論理 ろんり 回路 かいろ (ろんりかいろ、英 えい : logic circuit )とは、デジタル な電子 でんし 回路 かいろ による、論理 ろんり 演算 えんざん や記憶 きおく を行 おこな う回路 かいろ である[ 注 ちゅう 1] 。
真理 しんり 値 ち の「真 しん 」と「偽 にせ 」、あるいは二進法 にしんほう の「0」と「1」を、電圧 でんあつ の正負 せいふ や高低 こうてい 、電流 でんりゅう の方向 ほうこう や多少 たしょう 、位相 いそう の差異 さい 、パルス などの時間 じかん の長短 ちょうたん 、などで表現 ひょうげん し、論理 ろんり 素子 そし など[ 注 ちゅう 2] で論理 ろんり 演算 えんざん を実装 じっそう する。電圧 でんあつ の高低 こうてい で表現 ひょうげん する場合 ばあい それぞれを「H ( ハイ ) 」「L ( ロー ) 」等 とう という。基本 きほん 的 てき な演算 えんざん を実装 じっそう する論理 ろんり ゲート があり、それらを組 く み合 あ わせて複雑 ふくざつ な動作 どうさ をする回路 かいろ を構成 こうせい する。状態 じょうたい を持 も たない組 く み合 あ わせ回路 かいろ と状態 じょうたい を持 も つ順序 じゅんじょ 回路 かいろ に分 わ けられる。
論理 ろんり 回路 かいろ の設計 せっけい には、論理 ろんり 式 しき や真理 しんり 値 ち 表 ひょう が用 もち いられる。さらに回路 かいろ 図 ず 的 てき な表記 ひょうき 手段 しゅだん としてMIL記号 きごう など論理 ろんり 素子 そし 記号 きごう が使 つか われる。
負 ふ 論理 ろんり には正 せい 論理 ろんり の信号 しんごう 名 めい の上 うえ にオーバーバー(例 れい :
Q
¯
{\displaystyle {\overline {\mathrm {Q} }}}
)を加 くわ えることで表現 ひょうげん し、MIL記号 きごう では小丸 こまる (○ )で表現 ひょうげん する[ 1] 。
正 せい 論理 ろんり (左側 ひだりがわ )と負 ふ 論理 ろんり (右側 みぎがわ )の論理 ろんり ゲート
負 ふ 論理 ろんり のゲート(左側 ひだりがわ )は正負 せいふ の変換 へんかん を行 おこ なうNOT回路 かいろ を付加 ふか することで(右側 みぎがわ )内部 ないぶ に正 せい 論理 ろんり のゲートが含 ふく まれる。
正負 せいふ の論理 ろんり が混在 こんざい する場合 ばあい には、反転 はんてん の小丸 こまる をその配線 はいせん の端 はし 部 ぶ に付 つ けることで示 しめ す慣習 かんしゅう がある[ 注 ちゅう 3] 。この図 ず では斜線 しゃせん で負 ふ 論理 ろんり の部分 ぶぶん を示 しめ した。
MIL記号 きごう を含 ふく めて通常 つうじょう のロジック・ダイアグラム[ 注 ちゅう 4] では正 せい 論理 ろんり と負 ふ 論理 ろんり が混在 こんざい して使用 しよう される。
正 せい 論理 ろんり では「H」を真偽 しんぎ 値 ち の「真 しん 」に、負 ふ 論理 ろんり では「L」を真偽 しんぎ 値 ち の「真 しん 」に対応 たいおう させる。
厳密 げんみつ には正 せい 論理 ろんり の出力 しゅつりょく 信号 しんごう 線 せん は必 かなら ず正 せい 論理 ろんり の入力 にゅうりょく に接続 せつぞく されねばならず、負 ふ 論理 ろんり 出力 しゅつりょく は負 ふ 論理 ろんり の入力 にゅうりょく に接続 せつぞく されねばならないが、図面 ずめん 上 じょう の表記 ひょうき として必 かなら ず守 まも られるとは限 かぎ らない[ 1] (「厳密 げんみつ には」というよりは、図面 ずめん の目的 もくてき による。たとえば、論理 ろんり 的 てき な動作 どうさ を理解 りかい するための図 ず であるのか、製造 せいぞう のための電子 でんし 的 てき な回路 かいろ 図 ず に近 ちか い性格 せいかく のものであるのか、結局 けっきょく のところケースバイケースであろう)。
組 く み合 あ わせ回路 かいろ [ 注 ちゅう 5] は、現在 げんざい の入力 にゅうりょく のみで出力 しゅつりょく が決 き まる回路 かいろ である。
論理 ろんり ゲート: ANDゲート(AND,アンド)、ORゲート(OR,オア)、NOTゲート(NOT,ノット)、XORゲート(XOR,エクスクルーシブ・オア) など基本 きほん となる論理 ろんり 演算 えんざん を行 おこな うものである。
論理 ろんり
論理 ろんり 式 しき
回路 かいろ 記号 きごう (MIL 記号 きごう )
回路 かいろ 記号 きごう (JIS 記号 きごう )
NOT
A
¯
{\displaystyle {\overline {A}}}
OR
A
+
B
{\displaystyle A+B}
AND
A
⋅
B
{\displaystyle A\cdot B}
XOR
A
⊕
B
{\displaystyle A\oplus B}
NOR
A
+
B
¯
{\displaystyle {\overline {A+B}}}
NAND
A
⋅
B
¯
{\displaystyle {\overline {A\cdot B}}}
エンコーダ :複数 ふくすう の入力 にゅうりょく の内 うち の1つが「真 しん 」になった時 とき にそれに対応 たいおう する2進数 しんすう コードを出力 しゅつりょく するもの。
デコーダ :2進数 しんすう のコード入力 にゅうりょく に対応 たいおう して、多数 たすう の出力 しゅつりょく 線 せん の内 うち の1本 ほん だけを「真 しん 」にするもの。
マルチプレクサ :2進 しん コード入力 にゅうりょく に基 もと づいて、複数 ふくすう の入力 にゅうりょく から1つを選 えら んで出力 しゅつりょく するもの。「データセレクタ」[ 注 ちゅう 6] とも呼 よ ばれる。
デマルチプレクサ[ 注 ちゅう 7] :2進 しん コード入力 にゅうりょく に基 もと づいて、1つの入力 にゅうりょく を複数 ふくすう の出力 しゅつりょく の内 うち の1つに出力 しゅつりょく するもの。
加算 かさん 器 き : 2進数 しんすう の加算 かさん を行 おこな うもの。全 ぜん 加算 かさん 器 き [ 注 ちゅう 8] と半 はん 加算 かさん 器 き [ 注 ちゅう 9] があり、多 た 桁 けた の全 ぜん 加算 かさん 器 き では桁上 けたあ げの高速 こうそく 化 か の為 ため に「キャリールックアヘッド回路 かいろ 」を備 そな えるものもある。負 まけ の数 かず の表現 ひょうげん に2の補数 ほすう を使 つか っているのであれば、減算 げんざん は2の補数 ほすう を加算 かさん することで実現 じつげん 出来 でき る。回路 かいろ 規模 きぼ が大 おお きくなってもわずかでも高速 こうそく 化 か したい場合 ばあい 、減算 げんざん に対応 たいおう するための論理 ろんり 反転 はんてん の追加 ついか (XOR を1段 だん または、NOT を1段 だん とセレクタを1段 だん )を避 さ け、専用 せんよう の減算 げんざん 回路 かいろ を持 も つこともある。半 はん 減算 げんざん 器 き はXOR であって半 はん 加算 かさん 器 き と全 まった く同 おな じであるから、減算 げんざん 器 き には全 ぜん 減算 げんざん 器 き [ 注 ちゅう 10] しか無 な い。
乗算 じょうざん 器 き :2進数 しんすう の乗算 じょうざん を行 おこな うもの。過去 かこ にはALU上 じょう で加算 かさん とシフトの繰 く り返 かえ しで乗算 じょうざん を行 おこな っていたが、近年 きんねん は多数 たすう のゲート回路 かいろ によって一 いち 度 ど に乗算 じょうざん してしまう専用 せんよう 乗算 じょうざん 器 き が使用 しよう されている。
バレルシフタ :シフトレジスタによるシフト操作 そうさ では移動 いどう のビット数 すう 分 ぶん の回数 かいすう だけクロックの動作 どうさ 時間 じかん が掛 か かるが、これを避 さ けるためにマルチプレクサを複数 ふくすう 組 ぐみ 並 なら べるのと同様 どうよう に多数 たすう のゲート回路 かいろ によって一 いち 度 ど にずらすことで実現 じつげん するものである。
比較 ひかく 器 き [ 注 ちゅう 11] :「ディジタル・コンパレータ」とも呼 よ ばれ、概念 がいねん としては一致 いっち 回路 かいろ や不一致 ふいっち 回路 かいろ 、大小 だいしょう を比較 ひかく する比較 ひかく 器 き もあり[ 1] 、実際 じっさい のロジックICでは4ビットや8ビットの比較 ひかく 器 き にこれら全 すべ ての信号 しんごう が出力 しゅつりょく されるものが多 おお い[ 2] 。
transmission gate: (en:Transmission gate )働 はたら きとしては入出力 にゅうしゅつりょく の間 あいだ の電気 でんき 的 てき な直結 ちょっけつ あるいは絶縁 ぜつえん の状態 じょうたい を切 き り替 か えるスイッチなので、ディジタルに限 かぎ らずアナログにも使 つか えるゲートだが、XORゲート の実装 じっそう など論理 ろんり 回路 かいろ にも有用 ゆうよう な応用 おうよう がある。
順序 じゅんじょ 回路 かいろ は過去 かこ の内部 ないぶ 状態 じょうたい と取得 しゅとく 時 じ の入力 にゅうりょく 信号 しんごう とで出力 しゅつりょく が決 き まる回路 かいろ である。組 く み合 あ わせ回路 かいろ は、伝播 でんぱ 遅延 ちえん によって信号 しんごう が遅 おく れることを除 のぞ けば、入力 にゅうりょく の組 く み合 あ わせだけで出力 しゅつりょく が一意 いちい に決 き まるが、順序 じゅんじょ 回路 かいろ はループにより内部 ないぶ に状態 じょうたい を保持 ほじ しており、過去 かこ の入力 にゅうりょく に影響 えいきょう されるその状態 じょうたい も、出力 しゅつりょく の決定 けってい に関 かか わる。入力 にゅうりょく 信号 しんごう の組 く み合 あ わせによっては「不定 ふてい 」になる場合 ばあい がある[ 3] (ラッチ回路 かいろ #SRラッチの「不定 ふてい 」 )。
フリップフロップ は制御 せいぎょ 信号 しんごう により現在 げんざい の入力 にゅうりょく 信号 しんごう の保持 ほじ を行 おこな うものである。ラッチ とも呼 よ ばれる。論理 ろんり 回路 かいろ ではフリップフロップと呼 よ ぶものも、コンピュータ・システムでの回路 かいろ 名 めい としては(通常 つうじょう は複数 ふくすう ビットの記憶 きおく 回路 かいろ を)レジスタ と呼 よ ぶ。
非同期 ひどうき 式 しき フリップフロップ はクロック入力 にゅうりょく を持 も たず、その時点 じてん での入力 にゅうりょく の値 ね に応 おう じて出力 しゅつりょく が変化 へんか し、新 あら たな入力 にゅうりょく 信号 しんごう が来 く るまで同 おな じ状態 じょうたい を保持 ほじ する。
非同期 ひどうき 式 しき RS-FF(=RSラッチ):標準 ひょうじゅん ではRとSが共 とも に「真 しん 」は禁止 きんし されているが、セット優先 ゆうせん 、リセット優先 ゆうせん のものでは両 りょう 入力 にゅうりょく が共 とも に「真 しん 」の時 とき にはセットにだけ「真 しん 」の入力 にゅうりょく があったもの、またはリセットにだけ 「真 しん 」 の入力 にゅうりょく があったものとして扱 あつか われる設定 せってい が行 くだり なえるものがある。
非同期 ひどうき 式 しき D-FF(=Dラッチ):RS-FFのS入力 にゅうりょく にストローブ入力 にゅうりょく (G)によるゲート制御 せいぎょ が加 くわ わったものである。ストローブが 「真 しん 」 の間 あいだ はD入力 にゅうりょく はQ出力 しゅつりょく にそのまま反映 はんえい され、ストローブが「真 しん 」から「偽 にせ 」に変 か わるとその変化 へんか 時点 じてん (立 た ち上 のぼ り、又 また は立 た ち下 くだ り)での入力 にゅうりょく を保持 ほじ する。
同期 どうき 式 しき フリップフロップ はクロック信号 しんごう (CLK、CK等 とう と表記 ひょうき )の立 た ち上 あ がり(又 また は立 た ち下 くだ り)に同期 どうき してその時点 じてん での入力 にゅうりょく (D, S, J等 とう )に対応 たいおう する信号 しんごう を出力 しゅつりょく する。この出力 しゅつりょく は次 つぎ にクロックが立 た ち上 あ がる(又 また は立 た ち下 くだ る)まで更新 こうしん されない。
同期 どうき 式 しき RS-FF:RS は reset と set から付 つ けられた。
同期 どうき 式 しき D-FF:D は data または delay から付 つ けられた。
JK-FF:RS-FFの動作 どうさ に近 ちか いがRとSの両方 りょうほう が「真 しん 」の時 とき は出力 しゅつりょく が反転 はんてん するのでRとSに同 おな じ入力 にゅうりょく を与 あた えると同期 どうき 式 しき T-FFとして動作 どうさ する。JとKに互 たが いに反転 はんてん した入力 にゅうりょく を与 あた えればD-FFとなる。もちろんRS-FFとして使用 しよう できる。このため、JK-FFは色々 いろいろ な構成 こうせい で使用 しよう される。内部 ないぶ には2段 だん の非同期 ひどうき FFがマスター・スレーブ構成 こうせい に並 なら んでいて、同期 どうき 動作 どうさ を行 おこ なっている。
T-FF:クロックやクリア、プリセット以外 いがい の入力 にゅうりょく は持 も たず、クロックが入力 にゅうりょく されるたびに出力 しゅつりょく が反転 はんてん する。Tは toggle から付 つ けられた。
カウンタ 回路 かいろ は、特定 とくてい の順序 じゅんじょ で出力 しゅつりょく の組 く み合 あ わせが変化 へんか し、一定 いってい の周期 しゅうき で元 もと の状態 じょうたい に戻 もど るもので、フリップフロップとゲートとをいくつか組 く み合 あ わせたものである。
シフトレジスタ :直列 ちょくれつ フリップフロップの入力 にゅうりょく と出力 しゅつりょく を直接 ちょくせつ 接続 せつぞく したもので、クロックに合 あ わせて各 かく FFを1段 だん ずつ横 よこ に送 おく っていく(シフトしてゆく)動作 どうさ をするもの。通常 つうじょう は初段 しょだん と終 おわり 段 だん の間 あいだ は接続 せつぞく されていない。
ジョンソン・カウンタ:シフトレジスタの初段 しょだん と終 おわり 段 だん の間 あいだ だけ入力 にゅうりょく と出力 しゅつりょく を反転 はんてん して接続 せつぞく したもの。クロックに合 あ わせて各 かく FFを1段 だん ずつ横 よこ に送 おく っていく(シフトしてゆく)動作 どうさ をするが、反転 はんてん 入力 にゅうりょく が移動 いどう してゆくので n 段 だん ならば 2n 回 かい 目 め で一 いち 順 じゅん するカウンタとなり、初期 しょき 値 ち が単純 たんじゅん に「0」や「1」ばかりであればデューティサイクル が50%のディジタル波形 はけい 信号 しんごう が得 え られる。
リング・カウンタ:シフトレジスタの初段 しょだん と終 おわり 段 だん の間 あいだ も他 た の段 だん 同様 どうよう 、入力 にゅうりょく と出力 しゅつりょく を直接 ちょくせつ 接続 せつぞく したもの。初期 しょき 値 ち で設定 せってい されたディジタル波形 はけい 信号 しんごう がn回 かい 目 め で一 いち 順 じゅん するカウンタとなる。例 たと えば4段 だん リング・カウンタに 1000
と設定 せってい すれば 0100
→0010
→0001
→1000
となって4回 かい 目 め で元 もと に戻 もど る。
バイナリ・カウンタ(2進 しん カウンタ)
n進 すすむ カウンタ:(同期 どうき 式 しき であれば)バイナリ・カウンタのリセット入力 にゅうりょく に n-1 回 かい 目 め で「H」となるようにゲート回路 かいろ で信号 しんごう を接続 せつぞく する。n 回 かい 目 め のクロック入力 にゅうりょく でリセットがかかり、全 すべ てが 0
に戻 もど る。
また、全 すべ ての出力 しゅつりょく 状態 じょうたい が使用 しよう されるものと出力 しゅつりょく 状態 じょうたい の一部 いちぶ のみ使用 しよう されるものの差 さ で次 つぎ の2つのグループに分類 ぶんるい 出来 でき る。
フィルド・コード・カウンタ[ 注 ちゅう 12] :全 すべ ての出力 しゅつりょく 状態 じょうたい が使用 しよう されるもの。
2ビットジョンソン・カウンタ
グレイ・コード・カウンタ、
バイナリ・カウンタ(2進 しん カウンタ)
アンフィルド・コード・カウンタ[ 注 ちゅう 13] :出力 しゅつりょく 状態 じょうたい の一部 いちぶ のみ使用 しよう されるもので、その他 た の状態 じょうたい になる時 とき は動作 どうさ 不良 ふりょう のときであるもの。
カウンタには同期 どうき 式 しき と非同期 ひどうき 式 しき があり、非同期 ひどうき 式 しき カウンタは常 つね に前段 ぜんだん の結果 けっか によって次段 じだん の動作 どうさ が左右 さゆう されるため、多段 ただん になるほど終 おわり 段 だん の結果 けっか の確定 かくてい は回路 かいろ の伝播 でんぱ 遅延 ちえん による遅 おく れが蓄積 ちくせき される。こうしたものは「非同期 ひどうき 式 しき リプルカウンタ」と呼 よ ばれる。
多 おお くのカウンタ回路 かいろ には、加算 かさん と減算 げんざん の動作 どうさ 選択 せんたく 、各 かく 段 だん の初期 しょき 値 ち のプリセット、全段 ぜんだん のリセットなどの機能 きのう を備 そな えており、また、論理 ろんり 回路 かいろ 的 てき な設計 せっけい とは無関係 むかんけい であるが実際 じっさい のICチップパッケージには多段 ただん 接続 せつぞく 時 じ に数珠繋 じゅずつな ぎに延長 えんちょう できるよう、キャリアアウト出力 しゅつりょく とキャリアイン入力 にゅうりょく と云 い う桁上 けたあ げ出力 しゅつりょく や桁 けた 借 か り出力 しゅつりょく などが備 そな わっている[ 1] 。
以上 いじょう の、組合 くみあ わせ回路 かいろ と順序 じゅんじょ 回路 かいろ という分類 ぶんるい とは別 べつ に、以下 いか のような分類 ぶんるい もある。
同期 どうき 式 しき では非同期 ひどうき 式 しき に比 くら べて信号 しんごう の遅 おく れやレーシングといった問題 もんだい に起因 きいん する動作 どうさ 不良 ふりょう が減 へ らせる、又 また は根絶 こんぜつ できるが、回路 かいろ 規模 きぼ が大 おお きくなるので消費 しょうひ 電力 でんりょく や回路 かいろ コストが増 ま す[ 1] 。非同期 ひどうき 式 しき は単純 たんじゅん な回路 かいろ 構成 こうせい が採 と れるので低 てい 消費 しょうひ で回路 かいろ コストも安 やす くて済 す み、回路 かいろ 設計 せっけい が最適 さいてき 化 か 出来 でき れば高速 こうそく 動作 どうさ が可能 かのう になるが、設計 せっけい マージンが小 ちい さくなる傾向 けいこう があり小 ちい さなミスが動作 どうさ 不良 ふりょう に結 むす びつく。
特 とく に完全 かんぜん 同期 どうき 式 しき 回路 かいろ は、全体 ぜんたい で共有 きょうゆう するクロック 信号 しんごう を利用 りよう して動作 どうさ のタイミングをあわせる回路 かいろ である(クロック同期 どうき 設計 せっけい )。大 だい 規模 きぼ な回路 かいろ で広 ひろ く用 もち いられている。設計 せっけい 時 じ に大 だい 規模 きぼ な回路 かいろ のシミュレーションが行 おこな いやすい、製造 せいぞう 時 じ に全 すべ てのラッチの 1・0 が切 き り替 か わるかどうかのテストを行 おこな う試験 しけん 機 き のプログラムを作成 さくせい しやすい、といった利点 りてん がある。
同期 どうき 式 しき に対 たい し、別 べつ に同期 どうき 信号 しんごう を持 も たないものが非同期 ひどうき 式 しき で、非同期 ひどうき 論理 ろんり ・非同期 ひどうき 回路 かいろ (en:Asynchronous circuit )と言 い う。電気 でんき 試験 しけん 所 しょ のETL Mark IとMark II、富士通 ふじつう のFACOM 128などのリレー式 しき 計算 けいさん 機 き に採用 さいよう がある。マイクロプロセッサ では、商業 しょうぎょう 的 てき に販売 はんばい されてはいないがAMULET や南谷 なんや 研 けん の「TITAC」がある。
DRAM のように、常 つね に活動 かつどう していなければ正常 せいじょう に動作 どうさ しない論理 ろんり 回路 かいろ を動的 どうてき と言 い う。これに対 たい し、SRAM のように、電圧 でんあつ の供給 きょうきゅう だけで働 はたら く論理 ろんり 回路 かいろ を静的 せいてき と言 い う。マイクロプロセッサのレジスタのように多 おお くの記憶 きおく が必要 ひつよう な場合 ばあい 、素子 そし 数 すう の点 てん で有利 ゆうり な動的 どうてき 回路 かいろ の場合 ばあい があり、そういったマイクロプロセッサは動作 どうさ 周波数 しゅうはすう に下限 かげん があり、また、クロックを止 と めることができない。
論理 ろんり 演算 えんざん に対 たい しても、常 つね に働 はたら く回路 かいろ として論理 ろんり 演算 えんざん をおこなうものを静的 せいてき 論理 ろんり と言 い う。汎用 はんよう ロジックICの多 おお くなど、現在 げんざい 使 つか われている多 おお くの論理 ろんり 回路 かいろ は静的 せいてき である。これに対 たい し、クロックに合 あ わせ1クロックで1段階 だんかい の論理 ろんり 演算 えんざん を行 おこな うような方式 ほうしき もあり、動的 どうてき 論理 ろんり (en:Dynamic logic (digital electronics) )と言 い う。電気 でんき 試験 しけん 所 しょ のETL Mark III・IV 、パラメトロン の回路 かいろ 方式 ほうしき 、トランスピュータ の内部 ないぶ 回路 かいろ などに実例 じつれい がある。
論理 ろんり 回路 かいろ というよりディジタル回路 かいろ としての分類 ぶんるい になるが、以下 いか のようなデバイスがある。
ワイヤード・オア[ 注 ちゅう 15] :(TTLでは)複数 ふくすう のオープンコレクタ 出力 しゅつりょく を使 つか って便宜上 べんぎじょう のOR回路 かいろ を構成 こうせい する手法 しゅほう 。通常 つうじょう は複数 ふくすう のディジタル出力 しゅつりょく をそのまま結線 けっせん することは許 ゆる されないが、オープンコレクタ出力 しゅつりょく により可能 かのう となる。プルアップ抵抗 ていこう が必要 ひつよう 。CMOSではオープンドレインとなる。
バッファ[ 注 ちゅう 16] 、バス・トランシーバ[ 注 ちゅう 17] 、ライン・ドライバ/レシーバ[ 注 ちゅう 18] :伝送 でんそう 路 ろ や多数 たすう のゲートを駆動 くどう する為 ため に大 おお きな出力 しゅつりょく の回路 かいろ を持 も つもの。多 おお くが4bit、8bit、16bitなどの複数 ふくすう 本 ほん を並列 へいれつ にして扱 あつか われる。
トライステート・バッファ[ 注 ちゅう 19] :バッファの出力 しゅつりょく 状態 じょうたい を「H」と「L」の他 ほか にハイ・インピーダンス[ 注 ちゅう 20] の合計 ごうけい 3つ持 も つもの。
シュミット・トリガ[ 注 ちゅう 21] :不安定 ふあんてい な入力 にゅうりょく 信号 しんごう を安定 あんてい 的 てき に波形 はけい 整形 せいけい して出力 しゅつりょく する為 ため に、ヒステリシス 特性 とくせい を備 そな えたアンプを持 も つ。インバータ回路 かいろ などに多 おお い[ 1] 。
シーケンサ[ 注 ちゅう 22] :外部 がいぶ 状況 じょうきょう の変化 へんか にしたがって定義 ていぎ された演算 えんざん ・動作 どうさ を行 おこな うもので、カウンタ・外部 がいぶ 信号 しんごう のレジスタ・ゲートなどを組 く み合 あ わせて製作 せいさく される。
電気 でんき による論理 ろんり 演算 えんざん は、リレー(ことによってはソレノイドアクチュエータやモータと、スイッチ)による装置 そうち (たとえば初期 しょき の電話 でんわ 交換 こうかん 機 き など)があった。しかし、ブール代数 だいすう は19世紀 せいき 中頃 なかごろ に考案 こうあん されていたが、当時 とうじ はそれらの装置 そうち と関連付 かんれんづ けて考 かんが えられていなかった。
ディジタル回路 かいろ と論理 ろんり 演算 えんざん の対応 たいおう 付 づ けは、中嶋 なかじま 章 あきら が1934年 ねん 頃 ごろ から研究 けんきゅう 、論文 ろんぶん としては1936-1937年 ねん [ 注 ちゅう 23] に榛 はしばみ 沢 さわ 正男 まさお と発表 はっぴょう した「継電器 けいでんき 回路 かいろ に於 お ける単 たん 部分 ぶぶん 路 ろ の等価 とうか 変換 へんかん の理論 りろん 」を嚆矢 こうし とし、クロード・シャノン の1937年 ねん の研究 けんきゅう とその発表 はっぴょう が有名 ゆうめい である(他 ほか にも相次 あいつ いで発表 はっぴょう されている)。後者 こうしゃ の着想 ちゃくそう が独立 どくりつ かどうかは不明 ふめい である[ 4] 。
個別 こべつ 部品 ぶひん 時代 じだい もモジュール化 か はおこなわれていたが、1960年代 ねんだい に登場 とうじょう した汎用 はんよう ロジックIC により、アナログ的 てき な回路 かいろ 設計 せっけい と論理 ろんり 設計 せっけい をほぼ分離 ぶんり できるようになった。
小規模 しょうきぼ な場合 ばあい は、論理 ろんり 素子 そし 記号 きごう などを使 つか った手書 てが きによる設計 せっけい が可能 かのう であるが、大 だい 規模 きぼ になると難 むずか しい。そのため、大 だい 規模 きぼ な回路 かいろ の設計 せっけい にはハードウェア記述 きじゅつ 言語 げんご (HDL)が多用 たよう されるようになった。
1990年代 ねんだい 後半 こうはん より、試作 しさく や少量 しょうりょう 生産 せいさん の場合 ばあい に論理 ろんり がプログラマブルな(書 か き換 か え可能 かのう な)PLD やCPLD、FPGA などが使用 しよう されるようになった。大量 たいりょう 生産 せいさん または高性能 こうせいのう が要求 ようきゅう される場合 ばあい はASIC も使用 しよう される。
十進法 じっしんほう で表現 ひょうげん された数 かず を、整数 せいすう 値 ち として2進 しん に変換 へんかん するのではなく扱 あつか う方法 ほうほう として二 に 進化 しんか 十 じゅう 進 しん 表現 ひょうげん がある。0000
から 1001
を使用 しよう し 1010
から 1111
は使用 しよう しないというよくある方法 ほうほう の他 ほか いくつかのバリエーションや、近年 きんねん の十 じゅう 進 しん 浮動 ふどう 小数点 しょうすうてん で使 つか われている10ビットに十 じゅう 進 しん 3桁 けた を詰 つ め込 こ む densely packed decimal 、3増 ぞう し符号 ふごう 、2-5進 しん コード(二 に 五 ご 進 しん 法 ほう )などがある。
^ リレー によるものは「電子 でんし 回路 かいろ 」というよりは「電気 でんき 回路 かいろ 」だが、この記事 きじ ではほとんど扱 あつか わない。また真理 しんり 値 ち が連続 れんぞく 的 てき な値 ね をとる(アナログな)論理 ろんり を扱 あつか う論理 ろんり 回路 かいろ や、アナログ電子 でんし 回路 かいろ による論理 ろんり 回路 かいろ 、流体 りゅうたい 素子 そし や光 ひかり コンピューティング といった電気 でんき 以外 いがい による論理 ろんり 演算 えんざん の提案 ていあん などについても、以下 いか の説明 せつめい では全 まった く考慮 こうりょ していない。
^ ワイヤードORなどは論理 ろんり 素子 そし による実装 じっそう ではない。
^ そのようにすると、たとえば図 ず で、2入力 にゅうりょく 1出力 しゅつりょく のANDの3個 こ の端子 たんし 全 すべ てに小丸 こまる が付 つ いていた場合 ばあい 、負 ふ 論理 ろんり として見 み ると論理 ろんり 積 せき の働 はたら きをしている(電気 でんき 的 てき にはORゲートである)ということがわかりやすくなり都合 つごう が良 よ い。
^ 英 えい : logic diagram
^ 「組 く み合 あ わせ論理 ろんり 回路 かいろ 」ともいう。
^ 英 えい : data selector
^ 英 えい : demultiplexer
^ 英 えい : full adder
^ 英 えい : half adder
^ 英 えい : full subtracter
^ 英 えい : comparator
^ 英 えい : filled code counter
^ 英 えい : unfilled code counter
^ 英 えい : linear feedback shift register
^ 英 えい : wired OR
^ 英 えい : buffer
^ 英 えい : bus transceiver
^ 英 えい : line driver/receiver
^ 英 えい : 3-state buffer
^ 英 えい : high impedance
^ 英 えい : Schmitt trigger
^ 英 えい : sequencer
^ 2部 ぶ 構成 こうせい
論理 ろんり ゲート
論理 ろんり ゲート関連 かんれん 項目 こうもく