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示 しめせ 準 じゅん 化石 かせき
示 しめせ 準 じゅん 化石 かせき (しじゅんかせき、英語 えいご : index fossil )とは、その化石 かせき の含 ふく まれる地層 ちそう が堆積 たいせき した地質 ちしつ 時代 じだい を示 しめ す化石 かせき である。標準 ひょうじゅん 化石 かせき とも言 い われる。(地層 ちそう の堆積 たいせき した時代 じだい の推定 すいてい に役立 やくだ つ化石 かせき のこと)
放射 ほうしゃ 年代 ねんだい 測定 そくてい が登場 とうじょう するまで、地質 ちしつ 学 がく において、離 はな れた地域 ちいき の間 あいだ で地層 ちそう を対比 たいひ する手 て がかりは化石 かせき 以外 いがい なく、そうした研究 けんきゅう の中 なか で、特 とく に年代 ねんだい 推定 すいてい の指針 ししん となる化石 かせき が求 もと められた。
化石 かせき とそれが示 しめ す時間 じかん 尺度 しゃくど について最初 さいしょ に注目 ちゅうもく したのは、ウィリアム・スミス であった。彼 かれ は、化石 かせき による地層 ちそう の対比 たいひ と時間 じかん の同定 どうてい についての知見 ちけん [ 1] [ 2] を、後 のち に地層 ちそう 同定 どうてい の法則 ほうそく と呼 よ ばれる法則 ほうそく にまとめると共 とも に、実地 じっち に応用 おうよう し、世界 せかい 最初 さいしょ の地質 ちしつ 図 ず を作 つく り上 あ げた。
(大抵 たいてい は)現生 げんなま していないもの。
短 みじか い年代 ねんだい によって形態 けいたい に変化 へんか が生 しょう じたもの[ 3] 。
地質 ちしつ 時代 じだい ごとに形態 けいたい が異 こと なっていることにより、逆 ぎゃく にその形態 けいたい から地質 ちしつ 時代 じだい を決定 けってい することができるようになる。
様々 さまざま な環境 かんきょう に適応 てきおう でき、分布 ぶんぷ 領域 りょういき が広 ひろ く、かつ多数 たすう 発見 はっけん されるもの[ 4] 。
分布 ぶんぷ が狭 せま いものでは、他 た 地域 ちいき と比較 ひかく ができない。個体 こたい 数 すう が少 すく なく、発見 はっけん の頻度 ひんど が少 すく ないものも役 やく に立 た ちにくい。
したがって、示 しめせ 準 じゅん 化石 かせき には(保存 ほぞん 性 せい のよい)殻 から を持 も ち、個体 こたい 数 すう の多 おお い小型 こがた の動物 どうぶつ 、二枚貝 にまいがい や巻 ま き貝 がい 、あるいは甲殻 こうかく 類 るい 等 ひとし が多 おお い。三 さん 葉虫 はむし (古生代 こせいだい )やアンモナイト 、三角 さんかく 貝 かい (中生代 ちゅうせいだい )などは、いずれも広 ひろ く分布 ぶんぷ し、多 おお くの属 ぞく 種 しゅ に分化 ぶんか したことが明確 めいかく であることから、それぞれの時代 じだい を象徴 しょうちょう する示 しめせ 準 じゅん 化石 かせき としてよく知 し られている。古生代 こせいだい については、腕 うで 足 あし 類 るい も示 しめせ 準 じゅん 化石 かせき として利用 りよう される[ 注 ちゅう 1] 他 た 、大型 おおがた の有 ゆう 孔 あな 虫 ちゅう であるフズリナ 、筆石 ふでし なども広 ひろ く利用 りよう される。新生代 しんせいだい ではほ乳類 にゅうるい 、貨幣 かへい 石 せき などがあげられる。
浮遊 ふゆう 性 せい 有 ゆう 孔 あな 虫 ちゅう に代表 だいひょう される微 ほろ 化石 かせき も、示 しめせ 準 じゅん 化石 かせき として用 もち いられる。これらは、アンモナイト等 とう の大型 おおがた 化石 かせき に比 くら べ、岩石 がんせき 中 ちゅう に見 み いだされる個体 こたい 数 すう がはるかに多 おお く(拳 こぶし 大 だい の試料 しりょう 中 ちゅう に数 すう 百 ひゃく から数 すう 十 じゅう 万 まん 個 こ )、大型 おおがた 化石 かせき を含 ふく まない岩石 がんせき からも発見 はっけん されることが多 おお いため、示 しめせ 準 じゅん 化石 かせき としてより有用 ゆうよう である。最近 さいきん では、放散 ほうさん 虫 ちゅう 、珪藻 けいそう 、石灰 せっかい 質 しつ ナノプランクトンなどの海 うみ 生 せい の浮遊 ふゆう 生 せい 原生 げんせい 生物 せいぶつ が地質 ちしつ 年代 ねんだい 決定 けってい の際 さい に用 もち いられる[ 5] 。
示 しめせ 準 じゅん 化石 かせき がその役割 やくわり を果 は たすためには、その化石 かせき となった後 のち 、再 さい 堆積 たいせき していないことが重要 じゅうよう である。ある生物 せいぶつ が死亡 しぼう し化石 かせき となった後 のち 、乱 らん 泥 どろ 流 りゅう 等 とう で堆積 たいせき 物 ぶつ ごと移動 いどう した場合 ばあい や、生物 せいぶつ 擾乱 じょうらん (バイオターベーション、bioturbation)によって擾乱 じょうらん された場合 ばあい 、その化石 かせき は示 しめせ 準 じゅん 化石 かせき としては用 よう をなさなくなる。これは微 ほろ 化石 かせき の場合 ばあい において特 とく に顕著 けんちょ である。
小松 こまつ 左京 さきょう のSF ショートショート 作品 さくひん に『標準 ひょうじゅん 化石 かせき 』と言 い うものがある。ある地層 ちそう から様々 さまざま な年代 ねんだい の示 しめせ 準 じゅん 化石 かせき が、その年代 ねんだい 順 じゅん の並 なら びで出土 しゅつど した、と言 い う話 はなし である。
^ シャミセンガイ は古生代 こせいだい から現在 げんざい まで、その姿 すがた がほとんど変 か わっていないため用 もち いられない。
^ ガブリエル・ゴオー 著 ちょ 、菅谷 すがや 暁 あきら 訳 やく 『地質 ちしつ 学 がく の歴史 れきし 』みすず書房 しょぼう 、1997年 ねん (原著 げんちょ 1987年 ねん )、196頁 ぺーじ 。ISBN 4-622-03958-3 。
^ Smith, William, Strata Identified by Organized Fossils, Containing Prints on Colored Paper of the Most Characteristic Specimens in Each Stratum (London, W. Ardin, 1816).
^ 『ニューステージ 新 しん 地学 ちがく 図表 ずひょう 』浜島 はまじま 書店 しょてん 、2013年 ねん 11月5日 にち 、142-143頁 ぺーじ 。ISBN 978-4-8343-4015-0 。
^ 在田 ありた 一則 かずのり 、竹下 たけした 徹 とおる 、見延 みのべ 庄 しょう 士郎 しろう 、渡部 わたなべ 重 しげる 十 じゅう 『地球 ちきゅう 惑星 わくせい 科学 かがく 入門 にゅうもん 第 だい 2版 はん 』北海道大学 ほっかいどうだいがく 出版 しゅっぱん 会 かい 、2015年 ねん 3月 がつ 10日 とおか 、131-132,187頁 ぺーじ 。ISBN 978-4-8329-8219-2 。
^ 池谷 いけがや 仙 せん 之 これ ・北里 きたさと 洋 ひろし 著 ちょ 『地球 ちきゅう 生物 せいぶつ 学 がく ー地球 ちきゅう と生命 せいめい の進化 しんか ー』)東京大学 とうきょうだいがく 出版 しゅっぱん 会 かい 2004年 ねん 68ページ