船頭せんどう小唄こうた

船頭せんどう小唄こうた（せんどうこうた）とは、日本にっぽんの歌謡かよう曲きょく(演歌えんか)。

解説かいせつ

「船頭せんどう小唄こうた」の代表だいひょう的てきな歌手かしゅの一人ひとりである中山なかやま歌子うたこ（1919年ねん）

1921年ねん（大正たいしょう10年ねん）1月がつ30日にちに民謡みんよう「枯かれすすき」として野口のぐち雨情うじょうが作詞さくし、同年どうねんに中山なかやま晋平しんぺいが作曲さっきょくした。

1922年ねん（大正たいしょう11年ねん）に神田かんだ春はる盛もり堂どうから詩集ししゅう「新作しんさく小唄こうた」の中なかで、「枯かれ芒すすき」を改題かいだいし「船頭せんどう小唄こうた」として掲載けいさいされた。1923年ねん（大正たいしょう12年ねん）、ヒコーキレコードから女優じょゆう・中山なかやま歌子うたこによって初はじめて吹ふき込こまれ、その他たオリエントレコードから演歌えんか師しの鳥取とっとり春陽しゅんよう、田辺たなべ正行まさゆき、木津きづ豆まめ千せん代だい、ニットーレコードで高橋たかはし銀ぎん声ごえなどが歌うたった曲きょく。同年どうねん、松竹しょうちくから池田いけだ義信よしのぶ監督かんとく、主演しゅえん・岩田いわた祐吉ゆうきち、栗島くりしますみ子こで映画えいが化かされた。

この歌うたの大だい流行りゅうこうの最中さいちゅう、関東大震災かんとうだいしんさいが起おこり、雨情うじょうの暗くらい歌詞かし、晋平しんぺいの悲かなしい曲調きょくちょうから、この地震じしんを予知よちしていた童謡どうよう（わざうた）だったのではという説せつが流布るふした。

街道かいどう演歌えんか師しの添田唖蝉坊そえだあぜんぼうは「俺おれは東京とうきょうの焼やけ出だされ、同おなじお前まえも焼やけ出だされどうせ二に人にんはこの世よでは何なにも持もたない焼やけ出だされ」という替かえ歌うたで歌うたった。

1957年ねん（昭和しょうわ32年ねん）1月がつ東京とうきょう映画えいが配給はいきゅうの映画えいが『雨情うじょう物語ものがたり』の主題歌しゅだいかとして森繁もりしげ久彌ひさやが歌うたい、大正たいしょうから戦せん後のちの昭和しょうわまで、また現代げんだいにおいても「枯すすき」に人生じんせいの哀愁あいしゅうに共感きょうかんするとしてヒットした流行りゅうこう歌かとなった。

「おれは河原かわはらの枯かれすすき 同おなじお前まえも枯かれすすき どうせ二に人にんはこの世よでは 花はなの咲さきかない枯かれすすき……」と男女だんじょの間柄あいだがらを歌うたっている。

1971年ねん（昭和しょうわ46年ねん）7月がつ5日にち 藤ふじ圭子けいこ5枚まい目めのアルバム『圭子けいこの人生じんせい劇場げきじょう』に収録しゅうろく。2010年ねん（平成へいせい22年ねん）CD-BOX『藤ふじ圭子けいこ 艶つや・怨・演歌えんか』に収録しゅうろく。

また、1974年ねん（昭和しょうわ49年ねん）には類似るいじの哀愁あいしゅうを持もつ曲きょく「昭和しょうわ枯かれすすき」（TBS系けい『時間じかんですよ昭和しょうわ元年がんねん』挿入歌そうにゅうか。作詞さくし：山田やまだ孝雄たかお、作曲さっきょく：むつひろし、唄うた：さくらと一郎いちろう）が発売はつばいされ、翌年よくねんの1975年ねん（昭和しょうわ50年ねん）、同名どうめいの映画えいがも作つくられた。 なお、「船頭せんどう小唄こうた」は明仁あきひと上皇じょうこうがカラオケの十八番じゅうはちばんとしているという。

2006年ねん7月がつ19日にちに舟木ふなき一夫かずおの113枚まい目めのシングル曲きょく『船頭せんどう小唄こうた』としてコロムビアミュージックエンタテインメントから発売はつばいされた。B面めんは「燦めく星座せいざ」（作詞さくし佐伯さえき孝夫たかお、作曲さっきょく佐々木ささき俊一しゅんいち、編曲へんきょく竜崎りゅうざき孝たかし路ろ）。CDには、両りょう曲きょくのオリジナル・カラオケも収録しゅうろくされている。

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