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すじ病理びょうりがく

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

すじ病理びょうりがく(Muscle pathology)とは骨格こっかくすじ病気びょうきあつか病理びょうりがく分野ぶんやである。

すじせいけん

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適応てきおう

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大半たいはんすじ疾患しっかん病理びょうりがくてき所見しょけんもとづいて分類ぶんるい定義ていぎされているためすじ疾患しっかんうたがわれた場合ばあい原則げんそくとしてすじせいけん適応てきおうとなる。神経しんけいばらせい疾患しっかん神経しんけいすじ接合せつごう疾患しっかん診断しんだんのためにすじせいけんおこなわない。神経しんけいばらせいすじばらせいかの判断はんだん両者りょうしゃ混在こんざいする特殊とくしゅ場合ばあいのぞいてほとんどすじでん十分じゅうぶんである。かつてはすじ萎縮いしゅくせいがわさく硬化こうかしょうでもすじせいけんおこなっていたが2019ねん現在げんざいでは神経しんけいばらせい疾患しっかん診断しんだんのためにすじせいけんおこなわない。しかしすじ疾患しっかんすじ萎縮いしゅくせいがわさく硬化こうかしょう区別くべつ困難こんなん場合ばあいおこなうことがありる。すじせいけんでなければ情報じょうほうられないものは以下いかの4てんである。

あいだしつ変化へんか

炎症えんしょう細胞さいぼう浸潤しんじゅん線維せんい情報じょうほうである。

構造こうぞう変化へんか

すじげん線維せんい変性へんせいやグリコーゲンなどの物質ぶっしつ蓄積ちくせき、ネマリン小体こていなどの特異とくいてき構造こうぞうぶつ存在そんざいなど筋繊維きんせんいそのものの構造こうぞう変化へんか

物質ぶっしつ欠損けっそん

ジストロフィン染色せんしょくなど免疫めんえき組織そしき化学かがくてき手法しゅほう証明しょうめいされる物質ぶっしつ欠損けっそん

遺伝子いでんし解析かいせき

進行しんこうせいがいすじ麻痺まひでは遺伝子いでんし検査けんさすじせいけん材料ざいりょうもちいることがのぞましい。

ぎゃくすじ疾患しっかんであってもすじせいけん積極せっきょくてき適応てきおうとならないものもられている。診断しんだんてき所見しょけんとぼしい疾患しっかんすじせいけん適応てきおうとならない。すじ強直きょうちょくせいジストロフィー顔面がんめんかたかぶと上腕じょうわんがたきんジストロフィーがこれにあたる。また血液けつえきによる遺伝子いでんし検査けんさがスクリーニングに有効ゆうこう疾患しっかんではすじせいけんよりも遺伝子いでんし検査けんさ優先ゆうせんされる。デュシャンヌがたきんジストロフィー、福山ふくやまがたきんジストロフィー、GNEミオパチー、咽頭いんとうがたきんジストロフィー、MELAS、MERRF、LGMD2Aなどがこれに該当がいとうする。

なまけん部位ぶい

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なまけん部位ぶい徒手としゅ筋力きんりょくテスト4レベルのすじなまけんすることがのぞましい。とく筋炎きんえんなど選択せんたくてきすじ障害しょうがいをみとめる疾患しっかんではMRIで所見しょけんのある部位ぶいねらってすじせいけんするべきである。またすじせいけん部位ぶいはアプローチのしやすいさや術後じゅつご歩行ほこうあたえる影響えいきょう考慮こうりょする。成人せいじんなまけんされることがおおすじ上腕じょうわんとうすじ三角さんかくすじ大腿だいたいじきすじ外側そとがわこうすじたん腓骨ひこつすじである。上腕じょうわんとうすじ大腿だいたいじきすじこのまれる。それはタイプ1、2A、2Bのさん種類しゅるいすじ線維せんいがモザイクをなして1/3ずつ存在そんざいすることが確立かくりつしているため、すじ線維せんいのタイプの分布ぶんぷ異常いじょう評価ひょうかできるからである。腓腹筋ひふくきん神経しんけいばらせい変化へんかすじばらせい変化へんか区別くべつ困難こんなんなことがあるためけるべきである。

実際じっさい

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なまけん部位ぶいとしては術後じゅつご歩行ほこう制限せいげん不要ふようであることから上腕じょうわんとうすじこのまれる傾向けいこうがある。しかし近年きんねんはMRIによって炎症えんしょう反応はんのうがある部位ぶい選択せんたくすることがおおい。STIRによるこう信号しんごういきやGd増強ぞうきょう効果こうかがある部位ぶいである。はりすじでん施行しこうした部位ぶい局所きょくしょせい壊死えしせい炎症えんしょう反応はんのうこるため、なまけんしないことが一般いっぱんてきである。

皮膚ひふ切開せっかいまえにその部位ぶいすじ収縮しゅうしゅくするか肉眼にくがん確認かくにんする。切開せっかい部位ぶいあらかじめマーキングし、局所きょくしょ麻酔ますいこう皮膚ひふ切開せっかいする。鉗子をもちいて皮下ひか組織そしきどんてきひらき、すじまく到達とうたつする。血管けっかん切断せつだんするとき結紮けっさつし、かわ神経しんけいはできるだけ温存おんぞんする。すじまくはメスかはさみで切開せっかいし、鉗子ですじまくうら剥離はくりする。すじ線維せんい走行そうこう直角ちょっかくいとをかける。ペアンをもちいてすじたば確保かくほし、はさみで採取さいしゅする。すじまく吸収きゅうしゅういと縫合ほうごうする。真皮しんぴ縫合ほうごう吸収きゅうしゅういとおこなうこともある。これはそうはなれひらきふせぐためにおこなう。ナイロンいともちいて皮膚ひふ縫合ほうごうおこない、消毒しょうどくして終了しゅうりょうする。3にちほどはめんする。

検体けんたい固定こていにはホルマリン固定こてい新鮮しんせん凍結とうけつ固定こてい、グルタールアルデヒド固定こていなどがあるがすじ病理びょうりがくでは特別とくべつ理由りゆうがないかぎりホルマリン固定こていおこなわない。すじ病理びょうりがくでは新鮮しんせん凍結とうけつ固定こていもちいた各種かくしゅ組織そしき化学かがく染色せんしょく発達はったつしている。

すじ正常せいじょう組織そしき

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骨格こっかくすじには持続じぞくてき運動うんどうてきしたおそすじであるタイプ1線維せんい素早すばや運動うんどうてきしたはやすじであるタイプ2線維せんいの2種類しゅるいかれる。タイプ1線維せんいはいわゆるあかすじであり、ミトコンドリアない脂肪酸しぼうさんβべーた酸化さんかによるATP合成ごうせいおもなエネルギーげんとしている。ゆっくりと収縮しゅうしゅくすることから生理学せいりがくてきにはおそすじばれ、姿勢しせい保持ほじはたらこう重力じゅうりょくすじおもにタイプ1線維せんいである。一方いっぽう、タイプ2Aおよび2B線維せんいはいわゆるしろすじでありかいとうけいによるグリコーゲン分解ぶんかいおもなエネルギーげんとしている。はや収縮しゅうしゅくをすることから生理学せいりがくてきにははやすじばれる。タイプ2C線維せんい未熟みじゅく線維せんいである。ミオシンATPase染色せんしょく区別くべつされる。成人せいじん骨格こっかくすじとくなまけんをよくされる上腕じょうわんとうすじ大腿だいたいじきすじでは1、2A、2Bがモザイクじょう分布ぶんぷ各々おのおの1/3ずつとなる。2Cはタイプ1とタイプ2のなかあいだてき性質せいしつをもつ。2C線維せんい乳幼児にゅうようじでは正常せいじょうすじでもみとめられるが4〜5さいになるとほとんみとめられない。成人せいじんでは1%未満みまんである。すじ線維せんいタイプは脊髄せきずいぜんかく細胞さいぼう決定けっていしている。タイプ1線維せんい支配しはいする神経しんけい切断せつだんし、タイプ2線維せんい支配しはいする神経しんけいによるさい支配しはいがおこるとそのすじはタイプ2線維せんいとなる。胎生たいせいすじ線維せんい形成けいせいされる過程かていすじ細胞さいぼう融合ゆうごうしてできるすじかん細胞さいぼうはすべてタイプ2C線維せんいであり、神経しんけい支配しはいけてはじめてすじ線維せんいタイプが決定けっていする。したがって標本ひょうほんないにタイプ2C線維せんいみとめた場合ばあい神経しんけい支配しはいけていない未熟みじゅくすじ線維せんい可能かのうせいかんがえる。具体ぐたいてきにはすじ分化ぶんか遅延ちえん再生さいせい線維せんいすじ再生さいせい発生はっせい過程かていかえすため)、だつ神経しんけいのいずれかである。すじ分化ぶんか遅延ちえん先天せんてんせいミオパチー、先天せんてんせいすじ強直きょうちょくせいジストロフィーなどが該当がいとうする。これらの疾患しっかんでは出生しゅっしょう多数たすうのタイプ2C線維せんいみとめる。また再生さいせいすじも2C線維せんいとなるため、きんジストロフィーや多発たはつせい筋炎きんえんなどでは長期ちょうきにわたって2C線維せんいみとめられる。また神経しんけいばらせい疾患しっかんだつ神経しんけいきたとき神経しんけいさい支配しはいすじ線維せんいのタイプが変化へんかするときに2C線維せんい経由けいゆして変化へんかする。

項目こうもく あかすじ(タイプ1) しろすじ(タイプ2)
収縮しゅうしゅく時間じかん おそ はや
神経しんけい伝導でんどう速度そくど おそ はや
酸化さんか酵素こうそ活性かっせい たか ひく
ミオグロビン おお すくない
かいとうけい酵素こうそ活性かっせい ひく たか
グリコーゲン すくない おお
脂質ししつ おお すくない
ミトコンドリアすう おお すくない
Zおびはば ひろ せま

すじ組織そしき発生はっせい

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すじ細胞さいぼう融合ゆうごうすじかん細胞さいぼう形成けいせいする。一部いちぶすじ細胞さいぼう衛星えいせい細胞さいぼうとなる。すじかん細胞さいぼうないでタイプ2C線維せんいつくられる、神経しんけい支配しはいけてかく周辺しゅうへん移動いどう基底きていまく形成けいせいがおこる。そのタイプ1、2A、2B線維せんい分化ぶんかこる。せいは5〜10%が2C線維せんいである。

すじ細胞さいぼう壊死えし再生さいせい

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すじ線維せんいがどのように壊死えしおちいるかは2010ねん現在げんざい詳細しょうさい不明ふめいである。なんらかの原因げんいん細胞さいぼうまくこわれ、細胞さいぼうがいえき細胞さいぼうない流入りゅうにゅうすることですじ線維せんい崩壊ほうかいするとかんがえられている。細胞さいぼうがいえき細胞さいぼうない流入りゅうにゅうすると蛋白たんぱく分解ぶんかい酵素こうそ活性かっせいされ、すじ線維せんいないすじげん線維せんい消化しょうかされ壊死えしいたる。すじ線維せんいなが細胞さいぼうのためすじ線維せんい全部ぜんぶ壊死えしすることはなく、通常つうじょう線維せんい一部いちぶであるsegmentalな壊死えしとなる。すじげん線維せんい消化しょうかされた壊死えし初期しょきすじ線維せんい染色せんしょくせい低下ていか(HE染色せんしょくやゴモリ・トリクロームへんほうあわまる)がみとめられる。12あいだほど経過けいかするとたんかくだま多核たかくだまといった炎症えんしょう細胞さいぼう壊死えし線維せんい周囲しゅういみとめられるようになる。24あいだ壊死えし線維せんいない貪食どんしょく細胞さいぼうみとめられ、48あいだ壊死えし線維せんいたんかく細胞さいぼううずもれてしまう。貪食どんしょく細胞さいぼうはライソゾーム酵素こうそおおつためさんホスファターゼ染色せんしょく赤染あかぞめする。すじ線維せんいない壊死えしした部分ぶぶん清掃せいそうされたのち障害しょうがいから3〜4にちすじ線維せんいこう塩基えんきせい(HE染色せんしょくむらさき)の胞体をもつ多核たかく細胞さいぼうとしてみとめられる。この細胞さいぼうすじ細胞さいぼうのようにはたらすじ再生さいせいおこなう。すじ線維せんい再生さいせいする状態じょうたいすじ組織そしき発生はっせい非常ひじょうによくている。ことなるてん基底きていまくのこっているため基底きていまくないおこること、また神経しんけい支配しはいであることがおおいことである。すじ細胞さいぼう役割やくわりをするのは衛星えいせい細胞さいぼうである。衛星えいせい細胞さいぼうすじ障害しょうがいこったらすみやかに活性かっせいされ、すじ線維せんい変性へんせい同時どうじ分裂ぶんれつする。壊死えしこした5〜7にち大型おおがたかくと、こう塩基えんきせいの胞体、明瞭めいりょうかく小体こていをもつ再生さいせい線維せんいみとめられる。すじ線維せんい再生さいせい神経しんけいくらべると非常ひじょうはやく、実験じっけんてき壊死えしさせると2週間しゅうかんには壊死えしすじやく半数はんすう、1カ月かげつにはほぼすべてが再生さいせいすじわる。再生さいせいすじは2Cすじでありおよそ3週間しゅうかんしろすじ、4週間しゅうかんあかすじ分化ぶんかする。ただし、これは実験じっけんでのはなしであり実際じっさいには2Cはんおうが2〜3カ月かげつつづくとされており、人体じんたいないでの再生さいせいはもうすこおそいとかんがえられている。すじ再生さいせいときすじ発生はっせい同様どうようすじ分化ぶんか誘導ゆうどう遺伝子いでんし(myogenin)が発現はつげんする。

すじ病理びょうり代表だいひょうてき染色せんしょくほう

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HE染色せんしょく

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皮膚ひふ筋炎きんえんすじ組織そしきのHE染色せんしょく

HE染色せんしょく(ヘマトキシリン・エオジン染色せんしょく)はおも基本きほんてき構造こうぞう変化へんかをみるための染色せんしょくである。すじ病理びょうりがくのHE染色せんしょくられる情報じょうほうは、全体ぜんたい構築こうちく変化へんかすじ線維せんい大小だいしょう不同ふどうすじ線維せんい壊死えし再生さいせいかく変化へんか細胞さいぼう浸潤しんじゅんうちさや線維せんい、その構造こうぞう変化へんか変化へんかの7つである。

正常せいじょうすじ線維せんい横断おうだんめんでみると多角たかくがたすじかく周辺しゅうへん存在そんざいする。成人せいじん場合ばあいすじ線維せんいみちは60~80μみゅーmである。通常つうじょう、100μみゅーmをえると肥大ひだい線維せんい判定はんていされる。すじ線維せんい大小だいしょう不同ふどうもっと基本きほんてき病理びょうり情報じょうほうのひとつである。すじ線維せんい直径ちょっけい測定そくていし、最小さいしょうみちから最大さいだいみちまでの分布ぶんぷ平均へいきん記載きさいする。原則げんそくとして障害しょうがい程度ていどつよければすじ線維せんい大小だいしょう不同ふどういちじるしくなる。ただし先天せんてんせい疾患しっかんではすじ線維せんいすべ小径しょうけいであったり、すじ線維せんいみち小径しょうけい線維せんいだいみち線維せんいみねせい分布ぶんぷしたりすることもある。また進行しんこうには肥大ひだい線維せんいのみがみとめられることもある。すじ線維せんい大小だいしょう不同ふどう規則きそくせいがなく、広範こうはんであればすじばらせい疾患しっかんであることがおおく、小角おがく線維せんいがあって、ぐん委縮いしゅく所見しょけんがあれば神経しんけいせい疾患しっかんであることがおおい。

すじ線維せんいすうじゅうほん単位たんいでまとまって存在そんざいしており、このまとまりをすじたば(muscle fascicle)という。すじたばすじつかあいだしつしゅうさや(perimysium)という。すじたばないすじたばすじたばとのあいだあいだしつうちさや(endomysium)という。しゅうさやには正常せいじょうでも線維せんいなどみとめられる一方いっぽうで、通常つうじょううちさやには繊維せんい組織そしき細胞さいぼう浸潤しんじゅんみとめられない。そのためないさや線維せんい組織そしきみとめられる場合ばあい病的びょうてき所見しょけんでありうちさや線維せんい(endomysial fibrosis)とよぶ。

皮膚ひふ筋炎きんえんではしばしば萎縮いしゅく線維せんいすじたば周辺しゅうへんにまとまって存在そんざいしているのが観察かんさつされる。これをすじたば周辺しゅうへん委縮いしゅく(perifascicular atrophy)とよび、診断しんだんてき価値かちがある。

ウェルドニッヒ・ホフマンびょうともばれる脊髄せきずいせいすじ萎縮いしゅくしょうがた(SMA1)など先天せんてんせい神経しんけいばらせい疾患しっかんではしばしばすじたばごとすべてのすじ線維せんい萎縮いしゅくしておりだい群集ぐんしゅう萎縮いしゅく(large group atrophy)とばれる。この疾患しっかんみとめられる萎縮いしゅく線維せんいまるみをびているのが特徴とくちょうである。一方いっぽうすじ萎縮いしゅくせいがわさく硬化こうかしょうなどの後天こうてんせい神経しんけいばらせい疾患しっかんでは萎縮いしゅく線維せんいかくばっており、しばしば小角おがく線維せんいとよばれる。ただし、これらの小角おがく線維せんい神経しんけいばらせい疾患しっかんにおいてだつ神経しんけいすじ線維せんい反映はんえいしているものとかんがえられるが、小角おがくする原因げんいん様々さまざまであり、小角おがく線維せんいがすなわち神経しんけいばらせい変化へんか意味いみするわけではない。神経しんけいさい支配しはいけたのち、さらにだつ神経しんけいこると、その末梢まっしょう支配しはい領域りょういきすじ線維せんいすうほんからすうじゅうほん単位たんいでまとまって小角おがくする。これをしょう群集ぐんしゅう萎縮いしゅく(small group atrophy)という。程度ていどいちじるしくすじたば全体ぜんたい萎縮いしゅくした場合ばあいさきべただい群集ぐんしゅう萎縮いしゅく(large group atrophy)となる。しょう群集ぐんしゅう萎縮いしゅくだい群集ぐんしゅう萎縮いしゅくもいずれもだつ神経しんけい反映はんえいする重要じゅうよう所見しょけんである。 すじ線維せんい壊死えし再生さいせい変化へんかきんジストロフィーにおいてもっと重要じゅうよう所見しょけんである。すじ線維せんい壊死えしするとすじ線維せんい細胞さいぼうしつ溶解ようかいしてうすいピンク色ぴんくいろになり内部ないぶにマクロファージが侵入しんにゅうする。これと平行へいこうして、すじ衛星えいせい細胞さいぼうから分裂ぶんれつしたすじ細胞さいぼう壊死えし線維せんいない分化ぶんかしてさら融合ゆうごうし、すじ線維せんい再生さいせいする。再生さいせい繊維せんいさかんにタンパク質たんぱくしつ合成ごうせいしているために、かくおおきく、かく小体こてい目立めだつ。さらには、かく細胞さいぼうしつタンパク質たんぱくしつ合成ごうせい装置そうちであるリボソームが充満じゅうまんしているためにこう塩基えんきせいあおみがかって染色せんしょくされる。再生さいせい線維せんいではすじかくすじ線維せんい内部ないぶにあり内在ないざいかくという。再生さいせい完了かんりょうするころにはすじ線維せんい周辺しゅうへんすじかく移動いどうする。

きんジストロフィーは壊死えし再生さいせいかえ疾患しっかんであるため、ひとつの切片せっぺんない壊死えしから再生さいせい完了かんりょうまで様々さまざまなフェーズが観察かんさつされる。一方いっぽうで、発作ほっさせいミオグロビン尿にょうしょうなどにより一時期いちじき一斉いっせい壊死えしこしたすじでは、すじせいけん時期じきおうじて壊死えしまたは再生さいせい一定いっていのフェーズのぞうしか観察かんさつされないことがおおい。またデュシェンヌがたなどすじさやまく脆弱ぜいじゃくせい病態びょうたいとするきんジストロフィーでは、すうほん単位たんい壊死えし再生さいせい線維せんいがまとまって存在そんざいすることがおおい。

内在ないざいかく再生さいせい線維せんいみとめられるが再生さいせい線維せんい以外いがいでもすじかく内在ないざいする場合ばあいがある。代表だいひょうれい先天せんてんせいミオパチー中心ちゅうしんかくミオパチーである。中心ちゅうしんかくミオパチーでは大半たいはんすじ線維せんいすじ線維せんい中心ちゅうしんすじかく存在そんざいしている。したがって内在ないざいかくといわず中心ちゅうしんかく表現ひょうげんされる。またすじ強直きょうちょくせいジストロフィーではしばしば多数たすう内在ないざいかくみとめる。かくかず正常せいじょうではすじ線維せんいないに0〜3である。5以上いじょう場合ばあい異常いじょうでありすじ強直きょうちょくせいジストロフィーなどの可能かのうせいがある。また中心ちゅうしんかくみとめられる(中心ちゅうしんかく場合ばあいきんジストロフィーすじ強直きょうちょくせいジストロフィーなどでみとめられる。

炎症えんしょう細胞さいぼう浸潤しんじゅん炎症えんしょうせいすじ疾患しっかんにおいて重要じゅうよう所見しょけんである。しゅうさやない血管けっかん周囲しゅういのリンパだま浸潤しんじゅん壊死えし線維せんいかこむようなリンパだま浸潤しんじゅん軽度けいどのものは非特異ひとくいてきみとめられるものである。多発たはつ筋炎きんえん封入ふうにゅうたいミオパチーではうちさやへのリンパだま浸潤しんじゅん特徴とくちょうてきで、壊死えしせい線維せんいかこむように存在そんざいし、ときすじ線維せんい内部ないぶにも侵入しんにゅうしているのが確認かくにんされる。これらのリンパだまはCD8陽性ようせい細胞さいぼう傷害しょうがいせいT細胞さいぼうである。サルコイドミオパチーではしゅうさやうちさやるい上皮じょうひ細胞さいぼうとラングハンスきょ細胞さいぼうからなる乾酪かんらくせい肉芽にくがしゅをみとめる。周辺しゅうへんにはリンパだまともなう。

ときすじ線維せんいない空砲くうほうみとめられることがある。ポンペびょうでは内部ないぶこう塩基えんきせい不定ふていがた物質ぶっしつをふくんだ比較的ひかくてきおおきな空砲くうほうみとめられる。この空砲くうほうはグリコーゲンや細胞さいぼうしつ分解ぶんかい産物さんぶつ蓄積ちくせきした自己じこ貪食どんしょくそら胞であり、さんフォスファターゼ染色せんしょくしみする。脂質ししつ蓄積ちくせきせいミオパチーでは、脂肪しぼうしずく増加ぞうか反映はんえいしてすじ線維せんいない小空こそら胞をみる。とうばらびょうのうちだっぶんえだくさり酵素こうそ欠損けっそんしょうなどではすじさやまく直下ちょっか中心ちゅうしん比較的ひかくてき大型おおがたそら胞がみられる。内部ないぶにはグリコーゲンが蓄積ちくせきしている。また炎症えんしょうせいすじ疾患しっかんではしばしば血管けっかんかべ肥厚ひこうしている。結節けっせつせい動脈どうみゃく周囲しゅういえんでは血管けっかんかべのフィブリノイド壊死えしがみられる。

すじ線維せんいないそら胞としてはアーチファクトがおおいがタイプ1線維せんい数多かずおおみとめられる場合ばあい脂質ししつ代謝たいしゃ異常いじょう可能かのうせいもある。アーチファクトの場合ばあい冷却れいきゃく不十分ふじゅうぶんになる中心ちゅうしん集中しゅうちゅうし、すじ選択せんたくせいがない場合ばあいおおい。

ゴモリ・トリクロームへんほう

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MELASすじ組織そしきのゴモリ・トリクローム染色せんしょく

ゴモリ・トリクロームへんほう(modified Gomori trichrome、mGT)は基本きほんてき特殊とくしゅ構造こうぞうぶつすための染色せんしょく方法ほうほうである。細胞さいぼうないしょう器官きかんミトコンドリアライソゾーム赤染あかぞめされるのが特徴とくちょうである。mGTで染色せんしょくされる構造こうぞうぶつは8られている。あかあか紫色むらさきいろ染色せんしょくされるものとしてはネマリン小体こてい細胞さいぼうしつ小体こてい(cytoplasmic body)、tubular aggregates、縁取へりとそら胞(rimmed vacuole)、赤色あかいろぼろ線維せんい(ragged red fiber)、末梢まっしょう神経しんけいずいさやの6つがられている。また緑色みどりいろ染色せんしょくされる構造こうぞうぶつとしてはspheroid bodyと線維せんい組織そしきの2つがられている。またすじ線維せんいあお緑色みどりいろに、結合けつごう組織そしき緑色みどりいろに、ゆうずい線維せんい赤色あかいろまる。

ネマリン小体こてい

ネマリン小体こていネマリンミオパチー観察かんさつされる。電子でんし顕微鏡けんびきょうではZせん同様どうよう電子でんし密度みつどならびに構造こうぞうしめす。ネマリンミオパチーは通常つうじょう先天せんてんせいミオパチー分類ぶんるいされる遺伝いでんせい疾患しっかんであるが成人せいじん発症はっしょうネマリンミオパチーとばれる一群いちぐんは、免疫めんえき異常いじょうなどを背景はいけいとしててきにネマリン小体こてい形成けいせいする疾患しっかんかんがえられており区別くべつする必要ひつようがある。

細胞さいぼうしつ小体こてい(cytoplasmic body)

細胞さいぼうしつ小体こていデスミンやミオチリンなどZせんやその周辺しゅうへん構造こうぞう蛋白質たんぱくしつ中心ちゅうしんとした蛋白質たんぱくしつ凝集ぎょうしゅうたいであり、すじげん線維せんいせいミオパチー(myofibrillar myopathy)で特徴とくちょうてきみとめられる。ただし、すじげん線維せんいせいミオパチー以外いがいでもみとめられることがあるので注意ちゅうい必要ひつようである。すじげん線維せんいせいミオパチーはポンペびょうやネマリンミオパチーとともに早期そうきから呼吸こきゅうすじ筋力きんりょく低下ていか特徴とくちょうである。細胞さいぼうしつ小体こていはNADH-TR染色せんしょくではけてみえる。

tubular aggregates

tubular aggregatesは電子でんし顕微鏡けんびきょうてきにはすじしょう胞体由来ゆらいかんがえられる管状かんじょう構造こうぞう規則正きそくただしくあつまった構造こうぞうぶつである。mGTで赤染あかぞめし、NADH-TR染色せんしょくしみする。タイプ2B線維せんいにのみ出現しゅつげんする。周期しゅうきせい四肢しし麻痺まひられることがおおいが、tubular aggregatesの出現しゅつげん特徴とくちょうとするまれ進行しんこうせい家族かぞくせいミオパチーもられている。

縁取へりとそら胞(rimmed vacuole)

mGTでは、細胞さいぼうないしょう器官きかんミトコンドリアライソゾーム赤染あかぞめする。そのため、自己じこ貪食どんしょくそら胞のしゅうかたまりである縁取へりとそら胞のえん部分ぶぶんあかあか紫色むらさきいろ染色せんしょくされる。えん部分ぶぶんこまかなあかむらさき顆粒かりゅう構成こうせいされており、電子でんし顕微鏡けんびきょう観察かんさつすると、この顆粒かりゅう1個いっこ自己じこ貪食どんしょくそらないしその類縁るいえん構造こうぞうぶつであるミエリンさま小体こてい(myeloid body)1個いっこ反映はんえいしている。HE染色せんしょくでは紫色むらさきいろまる。縁取へりとそら胞の空隙くうげき多数たすう自己じこ貪食どんしょくそら胞が標本ひょうほん作成さくせい段階だんかいスライドグラスからがれてしまうためにできた人工じんこう産物さんぶつであり電子でんし顕微鏡けんびきょうではこのような空隙くうげきみとめられない。縁取へりとそら胞は様々さまざますじ疾患しっかん観察かんさつされるが、とく封入ふうにゅうたい筋炎きんえん咽頭いんとうきんジストロフィー、おおくのとおくらいがたミオパチーなどで診断しんだんてき所見しょけんとなっている。

赤色あかいろぼろ線維せんい(ragged red fiber、RRF)

赤色あかいろぼろ線維せんいすじ線維せんいないのミトコンドリア増加ぞうか反映はんえいして、すじ線維せんい全体ぜんたい赤色あかいろ染色せんしょくされたものである。mGTでもちいられている色素しきそ特性とくせいから、赤色あかいろつよ部分ぶぶんはひびれてくる。そのため赤色あかいろぼろ線維せんいという名称めいしょうになった。ミトコンドリアはとくすじ線維せんい周辺しゅうへん増加ぞうかするため、比較的ひかくてき早期そうき赤色あかいろぼろ線維せんいではすじさやまく直下ちょっか赤色あかいろ顆粒かりゅう増加ぞうかしたようにみえる。赤色あかいろぼろ線維せんいミトコンドリアびょう診断しんだんてき所見しょけんであるがよわい変化へんかでもしょうじる。高齢こうれいしゃでは正常せいじょうでもみとめられることがある。

末梢まっしょう神経しんけいずいさや

mGTでは末梢まっしょう神経しんけいずいさやあかめるのですじない神経しんけいたばないゆうずい線維せんい評価ひょうか有用ゆうようである。ただ光学こうがく顕微鏡けんびきょうレベルではゆうずい神経しんけいたもたれているのか脱落だつらくしているかの評価ひょうかはできるが、じくさく変性へんせいだつずいかの判断はんだんはできない。

spheroid body

すじげん線維せんいせいミオパチーではmGTで緑色みどりいろ染色せんしょくされる封入ふうにゅうたいすじ線維せんいみとめられる。これは蛋白質たんぱくしつ凝集ぎょうしゅうたいでありspheroid bodyとよばれる。

線維せんい組織そしき

mGTでは線維せんい組織そしき緑色みどりいろ染色せんしょくされる。

NADHテトラゾリウム還元かんげん酵素こうそ

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NADH-テトラゾリウム還元かんげん酵素こうそ(NADH-tetrazolium reductase、NADH-TR)はNADH存在そんざいでnitro blue tetrazolium(NBT)を還元かんげんして青色あおいろ発光はっこうさせる酵素こうそ組織そしき化学かがく染色せんしょくである。NADH酵素こうそとする各種かくしゅ脱水だっすいもと酵素こうそ活性かっせい反映はんえいする。すじ線維せんいないでは、すじしょう胞体、ミトコンドリア、ライソゾームがおも染色せんしょくされる。ミトコンドリアはタイプ1線維せんいおおいことからタイプ1線維せんいはタイプ2線維せんいよりもしみする。したがってミオシンATPase標本ひょうほんがない場合ばあいには簡易かんいすじ線維せんいタイプ分別ふんべつをNADH-TRでおこなうことがある。すじしょう胞体はすじ線維せんい周囲しゅうい一本いっぽん一本いっぽんいて分布ぶんぷしているため、NADH-TR染色せんしょくではすじ線維せんいうちすじげん線維せんいすじげん線維せんい間隙かんげきむす網状もうじょう構造こうぞうされる。これをすじげん線維せんいあいだもう(intermyofibrillar network)という。すじげん線維せんいもう配列はいれつみだれをみることにより間接かんせつてきすじげん線維せんい配列はいれつみだれを評価ひょうかすることができる。そのためNADH-TRはおもすじげん線維せんい配列はいれつみだれを評価ひょうかするのにもちいられる。すじげん線維せんいもう異常いじょうとして代表だいひょうてきなものぶん線維せんい(lobulated fiber)、虫食むしく線維せんい(moth-eaten fiber)、コア(core)、マルチミニコア(multiminicore)、target/targetoid線維せんい、peripheral haloなどがある。神経しんけい線維せんいのタイプ分別ふんべつほか神経しんけい線維せんいあいだもう異常いじょう検出けんしゅつすぐれて方法ほうほうであり、セントラルコアびょう診断しんだん有用ゆうようである。

ぶん線維せんい

ぶん線維せんい(lobulated fiber)はカルパイン3遺伝子いでんし変異へんい原因げんいんとするたいがたきんジストロフィー2Aがた進行しんこう典型てんけいてきみとめられる。ただし、たいがたきんジストロフィーやベッカーがたきんジストロフィーなどでもみとめられることがあるので、注意ちゅうい必要ひつようである。

虫食むしく線維せんい

虫食むしく線維せんい(moth-eaten fiber)は内分泌ないぶんぴつ異常いじょう中毒ちゅうどくせいミオパチーなどをふく幅広はばひろすじばらせい疾患しっかん出現しゅつげんする。また筋炎きんえんはた炎症えんしょうでもしばしばみとめられる。疾患しっかん特異とくいせいひく所見しょけんである。

コア

コア(core)は典型てんけいてきにはセントラルコアびょうみとめられる。コア部分ぶぶんミトコンドリアすじしょう胞体いているため染色せんしょくされないがすじげん線維せんい自体じたい存在そんざいする。ただしZせんみだれている。

マルチミニコア

マルチミニコア(multiminicore)はマルチミニコアびょうみとめられる。しばしば虫食むしく線維せんいとの鑑別かんべつむずかしいことがある。

target/targetoid線維せんい

target/targetoid構造こうぞうはコアとているものの、縦断じゅうだんめんでみた場合ばあい、コアが典型てんけいてきにはすじ線維せんい全長ぜんちょうにわたりみとめられるのにたいして、target/targetoid構造こうぞうながさは様々さまざま全長ぜんちょうにわたることはない。しかし本質ほんしつてきにはおな構造こうぞう変化へんかというかんがえもある。中心ちゅうしんにはしばしばspheroid bodyをみとめる。基本きほんてき疾患しっかん特異とくいせいはないが、多数たすうみとめられる場合ばあい神経しんけいばらせい変化へんか反映はんえいしていることがおおい。

peripheral halo

X連鎖れんさせいミオチュブラーミオパチーでは、ほぼすべてのすじ線維せんい小径しょうけいまるびている。NADH-TRではすじ線維せんい中心ちゅうしん染色せんしょくせい増加ぞうかする一方いっぽう周辺しゅうへんけてみえる。これをperipheral haloとよぶ。先天せんてんせいすじ強直きょうちょくせいジストロフィー一部いちぶでも同様どうよう所見しょけんていすることがある。

ミオシンATPase

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ミオシンATPaseはすじ線維せんいのタイプ分別ふんべつのための染色せんしょくである。かくすじ線維せんいタイプのミオシンATPaseが活性かっせいをもつためのいたりてきpHがことなることを利用りようして、一定いっていのpHぜん処置しょちをしてから活性かっせい染色せんしょくおこなうことでかくすじ線維せんいタイプをける。成人せいじん骨格こっかくすじとくなまけんをよくされる上腕じょうわんとうすじ大腿だいたいじきすじでは1、2A、2Bがモザイクじょう分布ぶんぷ各々おのおの1/3ずつとなる。病的びょうてきすじではこれにくわえて未熟みじゅくせい反映はんえいしたタイプ2C線維せんい出現しゅつげんする。アルカリがわpH(pH 10.6付近ふきん)のぜん処置しょちではタイプ1線維せんいのミオシンATPase活性かっせいうしなわれ、タイプ2線維せんいのみが染色せんしょくされる。一方いっぽう酸性さんせいがわ(pH 4.2付近ふきん)ではぎゃくにタイプ1線維せんいのみが染色せんしょくされる。pH 4.2付近ふきんよりすこげると、pH 4.6付近ふきんでタイプ2B線維せんいのみ中間色ちゅうかんしょく染色せんしょくされるようになる。タイプ2C線維せんいは、どのpHでぜん処置しょちしても活性かっせいのこる。このような染色せんしょくせいをみることで、かくすじ線維せんいタイプを分別ふんべつすることができる。

すじ線維せんいタイプ 1 2A 2B 2C
ATPase(ルーチン) あわしみ しみ しみ しみ中間ちゅうかん
ATPase(pH4.6) しみ あわしみ しみ中間ちゅうかん しみ
ATPase(pH4.2) しみ あわしみ あわしみ しみ中間ちゅうかん
NADH-TR(SDH) あわしみ しみ しみ 中間ちゅうかん
PAS あわしみ しみ しみ 中間ちゅうかん
ホスファターゼ あわしみ しみ しみ 中間ちゅうかん

あるすじ線維せんいタイプが55%をえるとき、あるすじ線維せんいタイプが欠損けっそんしているとき、あるすじ線維せんいタイプがほそとき、2C線維せんいおお存在そんざいする場合ばあい異常いじょうである。タイプ1線維せんい選択せんたくてき萎縮いしゅくがみられる場合ばあいは、ほぼ間違まちがえなくすじばらせい疾患しっかんである。とくにネマリンミオパチーなど先天せんてんせいミオパチーではだい部分ぶぶんれいでタイプ1線維せんい萎縮いしゅくみとめる。うしろ説明せつめいするすじ線維せんいタイプぐんではなく、すなわち神経しんけいばらせい疾患しっかんみとめられずタイプ1線維せんいが55%以上いじょうめる場合ばあいはタイプ1線維せんい優位ゆういぶが、先天せんてんせいミオパチーではタイプ1線維せんい萎縮いしゅくくわえて、しばしばタイプ1線維せんい優位ゆういとタイプ2B線維せんい欠損けっそんともなっている。セントラルコアびょう、ネマリンミオパチー、ミオチュブラーミオパチーなどが代表だいひょう疾患しっかんである。先天せんてんせいミオパチーのうち、タイプ1線維せんい萎縮いしゅくみとめるもののネマリン小体こてい中心ちゅうしんかくなどのほか先天せんてんせいミオパチーの疾患しっかん特徴とくちょうてき所見しょけん場合ばあい先天せんてんせいすじ線維せんいタイプ均等きんとうしょうばれる。タイプ1線維せんい萎縮いしゅく先天せんてんせいミオパチー以外いがいにもすじ強直きょうちょくせいジストロフィーやベッカーがたきんジストロフィーなど幅広はばひろすじばらせい疾患しっかんみとめられる。タイプ1と2線維せんいみちが12%以上いじょうがある場合ばあい異常いじょうである。タイプ1線維せんいほそいのはすじ強直きょうちょくせいジストロフィー(先天せんてんがた成人せいじんがた)、不動ふどうせい委縮いしゅく強直きょうちょくせい脊椎せきつい症候群しょうこうぐん微小びしょう重力じゅうりょく状態じょうたいなどでもみとめられる。一方いっぽう、タイプ2線維せんい萎縮いしゅくとくにタイプ2B線維せんい萎縮いしゅく)は疾患しっかん特異とくいせいひくく、はいようせい萎縮いしゅくてい栄養えいよう中枢ちゅうすう神経しんけい障害しょうがい脳性のうせい麻痺まひ脳卒中のうそっちゅう変性へんせい疾患しっかん)、ステロイドミオパチー、てい栄養えいよう老人ろうじんにかわばらびょうなどでみとめられる。

だつ神経しんけいこると神経しんけい連絡れんらくたもたれているじくさくからsproutingがこり、だつ神経しんけいすじ神経しんけいさい支配しはいける。このさい神経しんけいさい支配しはいける。このさい神経しんけいさい支配しはいけたすじ線維せんいのタイプはさい支配しはいおこなった脊髄せきずいぜんかく細胞さいぼうによって規定きていされる。本来ほんらい正常せいじょうすじでは、ことなるぜんかく細胞さいぼうによって神経しんけい支配しはいけたタイプのことなるすじ線維せんいがモザイクじょうはいじって分布ぶんぷしている。ところが、神経しんけいさい支配しはいがおこると、近接きんせつする線維せんい同一どういつぜんかく細胞さいぼうによって支配しはいされるようになり、モザイクパターンがくずれて同一どういつすじ線維せんいタイプがまとまって存在そんざいするようになる。これをすじ線維せんいタイプぐん(fiber type grouping)という。すじ線維せんいタイプぐん神経しんけいばらせい疾患しっかん証拠しょうこになる。ぐん傾向けいこうつよときなまけんすじないすべてが特定とくてい線維せんいパターンになるときもある。

免疫めんえき染色せんしょく

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ジストロフィン染色せんしょく表面ひょうめんマーカー染色せんしょくおこなうことがある。炎症えんしょうせいすじ疾患しっかんでもENMCの診断しんだん基準きじゅん[1]てはめる場合ばあい必要ひつようである。

すじ線維せんい病理びょうりがくてき変化へんか

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すじ線維せんい大小だいしょう不同ふどう

ちいさい線維せんいおおきい線維せんい多数たすう存在そんざいする場合ばあいすじ線維せんい大小だいしょう不同ふどうという。すじ線維せんい大小だいしょう不同ふどう規則きそくせいがなく、広範こうはんであればすじばらせい疾患しっかんであることがおおい。

小角おがく線維せんい

多角たかくがたうしな正常せいじょうよりもちいさく三角形さんかっけいになったすじ線維せんい小角おがく線維せんいという。これは通常つうじょうでは存在そんざいしない。線維せんいがあって、ぐん委縮いしゅく所見しょけんがあれば神経しんけいせい疾患しっかんであることがおおい。

しみ線維せんい

ちいさな多角たかくせい線維せんい背景はいけいにして、はっきりとした円形えんけいをし、クロマチンにとむ特徴とくちょうをもつ。きんジストロフィーでこう頻度ひんどみとめられる。

肥大ひだい

すじ線維せんいおおきくなりそれによりしばしば多角たかくがたうしなう。肥大ひだい線維せんい代償だいしょうせい変化へんかであり、しばしば中心ちゅうしんかくやスプリッティングをともなう。

萎縮いしゅく

萎縮いしゅく線維せんいすじ疾患しっかんではまるみをびて、神経しんけいばらせい変化へんかではかくばっている。萎縮いしゅく最終さいしゅう段階だんかいではかくぶくろとなりすじげん線維せんい基質きしつおおきく退しりぞけたすじ細胞さいぼうないかく凝集ぎょうしゅうみとめられる。この段階だんかいでは神経しんけいばらせいすじばらせい区別くべつはない。萎縮いしゅく線維せんい確認かくにんする場合ばあいはその分布ぶんぷ重要じゅうようである。不規則ふきそくか、どのような集団しゅうだんをなしているかである。繊維せんいたば萎縮いしゅく群集ぐんしゅう萎縮いしゅくだつ神経しんけい特徴とくちょうであり萎縮いしゅく線維せんいすじたば一部いちぶをなしてしゅうむらがする。すじたば周辺しゅうへん萎縮いしゅく萎縮いしゅく線維せんいすじたばはしにならび、萎縮いしゅく程度ていどえんちかいほどつよい。すじたば周辺しゅうへん萎縮いしゅく皮膚ひふ筋炎きんえんみとめられる。不規則ふきそく散在さんざいした萎縮いしゅく線維せんい特異とくい疾患しっかん特徴とくちょうではなく、両方りょうほうすじ線維せんいのタイプをふくむときはだつ神経しんけい初期しょき段階だんかいをしめす。すじ線維せんいのタイプごとの萎縮いしゅくもある。タイプ1線維せんい萎縮いしゅく通常つうじょうすじ強直きょうちょくせいジストロフィー先天せんてんせいミオパチーみとめられる。発育はついく障害しょうがい結果けっかかんがえられる。タイプ2線維せんい萎縮いしゅくこう頻度ひんどみとめられはいよう慢性まんせい疾患しっかん、ステロイド治療ちりょうなど様々さまざま状態じょうたいこる。

すじ線維せんいタイプの優位ゆういせい欠損けっそん

すじ線維せんい比率ひりつすじごとことなる。しかし三角さんかくすじ上腕じょうわんとうすじ大腿だいたいよんとうすじ腓腹筋ひふくきんではタイプ1線維せんい、タイプ2線維せんいどちらでも55%をえたら優位ゆういせい異常いじょうである。タイプ1優位ゆういせい先天せんてんせいミオパチーで、タイプ2優位ゆういせいすじ萎縮いしゅくせいがわさく硬化こうかしょうみとめられる。

あいだしつ変化へんか

サルコイドーシス、アミロイドーシス、血管けっかんえんなどの診断しんだんにつながることもある。すじないまく線維せんいきんジストロフィーを示唆しさする。きんジストロフィーや炎症えんしょうせいすじ疾患しっかんでは炎症えんしょう細胞さいぼう浸潤しんじゅんみとめられる。どんな疾患しっかんでも最終さいしゅう段階だんかいすじ組織そしき線維せんい結合けつごう組織そしき脂肪しぼう組織そしきわる。

かく異常いじょう

中心ちゅうしんかく内在ないざいかく)がすじ線維せんいの5%以上いじょうみとめられれば異常いじょうである。再生さいせい段階だんかいにあるすじはしばしば中心ちゅうしんかくをもつ。かくない封入ふうにゅうたい封入ふうにゅうたい筋炎きんえん咽頭いんとうすじがたジストロフィーといった疾患しっかんみとめられる。

分割ぶんかつ線維せんい

肥大ひだい線維せんいみとめられる。すじけん移行いこうでは病的びょうてき意義いぎはない。

壊死えし線維せんい

壊死えし線維せんいはHE染色せんしょく細胞さいぼうしつ均一きんいつし、ガラスさまになりあわくそまる。縦断じゅうだんぞうではよこもん消失しょうしつする。すじ線維せんい徐々じょじょ空砲くうほうができ、炎症えんしょう細胞さいぼう基底きていまくえて浸潤しんじゅんする。すじ細管さいかんないにマクロファージやTリンパだま浸潤しんじゅんし、すじ線維せんい知覚ちかくから再生さいせいすじ細胞さいぼう出現しゅつげんする。最終さいしゅうてきには血管けっかん周囲しゅうい炎症えんしょう細胞さいぼううつる。線維せんい変性へんせいきんジストロフィーや炎症えんしょうせいすじ疾患しっかん中毒ちゅうどくせいすじ疾患しっかん特徴とくちょうである。壊死えし線維せんい変性へんせい線維せんい神経しんけいばらせいすじ萎縮いしゅく最終さいしゅう段階だんかいとしてはみとめられることもあるが、原則げんそくすじ疾患しっかん示唆しさする。

こう塩基えんきせい線維せんい

再生さいせいすじ線維せんいのことでRNAが豊富ほうふである。

ターゲット線維せんい

ターゲット線維せんい正常せいじょう標本ひょうほんでも、とくにNADH-TRではよくみとめられる。ターゲット線維せんいはタイプ1線維せんいであることがほとんどであり、中心ちゅうしん酵素こうそ活性かっせいき、いろがぬける。その外側そとがわ酸化さんか酵素こうそ豊富ほうふ環状かんじょうにくらくなる。さらにその周囲しゅうい正常せいじょうという構造こうぞうであり、だつ神経しんけいみとめられる。外側そとがわくらくならない場合ばあいるいターゲット線維せんいという。この場合ばあいだつ神経しんけい特異とくいひくい。

そら胞 vacuole
ライソゾーム蓄積ちくせきびょう

McArdleびょうとうげんやカルニチン欠損けっそんしょう脂肪しぼうがこれにあたる。

ライソゾーム蓄積ちくせきびょう空砲くうほう

さんホスファターゼ染色せんしょく蓄積ちくせきぶつにより見分みわける。

ライソゾームがこう活性かっせいした自己じこ貪食どんしょく空砲くうほう

さんホスファターゼ染色せんしょくによりあきらかになる。

縁取へりとそら胞 rimmed vacuole

封入ふうにゅうたい筋炎きんえんみとめられる。周囲しゅうい顆粒かりゅうじょうでHE染色せんしょくではこう塩基えんきせい、Gomoriトリクロームではあかくなり、電子でんし顕微鏡けんびきょうでは、まくざんくず中間なかまフィラメントより構成こうせいされているのをみとめる。

周期しゅうきせい四肢しし麻痺まひにおいてうちまく組織そしき拡張かくちょうによりしょうじたそら
すじげん線維せんい欠損けっそんによるそら
赤色あかいろぼろ線維せんい ragged red fiber

すじないまくすじげん線維せんいあいだしゅうかたまり存在そんざいし、ミトコンドリアすじしょう目立めだつ。Gomoriトリクロームではあかく、HE染色せんしょくではあおい。おも異常いじょうなミトコンドリアからなり酸化さんか酵素こうそおおふくみ、そのためNADH-TRやSDH染色せんしょくしみする。ちょうほろ構造こうぞうではとうげんとく脂肪しぼう蓄積ちくせきみとめる。60さい未満みまんみとめられればミトコンドリアすじしょうつよ示唆しさするが高齢こうれいしゃではミトコンドリア以外いがい障害しょうがいでも赤色あかいろぼろ線維せんい散見さんけんする。また赤色あかいろぼろ線維せんいがなくともミトコンドリアびょう否定ひてい出来できない。

管状かんじょう物質ぶっしつ集積しゅうせき

ていカリウムせい周期しゅうきせい四肢しし麻痺まひみとめられる。

すじばらせい神経しんけいばらせい鑑別かんべつ

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すじ病理びょうりにおける神経しんけいばらせいすじばらせい鑑別かんべつてんをまとめる。神経しんけいばらせい変化へんか重要じゅうよう所見しょけんはgroup atrophyとfiber type groupingの2つだけである。すじばらせい変化へんかしめ所見しょけん多数たすうられている。すじ線維せんい壊死えし再生さいせい、コアなどすじ線維せんい変化へんかすじかく変化へんか、ネマリン小体こていなどの封入ふうにゅうたい、タイプ1線維せんい萎縮いしゅく、タイプ1線維せんい優位ゆういうちさやへのリンパだま浸潤しんじゅんなどがあげられる。近年きんねん神経しんけいばらせい変化へんかすじばらせい変化へんか区別くべつすじ病理びょうりではおこなわなくなった。

すじばらせい 神経しんけいばらせい
相当そうとう大小だいしょう不同ふどう じょう萎縮いしゅく線維せんい
円形えんけい線維せんい かく線維せんい
かく増加ぞうか すじ細胞さいぼうしつ萎縮いしゅくによるかくのみかけの増加ぞうか
すじさやないかく すじさやないかくみとめない
壊死えし再生さいせいすじ線維せんいあり 壊死えし再生さいせいすじ線維せんいなし
収縮しゅうしゅく蛋白たんぱくすじ細胞さいぼうしつないにおける変化へんか ターゲット線維せんい
あいだしつ線維せんい目立めだ あいだしつ線維せんいとぼしい
炎症えんしょう細胞さいぼう浸潤しんじゅんあり 炎症えんしょう細胞さいぼう浸潤しんじゅんなし

すじ病理びょうり各論かくろん

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きんジストロフィーとおくらいがたミオパチーすじ強直きょうちょく症候群しょうこうぐん先天せんてんせいミオパチーミトコンドリアびょう筋炎きんえんミオパチーなども参照さんしょうとする。

炎症えんしょうせいすじ疾患しっかん

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筋炎きんえん筋炎きんえん特異とくいてき自己じこ抗体こうたい発見はっけんすじ病理びょうりがく進歩しんぽにより分類ぶんるいおおきくわりつつある。自己じこ抗体こうたい次々つぎつぎあきらかになり臨床りんしょう病理びょうりがくてき特徴とくちょうことなることがあきらかになったこと、従来じゅうらい多発たはつ筋炎きんえん病理びょうりがくてき診断しんだんされていたれいのほとんどが実際じっさいには封入ふうにゅうたい筋炎きんえんであったこと[2]臨床りんしょうてき多発たはつ筋炎きんえん診断しんだんされていたれいほとんどがすじ病理びょうり学的がくてきには免疫めんえき介在かいざいせい壊死えしせいミオパチーであった。すじ病理びょうりがくてき立場たちばでは多発たはつ筋炎きんえんはもはや存在そんざいしない疾患しっかんとの位置いちづけになっている[3][4]すじ病理びょうりがく中心ちゅうしん炎症えんしょうせいすじ疾患しっかん皮膚ひふ筋炎きんえんこう合成ごうせい酵素こうそ症候群しょうこうぐん免疫めんえき介在かいざいせい壊死えしせいミオパチー、封入ふうにゅうたい筋炎きんえん分類ぶんるいされることが一般いっぱんてきになった。

筋炎きんえん診断しんだんのためのすじせいけんはMRIで浮腫ふしゅせい変化へんかがある部位ぶいから採取さいしゅする[4]こう用量ようりょうPSL投与とうよ前後ぜんこうすじせいけん病理びょうりぞうかんしての報告ほうこくがある。免疫めんえき染色せんしょくおこなって両者りょうしゃ比較ひかくするとステロイド療法りょうほう筋肉きんにく浸潤しんじゅんしているリンパだますうり、筋肉きんにくない炎症えんしょうせいサイトカインや血管けっかん内皮ないひ細胞さいぼうでの細胞さいぼう接着せっちゃく因子いんし発現はつげん筋肉きんにくのHLA-ABC発現はつげん低下ていかしめされている[5]。そのためすじせいけん治療ちりょうまえおこなうことがのぞましい。すじ病理びょうりかんして下記かきのようにまとめる。

すじばらせい変化へんか

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すじばらせい変化へんか炎症えんしょうせいすじ疾患しっかんほかミオパチーなどでもみとめられる所見しょけんである。すじ線維せんいみちのサイズは大小だいしょう不同ふどうていし、すじ線維せんいかたち円形えんけいする。慢性まんせい経過けいか症例しょうれいでは100μみゅーm以上いじょう肥大ひだい線維せんいみとめ、すじないさやひらけだいし、あいだしつひらきだい線維せんいをみとめることもある。線維せんい中心ちゅうしんかくがある、いわゆる中心ちゅうしんかくみとめることもおおい。壊死えし再生さいせいすじをみとめる。NADH-TR染色せんしょくではすじげん線維せんいあいだもうみだれがみとめられAcidP染色せんしょくでは再生さいせい線維せんい活性かっせい上昇じょうしょうみとめられる。

皮膚ひふ筋炎きんえん

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すじばらせい変化へんかみとめられる。すじたばえん萎縮いしゅく(perifascicular atrophy)がもっともよくられた診断しんだんてき所見しょけんである。すじたばえんすじ線維せんい萎縮いしゅくである。こうMDA5抗体こうたい陽性ようせいれいではすじたばえん萎縮いしゅくみとめないことがおおい。すじたばえん萎縮いしゅく周辺しゅうへんすじ線維せんいはミトコンドリアやライソゾームが増加ぞうか細胞さいぼうしつこう塩基えんきせい染色せんしょくされ、ときにpunched-out vacuoleとばれる空砲くうほうゆうし、大型おおがた内在ないざいかくともなっている。punched-out vacuoleはとくこうTIF-γがんま抗体こうたい陽性ようせいれいこう頻度ひんどみとめられる。すじたばえんすじ線維せんいはミトコンドリアやライソゾームの増加ぞうか反映はんえいしてNADH-TRでしみする一方いっぽうで、しばしばCOX活性かっせい低下ていかしている。すじしゅうさや血管けっかん周囲しゅういたんたま浸潤しんじゅんもしばしばみとめられるが疾患しっかん特異とくいせいひくい。一部いちぶ症例しょうれいでは微小びしょう梗塞こうそくみとめる。微小びしょう梗塞こうそく小児しょうにれいおおく、こうNXP-2抗体こうたい陽性ようせいれいおおい。こうMi-2抗体こうたい陽性ようせいれいすじ病理びょうり独自どくじで、すじたばえん壊死えし再生さいせいすじ豊富ほうふみとめられる。このような所見しょけんすじたばえん壊死えし(perifascicular necrosis)とばれる。またすじしゅうさや浮腫ふしゅつよ傾向けいこうがあり、結合けつごう組織そしき断片だんぺんみとめるとともに、しばしばアルカリホスファターゼ活性かっせい発現はつげんしている。  免疫めんえき染色せんしょくではすじ細胞さいぼうまくにHLA-ABCが発現はつげんするとともにうちさや毛細血管もうさいけっかんへのまくおかせかさねふく合体がったい(MAC)沈着ちんちゃくみとめる。HLA-DRが一部いちぶすじ線維せんい発現はつげんした症例しょうれい存在そんざいするがまれである。正常せいじょうではHLA-ABCは血管けっかん内皮ないひ発現はつげんするがすじ細胞さいぼうまくでは発現はつげんしていない[6]全体ぜんたいの50%以上いじょうすじ線維せんいすじ細胞さいぼうまくにHLA-ABCの発現はつげん亢進こうしんみとめる場合ばあい検査けんさ陽性ようせいとしたとき、筋炎きんえん診断しんだん感度かんどは100%であり、特異とくいは94%という報告ほうこくもある[7]。HLA-ABCのすじ線維せんい発現はつげんは、疾患しっかん活動かつどう初期しょきよりみとめ、炎症えんしょう細胞さいぼう浸潤しんじゅん先立さきだち、疾患しっかん慢性まんせい経過けいかにも残存ざんそんすることがられている[7]。ミクソウイルス抵抗ていこうせい蛋白質たんぱくしつA(myxovirus resistance protein A、MxA)はがたインターフェロン(IFN-Ⅰ)で誘導ゆうどうされる代表だいひょうてき蛋白質たんぱくしつである。骨格こっかくすじすじ線維せんいにおけるMxAの発現はつげんすじたばえん萎縮いしゅく(perifascicular atrophy)よりも皮膚ひふ筋炎きんえん診断しんだん感度かんど特異とくいともにすぐれており2018ねん改訂かいてい診断しんだん基準きじゅんにもふくまれるようになった[8]皮膚ひふ筋炎きんえん全身ぜんしんせいエリテマトーデス関節かんせつリウマチとともにⅠがたインターフェロノパチーとして認識にんしきされるようになった。  電子でんし顕微鏡けんびきょうでは血管けっかん内皮ないひにtubuloreticular inclusions(TRIs)とばれる管状かんじょう構造こうぞうぶつしゅうかたまりみとめる[9]

 かつてはりゅう障害しょうがい結果けっかすじたばえん萎縮いしゅくしょうじるとかんがえられていたが反論はんろんおおい。Ⅰがたインターフェロンの下流かりゅう遺伝子いでんし発現はつげん亢進こうしんすじたばえん萎縮いしゅくしょうじるという仮説かせつもある。また皮膚ひふ筋炎きんえんみとめられる炎症えんしょう細胞さいぼうはCD4陽性ようせいT細胞さいぼうやB細胞さいぼう主体しゅたいであり、CD8陽性ようせいT細胞さいぼうみとめることはすくない。検出けんしゅつされる自己じこ抗体こうたいによって臨床りんしょう症状しょうじょう病理びょうり所見しょけん多少たしょうことなることがあきらかになってきた。

自己じこ抗体こうたい 臨床りんしょうてき特徴とくちょう 病理びょうりがくてき特徴とくちょう
TIF1-γがんま 成人せいじん悪性あくせい腫瘍しゅよう合併がっぺい Perifascicular atrophy、毛細血管もうさいけっかんへのMAC沈着ちんちゃく、punched-out vacuoles 
MDA5 すじしょうせい皮膚ひふ筋炎きんえん Perifascicular atrophyはまれ毛細血管もうさいけっかんへのMAC沈着ちんちゃく
Mi-2 筋力きんりょく低下ていかこうCKしょう Perifascicular necrosis、しゅうさやALP発現はつげんしゅうさや結合けつごう組織そしき断片だんぺん、、毛細血管もうさいけっかんへのMAC沈着ちんちゃくまれ
NXP-2 若年じゃくねんせい皮膚ひふ筋炎きんえん 微小びしょう梗塞こうそく
SAE 広範こうはんべにまだら

こう合成ごうせい酵素こうそ症候群しょうこうぐん

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 すじばらせい変化へんかみとめられる。すじたばえん壊死えし再生さいせい線維せんい分布ぶんぷするすじたばえん壊死えし(perifascicular necrosis)、すじしゅうさや結合けつごう組織そしき断片だんぺんすじしゅうさやのアルカリホスファターゼ活性かっせい発現はつげん特徴とくちょうてきである。こうMi-2抗体こうたい陽性ようせい皮膚ひふ筋炎きんえんでの所見しょけん酷似こくじするが免疫めんえき染色せんしょく所見しょけんおおきくことなる。こう合成ごうせい酵素こうそ症候群しょうこうぐんではすじ線維せんいにMxAの発現はつげんみとめられない。またHLA-ABCが比較的ひかくてきつよ発現はつげんし、HLA-DRが発現はつげんするすじ線維せんいみとめることもある。こう合成ごうせい酵素こうそ症候群しょうこうぐんではⅠがたインターフェロン経路けいろではなくⅡがたインターフェロン経路けいろ亢進こうしん示唆しさされている[4]

 すじばらせい変化へんかみとめられる。壊死えし再生さいせいすじにマクロファージの浸潤しんじゅんみとめられる。リンパだま浸潤しんじゅんみとめないか、あっても反応はんのうせい変化へんかとして説明せつめい可能かのうなものである。慢性まんせい経過けいかするれいではあいだしつ線維せんい脂肪しぼう浸潤しんじゅんみとめられる。免疫めんえき染色せんしょくではすじ線維せんいまくでのHLA-ABCの発現はつげん増加ぞうかみとめられるが皮膚ひふ筋炎きんえん封入ふうにゅうたい筋炎きんえんくらべると非常ひじょう軽度けいどである。通常つうじょうはHLA-DRの発現はつげんみとめられない。一部いちぶすじ線維せんいまくまくおかせかさねふく合体がったい(MAC)沈着ちんちゃくみとめる。またp62がすじ細胞さいぼうしつない顆粒かりゅうじょうまり、自己じこ貪食どんしょくかかわるシャペロン蛋白たんぱくきょう局在きょくざいしている。こうミトコンドリアM2抗体こうたい陽性ようせい筋炎きんえん病理びょうり学的がくてきには免疫めんえき介在かいざいせい壊死えしせいミオパチー分類ぶんるいせざるをないれいおおい。

多発たはつ筋炎きんえん

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 その自己じこ免疫めんえきせい筋炎きんえん同様どうようすじばらせい変化へんかみとめられる。特徴とくちょうてきであるのはすじないさや主体しゅたい炎症えんしょう細胞さいぼう浸潤しんじゅんみとめるということである。すじたばそとであるすじしゅうさや存在そんざいするリンパだま非特異ひとくいてきであり診断しんだんてき特異とくいせいほとんどない。HE染色せんしょくでは小型こがたたんかくだま壊死えしすじ線維せんいかこみ、内部ないぶ侵入しんにゅうするぞうみとめる。  免疫めんえき染色せんしょくではCD8陽性ようせいT細胞さいぼうすじないさや主体しゅたいとしたスペースに浸潤しんじゅんし、HLA-ABCを発現はつげんしている壊死えしすじ線維せんいかこみ、すじ線維せんいない侵入しんにゅうするぞうみとめる。これをCD8/MHC class Ⅰ complexという。この所見しょけん皮膚ひふ筋炎きんえんではみとめられず多発たはつ筋炎きんえん特徴とくちょうてき所見しょけんかんがえられていた[10][11]すじないさや主体しゅたいにCD68陽性ようせいマクロファージをみとめる。電子でんし顕微鏡けんびきょうでは壊死えしすじ線維せんいたんかくだませっし、どう部位ぶいではすじ線維せんい基底きていまく消失しょうしつしている。つまり、たんかくだますじ線維せんい基底きていまく破壊はかいして、すじ線維せんい細胞さいぼうしつ侵入しんにゅうしているとかんがえられている。すじ線維せんいすじばらせい変化へんか、HLA-ABCのすじ細胞さいぼうまくへの発現はつげん亢進こうしん所見しょけんのほか、CD8陽性ようせいT細胞さいぼう壊死えしすじ線維せんいかこみ、すじ線維せんいない侵入しんにゅうするぞうみとめることが特徴とくちょうてきかつ診断しんだんてきかんがえられている。ヨーロッパ神経しんけいすじセンター(European Neuromuscular Centre、ENMC)の診断しんだん基準きじゅんではCD8陽性ようせいT細胞さいぼう壊死えしすじ線維せんいかこみ、すじ線維せんいない侵入しんにゅうするぞうみとめると確実かくじつ多発たはつ筋炎きんえん診断しんだんされる[10]

 多発たはつ筋炎きんえん病態びょうたいじょとしてはCD8陽性ようせいT細胞さいぼうすじないさや中心ちゅうしん侵入しんにゅうし、パーフォリンばれる物質ぶっしつ放出ほうしゅつしながらすじ線維せんい基底きていまくやぶって線維せんい内部ないぶはいみ、すじ線維せんい障害しょうがいするとかんがえられている[12]皮膚ひふ筋炎きんえんことなり多発たはつ筋炎きんえんではすじ局所きょくしょにおいて細胞さいぼうせい免疫めんえきじょ存在そんざいする。臨床りんしょうてき多発たはつ筋炎きんえんおおくは病理びょうりがくまとには壊死えしせいミオパチーである。「CD8陽性ようせいT細胞さいぼうすじないさやおよび壊死えしせい線維せんい内部ないぶへの浸潤しんじゅんともなう」という多発たはつ筋炎きんえん組織そしきがくてき定義ていぎもちいると多発たはつ筋炎きんえん病理びょうりがくてき診断しんだんされるれいはほとんどなく、そのような所見しょけんしめれいほとんどが封入ふうにゅうたい筋炎きんえんである[2]

封入ふうにゅうたい筋炎きんえん

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その自己じこ免疫めんえきせい筋炎きんえん同様どうようすじばらせい変化へんかみとめられる。小型こがたたんかくだま壊死えしすじ線維せんいかこみ、内部ないぶ侵入しんにゅうするぞうみとめる。ほん所見しょけん後述こうじゅつする縁取へりと空砲くうほうともに、封入ふうにゅうたい筋炎きんえん診断しんだんてき所見しょけんひとつである。ゴモリ・トリクロームへんほう(modified Gomori trichrome、mGT)では赤色あかいろ染色せんしょくされる顆粒かりゅうじょう物質ぶっしつえんられる縁取へりと空砲くうほう(rimmed vacuole)がみとめられる。縁取へりと空砲くうほう変性へんせいしたすじ線維せんい存在そんざいし、封入ふうにゅうたい筋炎きんえん症例しょうれいぜん筋繊維きんせんいの1~6%にみとめると報告ほうこくされている[13]。また、こう頻度ひんど赤色あかいろぼろ線維せんい(ragged red fiber、RRF)がみとめられる。赤色あかいろぼろ線維せんいはまだらに赤色あかいろ染色せんしょくされるすじ線維せんいであり、AcidP染色せんしょくでは空砲くうほうにおいてたか活性かっせいしめす。  免疫めんえき染色せんしょくおこなうと、多発たはつ筋炎きんえん同様どうようにCD8抗体こうたい陽性ようせいT細胞さいぼうすじないさや主体しゅたい浸潤しんじゅんし、HLA-ABCを発現はつげんしている壊死えしすじ線維せんいかこみ、すじ線維せんいない侵入しんにゅうするCD8/MHC class Ⅰ complexがみとめられる。このことから封入ふうにゅうたい筋炎きんえん局所きょくしょてき細胞さいぼうせい免疫めんえきじょ存在そんざいすることが示唆しさされる。縁取へりと空砲くうほうなか周囲しゅうい細胞さいぼうしつにコンゴーレッド染色せんしょくあか染色せんしょくされるβべーたアミロイド細胞さいぼうないのアミロイド沈着ちんちゃく)がみとめられる。βべーたアミロイドのほかにLC3やp62などのオートファジー関連かんれん蛋白質たんぱくしつTDP-43などの異常いじょう蓄積ちくせき蛋白質たんぱくしつ免疫めんえき染色せんしょくすじ細胞さいぼうしつ顆粒かりゅうじょうみとめられる。すじ線維せんいないにアルツハイマーびょうさま蛋白質たんぱくしつ自己じこ貪食どんしょくしょう胞体ストレスなどの要素ようそ存在そんざいすることは封入ふうにゅうたい筋炎きんえんにおいて変性へんせいじょ存在そんざいすることを示唆しさする[14]。  電子でんし顕微鏡けんびきょうではすじ細胞さいぼうまく直下ちょっか空砲くうほうみとめ、その内部ないぶにはグリコーゲン、まくさま構造こうぞうぶつ、ミエロイド小体こていなどが観察かんさつされる。細胞さいぼうしつうちまたはかくない直径ちょっけい15~20nmのfilamentous inclusionをみとめる。この封入ふうにゅうたい封入ふうにゅうたい筋炎きんえん特異とくいてきなものではなく、縁取へりと空砲くうほうをもつ細胞さいぼうこう頻度ひんどみとめられる。  2008ねんのMRC centre封入ふうにゅうたい筋炎きんえんワークショップではすじばらせい変化へんかとHLA-ABCのすじ細胞さいぼうまくでの発現はつげん亢進こうしんくわ壊死えしすじ線維せんいへのたんかくだま侵入しんにゅうぞう縁取へりとそら胞をもつすじ線維せんい細胞さいぼうしつないアミロイド沈着ちんちゃくまたは電子でんし顕微鏡けんびきょうでfilamentous inclusionをみとめるものを病理びょうり所見しょけんから確実かくじつ封入ふうにゅうたい筋炎きんえん診断しんだんされる[15]

LC3やp62などのオートファジー関連かんれん蛋白質たんぱくしつやTDP-43などの異常いじょう蓄積ちくせき蛋白質たんぱくしつ免疫めんえき染色せんしょくのほうがゴモリ・トリクロームへんほう縁取へりとそら胞や赤色あかいろぼろ線維せんいより感度かんどがよい[16]

遺伝いでんせいミオパチー

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遺伝いでんせいミオパチーはきんジストロフィー先天せんてんせいミオパチー代謝たいしゃせいミオパチーの3つに分類ぶんるいされる。分子ぶんし解析かいせきすすむにつれ、この古典こてんてき分類ぶんるい意味いみをもたなくなりつつある。

きんジストロフィー

すじ線維せんい変性へんせい再生さいせいにより典型てんけいてき特徴とくちょうづけられる進行しんこうせいミオパチーである。すじ病理びょうりではきんジストロフィーにおいても反応はんのうせい細胞さいぼう浸潤しんじゅんがしばしばみとめられる。とく顔面がんめんかたかぶと上腕じょうわんがたきんジストロフィー(FSHD)、LMNA遺伝子いでんし変異へんいによるきんジストロフィーやジスフェルリン遺伝子いでんし変異へんいによるきんジストロフィーが有名ゆうめいである。LMNA遺伝子いでんし変異へんいによるきんジストロフィーはエメリ・ドレフェスがたきんジストロフィーやLGMD1Bをていする。またジスフェルリン遺伝子いでんし変異へんいはLGMD2Bをていする。原則げんそくとしては炎症えんしょうせいすじ疾患しっかんではHLA-ABCがすじ線維せんい発現はつげんするがきんジストロフィーでは発現はつげんしないことがおおい。

先天せんてんせいミオパチー

典型てんけいてきにはちょう早期そうき発症はっしょうし、進行しんこうせいまたは非常ひじょう緩徐かんじょ進行しんこうする傾向けいこうがあり、特有とくゆうすじ病理びょうり変化へんかにより特異とくいてき形態けいたいがくてき診断しんだんができる。

代謝たいしゃせいミオパチー

しゅとしてグリコーゲン、脂質ししつ蓄積ちくせき、ミトコンドリアびょうふくむ。

神経しんけいばらせいすじ萎縮いしゅくしょう

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上位じょういニューロン障害しょうがいでははいようせい萎縮いしゅくしめし、非特異ひとくいてきな2B線維せんい萎縮いしゅくみとめられる。下位かいニューロン障害しょうがいではだつ神経しんけいによる小径しょうけい神経しんけいさい支配しはいによるすじ線維せんいタイプぐん(fiber type grouping)がおこる。だつ神経しんけいによってすじ線維せんい小径しょうけいする。小径しょうけいした線維せんい正常せいじょうだいすじ圧迫あっぱくされ角張かくばってみえるため小角おがく線維せんい(small angular fiber)という。萎縮いしゅく線維せんいぐんをなす傾向けいこうがあり、小群おむれ萎縮いしゅく(small groups of atrophic fibers)をしめし、進行しんこうするとすじたばすべてが萎縮いしゅくすじとなり大群たいぐん萎縮いしゅく(large groups of atrophic fibers)となる。大群たいぐん萎縮いしゅくウェルドニッヒ・ホフマンびょうかならみとめられる。また神経しんけいさい支配しはいがおこるとさい支配しはい神経しんけいにあわせてすじ線維せんいのタイプが変化へんかする。このため通常つうじょうはタイプ1とタイプ2の線維せんいがモザイクじょう分布ぶんぷするがその分布ぶんぷがくずれ、すじ線維せんいタイプぐん(fiber type grouping)がおこる。すじ線維せんいタイプぐん神経しんけいさい支配しはいしめ重要じゅうよう所見しょけんである。

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ Neuromuscul Disord. 2004 May 14(5) 337-45. PMID 15099594
  2. ^ a b Neurology. 2003 Aug 12;61(3):316-21. PMID 12913190
  3. ^ JAMA Neurol. 2018 Dec 1;75(12):1528-1537. PMID 30208379
  4. ^ a b c Curr Opin Neurol. 2019 Oct;32(5):704-714. PMID 31369423
  5. ^ Arthritis Rheum. 2000 Feb;43(2):336-48. PMID 10693873
  6. ^ Lancet. 1985 Feb 16;1(8425):361-3. PMID 2857418
  7. ^ a b J Clin Pathol. 2012 Jan;65(1):14-9. PMID 22075187
  8. ^ Neuromuscul Disord. 2020 Jan;30(1):70-92. PMID 31791867
  9. ^ J Neurol Sci. 1974 Nov;23(3):391-402. PMID 4427123
  10. ^ a b Neuromuscul Disord. 2004 May;14(5):337-45. PMID 15099594
  11. ^ Arthritis Res Ther. 2010;12 Suppl 1(Suppl 1):S4. PMID 20392291
  12. ^ Lancet. 2003 Sep 20;362(9388):971-82. PMID 14511932
  13. ^ Muscle Nerve. 2006 Oct;34(4):406-16. PMID 16823856
  14. ^ Autoimmunity. 2008 Dec;41(8):563-9. PMID 18958757
  15. ^ Neuromuscul Disord. 2010 Feb;20(2):142-7. PMID 20074951
  16. ^ Acta Neuropathol Commun. 2013 Jul 1;1:29. PMID 24252466

参考さんこう文献ぶんけん

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  • 臨床りんしょうのためのすじ病理びょうり だい5はん ISBN 9784784950669
  • すじ疾患しっかん診療しんりょうハンドブック ISBN 9784498228085
  • 脳神経のうしんけい内科ないかのための末梢まっしょう神経しんけいすじ疾患しっかん 診断しんだんトレーニング ISBN 9784524248155

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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