出典 しゅってん : フリー百科 ひゃっか 事典 じてん 『ウィキペディア(Wikipedia)』
表意 ひょうい 文字 もじ (ひょういもじ、英 えい : ideogram )は、広義 こうぎ では、事物 じぶつ の概念 がいねん を表 あら わす文字 もじ [ 1] 。「意字 いじ 」とも[ 2] 。「表音 ひょうおん 文字 もじ 」と対比 たいひ される用語 ようご [ 3] 。
表意 ひょうい 文字 もじ とは、「意味 いみ 」を形 かたち (絵 え )に置 お き換 か えて表 あらわ した文字 もじ (象形 しょうけい 文字 もじ 、指事 しじ 文字 もじ など)の集 あつ まり。文字 もじ の一 ひと つ一 ひと つに意味 いみ があるため、ある文字 もじ を一 ひと つ見 み るだけで伝 つた えたいことが理解 りかい できる。
アラビア数字 すうじ 、その他 た の数学 すうがく 記号 きごう は、代表 だいひょう 的 てき な表意 ひょうい 文字 もじ である。& は本来 ほんらい はラテン語 らてんご の "et" の事 こと であるが、英語 えいご のand、ドイツ語 ご のundなど、違 ちが う言語 げんご の同 おな じ意味 いみ の言葉 ことば を表 あらわ す文字 もじ となっており、現代 げんだい では表意 ひょうい 文字 もじ といえる。
表意 ひょうい 文字 もじ は、ひとつひとつの文字 もじ が意味 いみ を表 あらわ すが、必 かなら ずしも言語 げんご の発音 はつおん を表 あらわ してはいない。そのため表意 ひょうい 文字 もじ で書 か かれた文章 ぶんしょう を、異 こと なる言語 げんご を用 もち いる者 もの が、それぞれの言語 げんご で読 よ む事 こと もできる。前述 ぜんじゅつ の数字 すうじ や数学 すうがく 記号 きごう はその典型 てんけい であって、「1+1=2」は、日本語 にほんご で「一 いち 足 た す一 いち は二 に 」、英語 えいご で「One plus one equals two」と読 よ める。
対義語 たいぎご として、表音 ひょうおん 文字 もじ がある。一 ひと つの文字 もじ で音素 おんそ または音節 おんせつ を表 あらわ す文字 もじ 体系 たいけい の事 こと である。表音 ひょうおん 文字 もじ は表意 ひょうい 文字 もじ から発展 はってん し、文字 もじ の意味 いみ を無視 むし して発音 はつおん のみを利用 りよう したのが、その発祥 はっしょう であったとされる。
漢字 かんじ も、日本語 にほんご の書記 しょき に使用 しよう される場合 ばあい においては表意 ひょうい 文字 もじ と呼 よ ばれる。しかし漢字 かんじ は中国語 ちゅうごくご の書記 しょき においては、文字 もじ のひとつひとつが意味 いみ のみを表 あらわ すのではなく、言語 げんご の語 かたり や形態素 けいたいそ を表 あらわ し、その結果 けっか 、語 かたり や形態素 けいたいそ の発音 はつおん も表 あらわ していることから、表意 ひょうい 文字 もじ と呼 よ ぶのは必 かなら ずしも適切 てきせつ ではない[ 4] 。文字 もじ 体系 たいけい の分類 ぶんるい では、漢字 かんじ は中国語 ちゅうごくご の書記 しょき において使用 しよう されるときには表 ひょう 語 ご 文字 もじ と呼 よ ばれる。
表意 ひょうい 文字 もじ のうち、言語 げんご との結 むす びつきがないが意味 いみ を表 あらわ す図像 ずぞう を特 とく に絵文字 えもじ (英 えい : pictogram ) と呼 よ ぶこともあり、顔 かお 文字 もじ もこの一種 いっしゅ である。
また古代 こだい アメリカのマヤ文字 もじ (紋章 もんしょう 文字 もじ )も表意 ひょうい 文字 もじ とされ、漢字 かんじ と仮名 かめい 文字 もじ から成 な る日本語 にほんご と同様 どうよう 、表意 ひょうい と表音 ひょうおん の組 く み合 あ わせ(異 こと なる文字 もじ 体系 たいけい )から成立 せいりつ する[ 5] 。
^ ブリタニカ国際 こくさい 大 だい 百科 ひゃっか 事典 じてん 小 しょう 項目 こうもく 事典 じてん 【表意 ひょうい 文字 もじ 】
^ 『精選 せいせん 版 ばん 日本 にっぽん 国語 こくご 大 だい 辞典 じてん 』【表意 ひょうい 文字 もじ 】
^ 精選 せいせん 版 ばん 日本 にっぽん 国語 こくご 大 だい 辞典 じてん 【表意 ひょうい 文字 もじ 】
^ たとえば Gelb, I. J. A Study of Writing , University of Chicago Press, 1963 参照 さんしょう 。
^ 『神秘 しんぴ の王朝 おうちょう マヤ文明 ぶんめい 展 てん 』 2003年 ねん TBS 国立 こくりつ 科学 かがく 博物館 はくぶつかん p.22