竹たけ入にゅう義勝よしかつ

日本にっぽんの政治せいじ家か 竹たけ入にゅう 義勝よしかつ たけいり よしかつ
『創価学会そうかがっかい＝公明党こうめいとう』（青木あおき書店しょてん、1967年ねん）より
生年月日せいねんがっぴ	(1926-01-10) 1926年ねん1月がつ10日とおか
出生しゅっしょう地ち	長野ながの県けん上伊那かみいな郡ぐん辰野たつの町まち
没ぼつ年月日ねんがっぴ	(2023-12-23) 2023年ねん12月23日にち（97歳さい没ぼつ）
死没しぼつ地ち	福岡ふくおか県けん福岡ふくおか市し
出身しゅっしん校こう	旧制きゅうせい伊那いな中学ちゅうがく卒業そつぎょう
前ぜん職しょく	公共こうきょう企業きぎょう体たい日本にっぽん国有こくゆう鉄道てつどう職員しょくいん 公明党こうめいとう最高さいこう顧問こもん
所属しょぞく政党せいとう	（無所属むしょぞく→） （自由民主党じゆうみんしゅとう→） （公明こうめい政治せいじ連盟れんめい→） （公明党こうめいとう→） （公明こうめい→） 無所属むしょぞく
称号しょうごう	正せい三さん位い 勲一等くんいっとう旭日大綬章あさひだいじゅしょう
衆議院しゅうぎいん議員ぎいん
選挙せんきょ区く	旧きゅう東京とうきょう10区く
当選とうせん回数かいすう	8回かい
在任ざいにん期間きかん	1967年ねん1月がつ29日にち - 1990年ねん1月がつ24日にち
第だい3代だい 公明党こうめいとう中央ちゅうおう執行しっこう委員いいん長ちょう
在任ざいにん期間きかん	1967年ねん2月がつ1日にち - 1986年ねん12月5日にち
東京とうきょう都議会とぎかい議員ぎいん
選挙せんきょ区く	北きた区く選挙せんきょ区く
当選とうせん回数かいすう	1回かい
在任ざいにん期間きかん	1963年ねん4月がつ - 1964年ねん
文京ぶんきょう区く議会ぎかい議員ぎいん
当選とうせん回数かいすう	1回かい
在任ざいにん期間きかん	1959年ねん4月がつ - 1963年ねん4月がつ

竹たけ入にゅう 義勝よしかつ（たけいり よしかつ、1926年ねん〈大正たいしょう15年ねん〉1月がつ10日とおか - 2023年ねん〈令れい和わ5年ねん〉12月23日にち）は、日本にっぽんの政治せいじ家か。衆議院しゅうぎいん議員ぎいん（8期き）、東京とうきょう都議会とぎかい議員ぎいん（1期き）、文京ぶんきょう区く議会ぎかい議員ぎいん（1期き）を歴任れきにん。位階いかいは正せい三さん位い。

1967年ねんから1986年ねんまで公明党こうめいとう委員いいん長ちょうを務つとめ、言論げんろん出版しゅっぱん妨害ぼうがい事件じけんでは中心ちゅうしんとなって動うごいた。1972年ねん7月がつに独自どくじのルートで中国ちゅうごくの周しゅう恩来おんらい首相しゅしょうと会談かいだんし、同年どうねん9月がつの日にち中ちゅう国交こっこう正常せいじょう化かの橋渡はしわたしを行おこなった（竹たけ入にゅうメモ）。

のちに、創価学会そうかがっかいから除名じょめいされた。詳細しょうさいは「創価学会そうかがっかい#創価学会そうかがっかいに対たいする批判ひはん」を参照さんしょう。

経歴けいれき

長野ながの県けん上伊那かみいな郡ぐん辰野たつの町まちに生うまれ、北佐久きたさく郡ぐん軽井沢かるいざわ町まちで育そだつ。

陸軍りくぐん航空こうくう士官しかん学校がっこう在校ざいこう中ちゅうに敗戦はいせんを迎むかえた。 旧制きゅうせい伊那いな中学ちゅうがくを経へて、国鉄こくてつ（現げん：JR東日本ひがしにっぽん）に勤務きんむ。1948年ねん国鉄こくてつ田端たばた機関きかん区く勤務きんむ、肺病はいびょうを病やみ、1953年ねん創価学会そうかがっかいに入会にゅうかい。

1959年ねん4月がつ、文京ぶんきょう区く議会ぎかい議員ぎいん選挙せんきょに無所属むしょぞく（創価学会そうかがっかい推薦すいせん）で立候補りっこうほし、初はつ当選とうせん。

1961年ねん11月 - 公明こうめい政治せいじ連盟れんめいの結成けっせいに参加さんか。この頃ころ、自由民主党じゆうみんしゅとう本部ほんぶに出入でいりし、政治せいじ大だい学校がっこう（現げん：自由民主党じゆうみんしゅとう中央ちゅうおう政治せいじ大学院だいがくいん）の講義こうぎを通つうじて田中たなか角栄かくえいらと個人こじん的てきな関係かんけいを築きずいた。

1963年ねん4月がつ、東京とうきょう都議会とぎかい議員ぎいん選挙せんきょに北きた区く選挙せんきょ区くから公明こうめい政治せいじ連盟れんめいの公認こうにんを受うけて立候補りっこうほし、初はつ当選とうせん。

1963年ねん、政治せいじ大だい学校がっこうを卒業そつぎょう、創価学会そうかがっかい副ふく理事りじ長ちょう。

1964年ねん11月17日にち、公明党こうめいとうが結成けっせい。公明党こうめいとう副ふく書記しょき長ちょうに就任しゅうにんする。

公明党こうめいとう委員いいん長ちょうに就任しゅうにん

創価学会そうかがっかい会員かいいんと語かたる池田いけだ大作だいさく。それを取とり囲かこむ創価学会そうかがっかい幹部かんぶ、竹たけ入にゅう義勝よしかつ、北条ほうじょう浩ひろしら。大石寺たいせきじの参道さんどうにて。

『公明こうめい』1967年ねん3月がつ号ごうより

1967年ねん1月がつ29日にちに行おこなわれた第だい31回かい衆議院しゅうぎいん議員ぎいん総そう選挙せんきょに、新設しんせつされた旧きゅう東京とうきょう10区くから公明党こうめいとう公認こうにんで立候補りっこうほし、初はつ当選とうせん。公明党こうめいとうは25議席ぎせきを獲得かくとくする躍進やくしん。

同年どうねん2月がつ13日にち、公明党こうめいとう第だい4回かい党とう大会たいかいが開催かいさい。辻つじ武寿たけとしの退任たいにんにともない、第だい3代だい公明党こうめいとう中央ちゅうおう執行しっこう委員いいん長ちょうに就任しゅうにん。過去かこ2代だいの委員いいん長ちょうは参議院さんぎいん議員ぎいんが就任しゅうにんしていたが、衆議院しゅうぎいん議員ぎいんである竹たけ入いれが委員いいん長ちょうに就任しゅうにんしたことは、公明党こうめいとうが衆議院しゅうぎいんを重視じゅうしする転換てんかんを示しめすことになった。

1969年ねん12月、政治せいじ評論ひょうろん家かの藤原ふじわら弘ひろし達たちによる、公明党こうめいとうと創価学会そうかがっかいの政教せいきょう分離ぶんり問題もんだいが表面ひょうめん化かした際さい、自民党じみんとう幹事かんじ長ちょうだった田中たなか角栄かくえいに事態じたいの沈静ちんせい化かを依頼いらいする。党とう書記しょき長ちょう矢野やの絢あや也と共ともに田中たなかと藤原ふじわらの会談かいだんを見守みまもった。

詳細しょうさいは「言論げんろん出版しゅっぱん妨害ぼうがい事件じけん」を参照さんしょう

1971年ねん暴漢ぼうかんに襲おそわれ重傷じゅうしょうを負おう。

日にち中ちゅう国交こっこう正常せいじょう化か

1971年ねん7月がつ2日にち、竹たけ入いれを団長だんちょうとする公明党こうめいとう第だい一いち次じ代表だいひょう団だんは北京ぺきんで、王国おうこく健けんを代表だいひょうとする中日ちゅうにち友好ゆうこう協会きょうかい代表だいひょう団だんと共同きょうどう声明せいめいを行おこなった。その中なかで公明党こうめいとう側がわは「中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこくは唯一ゆいいつの合法ごうほう政府せいふ」などとする五ご原則げんそくを明あきらかにした。その直後ちょくご、7月がつ9日にちから11日にちにかけて、米国べいこくのヘンリー・キッシンジャー大統領だいとうりょう補佐ほさ官かんが周しゅう恩来おんらい首相しゅしょうと北京ぺきんで会談かいだんを行おこなった。キッシンジャーから報告ほうこくを受うけたリチャード・ニクソン大統領だいとうりょうは7月がつ15日にち、それまで極秘ごくひで進すすめてきた米べい中ちゅう交渉こうしょうを明あきらかにし、自身じしんの訪中ほうちゅう計画けいかくを電撃でんげき的てきに発表はっぴょうした。

1972年ねん7月がつ25日にち、竹たけ入いれ、正木まさき良明よしあき、大久保おおくぼ直彦なおひこらは羽田はたを出発しゅっぱつし、香港ほんこん経由けいゆで北京ぺきんに到着とうちゃく。同月どうげつ27日にちから29日にちにかけて周しゅう恩来おんらい首相しゅしょうと単独たんどくで会談かいだんし、日にち中ちゅう国交こっこう正常せいじょう化か交渉こうしょうの折衝せっしょうを行おこなった（竹たけ入にゅうメモ）。同年どうねん9月がつ、首相しゅしょうとなった角栄かくえいが訪中ほうちゅうするが、その際さいの日にち中ちゅう共同きょうどう声明せいめい実現じつげんに貢献こうけんする。さらに北朝鮮きたちょうせんも訪問ほうもん、首相しゅしょうから主席しゅせきになったばかりの金きむ日成いるそんと会談かいだんした。

1975年ねん、社会党しゃかいとう委員いいん長ちょうの成田なりた知巳ともみと初はじめて社しゃ公党こうとう首くび会談かいだんを行おこなう。反はん自民じみんで意気投合いきとうごうし、選挙せんきょ協力きょうりょくにまで発展はってんする。

1979年ねん、民社党みんしゃとう委員いいん長ちょうの佐々木ささき良作りょうさくと公民こうみん連合れんごう政権せいけん構想こうそうに合意ごういする。同年どうねん10月がつ7日にちの第だい35回かい衆議院しゅうぎいん議員ぎいん総そう選挙せんきょでは、社やしろ公こう・公民こうみんにおける選挙せんきょ協力きょうりょくが奏功そうこう。自民党じみんとうを大敗たいはいに追おい込こんだ。

1980年ねん1月がつ、成田なりたの後任こうにんの委員いいん長ちょうの飛鳥あすか田た一雄かずおとの間あいだで連合れんごう政権せいけん構想こうそうに合意ごうい。日本にっぽん共産党きょうさんとうとは絶縁ぜつえん（革新かくしんブロックの解消かいしょう）。公明党こうめいとうはこれ以降いこう、一貫いっかんして共産党きょうさんとう排除はいじょ路線ろせんを取とり続つづけ、創そう共ども協定きょうていは完全かんぜんに死文しぶん化か。

詳細しょうさいは「社しゃ公こう連合れんごう政権せいけん構想こうそう」および「社しゃ公民こうみん路線ろせん」を参照さんしょう

1984年ねん、自民党じみんとう総裁そうさい選挙せんきょにおいて、二階堂にかいどう擁立ようりつ構想こうそうが持もち上あがり、佐々木ささき良作りょうさくと共ともに擁立ようりつ抗争こうそうに巻まき込こまれる。

1986年ねん12月、各党かくとうが世代せだい交代こうたいする中なか、在職ざいしょく20年ねん目めを前まえに委員いいん長ちょうを退任たいにん。公明党こうめいとう最高さいこう顧問こもんに就任しゅうにんする。

1990年ねん2月がつの第だい39回かい衆議院しゅうぎいん議員ぎいん総そう選挙せんきょに立候補りっこうほせず。党内とうない役職やくしょく定年ていねん（在職ざいしょく中ちゅうに66歳さいの誕生たんじょう日びを迎むかえ得える場合ばあいはその直前ちょくぜんの選挙せんきょをもって引退いんたい）を確立かくりつさせ、政界せいかいから引退いんたい。

晩年ばんねん

1996年ねん、勲一等くんいっとう旭日大綬章あさひだいじゅしょうを受章じゅしょうする。

1998年ねん8月がつから9月がつにかけて朝日新聞あさひしんぶんに掲載けいさいされたインタビュー記事きじがきっかけで反はん学会がっかいに転てんじ、公明党こうめいとう最高さいこう顧問こもんを解任かいにんの上うえ、除名じょめいされる（詳細しょうさいは後述こうじゅつ）。創価学会そうかがっかいも竹たけ入いれを会員かいいん除名じょめいとした。

2023年ねん12月23日にち、肺炎はいえんのため、福岡ふくおか市しの病院びょういんで死去しきょ。97歳さい没ぼつ。死没しぼつ日付ひづけをもって正せい三さん位いに叙じょされた。

人物じんぶつ

• 1971年ねん9月21日にち、公明党こうめいとう本部ほんぶ前まえで暴漢ぼうかんにナイフで刺さされ、3か月げつの重傷じゅうしょうを負おった。
• 20年ねん近ちかく日本にっぽんの国政こくせい政党せいとう党首とうしゅとして在任ざいにんしていたことは、独特どくとくの民主みんしゅ集中しゅうちゅう制せいにより世代せだい交代こうたいが起おこりにくい体質たいしつの日本にっぽん共産党きょうさんとうを除のぞけば異例いれいの長ながさである。

学歴がくれき・軍ぐん歴れきの矛盾むじゅん

1998年ねん（平成へいせい10年ねん）、公明党こうめいとうと創価学会そうかがっかいが政教せいきょう一致いっちの関係かんけいにあったと主張しゅちょうし、朝日新聞あさひしんぶんに「55年ねん体制たいせい回顧かいこ録ろく」が掲載けいさいされた。同どう回顧かいこ録ろくが精査せいさされた結果けっか、学歴がくれき記述きじゅつの矛盾むじゅんなどが見みつかった。竹たけ入いれはこれを逆恨さかうらみし反はん公明党こうめいとう・反はん創価学会そうかがっかいの立場たちばを鮮明せんめいにしていき、公明党こうめいとうは中央ちゅうおう幹事かんじ会かいで政界せいかい引退いんたい済ずみの党とうの功労こうろう者しゃだったにもかかわらず最高さいこう顧問こもん職しょく解任かいにん、党とうからの除名じょめいを決きめた。直後ちょくごに創価学会そうかがっかいも中央ちゅうおう審査しんさ会かいを開ひらいて除名じょめい処分しょぶんを決定けってい、事実じじつ上じょうの永久えいきゅう追放ついほうという形かたちで両者りょうしゃは絶縁ぜつえんした。

「除名じょめい#創価学会そうかがっかいの除名じょめい」も参照さんしょう

具体ぐたい的てきには、竹たけ入いれの経歴けいれきについて朝日新聞あさひしんぶんの紙面しめん上じょうでは「陸軍りくぐん航空こうくう特別とくべつ幹部かんぶ候補こうほ生せい」としていた。しかし、他たのマスコミに対たいして公表こうひょうしていた経歴けいれきは「陸軍りくぐん航空こうくう士官しかん学校がっこう在学ざいがく中ちゅうに終戦しゅうせんを迎むかえる」等ひとしであった。

陸軍りくぐん航空こうくう士官しかん学校がっこうというのは当初とうしょ、埼玉さいたま県けん所沢ところざわ町まち（現げん・所沢ところざわ市し）の所沢ところざわ飛行場ひこうじょう（現げん・所沢ところざわ航空こうくう記念きねん公園こうえん）内ないに実在じつざいした機関きかんで、特別とくべつ幹部かんぶ候補こうほ生せい（特とく幹みき）という兵士へいし教育きょういく制度せいども実在じつざいした。しかし、陸軍りくぐん航空こうくう士官しかん学校がっこうは所沢ところざわで開校かいこうした翌年よくねんに隣となりの豊岡とよおか町まち（現げん・入間いるま市し）の修おさむ武たけ台だい（現げん・航空こうくう自衛隊じえいたい入間いるま基地きち）に移転いてんしており、竹たけ入いれが在校ざいこうしていたとされる終戦しゅうせん直前ちょくぜんに所沢ところざわ飛行場ひこうじょう内ないにあったのは所沢ところざわ陸軍りくぐん航空こうくう整備せいび学校がっこうという別べつの機関きかんだった。

詳細しょうさいは「陸軍りくぐん航空こうくう士官しかん学校がっこう#創設そうせつ」および「陸軍りくぐん航空こうくう整備せいび学校がっこう#概要がいよう」を参照さんしょう

所沢ところざわ陸軍りくぐん航空こうくう整備せいび学校がっこうでは、竹たけ入いれが18歳さいだった1944年ねん（昭和しょうわ19年ねん）に新設しんせつされたばかりの第だい1期き特別とくべつ幹部かんぶ候補こうほ生せいを受うけ入いれたという記録きろくが残のこっている。党とうは竹たけ入いれが学歴がくれき要件ようけんのなかった特とく幹みき採用さいよう試験しけんに合格ごうかくし、実際じっさいに航空こうくう整備せいび学校がっこうに入校にゅうこうしていた可能かのう性せいを探さぐったものの、確証かくしょうは得えられなかった。

詳細しょうさいは「陸軍りくぐん特別とくべつ幹部かんぶ候補こうほ生せい#沿革えんかく」を参照さんしょう

また、所沢ところざわの飛行ひこう学校がっこうという言葉ことばも出でてくるが、これを厳密げんみつに解釈かいしゃくするのであれば陸軍りくぐん航空こうくう士官しかん学校がっこうの前身ぜんしんである所沢ところざわ陸軍りくぐん飛行ひこう学校がっこうのことであり、大だい東亜とうあ戦争せんそうの頃ころには既すでに航空こうくう士官しかん学校がっこうに改組かいそされた後のちだった。

詳細しょうさいは「所沢ところざわ陸軍りくぐん飛行ひこう学校がっこう#陸軍りくぐん士官しかん学校がっこう分校ぶんこうへ転用てんよう」および「陸軍りくぐん少年しょうねん飛行ひこう兵へい#太平洋戦争たいへいようせんそう後期こうき」を参照さんしょう

さらに、陸軍りくぐん航空こうくう士官しかん学校がっこうで最もっとも数かずの多おおかった士官しかん候補こうほ生せいとして教育きょういくを受うけるには、同おなじ埼玉さいたま県けんの朝霞あさか町まち（現げん・朝霞あさか市し）にあった陸軍りくぐん予よ科か士官しかん学校がっこうで教育きょういくを受うけてからでなければならなかった。予よ科か士官しかん学校がっこうを受験じゅけんするには、中学ちゅうがく4年ねん次じ修了しゅうりょうが必要ひつようで、竹たけ入いれはこれについて「旧制きゅうせい高千穂たかちほ中学校ちゅうがっこう（現げん・高千穂たかちほ大学だいがく）から陸士りくしを受験じゅけんした」としたが、高千穂学園たかちほがくえん本部ほんぶ同窓会どうそうかいの名簿めいぼに竹たけ入いれの名前なまえがないことが明あきらかになった。その上うえ、公明党こうめいとう本部ほんぶが旧きゅう陸軍りくぐんおよび陸上りくじょう自衛隊じえいたいのOB・遺族いぞくなどで作つくる公益こうえき財団ざいだん法人ほうじん偕行社かいこうしゃと、実際じっさいに陸軍りくぐん航空こうくう士官しかん学校がっこう59期きに在学ざいがくしていた党とう所属しょぞくの地方ちほう議員ぎいんや自民党じみんとうの梶山かじやま静六せいろく、近岡ちかおか理一郎りいちろうらに確認かくにんしたところ、偕行社かいこうしゃ、陸士りくし59期き会かいのどちらの名簿めいぼにも竹たけ入いれの文字もじはなかったという。

詳細しょうさいは「陸軍りくぐん予よ科か士官しかん学校がっこう#予よ科か士官しかん学校がっこう」および「陸軍りくぐん航空こうくう士官しかん学校がっこう#教育きょういくの概要がいよう」を参照さんしょう

「陸軍りくぐん士官しかん学校がっこう卒業生そつぎょうせい一覧いちらん (日本にっぽん)#59期き」も参照さんしょう

これらの証言しょうげんや制度せいど検証けんしょうを基もとに、党とうは機関きかん紙し公明こうめい新聞しんぶんに「終戦しゅうせん時じに竹たけ入いれが陸軍りくぐん航空こうくう士官しかん学校がっこうの敷地しきち内ないにいたのは事実じじつだが、士官しかん学校がっこうの学生がくせいではなく『作業さぎょう兵へい』として働はたらいていただけである」とする調査ちょうさ結果けっかを掲載けいさいし、学歴がくれき詐称さしょうの事実じじつを糺ただす釈明しゃくめい要求ようきゅう書しょを2度どに渡わたって当時とうじ代表だいひょうだった神崎かんざき武法たけのりの名義めいぎで本人ほんにん宛あてに送付そうふしているが2015年ねん（平成へいせい27年ねん）に至いたるまで本人ほんにんからの返答へんとうはない。

その後ご、創価学会そうかがっかいも独自どくじに調査ちょうさを行おこない、2006年ねんになって聖教せいきょう新聞しんぶんに掲載けいさいされた学会がっかい最高さいこう幹部かんぶによる紙上しじょう座談ざだん会かいでは竹たけ入いれが尋常じんじょう小学校しょうがっこうか良よくても高等こうとう小学校しょうがっこうまでしか出でていなかったとしている。

「政治せいじ大だい学校がっこう」

竹たけ入いれは公式こうしきのプロフィール上じょうで最終さいしゅう学歴がくれきを「政治せいじ大だい学校がっこう卒業そつぎょう」としているが、この学校がっこうの存在そんざいについても疑念ぎねんが挙あがっている。俵たわら孝太郎こうたろうは講演こうえんで「政治せいじ大だい学校がっこうというのは藤山ふじやま愛一郎あいいちろうが自民党じみんとう内ないで議員ぎいん秘書ひしょを養成ようせいするために作つくったいわば人材じんざい育成いくせい機関きかんで、その講義こうぎは当時とうじ東京とうきょう・永田町ながたちょうの砂防さぼう会館かいかんに置おかれていた自民党じみんとう本部ほんぶ内ないで行おこなわれていた」と述のべ、現在げんざいの自由民主党じゆうみんしゅとう中央ちゅうおう政治せいじ大学院だいがくいんのことだと指摘してきしている。これが正ただしければ政治せいじ大だい学校がっこうは文部もんぶ大臣だいじんから設立せつりつ認可にんかを受うけた正式せいしきの教育きょういく機関きかんではなく、学歴がくれきとして引ひき合あいに出だすことは本来ほんらいできない。

政治せいじ大だい学校がっこうが自民党じみんとう内ないの組織そしきであれば、当時とうじは自民党じみんとう員いん以外いがいに対たいして講義こうぎを開放かいほうする制度せいど（現在げんざいの自民じみん未来みらい塾じゅく）や手段しゅだんがまだ完全かんぜんには整ととのっておらず、実質じっしつ的てきに党員とういんでなければ受講じゅこうは不可能ふかのうだった。竹たけ入いれは後ごの言論げんろん出版しゅっぱん妨害ぼうがい事件じけんの時とき、自民党じみんとう幹事かんじ長ちょうだった田中たなか角栄かくえいに処理しょりを依頼いらいするが、俵たわらは「昭和しょうわ30年代ねんだい中頃なかごろには中央ちゅうおう政治せいじ大学院だいがくいんで角栄かくえいが講義こうぎをした記録きろくもある」と述のべ、竹たけ入いれが自民党じみんとう内ないに出入でいりしていたことで角栄かくえいとの関係かんけいが醸成じょうせいされ、その後ごの自公民じこうみん（実質じっしつ的てきには田中たなか派はと公明党こうめいとう・民社党みんしゃとう）連携れんけいの基礎きそにもなっていったとの見方みかたを示しめしている。

詳細しょうさいは「言論げんろん出版しゅっぱん妨害ぼうがい事件じけん#『創価学会そうかがっかいを斬きる』の出版しゅっぱん」、「自公じこう連立れんりつ政権せいけん#自由民主党じゆうみんしゅとうの55年ねん体制たいせい時代じだい」、および「自公民じこうみん路線ろせん#概要がいよう」を参照さんしょう

一方いっぽうで政治せいじ大だい学校がっこうは東京とうきょう・新宿しんじゅくに存在そんざいした現在げんざいの各種かくしゅ学校がっこうにあたる組織そしきだという説せつもあるが、これについて竹たけ入にゅう本人ほんにんは口くちを固かたく閉とざしており、詳細しょうさいは未いまだに謎なぞのままである。

経費けいひ流用りゅうよう訴訟そしょう

2006年ねん（平成へいせい18年ねん）5月19日にち、公明党こうめいとうは「内部ないぶ調査ちょうさにより、竹たけ入いれが党とう中央ちゅうおう執行しっこう委員いいん長ちょう在職ざいしょく中ちゅうの1986年ねん（昭和しょうわ61年ねん）7月がつに自分じぶんの妻つまへ送おくった指輪ゆびわの購入こうにゅう代金だいきんを党とうの会計かいけいから支出ししゅつし着服ちゃくふく横領おうりょうした」として、総額そうがく550万まん円えんの損害そんがい賠償ばいしょうを求もとめる民事みんじ訴訟そしょうを東京とうきょう地方裁判所ちほうさいばんしょに起おこした。翌日よくじつには、聖教せいきょう新聞しんぶんでも提訴ていそが大々的だいだいてきに報道ほうどうされ、提訴ていそ後ごも同紙どうしには折おりに触ふれて横領おうりょうを非難ひなんする記事きじが掲載けいさいされた。

2008年ねん（平成へいせい20年ねん）3月18日にち、東京とうきょう地裁ちさいは「党とうの会計かいけいから私的してき流用りゅうようしたとは認みとめられない」として請求せいきゅうを棄却ききゃく。判決はんけつ文ぶんでは「横領おうりょうしたという当時とうじは衆参しゅうさん同日どうじつ選せんの最中さいちゅうで、党とうトップの竹たけ入いれ氏しが秘書ひしょや警護けいご官かんもともなわずにデパートで夫婦ふうふ揃そろって高価こうかな指輪ゆびわを購入こうにゅうするのは不自然ふしぜん」と指摘してきしたうえで、購入こうにゅうした指輪ゆびわの具体ぐたい的てきな種類しゅるいや形状けいじょうが特定とくていされていないことなどを理由りゆうに、流用りゅうようの事実じじつは認みとめられないとした。

公明党こうめいとう側がわは即日そくじつ、東京とうきょう高等こうとう裁判所さいばんしょに控訴こうそしたが2008年ねん12月4日にちに「互たがいを誹謗ひぼう中傷ちゅうしょうせず、竹たけ入いれが遺憾いかんの意いを表明ひょうめいした場合ばあいは党とう側がわが控訴こうそを取とり下さげる」との条件じょうけんで和解わかいが成立せいりつした。この事件じけんについて、学会がっかいは聖教せいきょう新聞しんぶんの紙上しじょうで着服ちゃくふく横領おうりょう事件じけんを複ふく数すう回かいに渡わたり報道ほうどうしていたが、判決はんけつ後ごも竹たけ入いれとの和解わかい条項じょうこうの全容ぜんようは公表こうひょうしていない。

「日にち顕あらわ (日蓮にちれん正宗まさむね)#生涯しょうがい」、「矢野やの絢あや也#「黒くろい手帖てちょう」問題もんだい」、および「乙おつ骨こつ正せい生せい#裁判さいばん」も参照さんしょう

参考さんこう文献ぶんけん

• 石井いしい明あきら、朱しゅ建たて栄さかえ、添谷そえだに芳よし秀しゅう、林はやし暁光ぎょうこう 編へん『記録きろくと考証こうしょう―日にち中ちゅう国交こっこう正常せいじょう化か・日にち中ちゅう平和へいわ友好ゆうこう条約じょうやく交渉こうしょう』岩波書店いわなみしょてん、2003年ねん8月がつ7日にち。ISBN 978-4000242219。 
• 毛もう里さと和子かずこ、増田ますだ弘ひろし 訳わけ『周しゅう恩来おんらいキッシンジャー機密きみつ会談かいだん録ろく』岩波書店いわなみしょてん、2004年ねん2月がつ24日にち。ISBN 978-4000233897。 

関連かんれん項目こうもく

• 言論げんろん出版しゅっぱん妨害ぼうがい事件じけん
• 竹たけ入にゅうメモ
• 日にち中ちゅう国交こっこう正常せいじょう化か
• 田中たなか角栄かくえい
• 矢野やの絢あや也

外部がいぶリンク

• 『竹たけ入にゅう義勝よしかつ』 - コトバンク

党とう職しょく
先代せんだい 辻つじ武寿たけとし	公明党こうめいとう委員いいん長ちょう 第だい3代だい:1967年ねん - 1986年ねん	次代じだい 矢野やの絢あや也