出 だ している。1910年 ねん 頃 ごろ までヨーロッパでも死者 ししゃ 300人 にん を超 こ える事故 じこ があったが、1913年 ねん のイギリスのセングヘニス炭鉱 たんこう 事故 じこ (死者 ししゃ 439名 めい )以後 いご 、欧米 おうべい では犠牲 ぎせい 者 しゃ 300名 めい 以上 いじょう の爆発 ばくはつ 事故 じこ は発生 はっせい していない。それに対 たい して日本 にっぽん では1963年 ねん の三池 みいけ 炭鉱 たんこう (盆踊 ぼんおど り の炭坑 たんこう 節 ぶし で有名 ゆうめい )炭塵 たんじん 爆発 ばくはつ 事故 じこ で458名 めい の死者 ししゃ を出 だ している。アメリカにある炭鉱 たんこう 都市 とし のセントラリア は、1962年 ねん に発生 はっせい した坑内 こうない 火災 かさい で町 まち 全体 ぜんたい に退去 たいきょ 命令 めいれい が出 で てゴーストタウン と化 か した。現在 げんざい も地下 ちか では火災 かさい が続 つづ いており、地上 ちじょう では煙 けむり が上 あ がっている。
炭鉱 たんこう 災害 さいがい の参考 さんこう 文献 ぶんけん - 『太陽 たいよう の化石 かせき :石炭 せきたん 』2.5炭鉱 たんこう 災害 さいがい と保安 ほあん の技術 ぎじゅつ 史 し について
産業 さんぎょう 分野 ぶんや の利用 りよう [ 編集 へんしゅう ]
石炭 せきたん は一般 いっぱん 家庭 かてい や産業 さんぎょう 分野 ぶんや で利用 りよう されているが、産業 さんぎょう 分野 ぶんや では電力 でんりょく 分野 ぶんや 、製鉄 せいてつ 分野 ぶんや 、コークス製造 せいぞう 分野 ぶんや 、土壌 どじょう 改良 かいりょう 分野 ぶんや などで利用 りよう されている[5] 。また、石炭 せきたん からは各種 かくしゅ の誘導 ゆうどう 品 ひん が製造 せいぞう される[5] 。
各 かく 産業 さんぎょう 分野 ぶんや [ 編集 へんしゅう ]
電力 でんりょく 分野 ぶんや
石炭 せきたん は蒸気 じょうき ボイラー用 よう 燃料 ねんりょう として発電 はつでん に利用 りよう される。
製鉄 せいてつ 分野 ぶんや
製鉄 せいてつ 分野 ぶんや では精錬 せいれん 工程 こうてい での還元 かんげん 剤 ざい や熱源 ねつげん として使用 しよう されている[5] 。
コークス製造 せいぞう 分野 ぶんや
製鉄 せいてつ や鋳造 ちゅうぞう 、金属 きんぞく 鉱石 こうせき の精錬 せいれん 時 じ の還元 かんげん 剤 ざい に使用 しよう されるコークス は石炭 せきたん を高温 こうおん 乾留 かんりゅう したものである[5] 。
土壌 どじょう 改良 かいりょう 資材 しざい 分野 ぶんや
亜炭 あたん や泥炭 でいたん は主 おも に土壌 どじょう 改良 かいりょう 材 ざい に利用 りよう されている[5] 。
各種 かくしゅ 誘導 ゆうどう 品 ひん [ 編集 へんしゅう ]
燃焼 ねんしょう による誘導 ゆうどう 品 ひん
ボイラーで石炭 せきたん を燃焼 ねんしょう して発生 はっせい した灰 はい はフライアッシュ 、灰 はい が凝集 ぎょうしゅう して底部 ていぶ に残 のこ ったものをクリンカアッシュ (ボトムアッシュ)という[5] 。
乾留 かんりゅう による誘導 ゆうどう 品 ひん
石炭 せきたん の乾留 かんりゅう による誘導 ゆうどう 品 ひん がコークスであり、その工程 こうてい で副 ふく 生成 せいせい 物 ぶつ として石炭 せきたん ガス、コールタール 、ガス軽油 けいゆ 、ピッチ などが得 え られる[5] 。
コークスと水蒸気 すいじょうき との反応 はんのう
赤熱 しゃくねつ したコークスと水蒸気 すいじょうき との反応 はんのう により水性 すいせい ガス が得 え られる[5] 。
石炭 せきたん 利用 りよう の歴史 れきし [ 編集 へんしゅう ]
石炭 せきたん 利用 りよう の歴史 れきし この章 しょう の主 おも な参考 さんこう 文献 ぶんけん - 『石炭 せきたん 技術 ぎじゅつ 総覧 そうらん 』第 だい 3章 しょう 石炭 せきたん を使 つか う
石炭 せきたん 使用 しよう の黎明 れいめい 期 き [ 編集 へんしゅう ]
古代 こだい ギリシアのテオプラストス の記録 きろく (紀元前 きげんぜん 315年 ねん )に石炭 せきたん が鍛冶 たんや 屋 や の燃料 ねんりょう として使 つか われたと書 か かれている[22] 。ほぼ同年代 どうねんだい の中国 ちゅうごく 戦国 せんごく 時代 じだい でも石炭 せきたん を使用 しよう した遺跡 いせき が見 み つかっている。かつて中国 ちゅうごく 華北 かほく で宋 そう 代 だい に用 もち いられたとされ、同 どう 時代 じだい の江南 えな では木炭 もくたん 、四川 しせん では竹 たけ 炭 ずみ を利用 りよう していた。 日本 にっぽん での工業 こうぎょう 使用 しよう は、江戸 えど 時代 じだい で筑豊 ちくほう 炭田 たんでん の石炭 せきたん が瀬戸内海 せとないかい の製塩 せいえん に用 もち いられた記録 きろく がある。元禄 げんろく 年間 ねんかん に貝原 かいばら 益軒 えきけん が著 あらわ した『筑前 ちくぜん 国 こく 続 ぞく 風土記 ふどき 』によれば、日本 にっぽん の筑前 ちくぜん では山野 さんや に露出 ろしゅつ した石炭 せきたん を「燃 もえ 石 せき 」と称 しょう して、庶民 しょみん が薪 たきぎ の代用 だいよう 燃料 ねんりょう としていたようで、風呂 ふろ や煮炊 にた き用 よう に火持 ひも ちの良 よ い燃 もえ 石 せき を用 もち いたと著 あらわ されている。イギリスは国内 こくない に豊富 ほうふ な石炭 せきたん 資源 しげん を有 ゆう し、一部 いちぶ は地表 ちひょう に露出 ろしゅつ していたため700年 ねん 以上 いじょう 前 まえ から燃料 ねんりょう として使 つか われていた。18世紀 せいき にイギリスで産業 さんぎょう 革命 かくめい が始 はじ まり、製鉄 せいてつ 業 ぎょう をはじめとした工業 こうぎょう が大 だい 規模 きぼ 化 か した。燃料 ねんりょう 消費 しょうひ 量 りょう が増 ふ え 従来 じゅうらい の薪 たきぎ や木炭 もくたん を使用 しよう した工業 こうぎょう システムでは森林 しんりん 資源 しげん の回復 かいふく が追 お いつかなくなる問題 もんだい が持 も ち上 あ がり、工業 こうぎょう 用 よう 燃料 ねんりょう として石炭 せきたん が注目 ちゅうもく され始 はじ めた。
石炭 せきたん の第 だい 一 いち 次 じ 黄金 おうごん 時代 じだい [ 編集 へんしゅう ]
1904年 ねん 製 せい の蒸気 じょうき 機関 きかん 車 しゃ City of Truro
18世紀 せいき になってジェームズ・ワット によって蒸気 じょうき 機関 きかん が実用 じつよう 化 か され、燃料 ねんりょう として石炭 せきたん が大量 たいりょう に使用 しよう されるようになった。また同 おな じ頃 ごろ に石炭 せきたん を乾留 かんりゅう したコークスによる製鉄 せいてつ 法 ほう が確立 かくりつ され、良質 りょうしつ な鉄 てつ が安価 あんか に大量 たいりょう に生産 せいさん できるようになり、産業 さんぎょう 革命 かくめい を大 おお きく推進 すいしん させた。19世紀 せいき 末 まつ になるとコークスを製造 せいぞう する際 さい の副産物 ふくさんぶつ として出 で てきたドロドロの液体 えきたい コールタール を原料 げんりょう として石炭 せきたん 化学 かがく 工業 こうぎょう が始 はじ まり、染料 せんりょう のインディゴ 、薬品 やくひん のアスピリン 、ナフタリン などが作 つく られるようになった。石炭 せきたん と石灰岩 せっかいがん を高温 こうおん (2,000℃)で反応 はんのう させてできた炭化 たんか カルシウム からアセチレン が作 つく られ、有機 ゆうき 化学 かがく 工業 こうぎょう の主 しゅ 原料 げんりょう となった(現在 げんざい この地位 ちい は石油 せきゆ 起源 きげん のナフサ /エチレン に替 か わっている)。燃料 ねんりょう としての石炭 せきたん は工場 こうじょう の動力 どうりょく のほか、鉄道 てつどう や船 ふね の蒸気 じょうき 機関 きかん の燃料 ねんりょう として使 つか われた。
都市 とし の照明 しょうめい や暖房 だんぼう ・調理 ちょうり 用 よう に石炭 せきたん 由来 ゆらい の合成 ごうせい ガス が使 つか われた。これは石炭 せきたん の熱 ねつ 分解 ぶんかい から得 え られたガスで、最初 さいしょ はコークスを作 つく る際 さい に発生 はっせい するメタン や水素 すいそ を主成分 しゅせいぶん とするコークス炉 ろ ガスがロンドンのガス灯 がすとう などに使 つか われた。次 つぎ にもっと大量 たいりょう に生産 せいさん できる都市 とし ガス が開発 かいはつ された。灼熱 しゃくねつ したコークスに水 みず をかけて得 え られる一酸化 いっさんか 炭素 たんそ と水素 すいそ からなるガスで、大都市 だいとし で1970年代 ねんだい まで使用 しよう されたが、便利 べんり ではあるが毒性 どくせい が強 つよ いものであったため現在 げんざい では毒性 どくせい の少 すく ない天然 てんねん ガスに切 き り替 か わりつつある。19世紀 せいき 末 まつ から20世紀 せいき 中旬 ちゅうじゅん にかけて、先進 せんしん 各国 かっこく の都市 とし では工場 こうじょう や家庭 かてい で使用 しよう する石炭 せきたん から出 で る煤煙 ばいえん による公害 こうがい 問題 もんだい が大 おお きくなっていった。
石炭 せきたん の黄金 おうごん 時代 じだい の主 おも な参考 さんこう 文献 ぶんけん - 『石炭 せきたん 技術 ぎじゅつ 総覧 そうらん 』第 だい 3章 しょう 石炭 せきたん を使 つか う
石炭 せきたん から石油 せきゆ への移行 いこう [ 編集 へんしゅう ]
第 だい 一 いち 次 じ 大戦 たいせん で活躍 かつやく したドイツ巡洋艦 じゅんようかん エムデン 、石炭 せきたん 燃焼 ねんしょう による目立 めだ つ黒 くろ 煙 けむり は敵 てき に見 み つかりやすい。特 とく にドイツ においては地政学 ちせいがく 的 てき な理由 りゆう から英国 えいこく のような高 こう 品質 ひんしつ の火力 かりょく の高 たか い無煙炭 むえんたん の入手 にゅうしゅ が困難 こんなん であったため不利 ふり な条件 じょうけん が重 かさ なることになった。
20世紀 せいき にはいると石油 せきゆ の採掘 さいくつ 技術 ぎじゅつ が発展 はってん し、アメリカ国内 こくない 、中東 ちゅうとう 、インドネシア で大 だい 規模 きぼ な油田 ゆでん が開発 かいはつ されて、大量 たいりょう に安価 あんか に入手 にゅうしゅ できるようになった。石油 せきゆ は液体 えきたい なので貯蔵 ちょぞう ・移送 いそう が便利 べんり な上 うえ 、発熱 はつねつ 量 りょう が大 おお きく、煤煙 ばいえん が少 すく ないので石炭 せきたん に代 か わる燃料 ねんりょう として使 つか われるようになった。1910年 ねん まで世界 せかい の海軍 かいぐん の主要 しゅよう 艦艇 かんてい の燃料 ねんりょう は石炭 せきたん であったが、イギリスでは1914年 ねん に竣工 しゅんこう した軽 けい 巡洋艦 じゅんようかん アリシューザ級 きゅう と1915年 ねん 竣工 しゅんこう の戦艦 せんかん クイーン・エリザベス級 きゅう 以後 いご の艦 かん は、燃料 ねんりょう を重油 じゅうゆ に切 き り替 か えた。日本 にっぽん などの国々 くにぐに でも1920年代 ねんだい 以後 いご に建造 けんぞう された艦 かん の燃料 ねんりょう はほとんど全 すべ て石油 せきゆ に切 き り替 か わった。他 た の分野 ぶんや では石油 せきゆ への切 き り替 か えは少 すこ し遅 おく れた。鉄道 てつどう 分野 ぶんや では当初 とうしょ 動力 どうりょく 車 しゃ として蒸気 じょうき 機関 きかん 車 しゃ のみしかなかったが、1940年代 ねんだい にはアメリカで高 こう 出力 しゅつりょく ディーゼル機関 きかん 車 しゃ の本格 ほんかく 運用 うんよう が始 はじ まった。ドイツは第 だい 二 に 次 じ 世界 せかい 大戦 たいせん 中 なか に、輸入 ゆにゅう が途絶 とぜつ した石油 せきゆ の代替 だいたい として石炭 せきたん 液化 えきか 技術 ぎじゅつ を実用 じつよう 化 か した。これは高温 こうおん (500℃以上 いじょう )高 こう 圧 あつ (数 すう 十 じゅう 気圧 きあつ 以上 いじょう )の条件下 じょうけんか で石炭 せきたん と水素 すいそ を反応 はんのう させて炭化 たんか 水素 すいそ を合成 ごうせい する方法 ほうほう であった。
第 だい 二 に 次 じ 世界 せかい 大戦 たいせん で敗戦 はいせん した日本 にっぽん は疲弊 ひへい した国内 こくない 産業 さんぎょう の建 た て直 なお しのために国策 こくさく として石炭 せきたん の増産 ぞうさん を実施 じっし し(傾斜 けいしゃ 生産 せいさん 方式 ほうしき )、戦後 せんご の復興 ふっこう を遂 と げた。当時 とうじ 火力 かりょく 発電 はつでん はほとんど石炭 せきたん を燃料 ねんりょう としていた。しかし1960年 ねん から発電 はつでん 用 よう 燃料 ねんりょう として石油 せきゆ の使用 しよう 量 りょう が増大 ぞうだい し、1970年代 ねんだい には石炭 せきたん のみを使 つか う火力 かりょく 発電 はつでん 所 しょ は新設 しんせつ されなくなった時期 じき があった。また既設 きせつ の石炭 せきたん 火力 かりょく 発電 はつでん 所 しょ も石油 せきゆ 使用 しよう に改造 かいぞう された。しかし2度 ど のオイルショック を経 へ て石油 せきゆ の価格 かかく 競争 きょうそう 力 りょく が石炭 せきたん や天然 てんねん ガスに劣 おと るようになったため、1980年 ねん 以降 いこう は原子力 げんしりょく 発電 はつでん を主力 しゅりょく とし、石炭 せきたん 火力 かりょく 発電 はつでん と天然 てんねん ガスを用 もち いたコンバインドサイクル発電 はつでん を組 く み合 あ わせバランスよく使用 しよう するように方針 ほうしん 転換 てんかん されている(電源 でんげん ベストミックス)。ただし化学 かがく 工業 こうぎょう の原料 げんりょう としては、現在 げんざい 圧倒的 あっとうてき に石油 せきゆ が使 つか われている。現在 げんざい の化学 かがく 工業 こうぎょう の基本 きほん となっているのは、石油 せきゆ の低 てい 沸点 ふってん 部分 ぶぶん ナフサ を原料 げんりょう としたエチレン である。
石油 せきゆ 危機 きき と石炭 せきたん 回帰 かいき ・天然 てんねん ガスとの競争 きょうそう [ 編集 へんしゅう ]
二 に 度 ど の石油 せきゆ 危機 きき 以降 いこう 、原油 げんゆ 価格 かかく が上昇 じょうしょう し、発電 はつでん ・工業 こうぎょう 用 よう ボイラ燃料 ねんりょう ・セメント 焼成 しょうせい 燃料 ねんりょう は1980年代 ねんだい に再 ふたた び石炭 せきたん に戻 もど った。一方 いっぽう で石油 せきゆ 代替 だいたい 燃料 ねんりょう のライバルとして天然 てんねん ガス が登場 とうじょう した。しかしながら価格 かかく が最 もっと も安価 あんか なため、1980年代 ねんだい 以降 いこう も米国 べいこく や中国 ちゅうごく では石炭 せきたん 火力 かりょく 発電 はつでん が発電 はつでん の大 おお きな柱 はしら となっている。日本 にっぽん では、東京電力 とうきょうでんりょく ・中部電力 ちゅうぶでんりょく ・関西電力 かんさいでんりょく のような大都市 だいとし 圏 けん の電力 でんりょく 会社 かいしゃ では比較的 ひかくてき 天然 てんねん ガスの比率 ひりつ が高 たか いものの、地方 ちほう の電力 でんりょく 会社 かいしゃ では、沖縄電力 おきなわでんりょく が2015年 ねん の統計 とうけい で発送 はっそう 電電 でんでん 力量 りきりょう 構成 こうせい 比 ひ で石炭 せきたん 火力 かりょく 発電 はつでん が62%をしめるのを筆頭 ひっとう に、中国電力 ちゅうごくでんりょく でも56%、北陸電力 ほくりくでんりょく でも64%を占 し めるなど石炭 せきたん 火力 かりょく 発電 はつでん が発電 はつでん の柱 はしら となっている会社 かいしゃ も多 おお い[23] [24] 。
近年 きんねん 中国 ちゅうごく での経済 けいざい 成長 せいちょう による需要 じゅよう 急 きゅう 拡大 かくだい などを背景 はいけい に2000年 ねん ごろには約 やく 50億 おく トンであった石炭 せきたん の消費 しょうひ 量 りょう は急増 きゅうぞう しており2010年 ねん 以降 いこう は約 やく 80億 おく トンとなっている[14] 。
2010年代 ねんだい には地球 ちきゅう 温暖 おんだん 化 か 対策 たいさく の視点 してん などから、火力 かりょく 発電 はつでん 所 しょ で使用 しよう される石炭 せきたん は天然 てんねん ガスと比 くら べて二酸化炭素 にさんかたんそ の排出 はいしゅつ 量 りょう が多 おお いことが問題 もんだい 視 し されるようになった。2016年 ねん に行 おこな われた第 だい 22回 かい 気候 きこう 変動 へんどう 枠 わく 組 ぐみ 条約 じょうやく 締約 ていやく 国 こく 会議 かいぎ (COP22)に合 あ わせ、フランス は2023年 ねん 、イギリス は2025年 ねん 、カナダ は2030年 ねん までに石炭 せきたん 火力 かりょく を廃止 はいし する方針 ほうしん を打 う ち出 だ している[25] 。また、アメリカではメキシコ湾岸 わんがん 油田 ゆでん などの開発 かいはつ から、コスト的 てき に天然 てんねん ガスが優位 ゆうい となり、石炭 せきたん 火力 かりょく 発電 はつでん 所 しょ が次々 つぎつぎ に閉鎖 へいさ される出来事 できごと もあった[26] 。
石炭 せきたん 資源 しげん の特徴 とくちょう [ 編集 へんしゅう ]
安価 あんか なコスト
自動車 じどうしゃ の普及 ふきゅう した先進 せんしん 国 こく では石油 せきゆ の占 し める割合 わりあい が高 たか いが、エネルギー消費 しょうひ の過半数 かはんすう を占 し める発電 はつでん 燃料 ねんりょう ・産業 さんぎょう 燃料 ねんりょう では、コスト優位 ゆうい により石炭 せきたん が未 いま だに少 すく なくない割合 わりあい を占 し めている国 くに もある。アメリカも発電 はつでん 燃料 ねんりょう は31%と天然 てんねん ガスと同 おな じぐらいである[27] 。中国 ちゅうごく は自動車 じどうしゃ の普及 ふきゅう で石油 せきゆ 輸入 ゆにゅう 量 りょう が急増 きゅうぞう し日本 にっぽん を追 お い抜 ぬ いたが、依然 いぜん として全 ぜん エネルギーのうち5割 わり 以上 いじょう を石炭 せきたん が占 し めている[28] 。
輸送 ゆそう ・貯蔵 ちょぞう 時 じ のセキュリティ
石油 せきゆ ・ガスのような流体 りゅうたい ではないことや、核 かく 燃料 ねんりょう のようにコンパクトではないことは、輸送 ゆそう のコストを押 お し上 あ げる要因 よういん ではあるが、一方 いっぽう では輸送 ゆそう や貯蔵 ちょぞう に際 さい しての事故 じこ やテロによる被害 ひがい の規模 きぼ を抑制 よくせい する要因 よういん でもある。
豊富 ほうふ な埋蔵 まいぞう 量 りょう
石炭 せきたん は他 た の燃料 ねんりょう に比 くら べて埋蔵 まいぞう 量 りょう が多 おお く、かつ石油 せきゆ のような一 いち 地域 ちいき への偏在 へんざい がなく、全 ぜん 世界 せかい で幅広 はばひろ く採掘 さいくつ が可能 かのう なエネルギー資源 しげん である。50年 ねん で枯渇 こかつ が懸念 けねん されている石油 せきゆ に対 たい し、石炭 せきたん は153年 ねん [29] の採掘 さいくつ が可能 かのう と考 かんが えられている[30] 。2017年 ねん の世界 せかい の消費 しょうひ は約 やく 75億 おく t[31] 、2017年 ねん 時点 じてん では総 そう 一 いち 次 じ エネルギー消費 しょうひ の23%を占 し める[32] 。確 かく 認可 にんか 採 と 埋蔵 まいぞう 量 りょう は、世界 せかい で約 やく 1兆 ちょう 35億 おく t(2017年 ねん )(BP統計 とうけい 2005年版 ねんばん では約 やく 9091億 おく t)[31] 。1990年 ねん のデータでは ウラン を含 ふく む燃料 ねんりょう 資源 しげん を石油 せきゆ に換算 かんさん した確 かく 認可 にんか 採 と 埋蔵 まいぞう 量 りょう の比率 ひりつ は石炭 せきたん が61.9%に達 たっ し、オイルサンド 類 るい の16.1%、石油 せきゆ の10.8%、天然 てんねん ガスの9.7%に比 くら べて圧倒的 あっとうてき に多 おお い。また石油 せきゆ が世界 せかい の埋蔵 まいぞう 量 りょう のうち中東 ちゅうとう 地区 ちく に約 やく 48%が偏在 へんざい したり(2016年 ねん のデータ)、天然 てんねん ガスがヨーロッパ及旧ソ連 それん と中東 ちゅうとう で70%以上 いじょう の埋蔵 まいぞう 量 りょう を占有 せんゆう する状況 じょうきょう である(2016年 ねん のデータ)のに比 くら べて 石炭 せきたん はアメリカ(22.1%)、中国 ちゅうごく (21.4%)、ロシア(14.1%)、オーストラリア (12.7%)、インド (8.3%)、ドイツ(3.2 %)と政情 せいじょう の安定 あんてい している国 くに の埋蔵 まいぞう 量 りょう が大 おお きいことが特徴 とくちょう (2016年 ねん のデータ)[33] 。
製鉄 せいてつ における石炭 せきたん の有利 ゆうり
鉄鉱 てっこう 石 せき とは錆 さ びた鉄 てつ ・酸化 さんか 鉄 てつ と脈 みゃく 石 せき の塊 かたまり であり、製鉄 せいてつ とは還元 かんげん 反応 はんのう である。現在 げんざい の高炉 こうろ 法 ほう は粘 ねば 結 むすぶ 炭 ずみ (瀝青炭 れきせいたん )を蒸 む し焼 や きにしたコークス と塊状 かいじょう 鉄鉱 てっこう 石 せき を円筒 えんとう 形 がた の高炉 こうろ に積 つ み上 あ げ、下 した から空気 くうき を吹 ふ き込 こ んで発生 はっせい する一酸化 いっさんか 炭素 たんそ で銑鉄 せんてつ を作 つく るので、石炭 せきたん (特 とく に粘 ねば 結 むすぶ 炭 ずみ )が不可欠 ふかけつ である。
天然 てんねん ガスでも還元 かんげん できるが温度 おんど が上 あ げにくいので、産油 さんゆ 国 こく のような石油 せきゆ 採掘 さいくつ の時 とき に随伴 ずいはん ガスとして出 で てきてしまう天然 てんねん ガスを無駄 むだ に燃 も やしている国 くに 以外 いがい では、石炭 せきたん のほうが優位 ゆうい である。
豊富 ほうふ な埋蔵 まいぞう 量 りょう の主 おも な参考 さんこう 文献 ぶんけん - 『エネルギー・セキュリティ』
健康 けんこう 被害 ひがい
石炭 せきたん を燃料 ねんりょう として使用 しよう すると、健康 けんこう 障害 しょうがい や死亡 しぼう の原因 げんいん になる。1952年 ねん 12月5日 にち から9日 にち にかけてロンドンで発生 はっせい した「ロンドンスモッグ 」は、主 おも に石炭 せきたん の大量 たいりょう 使用 しよう によって引 ひ き起 お こされ、合計 ごうけい 1万 まん 2000人 にん の犠牲 ぎせい 者 しゃ を出 だ し大気 たいき 汚染 おせん としては史上 しじょう 最悪 さいあく 規模 きぼ の公害 こうがい となった[34] 。世界 せかい 的 てき に石炭 せきたん は、毎年 まいとし 80万 まん 人 にん の早死 はやじに を引 ひ き起 お こすと推定 すいてい されている[35] 。
石炭 せきたん の燃焼 ねんしょう は二酸化 にさんか 硫黄 いおう (SO2 )の主 おも な排出 はいしゅつ 源 げん であり、窒素 ちっそ 成分 せいぶん も他 た のエネルギー源 げん より多 おお く、酸性 さんせい 雨 う や大気 たいき 汚染 おせん の最 もっと も危険 きけん な形態 けいたい であるPM2.5粒子 りゅうし 状 じょう 物質 ぶっしつ を生成 せいせい する[36] 。煙突 えんとつ からの排出 はいしゅつ 物 ぶつ は、喘息 ぜんそく 、脳卒中 のうそっちゅう 、知的 ちてき 障害 しょうがい 、 動脈 どうみゃく 閉塞 へいそく 、心臓 しんぞう 発作 ほっさ 、うっ血 けつ 性 せい 心不全 しんふぜん 、不整脈 ふせいみゃく 、水銀 すいぎん 中毒 ちゅうどく 、狭窄 きょうさく 症 しょう 、肺 はい がん を引 ひ き起 お こす[37] 。石炭 せきたん を使用 しよう して発電 はつでん することによるヨーロッパの年間 ねんかん 医療 いりょう 費 ひ は、最大 さいだい 430億 おく ユーロ と見積 みつ もられている[38] 。
他 た の燃料 ねんりょう に比 くら べて煤塵 ばいじん 発生 はっせい も多 おお く、労働 ろうどう 者 しゃ の塵肺 じんぱい を引 ひ き起 お こす[39] 。この影響 えいきょう で、米国 べいこく だけでも石炭 せきたん 産業 さんぎょう の元 もと 従業 じゅうぎょう 員 いん 1,500人 にん が毎年 まいとし 死亡 しぼう すると推定 すいてい されている[40] 。
石炭 せきたん を使用 しよう すると、毎年 まいとし 数 すう 億 おく トンの灰 はい やその他 た の廃棄 はいき 物 ぶつ が発生 はっせい し、これらには、フライアッシュ 、ボトムアッシュ、および排煙 はいえん 脱硫 だつりゅう スラッジが含 ふく まれ、これらには、セレン などの非金属 ひきんぞく とともに、水銀 すいぎん 、ウラン 、トリウム 、ヒ素 ひそ 、およびその他 た の重金属 じゅうきんぞく が含 ふく まれている[41] 。1990年代 ねんだい におけるアメリカ地質調査所 ちしつちょうさしょ の推計 すいけい によると、アメリカ人 じん は平均 へいきん して石炭 せきたん 由来 ゆらい の放射線 ほうしゃせん を自然 しぜん 放射線 ほうしゃせん 量 りょう の0.1%程度 ていど 、石炭 せきたん 火力 かりょく 発電 はつでん 所 しょ から1kmの場所 ばしょ に住 す んでいる場合 ばあい は最大 さいだい で5%を追加 ついか で被曝 ひばく しているとされる[42] 。
放射 ほうしゃ 性 せい 物質 ぶっしつ は土中 どちゅう に微量 びりょう 含 ふく まれているため、他 た の鉱物 こうぶつ (鉄 てつ や銅 どう 、アルミ)など採掘 さいくつ 残土 ざんど 、精製 せいせい 残土 ざんど やそれらの工業 こうぎょう 製品 せいひん にも製品 せいひん 品質 ひんしつ や人体 じんたい に影響 えいきょう を与 あた えない範囲 はんい で極 ごく 微量 びりょう 含有 がんゆう している。石炭 せきたん だけが環境 かんきょう 破壊 はかい (非金属 ひきんぞく 、重金属 じゅうきんぞく 、放射 ほうしゃ 性 せい )の影響 えいきょう を与 あた えているという考 かんが えは誤 あやま りである。また、石炭 せきたん の燃 も え滓 かす である灰 はい や廃棄 はいき 物 ぶつ は、石炭 せきたん の主成分 しゅせいぶん の炭素 たんそ を分離 ぶんり した色々 いろいろ な高 こう 濃度 のうど 物質 ぶっしつ の塊 かたまり であり、環境 かんきょう や人体 じんたい への影響 えいきょう を考 かんが えたら切 き りが無 な い。だが、石炭 せきたん だけ取 と り上 あ げられる理由 りゆう は、石炭 せきたん の消費 しょうひ 者 しゃ (火力 かりょく 発電 はつでん 所 しょ や製鉄 せいてつ 所 しょ など)が環境 かんきょう 意識 いしき の高 たか い利用 りよう 者 しゃ 、最終 さいしゅう 消費 しょうひ 者 しゃ (先進 せんしん 国 こく の国民 こくみん )に近 ちか いから環境 かんきょう アセスメント問題 もんだい として騒 さわ がれているだけで、発展 はってん 途上 とじょう 国 こく や公害 こうがい に対 たい する教育 きょういく の低 ひく い国 くに や国民 こくみん が騒 さわ がないだけである。そのため、先進 せんしん 国 こく から、大型 おおがた 火力 かりょく 発電 はつでん 所 しょ や製鉄 せいてつ 所 しょ が撤退 てったい し、上記 じょうき の国 くに や地域 ちいき なら軽度 けいど の環境 かんきょう アセスメントや経済 けいざい 的 てき に移転 いてん している。また、前述 ぜんじゅつ したとおり、石炭 せきたん の灰 はい は色々 いろいろ な高 こう 濃度 のうど 物質 ぶっしつ の塊 かたまり なので、都市 とし 鉱山 こうざん の一種 いっしゅ として研究 けんきゅう が行 おこな われている。
環境 かんきょう への影響 えいきょう
石炭 せきたん 使用 しよう の最大 さいだい かつ最 もっと も長期 ちょうき 的 てき な影響 えいきょう は、気候 きこう 変動 へんどう と地球 ちきゅう 温暖 おんだん 化 か に強 つよ い影響 えいきょう を与 あた える物質 ぶっしつ である温室 おんしつ 効果 こうか ガス である二酸化炭素 にさんかたんそ (CO2 )の放出 ほうしゅつ である。石炭 せきたん は、2017年 ねん 時点 じてん で世界 せかい の一 いち 次 じ エネルギーの4分 ぶん の1[43] を供給 きょうきゅう し、石炭 せきたん 火力 かりょく 発電 はつでん は、2018年 ねん の世界 せかい のCO2 排出 はいしゅつ 量 りょう 増加 ぞうか の最大 さいだい の要因 よういん であり、化石 かせき 燃料 ねんりょう からの温室 おんしつ 効果 こうか ガス総 そう 排出 はいしゅつ 量 りょう の40%となっている[44] 。石炭 せきたん 採掘 さいくつ は、別 べつ の温室 おんしつ 効果 こうか ガスであるメタンを放出 ほうしゅつ する[45] 。
石炭 せきたん は高 こう 品位 ひんい になるほど炭素 たんそ 含有 がんゆう 量 りょう が増 ふ えて水素 すいそ ・酸素 さんそ が減 へ ってゆき、無煙炭 むえんたん の炭素 たんそ 含有 がんゆう 量 りょう は90 %以上 いじょう に達 たっ する。他 た の燃料 ねんりょう は燃焼 ねんしょう すると主 おも に二酸化炭素 にさんかたんそ と水蒸気 すいじょうき が発生 はっせい するが、高 こう 品位 ひんい の石炭 せきたん を燃 も やすと燃焼 ねんしょう 生成 せいせい 物 ぶつ の大 だい 部分 ぶぶん が二酸化炭素 にさんかたんそ となる。含有 がんゆう 水素 すいそ の少 すく なさを、炭素 たんそ の燃焼 ねんしょう によってカバーしているため、他 た の燃料 ねんりょう と発熱 はつねつ 量 りょう で比較 ひかく すると二酸化炭素 にさんかたんそ の排出 はいしゅつ が多 おお くなる。他 た の硫黄 いおう 酸化 さんか 物 ぶつ 除去 じょきょ は実用 じつよう 化 か されており、二酸化炭素 にさんかたんそ は地中 ちちゅう 処分 しょぶん が検討 けんとう されているが、日本 にっぽん では貯留 ちょりゅう 層 そう に70年 ねん 分 ぶん の容量 ようりょう しかないといい、既存 きそん 石炭 せきたん 火力 かりょく 発電 はつでん 所 しょ を寿命 じゅみょう まで使 つか い切 き って次世代 じせだい 発電 はつでん 所 しょ にバトンタッチする繋 つな ぎ技術 ぎじゅつ と目 め されている。
エネルギーが小 ちい さい
石油 せきゆ と比較 ひかく した場合 ばあい は低 てい エネルギーであり、重油 じゅうゆ と比 くら べて約 やく 半分 はんぶん である。これは蒸気 じょうき ボイラーで同 おな じ出力 しゅつりょく を得 え ようとした場合 ばあい 、石油 せきゆ 燃料 ねんりょう を使用 しよう する場合 ばあい よりも大 おお きなボイラーが必要 ひつよう であることを意味 いみ する。
固体 こたい のため、採掘 さいくつ ・運搬 うんぱん ・貯蔵 ちょぞう に際 さい してコストがかかる
液体 えきたい や気体 きたい (圧縮 あっしゅく し液体 えきたい 化 か させれば)はポンプ と配管 はいかん で輸送 ゆそう できるが、石炭 せきたん の輸送 ゆそう にはパワーショベル または人手 ひとで による投 とう 炭 ずみ 、ホッパー 、ベルトコンベア などが必要 ひつよう である。貯蔵 ちょぞう の際 さい には屋内 おくない 屋外 おくがい の貯炭 ちょたん 場 じょう などに積 つ み上 あ げられることになる。坑内 こうない 掘 ほ りの場合 ばあい は、粉塵 ふんじん やガスの爆発 ばくはつ 事故 じこ や、ガスによる酸 さん 欠 かけ 事故 じこ 、粉塵 ふんじん による塵肺 じんぱい 、落盤 らくばん 事故 じこ などの危険 きけん が伴 ともな う。
放置 ほうち すると空気 くうき と緩慢 かんまん 酸化 さんか 、自然 しぜん 発熱 はつねつ を起 お こし場合 ばあい によっては自然 しぜん 発火 はっか に至 いた ることもあるので注意 ちゅうい が必要 ひつよう [46] [47] 。そのため、石炭 せきたん の貯蔵 ちょぞう 設備 せつび は日除 ひよ けや、粉塵 ふんじん や自然 しぜん 発火 はっか 防止 ぼうし の散水 さんすい 設備 せつび などの安全 あんぜん 費用 ひよう が掛 か かり、石炭 せきたん を使用 しよう する直前 ちょくぜん には、湿気 しけ た石炭 せきたん を乾燥 かんそう させてから火 ひ 炉 ろ に投入 とうにゅう するため、乾燥 かんそう 設備 せつび や乾燥 かんそう 熱 ねつ (排 はい 熱 ねつ の利用 りよう )の費用 ひよう もかかる。
石炭 せきたん の欠点 けってん の主 おも な参考 さんこう 文献 ぶんけん - 『石炭 せきたん 技術 ぎじゅつ 総覧 そうらん 』第 だい 3章 しょう 石炭 せきたん を使 つか う
グレード別 べつ の石炭 せきたん の種類 しゅるい (下位 かい から上位 じょうい ) 石炭 せきたん 燃焼 ねんしょう 石炭 せきたん 鉱業 こうぎょう
ノート: [1] 泥炭 でいたん は石炭 せきたん の前駆 ぜんく 物質 ぶっしつ と考 かんが えられている。グラファイトは技術 ぎじゅつ 的 てき にはあくまでも石炭 せきたん の一種 いっしゅ と考 かんが えられている。 カテゴリ
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