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紅皮症 - Wikipedia コンテンツにスキップ

べにかわしょう

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

べにかわしょう(こうひしょう。英語えいご: Erythroderma)は先行せんこうする皮膚ひふ疾患しっかん内臓ないぞう疾患しっかんなどに続発ぞくはつし、全身ぜんしん皮膚ひふしおあかして皮膚ひふがれちる(落屑状態じょうたいていする皮膚ひふ反応はんのうであり、単一たんいつ疾患しっかんではなく症候しょうこうめいである。剥脱はくだつせい皮膚ひふえんとも[1]

疾患しっかん概念がいねん

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べにかわしょうは、当初とうしょ原因げんいんからない原発げんぱつせいべにかわしょう各種かくしゅ疾患しっかん起因きいんする続発ぞくはつせいべにかわしょう大別たいべつされたが、おおくの議論ぎろん様々さまざま疾患しっかん続発ぞくはつする皮膚ひふ反応はんのうであるという概念がいねん定着ていちゃくした。

概念がいねん変遷へんせん

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べにかわしょうについての詳細しょうさい報告ほうこく1862ねんウィーン大学だいがく皮膚ひふ科学かがく教授きょうじゅであったHebra(ヘブラ)ドイツばん[2]が「終始しゅうし皮膚ひふしおべにと落屑のみをていし、おかしょう水疱すいほうなどのかわ疹をず、慢性まんせい経過けいかし、不良ふりょう疾患しっかん」としてヘブラ紅色こうしょくしいなぬか疹を報告ほうこくしたのが端緒たんしょとなる[3]つづいて1867ねんにWilson(ウィルソン)が急性きゅうせいひろしはつせい剥脱はくだつせい皮膚ひふえん症例しょうれい報告ほうこく発表はっぴょうした。さらに1876ねんFéréol(フェレオール)つづいてBesnier(ベニエ)が急性きゅうせいべにかわしょうとして再発さいはつせい落屑せい猩紅熱しょうこうねつさまべにまだら症例しょうれい報告ほうこく[3]1878ねんにはRitter(リッター)が新生児しんせいじ発症はっしょうする致死ちしてきべにかわしょうとして新生児しんせいじ剥脱はくだつせい皮膚ひふえん[4]を、1892ねんにはSavil(サヴィル)がイギリスロンドン複数ふくすう養老ようろういんにおいて集団しゅうだん発生はっせいした流行りゅうこうせい剥脱はくだつせい皮膚ひふえん[5]を、1907ねんにはLeiner(ライネルまたはライナー)が乳幼児にゅうようじ特有とくゆうべにかわしょうとしてライネル落屑せいべにかわしょう症例しょうれいをそれぞれ報告ほうこくする[6]など、おおくの研究けんきゅうしゃによってべにかわしょうについての症例しょうれい集積しゅうせきされていった。

こうしたべにかわしょう症例しょうれい報告ほうこく検討けんとう系統けいとうてき分類ぶんるいこころみたのはBrocq(ブロック)である。Brocq は1902ねん先天せんてんせい魚鱗ぎょりん癬様べにかわしょう最初さいしょ報告ほうこくしたことでられているが[7]過去かこ症例しょうれい報告ほうこく収集しゅうしゅう分析ぶんせき自身じしん考察こうさつくわえて1882ねん1909ねんにわたりべにかわしょう再編さいへん分類ぶんるいした。ここにおいて原発げんぱつせいべにかわしょう続発ぞくはつせいべにかわしょう概念がいねん登場とうじょうする。原発げんぱつせいについては再発さいはつせい落屑せい猩紅熱しょうこうねつさまべにむら急性きゅうせいひろしはつせい剥脱はくだつせい皮膚ひふえん、およびヘブラ紅色こうしょくしいなぬか疹を各々おのおの急性きゅうせい急性きゅうせい慢性まんせいがた原発げんぱつせいべにかわしょう分類ぶんるいし、急性きゅうせいひろしはつせい剥脱はくだつせい皮膚ひふえんより慢性まんせいがた慢性まんせいひろしはつせい剥脱はくだつせい皮膚ひふえん)を分離ぶんり、ヘブラ紅色こうしょくしいなぬか疹についてはHebraの報告ほうこくしたかた良性りょうせい急性きゅうせいがた慢性まんせいがた疾患しっかん概念がいねん追加ついか、さらに乳幼児にゅうようじ剥脱はくだつせい皮膚ひふえんを7番目ばんめくわえた。そして湿疹しっしんあぶらせい皮膚ひふえん乾癬かんせん扁平へんぺいこけ毛孔けあなせい紅色こうしょくしいなぬか疹、てん疱瘡ほうそうなどの皮膚ひふ疾患しっかんひろしはつしてしょうじたべにかわしょう続発ぞくはつせいべにかわしょうとして定義ていぎ分類ぶんるいした[3][8]日本にっぽんではHebraの孫弟子まごでしであり東京とうきょう帝国ていこく大学だいがく医科いか大学だいがく皮膚ひふびょうがく黴毒ばいどくがく講座こうざ教授きょうじゅとして日本にっぽん皮膚ひふ学会がっかい設立せつりつ尽力じんりょくした土肥どいけいぞう[2]がBrocqの分類ぶんるい紹介しょうかいした[8]

Brocqによるべにかわしょう分類ぶんるい(1882ねん、1909ねん[3][8]
分類ぶんるい 疾患しっかん
原発げんぱつせいべにかわしょう 再発さいはつせい落屑せい猩紅熱しょうこうねつさまべにむら/良性りょうせい急性きゅうせい剥脱はくだつせい皮膚ひふえん (Féréol, Besnier)
急性きゅうせいひろしはつせい剥脱はくだつせい皮膚ひふえん (Wilson)
慢性まんせいひろしはつせい剥脱はくだつせい皮膚ひふえん
ヘブラ慢性まんせい紅色こうしょくしいなぬか疹 (Hebra)
良性りょうせい急性きゅうせい紅色こうしょくしいなぬか
良性りょうせい慢性まんせい紅色こうしょくしいなぬか
乳幼児にゅうようじ剥脱はくだつせい皮膚ひふえん
続発ぞくはつせいべにかわしょう 続発ぞくはつせいべにかわしょう

Brocqの分類ぶんるいはそのながらくべにかわしょう概念がいねんとして定着ていちゃくするが、個々ここ疾患しっかん概念がいねんについてはJadassohn(ヤダーソン)が1891ねん1892ねん論文ろんぶんにおいて、慢性まんせいひろしはつせい剥脱はくだつせい皮膚ひふえんたんなるひろしはつせい湿疹しっしんであると反論はんろん[9]、その各種かくしゅ専門せんもんしょでは慢性まんせいひろしはつせい剥脱はくだつせい皮膚ひふえんやヘブラ紅色こうしょくしいなぬか疹の良性りょうせい急性きゅうせい慢性まんせいがたについては使用しようされなくなり、乳幼児にゅうようじ剥脱はくだつせい皮膚ひふえんもRitterの新生児しんせいじ剥脱はくだつせい皮膚ひふえん同一どういつでかつ細菌さいきん感染かんせんしょう原因げんいんであることが判明はんめいしてのぞかれ、次節じせつべる3疾患しっかんめい臨床りんしょう使つかわれるようになった[8][10]

べにかわしょう分類ぶんるい一応いちおう確定かくていしたのちつづいて病因びょういんろんかんする様々さまざま見解けんかい発表はっぴょうされた。急性きゅうせいがた再発さいはつせい落屑せい猩紅熱しょうこうねつさまべにまだら)についてはすでにBesnierが特定とくてい素因そいん患者かんじゃなんらかの刺激しげきくわわることにより発症はっしょうすると推測すいそくしていたが、水銀すいぎん砒素ひそきむといった重金属じゅうきんぞく薬剤やくざい、さらには結節けっせつせい動脈どうみゃく周囲しゅういえんほんしょう続発ぞくはつしたという報告ほうこく多数たすう研究けんきゅうしゃから報告ほうこくされ、感染かんせんしょうまたはそれに起因きいんするアレルギーおよび重金属じゅうきんぞく薬剤やくざいせい中毒ちゅうどくによるべにかわしょうではないかという見解けんかいつよくなった[11]急性きゅうせいがた(ウィルソン・ブロックくれないかわしょう)ではBrocqが神経しんけい皮膚ひふしょう、Kyrle(キルレ)が内分泌ないぶんぴつ障害しょうがい由来ゆらいであると主張しゅちょうした[12]慢性まんせいがたのヘブラ紅色こうしょくしいなぬか疹についてはJadassohnが結核けっかくとの関連かんれんせい強調きょうちょうし、結核けっかくせいべにかわしょうであるとしたが[3]土肥どい老人ろうじんせい内分泌ないぶんぴつ障害しょうがい起因きいんする自家じか中毒ちゅうどく原因げんいんであると1930ねん発表はっぴょうしている[13]。またMontgomery(モンゴメリー)はヘブラ紅色こうしょくしいなぬか疹の症例しょうれいには白血病はっけつびょう悪性あくせいリンパ腫りんぱしゅとくきんじょういきにくしょうともな症例しょうれいおお存在そんざいすると1933ねん論文ろんぶんにおいて指摘してき[3]、Sézary(セザリー)による1938ねんセザリー症候群しょうこうぐん報告ほうこく[14]をはじめ、おおくの研究けんきゅうしゃ血液けつえき悪性あくせい腫瘍しゅようべにかわしょう関連かんれんせい報告ほうこくしてJadassohnが主張しゅちょうしたヘブラ紅色こうしょくしいなぬか疹=結核けっかくという図式ずしきたいして反論はんろんした[13]。こうしてBrocqによるべにかわしょう分類ぶんるい発表はっぴょう以降いこうだい世界せかい大戦たいせんまでのあいだべにかわしょうについてはかく原発げんぱつせいべにかわしょう病因びょういんたいする様々さまざま議論ぎろんひろげられた。

ところがだい世界せかい大戦たいせんべにかわしょう概念がいねんめぐ研究けんきゅう議論ぎろん一変いっぺんする。すなわち1950年代ねんだい以降いこうべにかわしょう原発げんぱつせい続発ぞくはつせいの2つに大別たいべつする従来じゅうらいのBrocqによる分類ぶんるい自体じたいたいして異論いろん続々ぞくぞく提出ていしゅつされるようになった。1956ねん小嶋こじま理一りいち急性きゅうせいがた慢性まんせいがたでは前駆ぜんく病変びょうへんとして限局げんきょくせい湿疹しっしんさま変化へんか所見しょけんとしておおみとめられることを指摘してき[15]急性きゅうせいがた慢性まんせいがた臨床りんしょうてき区別くべつするのは不可能ふかのうであると主張しゅちょうした[16]。2ねん1958ねんにはHerzberg(ヘルツバーグ)がべにかわしょうかんする論文ろんぶん発表はっぴょう。このなかべにかわしょう多様たよう原因げんいんによってこる皮膚ひふ反応はんのうであり、原発げんぱつせい続発ぞくはつせい分類ぶんるいするのは無意味むいみとした。そのうえべにかわしょう分類ぶんるい再編さいへんして原発げんぱつせいの3疾患しっかん独立どくりつさせ、これにしょう水疱すいほう浮腫ふしゅせいべにかわしょう老人ろうじんせいべにかわしょうという概念がいねん新設しんせつ、さらに新生児しんせいじべにかわしょうとしてライネル落屑せいべにかわしょう新生児しんせいじ剥脱はくだつせい皮膚ひふえんくわえ、Hill(ヒル)によって報告ほうこくされたアトピーせいべにかわしょうとBrocqが報告ほうこくした先天せんてんせい魚鱗ぎょりん癬様べにかわしょうの4つを分類ぶんるいした[8]

Herzbergによるべにかわしょう分類ぶんるい(1958ねん[8]
分類ぶんるい 疾患しっかん
ヘブラ - ヤダーソン紅色こうしょくしいなぬか疹型べにかわしょう
老人ろうじんせいべにかわしょう
ウィルソン - ブロック剥脱はくだつせい皮膚ひふえんがたべにかわしょう
フェレオール - ベニエ再発さいはつせい猩紅熱しょうこうねつさまべにむらがたべにかわしょう
しょう水疱すいほう浮腫ふしゅせいべにかわしょう
新生児しんせいじべにかわしょう ライネル落屑せいべにかわしょう
リッター新生児しんせいじ剥脱はくだつせい皮膚ひふえん
アトピーせいべにかわしょう
先天せんてんせい魚鱗ぎょりん癬様べにかわしょう

Herzbergの主張しゅちょうおおくの賛同さんどう、Abraham(アブラハム)は1963ねん論文ろんぶんにおいて原発げんぱつせいの3疾患しっかん病名びょうめい廃止はいしすべきであると主張しゅちょうするにいたった[8]1965ねんはいると栗原くりはら善夫よしおべにかわしょう発症はっしょう準備じゅんびせいという概念がいねん発表はっぴょうし、そのなか湿疹しっしん炎症えんしょうせいかくしょう感染かんせんしょう悪性あくせい腫瘍しゅようなどが長期間ちょうきかん慢性まんせい経過けいかするにれてプラスミンやアンチプラスミンなどのせん溶系因子いんし変化へんかしょうじ、そこになんらかの「がね」がくわわることでせん溶系が亢進こうしんし、全身ぜんしん皮膚ひふ急速きゅうそく炎症えんしょう反応はんのうしょうじてべにかわしょう発症はっしょうさせるという仮説かせつ提示ていじした[17]。しかしながらべにかわしょう発症はっしょうする明確めいかくなメカニズムはいま解明かいめいされていない[18]

いずれにしてもべにかわしょうはHerzbergの見解けんかい趨勢すうせいとなり、現在げんざいいたる。なお、1955ねんには霜田しもだしゅんまるにより術後じゅつごべにかわしょうだい1れい報告ほうこくされ[19]1979ねんにはふとしふじ重夫しげおによりおか疹 - べにかわしょうというあたらしい疾患しっかん概念がいねん報告ほうこくされている[20]

原発げんぱつせいべにかわしょう

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Brocqが分類ぶんるいした原発げんぱつせいべにかわしょう7疾患しっかんのうち、以下いかの3疾患しっかんおお使用しようされていた。しかし先述せんじゅつとおべにかわしょう各種かくしゅ疾患しっかんともな皮膚ひふ反応はんのうであるというHerzbergの見解けんかい絶対ぜったいてき趨勢すうせいになるにしたがい、これらの疾患しっかんめい原発げんぱつせいべにかわしょうという分類ぶんるいとも廃語はいご同然どうぜんとなった。皮膚ひふ関連かんれん文献ぶんけん専門せんもんしょにおいても、これらの疾患しっかんめい掲載けいさいされることはない。ただし日本にっぽんにおいてはヘブラ紅色こうしょくしいなぬか疹のみ、全身ぜんしんせい副腎ふくじん皮質ひしつステロイドざい適応てきおう疾患しっかんとして名称めいしょうのこっており、健康けんこう保険ほけん適用てきようされる[21]

再発さいはつせい落屑せい猩紅熱しょうこうねつさまべにまだら

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同義語どうぎごとして急性きゅうせい原発げんぱつせいべにかわしょうがある[6]発熱はつねつ悪寒おかん全身ぜんしん倦怠けんたいかんなどの前駆症状ぜんくしょうじょう頭痛ずつう嘔吐おうとなどをともない、前駆症状ぜんくしょうじょう出現しゅつげんの2、3にちよりべにまだらしょうじる。最初さいしょ限局げんきょくせいべにまだらはやくて数時間すうじかんおそくとも2、3にちには全身ぜんしんひろしはっし、猩紅熱しょうこうねつ類似るいじした鮮紅せんこうしょくべにまだら全身ぜんしんへと拡大かくだいする。全身ぜんしん拡大かくだいしたべにまだらは3、4にちするとちょあかりに落屑し、おおむね2しゅうから3しゅう経過けいか軽快けいかいする。掻痒そうよう灼熱しゃくねつかん粘膜ねんまく病変びょうへん軽微けいびであり、脱毛だつもうつめ変化へんかまれであるものの再発さいはつかえすことが最大さいだい特徴とくちょうである。猩紅熱しょうこうねつとのちがいはイチゴしたくちかこえ蒼白そうはくがないことである。合併症がっぺいしょうとして肺炎はいえん気管支炎きかんしえん皮下ひか出血しゅっけつ血尿けつにょう蛋白たんぱく尿にょうなどをともなうこともあるがはウィルソン・ブロックくれないかわしょうやヘブラ紅色こうしょくしいなぬか疹にくら良好りょうこうで、通常つうじょう生命せいめいへの危険きけんはない[22]

ウィルソン・ブロックくれないかわしょう

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Wilsonの急性きゅうせいひろしはつせい剥脱はくだつせい皮膚ひふえんがこれにたり、べにかわしょう分類ぶんるいはじめてったBrocqの名前なまえ追加ついかしてこの病名びょうめいとなった。中年ちゅうねん以降いこう男性だんせいおお発症はっしょうする。再発さいはつせい落屑せい猩紅熱しょうこうねつさまべにむら同様どうよう発熱はつねつ全身ぜんしん倦怠けんたいかん嘔吐おうとなどの前駆症状ぜんくしょうじょうしょうじたのち関節かんせつこごめめん初発しょはつとして鮮紅せんこうしょくべにまだらおおむね1、2カ月かげつ経過けいか次第しだい全身ぜんしんへと拡大かくだいする。ただしあし頭部とうぶには病変びょうへんおよばないこともある。全身ぜんしんべにまだら拡大かくだいして1、2しゅうより大葉おおばじょうの落屑が多量たりょうしょうじてくる。自覚じかく症状しょうじょうとしてはちょあかり掻痒そうようがあり、あまりのはげしさに夜間やかん不眠ふみんしょうじることもまれではない。また脱毛だつもうつめ変形へんけい脱落だつらく、さらには無痛むつうせいリンパぶし腫脹しゅちょう下痢げり蛋白たんぱく尿にょう併発へいはつする。ぜん経過けいかは3カ月かげつから8カ月かげつにおよび、末期まっきには昏睡こんすいおちい死亡しぼうすることもある。死亡しぼうりつは10パーセント程度ていどとされる[23][24]

ヘブラ紅色こうしょくしいなぬか

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慢性まんせいがた原発げんぱつせいべにかわしょうとして分類ぶんるいされた。40さい以降いこうとく高齢こうれいしゃおお発症はっしょうする。ぜんしゃことなり発熱はつねつ全身ぜんしん倦怠けんたいかんなどの前駆症状ぜんくしょうじょうともなわず、関節かんせつこごめめん陰部いんぶ四肢しし末端まったん初発しょはつとするべにまだら次第しだいからだみきかってすうげつからとし単位たんいという緩慢かんまん経過けいか拡大かくだいする。落屑は比較的ひかくてきはや段階だんかいからられ、べにまだら色調しきちょう鮮紅せんこうしょくから次第しだい色素しきそ沈着ちんちゃくびてくら赤色あかいろとなり、末期まっきにはどすぐろ変化へんかする。さらに皮膚ひふ萎縮いしゅくくわわり皮膚ひふ光沢こうたくていし、きたならしい外観がいかんとなる。随伴ずいはん症状しょうじょうとしては特有とくゆう不快ふかい悪寒おかんあせ分泌ぶんぴつ低下ていか鼠径そけいリンパぶし無痛むつうせい腫脹しゅちょう頭部とうぶはじ腋毛わきげ陰毛いんもう脱毛だつもうつめ変形へんけいられ、顔面がんめん皮膚ひふ萎縮いしゅくともな眼瞼がんけんそとはん開口かいこう障害しょうがい表情ひょうじょう運動うんどう制限せいげんあし底部ていぶ皮膚ひふ萎縮いしゅくともな歩行ほこう障害しょうがいていすることもある。掻痒そうようはウィルソン・ブロックくれないかわしょう同様どうよう高度こうどで、やはりはげしいかゆみにともな不眠ふみん誘発ゆうはつするほか掻破により感染かんせんたし、伝染でんせんせいうみかさぶた皮下ひか膿瘍のうよう合併がっぺいしやすい。末期まっきにはかん障害しょうがいじん障害しょうがい合併がっぺいして次第しだい衰弱すいじゃくし、いたることもある。死亡しぼうりつはやはりウィルソン・ブロックくれないかわしょう同様どうように10パーセント程度ていどである[25][26]

ウィルソン・ブロックくれないかわしょうとヘブラ紅色こうしょくしいなぬか疹については小嶋こじまやHerzbergなど原発げんぱつせいべにかわしょう存在そんざいたい疑義ぎぎていした研究けんきゅうしゃから両者りょうしゃ異同いどう疑問ぎもんされており、栗原くりはらはヘブラ紅色こうしょくしいなぬか疹の報告ほうこくれいおおくは経過けいか観察かんさつからウィルソン・ブロックくれないかわしょうぞくすると指摘してきした。そして小嶋こじまりょう疾患しっかんには前駆ぜんく病変びょうへんとして湿疹しっしんせい変化へんかがあることを見出みいだし、そのりょう疾患しっかん湿疹しっしん続発ぞくはつせいべにかわしょう後述こうじゅつ)に包括ほうかつされるという見解けんかい支配しはいてきとなった。ただし一部いちぶ学者がくしゃからはヘブラ紅色こうしょくしいなぬか疹についてその特異とくい症状しょうじょう経過けいかから独立どくりつ疾患しっかんにすべきとする意見いけんもある[17][27]

その疾患しっかん概念がいねん

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原発げんぱつせいべにかわしょう包括ほうかつされていた上記じょうき3疾患しっかん以外いがいにも下記かきの2疾患しっかんべにかわしょう一種いっしゅとして一時期いちじきには専門せんもんしょ掲載けいさいされていたが、原発げんぱつせいべにかわしょう同様どうよう廃語はいごひとしくなっている。

しょう水疱すいほう浮腫ふしゅせいべにかわしょう

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急性きゅうせいべにかわしょうの1がたとしてHerzbergが提唱ていしょうした疾患しっかん概念がいねんである。原発げんぱつせいべにかわしょう3疾患しっかんことなり前腕ぜんわんこう四肢しし限局げんきょくせいべにまだらしょうじたのちしょう水疱すいほう膿疱のうほうしょうじ、急速きゅうそく全身ぜんしん浮腫ふしゅじょうべにまだらとなって拡大かくだいする。その経過けいか多様たようであり、全身ぜんしんしょう水疱すいほう多発たはつして落屑をたし、関節かんせつこごめめんには湿潤しつじゅんうみかさぶた疹様の変化へんかしょうじるほかした発赤はっせき口角こうかく亀裂きれつ眼瞼がんけんがいたんなどをたすケースもあれば浮腫ふしゅじょうべにまだら持続じぞくしたのちに落屑をたし、とく手足てあしでは手袋てぶくろじょうおおきな落屑をたすケースもある。全身ぜんしん症状しょうじょうとしては高熱こうねつ悪寒おかんちょあかり掻痒そうよう無痛むつうせいのリンパぶし腫脹しゅちょうとぼし尿にょう貧血ひんけつてい蛋白たんぱくしょうなどがしょうじる。抗生こうせい物質ぶっしつペニシリンストレプトマイシン)や梅毒ばいどく治療ちりょうやくとして使用しようされていたサルバルサンによる急性きゅうせい砒素ひそ中毒ちゅうどく原因げんいんとしてげられ、べにかわしょうがたくすり後述こうじゅつ)の一種いっしゅとみられる。とくにサルバルサンが原因げんいんのものでは10パーセント程度ていど致死ちしりつである[28]

流行りゅうこうせい剥脱はくだつせい皮膚ひふえん

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原発げんぱつせいべにかわしょう概念がいねん登場とうじょうする以前いぜんに、べにかわしょう一種いっしゅとして報告ほうこくされた疾患しっかん流行りゅうこうせい剥脱はくだつせい皮膚ひふえんがあった。詳細しょうさい症例しょうれい報告ほうこくしたSavilはこの疾患しっかんについて以下いかのようにべている。症状しょうじょうとしては急性きゅうせい発症はっしょうであり、顔面がんめん頭部とうぶうで初発しょはつとする対称たいしょうせいべにむらおか疹が融合ゆうごう拡大かくだいしてひろしはつべにかわしょういたるとした。落屑は早期そうきよりはじまり、4しゅうから5しゅうほど継続けいぞくおおむね6しゅうから8しゅう軽快けいかいするが、頸部リンパぶし腫脹しゅちょう末期まっきにはつめ変形へんけい脱毛だつもうられ、また軽快けいかいしても再発さいはつしやすいという特徴とくちょうがあると報告ほうこくしている。しかし同様どうよう報告ほうこく以後いご存在そんざいせず、BrocqやHerzbergのべにかわしょう分類ぶんるいにも掲載けいさいされていないため、疾患しっかん存在そんざい有無うむふく本態ほんたい不明ふめいなままである[5]

種類しゅるい

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べにかわしょう発症はっしょうさせる疾患しっかん多岐たきにわたり、下表かひょうげる疾患しっかん原因げんいんとしてられている。このうち皮膚ひふ疾患しっかん続発ぞくはつするべにかわしょう全体ぜんたいの50 - 60パーセントをめる。ただし原因げんいん不明ふめいべにかわしょう存在そんざいする。

べにかわしょう原因げんいん疾患しっかん詳細しょうさい本文ほんぶん参照さんしょう
基礎きそ疾患しっかん 分類ぶんるい おも疾患しっかん
湿疹しっしん皮膚ひふえんぐん 慢性まんせい湿疹しっしんひろしはつせい湿疹しっしん接触せっしょく皮膚ひふえんアトピーせい皮膚ひふえんあぶらせい皮膚ひふえん自家じかかんさくせい皮膚ひふえん
かくしょう 炎症えんしょうせいかくしょう 乾癬かんせん尋常じんじょうせい乾癬かんせん関節かんせつしょうせい乾癬かんせん急性きゅうせいひろしはつせい膿疱のうほうせい乾癬かんせん)、扁平へんぺいこけ毛孔けあなせい紅色こうしょくしいなぬか
遺伝いでんせいかくしょう 先天せんてんせい魚鱗ぎょりん癬様べにかわしょう水疱すいほうがた水疱すいほうがた)、魚鱗ぎょりん症候群しょうこうぐん(シェーグレン・ラルソン症候群しょうこうぐん、ネザートン症候群しょうこうぐん、ラッド症候群しょうこうぐん、KID症候群しょうこうぐん
光線こうせん過敏かびんしょう 慢性まんせい光線こうせん過敏かびんせい皮膚ひふえん光線こうせんせいるいほそもうしょう
免疫めんえき異常いじょう 自己じこ免疫めんえき疾患しっかん 落葉らくようじょうてん疱瘡ほうそう水疱すいほうせいるいてん疱瘡ほうそう、ジューリング疱疹じょう皮膚ひふえん全身ぜんしんせいエリテマトーデス皮膚ひふ筋炎きんえん
生体せいたい拒絶きょぜつ反応はんのう 輸血ゆけつ移植いしょくへんたい宿主しゅくしゅびょう
免疫めんえき不全ふぜん疾患しっかん 重症じゅうしょうふくあい免疫めんえき不全ふぜんしょう(オーメン症候群しょうこうぐん)、ライネル落屑せいべにかわしょう
代謝たいしゃ異常いじょうしょう ビタミンBぐん欠乏症けつぼうしょう先天せんてんせいビオチン代謝たいしゃ異常いじょうしょう
感染かんせんしょう 細菌さいきん感染かんせんしょう ブドウ球菌きゅうきんせい熱傷ねっしょうさま皮膚ひふ症候群しょうこうぐんトキシックショック症候群しょうこうぐんトキシックショックさま症候群しょうこうぐん猩紅熱しょうこうねつ結核けっかく
きん感染かんせんしょう 急性きゅうせいひろしはつせいひょうざいせい白癬はくせんカンジダしょう
ウイルス感染かんせんしょう 麻疹ましん風疹ふうしん
寄生虫きせいちゅう感染かんせんしょう かくがた疥癬かいせん
中毒ちゅうどくせい疾患しっかん くすりべにかわしょうがたやく疹、薬剤やくざいせい過敏かびんしょう症候群しょうこうぐん薬剤やくざい誘発ゆうはつせいにせリンパ腫りんぱしゅなど)、重金属じゅうきんぞく急性きゅうせい水銀すいぎん中毒ちゅうどく急性きゅうせい砒素ひそ中毒ちゅうどくなど)、感染かんせんしょう一部いちぶ
悪性あくせい腫瘍しゅよう 白血病はっけつびょう 急性きゅうせい骨髄こつづいせい白血病はっけつびょう急性きゅうせいリンパせい白血病はっけつびょう急性きゅうせいたんたませい白血病はっけつびょう慢性まんせい骨髄こつづいせい白血病はっけつびょう慢性まんせいリンパせい白血病はっけつびょう
悪性あくせいリンパ腫りんぱしゅ きんじょういきにくしょうセザリー症候群しょうこうぐん成人せいじんT細胞さいぼう白血病はっけつびょう/リンパ腫りんぱしゅ血管けっかん免疫めんえきだませいT細胞さいぼうリンパ腫りんぱしゅホジキンびょう
がん 胃癌いがん食道しょくどうがん大腸だいちょうがん肝臓かんぞうがん前立腺ぜんりつせんがん肺癌はいがん膵臓すいぞうがん膀胱ぼうこうがんなど

原因げんいん疾患しっかんにより症状しょうじょう程度ていどことなるが、共通きょうつうする症状しょうじょうとしては皮膚ひふでは全身ぜんしんしおべにと落屑、脱毛だつもうつめ変化へんかがあり、これにくわ発熱はつねつ悪寒おかん全身ぜんしん倦怠けんたいかん皮膚ひふびょうせいリンパぶししょうばれる無痛むつうせいリンパぶし腫脹しゅちょうといった全身ぜんしん症状しょうじょう、落屑や浮腫ふしゅ随伴ずいはんする電解でんかいしつ異常いじょうてい蛋白たんぱくしょう、掻破や全身ぜんしん状態じょうたい悪化あっかなどによるあさざいせいふかざいせい感染かんせんなどを併発へいはつすることがある[18][29]べにかわしょう一般いっぱんてき病理びょうり所見しょけんとしては表皮ひょうひ肥厚ひこう真皮しんぴへのリンパだま浸潤しんじゅん錯角さっかくといったものがられ、検査けんさ所見しょけんとしては末梢まっしょう白血球はっけっきゅうかずぞうこうさんだまぞうCRP上昇じょうしょうLDH上昇じょうしょうなどがられることがおお[30]

湿疹しっしん続発ぞくはつせいべにかわしょう

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べにかわしょう原因げんいんとしてはもっとおおく、皮膚ひふ疾患しっかん続発ぞくはつせいべにかわしょうなかめる割合わりあいは55 - 75パーセントにのぼ[18]原因げんいん疾患しっかんとしては慢性まんせい湿疹しっしんひろしはつれい接触せっしょく皮膚ひふえんアトピーせい皮膚ひふえん(アトピーせいべにかわしょう)、あぶらせい皮膚ひふえん自家じかかんさくせい皮膚ひふえんなどがあり、いずれも治療ちりょうをせずに放置ほうちしたり、あやまった治療ちりょうほう不適切ふてきせつ民間みんかん療法りょうほう温泉おんせん療法りょうほうなどによって湿疹しっしん悪化あっかひろしはつしてべにかわしょう進展しんてんする[29]男女だんじょは2 - 3:1で男性だんせいおおい。アトピーせい皮膚ひふえんともなうアトピーせいべにかわしょう小児しょうにおおいが、それ以外いがい場合ばあい中高年ちゅうこうねんおおい。このうちHerzbergが提唱ていしょうした老人ろうじんせいべにかわしょう湿疹しっしん続発ぞくはつせいべにかわしょうの1がたとみなされる[18]湿疹しっしん続発ぞくはつせい場合ばあい掻痒そうようはげしく、浮腫ふしゅうしおくれないといった炎症えんしょう症状しょうじょうつよい。症状しょうじょう進行しんこうすると次第しだい色素しきそ沈着ちんちゃく皮膚ひふ萎縮いしゅくともない、多彩たさい皮膚ひふばれる皮膚ひふ病変びょうへん終末しゅうまつ状態じょうたいおちいるが、この場合ばあい従来じゅうらいのヘブラ紅色こうしょくしいなぬか疹に相当そうとうする症状しょうじょうていする[31]

ライネル落屑せいべにかわしょう

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オーメン症候群しょうこうぐんともなべにかわしょう

1907ねんにLeinerがはじめて報告ほうこくしたべにかわしょうで、乳児にゅうじ落屑せいべにかわしょうともばれる。生後せいご6カ月かげつまでの乳児にゅうじとく母乳ぼにゅう栄養えいようおおいとされ、頭部とうぶまたは肛門こうもん周囲しゅうい初発しょはつとするあぶらせい病変びょうへんから次第しだい顔面がんめんからだみきむかって症状しょうじょう拡大かくだいする。べにかわしょう拡大かくだい随伴ずいはんして粘液ねんえきじった緑色みどりいろみずさま下痢げり嘔吐おうとといった消化しょうか症状しょうじょう貧血ひんけつこり、症状しょうじょう遷延せんえんすると体重たいじゅう減少げんしょう発育はついく障害しょうがいたす。掻痒そうようやリンパぶし腫脹しゅちょう軽度けいどであるが免疫めんえき不全ふぜんともない、カンジダしょうなどを併発へいはつすることがある[32][33][34]

LeinerやHerzbergはほんしょう乳児にゅうじあぶらせい皮膚ひふえんひろしはつによるものとし、本態ほんたいビタミンBぐん欠乏症けつぼうしょうもとめたがその免疫めんえき不全ふぜん本態ほんたいもとめる意見いけんつよくなった。このなかたいだい5成分せいぶん (C5) の機能きのう不全ふぜんともな貪食どんしょくのう低下ていか起因きいんする免疫めんえき不全ふぜんせつ一時期いちじき有力ゆうりょくとなっていたが、実態じったいはより様々さまざま免疫めんえき不全ふぜんしょう合併がっぺいしていることが判明はんめいしてきた。また遺伝いでんせい証明しょうめいする症例しょうれい報告ほうこくされており、本態ほんたい遺伝いでんせいはつせい原発げんぱつせい免疫めんえき不全ふぜん症候群しょうこうぐんともな重症じゅうしょう乳児にゅうじあぶらせい皮膚ひふえんであるとの見解けんかいつよい。ビタミンBぐん投与とうよ人工じんこう栄養えいようへのえが古典こてんてき治療ちりょうほうであり、良好りょうこうとされていたが本態ほんたい次第しだいあきらかになるにれて不良ふりょうれいおおくなっている。治療ちりょうとしては免疫めんえき不全ふぜんともな日和見ひよりみ感染かんせんしょうたいする抗生こうせい物質ぶっしつこうきんざいなどの投与とうよのほか、新鮮しんせん凍結とうけつ血漿けっしょうぜん輸血ゆけつ有効ゆうこうれいがある[32][33][34]。なお、ほんしょう類似るいじした疾患しっかんとしてつね染色せんしょくたい劣性れっせい遺伝いでんによる先天せんてんせいビオチン代謝たいしゃ異常いじょうしょうがあり、早期そうきビオチン投与とうよすれば良好りょうこうである[35]。また免疫めんえき不全ふぜんともなべにかわしょうとしてはオーメン症候群しょうこうぐんという疾患しっかんがある。重症じゅうしょうふくあい免疫めんえき不全ふぜんしょういちびょうがたとされるほんしょうつね染色せんしょくたい劣性れっせい遺伝いでんにより発症はっしょうし、べにかわしょうくわえリンパぶし腫脹しゅちょうきも脾腫こうさんだまぞうこうIgEしょうともな[36]

おか疹 - べにかわしょう

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1979ねんふとしふじ重夫しげおによりおか疹 - べにかわしょう症候群しょうこうぐんはじめて報告ほうこくされ、1981ねんには小嶋こじま理一りいちによりこけ癬様続発ぞくはつせいべにかわしょう報告ほうこくされたが、皮膚ひふ症状しょうじょう主体しゅたいであることからたいふじは1984ねんおか疹 - べにかわしょう改名かいめいし、名称めいしょう一本いっぽんされた。高齢こうれいしゃおおく、Herzbergの老人ろうじんせいべにかわしょう湿疹しっしん続発ぞくはつせいべにかわしょうとの異同いどう議論ぎろんされている。べに褐色かっしょくこけ癬状おか疹として発症はっしょうし、それらが融合ゆうごうして次第しだい全身ぜんしん拡大かくだいべにかわしょうとなる。ただし顔面がんめん関節かんせつこごめめん腋窩えきか腹部ふくぶしわになる部分ぶぶんしおべにせず健常けんじょう皮膚ひふしょく残存ざんそんするdeck - cheir signとばれる所見しょけんられる。掻痒そうよう無痛むつうせいリンパぶし腫脹しゅちょうはあるがべにかわしょう一般いっぱんられる発熱はつねつなどの全身ぜんしん症状しょうじょうく。検査けんさ所見しょけんとしては末梢まっしょうこうさんだまぞうしょうられ、組織そしき所見しょけんでも真皮しんぴにおいて血管けっかん周囲しゅういこうさんだま浸潤しんじゅんみとめられるなどこうさんだま主体しゅたい所見しょけん特徴とくちょうである。ステロイド外用がいようざい反応はんのうし、経過けいか通常つうじょう1ねんないしすうねん軽快けいかい治癒ちゆする。ただしほんしょうもっと重要じゅうようなのは患者かんじゃの30パーセント程度ていど内臓ないぞう悪性あくせい腫瘍しゅよう合併がっぺいられ、内臓ないぞう悪性あくせい腫瘍しゅようデルマドロームとしてられる後天こうてんせいてのひら蹠角しょう合併がっぺいすることもあり、内臓ないぞう病変びょうへん検索けんさくおこなうことが必要ひつようとなる[37][20]合併がっぺいする悪性あくせい腫瘍しゅようとしては胃癌いがん食道しょくどうがん大腸だいちょうがん前立腺ぜんりつせんがんなど多彩たさいであり、腫瘍しゅよう合併がっぺいれいでは治療ちりょう再発さいはつ一致いっちして症状しょうじょう消長しょうちょうすることがおお[38]

皮膚ひふ疾患しっかん続発ぞくはつせいべにかわしょう

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湿疹しっしん皮膚ひふえんぐん以外いがい皮膚ひふ疾患しっかん悪化あっかすることによって発症はっしょうするべにかわしょうである。原因げんいん疾患しっかんとしては以下いかとおり。

炎症えんしょうせいかくしょう

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炎症えんしょうせいかくしょうによるべにかわしょう原因げんいんとして最多さいたなのは乾癬かんせんであり、乾癬かんせんせいべにかわしょうばれる。湿疹しっしん皮膚ひふえんぐんのぞいた皮膚ひふ疾患しっかん続発ぞくはつするべにかわしょう原因げんいん疾患しっかんとしては半数はんすう以上いじょうめる[30]乾癬かんせん患者かんじゃすうパーセント程度ていど発症はっしょうし、尋常じんじょうせい乾癬かんせん関節かんせつしょうせい乾癬かんせん急性きゅうせいひろしはつせい膿疱のうほうせい乾癬かんせんから移行いこうする。発症はっしょう要因よういんとしては細菌さいきん感染かんせん過度かどPUVA療法りょうほうのほか強力きょうりょくなステロイド外用がいようざい経口けいこうステロイドざい投与とうよ中止ちゅうし発症はっしょうすることもある。このため副腎ふくじん皮質ひしつステロイドざい全身ぜんしん投与とうよ尋常じんじょうせい乾癬かんせん治療ちりょう使用しようされることはない。症状しょうじょうとしては一般いっぱんべにかわしょう大差たいさないが、体温たいおん調節ちょうせつ異常いじょうともなうことがある[39]。また、HIV感染かんせんしょうともな乾癬かんせん重症じゅうしょうやすく、べにかわしょう併発へいはつしやすい[40]

乾癬かんせん以外いがいでは扁平へんぺいこけ毛孔けあなせい紅色こうしょくしいなぬか疹でべにかわしょうこすことがあるが、毛孔けあなせい紅色こうしょくしいなぬか疹では1998ねんにGriffiths(グリフィス)が分類ぶんるいしたやまいがた分類ぶんるいのうち1がた成人せいじん発症はっしょう古典こてんがた)と2がた成人せいじん発症はっしょう古典こてんがた)においてべにかわしょうへの移行いこうれいおおい。ほんしょう続発ぞくはつべにかわしょうではしおあかした全身ぜんしん皮膚ひふ一部いちぶ境界きょうかいがはっきりした健常けんじょう皮膚ひふしまのように分布ぶんぷすることが特徴とくちょうである[41]

遺伝いでんせいかくしょう

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1902ねんにBrocqによって報告ほうこくされた先天せんてんせい魚鱗ぎょりん癬様べにかわしょう代表だいひょうかくである。おもつね染色せんしょくたい優性ゆうせい遺伝いでん形式けいしきをとる水疱すいほうがた先天せんてんせい魚鱗ぎょりん癬様べにかわしょう表皮ひょうひ融解ゆうかいせい魚鱗ぎょりん癬)と、つね染色せんしょくたい劣性れっせい遺伝いでん形式けいしきをとる水疱すいほうがた先天せんてんせい魚鱗ぎょりん癬様べにかわしょう大別たいべつされる。いずれも出生しゅっしょうより全身ぜんしんしおべにを以ってはじまり、水疱すいほうがたではコロジオンばれる全身ぜんしんうすまくじょうかく物質ぶっしつおおわれた状態じょうたい出生しゅっしょうし、剥離はくりするにしたがうしおくれないと落屑がしょうじる。また水疱すいほうがたでは軽度けいど眼瞼がんけんがいはん口唇こうしんがいはんしょうじることもある。成長せいちょうするにしたがかく顕著けんちょになり水疱すいほうがたでは煉瓦れんがじょうあつかく関節かんせつなどにられる。ただし知能ちのう障害しょうがい発育はついく障害しょうがい通常つうじょうられない。水疱すいほうがたがたであるシーメンスがた水疱すいほうせい魚鱗ぎょりん癬(おもてざいせい表皮ひょうひ融解ゆうかいせい魚鱗ぎょりん癬)や水疱すいほうがたがたである葉状ようじょう魚鱗ぎょりん癬では、べにかわしょう所見しょけんられない[42][43]

また魚鱗ぎょりん癬に知能ちのう障害しょうがいかく臓器ぞうき組織そしき異常いじょうともな魚鱗ぎょりん症候群しょうこうぐんにおいてもべにかわしょう発症はっしょうする。おも疾患しっかんとして知能ちのう障害しょうがいと痙性四肢しし麻痺まひともなうシェーグレン・ラルソン症候群しょうこうぐんアトピー素因そいん結節けっせつせいきれしょうなどをともなうネザートン症候群しょうこうぐんてんかん知能ちのう障害しょうがい性腺せいせん発育はついく不全ふぜんなどをともなうラッド症候群しょうこうぐん血管けっかん増殖ぞうしょくせい角膜かくまくえん魚鱗ぎょりん癬様べにかわしょうかんおんせい難聴なんちょうさんしるしとするKID症候群しょうこうぐんなどがある[32][43]

光線こうせん過敏かびんしょう

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光線こうせん過敏かびんしょうでは慢性まんせい光線こうせん過敏かびんせい皮膚ひふえんべにかわしょうをひきおこす。とく皮膚ひふ末梢まっしょうことがたリンパだま増殖ぞうしょくし、悪性あくせいリンパ腫りんぱしゅ類似るいじした臨床りんしょう所見しょけん組織そしき所見しょけんていする慢性まんせい光線こうせん過敏かびんせい皮膚ひふえんがた光線こうせんせいるいほそもうしょうべにかわしょうていしやすい。中高年ちゅうこうねん発症はっしょうし、露光ろこう皮膚ひふのみならず衣服いふくかくれた部分ぶぶん皮膚ひふにもUVAUVB、さらには可視かし光線こうせんによる日光にっこう皮膚ひふえん症状しょうじょうこし、ぶし関係かんけいなく遷延せんえんする。悪性あくせいリンパ腫りんぱしゅとの鑑別かんべつでは光線こうせん過敏かびん有無うむT細胞さいぼう受容じゅようたい遺伝子いでんしさい構成こうせい有無うむなどが重要じゅうようとなる。徹底的てっていてき遮光しゃこう肝要かんようである[44]

自己じこ免疫めんえき疾患しっかん

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自己じこ免疫めんえき疾患しっかんではてん疱瘡ほうそう一種いっしゅ落葉らくようじょうてん疱瘡ほうそうべにかわしょうをひきおこす代表だいひょうれいであり、剥脱はくだつせいてん疱瘡ほうそう別名べつめいがある。表皮ひょうひ細胞さいぼう同士どうし接着せっちゃくするじょう重要じゅうよう役割やくわりにな分子ぶんし・デスモグレインのうち皮膚ひふ主体しゅたい分布ぶんぷするデスモグレイン1にたいして、IgG自己じこ抗体こうたいこうデスモグレインIgG自己じこ抗体こうたい)が機能きのう阻害そがいすることで表皮ひょうひ細胞さいぼう接着せっちゃく無効むこうされ水疱すいほうびらん形成けいせいする。40さいだいから50さいだい発症はっしょうし、弛緩しかんせい水疱すいほう顔面がんめん初発しょはつとして次第しだい頭部とうぶ胸部きょうぶ背部はいぶといったあぶら部位ぶい多発たはつする。水疱すいほうやぶれやすく、やぶれたのち乾燥かんそうして落屑する。こうした病変びょうへんしゅう単位たんいまたはつき単位たんい全身ぜんしん拡大かくだいひろしはつしてべにかわしょう状態じょうたいとなるが、ほんしょう場合ばあい経過けいか長期ちょうきすると鱗屑りんせつあつ固着こちゃくしてかくしょう外観がいかんとなる。また皮膚ひふこすると水疱すいほう形成けいせいされるニコルスキー現象げんしょう陽性ようせいとなるのもほんしょう特徴とくちょうであるが、尋常じんじょうせいてん疱瘡ほうそうことなり粘膜ねんまく病変びょうへんきわめてまれである[45][46][47]

このほか水疱すいほうしょうでは水疱すいほうせいるいてん疱瘡ほうそうやジューリング疱疹じょう皮膚ひふえんでもべにかわしょう発症はっしょうさせることがあるほか、にかわばらびょうでは全身ぜんしんせいエリテマトーデス皮膚ひふ筋炎きんえんべにかわしょう併発へいはつすることがある[48]

皮膚ひふ感染かんせんしょう

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細菌さいきんきん、ウイルスなどによる皮膚ひふ感染かんせんしょう続発ぞくはつするべにかわしょう存在そんざいする。ただし細菌さいきんやウイルスによるものは微生物びせいぶつ由来ゆらい毒素どくそ発症はっしょう関与かんよすることから、中毒ちゅうどくせいべにかわしょうとしての側面そくめん[48][49]

細菌さいきんせい皮膚ひふ感染かんせんしょうではブドウ球菌きゅうきん連鎖れんさ球菌きゅうきん感染かんせんしょう続発ぞくはつする。代表だいひょうてき疾患しっかんとしてブドウ球菌きゅうきん感染かんせんしょうではリッター新生児しんせいじ剥脱はくだつせい皮膚ひふえんとしてHerzbergのべにかわしょう分類ぶんるいにも掲載けいさいされたブドウ球菌きゅうきんせい熱傷ねっしょうさま皮膚ひふ症候群しょうこうぐん (SSSS) とトキシックショック症候群しょうこうぐん (TSS)、連鎖れんさ球菌きゅうきん感染かんせんしょうでは猩紅熱しょうこうねつおよびげきしょうがた溶血ようけつせい連鎖れんさ球菌きゅうきん感染かんせんしょうともばれるトキシックショックさま症候群しょうこうぐん (TSLS) などがある。SSSSやTSSは黄色おうしょくブドウ球菌きゅうきんさんせいする毒素どくそ発症はっしょう要因よういんとされSSSSではエンテロトキシン (ET) が局所きょくしょ化膿かのうせい病変びょうへんから全身ぜんしん散布さんぷされ、落葉らくようじょうてん疱瘡ほうそう同様どうようじょでデスモグレイン1を破壊はかいすることにより皮膚ひふ剥離はくりされる。またTSSは膿瘍のうよう化膿かのうせい骨髄こつづいえん術後じゅつご感染かんせんなどを契機けいきスーパー抗原こうげんであるTSST-1などの毒素どくそが、猩紅熱しょうこうねつでは上気じょうきどう感染かんせんしょうなどを契機けいきに、TSLSではとき要因よういん不明ふめいなまま連鎖れんさ球菌きゅうきんによる溶連菌ようれんきんせい発熱はつねつせいがい毒素どくそ (SPE) などが全身ぜんしん散布さんぷされて発症はっしょうする。いずれも発熱はつねつ全身ぜんしん倦怠けんたいかんなどの全身ぜんしん症状しょうじょうつよあらわれSSSSは新生児しんせいじ乳児にゅうじくちかこえなど顔面がんめんべにまだら初発しょはつとして急速きゅうそく全身ぜんしんべにむら水疱すいほう拡大かくだい、やがてシートじょうおおきな落屑をしょうじる。TSSでは高熱こうねつともな日光にっこう皮膚ひふえんさまべにかわしょうしゅう単位たんい全身ぜんしん拡大かくだいてい血圧けつあつ臓器ぞうき不全ふぜんともなう。TSLSでは高熱こうねつはげしい関節かんせつつう筋肉きんにくつうともないながら壊死えしせいすじまくえんべにかわしょう全身ぜんしん拡大かくだい臓器ぞうき不全ふぜんショックともなう。猩紅熱しょうこうねつでははじあお紅色こうしょくつづいて鮮紅せんこうしょくおか疹が次第しだい全身ぜんしん拡大かくだいして、4 - 5にちより落屑する[50]

きんせい皮膚ひふ感染かんせんしょうでは白癬はくせんとカンジダしょう続発ぞくはつするが、免疫めんえき不全ふぜん患者かんじゃ発症はっしょうすることがおおい。このうち白癬はくせんについては急性きゅうせいひろしはつせいひょうざいせい白癬はくせん慢性まんせいべにかわしょう要因よういんとしてられる。すなわち、あし白癬はくせん頭部とうぶ白癬はくせんからだ白癬はくせんまた白癬はくせんといった限局げんきょくせい白癬はくせん不適切ふてきせつ治療ちりょう長年ながねんにわたる放置ほうちなどで全身ぜんしん病変びょうへん拡大かくだいした状態じょうたい急性きゅうせいひろしはつせいひょうざいせい白癬はくせんであるが、通常つうじょうこうきんざい治療ちりょう反応はんのうする。しかしさらに放置ほうちしたり患者かんじゃ免疫めんえき不全ふぜん状態じょうたいにある場合ばあい慢性まんせいしてべにかわしょう状態じょうたいていする。さらに進行しんこうすると白癬はくせんなかではもっとおもあつひろしはつせい白癬はくせんきんせい肉芽にくがしゅという病態びょうたいおちいり、肉芽にくがしゅによる顔面がんめん口唇こうしんはなみみかい)の破壊はかいのうほね心臓しんぞうへの転移てんいにより不良ふりょうとなることもある[51][52][53]

このほか疥癬かいせん重症じゅうしょうがたであるかくがた疥癬かいせん(ノルウェー疥癬かいせん)、急性きゅうせいウイルスせい発疹はっしんしょうである麻疹ましん風疹ふうしん、および結核けっかくでもべにかわしょう続発ぞくはつさせることがある[48][54]

中毒ちゅうどくせいべにかわしょう

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いわゆる中毒ちゅうどく重症じゅうしょうがたであり、一部いちぶ細菌さいきんやウイルス感染かんせんしょう続発ぞくはつするべにかわしょう包括ほうかつされる。しかしもっと頻度ひんどおおいのは薬剤やくざい由来ゆらいべにかわしょうであり、べにかわしょうがたやくともばれる。スティーブンス・ジョンソン症候群しょうこうぐん中毒ちゅうどくせい表皮ひょうひ壊死えししょう(ライエル症候群しょうこうぐん)などととも重症じゅうしょうがたやく疹に分類ぶんるいされるじゅうあつしくすり疹でありくすり全体ぜんたいすうパーセント、べにかわしょうでは湿疹しっしん続発ぞくはつせいべにかわしょう乾癬かんせんせいべにかわしょういでおおく10 - 20パーセントの発症はっしょうりつ推定すいていされている。原因げんいん薬剤やくざいとして比較ひかくてきこう頻度ひんど発症はっしょうさせる薬剤やくざいとしてアロプリノールきむチオリンゴさんナトリウム、シアナミドがあり、抗生こうせい物質ぶっしつ降圧こうあつざい消炎しょうえん鎮痛ちんつうざいこう痙攣けいれんざいといった使用しよう頻度ひんどおお薬剤やくざいぐんでの報告ほうこくおおいが、湿疹しっしんがた播種はしゅじょうべにむらおか疹型(麻疹ましん猩紅熱しょうこうねつがた)・光線こうせん過敏かびんしょうがたかたち滲出しんしゅつせいべにまだらかたこけ癬型といった軽症けいしょう中等ちゅうとうしょうがたやく疹からの移行いこうれいもあり、ほぼすべての薬剤やくざいにおいて発症はっしょうさせる可能かのうせいがある。従来じゅうらい原発げんぱつせいべにかわしょう分類ぶんるいされていた再発さいはつせい落屑せい猩紅熱しょうこうねつさまべにまだら急性きゅうせい原発げんぱつせいべにかわしょう)やHerzbergが提唱ていしょうしたしょう水疱すいほう浮腫ふしゅせいべにかわしょうおおくはべにかわしょうがたやく疹に包括ほうかつされる。症状しょうじょうべにかわしょう一般いっぱん大差たいさないが、急性きゅうせい発症はっしょうであり遷延せんえんすると中毒ちゅうどくせい表皮ひょうひ壊死えししょうへの移行いこうもある[55][56]

また特定とくてい薬剤やくざい投与とうよヘルペスウイルス6がた (HHV-6) がさい活性かっせいすることで発症はっしょうする重症じゅうしょうがたやく疹・薬剤やくざいせい過敏かびんしょう症候群しょうこうぐんにおいてもべにかわしょうしょうじる。カルバマゼピンラモトリギンフェニトインフェノバルビタール・ゾニザミドといったこう痙攣けいれんやく、アロプリノール、サラゾスルファピリジン、ジアフェニルスルフォン、メキシレチンが原因げんいん薬剤やくざいであり、内服ないふく開始かいしから3 - 4週間しゅうかん発症はっしょう臓器ぞうき障害しょうがいともな全身ぜんしんべにまだらしょうじ、しばしばべにかわしょうする。また薬剤やくざいせい過敏かびんしょう症候群しょうこうぐん臨床りんしょう症状しょうじょう類似るいじするが発熱はつねつ臓器ぞうき障害しょうがいていさない薬剤やくざい誘発ゆうはつせいにせリンパ腫りんぱしゅという疾患しっかんべにかわしょうこす[57]

このほか重金属じゅうきんぞく中毒ちゅうどくともなべにかわしょうまれ存在そんざいし、おも原因げんいんとして水銀すいぎん砒素ひそ蒼鉛そうえんなどがある。水銀すいぎんでは播種はしゅじょうべにむらおか疹型からべにかわしょうとなり潰瘍かいようせい口内こうないえんなど粘膜ねんまく異常いじょうともなう。砒素ひそについては梅毒ばいどく治療ちりょうやくとしてペニシリン登場とうじょう以前いぜん繁用はんようされていたサルバルサンともなうものがられ、水銀すいぎん同様どうよう播種はしゅじょうべにむらおか疹型からべにかわしょうとなり重症じゅうしょうすると肺炎はいえん敗血症はいけつしょうたし死亡しぼうすることもある。砒素ひそではサルバルサンのほかどう精錬せいれんする過程かていしょうじた亜砒酸あひさん曝露ばくろにより急性きゅうせいべにかわしょう労働ろうどうしゃしょうじた足尾あしお銅山どうざん報告ほうこくれいもあり、職業しょくぎょうせい皮膚ひふ疾患しっかんとしての側面そくめんゆうする。蒼鉛そうえんでもべにかわしょう発症はっしょうさせるが、歯肉はにく褐色かっしょくから青黒あおぐろしょく色素しきそ沈着ちんちゃくしょうじることがられている[58][59][60]

腫瘍しゅようせいべにかわしょう

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セザリー症候群しょうこうぐんともなべにかわしょうひだり)とセザリー細胞さいぼうみぎ

べにかわしょうなかではすうパーセントをめ、原因げんいんとなる悪性あくせい腫瘍しゅよう大半たいはん白血病はっけつびょう悪性あくせいリンパ腫りんぱしゅといった造血ぞうけつけい悪性あくせい腫瘍しゅようである。腫瘍しゅよう細胞さいぼう皮膚ひふ浸潤しんじゅんして発症はっしょうする特異とくい疹としてのべにかわしょうと、反応はんのうせい病変びょうへんとして発症はっしょうする非特異ひとくい疹としてのべにかわしょうがあり、リンパぶし腫脹しゅちょう後天こうてんせいてのひら蹠角しょう合併がっぺいすることがある[61]

白血病はっけつびょうでは腫瘍しゅよう細胞さいぼう皮膚ひふ浸潤しんじゅんして特異とくい疹をこす皮膚ひふ白血病はっけつびょうにおいてべにかわしょう発症はっしょうさせる。ぜん白血病はっけつびょうにおける発症はっしょう頻度ひんどは2.3パーセントから4.5パーセント程度ていどすくない皮膚ひふ白血病はっけつびょう急性きゅうせいたんたませい白血病はっけつびょうにおいて発症はっしょう頻度ひんどが12パーセントから30パーセントともっとたかく、急性きゅうせいリンパせい白血病はっけつびょうが8パーセントから15パーセント、急性きゅうせい骨髄こつづいせい白血病はっけつびょうが1パーセントから3パーセントの頻度ひんどつづ慢性まんせいリンパせい白血病はっけつびょうでも発症はっしょうすることがある。おおむ白血病はっけつびょうきょくから末期まっき出現しゅつげんし、べにむらおか疹・潰瘍かいようしゅこぶなど多彩たさい皮膚ひふ病変びょうへんていするが、べにかわしょうについては特異とくい疹・非特異ひとくい疹の両機りょうきじょ発症はっしょうする[61][62]

悪性あくせいリンパ腫りんぱしゅでは皮膚ひふT細胞さいぼうリンパ腫りんぱしゅであるきんじょういきにくしょうべにかわしょう発症はっしょうする頻度ひんどたかい。ほんしょう場合ばあい湿疹しっしんなどに類似るいじした治療ちりょう抵抗ていこうせい病変びょうへんだい局面きょくめんじょうるい乾癬かんせんもうつつみせいムチン沈着ちんちゃくしょうといった前駆ぜんく疾患しっかんとされる病変びょうへんからべにむら扁平へんぺい浸潤しんじゅん腫瘍しゅよう内臓ないぞう浸潤しんじゅんじゅん進行しんこうし、通常つうじょうきわめて慢性まんせい経過けいかをたどるが初期しょき末期まっきべにかわしょうていするBesnier - Hallopeau(アロポー)がたばれるやまいがたがある。べにかわしょうていした場合ばあい腫瘍しゅよう進行しんこう状態じょうたいしめすTNMB分類ぶんるいではT4、やまい分類ぶんるいではⅢA以上いじょう該当がいとう疾患しっかん進行しんこうした中等ちゅうとうリスクぐんとなる[63][64]。またセザリー細胞さいぼう悪性あくせいしたヘルパーT細胞さいぼう皮膚ひふ浸潤しんじゅんして掻痒そうようきわめてつよべにかわしょうていするセザリー症候群しょうこうぐん皮膚ひふT細胞さいぼうリンパ腫りんぱしゅ一種いっしゅでありきんじょういきにくしょうとの相互そうご移行いこうまれにあるが、べにかわしょうていするきんじょういきにくしょうとのちがいはあきらかな血液けつえきがくてき異常いじょうともなうかかである[65][66]多彩たさい皮膚ひふ症状しょうじょうていすることがおお成人せいじんT細胞さいぼう白血病はっけつびょう/リンパ腫りんぱしゅべにかわしょうていし、急性きゅうせいがた慢性まんせいがた・くすぶりがたリンパ腫りんぱしゅがたかつ臨床りんしょうがたとはべつかわ疹の形態けいたい定義ていぎされるかわ疹型においてべにかわしょうがた分類ぶんるいされる[67]。このほか血管けっかん免疫めんえきだませいT細胞さいぼうリンパ腫りんぱしゅホジキンびょうでもべにかわしょう発症はっしょうさせることがある[61][64]

造血ぞうけつけい悪性あくせい腫瘍しゅよう以外いがい、すなわちがん随伴ずいはんするべにかわしょうれいすくなく腫瘍しゅようせいべにかわしょう全体ぜんたいの2パーセントから3パーセントと低率ていりつである。おも原因げんいんとしては消化しょうかけいがんおおく、胃癌いがん肝臓かんぞうがん大腸だいちょうがんなどによるべにかわしょう報告ほうこくがある[68]先述せんじゅつしたおか疹 - べにかわしょう悪性あくせい腫瘍しゅよう合併がっぺいしている場合ばあい原発げんぱつしているがん種類しゅるいはより多岐たきにわたる[38]

術後じゅつごべにかわしょう

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1955ねん霜田しもだしゅんまるによってはじめて報告ほうこくされたべにかわしょうであり、消化しょうか開腹かいふく手術しゅじゅつひらき心術しんじゅつのち発症はっしょう急激きゅうげき経過けいか致死ちしりつたかべにかわしょうとして注目ちゅうもくされた。原因げんいん当初とうしょ抗生こうせい物質ぶっしつたいせいのブドウ球菌きゅうきん感染かんせんしょうによるとかんがえられ、再発さいはつせい落屑せい猩紅熱しょうこうねつさまべにまだら急性きゅうせい原発げんぱつせいべにかわしょう)の重症じゅうしょうがたぞくするという見解けんかいがあったがその原因げんいん輸血ゆけつされた血液けつえき起因きいんする宿主しゅくしゅ拒絶きょぜつ反応はんのうであり、急性きゅうせい移植いしょくへんたい宿主しゅくしゅびょう本態ほんたいであることが判明はんめいした。輸血ゆけつ移植いしょくへんたい宿主しゅくしゅびょうともばれる[69][70]

輸血ゆけつ10 - 14にちより発熱はつねつ下痢げりともべにかわしょう出現しゅつげんし、ひろし血球けっきゅう減少げんしょうかん機能きのう障害しょうがいなど臓器ぞうき骨髄こつづい急激きゅうげき障害しょうがいされて最終さいしゅうてきには播種はしゅせい血管けっかんない凝固ぎょうこ症候群しょうこうぐん (DIC) や敗血症はいけつしょう併発へいはつして死亡しぼうする。ステロイドパルス療法りょうほう免疫めんえき抑制よくせいざい使用しようしても救命きゅうめいいたらないれいおおく、べにかわしょうなかではもっと不良ふりょう病態びょうたいである。放射線ほうしゃせん照射しょうしゃしない血液けつえき製剤せいざい輸血ゆけつすることで自己じこのリンパだま体内たいない侵入しんにゅうするが、自己じこのリンパだまはそれを自己じこ認識にんしきしないため定着ていちゃくする。定着ていちゃくした自己じこのリンパだまはやがて増殖ぞうしょくし、本来ほんらい他人たにんのものである自己じこ臓器ぞうき組織そしき自己じこ認識にんしきして免疫めんえき反応はんのうこして攻撃こうげきするために発症はっしょうする。発症はっしょうには組織そしき適合てきごうせい抗原こうげん (HLA) が供血きょうけつしゃホモ接合せつごうたい患者かんじゃヘテロ接合せつごうたいで、かつHLAのハプロタイプ片方かたがた双方そうほう一致いっちしていることが条件じょうけんとなる。一旦いったん発症はっしょうすればほぼ死亡しぼうするため、血液けつえき製剤せいざい放射線ほうしゃせん事前じぜん照射しょうしゃしてリンパだま根絶こんぜつしてから輸血ゆけつすることがきわめて重要じゅうようとなる。こうした処置しょち実施じっしされた結果けっか原因げんいん判明はんめいする以前いぜんひらけ心術しんじゅつ700かいに1かい割合わりあい発症はっしょうしていた術後じゅつごべにかわしょうは、2002ねん十字じゅうじ猛夫たけおによる調査ちょうさ日本にっぽん国内こくないではほぼ根絶こんぜつされた[70][71]

診断しんだん治療ちりょう

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べにかわしょう先述せんじゅつとお様々さまざま疾患しっかん続発ぞくはつする皮膚ひふ反応はんのうであることから、さい優先ゆうせんおこなうのは原因げんいん疾患しっかん追求ついきゅうである皮膚ひふ観察かんさつし、原発げんぱつする皮膚ひふ疾患しっかんがあるかどうかを確認かくにんすると同時どうじ患者かんじゃ既往きおうれき確認かくにんする。たとえばべにかわしょうがたやく疹なら薬剤やくざい服用ふくようれき術後じゅつごべにかわしょうなら輸血ゆけつ有無うむなどである。またデルマドロームとしての側面そくめんゆうするおか疹 - べにかわしょう腫瘍しゅようせいべにかわしょうなどがうたがわれる場合ばあい内臓ないぞう詳細しょうさい検索けんさく必要ひつようとなる[72][73]

治療ちりょうも、第一義だいいちぎおこなうのは原因げんいんとなった疾患しっかん治療ちりょうである。感染かんせんしょう続発ぞくはつであれば抗生こうせい物質ぶっしつこうウイルスざいこうきんざいなどの投与とうよてん疱瘡ほうそうくすり疹、重症じゅうしょう湿疹しっしん続発ぞくはつせいべにかわしょうなどであれば副腎ふくじん皮質ひしつステロイドざい乾癬かんせんせいべにかわしょうではシクロスポリンなどの免疫めんえき抑制よくせいざい毛孔けあなせい紅色こうしょくしいなぬか疹、先天せんてんせい魚鱗ぎょりん癬様べにかわしょうではエトレチナート白血病はっけつびょう悪性あくせいリンパ腫りんぱしゅであればこうがんざいによるざい化学かがく療法りょうほうなどである。そのうえかわ疹にたいしては感染かんせんしょうのぞ副腎ふくじん皮質ひしつステロイド外用がいようざい塗布とふ基本きほん掻痒そうようたいして抗ヒスタミン剤こうひすたみんざいこうアレルギーざい経口けいこう投与とうよ湿疹しっしん続発ぞくはつせい乾癬かんせんせいべにかわしょうではPUVA療法りょうほうやナローバンドUVB療法りょうほう電解でんかいしつ異常いじょうてい蛋白たんぱくしょうたいする輸液などの全身ぜんしん管理かんりおこなう。またくすり疹であれば被疑ひぎやく服用ふくよう中止ちゅうしさい投与とうよ回避かいひ光線こうせん過敏かびんしょうであれば徹底的てっていてき遮光しゃこうといった対策たいさく必要ひつようになる。いずれにしても外来がいらい管理かんりむずかしく、基本きほんてきには入院にゅういんして治療ちりょうおこな[72][73]。なおべにかわしょうがたきんじょういきにくしょうやセザリー症候群しょうこうぐんたいして日本にっぽん国外こくがいでは体外たいがい循環じゅんかんちゅう血液けつえきから白血球はっけっきゅうぶんして紫外線しがいせん照射しょうしゃし、ふたた循環じゅんかんちゅう血液けつえきもど体外たいがい循環じゅんかんしき光化学こうかがく療法りょうほう[74]おこなわれ、日本にっぽん皮膚ひふ学会がっかい策定さくていした『皮膚ひふ悪性あくせいリンパ腫りんぱしゅ診断しんだんガイドライン』の2011ねん改定かいていばんにおいてもエビデンスBとして推奨すいしょうされているが、日本にっぽんでは保険ほけん適応てきおうがいでありほとんど実施じっしされていない[75]

治療ちりょうかんし、先天せんてんせい魚鱗ぎょりん癬様べにかわしょうについては感染かんせんにより抗生こうせい物質ぶっしつ使用しようしている未成年みせいねん水疱すいほうがた水疱すいほうがた先天せんてんせい魚鱗ぎょりん癬様べにかわしょうおよびシェーグレン・ラルソン症候群しょうこうぐんが、小児しょうに慢性まんせい特定とくてい疾患しっかん研究けんきゅう事業じぎょうもとづく公費こうひ負担ふたんによる医療いりょう給付きゅうふ受給じゅきゅう対象たいしょうとなっている[43]。またべにかわしょう発症はっしょうさせる疾患しっかんのうち膿疱のうほうせい乾癬かんせん落葉らくようじょうてん疱瘡ほうそう全身ぜんしんせいエリテマトーデス、皮膚ひふ筋炎きんえんおよびオーメン症候群しょうこうぐんなどをふく原発げんぱつせい免疫めんえき不全ふぜん症候群しょうこうぐんについては特定とくてい疾患しっかん治療ちりょう研究けんきゅう事業じぎょう対象たいしょう疾患しっかん、いわゆる難病なんびょうとして公費こうひ負担ふたん対象たいしょうになる[76]

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べにかわしょうも、原因げんいん疾患しっかんによって左右さゆうされる。湿疹しっしん続発ぞくはつせいべにかわしょう乾癬かんせんせいべにかわしょう光線こうせんせいるいほそもうしょうなどでは生命せいめい良好りょうこうだが治療ちりょうには時間じかんかる。乾癬かんせんせいべにかわしょうでは治療ちりょうにより全身ぜんしん状態じょうたい皮膚ひふの落屑は改善かいぜんしてもうしおくれない残存ざんそんしやすい。また先天せんてんせい魚鱗ぎょりん癬様べにかわしょうきわめて難治なんじである。落葉らくようじょうてん疱瘡ほうそう尋常じんじょうせいてん疱瘡ほうそう増殖ぞうしょくせいてん疱瘡ほうそうといったほか古典こてんてきてん疱瘡ほうそうくらべれば良好りょうこうであるものの、症例しょうれいによっては死亡しぼうすることもある。免疫めんえき不全ふぜん合併がっぺいしているべにかわしょうおおむわる[72][73]。またべにかわしょうがたやく疹のうち薬剤やくざいせい過敏かびんせい症候群しょうこうぐん経過けいかなが死亡しぼうりつも20 - 30パーセントとたか[49]

感染かんせんしょう患者かんじゃ免疫めんえき状態じょうたい細菌さいきん薬剤やくざいたいせいなどにより左右さゆうされ、メチシリンたいせい黄色おうしょくブドウ球菌きゅうきん (MRSA) による発症はっしょう増加ぞうかしているTSSでは7パーセント程度ていど、48時間じかん以内いないという急速きゅうそく進行しんこうせい経過けいか急性きゅうせい呼吸こきゅう促迫症候群しょうこうぐん (ARDS) やDICにおちいるTSLSではやく70パーセントのたか致死ちしりつである[50]。SSSSは新生児しんせいじ乳児にゅうじでは抗生こうせい物質ぶっしつによる治療ちりょう発達はったつしたことで、以前いぜん発症はっしょう5にちから10日とおか経過けいか死亡しぼうした不良ふりょう病態びょうたいおおきく改善かいぜんされた[77]ものの、成人せいじんはつ症例しょうれいでは免疫めんえき不全ふぜん症例しょうれい発症はっしょうすることから肺炎はいえん敗血症はいけつしょう合併がっぺい死亡しぼうすることもまれではない[50]輸血ゆけつ移植いしょくへんたい宿主しゅくしゅびょうである術後じゅつごべにかわしょう発症はっしょうすれば急速きゅうそく全身ぜんしん状態じょうたい悪化あっかしてほぼぜんれい死亡しぼうする[70]

腫瘍しゅようせいべにかわしょう原発げんぱつする悪性あくせい腫瘍しゅよう治療ちりょう成功せいこうすればべにかわしょう軽快けいかいするが、一般いっぱんてきにはげん疾患しっかんべにかわしょう治療ちりょう難渋なんじゅうする[61]皮膚ひふ白血病はっけつびょうでは内臓ないぞう固形こけいがん皮膚ひふ遠隔えんかく転移てんい比較ひかくしてかならずしも絶対ぜったい不良ふりょうとまではえないが、慢性まんせい骨髄こつづいせい白血病はっけつびょうともなうものでは急性きゅうせい転化てんかこし不良ふりょうとされている[78]一方いっぽう悪性あくせいリンパ腫りんぱしゅについては経過けいかながきんじょういきにくしょうでは全体ぜんたい5ねん生存せいぞんりつこそ88パーセントだが、やまい分類ぶんるいがⅢAであるべにかわしょうがたになると44パーセントまで下落げらくし、セザリー症候群しょうこうぐんいたっては5ねん生存せいぞんりつ24パーセント。成人せいじんT細胞さいぼう白血病はっけつびょう/リンパ腫りんぱしゅではべにかわしょうがた独立どくりつした不良ふりょう因子いんしとされ、生存せいぞん期間きかん中央ちゅうおうは3カ月かげつであり皮膚ひふT細胞さいぼうリンパ腫りんぱしゅにおいてべにかわしょう合併がっぺいした症例しょうれい合併がっぺいれいくら生命せいめいきわめてわるいことがしめされている[79]

そうじて、べにかわしょう誘因ゆういんとなる基礎きそ疾患しっかんにもよるが油断ゆだんのならない皮膚ひふ症候しょうこうであることがれる。

出典しゅってん

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参考さんこう文献ぶんけん

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関連かんれん項目こうもく

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