芳よしの里さと淳三じゅんぞう

芳よしの里さと淳三じゅんぞう
日本にっぽんジュニアヘビー級きゅう王座おうざ時代じだいの芳よしの里さと
プロフィール
リングネーム	芳よしの里さと ヨシノサト ヨシノ・サト グレート・サト
本名ほんみょう	長谷川はせがわ 淳三じゅんぞう
ニックネーム	ゲタ社長しゃちょう
身長しんちょう	174cm
体重たいじゅう	84kg
誕生たんじょう日び	1928年ねん9月27日にち
死亡しぼう日び	(1999-01-19) 1999年ねん1月がつ19日にち（70歳さい没ぼつ）
出身しゅっしん地ち	日本にっぽん 千葉ちば県けん長生ちょうせい郡ぐん一宮いちのみや町まち
スポーツ歴れき	大相撲おおずもう
デビュー	1954年ねん9月11日にち

芳よしの里さと 淳三じゅんぞう（よしのさと じゅんぞう、1928年ねん9月27日にち - 1999年ねん1月がつ19日にち）は、千葉ちば県けん長生ちょうせい郡ぐん一宮いちのみや町まち出身しゅっしんで二に所しょノ関せき部屋へや所属しょぞくの元もと大相撲おおずもう力士りきし、日本にっぽんの元もとプロレスラー、実業じつぎょう家か、元もとNWA第だい二に副ふく会長かいちょう。大相撲おおずもう時代じだいの四股しこ名めいは神かみ若わか 淳三じゅんぞう、神かみ若わか 順三じゅんぞう、芳かおるノ里さと 安秀やすひで。最高さいこう位いは前頭まえがしら12枚まい目め（神かみ若わか順じゅん三さんの四股しこ名めい）。身長しんちょう174cm、体重たいじゅう84kg。本名ほんみょうは、長谷川はせがわ 淳三じゅんぞう（はせがわ じゅんぞう）。

来歴らいれき

子供こどもの頃ころからスポーツ万能ばんのうであった。神風かみかぜ正一しょういちを頼たより二に所しょノ関せき部屋へやに入門にゅうもん、長谷川はせがわの四股しこ名めいで1944年ねん1月がつ場所ばしょ初はつ土俵どひょう。その後ご、四股しこ名めいを神かみ若わか淳三じゅんぞう（かみわか じゅんぞう）、神かみ若わか順三じゅんぞう（かみわか じゅんぞう）と改あらため、1950年ねん1月がつ場所ばしょに新しん入幕にゅうまくを果はたす。小柄こがらながら、下手へた投なげを得意とくいとする技能ぎのう派は力士りきしとして頭角とうかくを現あらわし、1952年ねん1月がつ場所ばしょには四股しこ名めいを芳かおるノ里さとと改あらため、若乃花わかのはな、琴きんヶ濱はまとともに「二に所しょの三羽烏さんばがらす」と呼よばれた。

前頭まえがしら12枚まい目めまで上のぼり詰つめるものの、番付ばんづけ運うんの悪わるさと部屋へやの内紛ないふんに嫌気いやけが差さし、幕内まくうち成績せいせき39勝しょう51敗はいの成績せいせきを残のこし1954年ねん9月場所ばしょ限かぎりで廃業はいぎょう（出場しゅつじょうはせず）。9月10日にちに二に所しょノ関せきの先輩せんぱい・力道山りきどうざんを大阪おおさか府立ふりつ体育館たいいくかんに訪たずね、日本にっぽんプロレス入門にゅうもんを直訴じきそして認みとめられ、当日とうじつにデビュー戦せんを戦たたかう（対たい渡辺わたなべ貞三ていぞう）。日本にっぽんのプロレス界かいにおいて、当然とうぜん1番ばんのスピードデビューである。当初とうしょはプロレスラーのトレーニングはもちろんの事こと、プロボクサーのトレーニングも受うけていた。

1954年ねん12月22日にち、蔵前くらまえ国技こくぎ館かんで行おこなわれた昭和しょうわの巌流島がんりゅうじま決戦けっせん、力道山りきどうざんvs木村きむら政彦まさひこの試合しあいの前座ぜんざではプロレスであるにもかかわらず、対戦たいせん相手あいての市川いちかわ登のぼる（全日本ぜんにほんプロレス協会きょうかい所属しょぞく）に突如とつじょ不意打ふいうちのセメント（真剣しんけん勝負しょうぶ）を仕掛しかけており、数すう十じゅう発はつの張はり手てを見舞みまって昏倒こんとうさせた。市川いちかわは脳のうに重おもい障害しょうがいが残のこり1967年ねん末すえに死去しきょ。この突然とつぜんの暴挙ぼうきょは、当時とうじ絶対ぜったい的てきに逆さからえない存在そんざいであった力道山りきどうざんからの命いのちであり「市川いちかわを殺ころせ」と、食事しょくじのたびに何なん度ども繰くり返かえし言いわれていたという。

1956年ねん10月23日にち、大阪おおさか府立ふりつ体育館たいいくかんで行おこなわれた全日本ぜんにほんウェート別べつ選手権せんしゅけんに出場しゅつじょう、吉原よしはら功いさお（後ごの国際こくさいプロレス社長しゃちょう）を破やぶり初代しょだいライトヘビー級きゅう王者おうじゃとなった。

1961年ねん、ジャイアント馬場ばば・マンモス鈴木すずきと共ともにアメリカ遠征えんせいへ出発しゅっぱつ。丈たけの短みじかいタイツ・ひざ当あて・下駄履げたばきという出立いでたちでいわゆる「田吾作たごさくスタイル」で反則はんそく攻撃こうげきを繰くり返かえすヒールとして活躍かつやく。このスタイルは、アメリカマットにおける（テネシー地区ちくでは「デビル・サト」のリングネームで悪名あくめいを轟とどろかせた）日本人にっぽんじんヒールの伝統でんとうとなった。

力道山りきどうざんの死後しご、吉村よしむら道明みちあき・豊ゆたか登とう・遠藤えんどう幸吉こうきちの3人にんで日本にっぽんプロレスの経営けいえいを担にない、1966年ねん1月がつには3代目だいめの社長しゃちょうに就任しゅうにんして現役げんえきを引退いんたい。後年こうねん、力道山りきどうざんOB会かい&プロレス（レスラーのOB組織そしき）の会長かいちょうに就任しゅうにんした。また、国際こくさいプロレスのテレビ中継ちゅうけい『国際こくさいプロレスアワー』（東京とうきょう12チャンネル）の解説かいせつ者しゃも担当たんとうした。

1998年ねん3月がつ11日にちに脳のう梗塞こうそくで倒たおれ、翌年よくねんの1999年ねん1月がつ19日にち、多た臓器ぞうき不全ふぜんにより死去しきょ。70歳さい没ぼつ。

特記とっき

大相撲おおずもう時代じだいの芳よしの里さと

• 1973年ねん4月がつに日本にっぽんプロレスが崩壊ほうかいした際さい、夫人ふじんに対たいし「俺おれに教育きょういくがあれば団体だんたいを潰つぶすことはなかった。社長しゃちょうよりも2番目ばんめが似合にあい、かつ上うえと下したの意見いけんを取とり合あうことが向むいていた」と語かたっている。日本にっぽんプロレスの残務ざんむ整理せいりが終了しゅうりょうした際さいは、事務所じむしょに残のこっていた日本にっぽんプロレスの社員しゃいんバッジをすべて持もち帰かえったという。
• 日本にっぽんプロレスと新しん日本にっぽんプロレスとの合併がっぺいプランにおいては、会長かいちょう職しょくが用意よういされていたという。しかし、実現じつげんには至いたらなかった。
• 全日本ぜんにほんプロレスにおいて、1978年ねんに行おこなわれた全日本ぜんにほん・国際こくさいプロレス・韓国かんこく軍ぐん（大木おおき金太郎きんたろう派は）による三軍さんぐん対抗たいこう戦せんが行おこなわれた。この興行こうぎょうでジャイアント馬場ばば対たいラッシャー木村きむら戦せんにおいて、芳よしの里さとはレフェリーを務つとめている。馬場ばばが木村きむらに足あし4の字じ固かためを仕掛しかけると、木村きむらは上半身じょうはんしんをリング外がいに出だす体勢たいせいでロープブレイク。しかし芳よしの里さとはなぜかブレイクを認みとめず、リングアウトカウントを数かぞえ始はじめ、木村きむらはリングアウト負まけを宣言せんげんされた。日本にっぽんプロレス界かいにおける「疑惑ぎわくのレフェリング」として知しられた。
• 梶原かじはら一いち騎き原作げんさくの『プロレススーパースター列伝れつでん』（ザ・グレート・カブキ編へん）では、日本にっぽんプロレスの金かねで銀座ぎんざに毎晩まいばん繰くり出だして豪遊ごうゆうをする芳よしの里さとの姿すがたが誇張こちょうして描えがかれており、イメージを大おおきく低下ていかさせた。

相撲すもう成績せいせき

• 生涯しょうがい成績せいせき：178勝しょう158敗はい1分ふん 勝率しょうりつ.530
• 幕内まくうち成績せいせき：39勝しょう51敗はい 勝率しょうりつ.433
• 現役げんえき在位ざいい：30場所ばしょ
• 幕内まくうち在位ざいい：6場所ばしょ

場所ばしょ別べつ成績せいせき

神かみ若わか順三じゅんぞう

	春場所はるばしょ	三さん月がつ場所ばしょ	夏場所なつばしょ	秋場所あきばしょ
1944年ねん （昭和しょうわ19年ねん）	新しん序じょ 3–1	x	西にし序じょ二に段だん39枚まい目め 2–3	東ひがし序じょ二に段だん44枚まい目め 3–2
1945年ねん （昭和しょうわ20年ねん）	x	x	西にし三さん段だん目め36枚まい目め 3–2	東ひがし三さん段だん目め11枚まい目め 4–1
1946年ねん （昭和しょうわ21年ねん）	x	x	x	西にし幕下まくした20枚まい目め 5–2
1947年ねん （昭和しょうわ22年ねん）	x	x	東ひがし幕下まくした7枚まい目め 2–3	東ひがし幕下まくした10枚まい目め 2–4
1948年ねん （昭和しょうわ23年ねん）	x	x	西にし幕下まくした14枚まい目め 4–2	東ひがし幕下まくした7枚まい目め 4–1 （引分ひきわけ1）
1949年ねん （昭和しょうわ24年ねん）	東ひがし十じゅう両りょう11枚まい目め 8–5	x	西にし十じゅう両りょう4枚まい目め 9–6	西にし十じゅう両りょう筆頭ひっとう 8–7
1950年ねん （昭和しょうわ25年ねん）	西前にしまえ頭あたま20枚まい目め 9–6	x	東ひがし前頭まえがしら15枚まい目め 8–7	東ひがし前頭まえがしら12枚まい目め 3–12
1951年ねん （昭和しょうわ26年ねん）	西前にしまえ頭あたま21枚まい目め 8–7	x	東ひがし前頭まえがしら20枚まい目め 7–8	東ひがし十じゅう両りょう筆頭ひっとう 5–10
1952年ねん （昭和しょうわ27年ねん）	東ひがし十じゅう両りょう6枚まい目め 12–3	x	西にし十じゅう両りょう筆頭ひっとう 8–7	東ひがし前頭まえがしら20枚まい目め 4–11
1953年ねん （昭和しょうわ28年ねん）	西にし十じゅう両りょう6枚まい目め 7–8	西にし十じゅう両りょう8枚まい目め 9–6	東ひがし十じゅう両りょう7枚まい目め 9–6	東ひがし十じゅう両りょう4枚まい目め 6–9
1954年ねん （昭和しょうわ29年ねん）	西にし十じゅう両りょう8枚まい目め 7–8	西にし十じゅう両りょう9枚まい目め 8–7	西にし十じゅう両りょう7枚まい目め 11–4	東ひがし十じゅう両りょう3枚まい目め 引退いんたい 0–0–0
各かく欄らんの数字すうじは、「勝かち-負まけ-休場きゅうじょう」を示しめす。    優勝ゆうしょう 引退いんたい 休場きゅうじょう 十じゅう両りょう 幕下まくした 三さん賞しょう：敢=敢闘かんとう賞しょう、殊こと=殊勲賞しゅくんしょう、技わざ=技能ぎのう賞しょう     その他た：★=金星かなぼし 番付ばんづけ階級かいきゅう：幕内まくうち - 十じゅう両りょう - 幕下まくした - 三さん段だん目め - 序じょ二に段だん - 序ノ口じょのくち 幕内まくうち序列じょれつ：横綱よこづな - 大関おおぜき - 関脇せきわけ - 小結こむすび - 前頭まえがしら（「#数字すうじ」は各位かくい内ないの序列じょれつ）

幕内まくうち対戦たいせん成績せいせき

力士りきし名めい	勝かち数すう	負数ふすう	力士りきし名めい	勝かち数すう	負数ふすう	力士りきし名めい	勝かち数すう	負数ふすう	力士りきし名めい	勝かち数すう	負数ふすう
愛知あいち山さん	1	1	五ごッ洋よう	0	1	大岩山おおいわやま	1	1	大内山おおうちやま	0	1
大起だいき	1	1	大だい昇のぼる	1	0	大だい晃あきら	0	2	大蛇おろち潟かた	0	2
甲斐かいノ山やま	1	2	神かみ錦にしき	2(1)	0	北きたノ洋よう	0	2	清恵きよえ波なみ	1	3
九州きゅうしゅう錦にしき	0	1	国くに登とう	0	1	小坂川おさかがわ	0	2	櫻さくら國こく	0	1
櫻さくら錦にしき	1	0	嶋しま錦にしき	0	1	常つねノ山やま	1	0	輝てる昇のぼる	1	1
時津とぎつ山さん	1	0	那智なちノ山やま	0	1	名寄岩なよろいわ	1	0	鳴門なると海かい	3	1
白龍はくりゅう山さん	0	1	羽はね嶋しま山さん	0	1	緋縅ひおどし	1	2	広瀬川ひろせがわ	1	1
藤田ふじた	2	0	二瀬ふたせ山さん	1	0	不動ふどう岩がん	0	1	増ぞう巳み山さん	4	1
緑みどり國こく	1	2	宮城みやぎ海かい	1	3	八方山はっぽうざん	0	3	吉井よしい山やま	2	1
吉田川よしだがわ	2	1	米川よねかわ	0	1	若葉わかば山さん	1	2

※カッコ内ないは勝かち数すう、負数ふすうの中なかに占しめる不戦勝ふせんしょうの数かず。

得意とくい技わざ

• 下駄げた攻撃こうげき（下駄げたを履はいて入場にゅうじょう。試合しあい中ちゅうにその下駄げたで相手あいてを殴なぐりつけることから「下駄げた社長しゃちょう」と呼よばれた）
• 首くび固がため（スモールパッケージホールド。反則はんそく攻撃こうげきで撹乱かくらんした上うえでの決きめ技わざとして多おおく使つかわれた。ジャイアント馬場ばばは若手わかて時代じだいによく引ひっかかっていた）

獲得かくとくタイトル

日本にっぽんプロレス

• 日本にっぽんジュニアヘビー級きゅう王座おうざ
• 日本にっぽんライトヘビー級きゅう王座おうざ
• 全日本ぜんにほんタッグ王座おうざ

参考さんこう文献ぶんけん

• 『木村きむら政彦まさひこはなぜ力道山りきどうざんを殺ころさなかったのか（『ゴング格闘技かくとうぎ』〈イースト・プレス〉2008年ねん1月がつ号ごう - 2011年ねん7月がつ号ごう連載れんさい）』新潮社しんちょうしゃ、2011年ねん。ISBN 9784103300717。 
• 『週刊しゅうかんプロレスSPECIAL 日本にっぽんプロレス事件じけん史し Vol.3』ベべースボすぼール・マガジン社るまがじんしゃ、2014年ねん。ISBN 9784583622026。 

関連かんれん項目こうもく

• 大相撲おおずもう力士りきし一覧いちらん

外部がいぶリンク

• 芳よしの里さと 淳三じゅんぞう - 相撲すもうレファレンス