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衛星えいせいバス

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通信つうしん衛星えいせいバスとペイロードモジュール

衛星えいせいバスえい: Satellite bus)とは人工じんこう衛星えいせいとしての基本きほん機能きのう必要ひつよう機器ききバス機器きき)と衛星えいせいしゅ構造こうぞう総称そうしょう。これにたいしてその衛星えいせいがミッションを遂行すいこうするにあたって必要ひつよう機器ききのことをミッション機器ききび、これらは区別くべつされる。

衛星えいせい目的もくてきちがっても電力でんりょくけい推進すいしんけいなどは共通きょうつうであるため、毎回まいかい新規しんき開発かいはつするよりも、実績じっせきのある設計せっけい流用りゅうようすることにより製造せいぞう費用ひようやすくなり、製造せいぞう期間きかん短縮たんしゅくできることから、おも通信つうしん衛星えいせいといった商用しょうよう衛星えいせいには共通きょうつう衛星えいせいバスがもちいられている。現在げんざいでは衛星えいせいバスは、小型こがた衛星えいせい中型ちゅうがた衛星えいせい大型おおがた衛星えいせいようにそれぞれシリーズされており、ユーザニーズにおうじてえらぶことが出来できるようになっている。通信つうしん機器きき観測かんそく装置そうちなどユーザごとにことなるミッション機器ききのみを専用せんよう設計せっけいして搭載とうさいすることで、製造せいぞう期間きかん短縮たんしゅくすることが出来できる。

自動車じどうしゃ開発かいはつ利用りようされるプラットフォーム人工じんこう衛星えいせいばんといえる。

ヒューズ・エアクラフトしゃHS-376英語えいごばん衛星えいせいバスがこの分野ぶんやでの成功せいこうおさめ、50以上いじょう製造せいぞうされてこのながれをつくった。そのHS-393, HS-601, HS-701(現在げんざいのBoeing-702)とつづいている。そのフォード・エアロスペース英語えいごばんしゃのFS-1300(現在げんざいロラールしゃ(Space Systems/Loral)のLS-1300)、ロッキード・マーティンしゃA2100バスなども多数たすう衛星えいせい受注じゅちゅうしている。

構成こうせい要素ようそ

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バスはおも以下いかのサブシステムから構成こうせいされている。

  • C&DHけい(コマンドおよびデータ処理しょりけい、Command and Data Handling System)
    • TTCけい(テレメトリ・トラッキング・コマンドけい)とばれていたが、オンボードコンピュータの発達はったつともないC&DHけいばれるようになってきている。
  • 電力でんりょくけい(EPS)
  • 姿勢しせい制御せいぎょけい(ACS)
  • 推進すいしんけい
  • 構体けい
  • ねつ制御せいぎょけい(TCS)
  • 生命せいめい維持いじけい有人ゆうじん飛行ひこう場合ばあい

衛星えいせいバスのれい

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Eurostar 1000, 2000, 2000+, 3000などの衛星えいせいバスのシリーズを製造せいぞう
Spacebus 1000, 2000, 3000, 4000のかく衛星えいせいバスのシリーズを製造せいぞう
2012ねんに702MP(Medium Power)をはつ[1]、2015ねんに702SP(Small Platform)がデビュー予定よてい[2]
てい周回しゅうかい軌道きどうようのLEOStarシリーズと、静止せいし軌道きどうようのGEOStarシリーズがあり、GEOStarシリーズにはおおきさにあわせてSTAR-1とSTAR-2、STAR-3バスがある。
SSL-1300衛星えいせいバスは2015ねん9がつ30にちげられたオーストラリアのSky Muster衛星えいせいどう衛星えいせいバスとしてわたされた100衛星えいせいとなった。最初さいしょの1300衛星えいせいバスは1989ねん日本にっぽんSUPERBIRD-Aとしてげられた。この衛星えいせい乾燥かんそう質量しつりょうは1,300kgだったのにちなんでこの衛星えいせいバスの名前なまえけられた。この衛星えいせい発生はっせい電力でんりょく当時とうじとしては最大さいだいの3kWだった。当時とうじくらべると現在げんざいの1300衛星えいせいバスは8ばい発生はっせい電力でんりょくち、寿命じゅみょうも30%ながくなり、トランスポンダーを4ばいめるようになっている。SSL-1300衛星えいせいバスは、はじめて100Vの電圧でんあつ使用しようした衛星えいせいで、はじめて発生はっせい電力でんりょくが20kWをえた衛星えいせいであり、西側にしがわ衛星えいせいとしてはじめて電気でんき推進すいしんけい採用さいようした衛星えいせいバスでもあり、リチウムイオン電池でんちはじめて搭載とうさいした衛星えいせいバスのひとつとなった[3]
A2100を開発かいはつするまえにもシリーズ3000, 4000, 5000, 7000バスを製造せいぞうきゅうマーティン・マリエッタしゃとその買収ばいしゅうまえのGE Astro Spaceしゃ時代じだいから製造せいぞう)。
A2100バスは2003ねん9がつはじめの時点じてんで、軌道きどうじょうでの運用うんよう時間じかん累計るいけい400ねん達成たっせいした。A2100バスは商業しょうぎょう通信つうしん衛星えいせい45以外いがいにも軍用ぐんよう通信つうしん衛星えいせいAEHF, MUOSでも採用さいよう。また、気象きしょう衛星えいせいGOES-RやGPS-IIIかたとしても採用さいようされている。同社どうしゃほか衛星えいせいバスもふくめると、同社どうしゃ商業しょうぎょう通信つうしん衛星えいせいは101となり、累計るいけい1,000年間ねんかん以上いじょう軌道きどうじょう運用うんよう達成たっせいした[4]

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ “1st Boeing 702 Medium Power Satellite Sends Initial Signals from Space”. Boeing. http://boeing.mediaroom.com/index.php?s=43&item=2182 2012ねん3がつ26にち閲覧えつらん 
  2. ^ “Electric propulsion could launch new commercial trend”. Spaceflightnow.com. http://spaceflightnow.com/news/n1203/19boeing702sp/ 2012ねん3がつ19にち閲覧えつらん 
  3. ^ “SSL ACHIEVES MILESTONE, 100 SATELLITES DELIVERED BASED ON THE 1300, A PLATFORM FOR EVOLUTION, INNOVATION”. Space Systems/Loral. (2015ねん9がつ14にち). http://sslmda.com/html/pressreleases/pr20150914.html 2015ねん11月19にち閲覧えつらん 
  4. ^ “Lockheed Martin-Built A2100 Satellites: Over 400 Cumulative Years In Orbit And Counting”. Lockheed Martin. (2013ねん9がつ3にち). http://www.lockheedmartin.com/us/news/press-releases/2013/september/0903-ss-a2100.html 2013ねん11月24にち閲覧えつらん 

参考さんこう文献ぶんけん

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  • 岩崎いわさき信夫しのぶ図説ずせつ 宇宙うちゅう工学こうがく概論がいろん丸善まるぜんプラネット株式会社かぶしきがいしゃ、1999ねんISBN 4-944024-64-9 
  • 20th anniversary of Astrium’s Eurostar series
  • EADS Astrium: Eurostar-3000 (Gunter's Space Page)
  • Spacebus 3000 Platform
  • Spacebus 4000 Platform
  • Boeing 376 Fleet
  • Boeing 601 Fleet
  • Boeing 702 Fleet
  • STAR™ GEO Communications Satellites
  • 1300 Series Satellite Platform
  • Lockheed Martin-Built A2100 Commercial Satellite Fleet Achieves 300 Years in Orbit

関連かんれん項目こうもく

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