筋 すじ 病理 びょうり 学 がく (Muscle pathology)とは骨格 こっかく 筋 すじ の病気 びょうき を扱 あつか う病理 びょうり 学 がく の分野 ぶんや である。
大半 たいはん の筋 すじ 疾患 しっかん は病理 びょうり 学 がく 的 てき 所見 しょけん に基 もと づいて分類 ぶんるい ・定義 ていぎ されているため筋 すじ 疾患 しっかん が疑 うたが われた場合 ばあい は原則 げんそく として筋 すじ 生 せい 検 けん が適応 てきおう となる。神経 しんけい 原 ばら 性 せい 疾患 しっかん や神経 しんけい 筋 すじ 接合 せつごう 部 ぶ 疾患 しっかん の診断 しんだん のために筋 すじ 生 せい 検 けん は行 おこな わない。神経 しんけい 原 ばら 性 せい か筋 すじ 原 ばら 性 せい かの判断 はんだん は両者 りょうしゃ が混在 こんざい する特殊 とくしゅ な場合 ばあい を除 のぞ いてほとんど筋 すじ 電 でん 図 ず で十分 じゅうぶん である。かつては筋 すじ 萎縮 いしゅく 性 せい 側 がわ 索 さく 硬化 こうか 症 しょう でも筋 すじ 生 せい 検 けん を行 おこな っていたが2019年 ねん 現在 げんざい では神経 しんけい 原 ばら 性 せい 疾患 しっかん の診断 しんだん のために筋 すじ 生 せい 検 けん は行 おこな わない。しかし筋 すじ 疾患 しっかん と筋 すじ 萎縮 いしゅく 性 せい 側 がわ 索 さく 硬化 こうか 症 しょう の区別 くべつ が困難 こんなん な場合 ばあい は行 おこな うことがあり得 え る。筋 すじ 生 せい 検 けん でなければ情報 じょうほう が得 え られないものは以下 いか の4点 てん である。
間 あいだ 質 しつ の変化 へんか
炎症 えんしょう 細胞 さいぼう 浸潤 しんじゅん や線維 せんい 化 か の情報 じょうほう である。
構造 こうぞう 変化 へんか
筋 すじ 原 げん 線維 せんい の変性 へんせい やグリコーゲンなどの物質 ぶっしつ の蓄積 ちくせき 、ネマリン小体 こてい などの特異 とくい 的 てき 構造 こうぞう 物 ぶつ の存在 そんざい など筋繊維 きんせんい そのものの構造 こうぞう 変化 へんか
物質 ぶっしつ の欠損 けっそん
ジストロフィン染色 せんしょく など免疫 めんえき 組織 そしき 化学 かがく 的 てき 手法 しゅほう で証明 しょうめい される物質 ぶっしつ の欠損 けっそん
遺伝子 いでんし 解析 かいせき
進行 しんこう 性 せい 外 がい 眼 め 筋 すじ 麻痺 まひ では遺伝子 いでんし 検査 けんさ は筋 すじ 生 せい 検 けん 材料 ざいりょう を用 もち いることが望 のぞ ましい。
逆 ぎゃく に筋 すじ 疾患 しっかん であっても筋 すじ 生 せい 検 けん が積極 せっきょく 的 てき 適応 てきおう とならないものも知 し られている。診断 しんだん 的 てき 所見 しょけん が乏 とぼ しい疾患 しっかん は筋 すじ 生 せい 検 けん の適応 てきおう とならない。筋 すじ 強直 きょうちょく 性 せい ジストロフィー や顔面 がんめん 肩 かた 甲 かぶと 上腕 じょうわん 型 がた 筋 きん ジストロフィーがこれにあたる。また血液 けつえき による遺伝子 いでんし 検査 けんさ がスクリーニングに有効 ゆうこう な疾患 しっかん では筋 すじ 生 せい 検 けん よりも遺伝子 いでんし 検査 けんさ が優先 ゆうせん される。デュシャンヌ型 がた 筋 きん ジストロフィー、福山 ふくやま 型 がた 筋 きん ジストロフィー、GNEミオパチー、眼 め 咽頭 いんとう 型 がた 筋 きん ジストロフィー 、MELAS、MERRF、LGMD2Aなどがこれに該当 がいとう する。
生 なま 検 けん 部位 ぶい は徒手 としゅ 筋力 きんりょく テスト4レベルの筋 すじ を生 なま 検 けん することが望 のぞ ましい。特 とく に筋炎 きんえん など選択 せんたく 的 てき な筋 すじ 障害 しょうがい をみとめる疾患 しっかん ではMRIで所見 しょけん のある部位 ぶい を狙 ねら って筋 すじ 生 せい 検 けん するべきである。また筋 すじ 生 せい 検 けん 部位 ぶい はアプローチのしやすいさや術後 じゅつご 歩行 ほこう に与 あた える影響 えいきょう も考慮 こうりょ する。成人 せいじん で生 なま 検 けん されることが多 おお い筋 すじ は上腕 じょうわん 二 に 頭 とう 筋 すじ 、三角 さんかく 筋 すじ 、大腿 だいたい 直 じき 筋 すじ 、外側 そとがわ 広 こう 筋 すじ 、短 たん 腓骨 ひこつ 筋 すじ である。上腕 じょうわん 二 に 頭 とう 筋 すじ と大腿 だいたい 直 じき 筋 すじ が好 この まれる。それはタイプ1、2A、2Bの三 さん 種類 しゅるい の筋 すじ 線維 せんい がモザイクをなして1/3ずつ存在 そんざい することが確立 かくりつ しているため、筋 すじ 線維 せんい のタイプの分布 ぶんぷ 異常 いじょう が評価 ひょうか できるからである。腓腹筋 ひふくきん は神経 しんけい 原 ばら 性 せい 変化 へんか と筋 すじ 原 ばら 性 せい 変化 へんか の区別 くべつ が困難 こんなん なことがあるため避 さ けるべきである。
生 なま 検 けん 部位 ぶい としては術後 じゅつご の歩行 ほこう 制限 せいげん が不要 ふよう であることから上腕 じょうわん 二 に 頭 とう 筋 すじ が好 この まれる傾向 けいこう がある。しかし近年 きんねん はMRIによって炎症 えんしょう 反応 はんのう がある部位 ぶい を選択 せんたく することが多 おお い。STIRによる高 こう 信号 しんごう 域 いき やGd増強 ぞうきょう 効果 こうか がある部位 ぶい である。針 はり 筋 すじ 電 でん 図 ず を施行 しこう した部位 ぶい は局所 きょくしょ 性 せい の壊死 えし 性 せい 炎症 えんしょう 反応 はんのう が起 お こるため、生 なま 検 けん しないことが一般 いっぱん 的 てき である。
皮膚 ひふ 切開 せっかい の前 まえ にその部位 ぶい の筋 すじ が収縮 しゅうしゅく するか肉眼 にくがん で確認 かくにん する。切開 せっかい 部位 ぶい は予 あらかじ めマーキングし、局所 きょくしょ 麻酔 ますい 後 こう 皮膚 ひふ 切開 せっかい する。鉗子を用 もち いて皮下 ひか 組織 そしき を鈍 どん 的 てき に開 ひら き、筋 すじ 膜 まく に到達 とうたつ する。血管 けっかん は切断 せつだん する時 とき は結紮 けっさつ し、皮 かわ 神経 しんけい はできるだけ温存 おんぞん する。筋 すじ 膜 まく はメスかはさみで切開 せっかい し、鉗子で筋 すじ 膜 まく の裏 うら を剥離 はくり する。筋 すじ 線維 せんい の走行 そうこう と直角 ちょっかく に糸 いと をかける。ペアンを用 もち いて筋 すじ 束 たば を確保 かくほ し、はさみで採取 さいしゅ する。筋 すじ 膜 まく を吸収 きゅうしゅう 糸 いと で縫合 ほうごう する。真皮 しんぴ 縫合 ほうごう を吸収 きゅうしゅう 糸 いと で行 おこな うこともある。これは創 そう の離 はなれ 開 ひらき を防 ふせ ぐために行 おこな う。ナイロン糸 いと を用 もち いて皮膚 ひふ 縫合 ほうごう を行 おこな い、消毒 しょうどく して終了 しゅうりょう する。3日 にち ほどは免 めん 荷 に する。
検体 けんたい の固定 こてい にはホルマリン 固定 こてい 、新鮮 しんせん 凍結 とうけつ 固定 こてい 、グルタールアルデヒド固定 こてい などがあるが筋 すじ 病理 びょうり 学 がく では特別 とくべつ な理由 りゆう がない限 かぎ りホルマリン固定 こてい は行 おこな わない。筋 すじ 病理 びょうり 学 がく では新鮮 しんせん 凍結 とうけつ 固定 こてい を用 もち いた各種 かくしゅ 組織 そしき 化学 かがく 染色 せんしょく が発達 はったつ している。
骨格 こっかく 筋 すじ には持続 じぞく 的 てき な運動 うんどう に適 てき した遅 おそ 筋 すじ であるタイプ1線維 せんい と素早 すばや い運動 うんどう に適 てき した速 はや 筋 すじ であるタイプ2線維 せんい の2種類 しゅるい に分 わ かれる。タイプ1線維 せんい はいわゆる赤 あか 筋 すじ であり、ミトコンドリア内 ない で脂肪酸 しぼうさん のβ べーた 酸化 さんか によるATP合成 ごうせい を主 おも なエネルギー源 げん としている。ゆっくりと収縮 しゅうしゅく することから生理学 せいりがく 的 てき には遅 おそ 筋 すじ と呼 よ ばれ、姿勢 しせい 保持 ほじ に働 はたら く抗 こう 重力 じゅうりょく 筋 すじ は主 おも にタイプ1線維 せんい である。一方 いっぽう 、タイプ2Aおよび2B線維 せんい はいわゆる白 しろ 筋 すじ であり解 かい 糖 とう 系 けい によるグリコーゲン分解 ぶんかい を主 おも なエネルギー源 げん としている。速 はや い収縮 しゅうしゅく をすることから生理学 せいりがく 的 てき には速 はや 筋 すじ と呼 よ ばれる。タイプ2C線維 せんい は未熟 みじゅく な線維 せんい である。ミオシンATPase染色 せんしょく で区別 くべつ される。成人 せいじん の骨格 こっかく 筋 すじ 、特 とく に生 なま 検 けん をよくされる上腕 じょうわん 二 に 頭 とう 筋 すじ や大腿 だいたい 直 じき 筋 すじ では1、2A、2Bがモザイク状 じょう に分布 ぶんぷ し各々 おのおの 1/3ずつとなる。2Cはタイプ1とタイプ2の中 なか 間 あいだ 的 てき な性質 せいしつ をもつ。2C線維 せんい は乳幼児 にゅうようじ では正常 せいじょう 筋 すじ でも認 みと められるが4〜5歳 さい になると殆 ほとん ど認 みと められない。成人 せいじん では1%未満 みまん である。筋 すじ 線維 せんい タイプは脊髄 せきずい 前 ぜん 角 かく 細胞 さいぼう が決定 けってい している。タイプ1線維 せんい を支配 しはい する神経 しんけい を切断 せつだん し、タイプ2線維 せんい を支配 しはい する神経 しんけい による再 さい 支配 しはい がおこるとその筋 すじ はタイプ2線維 せんい となる。胎生 たいせい 期 き 、筋 すじ 線維 せんい が形成 けいせい される過程 かてい で筋 すじ 芽 め 細胞 さいぼう が融合 ゆうごう してできる筋 すじ 管 かん 細胞 さいぼう はすべてタイプ2C線維 せんい であり、神経 しんけい 支配 しはい を受 う けて初 はじ めて筋 すじ 線維 せんい タイプが決定 けってい する。したがって標本 ひょうほん 内 ない にタイプ2C線維 せんい を認 みと めた場合 ばあい は神経 しんけい 支配 しはい を受 う けていない未熟 みじゅく な筋 すじ 線維 せんい の可能 かのう 性 せい を考 かんが える。具体 ぐたい 的 てき には筋 すじ 分化 ぶんか 遅延 ちえん 、再生 さいせい 線維 せんい (筋 すじ 再生 さいせい は発生 はっせい の過程 かてい を繰 く り返 かえ すため)、脱 だつ 神経 しんけい のいずれかである。筋 すじ 分化 ぶんか 遅延 ちえん は先天 せんてん 性 せい ミオパチー、先天 せんてん 性 せい 筋 すじ 強直 きょうちょく 性 せい ジストロフィーなどが該当 がいとう する。これらの疾患 しっかん では出生 しゅっしょう 後 ご も多数 たすう のタイプ2C線維 せんい を認 みと める。また再生 さいせい 筋 すじ も2C線維 せんい となるため、筋 きん ジストロフィーや多発 たはつ 性 せい 筋炎 きんえん などでは長期 ちょうき にわたって2C線維 せんい が認 みと められる。また神経 しんけい 原 ばら 性 せい 疾患 しっかん で脱 だつ 神経 しんけい が起 お きた時 とき 、神経 しんけい 再 さい 支配 しはい で筋 すじ 線維 せんい のタイプが変化 へんか するときに2C線維 せんい を経由 けいゆ して変化 へんか する。
項目 こうもく
赤 あか 筋 すじ (タイプ1)
白 しろ 筋 すじ (タイプ2)
収縮 しゅうしゅく 時間 じかん
遅 おそ い
速 はや い
神経 しんけい 伝導 でんどう 速度 そくど
遅 おそ い
速 はや い
酸化 さんか 酵素 こうそ 活性 かっせい
高 たか い
低 ひく い
ミオグロビン
多 おお い
少 すく ない
解 かい 糖 とう 系 けい 酵素 こうそ 活性 かっせい
低 ひく い
高 たか い
グリコーゲン
少 すく ない
多 おお い
脂質 ししつ
多 おお い
少 すく ない
ミトコンドリア数 すう
多 おお い
少 すく ない
Z帯 おび 幅 はば
広 ひろ い
狭 せま い
筋 すじ 芽 め 細胞 さいぼう が融合 ゆうごう し筋 すじ 管 かん 細胞 さいぼう を形成 けいせい する。一部 いちぶ の筋 すじ 芽 め 細胞 さいぼう は衛星 えいせい 細胞 さいぼう となる。筋 すじ 管 かん 細胞 さいぼう 内 ない でタイプ2C線維 せんい が作 つく られる、神経 しんけい 支配 しはい を受 う けて核 かく の周辺 しゅうへん 移動 いどう 、基底 きてい 膜 まく の形成 けいせい がおこる。その後 ご タイプ1、2A、2B線維 せんい の分化 ぶんか が起 お こる。生 せい 下 か 時 じ は5〜10%が2C線維 せんい である。
筋 すじ 線維 せんい がどのように壊死 えし に陥 おちい るかは2010年 ねん 現在 げんざい も詳細 しょうさい は不明 ふめい である。何 なん らかの原因 げんいん で細胞 さいぼう 膜 まく が壊 こわ れ、細胞 さいぼう 外 がい 液 えき が細胞 さいぼう 内 ない に流入 りゅうにゅう することで筋 すじ 線維 せんい は崩壊 ほうかい すると考 かんが えられている。細胞 さいぼう 外 がい 液 えき が細胞 さいぼう 内 ない に流入 りゅうにゅう すると蛋白 たんぱく 分解 ぶんかい 酵素 こうそ が活性 かっせい 化 か され、筋 すじ 線維 せんい 内 ない の筋 すじ 原 げん 線維 せんい は消化 しょうか され壊死 えし に至 いた る。筋 すじ 線維 せんい は長 なが い細胞 さいぼう のため筋 すじ 線維 せんい 全部 ぜんぶ が壊死 えし することはなく、通常 つうじょう は線維 せんい の一部 いちぶ であるsegmentalな壊死 えし となる。筋 すじ 原 げん 線維 せんい が消化 しょうか された壊死 えし の初期 しょき は筋 すじ 線維 せんい の染色 せんしょく 性 せい の低下 ていか (HE染色 せんしょく やゴモリ・トリクローム変 へん 法 ほう で淡 あわ く染 そ まる)が認 みと められる。12時 じ 間 あいだ ほど経過 けいか すると単 たん 核 かく 球 だま や多核 たかく 球 だま といった炎症 えんしょう 細胞 さいぼう が壊死 えし 線維 せんい に周囲 しゅうい に認 みと められるようになる。24時 じ 間 あいだ で壊死 えし 線維 せんい 内 ない に貪食 どんしょく 細胞 さいぼう が認 みと められ、48時 じ 間 あいだ で壊死 えし 線維 せんい は単 たん 核 かく 細胞 さいぼう で埋 うず もれてしまう。貪食 どんしょく 細胞 さいぼう はライソゾーム酵素 こうそ を多 おお く持 も つため酸 さん ホスファターゼ染色 せんしょく で赤染 あかぞめ する。筋 すじ 線維 せんい 内 ない の壊死 えし した部分 ぶぶん が清掃 せいそう された後 のち 、障害 しょうがい から3〜4日 にち で筋 すじ 線維 せんい は好 こう 塩基 えんき 性 せい (HE染色 せんしょく で紫 むらさき )の胞体をもつ多核 たかく の細胞 さいぼう として認 みと められる。この細胞 さいぼう が筋 すじ 芽 め 細胞 さいぼう のように働 はたら き筋 すじ 再生 さいせい を行 おこな う。筋 すじ 線維 せんい が再生 さいせい する状態 じょうたい は筋 すじ 組織 そしき の発生 はっせい と非常 ひじょう によく似 に ている。異 こと なる点 てん は基底 きてい 膜 まく が残 のこ っているため基底 きてい 膜 まく 内 ない で起 おこ ること、また神経 しんけい 支配 しはい 下 か であることが多 おお いことである。筋 すじ 芽 め 細胞 さいぼう の役割 やくわり をするのは衛星 えいせい 細胞 さいぼう である。衛星 えいせい 細胞 さいぼう は筋 すじ 障害 しょうがい が起 お こったら速 すみ やかに活性 かっせい 化 か され、筋 すじ 線維 せんい の変性 へんせい と同時 どうじ に分裂 ぶんれつ する。壊死 えし を起 お こした5〜7日 にち で大型 おおがた の核 かく と、抗 こう 塩基 えんき 性 せい の胞体、明瞭 めいりょう な核 かく 小体 こてい をもつ再生 さいせい 線維 せんい が認 みと められる。筋 すじ 線維 せんい の再生 さいせい は神経 しんけい と比 くら べると非常 ひじょう に早 はや く、実験 じっけん 的 てき に壊死 えし させると2週間 しゅうかん 後 ご には壊死 えし 筋 すじ の約 やく 半数 はんすう 、1カ月 かげつ にはほぼすべてが再生 さいせい 筋 すじ に置 お き換 か わる。再生 さいせい 筋 すじ は2C筋 すじ でありおよそ3週間 しゅうかん で白 しろ 筋 すじ 、4週間 しゅうかん で赤 あか 筋 すじ に分化 ぶんか する。但 ただ し、これは実験 じっけん での話 はなし であり実際 じっさい には2C反 はん 応 おう が2〜3カ月 かげつ 続 つづ くとされており、人体 じんたい 内 ない での再生 さいせい はもう少 すこ し遅 おそ いと考 かんが えられている。筋 すじ 再生 さいせい の時 とき も筋 すじ 発生 はっせい と同様 どうよう に筋 すじ 分化 ぶんか 誘導 ゆうどう 遺伝子 いでんし (myogenin)が発現 はつげん する。
筋 すじ 病理 びょうり の代表 だいひょう 的 てき 染色 せんしょく 法 ほう [ 編集 へんしゅう ]
皮膚 ひふ 筋炎 きんえん 筋 すじ 組織 そしき のHE染色 せんしょく 。
HE染色 せんしょく (ヘマトキシリン・エオジン染色 せんしょく )は主 おも に基本 きほん 的 てき な構造 こうぞう 変化 へんか をみるための染色 せんしょく である。筋 すじ 病理 びょうり 学 がく のHE染色 せんしょく で得 え られる情報 じょうほう は、全体 ぜんたい の構築 こうちく の変化 へんか 、筋 すじ 線維 せんい 大小 だいしょう 不同 ふどう 、筋 すじ 線維 せんい の壊死 えし ・再生 さいせい 、核 かく の変化 へんか 、細胞 さいぼう 浸潤 しんじゅん 、内 うち 鞘 さや 線維 せんい 化 か 、その他 た の構造 こうぞう 変化 へんか の変化 へんか の7つである。
正常 せいじょう の筋 すじ 線維 せんい は横断 おうだん 面 めん でみると多角 たかく 形 がた で筋 すじ 核 かく は周辺 しゅうへん 部 ぶ に存在 そんざい する。成人 せいじん の場合 ばあい 、筋 すじ 線維 せんい 径 みち は60~80μ みゅー mである。通常 つうじょう 、100μ みゅー mを超 こ えると肥大 ひだい 線維 せんい と判定 はんてい される。筋 すじ 線維 せんい の大小 だいしょう 不同 ふどう は最 もっと も基本 きほん 的 てき な病理 びょうり 情報 じょうほう のひとつである。筋 すじ 線維 せんい の直径 ちょっけい を測定 そくてい し、最小 さいしょう 径 みち から最大 さいだい 径 みち までの分布 ぶんぷ や平均 へいきん を記載 きさい する。原則 げんそく として障害 しょうがい の程度 ていど が強 つよ ければ筋 すじ 線維 せんい 大小 だいしょう 不同 ふどう も著 いちじる しくなる。ただし先天 せんてん 性 せい 疾患 しっかん では筋 すじ 線維 せんい が全 すべ て小径 しょうけい であったり、筋 すじ 線維 せんい 径 みち が小径 しょうけい 線維 せんい と大 だい 径 みち 線維 せんい の二 に 峰 みね 性 せい に分布 ぶんぷ したりすることもある。また進行 しんこう 期 き には肥大 ひだい 線維 せんい のみが認 みと められることもある。筋 すじ 線維 せんい の大小 だいしょう 不同 ふどう に規則 きそく 性 せい がなく、広範 こうはん であれば筋 すじ 原 ばら 性 せい 疾患 しっかん であることが多 おお く、小角 おがく 化 か 線維 せんい があって、群 ぐん 委縮 いしゅく の所見 しょけん があれば神経 しんけい 性 せい 疾患 しっかん であることが多 おお い。
筋 すじ 線維 せんい は数 すう 十 じゅう 本 ほん 単位 たんい でまとまって存在 そんざい しており、このまとまりを筋 すじ 束 たば (muscle fascicle) という。筋 すじ 束 たば と筋 すじ 束 つか の間 ま の間 あいだ 質 しつ は周 しゅう 鞘 さや (perimysium) という。筋 すじ 束 たば 内 ない の筋 すじ 束 たば と筋 すじ 束 たば との間 あいだ の間 あいだ 質 しつ は内 うち 鞘 さや (endomysium) という。周 しゅう 鞘 さや には正常 せいじょう でも線維 せんい 化 か など認 みと められる一方 いっぽう で、通常 つうじょう は内 うち 鞘 さや には繊維 せんい 組織 そしき や細胞 さいぼう 浸潤 しんじゅん は認 みと められない。そのため内 ない 鞘 さや に線維 せんい 組織 そしき が認 みと められる場合 ばあい は病的 びょうてき 所見 しょけん であり内 うち 鞘 さや 線維 せんい 化 か (endomysial fibrosis)とよぶ。
皮膚 ひふ 筋炎 きんえん ではしばしば萎縮 いしゅく 線維 せんい が筋 すじ 束 たば 周辺 しゅうへん 部 ぶ にまとまって存在 そんざい しているのが観察 かんさつ される。これを筋 すじ 束 たば 周辺 しゅうへん 委縮 いしゅく (perifascicular atrophy) とよび、診断 しんだん 的 てき な価値 かち がある。
ウェルドニッヒ・ホフマン病 びょう とも呼 よ ばれる脊髄 せきずい 性 せい 筋 すじ 萎縮 いしゅく 症 しょう 1型 がた (SMA1)など先天 せんてん 性 せい の神経 しんけい 原 ばら 性 せい 疾患 しっかん ではしばしば筋 すじ 束 たば ごと全 すべ ての筋 すじ 線維 せんい が萎縮 いしゅく しており大 だい 群集 ぐんしゅう 萎縮 いしゅく (large group atrophy)と呼 よ ばれる。この疾患 しっかん で認 みと められる萎縮 いしゅく 線維 せんい は丸 まる みを帯 お びているのが特徴 とくちょう である。一方 いっぽう で筋 すじ 萎縮 いしゅく 性 せい 側 がわ 索 さく 硬化 こうか 症 しょう などの後天 こうてん 性 せい 神経 しんけい 原 ばら 性 せい 疾患 しっかん では萎縮 いしゅく 線維 せんい が角 かく ばっており、しばしば小角 おがく 化 か 線維 せんい とよばれる。ただし、これらの小角 おがく 化 か 線維 せんい は神経 しんけい 原 ばら 性 せい 疾患 しっかん において脱 だつ 神経 しんけい 筋 すじ 線維 せんい を反映 はんえい しているものと考 かんが えられるが、小角 おがく 化 か する原因 げんいん は様々 さまざま であり、小角 おがく 化 か 線維 せんい がすなわち神経 しんけい 原 ばら 性 せい 変化 へんか を意味 いみ するわけではない。神経 しんけい 再 さい 支配 しはい を受 う けた後 のち 、さらに脱 だつ 神経 しんけい が起 お こると、その末梢 まっしょう の支配 しはい 領域 りょういき の筋 すじ 線維 せんい が数 すう 本 ほん から数 すう 十 じゅう 本 ほん 単位 たんい でまとまって小角 おがく 化 か する。これを小 しょう 群集 ぐんしゅう 萎縮 いしゅく (small group atrophy)という。程度 ていど が著 いちじる しく筋 すじ 束 たば 全体 ぜんたい が萎縮 いしゅく した場合 ばあい は先 さき に述 の べた大 だい 群集 ぐんしゅう 萎縮 いしゅく (large group atrophy)となる。小 しょう 群集 ぐんしゅう 萎縮 いしゅく も大 だい 群集 ぐんしゅう 萎縮 いしゅく もいずれも脱 だつ 神経 しんけい を反映 はんえい する重要 じゅうよう な所見 しょけん である。
筋 すじ 線維 せんい 壊死 えし ・再生 さいせい 変化 へんか は筋 きん ジストロフィー において最 もっと も重要 じゅうよう な所見 しょけん である。筋 すじ 線維 せんい は壊死 えし すると筋 すじ 線維 せんい 細胞 さいぼう 質 しつ が溶解 ようかい してうすいピンク色 ぴんくいろ になり内部 ないぶ にマクロファージが侵入 しんにゅう する。これと平行 へいこう して、筋 すじ 衛星 えいせい 細胞 さいぼう から分裂 ぶんれつ した筋 すじ 芽 め 細胞 さいぼう が壊死 えし 線維 せんい 内 ない で分化 ぶんか して更 さら に融合 ゆうごう し、筋 すじ 線維 せんい を再生 さいせい する。再生 さいせい 繊維 せんい は盛 さか んにタンパク質 たんぱくしつ を合成 ごうせい しているために、核 かく が大 おお きく、核 かく 小体 こてい が目立 めだ つ。さらには、核 かく や細胞 さいぼう 質 しつ にタンパク質 たんぱくしつ 合成 ごうせい 装置 そうち であるリボソームが充満 じゅうまん しているために好 こう 塩基 えんき 性 せい に青 あお みがかって染色 せんしょく される。再生 さいせい 線維 せんい では筋 すじ 核 かく は筋 すじ 線維 せんい の内部 ないぶ にあり内在 ないざい 核 かく という。再生 さいせい が完了 かんりょう する頃 ころ には筋 すじ 線維 せんい 周辺 しゅうへん 部 ぶ へ筋 すじ 核 かく は移動 いどう する。
筋 きん ジストロフィーは壊死 えし ・再生 さいせい を繰 く り返 かえ す疾患 しっかん であるため、一 ひと つの切片 せっぺん 内 ない で壊死 えし から再生 さいせい 完了 かんりょう まで様々 さまざま なフェーズが観察 かんさつ される。一方 いっぽう で、発作 ほっさ 性 せい ミオグロビン尿 にょう 症 しょう などにより一時期 いちじき に一斉 いっせい に壊死 えし を起 お こした筋 すじ では、筋 すじ 生 せい 検 けん の時期 じき に応 おう じて壊死 えし または再生 さいせい の一定 いってい のフェーズの像 ぞう しか観察 かんさつ されないことが多 おお い。またデュシェンヌ型 がた など筋 すじ 鞘 さや 膜 まく 脆弱 ぜいじゃく 性 せい を病態 びょうたい とする筋 きん ジストロフィーでは、数 すう 本 ほん 単位 たんい で壊死 えし ・再生 さいせい 線維 せんい がまとまって存在 そんざい することが多 おお い。
内在 ないざい 核 かく は再生 さいせい 線維 せんい で認 みと められるが再生 さいせい 線維 せんい 以外 いがい でも筋 すじ 核 かく が内在 ないざい する場合 ばあい がある。代表 だいひょう 例 れい が先天 せんてん 性 せい ミオパチー の中心 ちゅうしん 核 かく ミオパチーである。中心 ちゅうしん 核 かく ミオパチーでは大半 たいはん の筋 すじ 線維 せんい で筋 すじ 線維 せんい 中心 ちゅうしん 部 ぶ に筋 すじ 核 かく が存在 そんざい している。したがって内在 ないざい 核 かく といわず中心 ちゅうしん 核 かく と表現 ひょうげん される。また筋 すじ 強直 きょうちょく 性 せい ジストロフィー ではしばしば多数 たすう の内在 ないざい 核 かく を認 みと める。核 かく の数 かず は正常 せいじょう では筋 すじ 線維 せんい 内 ない に0〜3個 こ である。5個 こ 以上 いじょう の場合 ばあい は異常 いじょう であり筋 すじ 強直 きょうちょく 性 せい ジストロフィーなどの可能 かのう 性 せい がある。また中心 ちゅうしん 部 ぶ に核 かく が認 みと められる(中心 ちゅうしん 核 かく )場合 ばあい は筋 きん ジストロフィー や筋 すじ 強直 きょうちょく 性 せい ジストロフィー などで認 みと められる。
炎症 えんしょう 細胞 さいぼう 浸潤 しんじゅん は炎症 えんしょう 性 せい 筋 すじ 疾患 しっかん において重要 じゅうよう な所見 しょけん である。周 しゅう 鞘 さや 内 ない の血管 けっかん 周囲 しゅうい のリンパ球 だま 浸潤 しんじゅん や壊死 えし 線維 せんい を取 と り囲 かこ むようなリンパ球 だま 浸潤 しんじゅん は軽度 けいど のものは非特異 ひとくい 的 てき に認 みと められるものである。多発 たはつ 筋炎 きんえん や封入 ふうにゅう 体 たい ミオパチーでは内 うち 鞘 さや へのリンパ球 だま 浸潤 しんじゅん が特徴 とくちょう 的 てき で、非 ひ 壊死 えし 性 せい 線維 せんい を囲 かこ むように存在 そんざい し、時 とき に筋 すじ 線維 せんい 内部 ないぶ にも侵入 しんにゅう しているのが確認 かくにん される。 これらのリンパ球 だま はCD8陽性 ようせい の細胞 さいぼう 傷害 しょうがい 性 せい T細胞 さいぼう である。サルコイドミオパチーでは周 しゅう 鞘 さや や内 うち 鞘 さや に類 るい 上皮 じょうひ 細胞 さいぼう とラングハンス巨 きょ 細胞 さいぼう からなる非 ひ 乾酪 かんらく 性 せい 肉芽 にくが 腫 しゅ をみとめる。周辺 しゅうへん 部 ぶ にはリンパ球 だま を伴 ともな う。
時 とき に筋 すじ 線維 せんい 内 ない に空砲 くうほう が認 みと められることがある。ポンペ病 びょう では内部 ないぶ に好 こう 塩基 えんき 性 せい で不定 ふてい 型 がた な物質 ぶっしつ をふくんだ比較的 ひかくてき 大 おお きな空砲 くうほう が認 みと められる。この空砲 くうほう はグリコーゲンや細胞 さいぼう 質 しつ 分解 ぶんかい 産物 さんぶつ が蓄積 ちくせき した自己 じこ 貪食 どんしょく 空 そら 胞であり、酸 さん フォスファターゼ染色 せんしょく で濃 こ 染 しみ する。脂質 ししつ 蓄積 ちくせき 性 せい ミオパチーでは、脂肪 しぼう 滴 しずく の増加 ぞうか を反映 はんえい して筋 すじ 線維 せんい 内 ない に小空 こそら 胞をみる。糖 とう 原 ばら 病 びょう のうち脱 だっ 分 ぶん 枝 えだ 鎖 くさり 酵素 こうそ 欠損 けっそん 症 しょう などでは筋 すじ 鞘 さや 膜 まく 直下 ちょっか に中心 ちゅうしん に比較的 ひかくてき 大型 おおがた の空 そら 胞がみられる。内部 ないぶ にはグリコーゲンが蓄積 ちくせき している。また炎症 えんしょう 性 せい 筋 すじ 疾患 しっかん ではしばしば血管 けっかん 壁 かべ が肥厚 ひこう している。結節 けっせつ 性 せい 動脈 どうみゃく 周囲 しゅうい 炎 えん では血管 けっかん 壁 かべ のフィブリノイド壊死 えし がみられる。
筋 すじ 線維 せんい 内 ない 空 そら 胞としてはアーチファクトが多 おお いがタイプ1線維 せんい に数多 かずおお く認 みと められる場合 ばあい は脂質 ししつ 代謝 たいしゃ 異常 いじょう の可能 かのう 性 せい もある。アーチファクトの場合 ばあい は冷却 れいきゃく が不十分 ふじゅうぶん になる中心 ちゅうしん 部 ぶ に集中 しゅうちゅう し、筋 すじ 選択 せんたく 性 せい がない場合 ばあい が多 おお い。
MELAS 筋 すじ 組織 そしき のゴモリ・トリクローム染色 せんしょく 。
ゴモリ・トリクローム変 へん 法 ほう (modified Gomori trichrome、mGT)は基本 きほん 的 てき に特殊 とくしゅ な構造 こうぞう 物 ぶつ を染 そ め出 だ すための染色 せんしょく 方法 ほうほう である。細胞 さいぼう 内 ない 小 しょう 器官 きかん のミトコンドリア やライソゾーム が赤染 あかぞめ されるのが特徴 とくちょう である。mGTで染色 せんしょく される構造 こうぞう 物 ぶつ は8個 こ 知 し られている。赤 あか ~赤 あか 紫色 むらさきいろ に染色 せんしょく されるものとしてはネマリン小体 こてい 、細胞 さいぼう 質 しつ 小体 こてい (cytoplasmic body)、tubular aggregates、縁取 へりと り空 そら 胞(rimmed vacuole)、赤色 あかいろ ぼろ線維 せんい (ragged red fiber)、末梢 まっしょう 神経 しんけい 髄 ずい 鞘 さや の6つが知 し られている。また緑色 みどりいろ に染色 せんしょく される構造 こうぞう 物 ぶつ としてはspheroid bodyと線維 せんい 組織 そしき の2つが知 し られている。また筋 すじ 線維 せんい は青 あお 緑色 みどりいろ に、結合 けつごう 組織 そしき は緑色 みどりいろ に、有 ゆう 髄 ずい 線維 せんい は赤色 あかいろ に染 そ まる。
ネマリン小体 こてい
ネマリン小体 こてい はネマリンミオパチー で観察 かんさつ される。電子 でんし 顕微鏡 けんびきょう ではZ線 せん と同様 どうよう の電子 でんし 密度 みつど ならびに構造 こうぞう を示 しめ す。ネマリンミオパチーは通常 つうじょう は先天 せんてん 性 せい ミオパチー に分類 ぶんるい される遺伝 いでん 性 せい 疾患 しっかん であるが成人 せいじん 発症 はっしょう ネマリンミオパチーと呼 よ ばれる一群 いちぐん は、免疫 めんえき 異常 いじょう などを背景 はいけい として二 に 次 じ 的 てき にネマリン小体 こてい を形成 けいせい する疾患 しっかん と考 かんが えられており区別 くべつ する必要 ひつよう がある。
細胞 さいぼう 質 しつ 小体 こてい (cytoplasmic body)
細胞 さいぼう 質 しつ 小体 こてい はデスミン やミオチリンなどZ線 せん やその周辺 しゅうへん の構造 こうぞう 蛋白質 たんぱくしつ を中心 ちゅうしん とした蛋白質 たんぱくしつ の凝集 ぎょうしゅう 体 たい であり、筋 すじ 原 げん 線維 せんい 性 せい ミオパチー(myofibrillar myopathy)で特徴 とくちょう 的 てき に認 みと められる。但 ただ し、筋 すじ 原 げん 線維 せんい 性 せい ミオパチー以外 いがい でも認 みと められることがあるので注意 ちゅうい が必要 ひつよう である。筋 すじ 原 げん 線維 せんい 性 せい ミオパチーはポンペ病 びょう やネマリンミオパチーとともに早期 そうき から呼吸 こきゅう 筋 すじ 筋力 きんりょく 低下 ていか が特徴 とくちょう である。細胞 さいぼう 質 しつ 小体 こてい はNADH-TR染色 せんしょく では抜 ぬ けてみえる。
tubular aggregates
tubular aggregatesは電子 でんし 顕微鏡 けんびきょう 的 てき には筋 すじ 小 しょう 胞体由来 ゆらい と考 かんが えられる管状 かんじょう 構造 こうぞう が規則正 きそくただ しく集 あつ まった構造 こうぞう 物 ぶつ である。mGTで赤染 あかぞめ し、NADH-TR染色 せんしょく で濃 こ 染 しみ する。タイプ2B線維 せんい にのみ出現 しゅつげん する。周期 しゅうき 性 せい 四肢 しし 麻痺 まひ で見 み られることが多 おお いが、tubular aggregatesの出現 しゅつげん を特徴 とくちょう とする稀 まれ な進行 しんこう 性 せい 家族 かぞく 性 せい ミオパチーも知 し られている。
縁取 へりと り空 そら 胞(rimmed vacuole)
mGTでは、細胞 さいぼう 内 ない 小 しょう 器官 きかん のミトコンドリア やライソゾーム が赤染 あかぞめ する。そのため、自己 じこ 貪食 どんしょく 空 そら 胞の集 しゅう 塊 かたまり である縁取 へりと り空 そら 胞の縁 えん の部分 ぶぶん は赤 あか ~赤 あか 紫色 むらさきいろ に染色 せんしょく される。縁 えん の部分 ぶぶん は細 こま かな赤 あか 紫 むらさき の顆粒 かりゅう で構成 こうせい されており、電子 でんし 顕微鏡 けんびきょう で観察 かんさつ すると、この顆粒 かりゅう 1個 いっこ が自己 じこ 貪食 どんしょく 空 そら 胞 え ないしその類縁 るいえん 構造 こうぞう 物 ぶつ であるミエリン様 さま 小体 こてい (myeloid body)1個 いっこ を反映 はんえい している。HE染色 せんしょく では紫色 むらさきいろ に染 そ まる。縁取 へりと り空 そら 胞の空隙 くうげき は多数 たすう の自己 じこ 貪食 どんしょく 空 そら 胞が標本 ひょうほん 作成 さくせい 段階 だんかい でスライドグラス から剥 は がれてしまうためにできた人工 じんこう 産物 さんぶつ であり電子 でんし 顕微鏡 けんびきょう ではこのような空隙 くうげき は認 みと められない。縁取 へりと り空 そら 胞は様々 さまざま な筋 すじ 疾患 しっかん で観察 かんさつ されるが、特 とく に封入 ふうにゅう 体 たい 筋炎 きんえん 、眼 め 咽頭 いんとう 筋 きん ジストロフィー、多 おお くの遠 とお 位 くらい 型 がた ミオパチー などで診断 しんだん 的 てき 所見 しょけん となっている。
赤色 あかいろ ぼろ線維 せんい (ragged red fiber、RRF)
赤色 あかいろ ぼろ線維 せんい は筋 すじ 線維 せんい 内 ない のミトコンドリア増加 ぞうか を反映 はんえい して、筋 すじ 線維 せんい 全体 ぜんたい が赤色 あかいろ に染色 せんしょく されたものである。mGTで用 もち いられている色素 しきそ の特性 とくせい から、赤色 あかいろ が強 つよ い部分 ぶぶん はひび割 わ れてくる。そのため赤色 あかいろ ぼろ線維 せんい という名称 めいしょう になった。ミトコンドリアは特 とく に筋 すじ 線維 せんい 周辺 しゅうへん 部 ぶ で増加 ぞうか するため、比較的 ひかくてき 早期 そうき の赤色 あかいろ ぼろ線維 せんい では筋 すじ 鞘 さや 膜 まく 直下 ちょっか に赤色 あかいろ の顆粒 かりゅう が増加 ぞうか したようにみえる。赤色 あかいろ ぼろ線維 せんい はミトコンドリア病 びょう の診断 しんだん 的 てき 所見 しょけん であるが加 か 齢 よわい 変化 へんか でも生 しょう じる。高齢 こうれい 者 しゃ では正常 せいじょう でも認 みと められることがある。
末梢 まっしょう 神経 しんけい 髄 ずい 鞘 さや
mGTでは末梢 まっしょう 神経 しんけい の髄 ずい 鞘 さや を赤 あか く染 そ めるので筋 すじ 内 ない 神経 しんけい 束 たば 内 ない の有 ゆう 髄 ずい 線維 せんい の評価 ひょうか に有用 ゆうよう である。但 ただ し光学 こうがく 顕微鏡 けんびきょう レベルでは有 ゆう 髄 ずい 神経 しんけい が保 たも たれているのか脱落 だつらく しているかの評価 ひょうか はできるが、軸 じく 索 さく 変性 へんせい か脱 だつ 髄 ずい かの判断 はんだん はできない。
spheroid body
筋 すじ 原 げん 線維 せんい 性 せい ミオパチーではmGTで緑色 みどりいろ に染色 せんしょく される封入 ふうにゅう 体 たい が筋 すじ 線維 せんい に認 みと められる。これは蛋白質 たんぱくしつ 凝集 ぎょうしゅう 体 たい でありspheroid bodyとよばれる。
線維 せんい 組織 そしき
mGTでは線維 せんい 組織 そしき は緑色 みどりいろ に染色 せんしょく される。
NADH-テトラゾリウム還元 かんげん 酵素 こうそ (NADH-tetrazolium reductase、NADH-TR)はNADH存在 そんざい 下 か でnitro blue tetrazolium(NBT)を還元 かんげん して青色 あおいろ に発光 はっこう させる酵素 こうそ 組織 そしき 化学 かがく 染色 せんしょく である。NADH を補 ほ 酵素 こうそ とする各種 かくしゅ 脱水 だっすい 素 もと 酵素 こうそ の活性 かっせい を反映 はんえい する。筋 すじ 線維 せんい 内 ない では、筋 すじ 小 しょう 胞体、ミトコンドリア、ライソゾームが主 おも に染色 せんしょく される。ミトコンドリアはタイプ1線維 せんい に多 おお いことからタイプ1線維 せんい はタイプ2線維 せんい よりも濃 こ 染 しみ する。したがってミオシンATPase標本 ひょうほん がない場合 ばあい には簡易 かんい の筋 すじ 線維 せんい タイプ分別 ふんべつ をNADH-TRで行 おこな うことがある。筋 すじ 小 しょう 胞体は筋 すじ 線維 せんい の周囲 しゅうい を一本 いっぽん 、一本 いっぽん 取 と り巻 ま いて分布 ぶんぷ しているため、NADH-TR染色 せんしょく では筋 すじ 線維 せんい 内 うち に筋 すじ 原 げん 線維 せんい と筋 すじ 原 げん 線維 せんい の間隙 かんげき を結 むす ぶ網状 もうじょう の構造 こうぞう が染 そ め出 だ される。これを筋 すじ 原 げん 線維 せんい 間 あいだ 網 もう (intermyofibrillar network)という。筋 すじ 原 げん 線維 せんい 網 もう の配列 はいれつ の乱 みだ れをみることにより間接 かんせつ 的 てき に筋 すじ 原 げん 線維 せんい の配列 はいれつ の乱 みだ れを評価 ひょうか することができる。そのためNADH-TRは主 おも に筋 すじ 原 げん 線維 せんい の配列 はいれつ の乱 みだ れを評価 ひょうか するのに用 もち いられる。筋 すじ 原 げん 線維 せんい 網 もう の異常 いじょう として代表 だいひょう 的 てき なもの分 ぶん 葉 は 線維 せんい (lobulated fiber)、虫食 むしく い線維 せんい (moth-eaten fiber)、コア(core)、マルチミニコア(multiminicore)、target/targetoid線維 せんい 、peripheral haloなどがある。神経 しんけい 線維 せんい のタイプ分別 ふんべつ の他 ほか 、神経 しんけい 線維 せんい 間 あいだ 網 もう の異常 いじょう の検出 けんしゅつ に優 すぐ れて方法 ほうほう であり、セントラルコア病 びょう の診断 しんだん に有用 ゆうよう である。
分 ぶん 葉 は 線維 せんい
分 ぶん 葉 は 線維 せんい (lobulated fiber)はカルパイン3遺伝子 いでんし 変異 へんい を原因 げんいん とする肢 し 帯 たい 型 がた 筋 きん ジストロフィー2A型 がた の進行 しんこう 期 き に典型 てんけい 的 てき に認 みと められる。但 ただ し、他 た の肢 し 帯 たい 型 がた 筋 きん ジストロフィーやベッカー型 がた 筋 きん ジストロフィーなどでも認 みと められることがあるので、注意 ちゅうい が必要 ひつよう である。
虫食 むしく い線維 せんい
虫食 むしく い線維 せんい (moth-eaten fiber)は内分泌 ないぶんぴつ 異常 いじょう や中毒 ちゅうどく 性 せい ミオパチーなどを含 ふく む幅広 はばひろ い筋 すじ 原 ばら 性 せい 疾患 しっかん で出現 しゅつげん する。また筋炎 きんえん の傍 はた 炎症 えんしょう 部 ぶ でもしばしば認 みと められる。疾患 しっかん 特異 とくい 性 せい の低 ひく い所見 しょけん である。
コア
コア(core)は典型 てんけい 的 てき にはセントラルコア病 びょう で認 みと められる。コア部分 ぶぶん はミトコンドリア や筋 すじ 小 しょう 胞体 を欠 か いているため染色 せんしょく されないが筋 すじ 原 げん 線維 せんい 自体 じたい は存在 そんざい する。但 ただ しZ線 せん が乱 みだ れている。
マルチミニコア
マルチミニコア(multiminicore)はマルチミニコア病 びょう で認 みと められる。しばしば虫食 むしく い線維 せんい との鑑別 かんべつ が難 むずか しいことがある。
target/targetoid線維 せんい
target/targetoid構造 こうぞう はコアと似 に ているものの、縦断 じゅうだん 面 めん でみた場合 ばあい 、コアが典型 てんけい 的 てき には筋 すじ 線維 せんい 全長 ぜんちょう にわたり認 みと められるのに対 たい して、target/targetoid構造 こうぞう の長 なが さは様々 さまざま で全長 ぜんちょう にわたることはない。しかし本質 ほんしつ 的 てき には同 おな じ構造 こうぞう 変化 へんか という考 かんが えもある。中心 ちゅうしん 部 ぶ にはしばしばspheroid bodyをみとめる。基本 きほん 的 てき に疾患 しっかん 特異 とくい 性 せい はないが、多数 たすう 認 みと められる場合 ばあい は神経 しんけい 原 ばら 性 せい 変化 へんか を反映 はんえい していることが多 おお い。
peripheral halo
X連鎖 れんさ 性 せい ミオチュブラーミオパチーでは、ほぼ全 すべ ての筋 すじ 線維 せんい が小径 しょうけい で丸 まる み帯 お びている。NADH-TRでは筋 すじ 線維 せんい 中心 ちゅうしん 部 ぶ の染色 せんしょく 性 せい が増加 ぞうか する一方 いっぽう で周辺 しゅうへん 部 ぶ が抜 ぬ けてみえる。これをperipheral haloとよぶ。先天 せんてん 性 せい 筋 すじ 強直 きょうちょく 性 せい ジストロフィー の一部 いちぶ でも同様 どうよう の所見 しょけん を呈 てい することがある。
ミオシンATPaseは筋 すじ 線維 せんい のタイプ分別 ふんべつ のための染色 せんしょく である。各 かく 筋 すじ 線維 せんい タイプのミオシンATPaseが活性 かっせい をもつための至 いたり 適 てき pHが異 こと なることを利用 りよう して、一定 いってい のpH下 か で前 ぜん 処置 しょち をしてから活性 かっせい 染色 せんしょく を行 おこな うことで各 かく 筋 すじ 線維 せんい タイプを染 そ め分 わ ける。成人 せいじん の骨格 こっかく 筋 すじ 、特 とく に生 なま 検 けん をよくされる上腕 じょうわん 二 に 頭 とう 筋 すじ や大腿 だいたい 直 じき 筋 すじ では1、2A、2Bがモザイク状 じょう に分布 ぶんぷ し各々 おのおの 1/3ずつとなる。病的 びょうてき 筋 すじ ではこれに加 くわ えて未熟 みじゅく 性 せい を反映 はんえい したタイプ2C線維 せんい が出現 しゅつげん する。アルカリ側 がわ pH(pH 10.6付近 ふきん )の前 ぜん 処置 しょち ではタイプ1線維 せんい のミオシンATPase活性 かっせい が失 うしな われ、タイプ2線維 せんい のみが染色 せんしょく される。一方 いっぽう 、酸性 さんせい 側 がわ (pH 4.2付近 ふきん )では逆 ぎゃく にタイプ1線維 せんい のみが染色 せんしょく される。pH 4.2付近 ふきん より少 すこ し上 あ げると、pH 4.6付近 ふきん でタイプ2B線維 せんい のみ中間色 ちゅうかんしょく で染色 せんしょく されるようになる。タイプ2C線維 せんい は、どのpHで前 ぜん 処置 しょち しても活性 かっせい が残 のこ る。このような染色 せんしょく 性 せい の差 さ をみることで、各 かく 筋 すじ 線維 せんい タイプを分別 ふんべつ することができる。
筋 すじ 線維 せんい タイプ
1
2A
2B
2C
ATPase(ルーチン)
淡 あわ 染 しみ
濃 こ 染 しみ
濃 こ 染 しみ
濃 こ 染 しみ 〜中間 ちゅうかん
ATPase(pH4.6)
濃 こ 染 しみ
淡 あわ 染 しみ
濃 こ 染 しみ 〜中間 ちゅうかん
濃 こ 染 しみ
ATPase(pH4.2)
濃 こ 染 しみ
淡 あわ 染 しみ
淡 あわ 染 しみ
濃 こ 染 しみ 〜中間 ちゅうかん
NADH-TR(SDH)
淡 あわ 染 しみ
濃 こ 染 しみ
濃 こ 染 しみ
中間 ちゅうかん
PAS
淡 あわ 染 しみ
濃 こ 染 しみ
濃 こ 染 しみ
中間 ちゅうかん
ホスファターゼ
淡 あわ 染 しみ
濃 こ 染 しみ
濃 こ 染 しみ
中間 ちゅうかん
ある筋 すじ 線維 せんい タイプが55%を超 こ えるとき、ある筋 すじ 線維 せんい タイプが欠損 けっそん しているとき、ある筋 すじ 線維 せんい タイプが細 ほそ い時 とき 、2C線維 せんい が多 おお く存在 そんざい する場合 ばあい は異常 いじょう である。タイプ1線維 せんい の選択 せんたく 的 てき な萎縮 いしゅく がみられる場合 ばあい は、ほぼ間違 まちが えなく筋 すじ 原 ばら 性 せい 疾患 しっかん である。特 とく にネマリンミオパチーなど先天 せんてん 性 せい ミオパチーでは大 だい 部分 ぶぶん の例 れい でタイプ1線維 せんい 萎縮 いしゅく を認 みと める。後 うしろ で説明 せつめい する筋 すじ 線維 せんい タイプ群 ぐん 化 か ではなく、すなわち神経 しんけい 原 ばら 性 せい 疾患 しっかん が認 みと められずタイプ1線維 せんい が55%以上 いじょう を占 し める場合 ばあい はタイプ1線維 せんい 優位 ゆうい と呼 よ ぶが、先天 せんてん 性 せい ミオパチーではタイプ1線維 せんい 萎縮 いしゅく に加 くわ えて、しばしばタイプ1線維 せんい 優位 ゆうい とタイプ2B線維 せんい 欠損 けっそん を伴 ともな っている。セントラルコア病 びょう 、ネマリンミオパチー、ミオチュブラーミオパチーなどが代表 だいひょう 疾患 しっかん である。先天 せんてん 性 せい ミオパチーのうち、タイプ1線維 せんい 萎縮 いしゅく を認 みと めるもののネマリン小体 こてい や中心 ちゅうしん 核 かく などの他 ほか の先天 せんてん 性 せい ミオパチーの疾患 しっかん 特徴 とくちょう 的 てき 所見 しょけん を欠 か く場合 ばあい 、先天 せんてん 性 せい 筋 すじ 線維 せんい タイプ不 ふ 均等 きんとう 症 しょう と呼 よ ばれる。タイプ1線維 せんい 萎縮 いしゅく は先天 せんてん 性 せい ミオパチー以外 いがい にも筋 すじ 強直 きょうちょく 性 せい ジストロフィーやベッカー型 がた 筋 きん ジストロフィーなど幅広 はばひろ い筋 すじ 原 ばら 性 せい 疾患 しっかん に認 みと められる。タイプ1と2線維 せんい の径 みち が12%以上 いじょう の差 さ がある場合 ばあい も異常 いじょう である。タイプ1線維 せんい が細 ほそ いのは筋 すじ 強直 きょうちょく 性 せい ジストロフィー(先天 せんてん 型 がた 、成人 せいじん 型 がた )、不動 ふどう 性 せい 委縮 いしゅく 、強直 きょうちょく 性 せい 脊椎 せきつい 症候群 しょうこうぐん 、微小 びしょう 重力 じゅうりょく 状態 じょうたい などでも認 みと められる。一方 いっぽう 、タイプ2線維 せんい 萎縮 いしゅく (特 とく にタイプ2B線維 せんい 萎縮 いしゅく )は疾患 しっかん 特異 とくい 性 せい が低 ひく く、廃 はい 用 よう 性 せい 萎縮 いしゅく 、低 てい 栄養 えいよう 、中枢 ちゅうすう 神経 しんけい 障害 しょうがい (脳性 のうせい 麻痺 まひ 、脳卒中 のうそっちゅう 後 ご 、変性 へんせい 疾患 しっかん )、ステロイドミオパチー、低 てい 栄養 えいよう 、老人 ろうじん 、膠 にかわ 原 ばら 病 びょう などで認 みと められる。
脱 だつ 神経 しんけい が起 お こると神経 しんけい 連絡 れんらく が保 たも たれている軸 じく 索 さく からsproutingが起 お こり、脱 だつ 神経 しんけい 筋 すじ は神経 しんけい 再 さい 支配 しはい を受 う ける。この際 さい 、神経 しんけい 再 さい 支配 しはい を受 う ける。この際 さい 、神経 しんけい 再 さい 支配 しはい を受 う けた筋 すじ 線維 せんい のタイプは再 さい 支配 しはい を行 おこな った脊髄 せきずい 前 ぜん 角 かく 細胞 さいぼう によって規定 きてい される。本来 ほんらい 正常 せいじょう 筋 すじ では、異 こと なる前 ぜん 角 かく 細胞 さいぼう によって神経 しんけい 支配 しはい を受 う けたタイプの異 こと なる筋 すじ 線維 せんい がモザイク状 じょう に入 はい り混 ま じって分布 ぶんぷ している。ところが、神経 しんけい 再 さい 支配 しはい がおこると、近接 きんせつ する線維 せんい が同一 どういつ の前 ぜん 角 かく 細胞 さいぼう によって支配 しはい されるようになり、モザイクパターンが崩 くず れて同一 どういつ の筋 すじ 線維 せんい タイプがまとまって存在 そんざい するようになる。これを筋 すじ 線維 せんい タイプ群 ぐん 化 か (fiber type grouping)という。筋 すじ 線維 せんい タイプ群 ぐん 化 か は神経 しんけい 原 ばら 性 せい 疾患 しっかん の証拠 しょうこ になる。群 ぐん 化 か の傾向 けいこう が強 つよ い時 とき は生 なま 検 けん 筋 すじ 内 ない すべてが特定 とくてい の線維 せんい パターンになる時 とき もある。
ジストロフィン染色 せんしょく や表面 ひょうめん マーカー染色 せんしょく を行 おこな うことがある。炎症 えんしょう 性 せい 筋 すじ 疾患 しっかん でもENMCの診断 しんだん 基準 きじゅん [ 1] に当 あ てはめる場合 ばあい は必要 ひつよう である。
筋 すじ 線維 せんい の病理 びょうり 学 がく 的 てき 変化 へんか [ 編集 へんしゅう ]
筋 すじ 線維 せんい の大小 だいしょう 不同 ふどう
小 ちい さい線維 せんい や大 おお きい線維 せんい が多数 たすう 存在 そんざい する場合 ばあい を筋 すじ 線維 せんい の大小 だいしょう 不同 ふどう という。筋 すじ 線維 せんい の大小 だいしょう 不同 ふどう に規則 きそく 性 せい がなく、広範 こうはん であれば筋 すじ 原 ばら 性 せい 疾患 しっかん であることが多 おお い。
小角 おがく 化 か 線維 せんい
多角 たかく 形 がた を失 うしな い正常 せいじょう よりも小 ちい さく三角形 さんかっけい になった筋 すじ 線維 せんい を小角 おがく 化 か 線維 せんい という。これは通常 つうじょう では存在 そんざい しない。線維 せんい があって、群 ぐん 委縮 いしゅく の所見 しょけん があれば神経 しんけい 性 せい 疾患 しっかん であることが多 おお い。
濃 こ 染 しみ 線維 せんい
小 ちい さな多角 たかく 性 せい の線維 せんい を背景 はいけい にして、はっきりとした円形 えんけい をし、クロマチンにとむ特徴 とくちょう をもつ。筋 きん ジストロフィーで高 こう 頻度 ひんど に認 みと められる。
肥大 ひだい
筋 すじ 線維 せんい が大 おお きくなりそれによりしばしば多角 たかく 形 がた を失 うしな う。肥大 ひだい 線維 せんい は代償 だいしょう 性 せい の変化 へんか であり、しばしば中心 ちゅうしん 核 かく やスプリッティングを伴 ともな う。
萎縮 いしゅく
萎縮 いしゅく 線維 せんい は筋 すじ 疾患 しっかん では丸 まる みを帯 お びて、神経 しんけい 原 ばら 性 せい 変化 へんか では角 かく ばっている。萎縮 いしゅく の最終 さいしゅう 段階 だんかい では核 かく 袋 ぶくろ となり筋 すじ 原 げん 線維 せんい 基質 きしつ を大 おお きく退 しりぞ けた筋 すじ 細胞 さいぼう 内 ない の核 かく 凝集 ぎょうしゅう が認 みと められる。この段階 だんかい では神経 しんけい 原 ばら 性 せい 、筋 すじ 原 ばら 性 せい の区別 くべつ はない。萎縮 いしゅく 線維 せんい を確認 かくにん する場合 ばあい はその分布 ぶんぷ が重要 じゅうよう である。不規則 ふきそく か、どのような集団 しゅうだん をなしているかである。繊維 せんい 束 たば 萎縮 いしゅく や群集 ぐんしゅう 萎縮 いしゅく は脱 だつ 神経 しんけい の特徴 とくちょう であり萎縮 いしゅく 線維 せんい が筋 すじ 束 たば の一部 いちぶ をなして集 しゅう 簇 むらが する。筋 すじ 束 たば 周辺 しゅうへん 萎縮 いしゅく は萎縮 いしゅく 線維 せんい が筋 すじ 束 たば の端 はし にならび、萎縮 いしゅく の程度 ていど は縁 えん に近 ちか いほど強 つよ い。筋 すじ 束 たば 周辺 しゅうへん 萎縮 いしゅく は皮膚 ひふ 筋炎 きんえん で認 みと められる。不規則 ふきそく に散在 さんざい した萎縮 いしゅく 線維 せんい は特異 とくい な疾患 しっかん の特徴 とくちょう ではなく、両方 りょうほう の筋 すじ 線維 せんい のタイプを含 ふく むときは脱 だつ 神経 しんけい の初期 しょき 段階 だんかい をしめす。筋 すじ 線維 せんい のタイプごとの萎縮 いしゅく もある。タイプ1線維 せんい 萎縮 いしゅく は通常 つうじょう は筋 すじ 強直 きょうちょく 性 せい ジストロフィー や先天 せんてん 性 せい ミオパチー で認 みと められる。発育 はついく 障害 しょうがい の結果 けっか と考 かんが えられる。タイプ2線維 せんい 萎縮 いしゅく は高 こう 頻度 ひんど に認 みと められ廃 はい 用 よう 、慢性 まんせい 疾患 しっかん 、ステロイド治療 ちりょう など様々 さまざま な状態 じょうたい と起 お こる。
筋 すじ 線維 せんい タイプの優位 ゆうい 性 せい と欠損 けっそん
筋 すじ 線維 せんい の比率 ひりつ は筋 すじ 毎 ごと に異 こと なる。しかし三角 さんかく 筋 すじ 、上腕 じょうわん 二 に 頭 とう 筋 すじ 、大腿 だいたい 四 よん 頭 とう 筋 すじ 、腓腹筋 ひふくきん ではタイプ1線維 せんい 、タイプ2線維 せんい どちらでも55%を超 こ えたら優位 ゆうい 性 せい の異常 いじょう である。タイプ1優位 ゆうい 性 せい は先天 せんてん 性 せい ミオパチーで、タイプ2優位 ゆうい 性 せい は筋 すじ 萎縮 いしゅく 性 せい 側 がわ 索 さく 硬化 こうか 症 しょう で認 みと められる。
間 あいだ 質 しつ の変化 へんか
サルコイドーシス、アミロイドーシス、血管 けっかん 炎 えん などの診断 しんだん につながることもある。筋 すじ 内 ない 膜 まく の線維 せんい 化 か は筋 きん ジストロフィーを示唆 しさ する。筋 きん ジストロフィーや炎症 えんしょう 性 せい 筋 すじ 疾患 しっかん では炎症 えんしょう 細胞 さいぼう 浸潤 しんじゅん が認 みと められる。どんな疾患 しっかん でも最終 さいしゅう 段階 だんかい は筋 すじ 組織 そしき が線維 せんい 結合 けつごう 組織 そしき や脂肪 しぼう 組織 そしき に置 お き換 か わる。
核 かく の異常 いじょう
中心 ちゅうしん 核 かく (内在 ないざい 核 かく )が筋 すじ 線維 せんい の5%以上 いじょう に認 みと められれば異常 いじょう である。再生 さいせい 段階 だんかい にある筋 すじ はしばしば中心 ちゅうしん 核 かく をもつ。核 かく 内 ない 封入 ふうにゅう 体 たい は封入 ふうにゅう 体 たい 筋炎 きんえん や眼 め 咽頭 いんとう 筋 すじ 型 がた ジストロフィーといった疾患 しっかん で認 みと められる。
分割 ぶんかつ 線維 せんい
肥大 ひだい 線維 せんい で認 みと められる。筋 すじ 腱 けん 移行 いこう 部 ぶ では病的 びょうてき 意義 いぎ はない。
壊死 えし 線維 せんい
壊死 えし 線維 せんい はHE染色 せんしょく で細胞 さいぼう 質 しつ が均一 きんいつ 化 か し、ガラス様 さま になり淡 あわ くそまる。縦断 じゅうだん 像 ぞう では横 よこ 紋 もん が消失 しょうしつ する。筋 すじ 線維 せんい に徐々 じょじょ に空砲 くうほう ができ、炎症 えんしょう 細胞 さいぼう が基底 きてい 膜 まく を超 こ えて浸潤 しんじゅん する。筋 すじ 細管 さいかん 内 ない にマクロファージやTリンパ球 だま が浸潤 しんじゅん し、筋 すじ 線維 せんい の知覚 ちかく から再生 さいせい 筋 すじ 芽 め 細胞 さいぼう が出現 しゅつげん する。最終 さいしゅう 的 てき には血管 けっかん 周囲 しゅうい の炎症 えんしょう 細胞 さいぼう が移 うつ る。線維 せんい の変性 へんせい は筋 きん ジストロフィーや炎症 えんしょう 性 せい 筋 すじ 疾患 しっかん 、中毒 ちゅうどく 性 せい 筋 すじ 疾患 しっかん が特徴 とくちょう である。壊死 えし 線維 せんい 、変性 へんせい 線維 せんい は神経 しんけい 原 ばら 性 せい 筋 すじ 萎縮 いしゅく の最終 さいしゅう 段階 だんかい としては認 みと められることもあるが、原則 げんそく は筋 すじ 疾患 しっかん を示唆 しさ する。
好 こう 塩基 えんき 性 せい 線維 せんい
再生 さいせい 筋 すじ 線維 せんい のことでRNAが豊富 ほうふ である。
ターゲット線維 せんい
ターゲット線維 せんい は正常 せいじょう 標本 ひょうほん でも、とくにNADH-TRではよく認 みと められる。ターゲット線維 せんい はタイプ1線維 せんい であることがほとんどであり、中心 ちゅうしん に酵素 こうそ 活性 かっせい を欠 か き、色 いろ がぬける。その外側 そとがわ は酸化 さんか 酵素 こうそ が豊富 ほうふ で環状 かんじょう にくらくなる。さらにその周囲 しゅうい は正常 せいじょう という構造 こうぞう であり、脱 だつ 神経 しんけい で認 みと められる。外側 そとがわ が暗 くら くならない場合 ばあい は類 るい ターゲット線維 せんい という。この場合 ばあい は脱 だつ 神経 しんけい の特異 とくい 度 ど は低 ひく い。
空 そら 胞 vacuole
非 ひ ライソゾーム蓄積 ちくせき 病 びょう
McArdle病 びょう の糖 とう 原 げん やカルニチン欠損 けっそん 症 しょう の脂肪 しぼう がこれにあたる。
ライソゾーム蓄積 ちくせき 病 びょう の空砲 くうほう
酸 さん ホスファターゼ染色 せんしょく や蓄積 ちくせき 物 ぶつ により見分 みわ ける。
ライソゾームが高 こう 活性 かっせい 化 か した自己 じこ 貪食 どんしょく 空砲 くうほう
酸 さん ホスファターゼ染色 せんしょく により明 あき らかになる。
縁取 へりと り空 そら 胞 rimmed vacuole
封入 ふうにゅう 体 たい 筋炎 きんえん で認 みと められる。周囲 しゅうい は顆粒 かりゅう 状 じょう でHE染色 せんしょく では好 こう 塩基 えんき 性 せい 、Gomoriトリクロームでは赤 あか くなり、電子 でんし 顕微鏡 けんびきょう では、膜 まく の残 ざん 屑 くず や中間 なかま フィラメントより構成 こうせい されているのを認 みと める。
周期 しゅうき 性 せい 四肢 しし 麻痺 まひ において内 うち 膜 まく 組織 そしき の拡張 かくちょう により生 しょう じた空 そら 胞
筋 すじ 原 げん 線維 せんい の欠損 けっそん による空 そら 胞
赤色 あかいろ ぼろ線維 せんい ragged red fiber
筋 すじ 内 ない 膜 まく 下 か や筋 すじ 原 げん 線維 せんい 間 あいだ に集 しゅう 塊 かたまり で存在 そんざい し、ミトコンドリア筋 すじ 症 しょう に目立 めだ つ。Gomoriトリクロームでは赤 あか く、HE染色 せんしょく では青 あお い。主 おも に異常 いじょう なミトコンドリアからなり酸化 さんか 酵素 こうそ を多 おお く含 ふく み、そのためNADH-TRやSDH染色 せんしょく で濃 こ 染 しみ する。超 ちょう 微 ほろ 構造 こうぞう では糖 とう 原 げん や特 とく に脂肪 しぼう の蓄積 ちくせき を認 みと める。60歳 さい 未満 みまん で認 みと められればミトコンドリア筋 すじ 症 しょう を強 つよ く示唆 しさ するが高齢 こうれい 者 しゃ ではミトコンドリア以外 いがい の障害 しょうがい でも赤色 あかいろ ぼろ線維 せんい を散見 さんけん する。また赤色 あかいろ ぼろ線維 せんい がなくともミトコンドリア病 びょう を否定 ひてい 出来 でき ない。
管状 かんじょう 物質 ぶっしつ 集積 しゅうせき
低 てい カリウム性 せい 周期 しゅうき 性 せい 四肢 しし 麻痺 まひ に認 みと められる。
筋 すじ 原 ばら 性 せい と神経 しんけい 原 ばら 性 せい の鑑別 かんべつ [ 編集 へんしゅう ]
筋 すじ 病理 びょうり における神経 しんけい 原 ばら 性 せい 、筋 すじ 原 ばら 性 せい の鑑別 かんべつ 点 てん をまとめる。神経 しんけい 原 ばら 性 せい 変化 へんか で重要 じゅうよう な所見 しょけん はgroup atrophyとfiber type groupingの2つだけである。筋 すじ 原 ばら 性 せい 変化 へんか を示 しめ す所見 しょけん は多数 たすう 知 し られている。筋 すじ 線維 せんい の壊死 えし ・再生 さいせい 、コアなど筋 すじ 線維 せんい の変化 へんか 、筋 すじ 核 かく の変化 へんか 、ネマリン小体 こてい などの封入 ふうにゅう 体 たい 、タイプ1線維 せんい 萎縮 いしゅく 、タイプ1線維 せんい 優位 ゆうい 、内 うち 鞘 さや へのリンパ球 だま 浸潤 しんじゅん などがあげられる。近年 きんねん は神経 しんけい 原 ばら 性 せい 変化 へんか と筋 すじ 原 ばら 性 せい 変化 へんか の区別 くべつ を筋 すじ 病理 びょうり では行 おこな わなくなった。
筋 すじ 原 ばら 性 せい
神経 しんけい 原 ばら 性 せい
相当 そうとう な大小 だいしょう 不同 ふどう
巣 す 状 じょう の萎縮 いしゅく 線維 せんい
円形 えんけい 線維 せんい
角 かく 化 か 線維 せんい
核 かく の増加 ぞうか
筋 すじ 細胞 さいぼう 質 しつ の萎縮 いしゅく による核 かく のみかけの増加 ぞうか
筋 すじ 鞘 さや 内 ない 核 かく
筋 すじ 鞘 さや 内 ない 核 かく を認 みと めない
壊死 えし 再生 さいせい 筋 すじ 線維 せんい あり
壊死 えし 再生 さいせい 筋 すじ 線維 せんい なし
収縮 しゅうしゅく 蛋白 たんぱく の筋 すじ 細胞 さいぼう 質 しつ 内 ない における変化 へんか
ターゲット線維 せんい
間 あいだ 質 しつ の線維 せんい 化 か が目立 めだ つ
間 あいだ 質 しつ の線維 せんい 化 か が乏 とぼ しい
炎症 えんしょう 細胞 さいぼう 浸潤 しんじゅん あり
炎症 えんしょう 細胞 さいぼう 浸潤 しんじゅん なし
筋 きん ジストロフィー 、遠 とお 位 くらい 型 がた ミオパチー 、筋 すじ 強直 きょうちょく 症候群 しょうこうぐん 、先天 せんてん 性 せい ミオパチー 、ミトコンドリア病 びょう 、筋炎 きんえん 、ミオパチー なども参照 さんしょう とする。
筋炎 きんえん は筋炎 きんえん 特異 とくい 的 てき 自己 じこ 抗体 こうたい の発見 はっけん と筋 すじ 病理 びょうり 学 がく の進歩 しんぽ により分類 ぶんるい が大 おお きく変 か わりつつある。自己 じこ 抗体 こうたい が次々 つぎつぎ と明 あき らかになり臨床 りんしょう 病理 びょうり 学 がく 的 てき 特徴 とくちょう が異 こと なることが明 あき らかになったこと、従来 じゅうらい 多発 たはつ 筋炎 きんえん と病理 びょうり 学 がく 的 てき に診断 しんだん されていた例 れい のほとんどが実際 じっさい には封入 ふうにゅう 体 たい 筋炎 きんえん であったこと[ 2] 、臨床 りんしょう 的 てき に多発 たはつ 筋炎 きんえん と診断 しんだん されていた例 れい の殆 ほとん どが筋 すじ 病理 びょうり 学的 がくてき には免疫 めんえき 介在 かいざい 性 せい 壊死 えし 性 せい ミオパチーであった。筋 すじ 病理 びょうり 学 がく 的 てき な立場 たちば では多発 たはつ 筋炎 きんえん はもはや存在 そんざい しない疾患 しっかん との位置 いち づけになっている[ 3] [ 4] 。筋 すじ 病理 びょうり 学 がく を中心 ちゅうしん に炎症 えんしょう 性 せい 筋 すじ 疾患 しっかん は皮膚 ひふ 筋炎 きんえん 、抗 こう 合成 ごうせい 酵素 こうそ 症候群 しょうこうぐん 、免疫 めんえき 介在 かいざい 性 せい 壊死 えし 性 せい ミオパチー、封入 ふうにゅう 体 たい 筋炎 きんえん に分類 ぶんるい されることが一般 いっぱん 的 てき になった。
筋炎 きんえん の診断 しんだん のための筋 すじ 生 せい 検 けん はMRIで浮腫 ふしゅ 性 せい 変化 へんか がある部位 ぶい から採取 さいしゅ する[ 4] 。高 こう 用量 ようりょう PSL投与 とうよ 前後 ぜんこう の筋 すじ 生 せい 検 けん の病理 びょうり 像 ぞう に関 かん しての報告 ほうこく がある。免疫 めんえき 染色 せんしょく を行 おこな って両者 りょうしゃ を比較 ひかく するとステロイド療法 りょうほう 後 ご に筋肉 きんにく に浸潤 しんじゅん しているリンパ球 だま 数 すう が減 へ り、筋肉 きんにく 内 ない の炎症 えんしょう 性 せい サイトカインや血管 けっかん 内皮 ないひ 細胞 さいぼう での細胞 さいぼう 接着 せっちゃく 因子 いんし の発現 はつげん や筋肉 きんにく のHLA-ABC発現 はつげん の低下 ていか が示 しめ されている[ 5] 。そのため筋 すじ 生 せい 検 けん は治療 ちりょう 前 まえ に行 おこな うことが望 のぞ ましい。筋 すじ 病理 びょうり に関 かん して下記 かき のようにまとめる。
筋 すじ 原 ばら 性 せい 変化 へんか は炎症 えんしょう 性 せい 筋 すじ 疾患 しっかん の他 ほか 、ミオパチー などでも認 みと められる所見 しょけん である。筋 すじ 線維 せんい 径 みち のサイズは大小 だいしょう 不同 ふどう を呈 てい し、筋 すじ 線維 せんい の形 かたち は円形 えんけい 化 か する。慢性 まんせい 経過 けいか 症例 しょうれい では100μ みゅー m以上 いじょう の肥大 ひだい 線維 せんい を認 みと め、筋 すじ 内 ない 鞘 さや が開 ひらけ 大 だい し、間 あいだ 質 しつ の開 ひらき 大 だい や線維 せんい 化 か をみとめることもある。線維 せんい の中心 ちゅうしん 部 ぶ に核 かく がある、いわゆる中心 ちゅうしん 核 かく を認 みと めることも多 おお い。壊死 えし ・再生 さいせい 筋 すじ をみとめる。NADH-TR染色 せんしょく では筋 すじ 原 げん 線維 せんい 間 あいだ 網 もう の乱 みだ れが認 みと められAcidP染色 せんしょく では再生 さいせい 線維 せんい で活性 かっせい の上昇 じょうしょう が認 みと められる。
筋 すじ 原 ばら 性 せい 変化 へんか が認 みと められる。筋 すじ 束 たば 辺 べ 縁 えん 部 ぶ 萎縮 いしゅく (perifascicular atrophy)が最 もっと もよく知 し られた診断 しんだん 的 てき 所見 しょけん である。筋 すじ 束 たば 辺 べ 縁 えん 部 ぶ の筋 すじ 線維 せんい の萎縮 いしゅく である。抗 こう MDA5 抗体 こうたい 陽性 ようせい 例 れい では筋 すじ 束 たば 辺 べ 縁 えん 部 ぶ 萎縮 いしゅく を認 みと めないことが多 おお い。筋 すじ 束 たば 辺 べ 縁 えん 部 ぶ 萎縮 いしゅく 周辺 しゅうへん の筋 すじ 線維 せんい はミトコンドリアやライソゾームが増加 ぞうか し細胞 さいぼう 質 しつ が好 こう 塩基 えんき 性 せい に染色 せんしょく され、時 とき にpunched-out vacuoleと呼 よ ばれる空砲 くうほう を有 ゆう し、大型 おおがた の内在 ないざい 核 かく を伴 ともな っている。punched-out vacuoleは特 とく に抗 こう TIF-γ がんま 抗体 こうたい 陽性 ようせい 例 れい で高 こう 頻度 ひんど に認 みと められる。筋 すじ 束 たば 辺 べ 縁 えん 部 ぶ の筋 すじ 線維 せんい はミトコンドリアやライソゾームの増加 ぞうか を反映 はんえい してNADH-TRで濃 こ 染 しみ する一方 いっぽう で、しばしばCOX活性 かっせい が低下 ていか している。筋 すじ 周 しゅう 鞘 さや の血管 けっかん 周囲 しゅうい の単 たん 球 たま 浸潤 しんじゅん もしばしば認 みと められるが疾患 しっかん 特異 とくい 性 せい は低 ひく い。一部 いちぶ の症例 しょうれい では微小 びしょう 梗塞 こうそく を認 みと める。微小 びしょう 梗塞 こうそく は小児 しょうに 例 れい に多 おお く、抗 こう NXP-2抗体 こうたい 陽性 ようせい 例 れい に多 おお い。抗 こう Mi-2抗体 こうたい 陽性 ようせい 例 れい の筋 すじ 病理 びょうり は独自 どくじ で、筋 すじ 束 たば 辺 べ 縁 えん 部 ぶ に壊死 えし ・再生 さいせい 筋 すじ が豊富 ほうふ に認 みと められる。このような所見 しょけん は筋 すじ 束 たば 辺 べ 縁 えん 部 ぶ 壊死 えし (perifascicular necrosis)と呼 よ ばれる。また筋 すじ 周 しゅう 鞘 さや に浮腫 ふしゅ が強 つよ い傾向 けいこう があり、結合 けつごう 組織 そしき の断片 だんぺん 化 か を認 みと めるとともに、しばしばアルカリホスファターゼ活性 かっせい が発現 はつげん している。
免疫 めんえき 染色 せんしょく では筋 すじ 細胞 さいぼう 膜 まく にHLA-ABCが発現 はつげん するとともに内 うち 鞘 さや 毛細血管 もうさいけっかん への膜 まく 侵 おかせ 襲 かさね 複 ふく 合体 がったい (MAC)沈着 ちんちゃく を認 みと める。HLA -DRが一部 いちぶ の筋 すじ 線維 せんい で発現 はつげん した症例 しょうれい も存在 そんざい するが稀 まれ である。正常 せいじょう ではHLA-ABCは血管 けっかん 内皮 ないひ に発現 はつげん するが筋 すじ 細胞 さいぼう 膜 まく では発現 はつげん していない[ 6] 。全体 ぜんたい の50%以上 いじょう の筋 すじ 線維 せんい の筋 すじ 細胞 さいぼう 膜 まく にHLA-ABCの発現 はつげん 亢進 こうしん を認 みと める場合 ばあい は検査 けんさ 陽性 ようせい としたとき、筋炎 きんえん の診断 しんだん 感度 かんど は100%であり、特異 とくい 度 ど は94%という報告 ほうこく もある[ 7] 。HLA-ABCの筋 すじ 線維 せんい の発現 はつげん は、疾患 しっかん 活動 かつどう 初期 しょき より認 みと め、炎症 えんしょう 細胞 さいぼう 浸潤 しんじゅん に先立 さきだ ち、疾患 しっかん の慢性 まんせい 経過 けいか 時 じ にも残存 ざんそん することが知 し られている[ 7] 。ミクソウイルス抵抗 ていこう 性 せい 蛋白質 たんぱくしつ A(myxovirus resistance protein A、MxA)はⅠ型 がた インターフェロン (IFN-Ⅰ)で誘導 ゆうどう される代表 だいひょう 的 てき な蛋白質 たんぱくしつ である。骨格 こっかく 筋 すじ の筋 すじ 線維 せんい におけるMxAの発現 はつげん は筋 すじ 束 たば 辺 べ 縁 えん 部 ぶ 萎縮 いしゅく (perifascicular atrophy)よりも皮膚 ひふ 筋炎 きんえん の診断 しんだん で感度 かんど ・特異 とくい 度 ど ともにすぐれており2018年 ねん の改訂 かいてい で診断 しんだん 基準 きじゅん にも含 ふく まれるようになった[ 8] 。皮膚 ひふ 筋炎 きんえん は全身 ぜんしん 性 せい エリテマトーデス や関節 かんせつ リウマチ とともにⅠ型 がた インターフェロノパチーとして認識 にんしき されるようになった。
電子 でんし 顕微鏡 けんびきょう では血管 けっかん 内皮 ないひ にtubuloreticular inclusions(TRIs)と呼 よ ばれる管状 かんじょう 構造 こうぞう 物 ぶつ の集 しゅう 塊 かたまり を認 みと める[ 9] 。
かつては血 ち 流 りゅう 障害 しょうがい の結果 けっか 、筋 すじ 束 たば 辺 べ 縁 えん 部 ぶ 萎縮 いしゅく が生 しょう じると考 かんが えられていたが反論 はんろん が多 おお い。Ⅰ型 がた インターフェロンの下流 かりゅう 遺伝子 いでんし の発現 はつげん 亢進 こうしん で筋 すじ 束 たば 辺 べ 縁 えん 部 ぶ 萎縮 いしゅく が生 しょう じるという仮説 かせつ もある。また皮膚 ひふ 筋炎 きんえん で認 みと められる炎症 えんしょう 細胞 さいぼう はCD4陽性 ようせい T細胞 さいぼう やB細胞 さいぼう が主体 しゅたい であり、CD8陽性 ようせい T細胞 さいぼう を認 みと めることは少 すく ない。検出 けんしゅつ される自己 じこ 抗体 こうたい によって臨床 りんしょう 症状 しょうじょう や病理 びょうり 所見 しょけん 多少 たしょう 異 こと なることが明 あき らかになってきた。
自己 じこ 抗体 こうたい
臨床 りんしょう 的 てき 特徴 とくちょう
病理 びょうり 学 がく 的 てき 特徴 とくちょう
TIF1-γ がんま
成人 せいじん で悪性 あくせい 腫瘍 しゅよう 合併 がっぺい
Perifascicular atrophy、毛細血管 もうさいけっかん へのMAC沈着 ちんちゃく 、punched-out vacuoles
MDA5
無 む 筋 すじ 症 しょう 性 せい 皮膚 ひふ 筋炎 きんえん
Perifascicular atrophyは稀 まれ 、毛細血管 もうさいけっかん へのMAC沈着 ちんちゃく
Mi-2
筋力 きんりょく 低下 ていか 、高 こう CK血 ち 症 しょう
Perifascicular necrosis、周 しゅう 鞘 さや ALP発現 はつげん 、周 しゅう 鞘 さや 結合 けつごう 組織 そしき 断片 だんぺん 化 か 、、毛細血管 もうさいけっかん へのMAC沈着 ちんちゃく は稀 まれ
NXP-2
若年 じゃくねん 性 せい 皮膚 ひふ 筋炎 きんえん
微小 びしょう 梗塞 こうそく
SAE
広範 こうはん な紅 べに 斑 まだら
?
筋 すじ 原 ばら 性 せい 変化 へんか が認 みと められる。筋 すじ 束 たば 辺 べ 縁 えん 部 ぶ に壊死 えし ・再生 さいせい 線維 せんい が分布 ぶんぷ する筋 すじ 束 たば 辺 べ 縁 えん 部 ぶ 壊死 えし (perifascicular necrosis)、筋 すじ 周 しゅう 鞘 さや の結合 けつごう 組織 そしき 断片 だんぺん 化 か 、筋 すじ 周 しゅう 鞘 さや のアルカリホスファターゼ活性 かっせい 発現 はつげん が特徴 とくちょう 的 てき である。抗 こう Mi-2抗体 こうたい 陽性 ようせい 皮膚 ひふ 筋炎 きんえん での所見 しょけん と酷似 こくじ するが免疫 めんえき 染色 せんしょく の所見 しょけん は大 おお きく異 こと なる。抗 こう 合成 ごうせい 酵素 こうそ 症候群 しょうこうぐん では筋 すじ 線維 せんい にMxAの発現 はつげん が認 みと められない。またHLA-ABCが比較的 ひかくてき 強 つよ く発現 はつげん し、HLA-DRが発現 はつげん する筋 すじ 線維 せんい を認 みと めることもある。抗 こう 合成 ごうせい 酵素 こうそ 症候群 しょうこうぐん ではⅠ型 がた インターフェロン経路 けいろ ではなくⅡ型 がた インターフェロン経路 けいろ の亢進 こうしん が示唆 しさ されている[ 4] 。
筋 すじ 原 ばら 性 せい 変化 へんか が認 みと められる。壊死 えし ・再生 さいせい 筋 すじ にマクロファージの浸潤 しんじゅん が認 みと められる。リンパ球 だま 浸潤 しんじゅん は認 みと めないか、あっても反応 はんのう 性 せい の変化 へんか として説明 せつめい が可能 かのう なものである。慢性 まんせい に経過 けいか する例 れい では間 あいだ 質 しつ の線維 せんい 化 か や脂肪 しぼう 浸潤 しんじゅん が認 みと められる。免疫 めんえき 染色 せんしょく では筋 すじ 線維 せんい 膜 まく でのHLA-ABCの発現 はつげん 増加 ぞうか が認 みと められるが皮膚 ひふ 筋炎 きんえん や封入 ふうにゅう 体 たい 筋炎 きんえん と比 くら べると非常 ひじょう に軽度 けいど である。通常 つうじょう はHLA-DRの発現 はつげん は認 みと められない。一部 いちぶ の筋 すじ 線維 せんい 膜 まく で膜 まく 侵 おかせ 襲 かさね 複 ふく 合体 がったい (MAC)沈着 ちんちゃく を認 みと める。またp62が筋 すじ 細胞 さいぼう 質 しつ 内 ない で顆粒 かりゅう 状 じょう に染 そ まり、自己 じこ 貪食 どんしょく に関 かか わるシャペロン 蛋白 たんぱく と共 きょう 局在 きょくざい している。抗 こう ミトコンドリアM2抗体 こうたい 陽性 ようせい 筋炎 きんえん も病理 びょうり 学的 がくてき には免疫 めんえき 介在 かいざい 性 せい 壊死 えし 性 せい ミオパチー に分類 ぶんるい せざるを得 え ない例 れい が多 おお い。
その他 た の自己 じこ 免疫 めんえき 性 せい 筋炎 きんえん と同様 どうよう に筋 すじ 原 ばら 性 せい 変化 へんか が認 みと められる。特徴 とくちょう 的 てき であるのは筋 すじ 内 ない 鞘 さや 主体 しゅたい に炎症 えんしょう 細胞 さいぼう 浸潤 しんじゅん を認 みと めるということである。筋 すじ 束 たば の外 そと である筋 すじ 周 しゅう 鞘 さや に存在 そんざい するリンパ球 だま は非特異 ひとくい 的 てき であり診断 しんだん 的 てき 特異 とくい 性 せい は殆 ほとん どない。HE染色 せんしょく では小型 こがた 単 たん 核 かく 球 だま が非 ひ 壊死 えし 筋 すじ 線維 せんい を取 と り囲 かこ み、内部 ないぶ に侵入 しんにゅう する像 ぞう を認 みと める。
免疫 めんえき 染色 せんしょく ではCD8陽性 ようせい T細胞 さいぼう が筋 すじ 内 ない 鞘 さや を主体 しゅたい としたスペースに浸潤 しんじゅん し、HLA-ABCを発現 はつげん している非 ひ 壊死 えし 筋 すじ 線維 せんい を取 と り囲 かこ み、筋 すじ 線維 せんい 内 ない に侵入 しんにゅう する像 ぞう を認 みと める。これをCD8/MHC class Ⅰ complexという。この所見 しょけん は皮膚 ひふ 筋炎 きんえん では認 みと められず多発 たはつ 筋炎 きんえん に特徴 とくちょう 的 てき な所見 しょけん と考 かんが えられていた[ 10] [ 11] 。筋 すじ 内 ない 鞘 さや 主体 しゅたい にCD68陽性 ようせい マクロファージを認 みと める。電子 でんし 顕微鏡 けんびきょう では非 ひ 壊死 えし 筋 すじ 線維 せんい に単 たん 核 かく 球 だま が接 せっ し、同 どう 部位 ぶい では筋 すじ 線維 せんい の基底 きてい 膜 まく は消失 しょうしつ している。つまり、単 たん 核 かく 球 だま が筋 すじ 線維 せんい の基底 きてい 膜 まく を破壊 はかい して、筋 すじ 線維 せんい の細胞 さいぼう 質 しつ に侵入 しんにゅう していると考 かんが えられている。筋 すじ 線維 せんい の筋 すじ 原 ばら 性 せい 変化 へんか 、HLA-ABCの筋 すじ 細胞 さいぼう 膜 まく への発現 はつげん 亢進 こうしん 所見 しょけん のほか、CD8陽性 ようせい T細胞 さいぼう が非 ひ 壊死 えし 筋 すじ 線維 せんい を取 と り囲 かこ み、筋 すじ 線維 せんい 内 ない に侵入 しんにゅう する像 ぞう を認 みと めることが特徴 とくちょう 的 てき かつ診断 しんだん 的 てき と考 かんが えられている。ヨーロッパ神経 しんけい 筋 すじ センター(European Neuromuscular Centre、ENMC)の診断 しんだん 基準 きじゅん ではCD8陽性 ようせい T細胞 さいぼう が非 ひ 壊死 えし 筋 すじ 線維 せんい を取 と り囲 かこ み、筋 すじ 線維 せんい 内 ない に侵入 しんにゅう する像 ぞう を認 みと めると確実 かくじつ な多発 たはつ 筋炎 きんえん と診断 しんだん される[ 10] 。
多発 たはつ 筋炎 きんえん の病態 びょうたい 機 き 序 じょ としてはCD8陽性 ようせい T細胞 さいぼう が筋 すじ 内 ない 鞘 さや 中心 ちゅうしん に侵入 しんにゅう し、パーフォリン と呼 よ ばれる物質 ぶっしつ を放出 ほうしゅつ しながら筋 すじ 線維 せんい の基底 きてい 膜 まく を破 やぶ って線維 せんい の内部 ないぶ に入 はい り込 こ み、筋 すじ 線維 せんい を障害 しょうがい すると考 かんが えられている[ 12] 。皮膚 ひふ 筋炎 きんえん と異 こと なり多発 たはつ 筋炎 きんえん では筋 すじ 局所 きょくしょ において細胞 さいぼう 性 せい 免疫 めんえき 機 き 序 じょ が存在 そんざい する。臨床 りんしょう 的 てき な多発 たはつ 筋炎 きんえん の多 おお くは病理 びょうり 学 がく 的 まと には壊死 えし 性 せい ミオパチーである。「CD8陽性 ようせい T細胞 さいぼう の筋 すじ 内 ない 鞘 さや および非 ひ 壊死 えし 性 せい 線維 せんい 内部 ないぶ への浸潤 しんじゅん を伴 ともな う」という多発 たはつ 筋炎 きんえん の組織 そしき 学 がく 的 てき な定義 ていぎ を用 もち いると多発 たはつ 筋炎 きんえん と病理 びょうり 学 がく 的 てき に診断 しんだん される例 れい はほとんどなく、そのような所見 しょけん を示 しめ す例 れい の殆 ほとん どが封入 ふうにゅう 体 たい 筋炎 きんえん である[ 2] 。
その他 た の自己 じこ 免疫 めんえき 性 せい 筋炎 きんえん と同様 どうよう に筋 すじ 原 ばら 性 せい 変化 へんか が認 みと められる。小型 こがた 単 たん 核 かく 球 だま が非 ひ 壊死 えし 筋 すじ 線維 せんい を取 と り囲 かこ み、内部 ないぶ に侵入 しんにゅう する像 ぞう を認 みと める。本 ほん 所見 しょけん は後述 こうじゅつ する縁取 へりと り空砲 くうほう と共 とも に、封入 ふうにゅう 体 たい 筋炎 きんえん に診断 しんだん 的 てき な所見 しょけん の一 ひと つである。ゴモリ・トリクローム変 へん 法 ほう (modified Gomori trichrome、mGT)では赤色 あかいろ に染色 せんしょく される顆粒 かりゅう 状 じょう 物質 ぶっしつ で縁 えん 取 と られる縁取 へりと り空砲 くうほう (rimmed vacuole)が認 みと められる。縁取 へりと り空砲 くうほう は変性 へんせい した筋 すじ 線維 せんい に存在 そんざい し、封入 ふうにゅう 体 たい 筋炎 きんえん 症例 しょうれい の全 ぜん 筋繊維 きんせんい の1~6%に認 みと めると報告 ほうこく されている[ 13] 。また、高 こう 頻度 ひんど に赤色 あかいろ ぼろ線維 せんい (ragged red fiber、RRF)が認 みと められる。赤色 あかいろ ぼろ線維 せんい はまだらに赤色 あかいろ に染色 せんしょく される筋 すじ 線維 せんい であり、AcidP染色 せんしょく では空砲 くうほう において高 たか い活性 かっせい を示 しめ す。
免疫 めんえき 染色 せんしょく を行 おこな うと、多発 たはつ 筋炎 きんえん と同様 どうよう にCD8抗体 こうたい 陽性 ようせい T細胞 さいぼう が筋 すじ 内 ない 鞘 さや 主体 しゅたい に浸潤 しんじゅん し、HLA-ABCを発現 はつげん している非 ひ 壊死 えし 筋 すじ 線維 せんい を取 と り囲 かこ み、筋 すじ 線維 せんい 内 ない に侵入 しんにゅう するCD8/MHC class Ⅰ complexが認 みと められる。このことから封入 ふうにゅう 体 たい 筋炎 きんえん は局所 きょくしょ 的 てき に細胞 さいぼう 性 せい 免疫 めんえき 機 き 序 じょ が存在 そんざい することが示唆 しさ される。縁取 へりと り空砲 くうほう の中 なか や周囲 しゅうい の細胞 さいぼう 質 しつ にコンゴーレッド染色 せんしょく で赤 あか く染色 せんしょく されるβ べーた アミロイド (細胞 さいぼう 内 ない のアミロイド沈着 ちんちゃく )が認 みと められる。β べーた アミロイドの他 ほか にLC3やp62などのオートファジー 関連 かんれん 蛋白質 たんぱくしつ やTDP-43 などの異常 いじょう 蓄積 ちくせき 蛋白質 たんぱくしつ の免疫 めんえき 染色 せんしょく で筋 すじ 細胞 さいぼう 質 しつ に顆粒 かりゅう 状 じょう に認 みと められる。筋 すじ 線維 せんい 内 ない にアルツハイマー病 びょう 様 さま 蛋白質 たんぱくしつ や自己 じこ 貪食 どんしょく や小 しょう 胞体ストレスなどの要素 ようそ が存在 そんざい することは封入 ふうにゅう 体 たい 筋炎 きんえん において変性 へんせい 機 き 序 じょ も存在 そんざい することを示唆 しさ する[ 14] 。
電子 でんし 顕微鏡 けんびきょう では筋 すじ 細胞 さいぼう 膜 まく 直下 ちょっか に空砲 くうほう を認 みと め、その内部 ないぶ にはグリコーゲン、膜 まく 様 さま 構造 こうぞう 物 ぶつ 、ミエロイド小体 こてい などが観察 かんさつ される。細胞 さいぼう 質 しつ 内 うち または核 かく 内 ない に直径 ちょっけい 15~20nmのfilamentous inclusionを認 みと める。この封入 ふうにゅう 体 たい は封入 ふうにゅう 体 たい 筋炎 きんえん に特異 とくい 的 てき なものではなく、縁取 へりと り空砲 くうほう をもつ細胞 さいぼう に高 こう 頻度 ひんど に認 みと められる。
2008年 ねん のMRC centre封入 ふうにゅう 体 たい 筋炎 きんえん ワークショップでは筋 すじ 原 ばら 性 せい 変化 へんか とHLA-ABCの筋 すじ 細胞 さいぼう 膜 まく での発現 はつげん 亢進 こうしん に加 くわ え非 ひ 壊死 えし 筋 すじ 線維 せんい への単 たん 核 かく 球 だま の侵入 しんにゅう 像 ぞう 、縁取 へりと り空 そら 胞をもつ筋 すじ 線維 せんい 、細胞 さいぼう 質 しつ 内 ない アミロイド沈着 ちんちゃく または電子 でんし 顕微鏡 けんびきょう でfilamentous inclusionを認 みと めるものを病理 びょうり 所見 しょけん から確実 かくじつ な封入 ふうにゅう 体 たい 筋炎 きんえん と診断 しんだん される[ 15] 。
LC3やp62などのオートファジー関連 かんれん 蛋白質 たんぱくしつ やTDP-43などの異常 いじょう 蓄積 ちくせき 蛋白質 たんぱくしつ の免疫 めんえき 染色 せんしょく のほうがゴモリ・トリクローム変 へん 法 ほう の縁取 へりと り空 そら 胞や赤色 あかいろ ぼろ線維 せんい より感度 かんど がよい[ 16] 。
遺伝 いでん 性 せい ミオパチーは筋 きん ジストロフィー 、先天 せんてん 性 せい ミオパチー 、代謝 たいしゃ 性 せい ミオパチーの3つに分類 ぶんるい される。分子 ぶんし 解析 かいせき が進 すす むにつれ、この古典 こてん 的 てき 分類 ぶんるい は意味 いみ をもたなくなりつつある。
筋 きん ジストロフィー
筋 すじ 線維 せんい の変性 へんせい と再生 さいせい により典型 てんけい 的 てき に特徴 とくちょう づけられる進行 しんこう 性 せい ミオパチーである。筋 すじ 病理 びょうり では筋 きん ジストロフィー においても反応 はんのう 性 せい の細胞 さいぼう 浸潤 しんじゅん がしばしば認 みと められる。特 とく に顔面 がんめん 肩 かた 甲 かぶと 上腕 じょうわん 型 がた 筋 きん ジストロフィー(FSHD)、LMNA遺伝子 いでんし 変異 へんい による筋 きん ジストロフィーやジスフェルリン遺伝子 いでんし 変異 へんい による筋 きん ジストロフィーが有名 ゆうめい である。LMNA遺伝子 いでんし 変異 へんい による筋 きん ジストロフィーはエメリ・ドレフェス型 がた 筋 きん ジストロフィーやLGMD1Bを呈 てい する。またジスフェルリン遺伝子 いでんし 変異 へんい はLGMD2Bを呈 てい する。原則 げんそく としては炎症 えんしょう 性 せい 筋 すじ 疾患 しっかん ではHLA-ABCが筋 すじ 線維 せんい に発現 はつげん するが筋 きん ジストロフィーでは発現 はつげん しないことが多 おお い。
先天 せんてん 性 せい ミオパチー
典型 てんけい 的 てき には超 ちょう 早期 そうき に発症 はっしょう し、非 ひ 進行 しんこう 性 せい または非常 ひじょう に緩徐 かんじょ に進行 しんこう する傾向 けいこう があり、特有 とくゆう の筋 すじ 病理 びょうり 変化 へんか により特異 とくい 的 てき な形態 けいたい 学 がく 的 てき 診断 しんだん ができる。
代謝 たいしゃ 性 せい ミオパチー
主 しゅ としてグリコーゲン、脂質 ししつ 蓄積 ちくせき 、ミトコンドリア病 びょう を含 ふく む。
上位 じょうい ニューロン障害 しょうがい では廃 はい 用 よう 性 せい 萎縮 いしゅく を示 しめ し、非特異 ひとくい 的 てき な2B線維 せんい 萎縮 いしゅく が認 みと められる。下位 かい ニューロン障害 しょうがい では脱 だつ 神経 しんけい による小径 しょうけい 化 か 、神経 しんけい 再 さい 支配 しはい による筋 すじ 線維 せんい タイプ群 ぐん 化 か (fiber type grouping)がおこる。脱 だつ 神経 しんけい によって筋 すじ 線維 せんい は小径 しょうけい 化 か する。小径 しょうけい 化 か した線維 せんい は正常 せいじょう 大 だい の筋 すじ に圧迫 あっぱく され角張 かくば ってみえるため小角 おがく 化 か 線維 せんい (small angular fiber)という。萎縮 いしゅく 線維 せんい は群 ぐん をなす傾向 けいこう があり、小群 おむれ 萎縮 いしゅく (small groups of atrophic fibers)を示 しめ し、進行 しんこう すると筋 すじ 束 たば 全 すべ てが萎縮 いしゅく 筋 すじ となり大群 たいぐん 萎縮 いしゅく (large groups of atrophic fibers)となる。大群 たいぐん 萎縮 いしゅく はウェルドニッヒ・ホフマン病 びょう で必 かなら ず認 みと められる。また神経 しんけい 再 さい 支配 しはい がおこると再 さい 支配 しはい 神経 しんけい にあわせて筋 すじ 線維 せんい のタイプが変化 へんか する。このため通常 つうじょう はタイプ1とタイプ2の線維 せんい がモザイク状 じょう に分布 ぶんぷ するがその分布 ぶんぷ がくずれ、筋 すじ 線維 せんい タイプ群 ぐん 化 か (fiber type grouping)がおこる。筋 すじ 線維 せんい タイプ群 ぐん 化 か は神経 しんけい 再 さい 支配 しはい を示 しめ す重要 じゅうよう な所見 しょけん である。