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茶釜ちゃがま

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
芦屋あしや山吹やまぶきぶんしんがたがま(しんなりがま) 重要じゅうよう美術びじゅつひん いしほら美術館びじゅつかんぞう 室町むろまち時代じだい(15世紀せいき
僧侶そうりょ参詣さんけいしゃ抹茶まっちゃをふるまうため、茶釜ちゃがまうえにすえかしている状態じょうたい堀内ほりうち妙法寺みょうほうじがくどうにて

茶釜ちゃがま(ちゃがま)は、ちゃ使用しようする茶道具ちゃどうぐ一種いっしゅで、ちゃ使用しようするかすためのがまのことである。風炉ふろもちいる茶釜ちゃがまはとくに風炉ふろがま(ふろがま)とぶ。

概要がいよう

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分福ぶんぶく茶釜ちゃがまられるように茶釜ちゃがまちいさなものは直径ちょっけい30cm程度ていどからあり、おもてつつくられている。がたの鍑[1]中国ちゅうごくからつたわり日本にっぽんふるくに[2]改良かいりょうされ現在げんざいかたちになった。あかり菴栄西にしすたれていた喫茶きっさ習慣しゅうかん日本にっぽんふたたつたえた当時とうじちゃは、磚茶しょうされるちゃもちじょうにしたものをけずってこの鍑できょうした。

このちゃがま発生はっせい大別たいべつすると、芦屋あしやがま[3]天明てんめい[4]九州きゅうしゅう東国とうごく)の2つのながれにけられる[5]日本にっぽん国外こくがいでもちゃおこなわれている。

新年しんねんになり、はじめておこなちゃはつがまび、「はつちゃ」、「がまはじめ」、「てんはつ(たてぞめ)」、「はつ点前てまえ(はつてまえ)」ともいう[6]

茶釜ちゃがまはほとんどうえ直接ちょくせつえてもちいるが、天井てんじょうからげたくさりがまくさり)にかけてもちいるぶりの茶釜ちゃがま存在そんざいする。これを茶釜ちゃがま(つりちゃがま)といい、春先はるさきさんがつからよんがつごろ)にもちいる。

茶釜ちゃがまおおくの茶道具ちゃどうぐとともに鑑賞かんしょう対象たいしょうとなる。おお炭手前すみてまえのとき、からげた状態じょうたい正面しょうめんからきゃく鑑賞かんしょうする。きゃくがまれることはしない。

茶釜ちゃがまつく職人しょくにんがまという。

織田おだ信長のぶなが長年ながねんほしがっていた茶釜ちゃがま天明てんめい平蜘蛛ひらぐも」を自害じがいまえこわした松永まつなが久秀ひさひで月岡つきおか芳年よしとし

がまける」といえば茶会ちゃかいもよおすことを意味いみするように、がま茶道具ちゃどうぐなかでも特別とくべつ存在そんざいである。利休りきゅうひゃくしゅにも「がまひとつあればちゃはなるものをよろづの道具どうぐをもつはおろかな」とうたわれている。[7]

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ 鍑:中国ちゅうごくではくびがくびれはらし、そこまるい、もの煮炊にたきするくちおおきながま戦国せんごく時代じだい陶製とうせいかんだいにはおお青銅せいどうせい江戸えど時代じだいの『和漢わかんさんさい図会ずえ』では「鍑」はかかがまのこと。茶釜ちゃがまは「鑵子」と表記ひょうきおおくは鋳鉄ちゅうてつせいで、どうせいもあった。
  2. ^ がま自体じたい歴史れきしは『日本書紀にほんしょき』や『つつみ中納言ちゅうなごん物語ものがたり』に記述きじゅつられることから古代こだいから存在そんざいすることがわかるが、日本にっぽんにおける湯沸ゆわかしがま、すなわち茶釜ちゃがま歴史れきしたてひとし年間ねんかん鎌倉かまくら初期しょき)とも弘安ひろやす年間ねんかん鎌倉かまくら中期ちゅうき)ともされ、明確めいかくとはなっておらず、鎌倉かまくら末期まっきから室町むろまち初期しょきにかけてとみられる。参考さんこうしん独習どくしゅうシリーズ『表千家おもてせんけせんむねいん 主婦しゅふ友社ともしゃ 7さつ1977ねん初版しょはん1974ねん) pp.360 - 361.
  3. ^ 室町むろまち時代ときよ全盛期ぜんせいきとして多数たすう作品さくひんのこしている。筑前ちくぜんこくあしげん芦屋あしやまち)。
  4. ^ 下野げやこく天明てんめいげん佐野さの)においてつくられ、芦屋あしやより100ねんほどおそ登場とうじょうしたとつたえられる。
  5. ^ どうしん独習どくしゅうシリーズ『表千家おもてせんけ』p.361.
  6. ^ 短歌たんか表現ひょうげん辞典じてん 生活せいかつ文化ぶんかへん飯塚いいづか書店しょてん編集へんしゅうへん 飯塚いいづか書店しょてん 2さつ2004ねん初版しょはん1998ねんISBN 978-4-7522-1029-0 p.39.
  7. ^ http://www.urasenke.or.jp/textb/beginer/dougu.html

関連かんれん項目こうもく

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