粗ほぼ

粗ほぼ（あら）は、魚さかなの下おろし身みを取とった後のちに残のこる頭部とうぶ、骨ほね、エラ、ヒレやそれらに付着ふちゃくした肉にくである。通常つうじょうは「魚さかなのアラ」と呼よばれ、食材しょくざいとなる。

魚類ぎょるいであるサメのヒレは、ふかひれがメインの利用りよう目的もくてきであり、アラとは呼よばない。

概要がいよう

製品せいひんとしては形状けいじょうが整ととのっておらず可か食しょく部ぶが少すくないため、捨すてられるか、一般いっぱん的てきに他たの部位ぶいよりも安価あんかに販売はんばいされる。ぬめりや臭くさみの元もととなる血合ちあいが含ふくまれるため、調理ちょうり前まえに下拵したごしらえされることが多おおい。アラ料理りょうりによく使つかわれる霜降しもふりという作業さぎょうは、熱湯ねっとうに晒さらした後のちで冷ひやし、浮うき出でてきた血合ちあいなどを取とり除のぞく。

魚さかなの骨ほね・身みより旨味うまみ成分せいぶんの出汁だしがとれるため、その出汁だしを活いかした、調理ちょうりが手軽てがるな汁物しるものでの利用りようが多おおい。

アラのうち「かま」は、魚さかなの鰓えら蓋ぶたから胸むね鰭ひれまでの部分ぶぶんを指さす。鰤ぶりのカマは鰤ぶり鎌がま（ブリカマ）と言いい、煮物にもの、焼やき物もの、汁物しるものとして定食ていしょく屋や、居酒屋いざかやなどで出でることがある。一いち匹ひきから一いち人にん分ぶんまたは二人ふたり分ぶんしか作つくれないため、鰤ぶりを大量たいりょうに消費しょうひするお店みせ、または魚介ぎょかい類るいを大量たいりょうに仕入しいれるお店みせで使つかうことがある。

近年きんねん、アラの部分ぶぶんに含ふくまれる有用ゆうよう成分せいぶんが健康けんこう食品しょくひんに活用かつようされている。マグロなどに多おおいDHA（ドコサヘキサエン酸さん）、カルシウムが多おおい骨ほねを加工かこうした菓子かしやサケ中ちゅう骨ほねの水みず煮に缶詰かんづめ、サメ軟骨なんこつ（コンドロイチン、グルコサミン、コラーゲンなど含有がんゆう）といった製品せいひんである。各かく地域ちいきでも水揚みずあげされる魚さかな種しゅに合あわせて独自どくじの商品しょうひんが開発かいはつされている。

また、飼料しりょうや調味ちょうみ料りょうに使つかわれる魚粉ぎょふんの原料げんりょうにもなる。従来じゅうらいはアラに対たいする需要じゅようが少すくなかったため、魚粉ぎょふんに加工かこうする処理しょりは愛知あいち県けんの魚さかなアラ処理しょり公社こうしゃが担になっていた。しかし、民間みんかん企業きぎょうによる魚粉ぎょふん用ようアラの需要じゅようが増ふえ、アラ処理しょりを行おこなう民間みんかん企業きぎょうも増加ぞうかしたため、魚さかなアラ処理しょり公社こうしゃは2018年ねん4月がつ1日にちに自主じしゅ解散かいさんした。

利用りよう

汁物しるもの

出汁だし、あら汁しる（味噌みそ仕立したてのもの）、潮汁うしおじる（塩しお仕立したてのもの）、アラ鍋なべ、あど汁じる（サケの頭あたまと内臓ないぞうの味噌汁みそしる）。

焼やき物もの

マグロのかぶと焼やき（兜かぶと焼やき）、ブリカマ。

煮物にもの

甘露煮かんろに、アラ煮に（タイやブリなど）、マグロの大和やまと煮に。

缶詰かんづめ

水みず煮に缶かん（サケの中なか骨ほね）。

菓子かし

ウナギやアジ、サケの骨ほねせんべい、クッキー（サケの中なか骨ほね）、うなぎパイ 。

健康けんこう食品しょくひん

サメ軟骨なんこつ、肝油かんゆ。