豪商ごうしょう

豪商ごうしょう（ごうしょう）は、めざましい近世きんせい日本にっぽんの経済けいざい発展はってんの中なかで巨きょ万まんの富とみを蓄たくわえた大だい商人しょうにん。

近世きんせい初期しょきの豪商ごうしょう

「糸いと割符わりふ制度せいど」も参照さんしょう

16世紀せいき末葉まつようから17世紀せいき初期しょきにかけて、初期しょき豪商ごうしょうと呼よばれる特権とっけん的てき商人しょうにんが現あらわれた。織お豊ゆたか政権せいけんから徳川とくがわ氏しによる江戸えど幕府ばくふの成立せいりつへと日本にっぽんの国内こくない統一とういつが進すすみ、未曾有みぞうの海外かいがい発展はってんを遂とげたこの時代じだい、商人しょうにんは権力けんりょくと結むすんでその政策せいさくの遂行すいこうに大おおきく貢献こうけんした。また、中央ちゅうおうの権力けんりょく者しゃや新興しんこうの諸しょ大名だいみょうとともに桃山ももやま文化ぶんか・寛永かんえい文化ぶんかをささえ、その担にない手てとなったのが初期しょきの豪商ごうしょうであった。

角すみ倉くら了りょう以像（京都きょうと・嵐山あらしやま）

堺さかいの小西こにし隆たかし佐さや今井いまい宗久そうきゅう、津田つだ宗及そうきゅう、博多はかたの島井しまい宗室そうしつおよび神谷かみや宗そう湛じんは豊臣とよとみ秀吉ひでよしに協力きょうりょくした。小西こにし隆たかし佐さは秀吉ひでよしに財貨ざいか運用うんようの才ざいを認みとめられて九州きゅうしゅう攻ぜめや文ぶん禄ろくの役やくで活躍かつやくし、ジョウチンの名なで洗礼せんれいを受うけたキリシタンであった。織田おだ信長のぶながと豊臣とよとみ秀吉ひでよしに仕つかえた今井いまい宗久そうきゅうと津田つだ（天王寺屋てんのうじや）宗及そうきゅうは茶人ちゃじんとしても知しられ、千利休せんのりきゅう（宗易そうえき）とともに秀吉ひでよしの茶ちゃ頭あたまとなり、天下てんか三さん宗匠そうしょうと称しょうされた。島井しまい宗室そうしつと神谷かみや宗そう湛じんの2人ふたりは秀吉ひでよしの九州きゅうしゅう制圧せいあつののちに秀吉ひでよしに拝謁はいえつし、秀吉ひでよしから博多はかた復興ふっこうの命いのちを受うけた。ともに南方なんぽう貿易ぼうえきや朝鮮ちょうせん出兵しゅっぺいの輸送ゆそうなどで活躍かつやくしている。また、堺さかいの納屋なや助左衛門すけざえもんはルソン島るそんとう（現げんフィリピン）での交易こうえきによって巨利きょりを得えたが、秀吉ひでよしから邸宅ていたく没収ぼっしゅうの処分しょぶんを受うけることになった。

徳川とくがわ家康いえやすの時代じだいになると、京都きょうとの角すみ倉くら了りょう以や茶屋ちゃや四郎次しろうじ郎ろう、摂津せっつ国こくの末吉すえきち孫まご左衛門さえもん・平野ひらの藤次郎とうじろう、博多はかたの大賀おおが宗そう九きゅう、長崎ながさきの末次すえつぐ平蔵へいぞう・荒木あらき宗太郎そうたろう、堺さかいの今井いまい宗薫そうくんらが貿易ぼうえき許可きょかをえて南海なんかい貿易ぼうえき（朱印船しゅいんせん貿易ぼうえき）に乗のり出だした。彼かれらは一般いっぱんに、朱印しゅいん状じょうや糸いと割符わりふ制度せいどなどといった幕府ばくふより認みとめられた特権とっけんを活用かつようして富とみをたくわえ、また、全国ぜんこく的てきに商品しょうひん流通りゅうつうが未み発達はったつで市場いちばが不安定ふあんていであることに乗じょうじて巨利きょりをえた。そのため、17世紀せいき中葉ちゅうように鎖国さこく政策せいさくが進すすめられ、金きむ・銀ぎんの産出さんしゅつが減少げんしょうし、その一方いっぽうで交通こうつう路ろの整備せいびなどによって国内こくない市場いちばが安定あんてい化かするにともない急速きゅうそくに没落ぼつらくしていった。その衰退すいたいが決定的けっていてきになったのは承うけたまわ応おう年間ねんかんから寛文ひろふみ年間ねんかんにかけて（1652年ねん-1673年ねん）のことである。なお、福岡ふくおか藩はんの御用ごよう商人しょうにんとして博多はかたと長崎ながさきで活躍かつやくした伊藤いとう小左衛門こざえもんが密みつ貿易ぼうえきの罪つみで罰ばっせられたのは寛文ひろふみ7年ねん（1667年ねん）のことであった。

元禄げんろく期き以降いこうの豪商ごうしょう

淀よどみ屋やの碑いしぶみ（大阪おおさか・北浜きたはま）

17世紀せいき後葉こうようから18世紀せいき初頭しょとうにかけての元禄げんろく年間ねんかん（1688年ねん-1704年ねん）、新興しんこうの大だい商人しょうにんが現あらわれた。この時代じだいは、文治ぶんじ政治せいじへの転換てんかんにより幕まく藩はん体制たいせいがいっそうの安定あんてい期きを迎むかえ、三さん都ととりわけ京きょう・大坂おおさかを中心ちゅうしんとする上方かみがたの経済けいざい・文化ぶんかの繁栄はんえいが頂点ちょうてんに達たっした時期じきに相当そうとうする。元禄げんろく豪商ごうしょうと称しょうされる商人しょうにんには2つのタイプがあり、1つは投機とうき型かたの商人しょうにんで、「紀文のりふみ」の名なで知しられる紀伊国屋きのくにや文左衛門ぶんざえもん、「奈良なら茂しげる」といわれた奈良屋ならや茂しげる左衛門さえもん、西にし廻まわり航路こうろ・東ひがし廻まわり航路こうろの整備せいびで知しられる河村かわむら瑞みずほ賢けんはいずれも材木ざいもく商しょうを営いとなんだ。彼かれらは明あかり暦れきの大火たいか後ごの復興ふっこうにともなう木材もくざい需要じゅよう増ぞうをあてこんで材木ざいもくを扱あつかい、とくに「紀文のりふみ」と「奈良なら茂しげる」はいずれも幕府ばくふの材木ざいもく御用達ごようたしとして公共こうきょう事業じぎょうで利益りえきをあげた。「紀文のりふみ」は老中ろうじゅう阿部あべ正武まさたけの信任しんにんを得えて幕府ばくふに大量たいりょうの材木ざいもくを納おさめ、また、駿府すんぷの商人しょうにん松木屋まつきや豪ごう蔵くらと提携ていけいして駿河するが国こく井川いかわ山さんなどから樹木じゅもくを伐採ばっさいした。元禄げんろく11年ねん（1698年ねん）の上野うえのの寛永寺かんえいじ根本中堂こんぽんちゅうどう（東京とうきょう都と台東たいとう区く）造営ぞうえいに際さいしては50万まん両りょうもの利益りえきをあげたといわれている。「奈良なら茂しげる」は天和てんわ3年ねん（1683年ねん）の下野げや国こくの日光にっこう東照宮とうしょうぐう（栃木とちぎ県けん日光にっこう市し）修理しゅうりの際さいに巨利きょりをあげたといわれ、尾張おわり藩はんと関係かんけい深ふかく、名古屋なごやの商人しょうにん神しん部分ぶぶん左衛門さえもんと組くんで飛騨ひだ国こくで伐採ばっさい活動かつどうをおこなった。彼かれの遺産いさんは13万まん2530両りょうといわれている。「紀文のりふみ」と「奈良なら茂しげる」の2代目だいめはそれぞれ江戸えど吉原よしはらでの桁外けたはずれの豪遊ごうゆうで知しられ、のちにそれがとがめられてもいる。また、ともに緊縮きんしゅく財政ざいせいを旨むねとする新井あらい白石はくせきの「正徳しょうとくの治ち」において土木どぼく事業じぎょうが差さし控ひかえられたため、やがて廃業はいぎょうを余儀よぎなくされた。これに対たいし、河村かわむら瑞みずほ賢けんは御家人ごけにんに取とり立たてられた。また、大坂おおさかの蔵元くらもとであった淀よどみ屋やは蔵ぞう物ぶつの出納すいとうで富とみを得え、店頭てんとうで米べい市しが立たつほどの殷賑いんしんを誇ほこったといわれ、井原いはら西鶴さいかくが『日本にっぽん永代えいたい蔵ぞう』にその繁栄はんえいぶりを記しるしているが、宝永ほうえい2年ねん（1705年ねん）、5代だい三郎さぶろう右みぎ衛門えもんが驕奢きょうしゃの理由りゆうで全ちょん財産ざいさんを没収ぼっしゅうされている。

「越後屋えちごや」の復元ふくげん看板かんばん

その一方いっぽうで、堅実けんじつな経営けいえいで事業じぎょうを発展はってん・継続けいぞくさせていったタイプの豪商ごうしょうもあった。呉服ごふくと両替りょうがえ商しょうを営いとなんだ三井みつい家か、酒造しゅぞう・廻船かいせん・両替りょうがえ・掛かけ屋やの鴻池こうのいけ家か、銅どうの製せい錬ねと鉱山こうざん開発かいはつにたずさわった住友すみとも家かなどは着実ちゃくじつに家業かぎょうを継承けいしょうして近代きんだいに入はいってからも財閥ざいばつとして繁栄はんえいした。江戸えど時代じだいの豪商ごうしょうは、蔵元くらもとや両替りょうがえ商しょう、呉服ごふく商しょう、米べい商しょう、木綿こわた問屋とんや、油あぶら問屋とんや、海運かいうん業ぎょうなどを営いとなみ、その創業そうぎょう当初とうしょは専門せんもん職種しょくしゅに携たずさわっていたが、規模きぼが拡大かくだいするにつれ、兼業けんぎょう化かするものが多おおかった。すでに伊勢いせ国こく松坂まつさか（三重みえ県けん松阪まつさか市し）で商人しょうにんとして成功せいこうしていた三井みつい家かの当主とうしゅ三井みつい高利たかとしは寛文ひろふみ13年ねん（1673年ねん）に江戸えど本町ほんちょう一いち丁目ちょうめに越後屋えちごや呉服ごふく店てんを、また、京都きょうとには呉服ごふく仕入しいれ店てんを開業かいぎょうした。越後屋えちごやは「現金げんきん掛かけ値ねなし」の画期的かっきてきな商法しょうほうで人気にんきを博はくし、今日きょうの三越みつこし百貨店ひゃっかてんにつながっている。「現金げんきん掛かけ値ねなし」の店先みせさき売うりは周囲しゅういの店みせからいやがらせを受うけるほどの大だい評判ひょうばんとなった。三井みついは延のべ宝たから8年ねん（1680年ねん）からは駿河するが町まちにおいて両替りょうがえ業務ぎょうむをはじめ、天和てんわ3年ねん（1683年ねん）には呉服ごふく店てんを同地どうちに移転いてんし、さらに貞享ていきょう4年ねん（1687年ねん）に幕府ばくふの呉服ごふく御用達ごようたしを命めいじられるといやがらせもおさまった。元禄げんろく4年ねん（1691年ねん）には金銀きんぎん御ご為替かわせ御用達ごようたしも命めいじられている。越後屋えちごや呉服ごふく店てんは、薄利多売はくりたばいの営業えいぎょう方針ほうしんに加くわえて「引びき札さつ」と称しょうされる広告こうこく用ようチラシの配布はいふ、呉服ごふく地ちの切きり売うり、小切こぎれの販売はんばい、店員てんいんの専門せんもん化かなどといった創意そうい工夫くふうにより売上うりあげを増ふやした。

大坂おおさかの豪商ごうしょう鴻池こうのいけ家かは摂津せっつ国こく伊丹いたみの酒造しゅぞう業ぎょうからおこってきた豪商ごうしょうである。鴻池こうのいけ善よし右みぎ衛門えもん（3代だい）は、父祖ふその手掛てがけた大名だいみょう貸かし事業じぎょうを拡大かくだいして新田にった開発かいはつを手てがけた。宝永ほうえい元年がんねん（1704年ねん）の大和やまと川がわの付つけ替かえ工事こうじの際さいに生しょうじた土地とちの新田にった開発かいはつに着手ちゃくしゅ、のちに鴻池こうのいけ新田にったとして整備せいびした。また市街地しがいち整備せいびも手てがけて地代じだいを獲得かくとくし、近世きんせい日本にっぽん最大さいだいの豪商ごうしょうとして繁栄はんえいした。加島屋かしまやも大坂おおさかの豪商ごうしょうで、寛永かんえいの頃ころから御堂前みどうまえで米べい問屋とんやを始はじめ、両替りょうがえ商しょうも兼営けんえいし、のちに「十じゅう人にん両替りょうがえ」に列れっせられた。諸しょ藩はんの蔵元くらもと・掛かけ屋やとして大名だいみょう貸かしで鴻池こうのいけ家かと並ならび称しょうされた。南蛮なんばん吹ふきの精錬せいれんによって財ざいをなした大坂おおさか淡路あわじ町まちの住友すみとも家かでは、初代しょだい住友すみとも吉よし左衛門さえもん（住友すみとも家か3代だい友信とものぶ）が幕府ばくふ御用ごようの銅山どうざん師しとなり、その子この友とも芳よしが元禄げんろく3年ねん（1690年ねん）が伊予いよ国こくで別べつ子こ銅山どうざん（愛媛えひめ県けん新居浜にいはま市し）を発見はっけんして豪商ごうしょうの地位ちいを不動ふどうのものにした。

江戸えど期きの物流ぶつりゅうを支配しはいしたのが廻船かいせん問屋とんやであった。『日本にっぽん永代えいたい蔵ぞう』で紹介しょうかいされた唐金からかね屋やは和泉いずみ国こく佐野さのの船問屋ふなどんやであり同郷どうきょうの食しょく野の（のちの和泉屋いずみや次郎左衛門じろうざえもん）などとともに大船おおぶねを用もちいて、越えつ中国ちゅうごく・加賀かが国こく・能登のと国こくなどで産さんする米こめを運はこび、巨富きょふを得えた。元禄げんろく12年ねん（1699年ねん）段階だんかいで泉佐野いずみさのだけで300石せき以上いじょうの廻船かいせんが80艘そう以上いじょうあったという。廻船かいせん問屋とんやの出身しゅっしん地ちとしては、塩飽諸島しわくしょとうや忽那くつな諸島しょとうなど、かつて村上むらかみ水軍すいぐんが拠よっていた瀬戸内海せとないかいに面めんした諸しょ港みなとは数かず・規模きぼにおいて、これを上うえまわる。寛文ひろふみ12年ねん（1672年ねん）、江戸えどの米べい不足ふそくに際さいして出羽でわ国こく庄内しょうない地方ちほうの米こめを江戸えどに運はこんで航路こうろを開ひらいたのは塩飽諸島しわくしょとうの航海こうかい者しゃであり、歌うたにうたわれた笠島かさじまの丸屋まるやもこの流ながれのなかに位置いちづけられる。彼かれらは、庄内しょうないから日本海にほんかいを南西なんせいに航海こうかいして瀬戸内海せとないかいを経由けいゆし、さらに紀伊きい半島はんとうから江戸えどへと向むかう長大ちょうだいな航路こうろを航行こうこうしたのである。菱ひし垣かき廻船かいせんや酒さけ荷に用ようの樽たる廻船かいせんを駆使くしした問屋とんや商人しょうにんは、株かぶ仲間なかまを結成けっせいして不正ふせい防止ぼうしや事故じこ防止ぼうしを共同きょうどうでおこなうとともに営業えいぎょうの独占どくせんを図はかった。

諸しょ藩はんの蔵屋敷くらやしきがたちならび、蔵元くらもと・掛かけ屋やが集中しゅうちゅうする大だい坂さかは「天下てんかの台所だいどころ」と称しょうされるにふさわしく、大坂おおさかの豪商ごうしょうたちは寛政かんせい前後ぜんごに活躍かつやくした儒学じゅがく者しゃ蒲生がもう君平くんぺいが「大坂おおさかの豪商ごうしょう一いち度ど（ひとたび）怒おこって天下てんかの諸侯しょこう憚はばか（おそる）るの威いあり」と著述ちょじゅつするほどの社会しゃかい的てき影響えいきょう力りょくをもった。

寛文ひろふみ2年ねん（1662年ねん）に江戸えどの日本橋にほんばし（東京とうきょう都と中央ちゅうおう区く）に開業かいぎょうした白木屋しらきや呉服ごふく店てん、享とおる保ほ2年ねん（1717年ねん）に京都きょうと伏見ふしみ京町きょうまち（京都きょうと市し伏見ふしみ区く）に開業かいぎょうした大文字おおもじ屋や呉服ごふく店てん（現在げんざいの大丸だいまる）は、近代きんだいには百貨店ひゃっかてんとして発展はってんしている。

江戸えど期きにあっては、地方ちほうにあっても豪商ごうしょうと称しょうされる大だい商人しょうにんが現あらわれた。加賀かが藩はんの御用ごよう商人しょうにん銭ぜに屋や五ご兵衛ひょうえ、出羽でわ国こく酒田さかたの本間ほんま光丘ひかりがおか、盛岡もりおか藩はんの小野おの組ぐみなどが著名ちょめいである。江戸えど時代じだい後半こうはんに入はいると、幕府ばくふも諸しょ藩はんも財政難ざいせいなんにおちいったが、その際さいこれを支ささえたのが豪商ごうしょうによる御ご用金ようきんであった。

近代きんだい以降いこうの豪商ごうしょう

「政商せいしょう」および「財閥ざいばつ」も参照さんしょう

昭和しょうわ時代じだい（太平洋戦争たいへいようせんそう前まえ）の別べつ子こ銅山どうざん

近代きんだい以降いこうの展開てんかいは複雑ふくざつである。日米にちべい修好しゅうこう通商つうしょう条約じょうやくをはじめとする安政あんせい五ごカ国かこく条約じょうやくが調印ちょういんされたのち、自由じゆう貿易ぼうえきが本格ほんかく化かしたが、その際さいとくに目めだった現象げんしょうとしては、商人しょうにんのなかに輸入ゆにゅう品ひん取扱とりあつかい業者ぎょうしゃが出現しゅつげんしたこと、および近世きんせいの豪商ごうしょうが財閥ざいばつへと発展はってんしたことである。前者ぜんしゃの例れいとしては、菜種油なたねあぶら問屋とんやが石油せきゆの卸売おろしうりにたずさわったり、和紙わし問屋とんやが洋紙ようし問屋とんやとなったりした事例じれいがある。後者こうしゃに関かんしては、三井みつい家かや住友すみとも家かなどが多角たかく経営けいえいと政商せいしょう化かによって財閥ざいばつ化かに成功せいこうした事例じれいであったが、三井みつい財閥ざいばつ・住友すみとも財閥ざいばつはやがて財界ざいかいを成なし、その財力ざいりょくは国政こくせいに対たいしても一定いっていの影響えいきょう力りょくを有ゆうした。

参考さんこう文献ぶんけん

• 小沢おざわ詠美えいみ子こ「天下てんかの豪商ごうしょう 三井みつい越後屋えちごや」『ビジュアル・ワイド 江戸えど時代じだい館かん』小学館しょうがくかん、2002年ねん12月。ISBN 4-09-623021-9。 
• 胡桃沢くるみざわ勘かん司し 著ちょ「商人しょうにん」、小学館しょうがくかん 編へん『日本にっぽん大だい百科全書ひゃっかぜんしょ』小学しょうがく館かん〈スーパーニッポニカProfessional Win版ばん〉、2004年ねん2月がつ。ISBN 4099067459。 
• 五味ごみ文彦ふみひこ、野呂のろ肖あやか生なま『ちょっとまじめな日本にっぽん史しQ&A 下した（近世きんせい・近代きんだい）』山川やまかわ出版しゅっぱん社しゃ、2006年ねん3月がつ。ISBN 4-634-59043-3。 
• 竹内たけうち誠まこと「紀文のりふみと奈良なら茂しげる」『ビジュアル・ワイド 江戸えど時代じだい館かん』小学館しょうがくかん、2002年ねん12月。ISBN 4-09-623021-9。 
• 奈良本ならもと辰也たつや『日本にっぽんの歴史れきし17 町人ちょうにんの実力じつりょく』中央公論社ちゅうおうこうろんしゃ〈中公ちゅうこう文庫ぶんこ〉、1974年ねん6月がつ。ISBN 4-12-200111-0。 

関連かんれん項目こうもく

• 商人しょうにん
• 長者ちょうじゃ
• 財閥ざいばつ

外部がいぶリンク

• 高こう向むかい嘉昭よしあき「<論文ろんぶん>近世きんせい薩摩さつまにおける豪商ごうしょうの活躍かつやくとその没落ぼつらくについて」『商しょう経けい論叢ろんそう』第だい43巻かん、鹿児島県立短期大学かごしまけんりつたんきだいがく、1994年ねん3月がつ、1-27頁ぺーじ、ISSN 0288-1160、NAID 110000048863。